JP2010076669A - タイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】排水性を確保しつつ、気柱管共鳴音に起因するノイズを更に抑制できるタイヤを提供すること。
【解決手段】本発明に係るタイヤは、タイヤ周方向に沿って延びる周方向溝18が形成されるとともに、周方向溝18の溝底17cに周方向溝18から発生する音を吸収する吸音体100が設けられたタイヤであって、トレッド幅方向WTR及びタイヤ径方向に沿ったタイヤの断面視において、トレッド幅方向WTRに沿った吸音体100の吸音体幅W100は、トレッド幅方向WTRに沿った周方向溝18の溝底17cの底幅W17cよりも狭い。
【選択図】図3
【解決手段】本発明に係るタイヤは、タイヤ周方向に沿って延びる周方向溝18が形成されるとともに、周方向溝18の溝底17cに周方向溝18から発生する音を吸収する吸音体100が設けられたタイヤであって、トレッド幅方向WTR及びタイヤ径方向に沿ったタイヤの断面視において、トレッド幅方向WTRに沿った吸音体100の吸音体幅W100は、トレッド幅方向WTRに沿った周方向溝18の溝底17cの底幅W17cよりも狭い。
【選択図】図3
Description
本発明は、タイヤ周方向に沿って延びる周方向溝が形成されるとともに、周方向溝に吸音体が設けられたタイヤに関する。
自動車などの車両に装着されたタイヤは、トレッドが路面に接地した際に周方向溝と路面とによって形成される気柱管から発生する共鳴音、いわゆる気柱管共鳴音に起因するノイズを発生する。
そこで、気柱管共鳴音を抑制する様々な方法が提案されている。例えば、周方向溝に時間の経過に連れて徐々に分解するポリマー(充填体)を設ける方法が知られている(例えば、特許文献1)。
このようなポリマーが周方向溝に設けられたタイヤでは、周方向溝の容積が減少するため、気柱管共鳴音が抑制される。また、ポリマーは、時間の経過に連れて徐々に分解するため、トレッドの摩耗が進行しても、周方向溝の深さを略一定にすることができる。
また、周方向溝にスポンジ状の吸音体を埋め込む方法が知られている(例えば、特許文献2)。
このような吸音体が周方向溝に埋め込まれたタイヤでは、吸音体は、発泡体や不織布の構造により、内部に設けた空隙や、空隙を覆う薄膜で音のエネルギーを吸収し、熱エネルギーに変換するため、気柱管共鳴音が抑制される。
特開2005−28946号公報(第4−5頁、第3図)
特開50−125403号公報(第1−2頁、第2図)
しかしながら、上述した従来のタイヤには、次のような問題があった。すなわち、周方向溝に充填されたポリマー又は、埋め込まれた吸音体によって周方向溝の容積が減少するため、排水性が損なわれる。つまり、気柱管共鳴音は抑制できるものの、周方向溝にポリマー等が充填されないタイヤと比較すると、排水性が低下する。
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、排水性を確保しつつ、気柱管共鳴音に起因するノイズを抑制できるタイヤの提供を目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、タイヤ周方向(タイヤ周方向R)に沿って延びる周方向溝(周方向溝18)が形成されるとともに、周方向溝の溝底(溝底17c)から発生する音を吸収する吸音体(例えば、吸音体100)が設けられたタイヤ(例えば、空気入りタイヤ1)であって、トレッド幅方向(トレッド幅方向WTR)及びタイヤ径方向に沿ったタイヤの断面視において、トレッド幅方向に沿った吸音体の幅(吸音体幅W100)は、トレッド幅方向に沿った周方向溝の溝底の幅(底幅W17c)よりも狭いことを要旨とする。
本発明の第1の特徴によれば、トレッド幅方向に沿ったタイヤの断面視において、吸音体の幅を周方向溝の溝底の幅よりも狭くすることにより、周方向溝には、排水性に影響を及ぼさない程度の容積が確保される。つまり、タイヤは、雨水などの液体が存在する路面を走行する場合、周方向溝の排水性を確保できる。
従って、このような本発明の特徴に係るタイヤは、排水性を確保しつつ、気柱管共鳴音によるノイズを抑制できる。
本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、吸音体は、タイヤ径方向に沿って、伸縮可能であり、タイヤ径方向に沿った前記タイヤの断面視において、吸音体は、溝底に、タイヤ周方向に沿って、環状に形成されることを要旨とする。
