JP2010080350A - マイクロ波プラズマ処理装置およびマイクロ波プラズマ処理方法 - Google Patents

マイクロ波プラズマ処理装置およびマイクロ波プラズマ処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】設備構造が簡単で、処理コストが安いマイクロ波プラズマ処理装置およびマイクロ波プラズマ処理方法を提供することを課題とする。
【解決手段】マイクロ波プラズマ処理装置1は、導波通路20a、21aを有する導波管2と、導波通路20aにプラズマ生成用ガスを供給するガス供給管3と、導波通路21aに表出する上流側面40と、上流側面40に背向する下流側面41と、長孔状のスリット42と、を有するスロットアンテナ4と、を備えてなる。略大気圧条件下において、マイクロ波とプラズマ生成用ガスとをスリット42に通過させることによりマイクロ波の電界を集中させスリット42付近に高電界を形成し、プラズマ生成用ガスを電離させプラズマPを生成し、プラズマPにより処理対象物80の処理対象面800に所定の処理を施す。
【選択図】図3

Description

本発明は、略大気圧条件下において、マイクロ波によりプラズマを発生させ、プラズマにより処理対象物に所定の処理を施すマイクロ波プラズマ処理装置およびマイクロ波プラズマ処理方法に関する。
地球温暖化等の環境対応として、自動車からの炭化水素の蒸散量の規制が近年強化されており、その対策として、炭化水素の蒸散をバリアする熱可塑性樹脂を内層に形成した積層樹脂ホースが開発されている。例えば、バリア性のフッ素樹脂からなる内層(バリア層)と、内層の径方向外周に積層されているポリアミド樹脂からなる外層と、を有する複層構造の樹脂ホースが開発されている。
しかし、フッ素樹脂からなる内層(バリア層)とポリアミド樹脂からなる外層とは溶融接着しないため、層間接着性向上に向け、内層(バリア層)の改質が考案されている。例えば、内層(バリア層)の外周面をコロナ放電処理したり(特許文献1)、フッ素系樹脂を酸変性(グラフト化)させたり(特許文献2)、さらには、内層(バリア層)の外周面を、減圧下で高周波(RF)プラズマ処理したり(特許文献3)すること等が、考案されている。
しかしながら、特許文献1に記載されているように、コロナ放電によりバリア層の外周面の表面改質処理を行う場合、比較的大きなバイアスを加える必要がある。このため、局部的に過剰な電荷がかかる場合がある。この場合、異常放電により、バリア層の外周面が局部的に粗面化し、場合によっては細孔(ピンホール)ができる可能性がある。さらに、接着向上効果も低い。また、特許文献2に記載されているように、バリア層のフッ素系樹脂を酸変性させる場合、燃料ホースの製造コストが高くなってしまうし、フッ素樹脂の特性を低下させるおそれがある。また、特許文献3に記載されているように、減圧高周波(RF)プラズマ処理によりバリア層の外周面の表面改質処理を行う場合、大気圧よりも低い圧力を確保する必要がある。このため、真空設備などが必要になる。したがって、プラズマ処理装置の設備コスト、延いては燃料ホースの製造コストが高くなってしまう。
特公平8−5167号公報 特開平11−320770号公報 特開2001−270051公報 特開2007−299720公報
また、特許文献4には、大気圧または大気圧付近の圧力でプラズマを生成することができるプラズマ処理装置が開示されている。同文献記載のプラズマ処理装置は、誘電体基板と、マイクロストリップ線路と、アース導体と、誘電体ガス管と、を備えている。マイクロストリップ線路とアース導体とは、誘電体基板を挟む両面に配置されている。誘電体基板の一端からは、マイクロ波が入力される。誘電体基板の他端は、誘電体ガス管のノズル付近に配置されている。誘電体基板を伝播したマイクロ波は、誘電体ガス管のノズル付近に放射される。マイクロ波により、誘電体ガス管のノズル付近に、電界が形成される。一方、誘電体ガス管内には、ガスが流れている。マイクロ波の電界で、当該ガスが電離することにより、プラズマが生成する。生成したプラズマは、誘電体ガス管のノズルから吹き出す。当該プラズマを照射することにより、処理対象物の表面改質処理を行う。同文献記載のプラズマ処理装置によると、大気圧または大気圧付近の圧力で、表面改質処理を行うことができる。このため、真空設備が不要である。
しかしながら、同文献記載のプラズマ処理装置の場合、マイクロ波を伝播させるために、誘電体基板、マイクロストリップ線路、アース導体などが必要になる。このため、プラズマ処理装置の構造が複雑である。
また、同文献の図17、図18には、プラズマをアレイ化したプラズマ処理装置が開示されている。当該プラズマ処理装置の場合、マイクロストリップ線路および導体を、プラズマ生成に必要な長さ分だけ、並設する必要がある。
本発明のマイクロ波プラズマ処理装置およびマイクロ波プラズマ処理方法は、上記課題に鑑みて完成されたものである。したがって、本発明は、設備構造が簡単で、処理コストが安いマイクロ波プラズマ処理装置およびマイクロ波プラズマ処理方法を提供することを目的とする。
(1)上記課題を解決するため、本発明のマイクロ波プラズマ処理装置は、マイクロ波が伝播する導波通路を有する導波管と、該導波通路に、空気、窒素、酸素からなる群から選ばれる少なくとも一種類のガスであるプラズマ生成用ガスを、供給するガス供給管と、該導波通路に表出する上流側面と、該上流側面に背向する下流側面と、該上流側面に開口する上流側開口と該上流側開口に連通し該下流側面に開口する下流側開口とを有する長孔状のスリットと、を有するスロットアンテナと、を備えてなり、略大気圧条件下において、該マイクロ波と該プラズマ生成用ガスとを該スリットに通過させることにより該マイクロ波の電界を集中させ該スリット付近に高電界を形成し、該高電界により該プラズマ生成用ガスを電離させプラズマを生成し、該プラズマにより処理対象物の処理対象面に所定の処理を施すことを特徴とする(請求項1に対応)。
マイクロ波は、導波管の導波通路を伝播する。また、導波通路には、プラズマ生成用ガスが供給される。マイクロ波およびプラズマ生成用ガスは、導波通路からスリットの上流側開口に流入し、スロットアンテナを貫通し、スリットの下流側開口から流出する。この際、マイクロ波の電界が集中する。そして、スリット付近に、スリット付近以外と比較して電界強度が高い、高電界が形成される。当該高電界により、プラズマ生成用ガスが電離し、プラズマが生成される。生成されたプラズマにより、処理対象物の処理対象面に、所定の処理を施す。
本発明のマイクロ波プラズマ処理装置によると、マイクロ波を導波通路からスリットに流入させる際に、通路断面積が小さくなる。このため、スリット付近において、マイクロ波の電界強度を高くすることができる。したがって、減圧条件下でなくても、言い換えると略大気圧条件下であっても、確実に、プラズマ生成用ガスを電離させることができる。このように、本発明のマイクロ波プラズマ処理装置によると、真空設備が不要である。このため、設備構造が簡単である。
また、処理対象物の搬送ラインが略大気圧条件にある場合、本発明のマイクロ波プラズマ処理装置を、当該搬送ラインに設置することも可能である(勿論、搬送ラインに設置しない場合も(1)の構成に含まれる)。こうすると、処理対象面への処理を、搬送ラインの流れ作業の一環として、実行することができる。
また、本発明のマイクロ波プラズマ処理装置によると、マイクロ波の電界強度が高いため、プラズマ生成用ガスとして、空気、窒素、酸素からなる群から選ばれる少なくとも一種類のガスを、用いることができる。すなわち、プラズマ生成用ガスとして、高価な希ガスを用いなくても、プラズマを生成することができる。このため、所定の処理を施す際の処理コストが安い。
また、本発明のマイクロ波プラズマ処理装置によると、マイクロ波は、誘電体基板ではなく、導波通路(空間)を伝播する。このため、誘電体基板は不要である。したがって、本発明のマイクロ波プラズマ処理装置によると、この点においても、設備構造が簡単である。
また、マイクロ波とプラズマ生成用ガスとは、導波通路において合流してから、スリットを通過する。このため、プラズマを生成する領域でマイクロ波とプラズマ生成用ガスとを合流させる場合と比較して、設備構造が簡単になる。また、本発明のマイクロ波プラズマ処理装置によると、プラズマ照射の際、プラズマが電界などにより加速されない。このため、プラズマが処理対象面を荒らしにくい。
