JP2010077366A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【構成】直鎖状ポリカーボネート樹脂(A)10〜90重量%および分岐状ポリカーボネート樹脂(B)90〜10重量%からなる樹脂成分100重量部、主鎖が分岐構造でかつ含有する有機官能基が芳香族基からなるか、または芳香族基と炭化水素基(芳香族基を除く)とからなるシリコーン化合物(C)0.01〜5重量部および有機金属塩(D)0.01〜1重量部からなることを特徴とする難燃性樹脂組成物、およびそれからなる成形品。
【効果】本発明の難燃性樹脂組成物は、衝撃強度、耐熱性、熱安定性等性能に優れ、高い難燃性を有し、かつ物性低下、外観不良の少ない成形品を得ることができるため、その工業的利用価値は極めて高い。
【選択図】なし

Description

本発明は、難燃性樹脂組成物およびそれから成形されてなる成形品に関する。更に詳しくは、耐衝撃性、耐熱性、熱安定性に優れ、塩素または臭素系難燃剤を使用せず難燃性を改善した直鎖状および分岐状ポリカーボネート樹脂からなる樹脂組成物およびその成形品を提供するものである。
ポリカーボネート樹脂は、耐衝撃性、耐熱性、熱安定性等に優れた熱可塑性樹脂であり、電気、電子、ITE、機械、自動車などの分野で広く用いられている。ポリカーボネート樹脂は、自己消火性を備えた難燃性の高いプラスチック材料ではあるが、前述の各分野では、難燃化の要望が強く、さらに安全上の要求を満たすため、アンダーライターズ・ラボラトリーズが定めているUL94試験(機器の部品用プラスチック材料の燃焼性試験)に準拠した難燃性の評価において、UL94V−0やV−1相当の一層高い難燃性が求められている。
ポリカーボネート樹脂に難燃性を付与させる手法として、従来、難燃剤として塩素や臭素系化合物、あるいはリン系化合物を配合する方法が採用されている。しかし、塩素や臭素系難燃剤は、優れた難燃効果を示すものの、射出成形時に成形機スクリューや製品金型を腐食させる等の問題があった。また、リン系難燃剤は縮合リン酸エステル系難燃剤を中心に使用されているが、耐熱性あるいは衝撃強度の極端な低下が発生するという問題があった。これら著しい物性低下や環境面への配慮から、臭素や塩素等のハロゲン系化合物およびリン系化合物を含有しない難燃剤の使用が望まれている。
上記難燃剤を使用せず難燃化する方法として、ポリカーボネート樹脂に芳香族スルホン酸金属塩を添加する方法(特許文献1)やパーフルオロアルカンスルホン酸カリウムを添加する方法(特許文献2)および分岐状ポリカーボネート樹脂に有機アルカリ金属塩を添加する方法(特許文献3)などの提案がされてきた。これらの手法を用いることにより、UL94試験に準拠した難燃性の評価において、燃焼時間の減少効果および燃焼時における樹脂の滴下(ドリッピング)抑制効果はある程度認められるものの、製品安全上の規格を満たすには十分ではなく、より一層優れた難燃性を有する材料の開発が求められている。
一方、分岐状ポリカーボネート樹脂に重量平均分子量が400〜1500のポリオルガノシロキサンと有機スルホン酸金属塩をブレンドした樹脂組成物(特許文献4)が開示されている。しかしながら、当該分子量範囲のシロキサンを用いるとシロキサン自体の耐熱性が低下して難燃性の効果が低下し、さらに溶融粘度が低すぎて、成形加工時にポリカーボネート樹脂の成形体表面にシロキサン化合物がブリードアウトして成形体表面の外観を損ねるなど成形性を低下させる場合があるため、難燃性のみならず優れた成形性を有する材料の開発が望まれていた。
さらに、燃焼時のドリッピングを抑制する方法として、ポリカーボネート樹脂にフッ素化ポリオレフィンを添加した樹脂組成物(特許文献5)が開示されている。このような組成物においては、燃焼時のドリッピングが抑制され難燃性は向上するものの、射出成形時にフッ素化ポリオレフィンが樹脂の流動方向に配向したり、フッ素化ポリオレフィンの凝集物が製品表面の外観不良を引き起こし、製品としての価値が著しく低下するという問題があり、従来からその改善が望まれてきた。
特開昭50−98546号公報 特公昭47−40445号公報 特開平7−258532号公報 特開2001−26704号公報 特公昭60−38418号公報
本発明は、上記難燃性、物性低下、外観不良、成形性等の問題を改善し、かつ臭素や塩素等のハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤あるいはフッ素化ポリオレフィンを使用することなく、高い難燃性をも具備しうる樹脂組成物およびそれからなる成形品を提供することを目的とする。
本発明者らは、かかる課題に鑑み鋭意研究を行った結果、直鎖状ポリカーボネート樹脂に分岐状ポリカーボネート樹脂を特定の範囲の配合量で含有させ、さらに特定のシリコーン化合物および有機金属塩を配合することにより、射出成形における不良現象や樹脂の物性低下を抑制し、高い難燃性をも併せ持つ難燃性樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、直鎖状ポリカーボネート樹脂(A)10〜90重量%および分岐状ポリカーボネート樹脂(B)90〜10重量%からなる樹脂成分100重量部、主鎖が分岐構造でかつ含有する有機官能基が芳香族基からなるか、または芳香族基と炭化水素基(芳香族基を除く)とからなるシリコーン化合物(C)0.01〜5重量部および有機金属塩(D)0.01〜1重量部からなることを特徴とする難燃性樹脂組成物ならびにそれからなる成形品を提供するものである。