本発明の第3の特徴は、本発明の第2の特徴に係り、タイヤに装着前の吸音体において、タイヤ周方向に沿って延びる吸音体の内周の長さは、タイヤ周方向に沿って延びる溝底の外周の長さよりも短いことを要旨とする。
本発明の第4の特徴は、本発明の第1乃至3の何れか一つの特徴に係り、吸音体には、タイヤ周方向に沿って延びる中空部(中空部100h)が形成されることを要旨とする。
本発明の第5の特徴は、本発明の第4の特徴に係り、吸音体には、タイヤ径方向に沿って、中空部に貫通する孔(孔110)が形成されることを要旨とする。
本発明の第6の特徴は、本発明の第1乃至5の何れか一つの特徴に係り、吸音体は、周方向溝と路面とによって形成される気柱管から発生する気柱管共鳴音を吸音する部材によって構成されることを要旨とする。
本発明の第7の特徴は、本発明の第1乃至6の何れか一つの特徴に係り、吸音体は、ウレタンによって構成されることを要旨とする。
本発明の第8の特徴は、本発明の第1乃至6の何れか一つの特徴に係り、吸音体は、発泡ゴム、スポンジ、又は、不織布によって構成されることを要旨とする。
本発明の特徴によれば、排水性を確保しつつ、気柱管共鳴音に起因するノイズを更に抑制できるタイヤを提供できる。
次に、本発明に係る実施形態及びその他の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
[実施形態]
本実施形態においては、(1)タイヤの構成、(2)周方向溝の詳細構成、(3)吸音体の詳細構成、(4)変形例、(5)比較評価、(6)作用・効果について説明する。
[実施形態]
本実施形態においては、(1)タイヤの構成、(2)周方向溝の詳細構成、(3)吸音体の詳細構成、(4)変形例、(5)比較評価、(6)作用・効果について説明する。
(1)タイヤの構成
図1は、本発明の実施形態に係る周方向溝18の一部を分解して示す斜視図である。
図1は、本発明の実施形態に係る周方向溝18の一部を分解して示す斜視図である。
図1に示すように、空気入りタイヤ1は、空気入りタイヤ1の骨格となるカーカス層12を有する。カーカス層12のタイヤ径方向内側には、チューブに相当する気密性の高いゴム層であるインナーライナー13が設けられる。カーカス層12の両端は、一対のビード部14によって支持される。
カーカス層12のタイヤ径方向外側には、ベルト層15が配置されている。ベルト層15は、スチールコードをゴム引きした第1ベルト層15aと第2ベルト層15bとを有する。第1ベルト層15aと第2ベルト層15bとを構成するスチールコードは、タイヤ赤道線CLに対して所定の角度(例えば、±25度)を有して配置されている。
ベルト層15(第1ベルト層15a及び第2ベルト層15b)のタイヤ径方向外側には、路面に接地するトレッド面16aを有するトレッド部16が形成される。
トレッド部16には、ゴムブロック17と、タイヤ周方向Rに沿って延びる周方向溝18とが形成される。周方向溝18は、タイヤ周方向Rに沿って複数形成される。周方向溝18には、吸音体100が設けられる。吸音体100は、周方向溝18と路面との間に形成される気柱管から発生する気柱管共鳴音を吸音する機能を有する。吸音体100については、後述する。
(2)周方向溝の詳細構成
次に、本実施形態における周方向溝の詳細構成について図1乃至3を参照しながら説明する。
次に、本実施形態における周方向溝の詳細構成について図1乃至3を参照しながら説明する。
図2は、周方向溝18を拡大した断面斜視図である。図3は、空気入りタイヤ1のトレッド幅方向WTRに沿った断面図において、周方向溝18を拡大した拡大図である。
図1に示すように、周方向溝18は、トレッド幅方向WTRに沿って隣接するゴムブロック17の間に形成される。
図3に示すように、トレッド幅方向WTR及びタイヤ径方向に沿った空気入りタイヤ1の断面視において、周方向溝18は、側壁17aと、側壁17bと、溝底17cとにより形成される。
溝底17cは、一方のゴムブロック17の側壁17aと、他方のゴムブロック17の側壁17bとの間に位置する。溝底17cは、側壁17aと側壁17bとに連なる。
周方向溝18のタイヤ径方向の長さを周方向溝深さDとする。具体的には、周方向溝深さDは、タイヤ径方向に沿ったトレッド面16aから溝底17cまでの長さを示す。
周方向溝18のトレッド幅方向WTRに沿った溝幅の最大幅を最大幅W18とする。具体的には、最大幅W18は、トレッド面16aにおいて、一方のゴムブロック17の側壁17aから、他方のゴムブロック17の側壁17bまでのトレッド幅方向WTRに沿った溝幅の最大幅を示す。
(3)吸音体の詳細構成
次に、本実施形態における吸音体の詳細構成について図1乃至3を参照しながら説明する。