(1−1)好ましくは、上記(1)の構成において、前記スリットは、前記マイクロ波の波長の倍数(1/2波長、1/4波長含む)に相当する部分に配置されている構成とする方がよい。
本構成によると、定在波による共振現象が起こる部分に、スリットが配置されている。このため、マイクロ波の電界強度を、より高くすることができる。また、マイクロ波の入力電力が小さくても、プラズマを生成することができる。
(2)好ましくは、上記(1)の構成において、前記スリットの最小幅は、0.02mm以上1mm以下に設定されている構成とする方がよい(請求項2に対応)。ここで、「スリットの最小幅」とは、スリットの上流側開口から下流側開口に至る全長において、最も狭い部分の幅をいう。例えば、スリットの内部空間が、上流側開口から下流側開口に向かって尖るテーパ状を呈している場合(後述する(3)の構成の場合)は、下流側開口の最小幅をいう。反対に、スリットの内部空間が、下流側開口から上流側開口に向かって尖るテーパ状を呈している場合は、上流側開口の最小幅をいう。
本構成において、スリットの最小幅を0.02mm以上としたのは、0.02mm未満の場合、スリットにおいてアーク放電が起き、スリットが損傷する可能性があるからである。また、スリットの最小幅を1mm以下としたのは、1mm超過の場合、プラズマを生成するために、高パワーのマイクロ波入射電力を要するからである。
(2−1)好ましくは、上記(2)の構成において、前記スリットの最小幅は、0.5mm以下に設定されている構成とする方がよい。スリットの最小幅を0.5mm以下としたのは、0.5mm超過の場合、プラズマを生成するためにより多くのマイクロ波入射電力を要するからである。
(2−2)好ましくは、上記(2−1)の構成において、前記スリットの最小幅は、0.1mm以上0.3mm以下に設定されている構成とする方がよい。スリットの最小幅を0.1mm以上としたのは、0.1mm未満の場合、スリットにおいてアーク放電が起きスリットが損傷する可能性が高くなるからである。また、スリットの最小幅を0.3mm以下としたのは、0.3mm超過の場合、プラズマを生成するためにより多くのマイクロ波入射電力を要するからである。
(3)好ましくは、上記(1)または(2)の構成において、前記スリットの内部空間は、前記上流側開口から前記下流側開口に向かって尖るテーパ状を呈している構成とする方がよい(請求項3に対応)。
本構成によると、マイクロ波が、上流側から下流側に向かって先細りになったスリットを、通過する。このため、マイクロ波の電界が、さらに集中しやすくなる。したがって、さらに高電界を形成しやすくなる。
(4)好ましくは、上記(1)ないし(3)のいずれかの構成において、前記処理対象面は、前記スロットアンテナに対して、相対的に移動可能であり、前記スリットの長軸方向と、該処理対象面の移動方向と、は交差している構成とする方がよい(請求項4に対応)。
ここで、「処理対象面が、スロットアンテナに対して、相対的に移動可能」とは、静止したスロットアンテナに対して、処理対象面が移動可能なことをいう。また、静止した処理対象面に対して、スロットアンテナが移動可能なことをいう。また、処理対象面とスロットアンテナとが、相対的な位置関係を変化させながら、共に移動可能であることをいう。本構成によると、長孔状のスリットの長軸方向と、処理対象面の移動方向と、が交差している。このため、短時間で、処理対象面の広い部分を、処理することができる。
(5)好ましくは、上記(4)の構成において、前記処理対象物は、円筒状あるいは円柱状を呈しており、前記処理対象面は、該処理対象物の外周面であり、該処理対象物を、軸周りに回転させながら、該処理対象面に所定の処理を施す構成とする方がよい(請求項5に対応)。
本構成によると、スロットアンテナに対して、処理対象物を軸周りに回転させることにより、処理対象面に所定の処理を施すことができる。このため、プラズマの照射距離が短い場合であっても、処理対象面に確実に処理を施すことができる。
(6)好ましくは、上記(5)の構成において、前記処理対象物は、フッ素系樹脂製であって円筒状の内層と、該内層の径方向外側に積層されポリアミド系樹脂製であって円筒状の外層と、を有するホースの、該内層であり、前記処理対象面は、該内層の外周面であり、所定の前記処理は、該外層の内周面に対する、該内層の外周面の接着性を向上させる表面改質処理である構成とする方がよい(請求項6に対応)。
フッ素系樹脂は、薬品やガソリンなどに対する耐食性が高い。また、ポリアミド系樹脂は、強度が高い。このため、前述したように、自動車業界においては、フッ素系樹脂製のバリア層と、ポリアミド系樹脂製の強化層と、を有する多層構造の燃料ホースが用いられている。しかしながら、フッ素系樹脂とポリアミド系樹脂とは、接着性が低い。
この点に鑑み、本構成は、本発明のマイクロ波プラズマ処理装置を用いて、フッ素系樹脂製の内層の外周面に、表面改質処理を施すものである。本発明のマイクロ波プラズマ処理装置を用いて、内層の外周面にプラズマを照射すると、後述する実施例からも明らかなように、内層と外層との層間接着力が高いホースを作製することができる。
(7)好ましくは、上記(4)の構成において、前記処理対象面は、平面状を呈しており、前記処理対象物を、直線状に移動させながら、該処理対象面に所定の処理を施す構成とする方がよい(請求項7に対応)。
本構成によると、スロットアンテナに対して、処理対象物を直線状に移動させることにより、処理対象面に所定の処理を施すことができる。このため、プラズマの照射距離が短い場合であっても、処理対象面に確実に処理を施すことができる。
(8)また、上記課題を解決するため、本発明のマイクロ波プラズマ処理方法は、略大気圧条件下において、空気、窒素、酸素からなる群から選ばれる少なくとも一種類のガスであるプラズマ生成用ガスと、マイクロ波と、を長孔状のスリットを有するスロットアンテナの該スリットに、通過させ、該マイクロ波の電界を集中させ該スリット付近に高電界を形成し、該高電界により該プラズマ生成用ガスを電離させプラズマを生成し、該プラズマにより処理対象物の処理対象面に所定の処理を施すことを特徴とする(請求項8に対応)。
マイクロ波およびプラズマ生成用ガスは、スリットを通過する。この際、マイクロ波の電界が集中する。そして、スリット付近に、スリット付近以外と比較して電界強度が高い、高電界が形成される。当該高電界により、プラズマ生成用ガスが電離し、プラズマが生成される。生成されたプラズマにより、処理対象物の処理対象面に、所定の処理を施す。
本発明のマイクロ波プラズマ処理方法によると、マイクロ波をスリットに流入させる際に、通路断面積が小さくなる。このため、スリット付近において、マイクロ波の電界強度を高くすることができる。したがって、減圧条件下でなくても、言い換えると略大気圧条件下であっても、確実に、プラズマ生成用ガスを電離させることができる。このように、本発明のマイクロ波プラズマ処理方法によると、減圧工程が不要である。
また、処理対象物の搬送ラインが略大気圧条件にある場合、本発明のマイクロ波プラズマ処理方法を用いると、処理対象面への処理を、搬送ラインの流れ作業の一環として、実行することができる。
また、本発明のマイクロ波プラズマ処理方法によると、マイクロ波の電界強度が高いため、プラズマ生成用ガスとして、空気、窒素、酸素からなる群から選ばれる少なくとも一種類のガスを、用いることができる。すなわち、プラズマ生成用ガスとして、高価な希ガスを用いなくても、プラズマを生成することができる。このため、所定の処理を施す際の処理コストが安い。
また、マイクロ波とプラズマ生成用ガスとは、導波通路において合流してから、スリットを通過する。このため、プラズマを生成する領域でマイクロ波とプラズマ生成用ガスとを合流させる場合と比較して、設備構造が簡単になる。また、本発明のマイクロ波プラズマ処理方法によると、プラズマ照射の際、プラズマが電界などにより加速されない。このため、プラズマが処理対象面を荒らしにくい。