本発明の難燃性樹脂組成物は、衝撃強度、耐熱性、熱安定性等性能に優れ、高い難燃性を有し、成形性に優れ、かつ外観不良の少ない成形品を得ることができるため、その工業的利用価値は極めて高い。
本発明にて使用される直鎖状ポリカーボネート樹脂(A)とは、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、またはジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体であり、代表的なものとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)から製造された直鎖状ポリカーボネート樹脂が挙げられる。
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。しかしながら、ハロゲンで置換されていないジヒドロキシジアリール化合物を使用することが環境面から好ましい。
これらは単独または2種類以上混合して使用されるが、これらの他に、ピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル等を混合して使用してもよい。
直鎖状ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量は、特に制限はないが、成形加工性、強度の面より通常10000〜100000、より好ましくは15000〜40000、さらに好ましくは17000〜28000の範囲である。また、かかるポリカーボネート樹脂を製造するに際し、分子量調整剤、触媒等を必要に応じて使用することができる。
本発明にて使用される分岐状ポリカーボネート樹脂(B)とは、ジヒドロキシジアリール化合物、分岐剤およびホスゲンとを反応させるホスゲン法、またはジヒドロキシジアリール化合物、分岐剤およびジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体であり、代表的なものとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、分岐剤およびホスゲンから製造された分岐状ポリカーボネート樹脂が挙げられる。
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オク
タン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロ
キシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒド
ロキシアリール)シクロアルカン類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−
3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。
これらは単独または2種類以上混合して使用されるが、これらの他に、ピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル等を混合
して使用してもよい。
分岐剤として使用される3価以上のフェノールとしては、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ
−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾール、1,1,1−トリス−(4−ヒドロキシフェニル)−エタンおよび2,2−ビス−〔4,4−(4,4’−ジヒドロキシジフェニル)−シクロヘキシル〕−プロパンなどが挙げられる。
これら分岐剤の含有量には特に制限はないが、成形加工性の面より、分岐状ポリカーボネート樹脂あたり0.01〜5.0重量%であることが好ましい。
分岐状ポリカーボネート樹脂(B)の分子量には特に制限はないが、成形加工性の面より、メルトフローレイト(MFR)(300℃、1.2Kg荷重)が1.0〜20.0g/10分であることが好ましい。
分岐状ポリカーボネート樹脂(B)は、従来公知の方法により製造することができる。たとえば、特開昭56−55328、特開昭58−23825、特開昭59−45318、特開昭59−133223、特開昭59−134742、特開昭62−10071、特開昭62−15223などに記載の方法が挙げられる。
本発明にて使用されるシリコーン化合物(C)は、主鎖が分岐構造でかつ有機官能基が芳香族基からなるか、または芳香族基と炭化水素基(芳香族基を除く)とからなり、下記一般式(1)にて示される。
一般式(1)
Figure 2010077366
ここで、R1、R2およびR3は主鎖の有機官能基を、Xは末端の官能基を表わす。
すなわち、分岐単位としてT単位(RSiO1.5)および/またはQ単位(SiO2.0)を持つことを特徴とする。これらは全体のシロキサン単位(R3〜0SiO2〜0.5)の20モル%以上含有することが好ましい。(Rは有機官能基をあらわす。)また、シリコーン化合物(C)は、含有される有機官能基のうち芳香族基が20モル%以上であることが好ましい。
