JP2010080731A - セラミック膜の形成方法及び積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、生産性向上の要求に応えるセラミック膜の形成方法及び積層セラミック電子部品の製造方法を提供するものである。
【解決手段】上記の課題を解決するため、本発明の一実施形態にかかるセラミック膜の形成方法は、セラミック粉末と熱可塑性のバインダとを混合してなり、溶剤を含まないセラミックペースト2aを準備する工程と、セラミックペースト2aを塗工して、セラミック塗膜2bを形成する工程と、セラミック塗膜2bを焼成する工程と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】上記の課題を解決するため、本発明の一実施形態にかかるセラミック膜の形成方法は、セラミック粉末と熱可塑性のバインダとを混合してなり、溶剤を含まないセラミックペースト2aを準備する工程と、セラミックペースト2aを塗工して、セラミック塗膜2bを形成する工程と、セラミック塗膜2bを焼成する工程と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、セラミック膜の形成方法及びかかるセラミック膜からなるセラミック層を有する積層セラミック電子部品の製造方法に関するものである。かかる積層セラミック電子部品は、電子機器に用いられる。かかる電子機器は、各種オーディオビジュアル機器、家電機器、通信機器又はコンピュータ機器等である。
従来より、電子機器に用いられる積層セラミック電子部品が知られている。かかる積層セラミック電子部品は、積層セラミックコンデンサ、圧電素子、抵抗、インダクタ、サーミスタ、フィルタ、バラン又はバリスタ等である。
かかる積層セラミック電子部品は、セラミック層と導電層が交互に積層した積層体を備えた構成が知られている。かかるセラミック層はセラミック膜からなり、かかる導電層は導電膜からなる。かかる積層セラミック電子部品の製造方法は、特許文献1に、セラミックペーストを準備する工程と、導電ペーストを準備する工程と、前記セラミックペーストを塗工してなるセラミック塗膜と、前記導電ペーストを塗工してなる導電塗膜と、を積層して積層体を形成する工程と、前記積層体を焼成する工程と、を備えた構成が記載されている。
ところで、特許文献1に記載のセラミックペースト及び導電ペーストは、溶剤を含む。かかる溶剤がセラミック塗膜及び導電塗膜に残留していると、溶剤の残留量に応じて、塗膜の厚みにばらつきが生じる。これにより、積層体を焼成する工程においてクラック等が発生しやすくなるため、積層セラミック電子部品の信頼性が低下しやすくなる(シートアタック)。このため、積層体を形成する工程において、セラミックペーストを塗工した後及び導電ペーストを塗工した後に、セラミック塗膜及び導電塗膜に含まれる溶剤を乾燥させるために多くの時間を要し、積層セラミック電子部品の製造効率が低下しやすくなる。
特開2007−22819号公報
本発明は、生産性向上の要求に応えるセラミック膜の形成方法及び積層セラミック電子部品の製造方法を提供するものである。
本発明の一形態にかかるセラミック膜の形成方法は、セラミック粉末と熱可塑性のバインダとを混合してなり、溶剤を含まないセラミックペーストを準備する工程と、前記セラミックペーストを塗布して、セラミック塗膜を形成する工程と、前記セラミック塗膜を焼成する工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明の一形態にかかる積層セラミック電子部品の製造方法は、セラミック層と導電層とを交互に積層する積層セラミック電子部品の製造方法において、セラミック粉末と熱可塑性のバインダとを混合してなり、溶剤を含まないセラミックペーストを準備する工程と、導電粉末と熱可塑性のバインダとを混合してなり、溶剤を含まない導電ペーストを準備する工程と、前記セラミックペーストを塗布してなるセラミック塗膜と、前記導電ペーストを塗布してなる導電塗膜と、を積層して積層体を形成する工程と、前記積層体を焼成する工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明の一実施形態にかかるセラミック膜の形成方法及び積層セラミック電子部品の製造方法によれば、溶剤を乾燥させる工程にかかる時間を短縮することができる。その結果、生産性に優れた積層セラミック電子部品の製造方法を提供することができる。
以下に、本発明の一実施形態にかかる積層セラミック電子部品の製造方法を、積層セラミックコンデンサの製造方法を例に、図1から図14に基づいて詳細に説明する。