(8−1)好ましくは、上記(8)の構成において、前記スリットは、前記マイクロ波の波長の倍数(1/2波長、1/4波長含む)に相当する部分に配置されている構成とする方がよい。
本構成によると、定在波による共振現象が起こる部分に、スリットが配置されている。このため、マイクロ波の電界強度を、より高くすることができる。また、マイクロ波の入力電力が小さくても、プラズマを生成することができる。
(9)好ましくは、上記(8)の構成において、前記スリットの最小幅は、0.02mm以上1mm以下に設定されている構成とする方がよい(請求項9に対応)。ここで、「スリットの最小幅」とは、スリットの上流側開口から下流側開口に至る全長において、最も狭い部分の幅をいう。例えば、スリットの内部空間が、上流側開口から下流側開口に向かって尖るテーパ状を呈している場合(後述する(10)の構成の場合)は、下流側開口の最小幅をいう。反対に、スリットの内部空間が、下流側開口から上流側開口に向かって尖るテーパ状を呈している場合は、上流側開口の最小幅をいう。
本構成において、スリットの最小幅を0.02mm以上としたのは、0.02mm未満の場合、スリットにおいてアーク放電が起き、スリットが損傷する可能性があるからである。また、スリットの最小幅を1mm以下としたのは、1mm超過の場合、プラズマを生成するために、高パワーのマイクロ波入射電力を要するからである。
(9−1)好ましくは、上記(9)の構成において、前記スリットの最小幅は、0.5mm以下に設定されている構成とする方がよい。スリットの最小幅を0.5mm以下としたのは、0.5mm超過の場合、プラズマを生成するためにより多くのマイクロ波入射電力を要するからである。
(9−2)好ましくは、上記(9−1)の構成において、前記スリットの最小幅は、0.1mm以上0.3mm以下に設定されている構成とする方がよい。スリットの最小幅を0.1mm以上としたのは、0.1mm未満の場合、スリットにおいてアーク放電が起きスリットが損傷する可能性が高くなるからである。また、スリットの最小幅を0.3mm以下としたのは、0.3mm超過の場合、プラズマを生成するためにより多くのマイクロ波入射電力を要するからである。
(10)好ましくは、上記(8)または(9)の構成において、前記スリットの内部空間は、前記上流側開口から前記下流側開口に向かって尖るテーパ状を呈している構成とする方がよい(請求項10に対応)。
本構成によると、マイクロ波が、上流側から下流側に向かって先細りになったスリットを、通過する。このため、マイクロ波の電界が、さらに集中しやすくなる。したがって、さらに高電界を形成しやすくなる。
(11)好ましくは、上記(8)ないし(10)のいずれかの構成において、前記処理対象面は、前記スロットアンテナに対して、相対的に移動可能であり、前記スリットの長軸方向と、該処理対象面の移動方向と、は交差している構成とする方がよい(請求項11に対応)。
ここで、「処理対象面が、スロットアンテナに対して、相対的に移動可能」とは、静止したスロットアンテナに対して、処理対象面が移動可能なことをいう。また、静止した処理対象面に対して、スロットアンテナが移動可能なことをいう。また、処理対象面とスロットアンテナとが、相対的な位置関係を変化させながら、共に移動可能であることをいう。本構成によると、長孔状のスリットの長軸方向と、処理対象面の移動方向と、が交差している。このため、短時間で、処理対象面の広い部分を、処理することができる。
(12)好ましくは、上記(11)の構成において、前記処理対象物は、円筒状あるいは円柱状を呈しており、前記処理対象面は、該処理対象物の外周面であり、該処理対象物を、軸周りに回転させながら、該処理対象面に所定の処理を施す構成とする方がよい(請求項12に対応)。
本構成によると、スロットアンテナに対して、処理対象物を軸周りに回転させることにより、処理対象面に所定の処理を施すことができる。このため、プラズマの照射距離が短い場合であっても、処理対象面に確実に処理を施すことができる。
(13)好ましくは、上記(12)の構成において、前記処理対象物は、フッ素系樹脂製であって円筒状の内層と、該内層の径方向外側に積層されポリアミド系樹脂製であって円筒状の外層と、を有するホースの、該内層であり、前記処理対象面は、該内層の外周面であり、所定の前記処理は、該外層の内周面に対する、該内層の外周面の接着性を向上させる表面改質処理である構成とする方がよい(請求項13に対応)。
フッ素系樹脂は、薬品やガソリンなどに対する耐食性が高い。また、ポリアミド系樹脂は、強度が高い。このため、前述したように、自動車業界においては、フッ素系樹脂製のバリア層と、ポリアミド系樹脂製の強化層と、を有する多層構造の燃料ホースが用いられている。しかしながら、フッ素系樹脂とポリアミド系樹脂とは、接着性が低い。
この点に鑑み、本構成は、本発明のマイクロ波プラズマ処理方法を用いて、フッ素系樹脂製の内層の外周面に、表面改質処理を施すものである。本発明のマイクロ波プラズマ処理方法を用いて、内層の外周面にプラズマを照射すると、後述する実施例からも明らかなように、内層と外層との層間接着力が高いホースを作製することができる。
(14)好ましくは、上記(11)の構成において、前記処理対象面は、平面状を呈しており、前記処理対象物を、直線状に移動させながら、該処理対象面に所定の処理を施す構成とする方がよい(請求項14に対応)。
本構成によると、スロットアンテナに対して、処理対象物を直線状に移動させることにより、処理対象面に所定の処理を施すことができる。このため、プラズマの照射距離が短い場合であっても、処理対象面に確実に処理を施すことができる。
本発明によると、設備構造が簡単で、処理コストが安いマイクロ波プラズマ処理装置およびマイクロ波プラズマ処理方法を提供することができる。
以下、本発明のマイクロ波プラズマ処理装置およびマイクロ波プラズマ処理方法の実施の形態について説明する。
<第一実施形態>
[マイクロ波プラズマ処理装置の構成]
まず、本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置の構成について説明する。本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置は、略大気圧(=1.013×10Paあるいは当該圧力付近の圧力)条件下において、燃料ホースの内層の外周面に、表面改質処理を施すものである。
図1に、本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置の分解斜視図を示す。図2に、同マイクロ波プラズマ処理装置の斜視図を示す。図3に、同マイクロ波プラズマ処理装置の前後方向断面図を示す。なお、図1は、シャフトおよび内層が箱部から出ている状態(以下、「抜出状態」と称す。)を示す。図2、図3は、シャフトおよび内層が箱部に挿入されている状態(以下、「挿入状態」と称す。)を示す。
図1〜図3に示すように、本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置1は、導波管2と、ガス供給管3と、スロットアンテナ4と、ハウジング5と、回転駆動部6と、を備えている。
導波管2は、管体部20と、下流端部21と、を備えている。管体部20は、マイクロ波発振器90と、入射側のパワーモニタ91と、アイソレータ92と、反射側のパワーモニタ93と、整合器94と、を連結している。管体部20の内部には、管体部側導波通路20aが区画されている。管体部側導波通路20aは、本発明の導波通路に含まれる。管体部20は、下流端部21に接続されている。下流端部21は、後述するハウジング5とスロットアンテナ4とにより、形成されている。下流端部21の内部には、端部側導波通路21aが区画されている。端部側導波通路21aは、本発明の導波通路に含まれる。ガス供給管3は、管体部20の下流端付近に、分岐接続されている。
ハウジング5は、ハウジング本体50と、天板51と、を備えている。ハウジング本体50は、アルミ鋼製である。ハウジング本体50は、箱部500と、長板部501と、を備えている。
