JP2010077353A - エポキシ樹脂用硬化剤およびそれを含むエポキシ樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のものよりもさらに高速硬化性および低温硬化性に優れ、加えて硬化時の発泡性が低いチオール系硬化剤の提供。
【解決手段】シロキサン結合を有し、さらに水酸基およびメルカプト基を有する化合物Xを含むエポキシ樹脂用硬化剤。
【選択図】なし

Description

本発明はエポキシ樹脂用硬化剤およびそれを含むエポキシ樹脂組成物に関する。
エポキシ樹脂には高速硬化性や低温硬化性が求められる場合がある。例えば土木、建築分野における補修工事用接着剤として用いられるエポキシ樹脂は、工期の短縮化を図るため、また寒冷条件でも使用できる必要があるため、上記のような性能が求められる。
高速硬化性および低温硬化性を付与するエポキシ樹脂用硬化剤として、例えば特許文献1には特定のメルカプト系硬化剤について記載されている。
特許文献1には、水酸基およびメルカプト基を有する特定構造のメルカプト化合物からなることを特徴とするエポキシ硬化剤が記載されている。そして、この硬化剤を含むエポキシ樹脂は従来のチオール系硬化剤を用いた場合と同水準以上の優れた高速硬化性、低温硬化性を有すると記載されている。
特開平10−77334号公報
しかしながら、硬化剤の高速硬化性および低温硬化性は、より優れていることが望ましい。
また、硬化性に優れる硬化剤は硬化時に比較的発泡し易い傾向があるが、硬化剤はより発泡し難いことが好ましい。
本発明はチオール系硬化剤であって、従来のものよりも、さらに高速硬化性および低温硬化性に優れ、加えて硬化時の発泡性が低い硬化剤を提供することを目的とする。
本発明は次の(i)〜(vii)である。
(i)シロキサン結合を有し、さらに水酸基およびメルカプト基を有する化合物Xを含むエポキシ樹脂用硬化剤。
(ii)前記化合物Xが、架橋性シリル基、水酸基およびメルカプト基を有する化合物Yの縮合物である、上記(i)に記載のエポキシ樹脂用硬化剤。
(iii)前記化合物Yが、下記式(1)で表される、上記(ii)に記載のエポキシ樹脂用硬化剤。
Figure 2010077353

式(1)中、R1およびR2はメチル基またはエチル基であり、R3は水酸基およびメルカプト基を有する炭素数2以上の脂肪族炭化水素基であり、nは0または1である。
(iv)前記化合物Xが、下記組成式(2)で表される、上記(i)〜(iii)のいずれかに記載のエポキシ樹脂用硬化剤。
(R4v(OR5w(R3)Si(O)(3-v-w)/2 式(2)
式(2)中、R3は水酸基およびメルカプト基を有する炭素数2以上の脂肪族炭化水素基、R4はメチル基、R5は炭素数1〜6のエーテル基を有していてもよいアルキル基であり、0≦V≦1、0<W<3である。
(v)上記式(1)または式(2)におけるR3が、下記式(3)で表される上記(iii)または(iv)に記載のエポキシ樹脂用硬化剤。
Figure 2010077353

(vi)エポキシ樹脂100質量部に対し、上記(i)〜(v)のいずれかに記載のエポキシ樹脂用硬化剤を10〜150質量部含み、さらに硬化促進剤を含む、エポキシ樹脂組成物。
(vii)前記硬化促進剤がトリフェニルホスフィンおよび/またはそのホウ酸塩である、上記(vi)に記載のエポキシ樹脂組成物。
本発明によれば、従来のものよりも、さらに高速硬化性および低温硬化性に優れ、加えて硬化時の発泡性が低いチオール系硬化剤を提供することができる。
本発明のエポキシ樹脂用硬化剤について説明する。
本発明のエポキシ樹脂用硬化剤は化合物Xを含む硬化剤であり、化合物Xはシロキサン結合を有し、さらに水酸基およびメルカプト基を有する化合物である。
このような本発明のエポキシ樹脂用硬化剤を、以下では「本発明の硬化剤」ともいう。
本発明の硬化剤が含む化合物Xについて説明する。
化合物Xはケイ素原子と酸素原子とが結合したシロキサン結合を少なくとも1つ有する。化合物Xはシロキサン結合の繰返し構造を有するものであってよく、当該繰返し構造を複数有していてもよい。
また、化合物Xはシロキサン結合に加えて、さらに末端または側鎖に水酸基を少なくとも1つ有し、末端または側鎖にメルカプト基を少なくとも1つ有する化合物である。