図1に示す積層セラミックコンデンサ1は、本実施形態にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法を用いて作製されたものであり、交互に積層された複数のセラミック層2と複数の導電層3とを有する積層体4と、積層体4の対向する両端面に形成された一対の外部電極5と、を備えている。積層体4は、直方体形状を有しており、その厚みは、例えば5mm以下に設定されている。
セラミック層2は、誘電体セラミック材料等を含み、コンデンサの誘電体として機能する。誘電体セラミック材料としては、例えば、チタン酸バリウム等を用いることが望ましい。また、セラミック層2は、例えば300層以上積層されていることが望ましく、また、各セラミック層2の厚みは、2μm以下に設定されていることが望ましい。
導電層3は、その一端部が積層体4の対向する両端面の一方に交互に露出するように、且つその一部が隣接する導電層3の一部と対向するように、積層されており、コンデンサの電極板として機能する。また、導電層3は、ニッケル、銅、銀又はコバルトあるいはこれらの合金等を含む。また、導電層3は、例えば300層以上積層されていることが望ましく、また、各導電層3の厚みは、2μm以下に設定されていることが望ましい。
外部電極5は、積層体4の一端面に露出した複数の導電層3の一端部と、電気的に共通に接続されており、導電層3と外部回路とを電気的に接続する機能を有する。外部電極5は、ニッケル、銅、銀又はコバルトあるいはこれらの合金等を含む。また、各外部電極5の厚みは、2μm以下に設定されていることが望ましい。
上述した積層セラミックコンデンサ1は、以下の手順で作製される。
(1)セラミック粉末とバインダとを準備する。セラミック粉末は、上述した誘電体セラミック材料を含む。バインダは、熱可塑性樹脂、ワックス、可塑剤、分散剤又は潤滑剤等を含む。熱可塑性樹脂は、熱分解性の良好な性質をもつものを用いることが望ましい。このような性質を持つ熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、エステル樹脂又はホットメルト樹脂等を用いても構わない。ワックスとしては、パラフィンワックス又はマイクロワックス等を用いても構わない。パラフィンワックスとしては、n−パラフィン又はi−パラフィン等を用いても構わない。
(2)セラミック粉末とバインダとを混合する。
(3)セラミック粉末とバインダとのセラミック混合物を加熱することにより、かかるセラミック混合物をペースト状にしてセラミックペースト2aを作製する。かかるセラミックペースト2aは、バインダ中の熱可塑性樹脂を熱により軟化させてバインダを流動させることにより作製されることから、溶剤を用いることなくセラミックペースト2aを準備することができる。その結果、残留した溶剤によるセラミック塗膜2bの厚みのばらつきを低減するとともに、溶剤を乾燥させる工程にかかる時間を短縮し、積層セラミックコンデンサ1の製造におけるリードタイムを短縮できる。なお、セラミック混合物を加熱する温度は、熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上熱可塑性樹脂の熱分解温度未満に設定されていることが望ましい。また、セラミックペースト2aの粘度は、塗工性を良好にする為の粘度に適宜設定される。
ここで、かかるセラミック混合物を加熱する際に、熱可塑性樹脂を軟化させる代わりに、ワックスを溶融させることにより、バインダを軟化させても構わない。その結果、融点が熱可塑性樹脂のガラス転移温度より低いワックスを用いることができるため、低温でバインダを軟化させることができる。なお、セラミック混合物を加熱する温度は、ワックスの融点以上ワックスの沸点未満に設定されていることが望ましい。
また、かかるセラミック混合物を加熱する際に、熱可塑性樹脂を軟化させるとともに、ワックスを溶融させることにより、バインダを軟化させても構わない。また、軟化させる熱可塑性樹脂は、熱分解温度の異なる複数種類を用いることが望ましい。また、溶融させるワックスは、熱分解温度の異なる複数種類を用いることが望ましい。その結果、後述するバインダを熱分解する工程にて、バインダを徐々に熱分解することにより、クラックの発生を低減できる。
以上のようにして、セラミックペースト2aを準備することができる。なお、(2)の工程の前に、バインダを加熱して軟化させ、(2)の工程にて、セラミック粉末と軟化したバインダとを混合することにより、セラミックペースト2aを準備しても構わない。