箱部500は、上方に開口する直方体箱状を呈している。箱部500は、前後方向に延在している。箱部500は、シャフト挿入孔500aと、シャフト支持孔500bと、段差部500cと、連結孔500dと、排気孔500eと、を備えている。排気孔500eは、箱部500の下壁に穿設されている。シャフト挿入孔500aは、箱部500の後壁に穿設されている。シャフト支持孔500bは、箱部500の前壁に穿設されている。シャフト支持孔500bとシャフト挿入孔500aとは、前後方向に対向している。シャフト挿入孔500aは、シャフト支持孔500bよりも、孔径が大きい。連結孔500dは、箱部500の前壁に穿設されている。連結孔500dは、シャフト支持孔500bの上方に配置されている。連結孔500dには、管体部20の下流端が接続されている。段差部500cは、シャフト支持孔500bと連結孔500dとの間に形成されている。段差部500cは、箱部500の側壁の内面を一周している。段差部500cは、上方から下方に向かって内側に張り出す、段差状を呈している。
長板部501は、箱部500の後壁下縁から、後方に延在している。長板部501は、平板状を呈している。長板部501の上面には、左右一対のガイドレール501aが敷設されている。ガイドレール501aは、前後方向に延在している。天板51は、アルミ鋼製であって、平板状を呈している。天板51は、箱部500の開口を、上方から塞いでいる。
スロットアンテナ4は、ステンレス鋼製であって、長方形板状を呈している。スロットアンテナ4は、箱部500の段差部503に配置されている。前記導波管2の下流端部21は、スロットアンテナ4と、天板51と、箱部500と、により形成されている。すなわち、スロットアンテナ4は、下流端部21の下壁を形成している。天板51は、下流端部21の上壁を形成している。箱部500の段差部503よりも上の部分は、下流端部21の側壁を形成している。スロットアンテナ4については、後で詳しく説明する。
回転駆動部6は、サーボモータ60と、シャフト61と、被ガイド部62と、を備えている。回転駆動部6は、長板部501の上面に配置されている。被ガイド部62は、サーボモータ60のモータハウジングの下壁に、左右一対配置されている。被ガイド部62は、前後方向に延在している。一対の被ガイド部62は、長板部501の上面の一対のガイドレール501aに、前後方向に移動可能に、収容されている。シャフト61は、サーボモータ60の回転軸に連結されている。このため、シャフト61は、サーボモータ60の回転軸と共に、軸周りに回転可能である。シャフト61は、モータハウジングの前壁から、前方に向かって突設されている。シャフト61の外周面には、後述する燃料ホースの内層80が装着されている。内層80は、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)製であって、円筒状を呈している。ETFEは、本発明のフッ素系樹脂に含まれる。内層80は、シャフト61と共に、軸周りに回転可能である。被ガイド部62がガイドレール501aに沿って前後方向に移動することにより、シャフト61および内層80は、シャフト挿入孔500aを介して、箱部500の内部に出入り可能である。すなわち、シャフト61および内層80は、抜出状態(図1)から挿入状態(図2、図3)まで移動可能である。挿入状態においては、シャフト61の先端(前端)は、シャフト支持孔500bに、回転可能に支持されている。
[スロットアンテナの構成]
次に、本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置1のスロットアンテナ4の構成について説明する。図4に、本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置のスロットアンテナの上面図を示す。図5に、図4のV−V方向断面図を示す。図4、図5に示すように、スロットアンテナ4は、上面40と、下面41と、スリット42と、を備えている。上面40は、本発明の上流側面に含まれる。下面41は、本発明の下流側面に含まれる。スリット42は、上方開口420と、下方開口421と、を備えている。上方開口420は、本発明の上流側開口に含まれる。下方開口421は、本発明の下流側開口に含まれる。上方開口420は、長円状(対向する一対の半円が一対の直線により連結された形状)を呈している。下方開口421は、長方形状を呈している。このように、スリット42は、長孔状を呈している。スリット42の長軸方向は、前後方向である。また、上方から見て、下方開口421は、上方開口420の内側に配置されている。すなわち、スリット42の内部空間は、上方開口420から下方開口421に向かって尖るテーパ状を呈している。
図5に示すように、上方開口420の左右方向幅W1(短軸方向幅)は、10mmに設定されている。下方開口421の左右方向幅W2(短軸方向幅)は、0.2mmに設定されている。スロットアンテナ4の板厚W3(上下方向全長)は、3mmに設定されている。
図4に示すように、スリット42は、スロットアンテナ4に、合計四つ配置されている。四つのスリット42は、左右二列に配置されている。左側の列には、二つのスリット42が点線状に配置されている。同様に、右側の列にも、二つのスリット42が点線状に配置されている。左側の列のスリット42と右側の列のスリット42とは、左方あるいは右方から見て重複しないように、ジグザグ状に配置されている。すなわち、四つのスリット42の左右方向の投影面Lは、直線帯L1〜L4が繋がった、一本の実線帯状を呈している。投影面Lの全長(前後方向全長)は、内層80の外周面800(図3参照)の軸方向全長(前後方向全長)よりも、長くなるように設定されている。また、四つのスリット42は、マイクロ波の導波管内の管内波長の倍数(1/2波長、1/4波長含む)に相当する部分に配置されている。
[マイクロ波プラズマ処理方法]
次に、本実施形態のマイクロ波プラズマ処理方法について説明する。本実施形態のマイクロ波プラズマ処理方法においては、略大気圧条件下において、燃料ホースの内層80に、表面改質処理を施す。
まず、図1に示す抜出状態において、内層80を、シャフト61の外周面に装着する。なお、内層80は、溶融押出成形により作製した長尺状の管状体を、所定の長さに切断したものである。
次に、図3に示すように、サーボモータ60およびマイクロ波電源95をオンにする。サーボモータ60をオンにすると、シャフト61つまり内層80が回転を開始する。また、マイクロ波電源95をオンにすると、マイクロ波発振器90がマイクロ波を発生する。発生したマイクロ波は、導波管2の管体部20の管体部側導波通路20aを伝播する。この際、入射側のパワーモニタ91により、発生したマイクロ波の出力をモニタリングする。また、反射側のパワーモニタ93により、反射されたマイクロ波の出力をモニタリングする。また、アイソレータ92により、反射されたマイクロ波の出力を減衰させる。また、整合器94により、マイクロ波の反射量を調整する。管体部側導波通路20aを通過したマイクロ波は、端部側導波通路21aを伝播する。一方、ガス供給管3からは、管体部側導波通路20aの下流端付近に、窒素ガスが供給される。窒素ガスは、マイクロ波と共に、端部側導波通路21aに流入する。
マイクロ波は、端部側導波通路21aから、スロットアンテナ4のスリット42に進入する。ここで、スリット42の上方開口420の開口面積は、端部側導波通路21aの通路断面積と比較して、極めて小さい。このため、端部側導波通路21aからスリット42に進入する際、マイクロ波の電界強度は、極めて高くなる。加えて、スリット42の内部空間は、上方開口420から下方開口421に向かって尖るテーパ状を呈している。このため、スリット42を通過する際、マイクロ波の電界強度は、さらに高くなる。
一方、窒素ガスも、マイクロ波同様に、スロットアンテナ4のスリット42を通過する。この際、スリット42付近に形成されたマイクロ波の高電界により、窒素ガスは電離する。そして、図3に示すように、プラズマP(説明の便宜上、点線ハッチングで示す。)が生成される。
続いて、図2、図3に示すように、回転しているシャフト61を、シャフト挿入孔500aを介して、箱部500の内部に挿入する。すなわち、抜出状態から挿入状態まで、シャフト61を移動させる。このため、内層80は、シャフト61の軸周りに回転しながら、前方に移動する。プラズマPは、当該内層80の外周面800に照射される。なお、排気ガスは、排気孔500eからハウジング5の外部に排出される。
