JP2010076305A - サーマルヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】サーマルヘッドの動作において、簡便にその発熱部のピーク温度が低減され、その温度分布の一様化が容易になるサーマルヘッドを提供する。
【解決手段】第1の電極20と第2の電極21の通電電極に接続した発熱抵抗体層から成る発熱部18において、発熱部18の下部で突出する突出構造体13が形設される。そして、発熱部18の通電電極間の方向(長さ方向)の電気抵抗は、その中央線に沿う通電電極間の実効距離が最も長く最大になり、発熱部18の長さ方向に直交する幅方向の両端側に近づくと、通電電極間の実効距離が小さくなり、その経路の電気抵抗が小さくなる。このため、電流密度が小さくなる中央線領域で発熱温度が低下し、電流密度が大きくなる幅方向の両端側領域で発熱温度が上昇し、発熱部18における発熱の温度分布の一様化が容易になる。
【選択図】図3

Description

本発明は、サーマルプリンタ等の印刷装置に用いられるサーマルヘッドに係り、特にその発熱部においてピーク温度が低減され温度分布の一様化が容易なサーマルヘッドに関する。
サーマルヘッドは、その発熱部の発熱を利用して、例えばインクリボンの熱転写式あるいは感熱記録式により文字などから成る画像等を形成する出力用デバイスである。そして、バーコードプリンタや計量機、デジタル製版機、ビデオプリンター、イメージャー、シールプリンター等の各記録機器に広く利用されている。一般的に、サーマルヘッドは、画像形成あるいはオーバーコート処理のための発熱部が設けられた抵抗体基板部、およびその発熱部への通電駆動を行なう駆動ICが搭載された駆動回路基板部などを、放熱基板の一主面上に配置した構造になる。
従来のサーマルヘッドについて、その抵抗体基板部の一部を示す図6を参照して説明する。図6は一部拡大断面図となっている。セラミックなどで形成された支持基板101上に、蓄熱層や平滑層として機能するグレーズ層102が設けられている。グレーズ層102上に、複数の発熱抵抗体を構成する発熱抵抗体層103が設けられ、発熱抵抗体層103上に重層して個別電極104および共通電極105が形成されている。ここで、個別電極104と共通電極105との間は所定長さの間隙を有し、その間隙部分の発熱抵抗体層103が発熱部103aとして機能する。そして、発熱部103aおよびその通電電極である個別電極104と共通電極105から成る発熱素子が、抵抗体基板部においてサーマルヘッドの主走査方向に所要のピッチ(dpi)でアレイ状に配設されている。
そして、上記発熱素子アレイを保護する絶縁体材料から成る保護層106がスパッタリングなどで形成されている。あるいは、保護層106上には、例えばイオンプレーティング法等により、保護層106の摩耗を防止する耐磨耗層(図示せず)が設けられている。
そして、上述したサーマルヘッドを用いた記録媒体への画像形成では、感熱記録紙や熱転写インクリボン等(図示せず)が、発熱部103a領域上の保護層106といわゆるプラテンローラ(図示せず)との間で挟圧され、サーマルヘッドの副走査方向に所定の速度で搬送される。この搬送において、例えば感熱記録媒体が、通電パルスで発熱する発熱部103aによって加熱され、その熱により印画がなされる。
なお、上述したような構成のサーマルヘッドは特許文献1などに記載されている。
特開2001−301217号公報
上述したサーマルヘッドを用いた画像形成あるいはオーバーコート処理において、発熱した発熱部103aの温度はその発熱部領域で大きな分布を呈する。発熱部103aは通電電極からの通電により昇温し、その直下のグレーズ層102および通電電極である熱伝導率の高い個別電極104と共通電極105を通り支持基板101を介して放熱基板(図示せず)に放熱する。上記昇温と放熱により、発熱部103aの中央部の温度が最大となり、その周辺部に向かって温度が急激に低下する分布を有するようになる。図7はその一例を模式的に示す。図7の横軸は上記通電電極間の方向すなわち発熱部長さ方向の位置をとり、縦軸にその中央線上での温度をとっている。このように、発熱部103aの温度は、ほぼ図6に示したグレーズ層102の頭頂部でピーク温度を有する分布になっている。
