JP2010082311A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技球の発射効率を高めることができる遊技機を提供する。
【解決手段】パチンコ機の前扉枠には遊技球発射ハンドルが設けられており、パチンコ機の内枠には同遊技球発射ハンドルが操作されることにより遊技領域に対して遊技球を発射する遊技球発射装置が設けられている。遊技球発射装置は、直線往復動が可能な可動体160と、通電されることにより磁界を形成する励磁コイル171と、その可動体160が挿通されるとともに励磁コイル171が巻きつけられたボビン181と、同可動体160の移動方向を規定する規定部210,230と、それら各種構成が搭載されたハウジング250とを備えている。それら規定部210,230は、ボビン181に形成された設置部187,188に設置されているとともに、ボビン181及びハウジング250によって挟まれた状態で保持されている。
【選択図】 図10

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
遊技機の一種である弾球遊技機は、例えば、遊技者が操作する操作ハンドルと、その操作ハンドルの操作に基づいて遊技球を弾いて発射する遊技球発射装置と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備える。遊技球発射装置としては、例えば、コイルに電力を与えることにより電磁的な吸引力を発生させ、これにより可動体を直線往復動させて遊技球を発射させるようにした直線駆動式の構成を有するものが知られている(例えば、特許文献1)。
特開2000−271275号公報
上述した直線駆動式の遊技球発射装置では、可動体の外周に対して接触する軸受け等を備えたものがある。軸受けを採用することにより、可動体が往復動する際の同可動体のぶれを抑制し、遊技球発射装置における発射精度のばらつきの低減や、動特寿命の延長が実現されている。
しかしながら、上述したような軸受けを採用した構成においては、構成部品の増加や取付構造の煩雑化等に起因して以下の不都合が生じると想定される。つまり、寸法公差等の累積によりコイルの中心軸線と可動体の中心軸線との位置ばらつき(例えば芯ずれや傾き等)が生じ、上述した吸引力によって可動体が当該可動体の中心軸線と交差する方向に引き寄せられることが懸念される。このような吸引力の作用は、消費電力のロス等の要因となり、発射効率の悪化等を招来し得るため好ましくない。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技球の発射効率を高めることのできる遊技機を提供することを目的とするものである。
以下、上記課題を解決するための手段について記載する。
請求項1記載の発明は、直線往復動が可能な可動体と、通電されることにより磁界を形成し、前記可動体に動力を与えるコイル、及び前記可動体が挿通される挿通部を有し、その挿通部の外周に前記コイルが巻かれている本体を備えた駆動部と、前記駆動部の外側に設けられ、同駆動部が取り付けられているハウジングと、前記本体に設けられているとともに、前記可動体に対して当接するように形成されており、同可動体の移動方向を規定する規定部とを備えていることを特徴とする。
遊技球の発射効率を高めることができる。
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10を前方から見た斜視図、図2はパチンコ機10を主要な構成ごとに分解して示す分解斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能(開閉可能)に取り付けられた遊技機本体12とを有している。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
外枠11は、矩形枠状をなしており、上下の枠が木製であり、左右の枠がアルミニウム等の金属によって形成されている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技場に設置される。なお、外枠11を形成する材料は上記のものに限定されることはなく任意である。
外枠11の一側部に遊技機本体12が回動可能に支持されている。具体的には、図1に示すように、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具21が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具22が設けられている。これら上側支持用金具21及び下側支持用金具22により支持機構が構成され、当該支持機構によって外枠11に対して遊技機本体12が回動可能に支持されている。
また、遊技機本体12には、図2に示すように、その回動先端部に施錠装置23が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して閉鎖状態とした場合には施錠装置23の鉤部材24が外枠11の右枠部の内側面に設けられた鉤受け部にて受けられ、遊技機本体12の開放が阻止される。一方、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠25に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、外枠11の鉤受け部にて鉤部材24が受けられた状態が解除され、遊技機本体12の外枠11からの開放が可能となる。なお、施錠装置23は、後述する内枠13と前扉枠14との施錠を行う機能も有している。
遊技機本体12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能(開閉可能)に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。図3は内枠13の正面図である。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース31を主体に構成されている。樹脂ベース31の中央部には略楕円形状の窓孔32が形成されている。樹脂ベース31には遊技盤33が着脱可能に取り付けられている。遊技盤33は合板よりなり、遊技盤33の前面に形成された遊技領域33aが樹脂ベース31の窓孔32を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤33の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤33には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口34,可変入賞装置35,作動口36,スルーゲート37及び可変表示ユニット38等がそれぞれ設けられている。一般入賞口34は、左右にそれぞれ2個ずつ合計4個設けられている。一般入賞口34、可変入賞装置35及び作動口36に遊技球が入ると、それが後述する検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤33の最下部にはアウト口39が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口39を通って遊技領域33aから排出される。また、遊技盤33には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘40が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示ユニット38には、作動口36への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット38には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。センターフレーム42の上部には、第1特定ランプ部43及び第2特定ランプ部44が設けられている。また、センターフレーム42の下部及び上部にはそれぞれ保留ランプ部45,46が設けられている。下側の保留ランプ部45は図柄表示装置41及び第1特定ランプ部43に対応しており、遊技球が作動口36を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部46は第2特定ランプ部44に対応しており、遊技球がスルーゲート37を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
第1特定ランプ部43では、作動口36への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部44では、遊技球のスルーゲート37の通過をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には作動口36に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となる。なお、これら第1特定ランプ部43及び第2特定ランプ部44の制御は、後述する主制御装置により行われる。
可変入賞装置35は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置35の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置35が繰り返し開放されるものが一般的である。なお、可変入賞装置35の駆動制御は、後述する主制御装置により行われる。
遊技盤33には、内レール47と外レール48とが取り付けられており、これら内レール47及び外レール48により誘導レール49が構成されている。樹脂ベース31における窓孔32の下方には遊技球発射装置100が設けられており、この遊技球発射装置100から発射された遊技球は、誘導レール49によって区画された領域を通過して遊技領域33aの上部に案内される(図3参照)。遊技球発射装置100及びそれに付随する構成に関しての詳細な説明は後述する。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1等に示すように、遊技領域33aのほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部55が形成されている。窓部55は、略楕円形状をなし、透明性を有するガラス56が嵌め込まれている。窓部55の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。また、左上及び右上の位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部が設けられている。
前扉枠14における窓部55の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部57と下側膨出部58とが上下に並設されている。上側膨出部57内側には上方に開口した上皿57aが設けられており、下側膨出部58内側には同じく上方に開口した下皿58aが設けられている。上皿57aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置100側へ導くための機能を有する。また、下皿58aは、上皿57a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部58の右方には、手前側へ突出するようにしてハンドル装置59が設けられている。ハンドル装置59が操作されることにより、遊技球発射装置100から遊技球が発射される。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。図5は内枠13の背面図、図6は裏パックユニット15の正面図である。
図5に示すように、内枠13(遊技盤33)の背面には、主制御装置ユニット61及び音声ランプ制御装置ユニット65が搭載されている。
主制御装置ユニット61は、合成樹脂製の取付台を有し、取付台に主制御装置63が搭載されている。主制御装置63は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)及び電源を監視する機能(停電監視回路)を有する主制御基板と、同主制御基板を収容する基板ボックス64とを具備している。なお、主制御装置63の具体的な構成については、後に詳細に説明する。
音声ランプ制御装置ユニット65は、音声ランプ制御装置66と、取付台とを具備する構成となっており、取付台上に音声ランプ制御装置66が装着されている。音声ランプ制御装置66は、主制御装置63からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス68に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図6に示すように、裏パック71を備えており、当該裏パック71に対して、払出機構部72及び制御装置集合ユニット73が取り付けられている。裏パック71は透明性を有する合成樹脂により形成されており、払出機構部72などが取り付けられるベース部74と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部75とを有する。
ベース部74には、その右上部に外部端子板76が設けられている。外部端子板76には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技場側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。ベース部74には、保護カバー部75を迂回するようにして払出機構部72が配設されている。すなわち、裏パック71の最上部には上方に開口したタンク77が設けられており、タンク77には遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク77の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールが連結され、タンクレールの下流側には上下方向に延びるケースレールが連結されている。ケースレールの最下流部には払出装置78が設けられている。払出装置78より払い出された遊技球は、当該払出装置78の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿57a又は下皿58aに排出される。
払出機構部72には、裏パック基板79が設置されている。裏パック基板79には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
ベース部74の下端部には、制御装置集合ユニット73が取り付けられている。制御装置集合ユニット73は、横長形状をなす取付台81を有し、取付台81に払出制御装置82と電源・発射制御装置83とが搭載されている。これら払出制御装置82及び電源・発射制御装置83は、払出制御装置82がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置82は、基板ボックス84内に払出装置78を制御する払出制御基板が収容されて構成されている。電源・発射制御装置83は、基板ボックス85内に電源・発射制御基板が収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者によるハンドル装置59の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
次に、図3及び図7に基づき上述した遊技球発射装置100及びそれに付随する構成について説明する。図7は遊技球発射装置100及びそれに付随する構成を拡大して示す図3の部分拡大図である。なお、遊技球発射装置100と関連性の薄いものについては図示を省略している。
図7に示すように、遊技球発射装置100は、所定位置(発射待機位置)に配された遊技球を打ち出す電磁式のソレノイド110と、同ソレノイド110によって打ち出された遊技球を誘導レール49(内レール47及び外レール48に挟まれた領域)に案内する発射レール120と、前記発射待機位置に遊技球を供給する球送り機構130と、それら各種構成が装着されているベースプレート140とを備えている。遊技球発射装置100は、ベースプレート140が内枠13の樹脂ベース31に対してネジ等の締結具により固定されることにより、遊技機本体12に対して一体化されている。