(4)導電粉末とバインダとを準備する。導電粉末としては、上述した導電材料を含むことが望ましい。バインダは、熱可塑性樹脂、ワックス、可塑剤、分散剤、潤滑剤等を含む。熱可塑性樹脂は、熱分解性の良好な性質をもつものを用いることが望ましい。このような性質を持つ熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、エステル樹脂又はホットメルト樹脂等を用いても構わない。ワックスとしては、パラフィンワックス又はマイクロワックス等を用いても構わない。パラフィンワックスとしては、n−パラフィン又はi−パラフィン等を用いても構わない。
(5)導電粉末とバインダとを混合する。
(6)導電粉末とバインダとの導電混合物を加熱することにより、かかる導電混合物をペースト状にして導電ペースト3aを作製する。かかる導電ペースト3aは、バインダ中の熱可塑性樹脂を熱により軟化させてバインダを流動させることにより作製されることから、溶剤を用いることなく導電ペースト3aを準備することができる。なお、導電混合物を加熱する温度は、熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上熱可塑性樹脂の熱分解温度未満に設定されていることが望ましい。また、導電ペースト3aの粘度は、塗工性を良好にする為の粘度に適宜設定される。
ここで、かかる導電混合物を加熱する際に、熱可塑性樹脂を軟化させる代わりに、ワックスを溶融させることにより、バインダを軟化させても構わない。なお、導電混合物を加熱する温度は、ワックスの融点以上ワックスの沸点未満に設定されていることが望ましい。
また、かかる導電混合物を加熱する際に、熱可塑性樹脂を軟化させるとともに、ワックスを溶融させることにより、バインダを軟化させても構わない。また、軟化させる熱可塑性樹脂は、熱分解温度の異なる複数種類を用いることが望ましい。また、溶融させるワックスは、熱分解温度の異なる複数種類を用いることが望ましい。
(7)図2に示すように、穴部Hを有する枠部材6と、穴部Hに挿入された支持部材7と、枠部材6上に載置された第1マスク部材8aと、を準備する。
枠部材6は、1個の積層セラミックコンデンサ1に対応した平面形状である穴部Hを複数有することが望ましい。支持部材7は、穴部H内にて上下方向に移動可能であることが望ましい。その結果、後述するように、支持部材7上にてセラミック塗膜2aを形成した後、形成されたセラミック塗膜2aが穴部H内に位置するように支持部材7を下方に移動させることにより、穴部H内にてセラミック塗膜2aと導電塗膜3aとを容易に交互に積層させることができる。ここで、穴部Hの平面形状は1個の積層セラミックコンデンサ1に対応した形状であるため、1個の積層セラミックコンデンサ1に対応した形状の積層体2を容易に作製できる。したがって、積層体2を1個の積層セラミックコンデンサ1に対応した形状に切断する工程が不要となり、製造工程を簡略化できる。
枠部材6は、例えば銅等を含むことが望ましい。その結果、枠部材6の熱伝導性を高めることができる。支持部材7は、例えばステンレス、鉄、超硬又は樹脂等を含む。また、支持部材7は、DLC(diamond−like carbon)により被覆されていることが望ましい。その結果、後述するように、支持部材7が移動する際に、支持部材7の磨耗を低減することができる。
第1マスク部材8aは、第1開口部C1を有し、第1開口部Cが穴部H上に位置するように配置される。第1開口部C1の平面形状は、1個の積層セラミックコンデンサ1のセラミック層2に対応した形状であることが望ましい。第1マスク部材8aは、ステンレス又はニッケル等を含む。また、第1マスク部材8aは、DLCにより被覆されていることが望ましい。
(8)図3から図6に示すように、支持部材7上に第1開口部C1を介してセラミックペースト2aを塗工し、セラミック塗膜2bを形成する。セラミックペースト2aの塗工は、印刷法等を用いる場合、例えば、まず、セラミックペースト2aを第1マスク部材8a上に載置する。次に、スキージ部材を第1マスク部材8aに対して押圧しながら移動させ、第1開口部C1にセラミックペースト4aを充填する。その結果、セラミックペースト2aを、第1マスク部材8aの第1開口部C1の形状にパターニングしつつ塗工できる。また、セラミックペースト2aは、塗工される際に、スキージ部材により、上面が第1マスク部材8aの上面と同一面を成すように擦り切られる。その結果、セラミック塗膜2bの上面の平坦性を高めることができる。
ここで、第1マスク部材8aの第1開口部C1を介してセラミックペースト2aを塗工する際に、第1マスク部材8aを加熱することが望ましい。その結果、第1マスク部材8aの熱を介してバインダの軟化状態を保持できるため、セラミックペースト2aを所望の形状に形成することができる。第2マスク部材8bを加熱する温度は、熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上熱可塑性樹脂の熱分解温度未満に設定されていることが望ましい。また、第2マスク部材8bを加熱する温度は、ワックスの融点以上ワックスの沸点未満に設定されていることが望ましい。
