JP2010080183A - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

プラズマディスプレイパネル Download PDF

Info

Publication number
JP2010080183A
JP2010080183A JP2008245820A JP2008245820A JP2010080183A JP 2010080183 A JP2010080183 A JP 2010080183A JP 2008245820 A JP2008245820 A JP 2008245820A JP 2008245820 A JP2008245820 A JP 2008245820A JP 2010080183 A JP2010080183 A JP 2010080183A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
electrode
panel
protective layer
dielectric layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008245820A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiki Nishimura
征起 西村
Koji Akiyama
浩二 秋山
Koji Aoto
宏治 青砥
Yoshihisa Oe
良尚 大江
Mitsuhiro Sakamoto
光洋 坂元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2008245820A priority Critical patent/JP2010080183A/ja
Publication of JP2010080183A publication Critical patent/JP2010080183A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)

Abstract

【課題】隔壁の欠損を抑え、放電セルの動作不良を生じることなく、高品質な画像を表示することができるプラズマディスプレイパネルを提供する。
【解決手段】表示電極対24が形成された前面板20とデータ電極が形成された背面板とを対向配置して構成されたプラズマディスプレイパネルであって、表示電極対24は、黒色層221c、222cの上に導電性の材料を積層して形成された走査電極22と黒色層231c、232cの上に導電性の材料を積層して形成された維持電極23との間に放電ギャップMGを形成して構成され、前面板20は、表示電極対24と表示電極対24を覆う誘電体層26と誘電体層26を覆う保護層27とを備え、保護層27は、酸化マグネシウムを主成分とし平均粒径が10nm〜100nmの結晶粒子の層を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、プラズマディスプレイ装置に用いられる交流面放電型プラズマディスプレイパネルに関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、単に「パネル」と略記する)として代表的な交流面放電型パネルは、対向配置された前面板と背面板との間に多数の放電セルが形成されている。前面板は、ガラス製の前面基板と、1対の走査電極と維持電極とからなる表示電極対と、それらを覆う誘電体層および保護層を有する。背面板は、ガラス製の背面基板と、データ電極と、それを覆う誘電体層と、隔壁と、蛍光体層とを有する。そして、表示電極対とデータ電極とが立体交差するように前面板と背面板とが対向配置されて密封され、内部の放電空間には放電ガスが封入されている。ここで表示電極対とデータ電極とが対向する部分に放電セルが形成される。このように構成されたパネルの各放電セル内でガス放電を発生させ、赤、緑、青各色の蛍光体を励起発光させてカラー表示を行っている。
上記の構成のパネルでは、前面板と背面板とを対向配置すると前面板の保護層と背面板の隔壁とが当接するが、このとき隔壁に欠損が生じて放電セルが正常に動作しなくなることがあった。このような問題を解決するために、例えば特許文献1には隔壁の強度不足をなくし隔壁の欠損を抑える方法が、また特許文献2には隔壁の頂部に緩衝材を設ける方法がそれぞれ開示されている。