発射レール120は、所定の発射角度(打ち出し角度)となるように、複数の固定具を用いてベースプレート140に固定されている。具体的には、誘導レール49の入口部分49aが遊技機本体12の回動先端側、詳しくは斜め下方に開放されており、発射レール120は、自身のレール方向の延長線上にその入口部分49aが位置するように、同入口部分49aを向いた状態で配置されている(図3参照)。
発射レール120と誘導レール49の入口部分49aとの間には所定の隙間が形成されており、この隙間よりも下方にはファール球通路(図示略)が設けられている。仮にソレノイド110によって発射された遊技球が遊技領域33aまで至らずファール球として誘導レール49内を逆戻りする場合には、それらファール球はファール球通路を介して下皿58aに排出される。これにより、ファール球の全てがファール球通路に確実に案内され、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
発射レール120における誘導レール49と反対側の端部(すなわち下端部)には球送り機構130から1つずつ供給される遊技球Bを上述した発射待機位置に留める遊技球ストッパ150が設けられている。発射レール120は、上述の如く遊技機本体12の回動先端側から回動基端側に向けて上り傾斜するように傾けて取り付けられており、遊技球ストッパ150が遊技球Bに対して同発射レール120における下流側から当接することによって、球送り機構130から供給された遊技球Bを発射待機位置にて保持可能な構成となっている。
遊技球ストッパ150よりも更に下流側、すなわち遊技球ストッパ150に対して遊技機本体12の回動先端側となる位置には、上述したソレノイド110が配置されている。ソレノイド110は、当該ソレノイド110への電気的な信号の入力等に基づいてスライド移動(往復移動)する金属製の可動体160を有しており、その可動体160の移動方向が前記発射レール120のレール方向と同一となるよう、且つ可動体160が移動する軌道PLが発射待機位置に配置された遊技球Bの中心を通過するように配置されている。これにより、可動体160によって押し出された遊技球Bが発射レール120に沿って移動しやすくなっている。
なお、上述した遊技球ストッパ150は、自身と発射レール120との間に可動体160の通過隙が形成されるように配置されている。これにより、遊技球ストッパ150によって所定位置に保持されている遊技球Bはソレノイド110側に露出し、当該ソレノイド110の可動体160による遊技球Bの打ち出しが可能となっている。
ここで、図8〜図10に基づきソレノイド110について詳細に説明する。図8(a)はソレノイド110の平面図、図8(b)はソレノイド110の側面図、図9はソレノイド110を主要構成部品ごとに分解して示す分解斜視図、図10は図8(a)のA−A線部分断面図である。
ソレノイド110は、上述した可動体160と、同可動体160の駆動力発生源を構成するソレノイド駆動部170と、可動体160が発射レール120のレール方向と同一方向に移動するように同可動体160の移動方向を規定する複数の規定部210,230と、それら各種構成が搭載されているハウジング250とによって構成されている(図8参照)。
ソレノイド駆動部170は、銅線よりなる励磁コイル171及びその励磁コイル171が取り付けられた合成樹脂製(絶縁体)のボビン181を備えている。ボビン181は、円筒状(中空状)をなす筒部182を有しており、その筒部182の外周面182aに沿って励磁コイル171が巻き付けられている。励磁コイル171の両端は、図示せぬ中継基板に接続されており、この中継基板を介して励磁コイル171と電源・発射制御装置とが電気的に接続された状態となっている。なお、便宜上、図8においては励磁コイル171をドットハッチングで示し、図9においては同励磁コイル171を二点鎖線で示している。
ボビン181の筒部182の内部には、前記可動体160が挿通されている。可動体160は、筒部182の中心軸線X1と同一方向に延びる円柱状のシャフト161と、同シャフト161と同一方向に延びる円筒状のプランジャ162とを有している。それらシャフト161及びプランジャ162は、磁性ステンレス鋼等の強磁性体によって形成されており、同プランジャ162の内部にシャフト161が圧入された状態で一体化されている。プランジャ162は、その中心軸線がシャフト161の中心軸線X2と重なる(一致する)ように形成されているとともに、シャフト161の略中央に(詳しくは軸線方向における略中間位置)に配されている。つまり、シャフト161及びプランジャ162が一体化された状態においては、プランジャ162の両側からシャフト161が突出している。
プランジャ162は、その外径がボビン181(詳しくは筒部182)の内径に対して若干小さくなるように形成されている(図10参照)。つまり、プランジャ162がボビン181の内部に挿通されている状態では、プランジャ162の外周面と筒部182の内周面182bとが若干の隙間を隔てて対峙した状態となっている。この隙間により、筒部182内をプランジャ162が移動する際の空気の逃げ道を確保し、ソレノイド110駆動時の空気抵抗の低減を図っている。
再びボビン181について説明すれば、図9及び図10に示すように、筒部182の両側部には当該筒部182における中心軸線の放射方向に突出したフランジ部183,184が一体成形されている。フランジ部183,184は、筒部182の縁部全域に亘って形成されており、中央に筒部182の内部空間に連通する開口185,186が形成された略円板状をなしている。それらフランジ部183,184に対して励磁コイル171が当接することにより、ボビン181からの同励磁コイル171の抜け落ちが抑制されている。
これらフランジ部183,184に対してボビン181の軸線方向における外側となる位置には、上述した規定部210,230が配置されている。言い換えれば、規定部201,230はボビン180を間に挟むようにして設けられている。規定部210,230は、可動体160のシャフト161が挿通されている合成樹脂製の軸受け211,231と、それら軸受け211,231を保持する金属製のホルダ215,235とによって構成されている。
ホルダ215,235には可動体160の軸線方向に貫通された貫通孔216,236が形成されており、それら両ホルダ215,235は、当該ホルダ215,235の貫通孔216,236とボビン181の貫通孔216,236とが同一軸線上となるように配置されている。貫通孔216,236を規定する内周面216a,236aにおいて同貫通孔216,236の軸線方向における途中位置には、当該貫通孔216,236の内側に突出する絞り部217,237が設けられている。
絞り部217,237は、環状(詳しくは円環状)をなしており、ボビン181側を向いた面(以下、内面217a,237aと称する)と、ボビン181に対して反対側を向いた面(以下、外面217b,237bと称する)とが同ホルダ215,235の軸線方向に対して垂直な略平面状をなすように形成されている(図10参照)。この絞り部217,237を基準として、ホルダ215,235は、ボビン181側の大径部218,238と、ボビン181と反対側が大径部218,238よりも小さな内径を有する小径部219,239とに大別されている。
絞り部217,237の内径は、小径部219,239の内径よりも小さくなるように設定されている。そして、絞り部217,237及び小径部219,239によって囲まれた空間(以下、収容空間HSと称する)に軸受け211,231が嵌まった状態となっている。より詳しくは、同収容空間HSに対して軸受け211,231が圧入された状態となっている。
小径部219,239には、同小径部219,239における絞り部217,237と反対側の開放部分からの軸受け211,231の抜け落ちを規制するカシメ(図示略)が施されている。これら絞り部217,237、小径部219,239及びカシメによって、軸受け211,231の移動、例えば保持位置のずれやホルダ215,235からの外れが規制されている。
絞り部217,237の中央部分に形成されている開口220,240は、軸受け211,231の軸受け孔212,232と同軸となる丸孔状をなしており、それら開口220,240の内部に軸受け211,231の一部が嵌まった状態となっている。軸受け孔212,232の内径はシャフト161の外径と同等となるように設定されている。それら軸受け孔212,232に対してシャフト161が挿通されており、同シャフト161の移動方向、すなわち可動体160の移動方向が規定されている。なお、開口220,240の内径はシャフト161の外径よりも大きくなるように設定されており、絞り部217,237とシャフト161との干渉は回避されている。
上述した大径部218,238の内径は、ボビン181の内径とほぼ同等となるように設定されている。すなわち、大径部218,238の内径は、プランジャ162の外形よりも若干大きくなるように設定されている。これら大径部218,238及びボビン181は、同ボビン181の開口185,186を介して連通しており、それら大径部218,238及びボビン181間でのプランジャ162の行き来(移動)が許容されている。
開口220,240の内径(すなわち絞り部217,237の内径)は、プランジャ162の外径よりも小さくなるように設定されている。すなわち、絞り部217,237の内面217a,237aは、可動体160におけるプランジャ162の端面163,164と対向している。これら内面217a,237aによって、可動体160のスライド移動可能な範囲(動作スペースMS)が規定されている。なお、軸受け211,231において開口220,240に嵌まっている部分については、絞り部217,237の内面217a,237aからの突出が回避されるように形成されている。これにより、軸受け211,231とプランジャ162との接触は回避されている。
大径部218,238においてフランジ部183,184と対向する側の端部には、ボビン181に対するフランジ部221,241が一体形成されている。フランジ部221,241は、大径部218,238の縁部に沿って形成されており、規定部210,230の中心軸線に対して放射状に延びる円環状をなしている。これらフランジ部221,241に対応して、ボビン181のフランジ部183,184には設置部187,188が形成されている。設置部187,188はフランジ部183,184の外面183a,184aよりも低位となるように段差状に窪んでおり、それら設置部187,188に対して各フランジ部221,241が嵌合する構成となっている。これら設置部187,188及びフランジ部221,241が嵌合することで、ボビン181と両規定部210,230とが組み合わせられた状態となっている。
設置部187,188の深さ寸法は、フランジ部221,241の厚み寸法の凡そ半分程度となるように設定されている。このため、設置部187,188及びフランジ部221,241が嵌合している状態においては、フランジ部221,241の一部(具体的にはその厚みの凡そ半分程度)が設置部187,188、すなわちフランジ部183,184の外面183a,184aから張り出す構成となっている。
なお、ホルダ215,235は必ずしも大径部218,238及び小径部219,239を有する必要はない。すなわち、絞り部217,237を基準として内径を相違させる必要はない。例えば、ホルダが内径が一定となるように形成された貫通孔を有し、その内周面に絞り部を形成してもよい。
以上詳述した、規定部210,230(詳しくは軸受け211,231)の中心軸線X3,X4は上述したソレノイド駆動部170(詳しくはボビン181)の中心軸線X1と重なるように構成されている。これにより、可動体160(詳しくはシャフト161)の移動方向がボビン181の軸線方向と同じ方向とになるように規定されている。
以下、説明の便宜上、規定部210,230のうち発射レール120側の規定部210を「第1規定部210」、発射レール120と反対側の規定部230を「第2規定部230」と称し、それら各規定部210,230の各種構成についても同様に適宜「第1〜」及び「第2〜」として区別して示す。
図9や図10等に示すように、第1規定部210の第1ホルダ215,ボビン181の筒部182及び可動体160のプランジャ162によって区画された空間(第1区画空間DS1)には、可動体160を第2規定部230側に向けて付勢する付勢部材としてのコイルバネ169が設けられている。コイルバネ169は、その一端が第1ホルダ215の絞り部217(詳しくは内面217a)に当接し、他端がプランジャ162における第1規定部210側の端面163に当接しており、常時圧縮された状態となっている。ソレノイド駆動部170が駆動していない場合には、可動体160は、コイルバネ169の付勢力によって第2規定部230側に偏倚した位置(初期位置)にて待機した状態となるように構成となっている。
一方、第2規定部230の第2ホルダ235,ボビン181の筒部182及び可動体160のプランジャ162によって区画された空間(第2区画空間DS2)には、プランジャ162における第2規定部230側の端面164と、第2ホルダ235の絞り部237(詳しくは内面237a)との干渉を緩和する緩衝材としてゴムリング168が設けられている。ゴムリング168は、端面164及び内面237aの間に配置されており、具体的にはシャフト161に装着されている。上述したコイルバネ169によって可動体160が第2規定部230側に押されることで、当該ゴムリング168が端面164及び内面237aの間に挟まれることとなる。これにより、可動体160が初期位置に配置された際の打音の発生が抑制されている。つまり、このゴムリング168は消音材としての機能を併せ有している。
なお、ゴムリング168を第2規定部230側に装着することも可能である。また、ゴムリング168は必ずしも第2区画空間DS2内に配置する必要はなく、第2区画空間DS2外、例えば第2規定部230の外側に配置してもよい。
シャフト161において第1規定部210から突出している部位には、発射待機位置に保持された遊技球Bの打ち出しに伴って、同遊技球Bと当接する当接部材167が取り付けられている。当接部材167は、シャフト161よりも軟質な材料(詳しくは合成樹脂材料)によって形成されており、可動体160による遊技球の打ち出しが行われる際の打音の低減及び遊技球の保護が図られている。
以上詳述したソレノイド駆動部170及び規定部210,230は、相互に組み合わせられた状態にて、ボビン181の軸線方向における両側からハウジング250により挟持されている。ハウジング250は、磁性ステンレス鋼等の強磁性体によって形成されており、第1規定部210側に設けられた第1ハウジング構成体260及び第2規定部230側に設けられた第2ハウジング構成体280によって構成されている。以下、図9〜図12に基づき各ハウジング構成体260,280について説明する。図11(a)は第1ハウジング構成体260の平面図、図11(b)は第2ハウジング構成体280の平面図、図12(a)は第1ハウジング構成体260の正面図、図12(b)は第2ハウジング構成体280の正面図である。なお、便宜上、先ず第2ハウジング構成体280について説明する。
第2ハウジング構成体280は、ベースプレート140に対向し、同ベースプレート140に対しての取付部を構成する基部281を有している。基部281はベースプレート140と平行な平板状をなしており、ソレノイド110の平面視(第2ハウジング280の平面視)において少なくともソレノイド駆動部170の全域と重なるように形成されている(図11(a)参照)。基部281の一側部には第2規定部230を保持する保持部282が一体成形されている。保持部282は、基部281からベースプレート140側と反対に起立する板状をなしており、同保持部282におけるボビン181側の板面(内面282a)がボビン181のフランジ部184と対向するように形成されている。
保持部282の略中央には、第2ホルダ235の大径部238が挿通される挿通孔283が形成されており、この挿通孔283を介して大径部238の一部がハウジング250外に突出した状態となっている。
