JP2010079305A - エリアコード付きフォトマスク、およびフォトマスクの製造方法 - Google Patents

エリアコード付きフォトマスク、およびフォトマスクの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フォトマスク作製において、使用するブランクス、レジストを配設したブランクス(レジスト塗布ブランクス)から、作製されるフォトマスクまで一貫して、あるいは部分的に、これら基板を処理と関連つけて適切に管理できる管理方法を提供する。
【解決手段】IC、LSI等の半導体回路形成用のフォトマスクであって、光学式読み取りタイプのエリアコード(二次元IDコード)150が、フォトマスク108のガラス基板の端面110ないし裏面に、金属膜を転写式レーザーマーカー170によって転写形成することで設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、IC、LSIなどの半導体素子の製造に用いられるフォトマスクとフォトマスクの製造方法に関する。
フォトマスクは、ICやLSIなどの半導体素子の回路パターンを形成する際の原版として用いられるものであり、一般には石英のガラス基板上にクロム、モリブデンなどを主体とした遮光層からなるパターンを配設したものである。
このフォトマスク作製のための製造工程は長く、更に検査工程、修正工程等が加わる。 ここで、通常のフォトマスクの作製方法を図6に基づいて簡単に説明しておく。
先ず石英などのガラス基板610(図6(a))上にクロムなどを主体とする遮光層620を略全面に配設したフォトマスク用ブランクス600(以後、これを、レジストを配設していないフォトマスク用ブランクスとも言う)を作製し(図6(b))、更に、フォトマスク用ブランクスの遮光層の略全面にg線(436nm)やi線(365nm)などの紫外線または電子線に感応するレジスト630を塗布し、レジストを塗布したフォトマスク用ブランクス605(以後、これを、レジストを配設したフォトマスク用ブランクスあるいはレジスト塗布ブランクスとも言う)を形成する。(図6(c))
尚、以下、フォトマスク用ブランクスのことを単にブランクスとも言う。
次いで、g線やi線または電子線等の電離放射線660を用いて、レジストを塗布したフォトマスク用ブランクス605のレジスト630を所定のパターン形状に選択的に照射(露光)した(図6(d))後、所定の現像液で現像して、所定形状にレジストパターンを形成する。(図6(e))
次いで、必要に応じてディスカム処理、ベイキング処理を行い、レジストパターンの開口から露出した遮光層620をエツチング(腐食)して、所定形状の遮光層からなるパターン608Aの形成を行った(図6f))後、レジストパターンを除去し、洗浄処理等を施し、所望のフォトマスク608を得る。(図6(g))
フォトマスク用ブランクスの遮光層としては、クロム系の他には、モリブデンを主体とするもの等があり、その種類は多い。
例えば、クロムを主体とするものとしてはクロム単層膜のもの、この表面に酸化クロム層を設けた2層膜のもの、この両面に酸化クロム層を設けた3層膜などが用いられている。
ブランクスの遮光層上に塗布されるレジストの種類も多い。
塗布されるレジストは、照射する電離放射線の照射領域が後工程の現像工程にて除去されるポジ型と、照射領域が重合することで耐現像性を持つネガ型に大別されるが、ポジ型、ネガ型にも、それぞれ多種ある。
このため、レジスト種類、遮光層材質、および基板サイズとの組み合わせで、レジストが塗布されたブランクス(以下、レジスト塗布ブランクス、あるいは単に基板とも言う)の種類は、非常に多いものとなる。
そして、レジストが塗布されたブランクスの種類により、製造工程の処理条件も異なるのが一般的である。
このような、種類の多い、レジスト塗布ブランクスを製造工程に流すために、通常は、図7に示すような基板の種類や描画条件を記載した作業指示書710を添付したり、あるいは基板を運搬する際に用いているケースに識別番号をラベル等により貼り付け、中に入っている基板の種別を判断している。
フォトマスク作製において、パターン形成後の基板を識別管理する手法としては、フォトマスク作製中、レジストを塗布したフォトマスク用ブランクスのレジストを所定のパターン形状に選択的に露光する際に、バーコードをパターンデータとして一緒に描画し、現像、エッチング等のプロセス処理を経て、パターンニングされた遮光層にてバーコードを形成して使用する方法が一般的に行われている。
しかし、作業指示書や添付ラベルを用いる方法の場合、作業指示書(添付ラベルも含む)が発塵源もしくは発塵物滞留個所となっている。