また上記パネルの走査電極および維持電極のそれぞれは、例えば幅の広いストライプ状の透明電極の上に幅の狭いストライプ状のバス電極を積層して形成されている。透明電極は、例えばスパッタ法等を用いて前面基板上に形成されたITO薄膜をフォトリソグラフィー法等によりストライプ状にパターニングして形成する。またバス電極は、透明電極上に銀ペーストをストライプ状に印刷し焼成して形成する。しかしながらスパッタ法等でITO薄膜を形成するためには真空装置や露光機等の設備が必要となり、生産設備が大型になるだけでなく、生産性が低いという問題点があった。
これらの課題を解決するために、透明電極を用いることなく不透明なバス電極を用いて走査電極および維持電極のそれぞれを構成したパネルが検討されている。例えば特許文献3には、走査電極および維持電極のそれぞれを複数の平行なバス電極およびそれらを電気的に接続する短絡バーから構成したパネルが開示されている。
特開2000−1333号公報 特開2003−297236号公報 特開2004−127951号公報
しかしながら、特許文献1または特許文献2の方法によっても隔壁の欠損を完全になくすことは難しかった。特に、特許文献3に記載のパネルでは隔壁の欠損がわずかであっても放電セルで放電が発生しなくなるという問題があった。隔壁の欠損は前面板と背面板とが当接する位置、例えばバス電極によって前面板に凸部が生じた位置で発生するが、特許文献3に記載のパネルでは隣接するバス電極の間に放電ギャップを形成するので、放電ギャップの周囲で隔壁の欠損が発生して放電そのものが阻害されるからである。
近年は、パネルの大画面化、高精細度化にともない、放電セルが微細になって隔壁も細くなってきている。そのためパネル1枚あたりの欠損箇所の数が増える傾向にある。さらには、パネルまたはプラズマディスプレイ装置の運搬中に過大な衝撃を受けたり、プラズマディスプレイ装置が設置された後に転倒または衝撃により欠損が生じる確率も高まっている。そのため隔壁の欠損に対する早期の対策が望まれていた。
本発明はこれらの課題に鑑みなされたものであり、隔壁の欠損を抑え、放電セルの動作不良を生じることなく、高品質な画像を表示することができるパネルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、表示電極対が形成された前面板とデータ電極が形成された背面板とを対向配置して構成されたパネルであって、表示電極対は、黒色層の上に導電層を積層して形成された走査電極と黒色層の上に導電層を積層して形成された維持電極との間に放電ギャップを形成して構成され、前面板は、表示電極対と表示電極対を覆う誘電体層と誘電体層を覆う保護層とを備え、保護層は、酸化マグネシウムを主成分とし平均粒径が10nm〜100nmの結晶粒子の層を有することを特徴とする。この構成により、隔壁の欠損を抑え、放電セルの動作不良を生じることなく、高品質な画像を表示することができるパネルを提供することができる。
また本発明のパネルの走査電極および維持電極のそれぞれは梯子形状に形成されていてもよい。この構成により、より安定した放電を発生させることができるパネルを得ることができる。
また本発明のパネルの保護層は、酸化マグネシウムの単結晶粒子が複数個凝集した凝集粒子からなる粒子層をさらに有してもよい。この構成により、電子放出性能が高く、かつ電荷保持性能も高い良好な特性を示すパネルを得ることができる。
本発明によれば、隔壁の欠損を抑え、放電セルの動作不良を生じることなく、高品質な画像を表示することができるパネルを提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態におけるパネルについて、図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるパネル10の分解斜視図である。パネル10は、前面板20と背面板30とを対向配置し周辺部を封着部材(図示せず)を用いて封着することにより構成されており、内部に多数の放電セルが形成されている。
前面板20は、ガラス製の前面基板21と、走査電極22と維持電極23とからなる表示電極対24と、誘電体層26と、保護層27とを有する。前面基板21上には1対の走査電極22と維持電極23とからなる表示電極対24が互いに平行に複数形成されている。図1には表示電極対24が、走査電極22、維持電極23、走査電極22、維持電極23、・・・となるように形成されている図面を示した。しかし表示電極対24が、走査電極22、維持電極23、維持電極23、走査電極22、・・・となるように形成されていてもよい。