挿通孔283の周縁には、第2ホルダ235のフランジ部241においてフランジ部184の外面184aから張り出している部分と嵌合する嵌合部284が設けられている。嵌合部284は、保持部282の内面282aに対して低位となるように段差状に窪んでおり、その深さ寸法が外面184aからのフランジ部241の張出量と同等となるように形成されている。
フランジ部241が嵌合部284内に嵌まった状態にて、保持部282の内面282aとフランジ部184の外面184aとが面接触している。このように保持部282及びフランジ部184が面接触している状態においては、第2ハウジング構成体280の保持部282とフランジ部184の設置部188とによって第2規定部230のフランジ部241が嵌まる空間が区画形成されている。
保持部282において基部281と反対側の端部には、ソレノイド駆動部170を挟んで基部281と対向する対向部285が設けられている。対向部285は、保持部282を基端として第1規定部210側に延びる板状をなしており、ソレノイド110の平面視においてソレノイド駆動部170全体を覆うように形成されている。対向部285の先端側には、基部281及び対向部285を繋ぐようにして、上述した第1ハウジング構成体260が配されている。すなわち、第1ハウジング構成体260は、第2保持部282に対してソレノイド駆動部170を挟んだ反対側に配置されている。
第1ハウジング構成体260は、第1規定部210を保持する保持部261を有している。保持部261は、ソレノイド駆動部170を挟んで第2ハウジング構成体280の保持部282と対向する平板状をなしている。保持部261の略中央には、第1ホルダ215の大径部218が挿通される挿通孔262が形成されており、この挿通孔262を介して大径部218の一部がハウジング250外に突出した状態となっている。
挿通孔262の周縁には、第1ホルダ215のフランジ部221においてフランジ部183の外面183aから張り出している部分と嵌合する嵌合部263が設けられている。嵌合部263は、保持部261においてフランジ部183と対向している板面(内面261a)に対して低位となるように段差状に窪んでおり、その深さ寸法がフランジ部221の張出量と同等となるように形成されている。
フランジ部221が嵌合部263内に嵌まった状態にて、保持部261の内面261aとフランジ部183の外面183aとが面接触している。言い換えれば、保持部261及びフランジ部183が面接触している状態においては、第1ハウジング構成体260の保持部261とフランジ部183の設置部187とによって第2規定部230のフランジ部241が嵌まる空間が区画形成されている。
ここで、同図10〜図12に基づき第1ハウジング構成体260及び第2ハウジング構成体280の組み合わせ及び固定に関する構成について説明する。
第2ハウジング構成体280の基部281における発射レール120側の端部には、ソレノイド駆動部170よりも外側(発射レール120側)に延びる平板状の延出部286が形成されており、第1ハウジング260の保持部261には、その延出部286に対して内側から当接する当接部264が一体成形されている。当接部264は延出部286と平行な板状をなしており、その板面が延出部286の板面と面接触している。
一方、第2ハウジング構成体280における対向部285の発射レール120側の端部には、ソレノイド駆動部170の外側(発射レール120側)に延びる平板状の延出部287が形成されており、第1ハウジング260の保持部261には、その延出部287に対して内側から当接する当接部265が一体成形されている。当接部265は延出部287と平行な板状をなしており、その板面が延出部287の板面と面接触している。
以上詳述したように第1ハウジング構成体260の当接部264,265が第2ハウジング構成体280の延出部286,287に当接することに基づいて、同第1ハウジング構成体260が同第2ハウジング構成体280によって挟持された状態となり、これらハウジング構成体260,280によっていわゆる「ヨーク」が形成されている。
また、第1ハウジング構成体260の保持部261における基部281側の端部には1組みの突出部266,267が形成されている。それら突出部266,267は、当接部264を挟んだ両側に離間して配置されており、第2ハウジング構成体280の延出部286を挟み込むようにして同延出部286の縁部に当接している。同様に、保持部261における対向部285側の端部には1組みの突出部268,269が形成されている。それら突出部268,269は、当接部265を挟んだ両側に離間して配置されており、第2ハウジング構成体280の延出部287は挟み込むようにして同延出部287の縁部に当接している。
更に、基部281において延出部286の両側には、可動体160の軸線方向を向いた壁状の位置決め部288,289が設けられているとともに、対向部285において延出部287の両側には、可動体160の軸線方向を向いた壁状の位置決め部290,291が設けられている。これら位置決め部288〜291は上述した各突出部266〜269に対応して形成されており、同位置決め部288〜291に対して突出部266〜269が当接することにより、第1ハウジング構成体260及び第2ハウジング構成体280の相対位置、詳しくは可動体160の軸線方向における相対位置が特定される構成となっている。
上述の如く第1ハウジング構成体260及び第2ハウジングが組み合わせられた状態にて、それら両ハウジング構成体260,280が、結合手段としての皿ネジ296,297によって結合されている。
具体的には、第1ハウジング構成体260の当接部264,265には、皿ネジ296,297が螺着されるネジ孔273,274が設けられており、第2ハウジング構成体280の延出部286,287には、それらネジ孔273,274に連通する連通孔293,294が設けられている。皿ネジ296,297が、それら連通孔293,294を介してハウジング250の外側から挿通され、ネジ孔273,274に対して取り付けられることにより、両ハウジング構成体260,280が一体化されている。このように、両ハウジング構成体260,280が結合されることにより、ソレノイド駆動部170及び両規定部210,230が両ハウジング構成体260,280によってソレノイド110の軸線方向両側から挟持された状態となり、それらソレノイド駆動部170及び規定部210,230の分離(取り外し)が不可となる。
ネジ孔273,274及び連通孔293,294は、それら各孔273,274,293,294の中心軸線が可動体160の中心軸線Xに対して交差(詳しくは直交)する方向に延びるように形成されている。このため、同ネジ孔273,274に対して螺着された皿ネジ296,297の中心軸線は可動体160の中心軸線Xに対して交差(詳しくは直交)することとなる。このように皿ネジ296,297を可動体160のスライド方向に対して交差するように(詳しくは垂直となるように)取り付ける構成としたことにより、ソレノイド110が駆動することに起因して発生する振動等によって同皿ネジ296,297が緩むといった不都合を生じにくくしている。
図11(b)の拡大図等に示すように、連通孔293,294は、ネジ孔273,274よりも大きく形成されている。具体的には、連通孔293,294は、ネジ孔273,274と連なる位置を基端としてソレノイド駆動部170から離れる側に(詳しくは可動体160の軸線方向)に延びる長孔状をなしている。それら連通孔293,294の孔径は可動体160の軸線方向においてネジ孔273,274から離れるに従って小さくなるように形成されている。つまり、連通孔293,294は、ネジ孔273,274から離れる従って徐々に縮径されるように形成されている。
皿ネジ296,297の頭部296a,297aは、ネジ部296b,297bに向けて徐々に窄むテーパ状をなしている。また、連通孔293,294は、ネジ部296b,297bが連通孔293,294に挿通されている状態では、同連通孔293,294内のいずれの位置においても同頭部296a,297aと延出部286,287との係り代(すなわちネジ部296b,297bの軸線方向における重なり)が確保されるように形成されている。このため、皿ネジ296,297を連通孔293,294に挿通した状態にてねじ込んだ場合には、連通孔293,294において内径が拡がっている側、すなわちネジ孔273,274側に皿ネジ296,297が案内されることとなる。つまり、連通孔293,294の傾斜及び皿ネジ296,297の頭部296a,297aの傾斜によって皿ネジ296,297を所定の締結位置CPに導く案内手段が構成されている。
例えば、第1ハウジング構成体260と第2ハウジング構成体280との結合作業が行われる際には、作業ばらつき等に起因して両ハウジング構成体260,280が上述した特定の組み合わせ位置に配置されないまま皿ネジ296,297の装着作業が行われる可能性がある。このような場合であっても、皿ネジ296,297のねじ込み操作に基づいて、両ハウジング構成体260,280の位置合わせなされることで、正常な結合作業を行うことができる。
具体的には、皿ネジ296,297を連通孔293,294における拡張部分に挿通し、ねじ込みを行うことにより、皿ネジ296,297が連通孔293,297内をスライド移動する。スライド移動中に、ネジ部296b,297bがネジ孔273,274に嵌まる位置に達すると、それらネジ部296b,297b及びネジ孔273,274が噛み合うこととなる。このようにネジ部296b,297b及びネジ孔273,274が噛み合った状態にて、皿ネジ296,297を更にねじ込むことにより第1ハウジング構成体260及び第2ハウジング構成体280の少なくとも一方がソレノイド110の軸線方向にスライド移動し、両ハウジング構成体260,280の相対位置が変化することとなる。つまり、皿ネジ296,297のねじ込みに操作に基づいて、両ハウジング構成体260,280の位置ばらつきが徐々に補正され、ねじ込み操作を完了する時点では、両ハウジング構成体260,280の位置合わせが完了された状態となる。これにより、各ハウジング構成体260,280の組み合わせ作業の作業ばらつきを許容しやすくし、ハウジング構成体260,280の結合作業の煩雑化を抑制している。
以上詳述したようにソレノイド駆動部170,第1規定部210,第2規定部230,第1ハウジング構成体260及び第2ハウジング構成体280が一体化された状態においては、両規定部210,230及びハウジング250によって磁気回路が構成されている。詳しくは、既に説明したように規定部210,230及びハウジング250は磁性体からなり、それら各種構成によって、ソレノイド駆動部170(詳しくは励磁コイル171)に発生した磁気を通す磁気回路が形成されている。つまり、規定部210,230は、可動体160の移動方向を規制する機能と、磁気回路を構成する「ヨーク」としての機能とを併せ有しており、ハウジング250は各種構成を一体化する機能と、電磁回路を構成する「ヨーク」としての機能を併せ有している。これら規定部210,230及びハウジング250によって磁気回路が形成され、ソレノイド駆動部170に発生する磁界の補強がなされる点に着目すれば、ソレノイド駆動部170、規定部210,230及びハウジング250によって可動体160を駆動する「駆動手段」が構成されているとも言える。
ここで、再び図10を用いて、ソレノイド110に形成される磁気回路MCについて説明する。なお、図10においては、磁気回路MCの一例を2点鎖線で示している。
磁気回路MCは、可動体160の中心軸線X2を挟んで対称となるように形成されており、第2ハウジング構成体280の基部281側にて環状をなす磁気回路MCと、第2ハウジング構成体280の対向部285側にて環状をなす磁気回路MCとに大別される。磁気回路MCにおける中心軸線X側の境界、すなわち中心軸線Xからの最短距離は、各規定部210,230における開口239の内壁の位置によって規定されている。このように絞り部217,237を中心軸線X側に突出させ、中心軸線Xと開口220,240との距離によって、磁気回路MCとプランジャ162との重なりを規定することにより、ソレノイド110の動特性の変更を容易なものとしている。磁気回路MCは、励磁コイル171が通電し磁気が発生した場合に、第1規定部210(詳しくは絞り部217)とプランジャ162との間に吸引力が生じるように構成されている。以下、ソレノイド110の動作について簡単に説明する。
励磁コイル171が通電していない場合には、絞り部217とプランジャ162との間に吸引力が生じない。このため、可動体160はコイルバネ169の付勢力によって第2規定部230の絞り部237に押し付けられた状態、すなわち初期位置にて待機した状態となっている(図10参照)。
励磁コイル171が通電し、磁気が発生した場合には、プランジャ162が第1規定部210の絞り部217側に吸着される。かかる場合、可動体160はコイルバネ169の付勢力に抗して第1規定部210側に移動することとなる。
可動体160が上述した吸引力に基づいて移動した場合には、コイルバネ169が縮み第1規定部210の絞り部217を発射レール120側に押す力が増大することとなる。つまり、第1規定部210に対して、同第1規定部210を発射レール120側に変位させるように負荷が増すこととなる。
第1規定部210のフランジ部221は第1ハウジング260の保持部261に対して当接している。このため、上記絞り部217に対して加わった力は第1規定部210の大径部218及びフランジ部221を介して第1ハウジング260に伝わることとなる。このようにして第1ハウジング260に伝わった力は、皿ネジ296,297を介して第2ハウジング280に伝わる。つまり、上記吸引力に基づいて可動体160が移動することにより発生した力は、ソレノイド110全体を発射レール120側に押すように作用する。このように、第1規定部210に対して加わる応力をハウジング250等によって分散して受けることにより、同第1規定部210に対して負荷が集中することが回避される。
また、上述の如く第2ハウジング280は、第2規定部230のフランジ部241及びソレノイド駆動部170のボビン181に当接している。このため、第2ハウジング280に伝わった力は、第2ハウジング280の対向部285及び第2ハウジング280の保持部282を介して、第2規定部230及びソレノイド駆動部170のボビン181に伝わることとなる。つまり、第2規定部230及びボビン181は、第2ハウジング280の保持部282によって発射レール120側に押されることなる。
このように可動体160の移動に基づいて第1規定部210が押される側と同一側に、第2規定部230及びボビン181が移動することにより、第1規定部210と第2規定部230及びボビン181との相対位置が変化することを抑制可能となっている。つまり、可動体160の移動に伴って発生する力に起因して、第1規定部210の中心軸線X3及び第2規定部230の中心軸線X4のずれや、それら規定部210,230の中心軸線X3,X4とソレノイド駆動部170の中心軸線X1とのずれが生じることを抑制可能となっている。
励磁コイル171への電力の供給が停止すると、上述した吸引力は消失することとなる。このように吸引力が消失することによって、コイルバネ169の付勢力に抗する力が作用しなくなり、同コイルバネ169の付勢力に基づいて可動体160が第2規定部230側に移動することとなる。そして、可動体160が初期位置に達すると、ゴムリング168が第2規定部230の絞り部237に当接し、同可動体160の移動が停止する(図10参照)。
可動体160が上述したコイルバネ169の付勢力に基づいて、第2規定部230側に移動した場合には、第2規定部230の絞り部237と可動体160のゴムリング168とが当たることにより、第2規定部230の絞り部237に対して当該絞り部237を発射レール120と反対側に押す力が加わることとなる。つまり、第2規定部230に対して、同第2規定部230を発射レール120から離れる側に変位させるような負荷が加わることとなる。