次に、本実施形態における吸音体の詳細構成について図1乃至3を参照しながら説明する。
図3に示すように、トレッド幅方向WTRに沿った吸音体100の吸音体幅W100は、トレッド幅方向WTRに沿った周方向溝18の溝底17cの幅である底幅W17cよりも狭い。吸音体100は、周方向溝18の溝底17cに設けられる。具体的には、吸音体幅W100は、底幅W17cの70%以下であることが好ましい。
吸音体100のタイヤ径方向の長さを吸音体長さdとする。
吸音体100は、タイヤ径方向に沿って、伸縮可能であり、タイヤ径方向に沿ったタイヤの断面視において、溝底17cに、タイヤ周方向Rに沿って、環状に形成され、空気入りタイヤ1に装着前の吸音体100において、タイヤ周方向に沿って延びる吸音体100の内周の長さは、タイヤ径方向に沿って延びる溝底17cの外周の長さよりも短い。
吸音体100には、トレッド幅方向WTR及びタイヤ径方向に沿った断面視において、タイヤ周方向Rに沿って延びる中空部100hが形成される。つまり、吸音体100は、タイヤ周方向Rに沿って中空部100hが形成された円筒状に形成される。
吸音体100には、タイヤ径方向に沿って中空部100hに貫通する直径1mmの孔110が形成される。孔110は、タイヤ周方向Rに沿って、所定の間隔Pごとに複数形成される。孔110は、タイヤ径方向外側に露出する吸音体100の露出面に形成される。具体的には、吸音体100には、直径1mmの孔110がタイヤ周方向Rに沿って、60個形成される。
吸音体100は、周方向溝18と路面とによって形成される気柱管から発生する気柱管共鳴音を吸音する部材によって構成される。具体的には、吸音体100は、発泡体や不織布の構造により、内部に設けた空隙や、空隙を覆う薄膜で音のエネルギーを吸収し、熱エネルギーに変換することで発生するノイズを低減する。
吸音体100に最適な材料として、薄膜状のウレタンを挙げることができる。吸音体100に最適な材料として、他には、不織布、天然スポンジ等の合成スポンジ、発泡ゴム等を挙げることができる。不織布には、ポリアミド系合成繊維、アラミド、ポリエステルなどの有機繊維を用いることができる。
吸音体100として、薄膜状のウレタンを用いる場合、トレッド幅方向WTR及びタイヤ径方向に沿った断面視における吸音体100の厚みである吸音体厚みtは、0.1mm〜1mmに形成される。更に効果的な吸音効果を得るためには、吸音体厚みtは、0.3mm〜0.5mmであることが好ましい。
(4)変形例
本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示だけに限られず、本発明の実施形態は、次のように変更することができる。
本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示だけに限られず、本発明の実施形態は、次のように変更することができる。
図4は、空気入りタイヤ2のトレッド幅方向WTRに沿った断面図において、周方向溝18を拡大した拡大図である。
空気入りタイヤ1の吸音体100には、トレッド幅方向WTRに沿った空気入りタイヤ1の断面視において、中空部100hが形成されるが、図4に示すように、空気入りタイヤ2の吸音体100aには、実施形態に記載の吸音体100と異なり、中空部100hが形成されずに、中実状に形成される。
(5)比較評価
次に、本発明の効果を更に明確にするために、以下の比較例及び実施例に係る空気入りタイヤを用いて行った比較評価について説明する。具体的には、(5.1)評価方法、(5.2)評価結果について説明する。なお、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
次に、本発明の効果を更に明確にするために、以下の比較例及び実施例に係る空気入りタイヤを用いて行った比較評価について説明する。具体的には、(5.1)評価方法、(5.2)評価結果について説明する。なお、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
(5.1)評価方法
表1に示すように、吸音体の形状が異なる6種類の空気入りタイヤを用いて、ウェット性能と音圧レベルの低減量とを測定した。ウェット性能は、空気入りタイヤを実車に装着し、水深5mmの路面を走行したとき、ハイドロプレーニング性をドライバーのフィーリングにより評価した。評価には、10点法を用いた。音圧レベルの低減量は、ECE規格に準拠した方法にて、測定した。