所定時間が経過したら、マイクロ波電源95およびサーボモータ60をオフにする。そして、シャフト61を、挿入状態から抜出状態まで、移動させる。その後、処理後の内層80を、シャフト61から取り外す。続いて、内層80の外周面に、ポリアミド12(PA12)製の外層を、溶融押出成形により積層させる。PA12は、本発明のポリアミド系樹脂に含まれる。
図6に、本実施形態のマイクロ波プラズマ処理方法により作製された燃料ホースの斜視図を示す。図7に、同燃料ホースの径方向断面図を示す。図6、図7に示すように、燃料ホース8は、内層80と外層81とを備えている。燃料ホース8は、本発明のホースに含まれる。内層80の外周面800(詳しくは、外周面800から所定の深さ部分)には、図7に細線ハッチングで示すように、表面改質により、水酸基やカルボキシル基等の官能基が付与される。当該官能基は、外層81のPA12と、熱により溶融接着する。このため、内層80と外層81とは、高い層間接着力で接着している。
[作用効果]
次に、本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置およびマイクロ波プラズマ処理方法の作用効果について説明する。本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置1およびマイクロ波プラズマ処理方法によると、マイクロ波を端部側導波通路21aからスリット42に流入させる際に、通路断面積が小さくなる。このため、スリット42付近において、マイクロ波の電界強度を高くすることができる。したがって、略大気圧条件下であるにもかかわらず、確実に、窒素ガスを電離させることができる。このように、本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置1およびマイクロ波プラズマ処理方法によると、真空設備が不要である。このため、設備構造が簡単である。
また、本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置1およびマイクロ波プラズマ処理方法によると、マイクロ波の電界強度が高いため、プラズマ生成用ガスとして、安価な窒素ガスを用いることができる。このため、内層80の外周面800に表面改質処理を施す際の処理コストが安い。
また、本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置1およびマイクロ波プラズマ処理方法によると、マイクロ波は、誘電体基板ではなく、管体部側導波通路20a、端部側導波通路21aを伝播する。このため、誘電体基板は不要である。したがって、この点においても、設備構造が簡単である。
また、本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置1およびマイクロ波プラズマ処理方法によると、マイクロ波と窒素ガスとは、管体部側導波通路20aにおいて合流してから、スリット42を通過する。このため、プラズマを生成する領域でマイクロ波とプラズマ生成用ガスとを合流させる場合と比較して、設備構造が簡単になる。
また、本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置1およびマイクロ波プラズマ処理方法によると、スリット42は、マイクロ波の波長の倍数(1/2波長、1/4波長含む)に相当する部分に配置されている。このため、マイクロ波の電界強度を、より高くすることができる。また、マイクロ波の入力電力が小さくても、プラズマを生成することができる。
また、本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置1およびマイクロ波プラズマ処理方法によると、スリット42の最小幅(=下方開口421の左右方向幅W2)は、0.04mmに設定されている。このため、確実に、マイクロ波の電界強度を、高くすることができる。
また、本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置1およびマイクロ波プラズマ処理方法によると、スリット42の内部空間は、上方開口420から下方開口421に向かって尖るテーパ状を呈している。このため、マイクロ波は、上流側から下流側に向かって先細りになったスリット42を、通過する。したがって、マイクロ波の電界が、さらに集中しやすくなる。
また、本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置1およびマイクロ波プラズマ処理方法によると、スロットアンテナ4に対して、内層80を軸周りに回転させることにより、外周面800に表面改質処理を施すことができる。このため、プラズマPの照射距離が短い場合であっても、外周面800に確実に処理を施すことができる。
また、本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置1およびマイクロ波プラズマ処理方法によると、ETFE製の内層80の外周面800に、表面改質処理を施している。本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置1およびマイクロ波プラズマ処理方法を用いて、内層80の外周面800にプラズマPを照射すると、内層80と外層81との層間接着力が高い燃料ホース8を作製することができる。
また、本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置1およびマイクロ波プラズマ処理方法によると、プラズマPが電界などにより加速されて、内層80の外周面800に照射されない。このため、外周面800がプラズマPにより損傷を受けるおそれが小さい。
<第二実施形態>
本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置およびマイクロ波プラズマ処理方法と、第一実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置およびマイクロ波プラズマ処理方法と、の相違点は、スロットアンテナのスリットの形状のみである。したがって、ここでは相違点についてのみ説明する。
図8に、本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置のスロットアンテナの上面図を示す。なお、図4と対応する部位については、同じ符号で示す。図8に示すように、スリット42の上方開口420、下方開口421は、共に長方形状を呈している。また、上方開口420と下方開口421とは、開口面積が略一致している。また、スリット42は、直管状を呈している。
本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置およびマイクロ波プラズマ処理方法は、構成が共通する部分については、第一実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置およびマイクロ波プラズマ処理方法と、同様の作用効果を有する。また、本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置およびマイクロ波プラズマ処理方法によると、スリット42の形状が単純である。このため、スロットアンテナ4にスリット42を配置しやすい。
<第三実施形態>
本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置およびマイクロ波プラズマ処理方法と、第一実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置およびマイクロ波プラズマ処理方法と、の相違点は、スロットアンテナのスリットの配置のみである。したがって、ここでは相違点についてのみ説明する。
図9に、本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置のスロットアンテナの上面図を示す。なお、図4と対応する部位については、同じ符号で示す。図9に示すように、スロットアンテナ4には、合計八個のスリット42が配置されている。八個のスリット42は、左右二列×前後四行の行列状に配置されている。