第2規定部230のフランジ部241は第2ハウジング280の保持部282に対して当接している。このため、上記絞り部237に対して加わった力は第2規定部230の大径部238及びフランジ部241を介して第2ハウジング280に伝わることとなる。このようにして第2ハウジング280に伝わった力は、対向部285及び皿ネジ296,297等を介して第1ハウジング260に伝わることととなる。つまり、コイルバネ169の付勢力に基づいて可動体160が移動することにより発生した力は、ソレノイド110全体を発射レール120から離れる側に押すように作用することとなる。このように、第2規定部230に対して加わる力をハウジング250等によって分散して受けることにより、同第2規定部230に対して負荷が集中することが回避される。
また、上述の如く第1ハウジング260は、第1規定部210のフランジ部221及びソレノイド駆動部170のボビン181に当接している。このため、第1ハウジング260に伝わった力は、第1ハウジング260の保持部261を介して第1規定部210及びソレノイド駆動部170のボビン181に伝わることとなる。この場合、第1規定部210及びボビン181は、発射レール120から離れる側に押されることなる。このように可動体160の移動に基づいて第2規定部230が押される側と同一側に第1規定部210及びボビン181が押されることにより、第1規定部210と第2規定部230及びボビン181との相対位置が変化することを抑制可能としている。つまり、可動体160の移動に伴って発生する力により、第1規定部210の中心軸線X3及び第2規定部230の中心軸線X4のずれや、それら規定部210,230の中心軸線X3,X4とソレノイド駆動部170の中心軸線X1とのずれが発生すること抑制可能となっている。
次に、図13に基づきソレノイド110の組立作業について説明する。ソレノイド110を組み立てる際には、図13(a)→図13(b)→図13(c)→図13(d)の順に作業が行われる。
先ず、図13(a)に示すように、ソレノイド駆動部170の筒部182に可動体160を挿入する。この際、併せてコイルバネ169をシャフト161に挿通する。
このように、ソレノイド駆動部170及び可動体160を組み合わせた後、第1規定部210及び第2規定部230をソレノイド駆動部170(詳しくはボビン181)に対して設置する。具体的には、第1規定部210の軸受け孔212に可動体160のシャフト161を通し、同可動体160の軸線方向に第1規定部210を押し込むとともに、第2規定部230の軸受け孔232にシャフト161を通し、同可動体160の軸線方向に第2規定部230を押し込む(図13(b)参照)。
両規定部210,230をボビン181に当接する位置まで押し込むと、ボビン181の設置部187,188に各規定部210,230のフランジ部221,241が嵌まった状態となる。かかる状態においては、可動体160のゴムリング168が第2規定部230の絞り部237に当接するとともに、コイルバネ169が若干圧縮された状態となる。
次に、図13(c)に示すように、一体化された可動体160,ソレノイド駆動部170,第1規定部210及び第2規定部230をハウジング250に搭載する。具体的には、先ず、第2ハウジング構成体280を、挿通孔283に第2規定部230の大径部238が嵌まった状態にてボビン181側に向けて押し込む。第2ハウジング構成体280を所定の取付位置まで押し込むと、第2ハウジング構成体280の嵌合部284に第2規定部230のフランジ部241が嵌まるとともに、第2ハウジング構成体280の保持部282がボビン181のフランジ部184に当接する。これにより、第2ハウジング構成体280がソレノイド駆動部170及び第2規定部230と組み合わせられた状態となる。
第1ハウジング250を、挿通孔262に第1規定部210の大径部218が嵌まった状態にて、同第1ハウジング250をボビン181側に押し込む。このような押し込みを行う際には、第1ハウジング構成体260の当接部264,265及び各突出部266〜269が第2ハウジング構成体280の延出部286,287に当接した状態となることで、第1ハウジング構成体260の組み付けばらつきが抑制される。第1ハウジング構成体260を所定の取付位置まで押し込むと、突出部266〜269が第2ハウジング構成体280の位置決め部288〜291に当たる。これにより、それ以上の押し込み操作が不可となる。このように、第1ハウジング構成体260を所定の取付位置まで押し込むと、第1ハウジング構成体260の嵌合部263に第1規定部210のフランジ部221が嵌まるとともに、第1ハウジング構成体260の保持部261がボビン181のフランジ部183に当接する。
図13(c)に示すように各種構成を組み合わせた後は、皿ネジ296,297によって第1ハウジング構成体260及び第2ハウジング構成体280を結合する。かかる作業を行う際には、コイルバネ169の付勢力等によって、第1ハウジング構成体260及び第2ハウジング構成体280の相対位置が、所定の組み合わせ位置からずれやすくなることが懸念される。この点、本実施の形態においては、皿ネジ296,297のねじ込み操作に基づいて、第1ハウジング構成体260のネジ孔273,274及び第2ハウジング構成体280の連通孔293,294の位置ずれが補正されることとなる。これにより、上述したような両ハウジング構成体260,280の位置ずれを回避することが可能となり、それら両ハウジング構成体260,280を用いた各種構成の保持(挟持)を好適なものとすることができる。そして、最後に、当接部材167をシャフト161の先端に装着することにより、ソレノイド110の組立作業が完了する(図13(d)参照)。
以上詳述した遊技球発射装置100における遊技球の発射は以下のように行われる。遊技者によりハンドル装置59が操作されると、ハンドル操作量がセンサ等により検出され、その検出信号が発射制御装置83に入力される。発射制御装置83により、前記検出信号に応じた制御信号がソレノイド駆動部170に出力され、ソレノイド駆動部170は、発射制御装置83の制御信号に応じて電磁的な吸引力を発生させる。プランジャ162は、この電磁的な吸引力により遊技球B側に押出される。可動体160が押し出されることにより、当接部材167が、発射待機位置に保持された遊技球Bと接触する。これにより、遊技球Bが発射レール120に沿って打ち出される。打ち出された遊技球Bは、発射レール120上を移動し、遊技領域に向けて発射される。遊技球Bの打ち出しを終えた後には、コイルバネ169の付勢力により可動体160が初期位置に押し戻される。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図14のブロック図に基づいて説明する。図14では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置63に設けられた主制御基板300には、主制御回路302と停電監視回路303とが内蔵されている。主制御回路302には、MPU304が搭載されている。MPU304には、当該MPU304により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM305と、そのROM305内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM306と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
MPU304には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU304の入力側には、主制御基板300に設けられた停電監視回路303、払出制御装置82に設けられた払出制御基板311及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路303には電源・発射制御装置83に設けられた電源・発射制御基板315が接続されており、MPU304には停電監視回路303を介して電力が供給される。
一方、MPU304の出力側には、停電監視回路303、払出制御基板311及び中継端子板319が接続されている。払出制御基板311には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板319を介して主制御回路302から音声ランプ制御装置66に設けられた音声ランプ制御基板321に対して各種コマンドなどが出力される。
停電監視回路303は、主制御回路302と電源・発射制御基板315とを中継し、また電源・発射制御基板315から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。
払出制御基板311は、払出装置78により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU312は、そのMPU312により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM313と、ワークメモリ等として使用されるRAM314とを備えている。
払出制御基板311のMPU312には、入出力ポートが設けられている。MPU312の入力側には、主制御回路302、電源・発射制御基板315、及び裏パック基板79が接続されている。また、MPU312の出力側には、主制御回路302及び裏パック基板79が接続されている。
電源・発射制御基板315は、電源部316と発射制御部317とを備えている。電源部316は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御回路302や払出制御基板311等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて主制御回路302や払出制御基板311等に対して供給する。発射制御部317は、遊技球発射装置100の発射制御を担うものであり、遊技球発射装置100は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御基板321は、表示制御装置325を制御するものである。演算装置であるMPU322は、そのMPU322により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM323と、ワークメモリ等として使用されるRAM324とを備えている。
音声ランプ制御基板321のMPU322には入出力ポートが設けられている。MPU322の入力側には中継端子板319に中継されて主制御回路302が接続されており、主制御回路302から出力される各種コマンドに基づいて、表示制御装置325を制御する。表示制御装置325は、音声ランプ制御基板321から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置41を制御する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
ソレノイド110が可動体160の移動方向を規定する規定部210,230を有する構成とした。これにより、可動体160の動作の安定化を図ることができる。具体的には、磁気回路MC(詳しくは規定部210,230及びハウジング250)とプランジャ162との空隙(いわゆるエアーギャップ)が、可動体160が動作する度にばらつくことを抑制することにより、安定した磁気特性(動特性)を得ることが可能となっている。
規定部210,230(詳しくは軸受け212,232)をソレノイド駆動部170のボビン181に対して設置する構成とした。具体的には、ボビン181の設置部187,188に対して、各規定部210,230のフランジ部221,241を嵌め合わせる構成とした。このように、規定部210,230をボビン181に対して直接設置する構成としたことにより、寸法公差等の累積に起因してソレノイド駆動部170(詳しくは励磁コイル171)の中心軸線X1と可動体160の中心軸線X2との位置ばらつき(芯ずれや傾き等)の発生を抑えることができる。これにより、上述したソレノイド駆動部170に発生する吸引力によって可動体160が当該可動体160の中心軸線X2と交差する方向に引き寄せられることを抑制しできる。故に、コイルに供給される電力を有効活用し、遊技球の発射効率を高めることが可能となっている。
プランジャ162の端面163と絞り部217の内面217aとが中心軸線Xに対して直交する平面状をなす構成とした。これにより、可動体160の全動作範囲のうち遊技球と当たる位置を含んだ特定の範囲においては、磁気特性(動特性)の変化を抑えることが可能となっている。
より詳しく説明すれば、例えばプランジャの端面163を絞り部217の内面217a側に凸となるように変更し、絞り部217の内面217aがプランジャの端面163に対応して凹となるように変更することも可能である。しかしながら、このような変更を行った場合には、可動体160の全動作範囲のうち遊技球と当たる位置を含んだ特定の範囲においては、遊技球に近づくに従って磁気特性が徐々に低下することとなる。これは、励磁コイル171に印加する電圧とソレノイド駆動部170に発生する吸引力とを比例させにくくする要因となり得るため好ましくない。この点、上述の如く可動体160の位置によって動特性が変化することを抑制する構成を採用したことにより、励磁コイル171に印加する電圧とソレノイド駆動部170に発生する吸引力とを比例させやすくできる。故に、ハンドル装置59を操作した際の操作量と発射速度とが一定の比例関係を有する構成を実現しやすくなっている。
第1規定部210は、ソレノイド110の組み立てが完了した状態においては、ボビン181のフランジ部183と第2ハウジング構成体280の保持部282とによって挟持されている。また、第2規定部230についても同様に、ボビン181のフランジ部184と第1ハウジング構成体260の保持部261とによって挟持されている。このように、各規定部210,230をボビン181及びハウジング構成体260,280によって挟持することにより、各規定部210,230の移動を簡素な構造により規制可能となっている。例えば、カシメや接着剤等の固定手段を用いることにより、規定部210,230を固定する構成と比較して、その組み付けに係る作業工程を簡略化することができる。
本実施の形態においては、ハウジング構成体260,280の嵌合部263,284とボビン181の設置部187,188によって区画された空間に規定部210,230のフランジ部221,241が嵌まることによって、互いに相対位置のずれを規制し合っており、規定部210,230とボビン181及びハウジング構成体260,280とを完全に固着していない。このため、ソレノイド110の駆動に伴って、可動体160が往復動することにより両絞り部217,237に対して中心軸線Xに沿った方向への負荷が加わり、仮にその負荷等に基づいてハウジング構成体260,280が変形した場合であっても、それに起因して規定部210,230が歪む等の不都合が生じることを抑制できる。これにより、規定部210,230によるシャフト161のガイド機能を担保しやすくなっている。
上述の如く規定部210、230とハウジング構成体260,280とが嵌合する構成においては、第1ハウジング構成体260及び第2ハウジング構成体280の相対位置のばらつきによる影響が規定部210,230に及び、第1規定部210の中心軸線X3と第2規定部230の中心軸線X4との同軸度が低下するが懸念される。このような不都合は、例えば両ハウジング構成体260,280の組み付けばらつきに起因して発生するずれが、規定部210,230を介してボビン181に伝わり、同ボビン181に対してねじれ等の応力が生じることにより発生すると想定される。この点、本実施の形態においては、両ハウジング構成体260,280の組み合わせ方向を、ソレノイド110の軸線方向と同方向となるように構成しているため、仮にそれら両ハウジング構成体260,280の組み付けがばらついたとしても、上述したような不都合を生じにくくし、両軸受け211,231の中心軸線X3,X4がずれることを抑制できる。すなわち、それら中心軸線X3,X4の同軸度の低下を抑えることが可能となっている。
また、ハウジング構成体260等の各種構成の組み合わせ方向をソレノイド110の軸線方向と同一となるように揃えたことにより、ソレノイド110の組立作業の簡略化に貢献している。
