JP2010077835A - 遠心圧縮機 - Google Patents

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Yasushi Tatebayashi
康 舘林
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Abstract

【課題】空気の旋回成分を好適に除去することができる遠心圧縮機を提供する。
【解決手段】遠心圧縮機1は、径方向外側に空気を送るインペラ2と、インペラ2の外周側に配置されたラジアルディフューザ5と、ラジアルディフューザ5の外周側に配置されたアキシャルディフューザ8とを備えている。アキシャルディフューザ8は、周方向に沿って設けられ、インペラ2からラジアルディフューザ5を介して送られた空気が通る空気流路9を形成する第1ベーン及び第2ベーンを有している。第2ベーンは、第1ベーンよりも高さが低くなっている。これにより、アキシャルディフューザ8は、径方向外側のベーン密度に比して同径方向内側のベーン密度が高くなっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、インペラ、ラジアルディフューザ、及びアキシャルディフューザを備えた遠心圧縮機に関する。
従来の遠心圧縮機としては、例えば特許文献1に記載されているものが知られている。特許文献1に記載の遠心圧縮機は、インペラの圧縮通路に対して下流側に径方向直線通路、曲がり通路及び軸方向直線通路を形成し、径方向直線通路にラジアルディフューザを設け、軸方向直線通路にアキシャルディフューザを設けたものであり、アキシャルディフューザには、複数のベーンが周方向に配設されている。
特開2007−224866号公報
ところで、インペラから径方向に送られた空気は、ラジアルディフューザを通過した後に、略直角に湾曲したベンド部によって軸方向に流れが変化させられる。このとき、アキシャルディフューザのハブ側とシュラウド側とでは、ベーンに流入する空気の旋回成分が異なる。これに対して、上記従来技術においては、アキシャルディフューザのベーンが一様に配設されているため、空気の旋回成分の除去結果に差異が生じ得る。その結果、アキシャルディフューザによる圧力エネルギーの変換効率を低下させてしまうおそれがある。
そこで、本発明の目的は、空気の旋回成分を好適に除去することができる遠心圧縮機を提供することである。
本発明は、径方向外側に空気を送るインペラと、インペラの外周側に配置されたラジアルディフューザと、ラジアルディフューザの外周側に配置されたアキシャルディフューザとを備えた遠心圧縮機において、アキシャルディフューザは、周方向に沿って設けられ、インペラからラジアルディフューザを介して送られた空気が通る空気流路を形成する複数のベーンを有し、複数のベーンは、径方向外側のベーン密度に比して径方向内側のベーン密度が高くなるように構成されていることを特徴とする。
本発明に係わる遠心圧縮機においては、アキシャルディフューザの周方向に沿って設けられた複数のベーンは、アキシャルディフューザの径方向外側のベーン密度に比して同径方向内側のベーン密度が高くなっている。このため、ベーンに流入する空気がラジアルディフューザとアキシャルディフューザとの間の部位(ベンド部)を通過することにより、アキシャルディフューザの径方向外側の旋回成分に比して径方向内側の旋回成分が多くなっていても、アキシャルディフューザの径方向外側及び径方向内側の双方で空気の旋回成分を効率よく圧力に変換することができる。これにより、空気の旋回成分を好適に除去することができる。
また、好ましくは、複数のベーンは、第1ベーンと、第1ベーンよりも高さの低い第2ベーンとを有する。この場合には、アキシャルディフューザの径方向外側のベーン密度に比して同径方向内側のベーン密度を確実に高くすることができる。
本発明の遠心圧縮機によれば、空気の旋回成分を好適に除去することができる。これにより、遠心圧縮機の性能を向上させることができる。
以下に、本発明に係わる遠心圧縮機の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係わる遠心圧縮機の一実施形態の要部を示す概略断面図である。同図において、本実施形態の遠心圧縮機1は、高速の空気の流れを作るインペラ2を備えている。インペラ2は、回転軸に一体に固定されたハブ3を有し、このハブ3には複数の羽根4が周方向に等間隔に設けられている。インペラ2は、高速回転しながら、空気を径方向中心側から吸い込んで径方向外側に送り出す。
インペラ2の外周側には、インペラ2で作られた高速空気を減速することで、高速空気の速度エネルギーを圧力に変換するラジアルディフューザ5が配置されている。ラジアルディフューザ5は、インペラ2から送り出された空気を径方向外側に向けて流すための空気流路6を形成する複数のラジアルベーン7を有している。
ラジアルディフューザ5の外周側には、空気流路6を通過した空気の流れ方向を軸方向に戻すと共に、ラジアルディフューザ5では除去しきれない空気の旋回成分を除去するアキシャルディフューザ(ディスワラーとも言う)8が配置されている。アキシャルディフューザ8は、空気流路6と連通された空気流路9を形成する複数のアキシャルベーン(案内翼)10を有している。空気流路6と空気流路9との間には、略直角に湾曲したベンド部11が設けられている。これらのインペラ2、ラジアルディフューザ5及びアキシャルディフューザ8は、図示しないケーシング内に収容されている。
図2は、図1におけるII−II線断面図である。同図に示すように、アキシャルディフューザ8は、上記複数のアキシャルベーン10を構成する第1ベーン10a及び第2ベーン10bが交互に周方向に沿って等間隔に設けられている。第2ベーン10bの高さは、第1ベーン10aの半分程度になっている。これにより、アキシャルディフューザ8は、径方向外側(ケーシングのシュラウド側)のベーン密度に比べて、径方向内側(ハブ3側)のベーン密度が高くなっている。