後述するように、化合物Xにおいて水酸基はメルカプト基を活性化していると考えられ、その結果、本発明の硬化剤は高速硬化性および低温硬化性がより優れるものになっていると本発明者は推定している。また、化合物Xが上記のようなシロキサン結合を有することで、その活性の程度が適度に抑制され、硬化剤としての使用時に発泡が抑制されると本発明者は推定している。後述するように、化合物Xと類似の構造を有する化合物であっても、シロキサン結合を有さないものは、硬化剤としての使用時に発泡しやすい。
化合物Xは、架橋性シリル基、水酸基およびメルカプト基を有する化合物Yの縮合物であることが好ましい。
化合物Yについて説明する。
化合物Yは、架橋性シリル基を少なくとも1個有し、水酸基を少なくとも1つ有し、メルカプト基を少なくとも1つ有する化合物である。
ここで架橋性シリル基とは、ケイ素原子に結合した加水分解性基(例えば水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等)を有し、湿気や架橋剤の存在下、必要に応じて触媒等を使用することにより縮合反応を起こしてシロキサン結合を形成し得るケイ素含有基である。例えば、アルコキシシリル基、アルケニルオキシシリル基、アシロキシシリル基、アミノシリル基、アミノオキシシリル基、オキシムシリル基、アミドシリル基が挙げられる。
化合物Yは、下記式(1)で表されるものであることが好ましい。
Figure 2010077353
式(1)中、R1およびR2はメチル基またはエチル基であり、R3は水酸基およびメルカプト基を有する炭素数2以上の脂肪族炭化水素基であり、nは0または1である。
1はメチル基であることが好ましい。縮合体がより得やすいからである。
1およびR2は同一であってよく、異なっていてもよい。
nは0または1であり、0であることが好ましい。
nが0または1である場合、Siに結合する3つまたは2つの−OR2は互いに同一であってよく、異なっていてもよい。
3は水酸基およびメルカプト基を有する炭素数2以上の脂肪族炭化水素基である。R3は水酸基およびメルカプト基の各々を2以上有していてもよいが、各々1つずつ有することが好ましい。また、水酸基とメルカプト基とが、異なる炭素原子と結合していることが好ましく、水酸基とメルカプト基とが隣り合って結合する2つの炭素原子の各々に結合していることがより好ましく、メルカプト基が末端の炭素原子に結合していることがさらに好ましい。本発明の硬化剤の高速硬化性および低温硬化性がより優れるからである。本発明者は、水酸基がメルカプト基を活性化しており、水酸基とメルカプト基との存在位置が近い方がメルカプト基は活性化すると推測している。
3として、例えば−(CH2)jCH(OH)(CH2)kCH2-SH、−(CH2)pO(CH2)qCH(OH)(CH2)rCH2-SHで表される基が挙げられる。ここでj、k、p、q、rは0以上の整数であり、各々、1〜6の整数であることが好ましい。
このような中でも、R3は下記式(3)で表される基であることが好ましい。本発明の硬化剤の高速硬化性および低温硬化性がより優れるからである。
Figure 2010077353
架橋性シリル基、水酸基およびメルカプト基を有する化合物Yの縮合物は、化合物Yに分類される異なる構造の化合物の縮合物であってよい。例えば上記式(1)で表される化合物であって、R1、R2、R3、nが異なる複数の化合物が反応してなった縮合物であってよい。
化合物Xは、下記式(2)の組成式で表される構造を有するものであることが好ましい。
(R4v(OR5w(R3)Si(O)(3-v-w)/2 式(2)
式(2)中、R3は水酸基およびメルカプト基を有する炭素数2以上の脂肪族炭化水素基、R4はメチル基、R5は炭素数1〜6のエーテル基を有していてもよいアルキル基である。
式(2)中のR3は、式(1)中のR3と同義である。好ましい態様も同様である。
式(2)中のR4およびR5は同一であってよく、異なっていてもよい。
Vは0〜1であることが好ましい。
Wは0超3未満であることが好ましい。
化合物Xは下記式(4)で表される態様であることが好ましい。
Figure 2010077353
式(4)中、tは2〜20の整数であり、2〜10の整数であることがより好ましい。理由は、硬化剤の粘度、硬化性、硬化物の物性に優れるためである。