本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置およびマイクロ波プラズマ処理方法は、構成が共通する部分については、第一実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置およびマイクロ波プラズマ処理方法と、同様の作用効果を有する。本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置およびマイクロ波プラズマ処理方法のように、マイクロ波の波長の倍数(1/2波長、1/4波長含む)に相当する部分に対応する部分が、スロットアンテナ4に多数存在する場合は、その分、スリット42の配置数を多くすることができる。このため、プラズマPが生成されやすい。
<第四実施形態>
本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置およびマイクロ波プラズマ処理方法と、第一実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置およびマイクロ波プラズマ処理方法と、の相違点は、処理対象物が燃料ホースではなく、フィルムである点である。したがって、ここでは相違点についてのみ説明する。
図10に、本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置の斜視図を示す。なお、図2と対応する部位については、同じ符号で示す。図10に示すように、マイクロ波プラズマ処理装置1は、導波管2と、ガス供給管3と、スロットアンテナ4と、ハウジング7と、を備えている。
ハウジング7は、角筒部70と、天板71と、を備えている。角筒部70は、アルミ鋼製であって、角筒状を呈している。天板71は、アルミ鋼製であって、平板状を呈している。天板71は、角筒部70の上方開口を塞いでいる。一方、スロットアンテナ4は、角筒部70の下方開口を塞いでいる。天板71、角筒部70、スロットアンテナ4により、導波管2の下流端部21が形成されている。
ETFE製のフィルム82は、図10中に白抜き矢印で示すように、図示しない搬送ローラにより、スロットアンテナ4の下方を、所定のテンションが加わった状態で、左方から右方に搬送される。フィルム82がスリット42の下方を通過する際、フィルム82の上面820に、プラズマP(説明の便宜上、点線ハッチングで示す。)が照射される。上面820は、本発明の処理対象面に含まれる。当該プラズマPにより、フィルム82の上面820に、連続的に表面改質処理が施される。表面改質処理が施されたフィルム82の上面820には、Tダイ押出機にて、溶融したPAをフィルム上に押出し、PAが固化する前に、プラズマ処理されたETFE製のフィルム82とラミネートすることにより、PA12製の補強層(図略)が積層形成される。
本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置1およびマイクロ波プラズマ処理方法は、構成が共通する部分については、第一実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置およびマイクロ波プラズマ処理方法と、同様の作用効果を有する。
また、本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置1は、フィルム82の搬送ラインの途中に配置されている。このため、フィルム82の上面820への表面改質処理を、搬送ラインの流れ作業の一環として、実行することができる。
また、スリット42の長軸方向(前後方向)と、上面820の移動方向(左右方向)と、は略直交している。また、四つのスリット42により生成するプラズマPの前後方向全長は、フィルム82の上面820の前後方向全長よりも、長い。このため、短時間で、上面820の広い部分を、処理することができる。
<その他>
以上、本発明のマイクロ波プラズマ処理装置およびマイクロ波プラズマ処理方法の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
例えば、第一実施形態、第二実施形態、第三実施形態においては、シャフト61を抜出状態から挿入状態に移動させながら、内層80の外周面800に、プラズマPを照射した。しかしながら、まずシャフト61を抜出状態から挿入状態に切り替えてから、次いで内層80の外周面800にプラズマPを照射してもよい。
すなわち、四つのスリット42により生成するプラズマPの前後方向全長は、内層80の外周面800の軸方向全長(前後方向全長)よりも、長い。このため、任意の瞬間に着目すると、外周面800の一部(所定角度分)の軸方向全長に、プラズマPを、一度に照射することができる。ここで、外周面800は、シャフト61と共に回転している。したがって、シャフト61を略360°回転させることにより、外周面800の略全面に、プラズマPを照射することができる。
このように、シャフト61を挿入状態に切り替えてからプラズマPを照射すると、スリット42の長軸方向(前後方向)と、外周面800の移動方向(上→右→下→左→再び上と回転する方向)と、が略直交することになる。このため、シャフト61を一回転させるだけで、外周面800の略全面を、処理することができる。
また、上記実施形態においては、プラズマ生成用ガスとして、窒素ガスを用いた。しかしながら、酸素ガス、空気を用いてもよい。また、これらのガスを適宜混合して用いてもよい。また、生成したプラズマを安定させるために、プラズマ生成用ガスに加えて、アセトン等の有機溶剤を気化混入させてもよい。
また、上記実施形態においては、本発明のマイクロ波プラズマ処理装置およびマイクロ波プラズマ処理方法を用いて、燃料ホース8、フィルム82に、表面改質処理を施した。しかしながら、例えば板材などに表面改質処理を施してもよい。
また、スリット42の形状、配置場所、配置数も特に限定しない。例えば、表面改質処理の処理長さを長くするために、スリット42の配置数を増やしてもよい。
また、例えば、第四実施形態(図10参照)のフィルム82のように、処理対象面の移動方向(図10における左右方向)に対して、略直交する方向(図10における前後方向)の幅が広い処理対象物の処理対象面を、全幅処理する場合であって、かつ処理対象面の移動方向に対して、略直交する方向(図10における前後方向)に隣接するスリット42間に隙間があるマイクロ波プラズマ処理装置を用いる場合、処理対象面のうち当該スリット42間の隙間を通過する部分には、表面改質処理が施されないことになる。
この場合、このマイクロ波プラズマ処理装置に対して、当該スリット42間の隙間を補充するようにスリット42が配置された別のマイクロ波プラズマ処理装置を、処理対象面の移動方向に並設してもよい。また、一旦表面処理を施した後の処理対象面を当該スリット42間の隙間分だけずらして配置し、再び同一のマイクロ波プラズマ処理装置を用いて処理してもよい。こうすると、幅広の処理対象面であっても、全面的に表面改質処理を施すことができる。
また、ハウジング本体50、天板51、角筒部70、天板71の材質は、アルミ鋼に限定されない。金属であればよい。中でも、導電性の良い材質が好ましい。また、スロットアンテナ4の材質は、ステンレス鋼に限定されない。金属であればよい。例えば、アルミ鋼、真鍮等であってもよい。
また、上記実施形態においては、本発明のフッ素系樹脂としてETFEを用いた。しかしながら、例えば、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフルオライド共重合体(THV)、ビニリデンフルオライド樹脂(PVDF)、テトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン共重合体、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン共重合体、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルコキシビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルコキシビニルエーテル共重合体などを用いてもよい。また、これらのフッ素系樹脂を、二種以上併せて用いてもよい。