可動体160に対して当接することにより、同可動体160の軸線方向への移動を止める「ストッパ部」としての機能を規定部210,230に付与し、同規定部をボビン181やハウジング250とは別体で設けた。このように、可動体160の駆動に伴って負荷が加わりやすくなる部分を別体で設けることにより、摩耗や変形等に伴う部品交換を行う際に、他の周辺部品をリユースしやすくしている。
また、規定部210,230には、上記「ストッパ部」としての絞り部217,237と、軸受け211,231を併せ有する構成とした。このように両者を近づけて配置することにより、可動体160と絞り部217,237とが当った際の、同可動体160のぶれを抑えやすくしている。
第1ハウジング構成体260の保持部261と、第2ハウジング構成体280の保持部282とは、基部281,延出部286,当接部264及び皿ネジ296等を介して繋がっている。このため、両保持部261,282のうち一方に対してソレノイド110の軸線方向に負荷が加わった場合には、その負荷の一部は他方に伝達される。そして、その他方に当接しているボビン181等にその負荷の一部が伝わる。このように、規定部210,230とハウジング構成体260,280との当接部分(詳しくは嵌合部263,284)に加わった負荷をソレノイド110全体に分散して受けることにより、それら当接部分に負荷が集中することを抑制している。
両保持部261,282は、ソレノイド110の中心軸線Xを挟んだ両側で繋がっている。このため、両保持部261,282のうち一方から他方に負荷が伝わることに伴って、ソレノイド110に対して曲げモーメントが発生することを抑制可能となっている。これにより、ボビン181や規定部210,230等の歪みを生じにくくしている。
「ストッパ部」としての絞り部217,237を規定部210,230が有する構成においては、上記負荷が大きくなると、規定部210,230がハウジング250(詳しくは嵌合部263,284)から抜け落ちるといった不都合が生じ得る。この点、本実施の形態においては、上述の如く可動体160の駆動に伴って発生する負荷を、ソレノイド110の全体で分散して受ける構成としているため、そのような不都合の発生を好適に抑制可能となっている。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(1)上記実施の形態では、第1規定部210が第1軸受け211及び第1ホルダ215を有する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、第1規定部210が第1ホルダ215を有さない構成としてもよい。このような変更を行った場合には、絞り部217に相当する構成をボビン181又は第1ハウジング構成体260に設けるとよい。第2規定部230についても同様に第2ホルダ235を省略することも可能である。
(2)上記実施の形態では、ハウジング250を第1ハウジング構成体260及び第2ハウジング構成体280の2部品によって構成したが、ハウジングを構成する部材の数は2つに限定されるものではない。例えば、3つ以上の部品を用いてハウジングを構成することも可能である。但し、部品点数の増加は、ソレノイド110の組立作業の煩雑化を招来し得るとともに、ハウジングの強度の低下を招来しやすい。この点、上記実施の形態に示すように、ハウジング250を2つの部品によって構成することで、上述した各不都合の発生を抑え、実用上好ましい構成を実現できる。
(3)上記実施の形態では、ソレノイド駆動部170とハウジング250とを一体化することにより各規定部210,230の取り外しを不可とする構成としたが、これを以下のように変更することも可能である。すなわち、各規定部210,230及びソレノイド駆動部170(詳しくはボビン181)を結合することにより、各規定部210,230の取り外しを不可とする構成としてもよい。例えば、ネジ等の締結具や接着剤等の固着手段を用いて結合してもよいし、カシメ等の結合方法を用いて結合してもよい。但し、このように、規定部210,230及びボビン181を完全に固定してしまうと、仮にボビン181にねじれ等が発生するとその影響が規定部210,230に及びやすくなると想定される。これは、可動体160のシャフト161との擦れが局所的に強まる要因となり、同シャフト161等の摩耗を促進し得るため好ましくない。故に、望ましくは、本実施の形態に示すように各規定部210,230及びソレノイド駆動部170とを結合しない構成とするとよい。
(4)上記実施の形態では、ボビン181に凹状の設置部187,188を設けるとともに、規定部210,230に凸状のフランジ部221,241を設け、それら設置部187,188及びフランジ部221,241が嵌合することにより、各規定部210,230が設置される構成とした。これを以下のように変更してもよい。すなわち、ボビン181に凸状の設置部を設けるとともに、規定部210,230にそれら設置部に対応する凹状の取付部を設けてもよい。言い換えれば、設置部は凹状に限定されるものではなく任意であり、少なくとも規定部を所定の設置箇所に設置できる構成であれば足りる。
(5)上記実施の形態では、軸受け211,231をボビン181における筒部182の外部に配置したが、これを変更し、軸受け211,231を筒部182の内部に配置することも可能である。但し、このような変更を行った場合には、両軸受けのスパンの確保が難しくなりやすい。これは、可動体160の直進安定性の向上を妨げる要因となり得るため好ましくない。故に、望ましくは、軸受け211,231は筒部182の外部に配置するとよい。
(6)上記実施の形態では、規定部210,230がソレノイド駆動部170(くわしくはボビン181)及び各ハウジング構成体260,280によって挟持される構成としたがこれに限定されるものではない。規定部210,230は、ボビン181の設置部187,188に対して設置された状態からの移動(例えば取り外しや位置ずれ等)が規制されていればよく、ボビン181及び各ハウジング構成体260,280によって挟持される必要はない。
(7)上記実施の形態では、各ハウジング構成体260,280に嵌合部263,284を設け、それら嵌合部263,284と規定部210,230のフランジ部221,241とが嵌合する構成とした。つまり、それら嵌合部263,284及びフランジ部221,241が嵌合することにより、可動体160の移動方向と交差する方向への規定部210,230及びハウジング構成体260,280の相対移動が規制される構成とした。これを以下のように変更してもよい。すなわち、ボビン181の設置部187,188からフランジ部221,241が突出しない構成とするとともに、嵌合部263,284を省略し、その代わりに規定部210,230及びハウジング構成体260,280の相対移動が規制する規制部を別途もうけてもよい。例えば、各ハウジング構成体260,280の挿通孔262,283が各規定部210,230の大径部218,238と嵌合することにより、上述した相対移動を規制する構成としてもよい。
(8)上記実施の形態では、第1規定部210及び第2規定部230を有する構成としたが、これら両規定部210,230のうちいずれか一方を省略することも可能である。但し、このような変更を行う場合には、可動体160の動作を安定させるために、可動体160の軸線方向における軸受けとシャフト161との接触部分の長さを大きく設定する必要が生じ得る。これは、軸受けの精度の確保を難しくするとともに軸受けと可動体160との偏摩耗を促進させる要因となり得るため好ましくない。故に、望ましくは、規定部を複数有する構成とし、それら各規定部を離間して配置するとよい。
(9)上記実施の形態では、ボビン181のフランジ部183,184に各規定部210,230を設置する設置部を設けたが、これに限定されるものではない。例えば、ボビンにおける筒部に設置部を設けることも可能である。
(10)上記実施の形態では、第1ハウジング構成体260及び第2ハウジング構成体280の組み合わせ方向がソレノイド駆動部170の軸線方向と同一となるように構成したが、第1ハウジング及び第2ハウジングの組み合わせ方向は任意である。例えば、図15(a)に示すように、第1ハウジング330及び第2ハウジング340の組み合わせ方向がソレノイド駆動部170の中心軸線Xの放射方向(すなわち中心軸線Xと直交する方向)となる構成としてもよい。
(11)上記実施の形態では、軸受け211,231をホルダ215,235に圧入した状態でカシメ固定することにより、それら軸受け211,231をホルダ215,235を一体化する構成とした。これを変更し、それら両者を接着等の固着手段により一体化してもよいし、ホルダ215,235に対して合成樹脂材料を注入することにより一体的に成形してもよい。
また、両ハウジング構成体260,280を皿ネジ296,297によって一体化したが、例えば溶接等によって一体化することも可能である。
(12)上記実施の形態では、第1ハウジング構成体260及び第2ハウジング構成体280を第1ハウジング構成体260が発射レール120側となるように配置したが、これに限定されるものではない。図15(b)に示すように、第1ハウジング構成体260及び第2ハウジング構成体280を第2ハウジング構成体280が発射レール120側となるように配置することも可能である。
(13)上記実施の形態では、コイルバネ169を第1規定部210及びボビン181によって区画された空間(詳しくは第1区画空間DS1)内に配置したが、これを変更し、コイルバネ169を第1規定部210及びボビン181によって区画された空間外に配置することも可能である。
(14)上記実施の形態では、軸受け211,231とボビン181とを別体で形成したが、これを変更し、軸受け211,231とボビン181とを一体成形してもよい。
(15)上記実施の形態では、第2ハウジング構成体280が対向部285を有する構成としたが、この対向部285を省略することも可能である。つまり、第1ハウジング260の保持部261と第2ハウジング280の保持部282とを繋ぐ部分が、ソレノイド110の中心軸線Xを挟んだ両側にある必要はなく。少なくともそれら保持部261,282が繋げる部分が設けられていればよい。
(16)上記実施の形態では、両ハウジング構成体260,280を皿ネジ296,297によって結合する構成としたが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、それら両者を結合する「結合手段」は任意であり、例えば接着剤等を用いる構成としてもよいし、両者に相互に引っ掛かる係止部等を設け、それら係止部同士が引っ掛かることにより両ハウジング構成体260,280が一体化される構成を採用してもよい。
(17)上記実施の形態では、ハウジング250によってソレノイド駆動部170を囲む構成としたがこれに限定されるものではない。例えば、ハウジング250によってソレノイド駆動部170を囲うのではなく、別個独立して設けられて一組みのハウジング構成体によって同ソレノイド駆動部170の軸線方向両側から当該ソレノイド駆動部170を挟み、同ソレノイド駆動部170が中心軸線Xの放射方向に完全に露出する構成としてもよい。更には、ハウジングを箱状に形成し、その内部にソレノイド駆動部170を格納することにより同ソレノイド駆動部170の露出を回避する構成としてもよい。
また、ソレノイド駆動部170の中心軸線Xを挟んだ両側にて第1ハウジング構成体260の保持部261と第2ハウジング構成体280の保持部282とを繋ぐように、基部281,対向部285等の各種構成を設けた。これを変更し中心軸線Xの片側でのみ、それら両保持部261,282が繋がる構成としてもよい。例えば、第2ハウジング構成体280の対向部285及び延出部287を省略してもよい。しかしながら、このような変更を行った場合には、第1ハウジング構成体260及び第2ハウジング構成体280が基部281側でのみ繋がる構成となるため、保持部261,282の一方に中心軸線Xに沿った負荷が加わると、同負荷は、曲げモーメントの発生を伴いつつ保持部261,282の他方に伝わることとなる。このような曲げモーメントの発生は、両ハウジング構成体260,280によって挟持されているソレノイド駆動部,可動体160及び各規定部210,230に対して歪み等を生じさせる要因となり得るため好ましくない。故に、好ましくは、中心軸線Xを挟んだ両側にて保持部261,282を繋ぐ構成とするとよい。
(18)上記実施の形態では、規定部210,230が「ストッパ部」としての絞り部271,237を有する構成としたが、「ストッパ部」を他の構成に移設することも可能である。例えば、ストッパ部に相当する部位を、ボビン181やハウジング構成体260,280に設けてもよい。但し、ストッパ部と軸受け211,231との距離が離れると、ストッパ部と可動体160とが当った際に可動体160がぶれやすくなり得る。このような可動体160のぶれは、軸受け211,231に加わる軸線方向以外の方向への力(負荷)が増加する要因となり得るため好ましくない。故に、上記実施の形態に示すように、規定部210,230が軸受け211,231及びストッパ部を併有する構成とすることが好ましい。
(19)上記実施の形態では、ハウジング250が、ソレノイド駆動部170や規定部210,230等の各種構成を搭載する機能と、磁気回路を形成する機能とを併せ有する構成としたが、搭載機能を有するハウジングと、磁気回路を形成する磁気回路構成体とを別個独立して設けてもよい。
(20)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴A1.直線往復動が可能な可動体(可動体160)と、
通電されることにより磁界を形成し、前記可動体に動力を与えるコイル(励磁コイル171)、及び前記可動体が挿通される挿通部(筒部182の内部)を有し、その挿通部の外周に前記コイルが巻かれている本体(ボビン181)を備えた駆動部(例えばソレノイド駆動部170やハウジング250)と、
前記駆動部の外側に設けられ、同駆動部が取り付けられているハウジング(ハウジング250)と、
前記本体に設けられているとともに、前記可動体に対して当接するように形成されており、同可動体の移動方向を規定する規定部(規定部210,230)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、コイルを通電させることにより磁界を生じさせ、その磁界によって可動体を移動させる動力(例えば吸引力)を発生させることができる。例えば、可動体が移動する軌道上に遊技球を配置することにより、同可動体による遊技球の打ち出しを実現することができる。
可動体の移動方向は規定部によって定められている。これにより、可動体が通過する軌道と駆動部(詳しくはコイル)との相対位置のずれを抑制することが可能となっている。本特徴においては特に、規定部を本体に設けた。例えば規定部を本体以外の部品(例えばハウジング等)に設けた場合と比較して、寸法公差等の累積に起因する挿通部の中心軸線と可動体の中心軸線との位置ばらつき(芯ずれや傾き等)を生じにくくすることができる。これにより、上述した動力が発生した場合に可動体が当該可動体の中心軸線と交差する方向に引き寄せられることを抑制し、コイルに供給される電力を有効活用することが可能となる。故に、例えば遊技球の発射効率を高めることができる。
なお、「規定部」は、例えば筒状をなし、その内部に可動体が挿通される軸受け等によって構成するとよい。
特徴A2.直線往復動が可能な可動体(可動体160)と、
通電されることにより磁界を形成し、前記可動体に動力を与えるコイル(励磁コイル171)、及び前記可動体が挿通される挿通部(筒部182の内部)を有し、その挿通部の外周に前記コイルが巻かれている本体(ボビン181)を備えた駆動部(例えばソレノイド駆動部170やハウジング250)と、
前記駆動部の外側に設けられ、同駆動部が取り付けられているハウジング(ハウジング250)と、
前記可動体に対して当接するように形成されており、同可動体の移動方向を規定する規定部(規定部210,230)と
を備え、