そしてそれら表示電極対24を覆うように誘電体層26が形成され、誘電体層26上に保護層27が形成されている。保護層27は、酸化マグネシウムを主成分とし平均粒径が10nm〜100nmの単結晶粒子(以下、「ナノ結晶粒子」と称する)の層で構成されている。
背面板30は、ガラス製の背面基板31と、データ電極32と、誘電体層33と、隔壁34と、蛍光体層35とを有する。背面基板31上には、複数のデータ電極32が互いに平行に形成されている。そしてデータ電極32を覆うように誘電体層33が形成され、その上に縦隔壁34aと横隔壁34bとを有する井桁状の隔壁34が形成されている。さらに誘電体層33の表面と隔壁34の側面とに赤、緑、青各色の蛍光体層35が形成されている。
そして、表示電極対24とデータ電極32とが立体交差するように前面板20と背面板30とが対向配置され、表示電極対24とデータ電極32とが対向する部分に放電セルが形成される。放電セルが形成された画像表示領域の外側の位置で、低融点ガラスを用いて前面板20と背面板30とが封着され、内部の放電空間には放電ガスが封入されている。
図2は、本発明の実施の形態1におけるパネル10(図1)の表示電極対24の詳細を示す図であり、図2(a)は前面板20を前面基板21側から見た正面図、図2(b)は前面板20の断面図である。なお図1に記載した構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付している。
走査電極22は黒色層221c、222cの上に導電層221d、222dを積層して形成された2本のバス電極221、222から構成され、維持電極23は黒色層231c、232cの上に導電層231d、232dを積層して形成された2本のバス電極231、232から構成されている。そしてバス電極221とバス電極231との間に放電ギャップMGが形成されている。
すなわち、走査電極22を構成するバス電極221は黒色層221cと導電層221dとからなり、バス電極222は黒色層222cと導電層222dとからなる。同様に、維持電極23を構成するバス電極231は黒色層231cと導電層231dとからなり、バス電極232は黒色層232cと導電層232dとからなる。
黒色層221c、222c、231c、232cは、パネル10を表示面側から見たときにバス電極221、222、231、232を黒く見せるために設けられており、例えば酸化ルテニウムを主成分とする黒色の材料を前面基板21の上に幅の狭いストライプ状に形成したものである。そして導電層221d、222d、231d、232dは、バス電極221、222、231、232の導電性を高めるために設けられており、黒色層221c、222c、231c、232cの上に銀を含む導電性の材料を積層して形成したものである。
次にパネル10の製造方法について説明する。図3は、本発明の実施の形態1におけるパネル10の前面板20の製造方法を説明するための図である。
前面板20を製造するには、まずガラス製の前面基板21をアルカリ洗浄する。
次に、酸化ルテニウムや黒色顔料を主成分とする黒色層用ペーストを用いて、黒色層221c、222c、231c、232cの前駆体221cx、222cx、231cx、232cxを形成する。そして、銀を含む導電層用ペーストを用いて前駆体221cx、222cx、231cx、232cxの上に導電層221d、222d、231d、232dの前駆体221dx、222dx、231dx、232dxを形成する。
本実施の形態においては、スクリーン印刷法を用いて感光性の黒色層用ペーストを前面基板21の全面に塗布し露光マスクを用いて露光した。その後、感光性の導電層用ペーストを前面基板21の全面に塗布し露光マスクを用いて露光した。そしてその後、現像を行って前駆体221cx、222cx、231cx、232cx、221dx、222dx、231dx、232dxを形成した(図3(a))。
次に、前駆体221cx、222cx、231cx、232cx、221dx、222dx、231dx、232dxが形成された前面基板21を焼成して、バス電極221、222、231、232を形成する。このときの焼成のピーク温度は550℃〜600℃が望ましく、本実施の形態においては580℃である。またバス電極221、222、231、232の厚みは、1μm〜6μmが望ましく、本実施の形態においては4μmである(図3(b))。
次に、走査電極22、維持電極23が形成された前面基板21上に、スクリーン印刷法等の公知技術により、誘電体層26の前駆体を形成する。そして誘電体層26の前駆体を焼成して、厚み20μm〜50μmの誘電体層26を形成する。