また、上記実施形態においては、本発明のポリアミド系樹脂として、PA12を用いた。しかしながら、例えば、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド66(PA66)、ポリアミド99(PA99)、ポリアミド610(PA610)、ポリアミド612(PA612)、ポリアミド11(PA11)、ポリアミド912(PA912)、ポリアミド6とポリアミド66との共重合体(PA6/66)、ポリアミド6とポリアミド12との共重合体(PA6/12)などを用いてもよい。また、これらのポリアミド系樹脂を二種以上併せて用いてもよい。
また、処理対象面(内層80の外周面800、フィルム82の上面820)に対する、プラズマPの照射時間も特に限定しない。例えば、照射時間は、1秒以上200秒以下としてもよい。
また、マイクロ波の周波数も特に限定しない。例えば、433MHz〜2.45GHzの周波数のマイクロ波を用いることができる。好ましくは、周波数2.45GHzのマイクロ波を用いる方がよい。その理由は、当該周波数は、電波法に適合しているからである。
以下、第一実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置およびマイクロ波プラズマ処理方法を用いて行った評価試験について、図1〜図7を参照しながら、説明する。
<サンプル>
[実施例1]
まず、溶融押出成形により作製した内径6mm、径方向肉厚0.25mmの長尺状の管状体を、軸方向長さ300mmに切断することにより、ETFE(旭硝子社製、フルオンETFE C88AXP)製の内層80を作製した。次いで、内層80を図1に示す抜出状態のシャフト61に装着した。続いて、窒素ガスを電離させることにより、図3に示すプラズマPを生成し、内層80を回転させながら、シャフト61を抜出状態から挿入状態まで移動させた。すなわち、内層80にプラズマPを照射した。
照射の際の圧力は、1.013×10Paとした。窒素ガスの流量は、8.44Pa・m/秒(5000SCCM)とした。内層80の回転速度は、10回転/秒とした。シャフト61の移動速度(前進速度)は、0.1m/分とした。マイクロ波の周波数は、2.45GHzとした。マイクロ波の電源出力は、50Wとした。スロットアンテナ4の下面41から内層80の外周面800までの最短距離(つまり、プラズマPの照射距離)は、6mmとした。
それから、表面改質処理後の内層80を、マンドレルに装着した。そして、溶融押出機により、内層80の外周面800を、溶融するPA12(宇部興産社製、ウベスタ3030JLX2)で、被覆した。すなわち、内層80の径方向外側に、PA12製の外層81を形成した。外層81の径方向肉厚は、0.75mmとした。このようにして、図6に示すように、二層構造の燃料ホース8(内径6mm、外径8mm、長さ300mm)を製造した。このようにして得られた燃料ホースを、実施例1のサンプルとした。
[実施例2]
実施例2のサンプルと実施例1のサンプルとは、同じ寸法、材質である。実施例2のサンプルの製造方法と実施例1のサンプルの製造方法との相違点は、マイクロ波の電源出力、プラズマの照射距離である。すなわち、実施例2のサンプルの製造方法においては、マイクロ波の電源出力は、150Wとした。プラズマの照射距離は、8mmとした。
[実施例3]
実施例3のサンプルと実施例1のサンプルとは、同じ寸法、材質である。実施例3のサンプルの製造方法と実施例1のサンプルの製造方法との相違点は、マイクロ波の電源出力、プラズマ生成用ガスの種類、プラズマの照射距離である。すなわち、実施例3のサンプルの製造方法においては、マイクロ波の電源出力は、150Wとした。プラズマ生成用ガスは、酸素ガスとした。プラズマの照射距離は、8mmとした。
[実施例4]
実施例4のサンプルと実施例1のサンプルとは、同じ寸法、材質である。実施例4のサンプルの製造方法と実施例1のサンプルの製造方法との相違点は、マイクロ波の電源出力、プラズマ生成用ガスの種類、プラズマの照射距離である。すなわち、実施例4のサンプルの製造方法においては、マイクロ波の電源出力は、150Wとした。プラズマ生成用ガスは、空気とした。プラズマの照射距離は、8mmとした。
[比較例1]
まず、溶融押出成形により作製した内径8mm、径方向肉厚0.25mmの長尺状の管状体を、軸方向長さ250mmに切断することにより、THV(ダイニオン社製、THV815)製の内層80を作製した。次いで、内層80の外周面800にプラズマPを照射せずに、内層80をマンドレルに装着した。そして、溶融押出機により、内層80の外周面800を、溶融するPA12(宇部興産社製、ウベスタ3030JLX2)で、被覆した。すなわち、内層80の径方向外側に、PA12製の外層81を形成した。外層81の径方向肉厚は、0.75mmとした。このようにして、図6に示すように、二層構造の燃料ホース8(内径8mm、外径10mm、長さ250mm)を製造した。このようにして得られた燃料ホースを、比較例1のサンプルとした。
[比較例2]
比較例2のサンプルと比較例1のサンプルとの相違点は、内層の材質のみである。すなわち、比較例2のサンプルの内層は、ETFE(旭硝子社製、フルオンETFE C88AXP)製とした。
[比較例3]
比較例3のサンプルと比較例1のサンプルとは、同じ寸法、材質である。比較例3のサンプルの製造方法と比較例1のサンプルの製造方法との相違点は、内層の外周面に表面改質処理を施している点である。
内層の外周面に表面改質処理を施す際、実施例1〜実施例4におけるマイクロ波プラズマ処理装置の代わりに、1ノズルローテーションシステム(型式RD1004、ノズルはスタンダードノズル14°AGR123Aを使用)およびジェネレーター(型式FG1003−5)の構成からなる日本プラズマトリート社製の大気圧式プラズマ処理装置を用いた。
具体的には、比較例1のサンプルと同様にTHV製の内層を、2000回転/分の回転速度で回転させた。そして、回転する内層の外周面に対して、上記大気圧式プラズマ処理装置を用いて、圧力1.013×10Paの条件下で、プラズマを照射(マイクロ波照射ではない)した(電圧:260V、電流:6A、処理速度:5m/分、 プラズマ照射距離:8mm)。プラズマを照射する際、40リットル/分の流量で、アルゴンガスを継続的に供給した。その後、プラズマ照射後の内層の外周面を、比較例1と同様に、PA12で溶融被覆することにより、外層を形成した。このようにして得られた燃料ホースを、比較例3のサンプルとした。
[比較例4]
比較例4のサンプルと比較例3のサンプルとは、同じ寸法、材質である。比較例4のサンプルの製造方法と比較例3のサンプルの製造方法との相違点は、プラズマ処理の際のガスの種類のみである。すなわち、比較例4のサンプルの製造方法においては、プラズマ処理の際に空気を供給した。
[比較例5]
比較例5のサンプルと比較例3のサンプルとの相違点は、内層の材質のみである。すなわち、比較例5のサンプルの内層は、ETFE(旭硝子社製、フルオンETFE C88AXP)製とした。
[比較例6]
比較例6のサンプルと比較例3のサンプルとの相違点は、内層の材質のみである。すなわち、比較例6のサンプルの内層は、ETFE(旭硝子社製、フルオンETFE C88AXP)製とした。
比較例6のサンプルの製造方法と比較例3のサンプルの製造方法との相違点は、プラズマ処理の際のガスの種類のみである。すなわち、比較例6のサンプルの製造方法においては、プラズマ処理の際に空気を供給した。
<評価方法>
評価項目は、ガソリン透過性、層間接着力の二項目とした。以下、これらガソリン透過性、層間接着力の評価方法について説明する。
[ガソリン透過性]
上記実施例、比較例サンプル内に、トルエン/イソオクタン/エタノールを45:45:10(体積比)の割合で混合した模擬アルコール添加ガソリンを封入した状態で、サンプルの軸方向両端開口に、クイックコネクタを圧入した。そして、等圧式ホース透過率測定装置(GTRテック社製、GTR−TUBE3−TG)を用いて、上記模擬アルコール添加ガソリンの透過係数を、40℃で一か月間測定した。