(9)セラミック塗膜2bを冷却して、バインダを硬化させることにより、セラミック塗膜2bを固化させる。その結果、(8)の工程により形成されたセラミック塗膜2bの形状を保持することができる。また、穴部Hが1個の積層セラミックコンデンサ1に対応した形状である場合、面積の小さいセラミック塗膜2bを固化させるため、固化の際のセラミック塗膜2bの収縮を低減できる。その結果、所望の形状のセラミック層2を形成することができ、積層セラミック電子部品1の信頼性を向上させることができる。なお、セラミック塗膜2bを冷却する温度は、熱可塑性樹脂のガラス転移温度未満に設定されていることが望ましい。また、セラミック塗膜2bを冷却する温度は、ワックスの融点未満に設定されていることが望ましい。
また、セラミック塗膜2bの冷却は、自然冷却であっても構わないし、雰囲気中の温度をセラミックペースト4aの塗布時より低下させることで行っても構わない。また、支持部材7を冷却し、冷却された支持部材7によりセラミック塗膜2bを冷却しても構わない。その結果、支持部材7により、セラミック塗膜2bを効率的に冷却することができる。
(10)図7に示すように、支持部材7を下方に移動させる。かかる移動量を形成したセラミック塗膜2bの厚みに対応させることにより、後述するように、導電ペースト3aを塗工する際に、導電ペースト3aの厚みの設定が容易となる。
(11)図8に示すように、第2開口部C2を有する第2マスク部材8bを準備し、枠部材6上に載置する。第2マスク部材8bは、第2開口部C2が穴部H上に位置するように配置される。第2開口部C2の平面形状は、1個の積層セラミックコンデンサ1の導電層3に対応した形状であることが望ましい。第2マスク部材8bの材料としては、例えば第1マスク部材8aと同様の材料を用いても構わない。
(12)図9及び図10に示すように、セラミック塗膜2b上に第2開口部C2を介して導電ペースト3aを塗工し、導電塗膜3bを形成する。導電ペースト3aの塗工は、(8)の工程と同様に行われ、まず、導電ペースト3aを第2マスク部材8b上に載置する。次に、スキージ部材を第2マスク部材8bに対して押圧しながら移動させ、第2開口部C2に導電ペースト3aを充填する。ここで、(9)の工程においてセラミック塗膜2bを固化させているため、セラミック塗膜2bの形状を保持しつつ、導電ペースト3aを塗工することができる。また、支持部材7によりセラミック塗膜2bを冷却しつつ、導電ペースト2aを塗工することが望ましい。その結果、セラミック塗膜2bの固化状態を保持するとともに、導電ペースト3aを、含有するバインダの軟化状態を保ちつつ塗工することができる。
また、第2マスク部材8bは、導電ペースト3aを塗工する際又は導電ペースト3aの上面をスキージ部材8で擦り切る際に、加熱されていることが望ましい。第2マスク部材8bを加熱する温度は、(8)の工程にて第1マスク部材8aを加熱する温度と同様の温度でも構わない。
(13)導電塗膜3bを冷却し、バインダを硬化させることにより、導電塗膜3bを固化する。その結果、導電塗膜3bとセラミック塗膜2bとの接着強度を高めることができる。なお、導電塗膜3bを冷却する温度は、熱可塑性樹脂のガラス転移温度未満に設定されていることが望ましい。また、導電塗膜3bを冷却する温度は、ワックスの融点未満に設定されていることが望ましい。また、導電塗膜3bを冷却する際、支持部材7を冷却し、冷却された支持部材7により導電塗膜3bを冷却することが望ましい。
(14)図11に示すように、導電塗膜3b上にセラミックペースト2aを塗工する。セラミックペースト2aの塗工は、(8)の工程と同様に行われる。ここで、(13)の工程において導電塗膜3bを固化させているため、導電塗膜3bの形状を保持しつつ、セラミックペースト2aを塗工することができる。また、支持部材7により導電塗膜3bを冷却しつつ、セラミックペースト2aを塗工することが望ましい。その結果、導電塗膜3bの固化状態を保持するとともに、セラミックペースト2aを、含有するバインダの軟化状態を保ちつつ塗工することができる。
(15)(9)の工程と同様に、セラミック塗膜2bを冷却して、バインダを硬化させることにより、セラミック塗膜2bを固化させる。その結果、導電塗膜3bとセラミック塗膜2bとの接着強度を高めることができる。
(16)図12に示すように、(10)から(15)の工程を順次繰り返すことにより、セラミック塗膜2bと導電塗膜3bとを交互に積層させる。このようにして、積層体4を作製することができる。