化合物Xは短時間でエポキシ樹脂を硬化する性能を具備する。また低温(60〜150度程度)であっても比較的短時間でエポキシ樹脂を硬化する性能を具備する。これは水酸基がメルカプト基を活性化しているためと推定する。
本発明の硬化剤は化合物Xを含有する。60質量%以上含有することが好ましく、100質量%、すなわち本発明の硬化剤が化合物Xであることが好ましい。本発明の硬化剤は、化合物Xの他に他の物質を含有してよい。例えば従来公知の硬化剤が挙げられる。例えばジシアンジアミド、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、2−n−ヘプタデシルイミダゾールのようなイミダゾール誘導体、イソフタル酸ジヒドラジド、N,N−ジアルキル尿素誘導体、N,N−ジアルキルチオ尿素誘導体、テトラヒドロ無水フタル酸のような酸無水物、イソホロンジアミン、m−フェニレンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、メラミン、グアナミン、三フッ化ホウ素錯化合物、トリスジメチルアミノメチルフェノールなどを挙げることができる。これらの中の2種以上を組み合わせて用いてもよい。
化合物Xの製造方法は特に限定されない。
例えば、エポキシシラン縮合物に硫化水素を付加させて得ることができる。エポキシシラン縮合物の具体例としては、信越化学社製のX−40−9226Bが挙げられる。
次に、本発明のエポキシ樹脂組成物について説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂100質量部に対し、本発明の硬化剤を10〜150質量部含み、さらに硬化促進剤を含むものである。
このようなエポキシ樹脂組成物を、以下では「本発明の組成物」ともいう。
本発明の組成物が含有するエポキシ樹脂は特に限定されず、例えば従来公知のエポキシ樹脂を用いることができる。
具体的には、例えばビスフェノールA型、ビスフェノールF型、臭素化ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールS型、ビスフェノールAF型、ビフェニル型等のビスフェニル基を有するエポキシ化合物や、ポリアルキレングリコール型、アルキレングリコール型のエポキシ化合物や、ナフタレン環を有するエポキシ化合物や、フルオレン基を有するエポキシ化合物等の二官能型のグリシジルエーテル系エポキシ樹脂;フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、トリスヒドロキシフェニルメタン型、テトラフェニロールエタン型等の多官能型のグリシジルエーテル系エポキシ樹脂;ダイマー酸等の合成脂肪酸のグリシジルエステル系エポキシ樹脂;N,N,N′,N′−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(TGDDM)、テトラグリシジルジアミノジフェニルスルホン(TGDDS)、テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン(TGMXDA)、下記式(5)で表されるトリグリシジル−p−アミノフェノール、トリグリシジル−m−アミノフェノール、N,N−ジグリシジルアニリン、テトラグリシジル1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(TG1,3−BAC)、トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC)等のグリシジルアミン系エポキシ樹脂;トリシクロ〔5,2,1,02,6〕デカン環を有するエポキシ化合物、具体的には、例えばジシクロペンタジエンとメタクレゾール等のクレゾール類またはフェノール類を重合させた後、エピクロルヒドリンを反応させる公知の製造方法によって得ることができるエポキシ化合物;脂環型エポキシ樹脂;東レチオコール社製のフレップ10に代表されるエポキシ樹脂主鎖に硫黄原子を有するエポキシ樹脂;ウレタン結合を有するウレタン変性エポキシ樹脂;ポリブタジエン、液状ポリアクリロニトリル−ブタジエンゴムまたはアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)を含有するゴム変性エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらは1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物は、エポキシ樹脂100質量部に対し、本発明の硬化剤を10〜150質量部、好ましくは20〜140質量部、より好ましくは30〜130質量部含む。理由は硬化性、硬化物の物性に優れるためである。