表1に示すように、吸音体の形状が異なる6種類の空気入りタイヤを用いて、ウェット性能と音圧レベルの低減量とを測定した。ウェット性能は、空気入りタイヤを実車に装着し、水深5mmの路面を走行したとき、ハイドロプレーニング性をドライバーのフィーリングにより評価した。評価には、10点法を用いた。音圧レベルの低減量は、ECE規格に準拠した方法にて、測定した。
空気入りタイヤに関するデータは、以下に示す条件において測定された。
・ タイヤサイズ :245/50R18
・ リムホイールサイズ :8.5J
・ 車種 :国産車セダン(FR)
・ 内圧 :200kPa
・ 周方向溝深さD :8mm
・ 周方向溝の最大幅W18 :12mm
・ 溝底17cの幅 :10mm
実施例1乃至5の空気入りタイヤは、比較例1の空気入りタイヤと比較して、吸音体を備えている点で大きく異なる。
・ タイヤサイズ :245/50R18
・ リムホイールサイズ :8.5J
・ 車種 :国産車セダン(FR)
・ 内圧 :200kPa
・ 周方向溝深さD :8mm
・ 周方向溝の最大幅W18 :12mm
・ 溝底17cの幅 :10mm
実施例1乃至5の空気入りタイヤは、比較例1の空気入りタイヤと比較して、吸音体を備えている点で大きく異なる。
測定結果によれば、実施例1乃至5の空気入りタイヤは、比較例1の空気入りタイヤと比べて吸音体を備える点で異なっており、ウェット性能を確保しつつ、吸音効果を有することが判った。
実施例1乃至4の空気入りタイヤには、実施例5の空気入りタイヤと比べて、中空部が形成される点で異なっており、優れた吸音効果を有することが判った。
実施例2の空気入りタイヤには、実施例1の空気入りタイヤと比べて中空部に貫通する孔が形成される備える点で異なっており、優れた吸音効果を有することが判った。
実施例4の空気入りタイヤは、吸音体が発泡ゴムにより構成されており、優れた吸音効果を有することが判った。
(6)作用・効果
以上説明したように、本実施形態によれば、トレッド幅方向WTRに沿った空気入りタイヤ1の断面視において、吸音体100の幅を周方向溝18の溝底17cの幅よりも狭くすることにより、周方向溝18には、排水性に影響を及ぼさない程度の容積が確保される。つまり、空気入りタイヤ1は、雨水などの液体が存在する路面を走行する場合、周方向溝18の排水性を確保できる。
以上説明したように、本実施形態によれば、トレッド幅方向WTRに沿った空気入りタイヤ1の断面視において、吸音体100の幅を周方向溝18の溝底17cの幅よりも狭くすることにより、周方向溝18には、排水性に影響を及ぼさない程度の容積が確保される。つまり、空気入りタイヤ1は、雨水などの液体が存在する路面を走行する場合、周方向溝18の排水性を確保できる。
従って、空気入りタイヤ1は、排水性を確保しつつ、気柱管共鳴音によるノイズを抑制できる。
このような吸音体100を周方向溝18に配置する場合、空気入りタイヤ1の転動に伴い発生する遠心力に抗するために、吸音体100は、周方向溝18に強固に固定される必要がある。例えば、接着剤を用いて吸音体100を周方向溝18に接着する方法が適用できるが、吸音体100及び周方向溝18の接着に適した材料の選定、高い接着力など、多くの条件が求められる。
本実施形態では、吸音体100は、タイヤ径方向に沿って、伸縮可能であり、溝底17cに、タイヤ周方向Rに沿って、環状に形成されるため、空気入りタイヤ1は、吸音体100が周方向溝18から外れることを容易に防止できる。
本実施形態では、空気入りタイヤ1に装着前の吸音体100において、タイヤ周方向Rに沿って延びる吸音体100の内周の長さは、タイヤ周方向Rに沿って延びる溝底17cの外周の長さよりも短いため、空気入りタイヤ1に装着された吸音体100は、吸音体100の収縮力により溝底17cに強固に固定される。
従って、空気入りタイヤ1は、吸音体100が周方向溝18から外れることを更に防止できる。また、接着剤等を用いる必要がないため、吸音体100は、取り外しや、交換が容易となる。
本実施形態では、トレッド幅方向WTR及びタイヤ径方向に沿った断面視において、吸音体100には、タイヤ周方向Rに沿って延びる中空部100hが形成されるため、雨水等の液体が存在する路面を空気入りタイヤ1が転動する場合、中空部100hに液体が流れる。つまり、空気入りタイヤ1は、周方向溝18の容積を増加できるため、排水性を更に向上できる。
吸音体100には、中空部100hが形成されるため、中実状の吸音体と比べて、軽量化できる。これにより、空気入りタイヤ1の転動に伴い、吸音体100にかかる遠心力を抑制できるため、空気入りタイヤ1は、吸音体100を周方向溝18に更に強固に固定できる。