(17)図13に示すように、穴部H内にて積層体4を加圧する。積層体4の加圧は、具体的には、例えば枠部材6の上面に加圧部材9を当接し、支持部材7及び加圧部材9により、積層体4に上下方向に圧力を加えることにより行われる。その結果、製造工程を簡略化することができる。
ここで、積層体4を加熱しつつ加圧することが望ましい。その結果、セラミック塗膜2b及び導電塗膜3bを軟化させつつ積層体4を加圧できるため、積層体4の密度を高めることができる。また、積層体4の各層間の密着性を高めることができる。なお、積層体4を加熱する温度は、熱可塑性樹脂のガラス転移温度点以上熱可塑性樹脂の熱分解温度未満に設定されていることが望ましい。また、積層体4を加熱する温度は、ワックスの融点以上ワックスの沸点未満に設定されていることが望ましい。
(18)積層体4を加熱することによりバインダを熱分解する。これにより、セラミック塗膜2b及び導電塗膜3bからバインダが除去される。なお、積層体4を加熱する温度は、熱可塑性樹脂の熱分解温度及びワックスの沸点以上、セラミック粉末及び導電粉末の焼結温度未満、に設定されていることが望ましい。
(19)積層体4を加熱することにより、セラミック粉末及び導電粉末を焼成し、セラミック層2及び導電層3を形成する。なお、積層体4を焼成する温度は、セラミック粉末及び導電粉末の焼結温度以上に設定されていることが望ましい。
(20)図14に示すように、積層体4の表面に外部電極5を形成する。外部電極5は、例えば無電解めっき法又は電解めっき法等により形成される。
以上のようにして、積層セラミックコンデンサ1を作製することができる。
上述したように、本実施形態によれば、溶剤を用いることなくセラミックペースト2a及び導電ペーストを準備することができるため、溶剤によるシートアタックを低減できるとともに、溶剤を乾燥させる工程にかかる時間を短縮することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。例えば、上述した本発明の実施形態においては、積層セラミックコンデンサ1の製造方法を例に説明したが、本発明は、他の積層セラミック電子部品の製造方法に適用しても構わない。他の積層セラミック電子部品は、例えば圧電素子、抵抗、インダクタ、サーミスタ、フィルタ、バラン又はバリスタ等を含む。
また、上述した本発明の実施形態においては、印刷法によりセラミックペースト2a及び導電ペースト3aを塗工する製造方法を例に説明したが、インクジェット法又は熱転写法等により塗工しても構わない。この場合、マスク部材7を用いることなく、セラミックペースト2a及び導電ペースト3aをパターニングすることができる。
また、上述した本発明の実施形態においては、穴部H内にて積層体4を加圧する製造方法を例に説明したが、穴部H外にて積層体4を加圧しても構わない。
また、上述した本発明の実施形態においては、(18)及び(19)の工程に示したように、バインダを熱分解する工程の後、積層体2を焼成する工程を行う製造方法を例に説明したが、バインダを熱分解する工程と積層体2を焼成する工程とを同時に行っても構わない。
1 積層セラミック電子部品
2 セラミック層
2a セラミックペースト
2b セラミック塗膜
3 導電層
3a 導電ペースト
3b 導電塗膜
4 積層体
5 外部電極
6 枠部材
7 支持部材
8a 第1マスク部材
8b 第2マスク部材
9 加圧部材
H 穴部
C1 第1開口部
C2 第2開口部
2 セラミック層
2a セラミックペースト
2b セラミック塗膜
3 導電層
3a 導電ペースト
3b 導電塗膜
4 積層体
5 外部電極
6 枠部材
7 支持部材
8a 第1マスク部材
8b 第2マスク部材
9 加圧部材
H 穴部
C1 第1開口部
C2 第2開口部
Claims (9)
- セラミック粉末と熱可塑性のバインダとを混合してなり、溶剤を含まないセラミックペーストを準備する工程と、
前記セラミックペーストを塗布して、セラミック塗膜を形成する工程と、
前記セラミック塗膜を焼成する工程と、
を備えたことを特徴とするセラミック膜の形成方法。 - セラミック層と導電層とを交互に積層する積層セラミック電子部品の製造方法において、
セラミック粉末と熱可塑性のバインダとを混合してなり、溶剤を含まないセラミックペーストを準備する工程と、
導電粉末と熱可塑性のバインダとを混合してなり、溶剤を含まない導電ペーストを準備する工程と、
前記セラミックペーストを塗布してなるセラミック塗膜と、前記導電ペーストを塗布してなる導電塗膜と、を積層して積層体を形成する工程と、
前記積層体を焼成する工程と、