仮に、この方法で低発塵の識別番号付設が実現したとしても、マスクケースあるいは作業指示書を常に基板本体と一体に管理することは不可能であり、ケースヘの入れ間違いや指示書の添付間違いなどにより不良が発生する危険性を常にはらんでいる。
また、フォトマスク作製中、レジストを配設したブランクス(以下、レジスト塗布ブランクスとも言う)のレジストを所定のパターン形状に選択的に露光する際に、バーコードをパターンデータとして一緒に描画し、現像、エッチング等のプロセス処理を経て、パターンニングされた遮光層にてバーコードを形成して使用する方法は、フォトマスクとして完成された後の管理には有効な手段ではあるが、現像するまで反射像が出てこない点、エツチングするまで透過像か出てこないことから、フォトマスクのプロセス条件を管理する目的には用いることかできない。
特開2000−192720号公報
特開平2−962号公報
特開平5−204127号公報
上記のように、レジストを配設したブランクス(レジスト塗布ブランクス)を使用してフォトマスクを製造する場合、ブランクス種類が管理され、適当な処理条件で作製するため、作業者が作業指示書等からブランクス種類を判別し、適正な処理プログラムを選択して処理せねばならない。
また、フォトマスクを作製するための製造工程の他に、更に検査工程、修正工程等が加わるため、各ガラス基板毎に品質や履歴が異なることも多く、作業指示書等から各ガラス基板毎の履歴確認、品質確認が必要である。
このため、フォトマスク作製においては、使用するブランクス、レジストを配設したブランクス(レジスト塗布ブランクス)から、作製されるフォトマスクまで一貫して、あるいは部分的に、これら基板の管理を適切にできる管理方法が求められていた。
本発明は、これらに対応するもので、フォトマスク作製において、使用するブランクス、レジストを配設したブランクス(レジスト塗布ブランクス)から、作製されるフォトマスクまで一貫して、あるいは部分的に、これら基板を処理と関連つけて適切に管理できる管理方法を提供しようとするものである。
本発明に関わるエリアコード付きフォトマスク用ブランクスは、IC、LSI等の半導体回路形成用のフォトマスクを作製するための、レジストを配設した、あるいはレジストを配設してないフォトマスク用ブランクスであって、光学式読み取りタイプのエリアコード(二次元IDコードとも言う)が設けられていることを特徴とするものである。
そして、上記において、エリアコードが、フォトマスク用ブランクスのガラス基板の端面ないし裏面に設けられていることを特徴とするものである。
そしてまた、上記において、エリアコードは、フォトマスク用ブランクスのガラス基板の端面ないし裏面に形成された金属膜に、レーザーマーカーによって加工形成されたものであることを特徴とするものである。
あるいはまた、上記において、エリアコードは、フォトマスク用ブランクスのガラス基板の端面ないし裏面に転写式レーザーマーカーによって、金属膜を転写形成されたものであることを特徴とするものである。
また、上記において、エリアコード部が、フォトマスク製造に用いる現像液、エッチング液、洗浄液に対し、耐腐食性を有する材質から成ることを特徴とするものである。
そして、上記において、フォトマスクが、クロムを主体とするエッチング加工用の金属層を有するもので、エリアコード部が、エッチング液である硝酸第2セリウムアンモン液に対し、耐腐食性を有する材質から成ることを特徴とするものである。
また、上記において、エリアコード部が、チタンを主成分とする材質から成ることを特徴とするものである。
あるいは、上記において、エリアコード部が、フォトマスク製造に用いる現像液、エッチング液、洗浄液のいずれかに対し、耐腐食性を有さない材質から成ることを特徴とするものである。
そして、エリアコード部が、硫酸に対し対腐食性を有さない材質から成ることを特徴とするものである。
また、クロムを主体とするエッチング加工用の金属層を有するもので、エリアコード部が、エッチング液である硝酸第2セリウムアンモンに対し耐腐食性を有さない材質から成ることを特徴とするものである。
また、上記において、エリアコード(二次元IDコード)は、読み取りの切り出しシンボルを持つものであることを特徴とするものであり、エリアコード(二次元IDコード)がQRコードであることを特徴とするものである。
本発明のエリアコード付きフォトマスクは、IC、LSI等の半導体回路形成用のフォトマスクであって、光学式読み取りタイプのエリアコード(二次元IDコード)が、フォトマスクのガラス基板の端面ないし裏面に、金属膜を転写式レーザーマーカーによって転写形成することで設けられていることを特徴とするものである。