本実施の形態においては、酸化硼素35wt%、酸化硅素1.4wt%、酸化亜鉛27.6wt%、酸化物バリウム3.3wt%、酸化ビスマス25wt%、酸化アルミニウム1.1wt%、酸化モリブデン4.0wt%、酸化タングステン3.0wt%を含んだ誘電体ガラスを含む誘電体ペーストを作成した。このようにして作成された誘電体ガラスの軟化点は約570℃である。次に走査電極22、維持電極23が生成された前面基板21上にダイコート法により誘電体ペーストを塗布して誘電体層26の前駆体を形成した。そして誘電体層26の前駆体を約590℃で焼成して誘電体層26を形成した。このときの誘電体層26の厚みは約40μmである。
なお、誘電体ペーストとしては、上記以外にも、例えば、酸化硼素、酸化硅素、酸化亜鉛、アルカリ土類酸化物、アルカリ金属酸化物、酸化ビスマス、酸化アルミニウム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化セリウム等の中からいくつかを含んだ軟化点520℃〜590℃の誘電体ガラスを含む誘電体ペーストを用いることができる。
このように本実施の形態においては、厚み4μmのバス電極221、222、231、232の上に厚み40μmの誘電体層26を形成するが、バス電極221、222、231、232の影響で誘電体層26の表面にはおよそ2μmの凹凸が生じる(図3(c))。
そして誘電体層26の上に、酸化マグネシウムを主成分とする保護層27を形成する。保護層27を形成するには、まず、平均粒径が10nm〜100nmのナノ結晶粒子を含有する酸化マグネシウムペーストを作成する。ナノ結晶粒子は気相生成法によって作成することができる。気相成長法はプラズマや電子ビーム等の高エネルギー下で気化したマグネシウム蒸気を、酸素ガスを含む冷却ガス(例えばアルゴンガス)によって瞬間冷却してナノサイズの微粒子を作成する方法である。
本実施の形態では、ターピネオールを60重量%とブチルカルビトールアセテートを30重量%とアクリル樹脂を10重量%とを混合し作成したビークルに、平均粒径が50nmのナノ結晶粒子を同等の重量配分となるように混錬して酸化マグネシウムペーストを作成した。そしてスクリーン印刷法等の公知技術を用いて誘電体層26の上に酸化マグネシウムペーストを塗布し、保護層27の前駆体27xを形成した(図3(d))。
その後、前駆体27xを形成した前面基板21を乾燥、焼成して、厚さ1μm〜5μmの保護層27を形成する。本実施の形態においては、まず酸化マグネシウムペーストを塗布した前面基板21を350℃で11min保持して乾燥した。その後、500℃で12min保持して焼成し、厚さ約2μmの保護層27を形成した。
このようにして誘電体層26の上に、酸化マグネシウムを主成分とし平均粒径が10nm〜100nmのナノ結晶粒子の層で構成された保護層27を形成した。なお、誘電体層26の表面に生じた凹凸の影響により、保護層27の表面にもおよそ2μmの段差が生じている(図3(e))。
次に背面板30の製造方法について説明する。図4は、本発明の実施の形態1におけるパネル10の背面板30の製造方法を示す図である。
まず、スクリーン印刷法、フォトリソグラフィー法等の公知技術を用いて、背面基板31上に、Agを主成分とする導電体材料を一定間隔でストライプ状に塗布し、データ電極32の前駆体を形成する。その後、背面基板31を焼成して、データ電極32を形成する。データ電極32の厚みは、例えば2μm〜10μmであり、本実施の形態においては厚みは2.5μmである(図4(a))。
続いて、データ電極32を形成した背面基板31上に、低融点ガラスのペーストを塗布し、この背面基板31を焼成して誘電体層33を形成する。誘電体層33の厚みは、例えば約5μm〜15μmであり、本実施の形態においては厚みは10μmである(図4(b))。
続いて、誘電体層33を形成した背面基板31上に感光性の誘電体ペーストを塗布し焼成して隔壁34の前駆体を形成する。その後、露光マスクを用いて感光し、エッチングして隔壁34を形成する。隔壁34の高さは、例えば100μm〜150μmである。本実施の形態においては、誘電体層33を形成した背面基板31上に感光性誘電体ペーストを膜厚が約270μmになるように塗布した後乾燥し、横隔壁34bの形状に露光した。そしてさらにその上に感光性誘電体ペーストを膜厚が約37μmになるように塗布した後乾燥し、今度は縦隔壁34aの形状に露光した。その後エッチングし、焼成することにより高さ約120μmの縦隔壁34aと高さ約104μmの横隔壁34bとを持つ隔壁34を形成した(図4(c))。