本発明の組成物は、さらに硬化促進剤を含む。
硬化促進剤は特に限定されない。例えば、n−ブチルアミン、イソブチルアミン等のアミン類、ケチミン化合物、オキサゾリジン化合物等の加水分解によって遊離アミノ基に変わり得る保護アミノ基を有する化合物、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類が挙げられる。
このような中でもホスフィン類はトリフェニルホスフィンおよび/またはそのホウ酸塩であることが好ましい。
アミン類および加水分解によって遊離アミノ基に変わり得る保護アミノ基を有する化合物は、本発明の組成物の貯蔵安定性を高めるので好ましい。
このような硬化促進剤の含有量は特に限定されないが、エポキシ樹脂100質量部に対して1〜20質量部であることが好ましく、3〜10質量部であることがより好ましい。理由は促進剤として十分に効果を発現できるためである。
本発明の組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、上記各種成分以外に、必要に応じて、各種の添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えば、充填剤、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、分散剤、揺変性付与剤が挙げられる。
充填剤としては、例えば、ろう石クレー、カオリンクレー、焼成クレー;ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ;けいそう土;酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛;カーボンブラック等の有機または無機充填剤;これらの脂肪酸、樹脂酸、脂肪酸エステル処理物、脂肪酸エステルウレタン化合物処理物が挙げられる。
老化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)が挙げられる。
帯電防止剤としては、例えば、第四級アンモニウム塩;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体等の親水性化合物が挙げられる。
難燃剤としては、例えば、クロロアルキルホスフェート、ジメチル・メチルホスホネート、臭素・リン化合物、アンモニウムポリホスフェート、ネオペンチルブロマイド−ポリエーテル、臭素化ポリエーテルが挙げられる。
揺変性付与剤としては、例えば、水添ヒマシ油、シリカ、タルク等が挙げられる。
上記の各添加剤は適宜、組み合わせて用いることができる。
本発明の組成物の製造方法は特に限定されない。例えば前記エポキシ樹脂と本発明の硬化剤と前記硬化促進剤とを所定の質量比で混合して製造することができる。混合はロール、ニーダー、押出し機、万能攪拌機等の公知の混合機を用いて行うことができる。
<化合物Xの製造>
エポキシシラン縮合物(X−40−9226B、信越化学社製)に、60℃において5時間、硫化水素を付加させ、その後、未反応の硫化水素を除去して化合物Xに相当するチオール化合物1を得た。
次に得られたチオール化合物1をNMR分析に供した。その結果、チオール化合物1は、式(5)に示される化合物を含むことがわかった。なお、Sは6〜10である。
Figure 2010077353
(実施例1〜6)
エポキシ樹脂、チオール化合物1、硬化促進剤1〜4および安定剤の各々を、第1表に示す質量部で混合し、実施例1〜6に係るエポキシ樹脂組成物を得た。
第1表に示すエポキシ樹脂、硬化促進剤1〜4および安定剤として、各々、以下のものを用いた。
エポキシ樹脂:ADEKA社製、EP4100E