あるいは、本発明のエリアコード付きフォトマスクは、C、LSI等の半導体回路形成用のフォトマスクであって、光学式読み取りタイプのエリアコード(二次元IDコード)が、フォトマスクのガラス基板の端面ないし裏面に形成された金属膜に、レーザーマーカーによって加工形成されることで設けられていることを特徴とするものである。
また、上記いずれかのエリアコード付きフォトマスクであって、エリアコード部が、フォトマスク製造に用いる現像液、エッチング液、洗浄液に対し、耐腐食性を有する材質から成ることを特徴とするものであり、フォトマスクが、エッチング形成されたクロムを主体とするパタンを有するもので、エリアコード部が、硝酸第2セリウムアンモンに対し、耐腐食性を有する材質から成ることを特徴とするものである。
そして、前記いずれかのエリアコード付きフォトマスクであって、エリアコード部が、チタンを主成分とする材質から成ることを特徴とするものである。
また、上記いずれかのエリアコード付きフォトマスクであって、エリアコード(二次元IDコード)は、読み取りの切り出しシンボルを持つものであることを特徴とするものであり、エリアコード(二次元IDコード)がQRコードであることを特徴とするものである。
本発明のフォトマスクの製造方法は、IC、LSI等の半導体回路形成用のフォトマスクを作製する、フォトマスク製造方法であって、フォトマスク用ブランクス、あるいは、フォトマスク用ブランクスからフォトマスクに至る中間形態物の、ガラス基板の端面ないし裏面に、光学式読み取りタイプのエリアコード(二次元IDコード)を設け、該エリアコード(二次元IDコード)を生産工程管理用あるいは品質管理用の情報とし用い、前記エリアコードは、フォトマスクの生産工程中に消失することを特徴とするものである。
(作用)
本発明に関わるエリアコード付きフォトマスク用ブランクスは、このような構成にすることにより、フォトマスク作製においては、使用するレジストを配設していないブランクス、レジストを配設したブランクス(レジスト塗布ブランクスとも言う)、作製されるフォトマスクまで一貫して、あるいは部分的に、これら基板の管理を適切にできる管理方法の提供を可能としている。
これにより、種類の多い、レジスト塗布ブランクスを製造工程に流す際に、基板の種類や描画条件を記載した作業指示書を添付したり、あるいは基板を運搬する際に用いているケースに識別番号をラベル等により貼り付け、中に入っている基板の種別を表示する必要をなくせるものとしている。
更に、エリアコード付きフォトマスク用ブランクスを用いることにより、フォトマスク用ブランクスからフォトマスクに至る中間形態物にエリアコードを付設した状態で、フォトマスク作製のための処理を行なうことも可能で、フォトマスク作製の工程全体の流れを阻害せず、それぞれの中間形態物の情報(ID)を早かに確認できる。
これにより、中間形態物の情報も管理でき、結果、フォトマスクの製造工程における製造条件管理ならびに製造履歴管理を簡便に行なえる。
具体的には、IC、LSI等の半導体回路形成用のフォトマスクを作製するための、レジストを配設した、あるいはレジストを配設してないフォトマスク用ブランクスであって、光学式読み取りタイプのエリアコード(二次元IDコード)が設けられていることにより、さらに具体的には、エリアコードが、フォトマスク用ブランクスのガラス基板の端面ないし裏面に設けられていることにより、これを達成している。
特に、エリアコードは、フォトマスク用ブランクスのガラス基板の端面ないし裏面に転写形成された転写材に、レーザーマーカーによって加工形成されたものであることにより、実用に合ったものとしている。
エリアコード部が、フォトマスク製造に用いる現像液、エッチング液、洗浄液に対し、耐腐食性を有する材質から成る場合には、エリアコードにより、ブランクスから作製されるフォトマスクまで一貫して、この中間形態物を含め、これらの管理を適切にできる。
例えば、クロムを主体とするエッチング加工用の金属層を有するもので、エリアコード部が、エッチング液である硝酸第2セリウムアンモン液に対し、耐腐食性を有する材質から成る場合には、クロムを主体とするエッチング加工用の金属層をエッチングする際に、エリアコード部は消失しない。
エリアコード部が、チタンを主成分とする材質から成る場合には、通常のフォトマスク作製の現像、エッチング、洗浄の各処理では、消失せず、フォトマスクにエリアコード部が残る。
これに対して、エリアコード部が、フォトマスク製造に用いる現像液、エッチング液、洗浄液のいずれかに対し、耐腐食性を有さない材質から成る場合には、現像液、エッチング液、洗浄液のいずれかでエリアコード部は消失してしまう。
情報の外部流出を防ぐ意味で、エリアコード部を消失することも場合によっては必要で、このような材質も選択することがある。