この含有される芳香族基としては、フェニル、ビフェニル、ナフタレンまたはこれらの誘導体であるが、フェニル基が好適に使用できる。
シリコーン化合物(C)中の有機官能基で、主鎖や分岐した側鎖に付いたもののうち芳香族基以外の有機基としては、炭素数4以下の炭化水素基が好ましく、メチル基が好適に使用できる。さらに、末端基はメチル基、フェニル基、水酸基の内から選ばれた1種またはこれらの2種から3種までの混合物であることが好ましい。
シリコーン化合物(C)の平均分子量(重量平均)は、好ましくは3000〜500000であり、更に好ましくは5000〜270000である。3000未満であるとシリコーン自体の耐熱性が低下して十分な難燃性効果が得られず、さらに溶融粘度が低すぎて成形体表面にシリコーン化合物がブリードアウトして外観を損ねる場合があり、一方、500000を超えると溶融粘度が増加してポリカーボネート樹脂中の均一な分散ができず、難燃性および成形性が低下するため好ましくない。さらに好ましくは10000〜270000である。この範囲では溶融粘度が最適となるため、一層良好な難燃性と成形性を達成することができる。
シリコーン化合物(C)の配合量は、直鎖状ポリカーボネート樹脂(A)10〜90重量%および分岐状ポリカーボネート樹脂(B)90〜10重量%からなる樹脂成分100重量部あたり、0.01〜5重量部である。配合量がこの範囲外であると何れも充分な難燃効果が得られないので好ましくない。より好ましくは0.03〜2重量部の範囲である。
本発明にて使用される有機金属塩(D)としては、芳香族スルホン酸の金属塩、パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩、パーフルオロアルカンスルホン酸イミドの金属塩等があげられる。金属の種類としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属等が挙げられる。好適には、4−メチル−N−(4−メチルフェニル)スルフォニル−ベンゼンスルフォンアミドのカリウム塩、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム、ジフェニルスルホン−3−3´−ジスルホン酸カリウム、パラトルエンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩、パーフルオロブタンジスルホン酸ナトリウム、パーフルオロプロパンジスルホンイミドカリウム塩、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミドカリウム等が使用できる。
有機金属塩(D)の配合量は、直鎖状ポリカーボネート樹脂(A)10〜90重量%および分岐状ポリカーボネート樹脂(B)90〜10重量%からなる樹脂成分100重量部に対して、0.01〜1重量部である。0.01重量部未満では難燃性が低下するので好ましくない。また、1重量部を超えると、熱安定性に劣り、射出成形時にシルバーストリークといった外観不良が発生するので好ましくない。好ましくは0.02〜0.5重量部、より好ましくは0.04〜0.2重量部である。
本発明の各種配合成分(A)、(B)、(C)、(D)の配合方法および溶融混練方法には特に制限はなく、任意の混合機、例えばタンブラー、リボンブレンダー、高速ミキサー等によりこれらを混合し、通常の一軸または二軸押出機等で溶融混練することができる。また、これら配合成分の配合順序や一括混合、分割混合を採用することについても特に制限はない。
また、混合時、必要に応じて他の公知の添加剤、例えば離型剤、紫外線吸収剤、充填剤、帯電防止剤、酸化防止剤、リン系熱安定剤、染顔料、展着剤(エポキシ化大豆油、流動パラフィン等)等を配合することができる。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら制限されるものではない。なお、部や%は特に断りのない限り重量基準に基づく。
使用した配合成分の詳細は、以下のとおりである。
直鎖状ポリカーボネート樹脂:
住友ダウ社製 カリバー200−20(粘度平均分子量:19000)
(以下、PC−1と略記)
分岐状ポリカーボネート樹脂:
ダウ・ケミカル社製 カリバー600−3(粘度平均分子量:24000)
(以下、PC−2と略記)
シリコーン化合物:(以下「シリコーン」と略記)
シリコーンは、一般的な製造方法に従って製造した。すなわち、適量のジオルガノジクロロシラン、モノオルガノトリクロロシランおよびテトラクロロシラン、あるいはそれらの部分加水分解縮合物を有機溶剤中に溶解し、水を添加して加水分解して、部分的に縮合したシリコーン化合物を形成し、さらにトリオルガノクロロシランを添加して反応させることによって重合を終了させ、その後、溶媒を蒸留等で分離した。上記方法で合成したシリコーンの構造特性は、以下のとおり:
・主鎖構造のD/T/Q単位の比率:40/60/0(モル比)
・全有機官能基中のフェニル基の比率(*):60モル%
・末端基:メチル基のみ
・重量平均分子量(**):15000