そして、隔壁34の壁面および誘電体層33の表面に、赤色蛍光体、緑色蛍光体、青色蛍光体のいずれかを含む蛍光体インクを塗布する。その後乾燥、焼成して蛍光体層35を形成する。
赤色蛍光体としては、例えば(Y,Gd)BO:Eu、(Y,V)PO:Eu等を、緑色蛍光体としては、例えばZnSiO:Mn、(Y,Gd)BO:Tb、(Y,Gd)Al(BO:Tb等を、青色蛍光体としては、例えばBaMgAl1017:Eu、SrMgSi:Eu等をそれぞれ用いることができる(図4(d))。
そして上述した前面板20と背面板30とを、表示電極対24とデータ電極32とが立体交差するように対向配置し、放電セルが形成された画像表示領域の外側の位置で低融点ガラスを用いて封着する。その後、内部の放電空間にキセノンを含む放電ガスを封入して、パネル10が完成する。
図5は、本発明の実施の形態1におけるパネル10の断面図であり、データ電極32に平行な面での放電ギャップMG付近の拡大図である。上述したように、誘電体層26の表面には凹凸が生じておりおよそ2μmの段差となっている。そして前面板20と背面板30とを対向配置した際に、誘電体層26上の凸の位置、すなわちバス電極221、231が形成されている位置で保護層27と縦隔壁34aとが当接する。
ここで、保護層27と縦隔壁34aとが点で当接しているのではなく、保護層27が縦隔壁34aに押されて変形し、その結果、保護層27と縦隔壁34aとが面で当接している。そのために縦隔壁34aに加わる応力は分散されて、縦隔壁34aに欠損を生じる可能性が低くなっている。
もし仮に保護層が剛性の高い従来の保護層であれば、保護層は変形せず保護層と縦隔壁とが点で当接するので、縦隔壁の当接している部分に大きな応力が加わり、縦隔壁に欠損が発生する可能性が高くなる。そして放電ギャップの周囲で隔壁の欠損が発生すると、対応する放電セル内部に隔壁の破片が飛散する。加えて蛍光体層がはがれて落下する可能性もある。このような放電セルは放電特性が大きく変化して正常な動作ができなくなる。
しかしながら本実施の形態においては、保護層27は、酸化マグネシウムを主成分とするナノ結晶粒子の層で形成されている。またこのときの膜厚は、誘電体層26の表面に生じる凹凸による段差と同程度に設定されている。そのため、保護層27と縦隔壁34aとが当接する位置では、保護層27が縦隔壁34aに押されて変形し、その結果、保護層27と縦隔壁34aとが面で当接する。そのために縦隔壁34aに大きな応力が加わることがなく、縦隔壁34aに欠損を生じることがない。
このように、本実施の形態においては、ナノ結晶粒子の層で形成された保護層27がクッションの役割を果たし、隔壁34に加わる応力を分散させるので、隔壁34にリブ欠けを発生する可能性を低減することができる。このとき保護層27の厚みを誘電体層26の表面に生じる凹凸による段差の程度またはそれ以上に設定することが望ましいが、必ずしもこの条件を満たさなくても上記効果を得ることができる。本発明者は、保護層27の厚みが1μm以上あれば上記効果が得られることを実験的に確認した。
なお、実施の形態1において、走査電極22は2本のバス電極221、222で構成され、維持電極23も2本のバス電極231、232で構成されるものとして説明した。しかし本発明はこれに限定されるものではなく、3本以上のバス電極で構成してもよい。また他の形状であってもよい。以下に、走査電極および維持電極を梯子形状で構成したパネルについて説明する。
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2におけるパネルの表示電極対54の詳細を示す図である。前面板50に形成された走査電極52は、梯子形状の長い縦木の一方に相当し放電ギャップMGを規定するバス電極521と、梯子形状の長い縦木の他方に相当し走査電極52の導電性を高めるためのバス電極522と、梯子形状の横木に相当しバス電極521とバス電極522との間の抵抗を下げるためのバス電極523とを有する。維持電極53も同様に、梯子形状の長い縦木の一方に相当し放電ギャップMGを規定するバス電極531と、梯子形状の長い縦木の他方に相当し維持電極53の導電性を高めるためのバス電極532と、梯子形状の横木に相当しバス電極531とバス電極532との間の抵抗を下げるためのバス電極533とを有する。