例えば、エリアコード部が、硫酸に対し対腐食性を有さない材質から成る場合には、洗浄時の硫酸処理で、エリアコード部は消失され、エリアコードが付与されてないフォトマスクを得ることができる。
クロムを主体とするエッチング加工用の金属層を有するもので、エリアコード部が、エッチング液である硝酸第2セリウムアンモンに対し耐腐食性を有さない材質から成る場合には、エッチング処理で、エリアコード部は消失され、エリアコードが付与されてないフォトマスクを得ることができる。
エリアコード(二次元IDコード)は、読み取りの切り出しシンボルを持つものであることにより、その情報読み出しを簡単に行なえるものとしている。
読み取りの切り出しシンボルを持つ二次元IDコードであることにより、ID内容の機密性を比較的確保できるものとしている。
具体的には、適用できるエリアコード(二次元IDコード)としてQRコードを挙げることができる。
また、二次元IDコードをQRコードとすることにより、後にレーザ等でIDの破壊が容易にできるものとしている。
本発明のエリアコード付きフォトマスクは、このような構成にすることにより、フォトマスクの作製において、エリアコードが付与され、それがフォトマスクに残っている場合は、フォトマスクの製造条件、品質、履歴、その他の情報を、前記エリアコードから知ることができ、フォトマスクの作製後に、エリアコードを付与することにより、以後の工程や、例えば、配送等の管理、あるいは検査、修正の管理、品質の管理をし易いものとできる。
エリアコード部が、フォトマスク製造に用いる現像液、エッチング液、洗浄液に対し、耐腐食性を有する材質から成るエリアコード付きフォトマスク用ブランクスを用いて作製された場合には、フォトマスク製造に用いる現像液、エッチング液、洗浄液に対し、耐腐食性を有する材質から成るエリアコードが、フォトマスクに残る。
例えば、エリアコード付きフォトマスク用ブランクス用ブランクスで、クロムを主体とするエッチング加工用の金属層を有するもので、エリアコード部が、エッチング液である硝酸第2セリウムアンモン液に対し、耐腐食性を有する材質から成る場合、あるいはチタンからなる場合、フォトマスクの作製処理でエリアコード部は消失せず、前記材質のエリアコード部はフォトマスクに残る。
エリアコード付きフォトマスクの場合も、エリアコード(二次元IDコード)は、読み取りの切り出しシンボルを持つものであることにより、その情報読み出しを簡単に行なえ、且つ、読み取りの切り出しシンボルを持つ二次元IDコードであることにより、ID内容の機密性を比較的確保できるものとしている。
適用できるエリアコード(二次元IDコード)としてQRコードを挙げることができる。
また、二次元IDコードをQRコードとすることにより、後にレーザ等でIDの破壊が容易にできる。
本発明のフォトマスクの製造方法は、このような構成にすることにより、フォトマスク作製においては、使用するレジストを配設していないブランクス、レジストを配設したブランクス(レジスト塗布ブランクスとも言う)、作製されるフォトマスクまで一貫して、あるいは部分的に、これら基板の管理を適切にできる管理方法の提供を可能としている。 具体的には、IC、LSI等の半導体回路形成用のフォトマスクを作製する、フォトマスク製造方法であって、フォトマスク用ブランクス、あるいは、フォトマスク用ブランクスからフォトマスクに至る中間形態物の、ガラス基板の端面ないし裏面に、光学式読み取りタイプのエリアコード(二次元IDコード)を設け、該エリアコード(二次元IDコード)を生産工程管理用あるいは品質管理用の情報とし用い、前記エリアコードは、フォトマスクの生産工程中に消失することにより、これを達成している。
本発明は、上記のように、フォトマスク作製において、使用するブランクス、レジストを配設したブランクス(レジスト塗布ブランクス)から、作製されるフォトマスクまで一貫して、あるいは部分的に、これら基板を処理と関連つけて適切に管理にできる管理方法の提供を可能とした。
図1(a)は本発明に関わるエリアコード付きフォトマスク用ブランクスの実施の形態の第1の例の側面図で、図1(b)は本発明に関わるエリアコード付きフォトマスク用ブランクスの実施の形態の第2の例の側面図である。 本発明のエリアコード付きフォトマスクの実施の形態の1例と、そのエリアコードの書き込みを示した概略図である。 エリアコード付きフォトマスク用ブランクスの形成およびエリアコード付きフォトマスク形成工程を説明するための工程断面図である。 エリアコード付きフォトマスク用ブランクスを用いてエリアコードが付与されていないフォトマスクを形成する工程を説明するための工程断面図である。 二次元IDコードを説明するための図である。 従来のフォトマスク作製工程を説明するための工程断面図である。 作業指示書の1例を示した図である。