前記規定部は、前記本体に対して一体化させて設けられているとともに、その一体化させている箇所において前記本体との間に前記ハウジングが介在しないように設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴A2によれば、特徴A1と同様の効果を奏する。すなわち、本体において規定部が設けられている部分では、本体及び規定部の間にハウジングが介在しなしようにして、それら本体及び規定部が一体化されている。例えば規定部を本体以外の部品(例えばハウジング等)に設けた場合と比較して、寸法公差等の累積に起因する挿通部の中心軸線と可動体の中心軸線との位置ばらつき(芯ずれや傾き等)を生じにくくすることができる。また、本体における規定部が設けられている部分にて本体及び規定部の間にハウジングが介在するようにそれら本体及び規定部を一体化している場合と比較した場合でも、同様の優位性が得られる。このように中心軸線同士の位置ずれを抑えることにより、上述した動力が発生した場合に可動体が当該可動体の中心軸線と交差する方向に引き寄せられることを抑制し、コイルに供給される電力を有効活用することが可能となる。故に、例えば遊技球の発射効率を高めることができる。
なお、「規定部」は、例えば筒状をなし、その内部に可動体が挿通される軸受け等によって構成するとよい。
因みに、「本体及び規定部が一体化されている」は、本体及び規定部が一体成形されていること、本体及び規定部が接着等の結合手段によって結合されていること、本体及び規定部が嵌合等することにより機構的に留まっていることを含む。
特徴A3.前記規定部は、前記挿通部の軸線方向において前記本体を挟んだ両側に配置されていることを特徴とするA1又はA2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、可動体の移動を規定する部分の間隔を広げることが可能となる。これにより、少なくとも挿通部内における可動体の直進安定性を向上することができる。しかしながら、規定部を複数設け単に規定部分の間隔を広げた場合には、それら規定部分の相対位置にばらつきが生じやすくなると想定される。この点、特徴A1等に示す構成を適用し各規定部を本体に設けることにより、それら両規定部の相対位置のずれを抑制でき、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴A4.前記規定部は、前記本体とは別体で設けられており、
前記本体には、前記規定部を設置する設置部(設置部187,188)が設けられ、
前記規定部及び前記設置部は、一方が他方に嵌まることにより、前記挿通部の軸線方向とは異なる方向への前記本体及び前記規定部の相対移動が規制されるように構成されていることを特徴とするA1乃至A3のいずれか1つに記載の遊技機。
例えば規定部を本体に対して一体成形することにより上述した寸法公差等の累積を抑えることができる。しかしながら、規定部を本体に対して一体成形すると、規定部の寸法管理が難しくなったり、摩耗等に起因して規定部の交換等を行う場合に併せて駆動部の交換が必要となったりする。これは、製造工程の簡略化及び部品のリユース性向上の観点から好ましくない。
この点、本特徴に示すように、規定部を本体と別体で設けることにより、上述した各種不都合を払拭することができる。また、規定部及び設置部は、一方が他方に嵌まることにより、挿通部の軸線方向とは異なる方向への本体及び規定部の相対移動が規制される。これにより、規定部を別体で設けたことに起因する組み付け作業の煩雑化を抑えつつ、駆動部(詳しくは本体)及び可動体(詳しくは通過軌道)の相対位置のずれを抑制でき、実用上好ましい構成を実現することが可能となる。
特徴A5.前記規定部は、前記本体とは別体で設けられており、
前記本体には、前記規定部を設置する設置部(設置部187,188)が設けられ、
前記設置部に設置された前記規定部は、前記ハウジングと前記駆動部とが一体化されることに基づいて、前記設置部からの移動が不可となるように構成されていることを特徴とするA1乃至A3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A1等に示したように、規定部を有する構成とした場合、可動体と駆動部との相対位置のばらつきを抑えることにより、磁気特性(動特性)を向上することができる。しかしながら、仮に規定部の固定作業等を必要とすれば、組立工程の煩雑化を招く要因となり得るため好ましくない。この点、本特徴によれば、ハウジング及び本体の一体化作業(例えば固定作業)と規定部の移動を規制する作業とをまとめることにより、組立工程の簡素化に貢献できる。つまり、磁気特性の向上を図りつつ、組立作業の効率化を実現することができる。
なお、本特徴を特徴A4に適用することも可能である。このように特徴A4と組み合わせた場合、本特徴を「前記規定部は、前記本体とは別体で設けられており、前記本体には、前記規定部を設置する設置部(設置部187,188)が設けられ、前記規定部及び前記設置部は、一方が他方に嵌まることにより、前記挿通部の軸線方向とは異なる方向への前記本体及び前記規定部の相対移動が規制されるように構成されており、前記設置部に設置された前記規定部は、前記ハウジングと前記駆動部とが一体化されることに基づいて前記設置部からの移動が不可となるように構成されていることを特徴とするA1乃至A3のいずれか1つに記載の遊技機」と置き換えることも可能である。
特徴A6.前記規定部は、前記本体及び前記ハウジングによって挟まれた状態で保持されていることを特徴とするA4又はA5に記載の遊技機。
特徴A4及びA5に示した構成を実現するには、本特徴に示す本体及びハウジングによって規定部を挟持するとよい。これにより、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴A7.前記規定部は、前記本体及び前記ハウジングに対して別体で設けられているとともに、前記挿通部の軸線方向において前記本体を挟んだ両側にそれぞれ個別に配置されており、
前記ハウジングは、前記挿通部の軸線方向において前記本体を両側から挟むように設けられており、
前記各規定部は、前記本体と前記ハウジングとによって挟まれた状態で保持されていることを特徴とするA1乃至A6のいずれか1つに記載の遊技機。
例えば規定部を本体に対して一体成形することにより上述した寸法公差等の累積を抑えることができる。しかしながら、規定部を本体に対して一体成形すると、規定部の寸法管理が難しくなったり、摩耗等に起因して規定部の交換等を行う場合に併せて駆動部の交換が必要となったりする。これは、製造工程の簡略化及び部品のリユース性向上の観点から好ましくない。この点、本特徴に示すように、規定部を本体と別体で設けることにより、上述した各種不都合を払拭することができる。
また、一対の規定部を本体の両側に配置することにより、可動体の直進安定性を担保しやすくできる。しかしながら、このように規定部を複数備えた構成を採用することにより、個々の規定部を本体に対して取り付ける作業が煩雑化すると懸念される。この点、本特徴によれば、本体及びハウジングを取り付けることにより、各規定部がそれら本体及びハウジングによって挟まれた状態で保持される(挟持される)こととなる。これにより、上述した不都合を払拭することができ、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴A8.前記設置部は、前記本体における一側部に配されているとともに、前記可動体の移動方向に凹む凹状をなし、
前記ハウジングにおいて、前記設置部と対向している部分には、前記設置部とは反対側に凹む凹部(嵌合部263,264)が設けられており、
前記規定部は、それら設置部及び凹部によって区画された空間に嵌まる嵌合部(フランジ部221,241)を有し、
前記嵌合部は、前記設置部及び前記凹部に対して嵌合することによって、前記可動体の移動方向とは異なる方向への前記規定部と前記本体及び前記ハウジングとの相対移動が規制されるように形成されていることを特徴とするA4乃至A7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A8によれば、設置部及び凹部によって区画された空間に嵌合部が嵌まることにより、本体及び規定部の相対移動が規制されるとともに、ハウジング及び規定部の相対移動が規制される。このように、各種構成の相対移動が嵌合部との嵌め合いによって回避されることにより、可動体の往復動に基づいて発生する振動等により、上記各種構成の相対位置がずれることを抑制できる。これにより、安定したストロークを実現するともに、可動体や軸受け等に発生する負荷を低減し、動作寿命の延ばすことができる。
また、仮にハウジングによってコイルに発生した磁界を通す磁気回路を構成する場合には、ハウジングと可動体及び本体(詳しくはコイル)との位置ずれを抑えることにより、磁気特性(動特性)を向上することができる。これにより、コイルに供給する電力を可動体の駆動力として効率よく活用することが可能となり、例えば可動体によって遊技球の打ち出しを行う場合には、その発射効率を向上することができる。
特徴A9.前記ハウジングは、前記各規定部に対応して個別に設けられた一対のハウジング構成体(第1ハウジング構成体260及び第2ハウジング構成体280)を有しており、
前記各規定部は、前記各ハウジング構成体と前記本体との間に挟まれた状態で保持されており、
前記両ハウジング構成体は、それらハウジング構成体の組み合わせ方向が前記挿通部の軸線方向と同一となるように構成されていることを特徴とするA7に記載の遊技機。
ハウジング構成体を組み合わせることにより、本体及び規定部を挟み込む構成においては、可動体の移動方向とハウジングの組み合わせ方向とを揃えることにより、組み立て作業の煩雑化を抑制できる。
また、仮に1のハウジング構成体によって本体及び両規定部を挟持しようとすれば、規定部や本体の累積寸法公差及びハウジングの寸法公差のばらつきや、ハウジングのひずみ等を許容しにくくなる。つまり、上述したひずみ等による影響が本体や規定部に及び、各規定部の相対位置がずれたり、規定部と本体との相対位置がばらついたりするといった不都合が生じ得る。このため、ハウジング及び本体によって規定部を挟み込んで保持する構成においては、保持精度の確保が困難なものとなり得る。この点、ハウジング構成体を可動体の移動方向における両側から組み合わせる構成とすることにより、それら両ハウジング構成体を組み合わせる際に両ハウジング構成体の相対位置を補正することが可能となる。これにより、可動体の直進安定性を担保しつつ、上述した寸法公差等のばらつきやひずみ等を許容しやすくでき、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴A10.前記ハウジングは、前記各規定部に対応して個別に設けられた一対のハウジング構成体(第1ハウジング構成体260及び第2ハウジング構成体280)を有しており、
前記両ハウジング構成体を結合するネジ(皿ネジ296,297)を備え、
前記ネジの取付方向は、前記挿通部の軸線方向に対して異なる方向となるように設定されていることを特徴とするA7又はA9に記載の遊技機。
特徴A10によれば、挿通部の軸線方向とネジの取付方向とが異なっている。このため、仮に可動体を駆動することにより前記軸線方向と同じ方向への揺れや振動が発生した場合であっても、それら揺れ等によってネジが緩むことを抑制することができる。これにより、特徴A9等に示した構成を好適に実現できる。すなわち、複数のハウジング構成体を組み合わせることに基づき同ハウジング構成体と本体とで規定部を挟持する構成を採用した場合であっても、それらハウジング構成体及び本体による規定部の挟持機能を担保しやすくできる。
特徴B1.直線往復動が可能な可動体(可動体160)と、
通電されることにより磁界を形成し、前記可動体に動力を与えるコイル(励磁コイル171)、及び前記可動体が挿通される挿通部(筒部182の内部)を有し、その挿通部の外周に前記コイルが巻かれている本体(ボビン181)を備えた駆動部(例えばソレノイド駆動部170やハウジング250)と、
前記駆動部の外側に設けられ、同駆動部が取り付けられているハウジング(ハウジング250)と、
前記可動体に対して当接するように形成され、同可動体の移動方向を規定する規定部(規定部210,230)と
を備え、
前記規定部は、前記本体及び前記ハウジングによって挟まれた状態で保持されていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、コイルを通電させることにより磁界を生じさせ、その磁界によって可動体を移動させる動力(例えば吸引力)を発生させることができる。例えば、可動体が移動する軌道上に遊技球を配置することにより、同可動体による遊技球の打ち出しを実現することができる。また、可動体の移動方向は規定部によって定められている。これにより、可動体が通過する軌道と駆動部(詳しくはコイル)との相対位置のずれを抑制することが可能となっている。
可動体が往復動すると、駆動部やハウジング等が振動することに基づく負荷等が発生すると想定される。仮に本体やハウジング等に対して規定部を結合する構成を採用した場合、上述した負荷によって本体部やハウジングに変位(変形や位置ずれ)等が発生するとその影響が規定部に及びやすくなると想定される。これは、可動体の直進安定性を担保する観点から好ましくないと考えられる。この点、本特徴によれば、規定部を本体等に結合するのではなく、本体及びハウジングによって挟持する構成としているため、規定部に対して上述したような影響が及ぶことを抑制しやすくできる。これにより、規定部に対して歪み等が生じることを抑制し、可動体が移動する際の効率を担保しやすくできる。故に、例えば遊技球の発射効率を高めることが可能となる。
なお、「規定部」は、例えば筒状をなし、その内部に可動体が挿通される軸受け等によって構成するとよい。
特徴B2.前記規定部は、前記挿通部の軸線方向において前記本体を挟んだ両側にそれぞれ配置されており、
前記ハウジングは、前記挿通部の軸線方向において前記本体を挟むように形成されており、
前記各規定部は、前記本体及び前記ハウジングによって挟まれた状態で保持されていることを特徴とするB1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、可動体の移動を規定する部分の間隔を広げることが可能となる。これにより、少なくとも挿通部内における可動体の直進安定性を向上することができる。
また、可動体が往復動する構成においては、いずれの規制部においても上述したような負荷による影響を受けやすいと想定される。複数の規定部を有する構成においては、上述の如く直進安定性を高めることができる反面、それら規定部の相対位置が変わることに起因して可動体の動作に伴う抵抗が高まりやすくなると想定される。この点、特徴B1との組み合わせにより各規定部を挟持する構成とよることによって、それら各規定部の相対位置の変位を抑えやすくでき実用上好ましい構成の実現に貢献できる。
また、複数の規定部を有する構成を採用した場合には、上述したような優れた効果を享受できる反面、それら各規定部の取り外しを個々に規制する作業等が必要となり、同作業が煩雑化すると懸念される。この点、ハウジング及び本体によって、両規定部を挟持する構成とすることにより、それら規定部の取り外しを規制する作業を簡略化することができ、上述した不都合を払拭することができる。
特徴B3.前記ハウジングは、前記各規定部に対応して個別に設けられた一対のハウジング構成体(第1ハウジング構成体260及び第2ハウジング構成体280)を有しており、
前記各規定部は、前記各ハウジング構成体と前記本体との間に挟まれた状態で保持されていることを特徴とするB2に記載の遊技機。
仮に1のハウジング構成体によって本体の両側に設けられた規定部を同本体との間に挟んだ状態で保持する構成を採用すると以下の不都合が生じやすくなると想定される。すなわち、ハウジングの寸法公差,本体の寸法公差及び各規定部の寸法公差の累積に起因して、ハウジングと規定部とが支えて同ハウジングの取り付けが困難なものとなったり、ハウジング及び本体によって規定部を挟み込んで保持する構成においてその保持精度の確保が困難なものとなったりすると想定される。この点、本特徴に示すように、ハウジングを一対のハウジング構成体によって構成することにより、各ハウジング構成体を取り付ける際に、累積された上記寸法公差のばらつきを許容し、上述したような不都合を生じにくくできる。つまり、ハウジングの取付作業の容易化を図りつつ、規定部の挟持機能を担保しやすくできる。
特徴B4.前記両ハウジング構成体は、それらハウジング構成体の組み合わせ方向が前記挿通部の軸線方向と同一となるように構成されていることを特徴とするB3に記載の遊技機。