走査電極52および維持電極53をこのような形状で構成することで、バス電極521とバス電極522との間の抵抗、およびバス電極531とバス電極532との間の抵抗を下げることができ、より安定した放電を発生させることができる。なお、図6には、放電セルのそれぞれに対してバス電極523、533を1つずつ設けた例を示した。しかしバス電極523、533は、例えば3つの放電セルに対して1つ設ける等、必要に応じて適宜設ければよい。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3におけるパネルの特徴は、保護層が2層になっており、下層がナノ結晶粒子の層で構成され、上層がナノ結晶粒子よりも大きい酸化マグネシウムの単結晶粒子で構成されている点である。以下にこのパネルの詳細について説明する。
図7は、本発明の実施の形態3におけるパネルの前面板80の構成を示す断面の拡大図であり、図1に示した前面板20とは上下を逆にして示している。前面基板81上に、走査電極82と維持電極(図示せず)とが形成され、それらを覆うように誘電体層86が形成されている。
誘電体層86上には保護層87が形成されている。保護層87は、誘電体層86の上に形成された下地保護層87aと、下地保護層87a上に形成された粒子層87bとから構成されている。下地保護層87aは酸化マグネシウムを主成分とするナノ結晶粒子の層であり、その厚みは、例えば2μmである。粒子層87bは、粒径が0.3μm〜2.0μm程度の酸化マグネシウムの単結晶粒子88が複数個凝集した凝集粒子89からなる。
このように本実施の形態における保護層87は、この凝集粒子89を下地保護層87aの全面にわたってほぼ均一に分布するように離散的に付着させることにより構成されている。なお、図7には単結晶粒子88および凝集粒子89を拡大して示している。凝集粒子89とは単結晶粒子88が凝集またはネッキングした状態のもので、静電気やファンデルワールス力等によって複数の単結晶粒子88が集合体をなしているものである。単結晶粒子88としては、14面体や12面体等の7面以上の面を持ち、粒径が0.3μm〜2.0μm程度の多面体形状を有するものが望ましい。また凝集粒子89としては単結晶粒子88が2個〜5個凝集したものが望ましく、凝集粒子89の粒径としては、0.3μm〜5μm程度のものが望ましい。このような単結晶粒子88およびそれらが凝集した凝集粒子89は電子放出性能が優れており、放電遅れが小さく、高速で放電制御できるパネルが得られるため、特に高速で多数の放電セルを制御する必要のある高精細パネルに有用である。
上述した条件を満たす単結晶粒子88およびそれらが凝集した凝集粒子89は、次のようにして生成することができる。例えば、炭酸マグネシウムや水酸化マグネシウム等の酸化マグネシウム前駆体を焼成して生成する場合、焼成温度を比較的高い1000℃以上に設定することで、粒径を0.3μm〜2μm程度に制御することができる。さらに、酸化マグネシウム前駆体を焼成することにより、単結晶粒子88同士が凝集またはネッキングした凝集粒子89を得ることができる。
このように保護層87を構成すれば、電子放出性能が高く、かつ電荷保持性能も高い良好な特性を示すパネルを得ることができる。
なお、実施の形態1〜3において用いた具体的な各数値は、単に一例を挙げたに過ぎず、パネルの特性や仕様等に合わせて、適宜最適な値に設定することが望ましい。
本発明は、隔壁の欠損を抑え放電セルの動作不良を生じることなく高品質な画像を表示することができるパネルを提供することができ、プラズマディスプレイ装置として有用である。
本発明の実施の形態1におけるパネルの分解斜視図 同パネルの表示電極対の詳細を示す図 同パネルの前面板の製造方法を説明するための図 同パネルの背面板の製造方法を示す図 同パネルの断面図 本発明の実施の形態2におけるパネルの表示電極対の詳細を示す図 本発明の実施の形態3におけるパネルの前面板の構成を示す断面の拡大図
符号の説明
10 パネル
20,50,80 前面板
21,81 前面基板
22,52,82 走査電極
23,53 維持電極
24,54 表示電極対
26,86 誘電体層
27,87 保護層
27x (保護層の)前駆体
30 背面板
31 背面基板
32 データ電極
33 誘電体層
34 隔壁
34a 縦隔壁
34b 横隔壁
35 蛍光体層
87a 下地保護層
87b 粒子層
88 単結晶粒子
89 凝集粒子
221,222,231,232,521,522,523,531,532,533 バス電極
221c,222c,231c,232c 黒色層
221cx,222cx,231cx,232cx (黒色層の)前駆体
221d,222d,231d,232d 導電層
221dx,222dx,231dx,232dx (導電層の)前駆体