本発明の実施の形態例を図に基づいて説明する。
図1(a)は本発明に関わるエリアコード付きフォトマスク用ブランクスの実施の形態の第1の例の側面図で、図1(b)は本発明に関わるエリアコード付きフォトマスク用ブランクスの実施の形態の第2の例の側面図で、図2は本発明のエリアコード付きフォトマスクの実施の形態の1例と、そのエリアコードの書き込みを示した概略図で、図3はエリアコード付きフォトマスク用ブランクスの形成およびエリアコード付きフォトマスク形成工程を説明するための工程断面図で、図4はエリアコード付きフォトマスク用ブランクスを用いてエリアコードが付与されていないフォトマスクを形成する工程を説明するための工程断面図で、図5は二次元コードとその読み取りを説明するための概略図である。
図1〜図4中、100は(レジストを配設してない)エリアコード付きブランクス、105は(レジストを配設した)エリアコード付きブランクス、108はエリアコード付きフォトマスク、108Aはパターン部、110はガラス基板(透明基板とも言う)、120は金属層遮光層、130はレジスト、150はエリアコード、160は電離放射線(電子線等)、170レーザマーカ、175はレーザ、410は(二次元)IDコード、411データコード、415はL字ガイドセル、425は走査線、430はQRコード、431はデータコード、435は切り出しシンボルである。
本発明に関わるエリアコード付きフォトマスクの実施の形態の第1の例を図1(a)に基づいて説明する。
本例は、IC、LSI等の半導体回路形成用のフォトマスクを作製するための、レジストを配設してないフォトマスク用ブランクスであって、光学式読み取りタイプのエリアコード(二次元IDコード)150が、そのガラス基板110の端面の設けられている。
そして、エリアコード150は、ガラス基板110の端面に形成された金属膜に、レーザーマーカー(図2の170に相当)によって加工形成され、所定の内容が書き込まれたものである。
ガラス基板110の端面に形成されるエリアコードは、前もって端面に形成した金属膜をレーザーマーカーで選択除去したもので、金属膜が選択的に除去されたコードである。 本例のフォトマスク用ブランクスは、通常の、パターンニングされた遮光層像の形状をウエハ等に投影露光するためのフォトマスク用のブランクスである。
金属遮光層120としては、クロム系、モリブデンを主体とするものが一般には用いられている。
クロム系の(クロムを主体とする)ものとしてはクロム単層膜のもの、この表面に酸化クロム層を設けた2層膜のもの、この両面に酸化クロム層を設けた3層膜などが用いられている。
ガラス基板110としては、露光光に透明なもので、石英基板、合成石英基板等が用いられている。
尚、エリアコード150内容として、例えば、ガラス基板110、金属遮光層120の材質、これから塗布するレジスト材質、フォトマスク作製における各処理条件等が書き込まれる。
二次元IDコードとしては、特に限定はされない。
目視により、ID内容が判断可能なもの、あるいは、所定のスキャナー(図5(b)に示すスキャナー420等)によりID内容が判断可能なものが適用できる。
ID内容の、情報量、読み出し、機密性等の面からは、読み取りの切り出しシンボルを持つ、二次元IDコードが好ましく、特に、フォトマスクの生産過程で基板に設けられたIDについては、その情報が外部に出ることを防止することが必要な場合もあるため、後に、IDを消失したり、IDを実質的に破壊した状態にする。
二次元IDコードとして、QRコードが挙げられる。
ここで、通常のマトリックス式の二次元IDコードを説明しておく。
マトリックス式の二次元IDコードは、図5(b)に示すような、スキャナー420により、縦、横に走査して、IDコード410の情報を捉えるもので、読みとりのスキャナ420はCCDエリアセンサのタイプのものが多い。
読み取り時にIDコード410を縦、横の面でとらえて認識するが、各IDコードには、それぞれ得られた画像データから、データコード411(図5(a))の位置(角度)を認識をするためのしくみを持っているので、360°全方向からの読み取りが可能となっている。
通常、二次元コードは、図5(a)に示すようなデータコード411が一般的で、白黒(有無)の並びで情報(コード)を表現している。そして、L型ガイドセル415により、スキャナーにより取り込まれた画像データからコードの並びが認識される。
図5(a)に示すような、データコード411については、消失しなくても、書き込みパターンとネガポジ反転したパターンを上書きすることで読出不能とすることができるが、書き込みの位置決めに精度が要求される。
尚、IDコードが読み取れなくなるように、上書きしたり、機械的な破壊、あるいは化学的な消失を行うことを、ここではIDコードの破壊と言う。