ハウジング構成体を組み合わせることにより、駆動部及び規定部を挟み込む構成においては、可動体の移動方向とハウジングの組み合わせ方向とを揃えることにより、組み立て作業の煩雑化を抑制できる。
また特徴B3に示した効果を一層顕著なものとすることができる。つまり、ハウジング構成体を可動体の移動方向における両側から組み合わせる構成とすることにより、それら両ハウジング構成体を組み合わせる際に両ハウジング構成体の相対位置を累積寸法公差のばらつきに応じて補正することが一層容易となる。これにより、可動体の直進安定性を担保しつつ、上述した寸法公差等のばらつき等を更に許容しやすくでき、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴B5.前記各ハウジング構成体を結合する結合手段(皿ネジ296,297等)を備えていることを特徴とするB4に記載の遊技機。
特徴B5に示すように、ハウジング構成体同士を結合させることにより、例えば各ハウジング構成体を他の部品等に対して個々に結合する構成を採用した場合と比較して、それらハウジング構成体の相対位置が可動体の移動方向以外の方向にずれることを抑制しやすくできる。
また、可動体の往復動によって振動等が発生すると、その振動に基づく負荷が本体,各規定部及び各ハウジング構成体に及ぶと考えられる。特に、そのような負荷においては、可動体の移動方向(すなわち挿通部材の軸線方向)と同じ方向の成分が大きくなりやすいと想定される。この成分によって、本体,各規定部及び各ハウジング構成体の少なくともいずれかが位置ずれすると、それら各種構成の相対位置が上記方向にばらつきやすくなり得る。そのような相対位置のばらつきは、本体及びハウジング構成体による規定部の挟持機能の低下を招来し、可動体の安定したストロークを妨げる要因となり得るため好ましくない。
この点、本特徴においては、各ハウジング構成体同士が結合手段によって結合されることにより、各種構成の相対位置のばらつきを好適に抑制し、挟持機能を担保しやすくしている。以下便宜上、負荷の加わる方向における先側に配されている規定部及びハウジング構成体を、それぞれ第1規定部及び第1ハウジング構成体と称し、他方を第2規定部及び第2ハウジング構成体と称し、具体的な作用について説明する。仮に上記移動方向における片側に向けた負荷が本体や第1規定部に加わった場合、その負荷の少なくとも一部が同第1規定部を介して第1ハウジング構成体に伝わる。そして第1ハウジング構成体に伝わった負荷の少なくとも一部は、結合手段を介して第2ハウジング構成体に伝わる。仮に、本体や第1規定部が負荷の加わった方向に変位した場合には、それに追従して第1ハウジング構成体及び第2ハウジング構成体が同方向に変位する。第2ハウジングが同方向に変位することにより、第2規定部が同方向に押されることとなる。このように、本体,各規定部及び各ハウジング構成体が同方向へ一体的に変位することで、第1規定部側における、同第1規定部,本体及び第1ハウジング構成体の相対位置のばらつきが抑制されるのみならず、第2規定部側における、同第2規定部,本体及び第2ハウジング構成体の相対位置のばらつきも抑制される。また、上述した負荷とは逆向きの負荷が本体等に加わった場合であっても同様に第1規定部側での上記各種構成の相対位置のばらつき、及び第2規定部側での上記各種構成の相対位置のばらつきが抑制される。これにより、挟持機能を担保し、可動体の安定した往復動の実現に貢献できる。また、上述した負荷を各種構成に分散することが可能となり、局所的に負荷が集中することを抑制できる。
特徴B6.前記両ハウジング構成体は、前記結合手段により前記挿通部の中心軸線を挟んだ両側にて結合されていることを特徴とするB5に記載の遊技機。
可動体の往復動に基づいて発生する負荷(例えば上記振動に起因した負荷)を、両ハウジング構成体にて共有する構成を採用した場合、力(負荷)の伝達経路によっては、駆動部,規定部及びハウジングの各種構成を歪ませるような曲げモーメントが生じる可能性がある。詳しくは、ハウジングが駆動部の外側に配置されているため、力の伝達経路が挿通部の中心軸線から離れることとなる。このため、力の伝達に基づいて曲げモーメントが発生しやすくなると想定される。このような曲げモーメントの発生は、可動体の直進安定性を阻害する要因となり得るため好ましくない。この点、本特徴に示すように、挿通部の中心軸線を挟んだ両側にて両ハウジング構成体を結合することにより、曲げモーメントの発生を抑制しやすく、又は曲げモーメントによる影響が本体や規定部等に及びにくくすることができる。
なお、「結合手段」として、例えばネジ等の締結具,嵌め合い等の結合構造,溶接等の結合手法を用いるとよい。
特徴B7.前記両ハウジング構成体を結合するネジ(皿ネジ296,297)を備え、
前記ネジの取付方向は、前記挿通部の軸線方向に対して異なる方向となるように設定されていることを特徴とするB3乃至B6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B7によれば、挿通部の軸線方向とネジの取付方向とが異なっている。このため、仮に可動体を駆動することにより前記軸線方向と同じ方向への揺れや振動が発生した場合であっても、それら揺れ等によってネジが緩むことを抑制することができる。また仮にネジが緩んだ場合であっても、挿通部の軸線方向における両ハウジング構成体の相対位置が変化することを抑制できる。これにより、特徴B4等に示した構成を好適に実現できる。すなわち、複数のハウジング構成体を組み合わせることに基づき同ハウジング構成体と本体とで規定部を挟持する構成を採用した場合であっても、それらハウジング構成体及び本体による規定部の挟持機能を担保しやすくできる。
なお、特徴B5又は特徴B6との組み合わせにおいては、本特徴に示す「ネジ」と特徴B5に示す「結合手段」とを置き換えてもよい。
特徴B8.前記ハウジングに対して当該ハウジングを前記挿通孔の軸線方向に押す力が加わった場合に、その力を前記本体に伝える伝達部(例えば基部281や皿ネジ296等)を有していることを特徴とするB1乃至B7のいずれか1つに記載の遊技機。
可動体の往復動によって振動等が発生すると、その振動に基づく負荷が本体,各規定部及びハウジングに及ぶと考えられる。特に、そのような負荷においては、可動体の移動方向(すなわち挿通部材の軸線方向)と同じ方向の成分が大きくなりやすいと想定される。この成分によって、本体,各規定部及びハウジングの少なくともいずれかが位置ずれすると、それら各種構成の相対位置が上記方向にばらつきやすくなり得る。そのような相対位置のばらつきは、本体及びハウジングによる規定部の挟持機能の低下を招来し、可動体の安定したストロークを妨げる要因となり得るため好ましくない。
この点、本特徴においては、ハウジングに加わった力(負荷)が伝達手段によって、本体に伝わることとなる。これにより、各種構成の相対位置のばらつきを好適に抑制し、挟持機能を担保しやすくしている。具体的には、仮に上記負荷が規定部に加わった場合、その負荷の少なくとも一部が同規定部を介してハウジングに伝わる。そしてハウジングに伝わった負荷の少なくとも一部は、伝達部を介して本体に伝わる。仮に、ハウジングや規定部が負荷の加わった方向に変位した場合には、それに追従して本体も同方向に変位する。このように、本体,各規定部及び各ハウジングが同方向へ一体的に変位することで、規定部,本体及びハウジングの相対位置のばらつきが抑制される。これにより、挟持機能を担保し、可動体の安定した往復動の実現に貢献できる。また、上述した負荷を各種構成に分散することが可能となり、局所的に負荷が集中することを抑制できる。
例えば、ハウジングを、挿通部の軸線方向における両側から本体を挟むように形成し、同ハウジングを、本体に対して、挿通部の軸線方向において当該ハウジングが規定部に当接している側とは反対から当接させるとよい。
特徴B9.前記ハウジングは、
前記各規定部に対して前記挿通部の軸線方向における外側から当接する一対の当接部(保持部261,282)と、
前記両当接部の相対位置が変わらないように、それら当接部を繋ぐ連結部(基部281
や皿ネジ296等)と
を備えていることを特徴とするB2に記載の遊技機。
特徴B9によれば、特徴B5と同様の効果を奏する。以下便宜上、負荷の加わる方向における先側に配されている規定部及び当接部を、それぞれ第1規定部及び第1当接部と称するとともに、他方を第2規定部及び第2当接部と称し、簡単に説明する。仮に上記負荷が本体や第1規定部に加わった場合、その負荷の少なくとも一部が同第1規定部を介して第1当接部に伝わる。そして第1当接部に伝わった負荷の少なくとも一部は、連結部を介して第2当接部に伝わる。仮に、本体や第1規定部が負荷の加わった方向に変位した場合には、それに追従して両当接部及び連結部が同方向に変位する。第2当接部が同方向に変位することにより、第2規定部が同方向に押されることとなる。このように、本体,各規定部及び各当接部が同方向へ一体的に変位することで、第1規定部側における、同第1規定部,本体及び第1当接部の相対位置のばらつきが抑制されるのみならず、第2規定部側における、同第2規定部,本体及び第2当接部の相対位置のばらつきも抑制される。また、上述した負荷とは逆向きの負荷が本体等に加わった場合であっても同様に第1規定部側での上記各種構成の相対位置のばらつき、及び第2規定部側での上記各種構成の相対位置のばらつきが抑制される。これにより、挟持機能を担保し、可動体の安定した往復動の実現に貢献できる。また、上述した負荷を各種構成に分散することが可能となり、局所的に負荷が集中することを抑制できる。
また、特徴B6に示した技術的思想を本特徴に適用し、「前記連結部は、前記挿通部の中心軸線を挟んだ両側に設けられていることを特徴とするB9に記載の遊技機」とすることも可能である。この場合、例えば、ハウジングによって駆動部(本体)を囲む構成とするとよい。
なお、本特徴における「連結部」及び「当接部」の一方は、「当接部」の他方に対して上記特徴B8に示した「伝達部」の少なくとも一部を構成しているとも言える。
特徴B10.前記本体における一側部には、前記可動体の移動方向に凹む本体側凹部(設置部187,188)が設けられており、
前記ハウジングにおいて、前記本体側凹部と対向している部分には、同本体側凹部とは反対側に凹むハウジング側凹部(嵌合部263,284)が設けられており、
前記規定部は、それら本体側凹部及びハウジング側凹部によって区画された空間に嵌まる嵌合部(フランジ部221,241)を有し、
前記嵌合部は、前記本体側凹部及び前記ハウジング側凹部と嵌合することによって、前記可動体の移動方向とは異なる方向への前記規定部と前記本体及び前記ハウジングとの相対移動が規制されるように形成されていることを特徴とするB1乃至B9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B10によれば、本体側凹部及びハウジング側凹部によって区画された空間に嵌合部が嵌まることにより、本体及び規定部の相対移動が規制されるとともに、ハウジング及び規定部の相対移動が規制される。このように、各種構成の相対移動が嵌合部との嵌め合いによって回避されることにより、可動体の往復動に基づいて発生する振動等により、上記各種構成の相対位置がずれることを抑制できる。これにより、安定したストロークを実現するともに、可動体や軸受け等に発生する負荷を低減し、動作寿命の延ばすことができる。
また、特徴B3〜特徴B6との組み合わせにおいては特に、本体,規定部及びハウジングは相互に結合されているものではなく、それら各種構成が互いに嵌まり合って留まっており、可動体の移動方向以外の方向への相対移動をその嵌まり合いによって規制している。このため、仮に、移動方向に大きな負荷が加わった場合であっても、同可動体の移動方向への相対移動は許容されやすくなっている。つまり、仮に上述した負荷によってハウジングや本体の歪み等が発生した場合であっても、そのような歪みによる影響が規定部に及ぶことを抑制することができる。これにより、可動体や軸受け等に発生する負荷を低減し、動作寿命の延ばすことが可能となっている。
特徴B11.前記ハウジング及び前記本体の少なくとも一方には、前記規定部を設置する設置部(187,188)が形成されており、
前記規定部は、前記ハウジングと前記駆動部とが一体化されることに基づいて、前記設置部からの移動が不可となるように構成されていることを特徴とするB1乃至B10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B11によれば、規定部を設置する設置部を設けることにより、規定部を別体で設ける構成において同規定部の位置決め精度を向上することができる。これにより、作業ばらつき等に起因する、可動体及び駆動部の相対位置のずれを好適に抑制することができる。なお、望ましくは設置部を少なくとも本体に形成する構成を採用するとよい。
また、規定部を有する構成を採用した場合、可動体の直進安定性を向上できる反面、同規定部を取り付けるための別途作業が必要になると想定される。これは製造工程の煩雑化を招来し得るため好ましくない。この点、本特徴においては、規定部は、本体及びハウジングが一体化されることにより、それら本体及びハウジングによって挟まれた状態で保持されることとなる。つまり、駆動部をハウジングに対して取り付けることにより、規定部の固定作業を必要とすることなく当該規定部の取り外しを不可とすることができる。これにより、製造工程の煩雑化を好適に抑制できる。
特徴C1.直線往復動が可能な可動体(可動体160)と、
通電されることにより磁界を形成し、前記可動体に動力を与えるコイル(励磁コイル171)、及び前記可動体が挿通される挿通部(筒部182の内部)を有し、その挿通部の外周に前記コイルが巻かれている本体(ボビン181)を備えた駆動部(例えばソレノイド駆動部170やハウジング250)と、
前記可動体の動作軌道上の特定位置に配置され、前記可動体に対して当接することにより同可動体のそれ以上の移動を規制するストッパ部(規定部210,230)と、
前記特定位置に配置されている前記ストッパに対して、前記ストッパに向けての前記可動体の移動方向における先側から当接することにより、前記ストッパを支持する支持部(例えば保持部261,282)と、
前記駆動部の外部に設けられているとともに、前記前記可動体と前記ストッパ部とが当接し同ストッパ部を同可動体の移動方向へ押す力が発生した場合にその力を前記支持部以外の部位に伝える伝達部(例えば基部281や皿ネジ296等)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、コイルを通電させることにより磁界を生じさせ、その磁界によって可動体を移動させる動力(例えば吸引力)を発生させることができる。例えば、可動体が移動する軌道上に遊技球を配置することにより、同可動体による遊技球の打ち出しを実現することができる。また、可動体が往復動する場合に、当該可動体とストッパ部とが当接することに基づいて同可動体のそれ以上の移動が規制される。ストッパ部は可動体と衝突することによる衝撃を受けやすい部分である。このように衝撃を受けやすい部分を別体で設けることで、メンテナンス性の向上や消耗部品を交換することによるリユース性の向上を図っている。
可動体とストッパ部とが当たることで発生する衝撃等の負荷は、ストッパ部を可動体の移動方向における先側から支持している支持部に伝わる。ストッパ部を別体で設けた場合、上述した各種利点を享受できる反面、支持部に対して負荷が集中し当該支持部の変形等を招来しやすくなると想定される。これは、支持部からのストッパ部の抜け落ち等の機能不全を招く要因となり得るため好ましくない。
本特徴においては、上述した負荷の一部が伝達部によって支持部以外の部位に伝えられることとなる。つまり、ストッパ部や支持部に加わる負荷の一部をそれ以外の部位で受けることが可能となる。このように、負荷を各種構成に分散することにより、ストッパ部や支持部に負荷が集中することを回避することができる。これにより、ストッパ部の抜け落ち等の不都合が発生することを抑制でき、動作寿命を延ばすことができる。また、上述の如く負荷を分散することにより、ストッパ部や支持部における歪み等の発生を抑えることができる。これにより、可動体とストッパとが当たった際に可動体に対して、軸線方向とは異なる向きの反力が加わることを抑制できる。故に、コイル(挿通部)の中心軸線と可動体の中心軸線との位置ばらつき(芯ずれや傾き等)を抑え、同可動体の安定したストロークを実現できる。