を備えたことを特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。 - 請求項2に記載の積層セラミック電子部品の製造方法において、
前記セラミックペーストを準備する工程又は前記導電ペーストを準備する工程は、
前記バインダを軟化させる工程を有することを特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。 - 請求項3に記載の積層セラミック電子部品の製造方法において、
前記バインダは熱可塑性樹脂を含み、
前記バインダを軟化させる工程は、
前記バインダを、前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上前記熱可塑性樹脂の熱分解温度未満である第1の温度領域に加熱する工程を有することを特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。 - 請求項3に記載の積層セラミック電子部品の製造方法において、
前記バインダはワックスを含み、
前記バインダを軟化させる工程は、
前記バインダを、前記ワックスの融点以上前記ワックスの沸点未満である第2の温度領域に加熱する工程を有することを特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。 - 請求項5に記載の積層セラミック電子部品の製造方法において、
前記積層体を形成する工程は、
前記導電塗膜上に前記セラミックペーストを塗布して、前記セラミック塗膜を形成する工程と、
前記セラミック塗膜に含まれる前記バインダを硬化させる工程と、
前記セラミック塗膜上に前記導電ペーストを塗布して、前記導電塗膜を形成する工程と、
前記導電塗膜に含まれる前記バインダを硬化させる工程と、
を順次繰り返す工程を有することを特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。 - 請求項6に記載の積層セラミック電子部品の製造方法において、
前記セラミックペーストが塗布される支持部材を準備する工程を更に備え、
前記バインダを硬化させる工程は、
前記支持部材を冷却する工程と、
前記バインダを、前記ワックスの融点未満である第3の温度領域に冷却する工程と、
を有することを特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。 - 請求項7に記載の積層セラミック電子部品の製造方法において、
開口部を有するマスク部材を準備する工程を更に備え、
前記導電ペーストを塗布する工程は、
前記マスク部材を加熱する工程と、
前記マスク部材の前記開口部を介して、前記導電ペーストを塗布する工程と、
を有することを特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。 - 請求項8に記載の積層セラミック電子部品の製造方法において、
前記支持部材が挿入される穴部を有する枠部材を準備する工程を更に備え、
前記支持部材は、前記穴部内にて上下方向に移動可能であり、
前記セラミック塗膜を形成する工程の後、
前記支持部材を下方に移動させる工程を更に備えたことを特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008248357A JP2010080731A (ja) | 2008-09-26 | 2008-09-26 | セラミック膜の形成方法及び積層セラミック電子部品の製造方法 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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KR20140060542A (ko) * | 2011-08-31 | 2014-05-20 | 렉스마크 인터내셔널, 인코포레이티드 | 인쇄 회로 기판용의 z-방향 부품을 제조하기 위한 다이 프레스 공정 |
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JP7473032B2 (ja) | 2020-04-28 | 2024-04-23 | 株式会社村田製作所 | 積層型セラミック電子部品の製造方法 |
-
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- 2008-09-26 JP JP2008248357A patent/JP2010080731A/ja active Pending
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