また、QRコードを簡単に説明しておく。
図5(c)に示すQRコード430は、通常、情報をドット表現するデータコード部431と、スキャナーで読み取った画像からコード部を認識するための切り出し用シンボル435からなる。
切り出し用シンボル435は、スキャナーで読み取った画像データから、データコード部431の位置(角度)やデータコード部431の構造(ドットのサイズ、ピッチ等)を認識をするための情報をもつシンボルマークである。3個の切り出し用シンボル435を設けていることにより、スキャナーで読み取った画像データから、データコード部431の位置(角度)を認識し、例えば、切り出し用シンボル435の中心間距離により、データコード部431のドットのサイズを認識させ、切り出し用シンボル435の矩形の、外周と内周とのサイズ比により、データコード部431のドットのピッチを認識させている。
QRコード430はこのような構造であるため、切り出しシンボル435の構成セルを上書き等、破壊することによって、容易にID内容の読み出しを不可能にすることができる。
蒸着膜もしくは耐熱セラミックシートを用いたIDコードであれば、化学的に消失しなくとも、レーザ照射により容易にID内容の破壊が可能である。
エリアコード部150の材質としては、フォトマスク作製後まで、本例のブランクスのエリアコードを残すためには、フォトマスク製造に用いる現像液、エッチング液、洗浄液に対し、耐腐食性を有する材質から成ることが必要である。
特に、エリアコード部が、チタンを主成分とする材質から成る場合には、通常のフォトマスク作製のための各処理ではエリアコード部は消失しない。
また、金属遮光層120がクロムを主体とするエッチング加工用の金属層を有するもので、エリアコード部が、エッチング液である硝酸第2セリウムアンモン液に対し、耐腐食性を有する材質から成る場合には、エッチングにて消失せずエッチング後にエリアコード部は残る。
エリアコード部150の材質としては、フォトマスク作製後には、本例のブランクスのエリアコードを残さなためには、フォトマスク製造に用いる現像液、エッチング液、洗浄液に対し、耐腐食性を有さない材質から成ることが必要である。
例えば、エリアコード部が、現像液、エッチング液に対しては耐性があるが、洗浄液に含まれる硫酸に対し対腐食性を有さない材質から成る場合には、洗浄時にエリアコード部が消失する。
また、ブランクスがクロムを主体とするエッチング加工用の金属層を有するもので、エリアコード部が、エッチング液である硝酸第2セリウムアンモンに対し耐腐食性を有さない材質から成る場合には、エッチング時にエリアコード部が消失する。
本発明に関わるエリアコード付きフォトマスクの実施の形態の第2の例を図1(b)に基づいて説明する。
本例は、IC、LSI等の半導体回路形成用のフォトマスクを作製するための、レジストを配設したフォトマスク用ブランクスであって、第1の例と同様、光学式読み取りタイプのエリアコード(二次元IDコード)150が、そのガラス基板110の端面の設けられており、エリアコード150は、ガラス基板110の端面に形成された金属膜に、レーザーマーカー(図2の170に相当)によって加工形成され、所定の内容が書き込まれたものである。
簡単には、第1の例のブランクス金属遮光層上にレジスト130を配設したもので、レジスト130は、照射する電離放射線の照射領域が後工程の現像工程にて除去されるポジ型と、照射領域が重合することで耐現像性を持つネガ型に大別されるが、ポジ型、ネガ型にも、それぞれ多種ある。
本例の場合、エリアコード150内容として、例えば、ガラス基板110、金属遮光層120の材質、配設されたレジスト130の材質、フォトマスク作製における各処理条件等が書き込まれる。
第1の例、第2の例の変形例としては、エリアコードを裏面に設けたものも挙げられる。
また、金属遮光層以外の層をパターンニングする、ハーフトーン位相シフトマスク形成用の金属遮光層以外の層を配設した、あるいは、金属遮光層とそれ以外の層を配設したブランクスのガラス基板の端面や裏面にエリアコードを配設したブランクスも変形例として挙げられる。
また、LCD用の大型フォトマスクの端面や裏面にエリアコードを配設したブランクスも変形例として挙げられる。
第1の例、第2の例、上記変形例の、更なる変形例としては、ブランクスのガラス基板の端面や裏面にエリアコードを、別のガラス基材の一面に配設された金属膜を直接レーザーにて溶融転写して形成したものが挙げられる。
この場合は、金属膜が選択的に形成されたコードとなる。