吸音体100には、中空部100hが形成されるため、空気入りタイヤ1は、中空部100hで吸音することができ、気柱管共鳴音に起因するノイズを更に抑制できる。
本実施形態では、吸音体100には、タイヤ周方向Rに沿って、中空部100hに貫通する孔110が形成されるため、一度、中空部100hに入った気体は、中空部100hより出にくくなる。つまり、空気入りタイヤ1は、気柱管共鳴音に起因するノイズを更に抑制できる。
本実施形態では、吸音体100は、周方向溝18と路面とによって形成される気柱管から発生する気柱管共鳴音を吸音する部材によって構成されるため、空気入りタイヤ1は、気柱管共鳴音に起因するノイズを更に抑制できる。
本実施形態では、吸音体100は、発泡ゴム、スポンジ、又は、不織布によって構成される場合、液体が存在する路面を空気入りタイヤ1が転動する場合、吸音体100は、周方向溝18に入り込んだ液体の圧力によって、周方向溝18の溝底17c側に圧縮される。つまり、空気入りタイヤ1は、液体が存在する路面を転動する場合は、容積を更に増加させることができ、排水性を更に向上できる。
(7)その他の実施形態
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、本発明の実施形態は、次のように変更することができる。
上述した実施形態において、吸音体100は、不織布、天然スポンジ、ポリウレタン等の合成スポンジ、発泡ゴムに限定されない。例えば、発泡ポリスチレン等の合成樹脂であってもよい。
上述した実施形態において、吸音体100は、車両装着時において、タイヤ赤道線よりもトレッド幅方向外側の周方向溝18にのみ、装着されてもよい。これによれば、空気入りタイヤ1は、周方向溝18の容積を確保しつつ、ノイズの主因となる車両外側に面する周方向溝18のノイズのみを効果的に抑制できる。
上述した実施形態において、高速走行を想定した場合、吸音体100は、接着剤や両面テープで溝底17cに固定されてもよい。これによれば、吸音体100は、更に強固に固定される。
上述した実施形態において、吸音体100はトレッド幅方向WTR及びタイヤ径方向に沿った断面視において、円筒状に形成されているが、これに限られず、例えば、台形状、平板状等に形成されてもよく、また、それぞれに中空部が形成されていてもよい。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
1、2…空気入りタイヤ、 12…カーカス層、 13…インナーライナー 14…ビード部
15…ベルト層、 15a…第1ベルト層、 15b…第2ベルト層、 16、16a…トレッド面
17…ゴムブロック 17a、17b…側壁 17c…溝底
18…周方向溝、 100、100a…吸音体、 100h…中空部、 110…孔
15…ベルト層、 15a…第1ベルト層、 15b…第2ベルト層、 16、16a…トレッド面
17…ゴムブロック 17a、17b…側壁 17c…溝底
18…周方向溝、 100、100a…吸音体、 100h…中空部、 110…孔
Claims (8)
- タイヤ周方向に沿って延びる周方向溝が形成されるとともに、前記周方向溝の溝底に、前記周方向溝から発生する音を吸収する吸音体が設けられたタイヤであって、
トレッド幅方向及びタイヤ径方向に沿った前記タイヤの断面視において、
トレッド幅方向に沿った前記吸音体の幅は、トレッド幅方向に沿った前記溝底の幅よりも狭いタイヤ。 - タイヤ径方向に沿った前記タイヤの断面視において、前記吸音体は、タイヤ径方向に沿って、伸縮可能であり、前記溝底に、タイヤ周方向に沿って、環状に形成される請求項1に記載のタイヤ。
- 前記タイヤに装着前の前記吸音体において、タイヤ周方向に沿って延びる前記吸音体の内周の長さは、タイヤ周方向に沿って延びる前記溝底の外周の長さよりも短い請求項2に記載のタイヤ。
- 前記吸音体には、タイヤ周方向に沿って延びる中空部が形成される請求項1乃至3の何れか一項に記載のタイヤ。
- 前記吸音体には、タイヤ径方向に沿って、前記中空部に貫通する孔が形成される請求項4に記載のタイヤ。
- 前記吸音体は、前記周方向溝と路面とによって形成される気柱管から発生する気柱管共鳴音を吸音する部材によって構成される請求項1乃至5の何れか一項に記載のタイヤ。
- 前記吸音体は、ウレタンによって構成される請求項1乃至6の何れか一項に記載のタイヤ。
- 前記吸音体は、発泡ゴム、スポンジ、又は、不織布によって構成される請求項1乃至6の何れか一項に記載のタイヤ。
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