*:フェニル基は、T単位を含むシリコーン中ではT単位にまず含まれ、残った場合がD単位に含まれる。D単位にフェニル基が付く場合、1個付くものが優先し、さらにフェニル基が残余する場合に2個付く。末端基を除き、有機官能基は、フェニル基以外は全てメチル基である。
**:重量平均分子量は、有効数字2桁。
有機金属塩:
パーフルオロブタンスルホン酸カリウム(以下D−1と略記)
ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム(以下D−2と略記)
パラトルエンスルホン酸ナトリウム(以下D−3と略記)
(成形品の外観評価)
表2〜表4に示す配合成分および配合比率に基づき得られた各種樹脂組成物のペレットを125℃で4時間乾燥した後に、射出成形機(日本製鋼所製J−100SAII)を用いて設定温度320℃にて外観評価用試験片(150x90x3.0mm)を作成した。成形品外観を目視にて観察し、以下の基準に基づき外観の判定を行い、○を合格とした。結果を表2〜表4に示す。
外観良好(○):成形品にシルバーストリークや焼けが発生せず、一様な外観が得られ
る。
外観不良(×):成形品にシルバーストリークや焼けが発生し、製品全体が黄変する。
(成形性の評価)
得られた各種樹脂組成物のペレットを125℃で4時間乾燥した後に、射出成形機(日本製鋼所製J−100SAII)を用いて設定温度280℃、射出圧力1600kg/cmにて難燃性評価用試験片(125x13x1.6mm)を作成した。得られた試験片を目視にて観察し、以下の基準の基づき成形性の判定を行い、○および△を合格とした。結果を表2〜表4に示す。
良好(○) :製品末端まで完全に樹脂が充填される。
やや悪い(△):製品末端にヒケが見られる。
悪い(×) :製品末端まで樹脂が充填されない。
(難燃性評価)
得られた各種樹脂組成物のペレットを125℃で4時間乾燥した後に、射出成形機(日本製鋼所製J−100SAII)を用いて設定温度280℃にて難燃性評価用試験片(125x13x1.6mmおよび125x13x1.2mm)を作成した。得られた試験片を用いて温度23℃、湿度50%の恒温室の中で72時間放置し、アンダーライターズ・ラボラトリーズが定めているUL94試験(機器の部品用プラスチック材料の燃焼性試験)に準拠した難燃性の評価を行い、V−0またはV−1を合格とした。結果を表2〜表4に示す。なお、UL94の難燃性クラスは表1のとおり。
Figure 2010077366
残炎時間とは、着火源を遠ざけた後の試験片が、有炎燃焼を続ける時間の長さであり、ドリップによる綿の着火とは、試験片の下端から約300mm下にある標識用の綿が、試験片からの滴下(ドリップ)物によって着火されるかどうかによって決定される。
Figure 2010077366
Figure 2010077366
Figure 2010077366
樹脂組成物が本発明の構成要件を満足する場合(実施例1〜13)にあっては、全ての評価項目にわたり良好な結果を示した。
一方、樹脂組成物が本発明の構成要件を満足しない場合においては、いずれの場合も何らかの欠点を有していた。
比較例1は、分岐状ポリカーボネート樹脂の配合比率が本発明の定める範囲よりも少ない場合であり、難燃性に劣っていた。
比較例2は、分岐状ポリカーボネート樹脂の配合比率が本発明の定める範囲よりも多い場合であり、成形品外観および成形性に劣っていた。
比較例3は、シリコーン化合物の配合量が本発明の範囲よりも少ない場合であり、難燃性に劣っていた。
比較例4は、シリコーン化合物の配合量が本発明の範囲よりも多い場合であり、難燃性および成形品外観に劣っていた。
比較例5は、有機金属塩の配合比率が本発明の定める範囲よりも少ない場合であり、難燃性に劣っていた。
比較例6は、有機金属塩の配合比率が本発明の定める範囲よりも多い場合であり、成形品外観に劣っていた。

Claims (5)

  1. 直鎖状ポリカーボネート樹脂(A)10〜90重量%および分岐状ポリカーボネート樹脂(B)90〜10重量%からなる樹脂成分100重量部、主鎖が分岐構造でかつ含有する有機官能基が芳香族基からなるか、または芳香族基と炭化水素基(芳香族基を除く)とからなるシリコーン化合物(C)0.01〜5重量部および有機金属塩(D)0.01〜1重量部からなることを特徴とする難燃性樹脂組成物。
  2. 前記分岐状ポリカーボネート樹脂(B)の配合量が、20〜80重量%であることを特徴とする請求項1に記載の難燃性樹脂組成物。
  3. 前記有機金属塩(D)が、芳香族スルホン酸の金属塩、パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩およびパーフルオロアルカンスルホン酸イミドから選択される1種もしくはそれ以上の化合物であることを特徴とする請求項1に記載の難燃性樹脂組成物。
  4. 前記有機金属塩(D)が、アルカリ金属塩であることを特徴とする請求項3に記載の難燃性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の難燃性樹脂組成物から成形されてなる成形品。
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