溶融転写は、通常、別のガラス基材の一面に配設されたCr,Tiなどのピュアな金属膜を、コード形成部分と向かい合せるように近接ないし接触しておき、該別のガラス基材の金属膜が配設されていない側から形成部分側に、YVO4 レーザー(1016nm波長)等を用いたレーザーマーカーにて、レーザーを選択照射して、コード形成部分に溶融転写するものである。
尚、溶融転写に用いられるレーザーマーカーを、ここでは、転写式レーザーマーカーとも呼ぶ。
次に、本発明のエリアコード付きフォトマスクの1例を図2に基づいて説明する。
本例は、IC、LSI等の半導体回路形成用のフォトマスクであって、光学式読み取りタイプのエリアコード(二次元IDコード)がガラス基板の端面に設けられている。
そして、エリアコード150は、ガラス基板110の端面に転写形成された転写材に、レーザーマーカー(図2の170に相当)によって加工形成され、所定の内容が書き込まれたものである。
本例のフォトマスクは、通常の、パターンニングされた遮光層像の形状をウエハ等に投影露光するためのフォトマスクである。
ガラス基板110の材質、金属遮光層120の材質としては、図1に示すブランクスと同様のものが適用される。
エリアコード150は、エリアコードをフォトマスク作製の段階で付与したものか、フォトマスク作製後の付与したものかで、その材質の制限が異なる。
ブランクスの段階で付与したエリアコードをフォトマスク作製後そのまま残した場合には、エリアコード部は、フォトマスク製造に用いる現像液、エッチング液、洗浄液に対し、耐腐食性を有する材質から成る。
また、フォトマスク作製後、新たにエリアコード部を付与したものであれば、必ずしも、フォトマスク製造に用いる現像液、エッチング液、洗浄液に対し、耐腐食性を有する材質から成る必要はない。
エリアコード150内容として、例えば、ガラス基板110、金属遮光層120の材質、レジスト材質、フォトマスク作製における各処理条件、及び/またはフォトマスク作製後に必要な情報等が書き込まれる。
図2に示すように、レーザマーカ170による加工よるエリアコード150の書き込みは、ガラス基板110の端面に転写形成された転写材に、制御されたレーザ光175を照射して、加工して、書き込むものである。
書き込み用のレーザとしては、YAGレーザー、YVO4 レーザー,CO2 レーザー等が用いられる。
次に、エリアコード付きフォトマスク用ブランクスの形成およびエリアコード付きフォトマスク形成工程の1例を、図3に基づいて簡単に説明する。
尚、これを以って、本発明のフォトマスクを製造する、フォトマスク製造方法の実施の形態の第1の例とする。
本例では、エリアコード部は、フォトマスク製造に用いる現像液、エッチング液、洗浄液に対し、耐腐食性を有する材質から成る。
先ず、フォトマスク用ブランクスの形成用のガラス基板110(図3(a))を用意し、この端面にエリアコード形成用の転写材を配設し、レーザマーカ(図2の170)にて、これに所定の情報を書き込みエリアコード150を形成する。(図3(b))
書き込まれる情報としては、例えば、ガラス基板材質、金属遮光層材質、レジスト材質、各処理条件等である。
次いで、エリアコード150の情報に基づいて、所定の所定の条件でガラス基板110の一面に、スパッタ等により金属遮光層120を形成する。(図3(c))
次いで、エリアコード150の情報に基づいて、所定のレジストを所定の条件で塗布、乾燥処理して形成する。(図3(d))
次いで、エリアコード150の情報に基づいて、所定の条件で描画(電離放射線照射)(図3(e))、現像、ベーキング等の処理を行い、所定形状にレジストを形成する。(図3(f))
次いで、エリアコード150の情報に基づいて、レジストの開口から露出した金属遮光層120をエッチング除去し(図3(g))、さらにレジストを除去し、洗浄処理等を施してフォトマスクを形成する。(図3(h))
このように、各処理の処理条件等をエリアコードにより指示して、フォトマスクの作製を行なうことができる。
本例の場合は、ブランクスの段階のエリアコードがそのままフォトマスクに残る。
次に、エリアコード付きフォトマスク用ブランクスの形成およびエリアコード付きフォトマスク形成工程の別の1例を、図4に基づいて簡単に説明する。
尚、これを以って、本発明のフォトマスクを製造する、フォトマスク製造方法の実施の形態の第2の例とする。
本例では、エリアコード部は、フォトマスク製造に用いる現像液に対腐食性を有し、エッチング液に対し耐腐食性を有さない材質から成る。
先ず、フォトマスク用ブランクスの形成用のガラス基板110(図4(a))を用意し、この一面に、スパッタ等により金属遮光層120を形成する。(図4(b))
次いで、ガラス基板110の端面にエリアコード形成用の転写材を配設し、レーザマーカ(図2の170)にて、これに所定の情報を書き込みエリアコード150を形成する。(図4(c))