Claims (3)

  1. 表示電極対が形成された前面板とデータ電極が形成された背面板とを対向配置して構成されたプラズマディスプレイパネルであって、
    前記表示電極対は、黒色層の上に導電層を積層して形成された走査電極と黒色層の上に導電層を積層して形成された維持電極との間に放電ギャップを形成して構成され、
    前記前面板は、前記表示電極対と前記表示電極対を覆う誘電体層と前記誘電体層を覆う保護層とを備え、
    前記保護層は、酸化マグネシウムを主成分とし平均粒径が10nm〜100nmの結晶粒子の層を有することを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  2. 前記走査電極および前記維持電極のそれぞれは、梯子形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  3. 前記保護層は、酸化マグネシウムの単結晶粒子が複数個凝集した凝集粒子からなる粒子層をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
JP2008245820A 2008-09-25 2008-09-25 プラズマディスプレイパネル Pending JP2010080183A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008245820A JP2010080183A (ja) 2008-09-25 2008-09-25 プラズマディスプレイパネル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008245820A JP2010080183A (ja) 2008-09-25 2008-09-25 プラズマディスプレイパネル

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010080183A true JP2010080183A (ja) 2010-04-08

Family

ID=42210389

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008245820A Pending JP2010080183A (ja) 2008-09-25 2008-09-25 プラズマディスプレイパネル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010080183A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011111359A1 (ja) * 2010-03-12 2011-09-15 パナソニック株式会社 プラズマディスプレイパネル

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011111359A1 (ja) * 2010-03-12 2011-09-15 パナソニック株式会社 プラズマディスプレイパネル
US8274222B2 (en) 2010-03-12 2012-09-25 Panasonic Corporation Plasma display panel having a protective layer which includes aggregated particles
JP5201292B2 (ja) * 2010-03-12 2013-06-05 パナソニック株式会社 プラズマディスプレイパネル

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4129288B2 (ja) プラズマディスプレイパネルとその製造方法
JP2008112745A (ja) プラズマディスプレイパネルとその製造方法
JP2009170192A (ja) プラズマディスプレイパネル
US7758395B2 (en) Lower plate of PDP and method for manufacturing the same
WO2009122737A1 (ja) プラズマディスプレイパネル
JP4770516B2 (ja) プラズマディスプレイパネル
JP4089732B2 (ja) プラズマディスプレイパネル
JP2003338246A (ja) プラズマ表示装置およびその製造方法
JP2005183372A (ja) プラズマディスプレイパネル
JP2010080183A (ja) プラズマディスプレイパネル
JP2007234280A (ja) プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法
JP2005209637A (ja) プラズマディスプレイ部材およびプラズマディスプレイ
JP2009218025A (ja) プラズマディスプレイパネル
JP2010218942A (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
JP5298578B2 (ja) プラズマディスプレイパネル
JP2009218023A (ja) プラズマディスプレイパネル
JP2010015698A (ja) プラズマディスプレイパネル
JP2005332599A (ja) プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法
EP2136385A1 (en) Method for manufacturing plasma display panel
JP4289433B2 (ja) プラズマディスプレイパネル
JP4915106B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法およびプラズマディスプレイパネル用の誘電体ペースト
JP2010092712A (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
JP4788471B2 (ja) プラズマディスプレイパネル
US8148898B2 (en) Plasma display panel and method for manufacturing plasma display panel
JP2004335339A (ja) プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法