図3は、アキシャルディフューザ8により空気の旋回成分を除去する様子を示す概念図である。同図において、Aで囲った部分はアキシャルディフューザ8の流入側の空気の流れを示し、Bで囲った部分はアキシャルディフューザ8の吐出側の空気の流れを示している。アキシャルディフューザ8に流入する空気は、矢印aの流れ方向に対して軸方向成分a1、及び旋回成分a2を有している。この空気がアキシャルベーン10を通過すると、流れ方向が矢印bとなる。このアキシャルベーン10を通過した空気は、軸方向成分b1、旋回成分b2(a2>b2)を有している。このように、アキシャルディフューザ8を通過することにより、空気の旋回成分が除去される。
このような遠心圧縮機1において、インペラ2が高速回転すると、インペラ2に空気が吸い込まれ、その空気がラジアルディフューザ5の空気流路6及びアキシャルディフューザ8の空気流路9を通ってアキシャルディフューザ8の出口部から吐出される。吐出された空気は、例えばガスタービンエンジンの燃焼器へと流れ込む。
このとき、アキシャルディフューザ8に流入する空気は、空気流路9に入る前にベンド部11を通過することによって、アキシャルディフューザ8の径方向外側と同径方向内側とで旋回成分(旋回速度)が異なっている。
そのため、例えば図4に示すように、径方向内側から径方向外側まで同形状のベーン12が周方向に等間隔で設けてある従来のアキシャルディフューザ13を用いた場合には、径方向内側と径方向外側とで流入する空気の旋回成分の違いを考慮せずに旋回成分を除去にすることになる。これにより、以下のような不具合が生じる。
図5は、従来のアキシャルディフューザ13内部の空気の流れを示す図である。図5(a)は、径方向外側(シュラウド側)における空気の流れの一例を示す図であり、図5(b)は、径方向内側(ハブ側)における空気の流れの一例を示す図である。図5(a),(b)に示すように、従来のアキシャルディフューザ13を用いた場合には、径方向外側では入り口付近での旋回成分が小さいのに対し、径方向内側では入口付近の旋回成分が大きくなっている。このため、アキシャルディフューザ8から吐出される空気の旋回成分の除去結果に差異が生じ、アキシャルディフューザ8による圧力エネルギーの変換効率(ディスワラー性能)を低下させてしまう。
これに対し本実施形態では、アキシャルディフューザ8の周方向に沿って第1ベーン10aと第1ベーン10aよりも高さの低い第2ベーン10bとが等間隔で設けられることにより、径方向外側(シュラウド側)のベーン密度に比して径方向内側(ハブ側)のベーン密度が高くなっている。つまり、翼列のソリディティ(翼列の粗密さ)が径方向外側と径方向内側とで異なる。このため、空気がベンド部11を通過することによってアキシャルディフューザ8の径方向外側の旋回成分に比して径方向内側の旋回成分が多くなり、一様ではない旋回成分でアキシャルディフューザ8に流入した場合であっても、径方向内側の第2ベーン10bにより旋回成分をより多く取り除くようになる。これにより、アキシャルディフューザ8の径方向外側及び同径方向内側の双方で空気の旋回成分を一様に取り除くことができ、空気の旋回成分を効率よく圧力に回復させることが出来ると共に、旋回成分による例えば燃焼器等への悪影響を低減させることができる。その結果、ディスワラー性能を向上させることができる。
ここで、径方向外側の旋回成分に比して径方向内側の旋回成分が大きい場合における空気の旋回成分を一様に除去するアキシャルディフューザの構成として、3次元翼(ベーン)列を用いたアキシャルディフューザを用いることができる。しかしながら、3次元翼列を用いたアキシャルディフューザは、製作が困難であると共に、加工コストが高い。これに対し、上述の構成を有する本実施形態のアキシャルディフューザ8は、3次元翼列と同様の性能を有しつつ、2次元翼列であるので製作が容易であると共に、加工コストも安くすることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、第2ベーン10bが第1ベーン10aの間に等間隔に設けられているが、径方向内側のベーン密度が径方向外側のベーン密度よりも高くなる構成でれば、アキシャルディフューザ8に流入する空気の旋回成分に応じて、第2ベーン10bの配置を変えてもよい。
本発明に係わる遠心圧縮機の一実施形態の要部を示す概略断面図である。 図2におけるII−II線断面図である。 アキシャルディフィーザにより空気の旋回成分を除去する様子を示す概念図である。 従来のアキシャルディフューザを示す断面図である。 従来のアキシャルディフューザ内部の空気の流れを示す図である。
符号の説明
1…遠心圧縮機、2…インペラ、5…ラジアルディフューザ、8…アキシャルディフューザ、9…空気流路、10…アキシャルベーン、10a…第1ベーン、10b…第2ベーン。

Claims (2)

  1. 径方向外側に空気を送るインペラと、前記インペラの外周側に配置されたラジアルディフューザと、前記ラジアルディフューザの外周側に配置されたアキシャルディフューザとを備えた遠心圧縮機において、
    前記アキシャルディフューザは、周方向に沿って設けられ、前記インペラから前記ラジアルディフューザを介して送られた空気が通る空気流路を形成する複数のベーンを有し、
    前記複数のベーンは、径方向外側のベーン密度に比して径方向内側のベーン密度が高くなるように構成されていることを特徴とする遠心圧縮機。
  2. 前記複数のベーンは、第1ベーンと、前記第1ベーンよりも高さの低い第2ベーンとを有することを特徴とする請求項1に記載の遠心圧縮機。
JP2008244650A 2008-09-24 2008-09-24 遠心圧縮機 Pending JP2010077835A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103742450A (zh) * 2013-12-22 2014-04-23 中国科学院工程热物理研究所 一种具有马蹄形扩压通道的叶片式扩压器

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