書き込まれる情報としては、例えば、ガラス基板材質、金属遮光層材質、レジスト材質、描画処理条件、現像処理条件、エッチング処理条件等である。
次いで、エリアコード150の情報に基づいて、所定のレジストを所定の条件で塗布、乾燥処理して形成する。(図4(d))
次いで、エリアコード150の情報に基づいて、所定の条件で描画(電離放射線照射)(図4(e))、現像、ベーキング等の処理を行い、所定形状にレジストを形成する。(図4(f))
次いで、エリアコード150の情報に基づいて、レジストの開口から露出した金属遮光層120をエッチング除去し(図4(g))、さらにレジストを除去し、洗浄処理等を施してフォトマスクを形成する。(図4(h))
このように、各処理の処理条件等をエリアコードにより指示して、フォトマスクの作製を行なうことができるが、本例の場合は、ブランクスの段階のエリアコードは、エッチング処理で消失してしまい、フォトマスクには残らない。
本発明のフォトマスクを製造する、フォトマスク製造方法の実施の形態の別の形態例としては、第1の例において、エリアコードの付与を、レジストを配設したブランクスの段階、あるいは、描画後の段階、現像後の段階、エッチング後の段階で行なうものも挙げられる。
あるいは、第2の例のように、エリアコードを処理において消失する形態で、現像液により消失、あるいは洗浄液により消失する形態例も挙げられる。
更に、エリアコードの付与を付与する段階と、エリアコードを処理において消失する段階を適宜、組み合せた形態も挙げられる。
尚。これらの場合について、処理とエリアコード消失段階に対応した、エリアコード材質を選ぶ。

100 (レジストを配設してない)エリアコード付きブランクス
105 (レジストを配設した)エリアコード付きブランクス
108 エリアコード付きフォトマスク
108A パターン部
110 ガラス基板(透明基板とも言う)
120 金属層遮光層
130 レジスト
150 エリアコード
160 電離放射線(電子線等)
170 レーザマーカ
175 レーザ
410 (二次元)IDコード
411 データコード
415 L字ガイドセル
425 走査線
430 QRコード
431 データコード
435 切り出しシンボル
710 作業指示書

Claims (8)

  1. C、LSI等の半導体回路形成用のフォトマスクであって、光学式読み取りタイプのエリアコードが、フォトマスクのガラス基板の端面ないし裏面に、金属膜を転写式レーザーマーカーによって転写形成することで設けられていることを特徴とするエリアコード付きフォトマスク。
  2. C、LSI等の半導体回路形成用のフォトマスクであって、光学式読み取りタイプのエリアコードが、フォトマスクのガラス基板の端面ないし裏面に形成された金属膜に、レーザーマーカーによって加工形成されることで設けられていることを特徴とするエリアコード付きフォトマスク。
  3. 請求項1ないし2のいずれか1項に記載のエリアコード付きフォトマスクであって、エリアコード部が、フォトマスク製造に用いる現像液、エッチング液、洗浄液に対し、耐腐食性を有する材質から成ることを特徴とするエリアコード付きフォトマスク。
  4. 請求項3に記載のエリアコード付きフォトマスクであって、フォトマスクが、エッチング形成されたクロムを主体とするパタンを有するもので、エリアコード部が、硝酸第2セリウムアンモンに対し、耐腐食性を有する材質から成ることを特徴とするエリアコード付きフォトマスク。
  5. 請求項3ないし4のいずれか1項に記載のエリアコード付きフォトマスクであって、エリアコード部が、チタンを主成分とする材質から成ることを特徴とするエリアコード付きフォトマスク。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載のエリアコード付きフォトマスクであって、エリアコードは、読み取りの切り出しシンボルを持つものであることを特徴とするエリアコード付きフォトマスク。
  7. 請求項3に記載のエリアコード付きフォトマスクであって、
    エリアコードがQRコードであることを特徴とするエリアコード付きフォトマスク。
  8. C、LSI等の半導体回路形成用のフォトマスクを作製する、フォトマスク製造方法であって、フォトマスク用ブランクス、あるいは、フォトマスク用ブランクスからフォトマスクに至る中間形態物の、ガラス基板の端面ないし裏面に、光学式読み取りタイプのエリアコードを設け、該エリアコードを生産工程管理用あるいは品質管理用の情報とし用い、前記エリアコードは、フォトマスクの生産工程中に消失することを特徴とするフォトマスクの製造方法。
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