硬化促進剤1:北興化学社製、TPP−S
硬化促進剤2:北興化学社製、TPP
硬化促進剤3:味の素ファインテクノ社製、アミキュアPN−H
硬化促進剤4:旭化成社製、ノバキュアHX−3721
安定剤:ホウ酸トリエチル
次に、実施例1〜6に係るエポキシ樹脂組成物のゲル化タイムを測定した。評価はJIS C 2105:2006年の熱板法に従って、120℃でのゲルタイムをホットプレート上で測定した。測定結果を第1表に示す。
次に、実施例1〜6に係るエポキシ樹脂組成物の発泡性を調査した。評価はJIS C 2105:2006年の熱板法に従い、150℃で硬化させた場合の発泡の有無により判断した。結果を第1表に示す。発泡が全く無いものを「○」、わずかでも発泡したものを「×」として示した。
(比較例1)
実施例1〜6で用いたチオール化合物1の代わりにチオール化合物2を用いて同様の操作を行った。エポキシ樹脂、チオール化合物2、硬化促進剤1の各々の混合比(質量部)は、第1表に示す通りである。そして、得られたエポキシ樹脂組成物を実施例1〜6と同様の試験に供した。結果を第1表に示す。
チオール化合物2は、メルカプトシランKBM803加水分解縮合物(信越化学社製)であり、下記式(6)で表される構造を有するものである。なお、式(6)中、uは6〜10である。
Figure 2010077353
(比較例2)
実施例1〜6で用いたチオール化合物1の代わりにチオール化合物3を用いて同様の操作を行った。エポキシ樹脂、チオール化合物3、硬化促進剤1の各々の混合比(質量部)は、第1表に示す通りである。そして、得られたエポキシ樹脂組成物を実施例1〜6と同様の試験に供した。結果を第1表に示す。
チオール化合物3は、JER社製、QX11であり、下記式(7)で表される構造を有するものである。
Figure 2010077353
Figure 2010077353
実施例1〜6におけるエポキシ樹脂組成物は、120℃という低温であってもゲル化タイムが短く、優れた高速硬化性および低温硬化性を具備することがわかった。
また、いずれも発泡しなかった。
これに対して、水酸基を有しないチオール化合物2を用いた比較例1は、発泡性は良好であったものの、ゲル化タイムが長く、硬化性が不良であることがわかった。
また、シロキサン結合を有しないチオール化合物3を用いた比較例2は、ゲル化タイムは良好であったものの、発泡した。
以上より、化合物Xを含む本発明の組成物は、高速硬化性および低温硬化性に優れ、加えて硬化時の発泡性が低いことがわかった。

Claims (7)

  1. シロキサン結合を有し、さらに水酸基およびメルカプト基を有する化合物Xを含むエポキシ樹脂用硬化剤。
  2. 前記化合物Xが、架橋性シリル基、水酸基およびメルカプト基を有する化合物Yの縮合物である、請求項1に記載のエポキシ樹脂用硬化剤。
  3. 前記化合物Yが、下記式(1)で表される、請求項2に記載のエポキシ樹脂用硬化剤。
    Figure 2010077353

    式(1)中、R1およびR2はメチル基またはエチル基であり、R3は水酸基およびメルカプト基を有する炭素数2以上の脂肪族炭化水素基であり、nは0または1である。
  4. 前記化合物Xが、下記組成式(2)で表される、請求項1〜3のいずれかに記載のエポキシ樹脂用硬化剤。
    (R4v(OR5w(R3)Si(O)(3-v-w)/2 式(2)
    式(2)中、R3は水酸基およびメルカプト基を有する炭素数2以上の脂肪族炭化水素基、R4はメチル基、R5は炭素数1〜6のエーテル基を有していてもよいアルキル基であり、0≦V≦1、0<W<3である。
  5. 上記式(1)または式(2)におけるR3が、下記式(3)で表される請求項3または4に記載のエポキシ樹脂用硬化剤。
    Figure 2010077353
  6. エポキシ樹脂100質量部に対し、請求項1〜5のいずれかに記載のエポキシ樹脂用硬化剤を10〜150質量部含み、さらに硬化促進剤を含む、エポキシ樹脂組成物。
  7. 前記硬化促進剤がトリフェニルホスフィンおよび/またはそのホウ酸塩である、請求項6に記載のエポキシ樹脂組成物。
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