なお、表に記載した値は、平衡に達したときの値であり、値が10mg/日未満であれば、ガソリンを透過させにくいと言える。また、サンプルの軸方向両端開口にクイックコネクタを圧入する際、軸方向端の内層と外層とが剥離してしまい、測定できなかったサンプルについては、「×」と表記した。
[層間接着性]
上記実施例、比較例サンプルを、10mm幅で短冊状に切断して、接着性を測定するためのサンプル(以下、「短冊サンプル」と称す。)を作製した。試験は、以下の手順で行った。まず、各短冊サンプルの端部の内層と外層とを剥離させた。次いで、内層の剥離端と外層の剥離端とを、各々、引張試験機のチャックで挟持、固定した。続いて、引張速度50mm/分の条件で、内層の剥離端と外層の剥離端とを離間させ、層間接着力を測定した。
<評価結果>
評価結果を、サンプルの材質、製造方法と併せて、表1に示す。
Figure 2010080350
[ガソリン透過性]
表1から、実施例1〜実施例4は、ガソリン透過性が一日あたり3mg未満であることが判った。すなわち、実施例1〜実施例4は、極めて、ガソリンを透過させにくいということが判った。一方、比較例1〜比較例6は、いずれも、クイックコネクタ圧入時に、内層と外層とが剥離してしまうことが判った。
[層間接着性]
表1から、実施例1〜実施例4は、比較例1〜比較例6よりも、層間接着力が高いことが判った。中でも、プラズマ生成用ガスとして窒素ガスを用いた実施例1、実施例2は、特に高い層間接着力を有することが判った。
第一実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置の分解斜視図である。 同マイクロ波プラズマ処理装置の斜視図である。 同マイクロ波プラズマ処理装置の前後方向断面図である。 同マイクロ波プラズマ処理装置のスロットアンテナの上面図である。 図4のV−V方向断面図である。 第一実施形態のマイクロ波プラズマ処理方法により作製された燃料ホースの斜視図である。 同燃料ホースの径方向断面図である。 第二実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置のスロットアンテナの上面図である。 第三実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置のスロットアンテナの上面図である。 第四実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置の斜視図である。
符号の説明
1:マイクロ波プラズマ処理装置、2:導波管、3:ガス供給管、4:スロットアンテナ、5:ハウジング、6:回転駆動部、7:ハウジング、8:燃料ホース(ホース)。
20:管体部、20a:管体部側導波通路(導波通路)、21:下流端部、21a:端部側導波通路(導波通路)、40:上面(上流側面)、41:下面(下流側面)、42:スリット、50:ハウジング本体、51:天板、60:サーボモータ、61:シャフト、62:被ガイド部、70:角筒部、71:天板、80:内層、81:外層、82:フィルム、90:マイクロ波発振器、91:パワーモニタ、92:アイソレータ、93:パワーモニタ、94:整合器、95:マイクロ波電源。
420:上方開口(上流側開口)、421:下方開口(下流側開口)、500:箱部、500a:シャフト挿入孔、500b:シャフト支持孔、500c:段差部、500d:連結孔、500e:排気孔、501:長板部、501a:ガイドレール、503:段差部、800:外周面、820:上面(処理対象面)。
L:投影面、L1〜L4:直線帯、P:プラズマ、W1:左右方向幅、W2:左右方向幅、W3:板厚。

Claims (14)

  1. マイクロ波が伝播する導波通路を有する導波管と、
    該導波通路に、空気、窒素、酸素からなる群から選ばれる少なくとも一種類のガスであるプラズマ生成用ガスを、供給するガス供給管と、
    該導波通路に表出する上流側面と、該上流側面に背向する下流側面と、該上流側面に開口する上流側開口と該上流側開口に連通し該下流側面に開口する下流側開口とを有する長孔状のスリットと、を有するスロットアンテナと、
    を備えてなり、
    略大気圧条件下において、該マイクロ波と該プラズマ生成用ガスとを該スリットに通過させることにより該マイクロ波の電界を集中させ該スリット付近に高電界を形成し、該高電界により該プラズマ生成用ガスを電離させプラズマを生成し、該プラズマにより処理対象物の処理対象面に所定の処理を施すマイクロ波プラズマ処理装置。
  2. 前記スリットの最小幅は、0.02mm以上1mm以下に設定されている請求項1に記載のマイクロ波プラズマ処理装置。
  3. 前記スリットの内部空間は、前記上流側開口から前記下流側開口に向かって尖るテーパ状を呈している請求項1または請求項2に記載のマイクロ波プラズマ処理装置。
  4. 前記処理対象面は、前記スロットアンテナに対して、相対的に移動可能であり、
    前記スリットの長軸方向と、該処理対象面の移動方向と、は交差している請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のマイクロ波プラズマ処理装置。
  5. 前記処理対象物は、円筒状あるいは円柱状を呈しており、
    前記処理対象面は、該処理対象物の外周面であり、
    該処理対象物を、軸周りに回転させながら、該処理対象面に所定の処理を施す請求項4に記載のマイクロ波プラズマ処理装置。
  6. 前記処理対象物は、フッ素系樹脂製であって円筒状の内層と、該内層の径方向外側に積層されポリアミド系樹脂製であって円筒状の外層と、を有するホースの、該内層であり、
    前記処理対象面は、該内層の外周面であり、
    所定の前記処理は、該外層の内周面に対する、該内層の外周面の接着性を向上させる表面改質処理である請求項5に記載のマイクロ波プラズマ処理装置。
  7. 前記処理対象面は、平面状を呈しており、
    前記処理対象物を、直線状に移動させながら、該処理対象面に所定の処理を施す請求項4に記載のマイクロ波プラズマ処理装置。
  8. 略大気圧条件下において、空気、窒素、酸素からなる群から選ばれる少なくとも一種類のガスであるプラズマ生成用ガスと、マイクロ波と、を長孔状のスリットを有するスロットアンテナの該スリットに、通過させ、該マイクロ波の電界を集中させ該スリット付近に高電界を形成し、該高電界により該プラズマ生成用ガスを電離させプラズマを生成し、該プラズマにより処理対象物の処理対象面に所定の処理を施すマイクロ波プラズマ処理方法。
  9. 前記スリットの最小幅は、0.02mm以上1mm以下に設定されている請求項8に記載のマイクロ波プラズマ処理方法。
  10. 前記スリットの内部空間は、前記上流側開口から前記下流側開口に向かって尖るテーパ状を呈している請求項8または請求項9に記載のマイクロ波プラズマ処理方法。
  11. 前記処理対象面は、前記スロットアンテナに対して、相対的に移動可能であり、
    前記スリットの長軸方向と、該処理対象面の移動方向と、は交差している請求項8ないし請求項10のいずれかに記載のマイクロ波プラズマ処理方法。
  12. 前記処理対象物は、円筒状あるいは円柱状を呈しており、
    前記処理対象面は、該処理対象物の外周面であり、
    該処理対象物を、軸周りに回転させながら、該処理対象面に所定の処理を施す請求項11に記載のマイクロ波プラズマ処理方法。
  13. 前記処理対象物は、フッ素系樹脂製であって円筒状の内層と、該内層の径方向外側に積層されポリアミド系樹脂製であって円筒状の外層と、を有するホースの、該内層であり、
    前記処理対象面は、該内層の外周面であり、
    所定の前記処理は、該外層の内周面に対する、該内層の外周面の接着性を向上させる表面改質処理である請求項12に記載のマイクロ波プラズマ処理方法。
  14. 前記処理対象面は、平面状を呈しており、
    前記処理対象物を、直線状に移動させながら、該処理対象面に所定の処理を施す請求項11に記載のマイクロ波プラズマ処理方法。
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