特徴C2.前記伝達部は、前記前記可動体及び前記ストッパ部が当接することにより発生する前記力を、前記本体に伝えるものであることを特徴とするC1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、可動体及びストッパ部が当接することにより発生した力(負荷)は、伝達部を介して本体に伝えられる。本体は、上述の如く可動体を駆動させる機能を有している。このような構成に対して上記負荷を分散させる機能の一部を付与することで、構造の簡素化を図りつつ、集中負荷の発生を回避することができ、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴C3.前記本体には、前記ストッパに向けての前記可動体の移動する側とは反対を向くように形成され、前記伝達部を介して伝わった力を受ける受け面(例えばフランジ部183,184の外面183a,184a)が設けられていることを特徴とするC1又はC2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、特徴C2に示した同様の効果を奏する。すなわち、ストッパ部が支持部に当たることによって発生した力(負荷)は、伝達部を介して本体(詳しくは受け面)に伝えられる。これにより、本体によって上記力の一部を受けたり、同本体を介して更に他の部材等に力を伝達したりすることが可能となる。故に、構造の簡素化を図りつつ、集中負荷の発生を回避することができ、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴C4.前記駆動部を前記挿通孔の軸線方向における両側から挟むように設けられているとともに、前記支持部及び前記伝達部を有するハウジング(ハウジング250)を備え、
さらに、前記ハウジングは、前記本体に対して、前記支持部とは反対側から当接するように形成された当接部(例えば保持部261)を備えており、
前記伝達部は、それら支持部及び当接部を繋いでいることを特徴とするC1乃至C3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C4によれば、ストッパ部から支持部に伝わった力の少なくとも一部は、伝達部を介して当接部に伝えられる。当接部は本体に対して支持部とは反対側から当接するように形成されているため、同当接部に伝わった力の一部は本体に伝わることとなる。本体に伝わった力を同本体によって受けたり、さらに他の部材に伝えたりすることにより、上記特徴C1等に示した構成を好適に実現することができる。
特徴C5.前記伝達部は、前記挿通部の中心軸線を挟んだ両側に配置されており、
前記支持部及び前記当接部は、前記伝達部によって、前記挿通部の中心軸線を挟んだ両側にて繋がれていることを特徴とするC4に記載の遊技機。
ストッパ部に加わる負荷を、駆動部及びハウジングの各種構成によって分散して受ける構成を採用した場合、力の伝達経路によっては、それら各種構成を歪ませるように曲げモーメントが生じる可能性がある。詳しくは、ハウジングが駆動部の外側に配置されているため、力の伝達経路が挿通部の中心軸線から離れることとなる。このため、力の伝達に基づいて曲げモーメントが発生しやすくなると想定される。このような曲げモーメントの発生は、可動体の直進安定性を阻害する要因となり得るため好ましくない。この点、本特徴に示すように、挿通部の中心軸線を挟んだ両側にて支持部及び当接部を繋ぐ構成とすることにより、曲げモーメントの発生を抑制しやすく、又は曲げモーメントの本体等への影響を抑えやすくすることができる。
特徴C6.直線往復動が可能な可動体(可動体160)と、
通電されることにより磁界を形成し、前記可動体に動力を与えるコイル(励磁コイル171)、及び前記可動体が挿通される挿通部(筒部182の内部)を有し、その挿通部の外周に前記コイルが巻かれている本体(ボビン181)を備えた駆動部(例えばソレノイド駆動部170やハウジング250)と、
前記可動体の動作軌道上に配置され、前記可動体に対して当接することにより同可動体の一方への移動を規制する第1ストッパ部(規定部210)と、
前記可動体の動作軌道上に配置され、前記可動体に対して当接することにより同可動体の他方への移動を規制する第2ストッパ部(規定部230)と、
前記駆動部を前記駆動部の軸線方向における両側から挟むように設けられているとともに、同駆動部が取り付けられるハウジング(ハウジング250)と
を備え、
前記ハウジングは、
前記本体の一端に対して外側から当接しているとともに、前記第1ストッパに対して、当該第1ストッパに向けての前記可動体の移動方向における先側から当接している第1当接部(保持部282)と、
前記本体の他端に対して外側から当接しているとともに、前記第2ストッパに対して、当該第2ストッパに向けての前記可動体の移動方向における先側から当接している第2当接部(保持部261)と、
前記第1当接部及び前記第2当接部を繋ぐように形成された連結部(例えば基部281や皿ネジ296等)と
を有していることを特徴とする遊技機。
特徴C6によれば、可動体が第1ストッパ部に当たった場合に発生した力(負荷)は、同第1ストッパに対して当接している第1当接部に伝わる。第1当接部は連結部を介して第2当接部と繋がっているため、同第1当接部に伝わった負荷の少なくとも一部は第2当接部に伝わることとなる。第2当接部は本体に当接しているため、同第2当接部に伝わった負荷の少なくとも一部は本体に伝わる。本体は第1当接部に当接しており、上述した負荷の一部を当該本体にて受けることにより、上記負荷がストッパ部等に集中することを抑制できる。
また、可動体が第2ストッパ部に当たった場合に発生した力(負荷)は、同第2ストッパに対して当接している第2当接部に伝わる。第2当接部は連結部を介して第1当接部と繋がっているため、同第2当接部に伝わった負荷の少なくとも一部は第1当接部に伝わることとなる。第1当接部は本体に当接しているため、同第1当接部に伝わった負荷の少なくとも一部は本体に伝わる。本体は第2当接部に当接しており、上述した負荷の一部を当該本体にて受けることにより、上記負荷がストッパ部等に集中することを抑制できる。
以上詳述したように、可動体の双方方向への移動に伴って発生する負荷を、各ストッパ部,ハウジング,本体によって分散して受けることにより、局所的に負荷が集中することを抑えることが可能となる。これにより、ストッパ部の抜け落ち等の不都合が発生することを抑制でき、動作寿命を延ばすことができる。また、上述の如く負荷を分散することにより、ストッパ部や当接部における歪み等の発生を抑えることができる。これにより、可動体とストッパとが当たった際に可動体に対して、軸線方向とは異なる向きの反力が加わることを抑制できる。故に、コイル(挿通部)の中心軸線と可動体の中心軸線との位置ばらつき(芯ずれや傾き等)を抑え、同可動体の安定したストロークを実現できる。
特徴C7.前記本体は、前記ハウジングの第1当接部及び第2当接部によって前記可動体の移動方向における両側から挟まれた状態で保持されていることを特徴とするC6に記載の遊技機。
特徴C6に示したように、伝達部を介して力を伝達させる構成においては、本体の一端に対して力が加わるタイミングと、他端に対して力が加わるタイミングとが僅かにずれると想定される。このため、仮にハウジングと本体とを結合していると、上述したタイミングのずれに起因して本体に歪みが生じやすくなると懸念される。この点、本特徴に示すように、ハウジングの第1当接部及び第2当接部によって本体を挟持する構成とすれば、上述したようなタイミングの遅れによる影響を抑えることができ、本体に対して歪み等が発生することを抑制することができる。これにより、可動体の動作に伴って発生する負荷を低減し、動作寿命の延ばすことができる。
特徴C8.前記本体が前記第1当接部及び前記第2当接部によって挟まれた状態において、前記挿通部における軸線方向と異なる方向への前記本体及び前記両当接部の相対移動を規制する規制部(設置部187,188、フランジ部221,241及び嵌合部263,284)を備えていることを特徴とするC7に記載の遊技機。
特徴C7に示したように本体を両当接部によって挟持する構成においては、両当接部と本体とが当接することにより、可動体の移動方向におけるハウジング及び駆動部の相対位置のずれを抑えることができる。係る構成においては、上記移動方向とは異なる後方への相対位置のずれを抑制するためには挟持するための力(挟持力)を高める必要がある。つまり、本体を両端側から強い力で押さえつける必要が生じる。これは、本体の歪み等を招来する要因となり得るため好ましくない。この点、本特徴に示すように、上記移動方向とは異なる方向への本体及び両当接部の相対移動を規制する規制部を設ける構成とすれば、上述した挟持力を弱めることができ、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴C9.前記ハウジングは、前記第1当接部を有する第1ハウジング構成体(第1ハウジング構成体260)と、前記第2当接部を有する第2ハウジング構成体(第2ハウジング構成体280)とを有するとともに、少なくともそれら第1ハウジング構成体及び第2ハウジング構成体が組み合わせられた状態にて互いに結合されてなり、
前記第2ハウジング構成体及び前記第2ハウジング構成体は、それら両ハウジング構成体の組み合わせ方向が前記挿通部の軸線方向と同一となるように構成されていることを特徴とするC7又はC8に記載の遊技機。
ハウジング構成体を組み合わせることにより、駆動部を挟み込む構成においては、可動体の移動方向とハウジングの組み合わせ方向とを揃えることで、それら各種構成の組み立て作業の煩雑化を抑制できる。
また、仮に1のハウジング構成体によって駆動部(詳しくは本体)を挟持しようとすれば、本体の寸法公差とハウジングの寸法公差とのばらつきを許容しにくくなる。つまり、上述した寸法ばらつきに起因して、各当接部と本体とを当接させることが、すなわち保持精度の確保が困難なものとなり得る。この点、ハウジング構成体を可動体の移動方向における両側から組み合わせる構成とすることにより、それら両ハウジング構成体を組み合わせる際の両ハウジング構成体の相対位置を補正することが可能となる。これにより、可動体の直進安定性を担保しつつ、上述した寸法公差等のばらつき等を許容しやすくでき、実用上好ましい構成を実現できる。
特徴C10.前記伝達部は、前記挿通部の中心軸線を挟んだ両側に配置されていることを特徴とするC6乃至C9いずれか1つに記載の遊技機。
ストッパ部に加わる負荷を、駆動部及びハウジングの各種構成によって分散して受ける構成を採用した場合、力の伝達経路によっては、それら各種構成を歪ませるように曲げモーメントが生じる可能性がある。詳しくは、ハウジングが駆動部の外側に配置されているため、力の伝達経路が挿通部の中心軸線(すなわちストッパの配置されている軌道)から離れることとなる。このため、力の伝達に基づいて曲げモーメントが発生しやすくなると想定される。このような曲げモーメントの発生は、可動体の直進安定性を阻害する要因となり得るため好ましくない。この点、本特徴に示すように、挿通部の中心軸線を挟んだ両側にて両ハウジング構成体を結合することにより、曲げモーメントの発生を抑制しやすく、又は曲げモーメントによる影響が本体や規定部等に及びにくくすることができる。
例えば、ハウジングを用いて本体を囲む構成とすることで、実用上好ましい構成を実現できる。具体的には、ハウジングによって本体を囲む構成とする場合、当該ハウジングに磁気回路を形成する機能を付与することで、上記可動体の駆動力を得やすくできるとともに、上述した負荷を好適に分散することができ、これら二つの機能を構成の煩雑化を抑え具現化できる。
なお、上記各特徴に示した「前記挿通部の軸線方向」を「前記規定部によって規定された前記可動体の移動方向」と置き換えることも可能である。
因みに、特徴B1乃至特徴B11のいずれか1つを、上記特徴A1乃至特徴A10に適用してもよい。また、特徴C1乃至特徴C10のいずれか1つを、上記特徴A1乃至特徴A10及び上記特徴B1乃至特徴B11に適用してもよい。
以下に、以上の特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
パチンコ機の構成を前方から見た斜視図。 遊技機本体の主要な構成を分解して示す分解斜視図。 内枠の構成を示す正面図。 遊技盤の構成を示す正面図。 内枠の構成を示す背面図。 裏パックユニットの構成を示す正面図。 遊技球発射装置及びそれに付随する構成を示す図3の部分拡大図。 (a)遊技球発射装置の構成を示す平面図、(b)遊技球発射装置の構成を示す側面図。 遊技球発射装置の主要な構成を分解して示す分解斜視図。 図8のA−A線部分断面図。 (a)第1ハウジング構成体の平面図、(b)第2ハウジング構成体の平面図。 (a)第1ハウジング構成体の正面図、(b)第2ハウジング構成体の正面図。 遊技球発射装置の組み付けの様子を示す概略図。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図。 遊技球発射装置の変形例を示す概略図。
符号の説明
10…パチンコ機、100…遊技球発射装置、110…ソレノイド、160…可動体、161…シャフト、162…プランジャ、170…駆動部としてのソレノイド駆動部、171…コイルとしての励磁コイル、181…本体としてのボビン、187,188…設置部、210…第1規定部、211…第1軸受け、215…第1ホルダ、221…嵌合部としてのフランジ部、230…第2規定部、231…第2軸受け、235…第2ホルダ、241…嵌合部としてのフランジ部、250…ハウジング、260…第1ハウジング構成体、262…凹部としての嵌合部、280…第2ハウジング構成体、283…凹部としての嵌合部。

Claims (4)

  1. 直線往復動が可能な可動体と、
    通電されることにより磁界を形成し、前記可動体に動力を与えるコイル、及び前記可動体が挿通される挿通部を有し、その挿通部の外周に前記コイルが巻かれている本体を備えた駆動部と、
    前記駆動部の外側に設けられ、同駆動部が取り付けられているハウジングと、
    前記本体に設けられているとともに、前記可動体に対して当接するように形成されており、同可動体の移動方向を規定する規定部と
    を備えていることを特徴とする遊技機。
  2. 直線往復動が可能な可動体と、
    通電されることにより磁界を形成し、前記可動体に動力を与えるコイル、及び前記可動体が挿通される挿通部を有し、その挿通部の外周に前記コイルが巻かれている本体を備えた駆動部と、
    前記駆動部の外側に設けられ、同駆動部が取り付けられているハウジングと、
    前記可動体に対して当接するように形成されており、同可動体の移動方向を規定する規定部と
    を備え、
    前記規定部は、前記本体に対して一体化させて設けられているとともに、その一体化させている箇所において前記本体との間に前記ハウジングが介在しないように設けられていることを特徴とする遊技機。
  3. 前記規定部は、前記本体とは別体で設けられており、
    前記本体には、前記規定部を設置する設置部が設けられ、
    前記設置部に設置された前記規定部は、前記ハウジングと前記駆動部とが一体化されることに基づいて、前記設置部からの移動が不可となるように構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
  4. 前記規定部は、前記本体及び前記ハウジングに対して別体で設けられているとともに、前記挿通部の軸線方向において前記本体を挟んだ両側にそれぞれ個別に配置されており、
    前記ハウジングは、前記挿通部の軸線方向において前記本体を両側から挟むように設けられており、
    前記各規定部は、前記本体と前記ハウジングとによって挟まれた状態で保持されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の遊技機。
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