図7に示すように、このピーク温度Tpをもつ温度分布になる発熱部103aでは、例えば印画において所望の濃度を出すのに必要な温度を所要温度Taとすると、発熱部103aで有効な発熱体長はLxとなって、この有効発熱体長Lxでの発熱温度により印画ができることになる。しかしながら、印刷の高画質化と高速化が進んでくると、ピーク温度Tpの上記所要温度Taとの差を低減させて温度分布の一様化をすることが必須になってくる。現状のサーマルヘッドでは、この発熱部103aでの温度差の低減が難しい。
例えばカラー写真印刷の場合のような高精細の画像形成では、その階調あるいは色調の制御のために、有効発熱体長Lx内の温度差の低減が望まれる。これは、記録媒体の種類にもよるが、印画の濃度が発熱部103aの温度により異なってくることから、その温度差が大きすぎると濃度ムラが大きくなってくるからである。そこで、その手段として通電電極から発熱部103aへの供給電力を下げると、図7に示す温度分布は全体的に低温側にシフトし、所要温度Ta以上となる有効発熱体長Lxは小さくなりピーク温度Tpと所要温度Taの差は確かに低減する。しかし、有効発熱体長Lxが小さくなることから高速化が難しくなってしまう。
あるいは、通電電極間の距離すなわち副走査方向の発熱部103aの長さを増大させることにより、有効発熱体長Lxを小さくすることなしにピーク温度Tpと所要温度Taの差を低減することができる。しかし、記録媒体の副走査方向の搬送ピッチに対して発熱部長さを短くし固定しなければならない例えば製版機やオフセット印刷等の場合では、上記手法は適用できなくなる。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、サーマルヘッドの発熱動作において、簡便にその発熱部のピーク温度が低減され、その温度分布の一様化が容易になるサーマルヘッドを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明にかかるサーマルヘッドは、支持基板と、前記支持基板の表面に形成した絶縁体材料から成るグレーズ層と、前記グレーズ層を含む前記支持基板の表面に形成した発熱抵抗体層と、前記発熱抵抗体層上に間隙を設けて形成した電極を複数組配列して成る発熱素子群と、前記電極の間隙部分に露出する前記発熱抵抗体層を前記発熱素子の発熱部とし、該発熱部を少なくとも被覆して前記保温層上および前記支持基板上に積層する保護層と、を有し、前記発熱部の下部にあって上方に突出する突出構造体が前記グレーズ層上に形成されている構成になっている。
本発明の構成により、サーマルヘッドの発熱動作において、簡便にその発熱部のピーク温度が低減されその温度分布の一様化が容易になる。
本発明の実施形態について図1および図2を参照して説明する。ここで、図1はヘッド基板の一部を抜き出した一部上面図である。図2は図1のX−X矢視の断面図である。以下、互いに同一または類似の部分には共通の符号を付して、重複説明は一部省略される。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なる。
図1,2に示すように、例えばセラミックなどの支持基板11上に蓄熱層あるいは平滑層として機能する絶縁体のグレーズ層12が設けられている。ここで、例えば、このグレーズ層12には基板の主走査方向に沿って帯状に延在する盛上がり部12aが形成されている。そして、この盛上がり部12aのほぼ頭頂部で上方に突出した絶縁体から成る突出構造体13が配置されている。
そして、グレーズ層12および突出構造体13を被覆してサーメット膜から成る発熱抵抗体層14が形成され、発熱抵抗体層14上に重層する個別電極15、共通電極16、およびコの字状の折り返し電極17が設けられて通電電極を構成している。ここで、発熱抵抗体層14と同一パターンに形成されている個別電極15と折り返し電極17、および折り返し電極17と共通電極16との間にそれぞれ間隙Gが設けられ、これ等の間隙G部分に位置する発熱抵抗体層14がそれぞれ発熱部18として機能する。
このような構造の発熱部18では、その長さ方法およびその幅方向において、間隙Gに位置する発熱抵抗体層14は突出構造体13を被覆している。ここで、突出構造体13は、例えば、盛上がり部12aの頭頂部に半球体を伏せたように形設されていると好適である。
そして、個別電極15と共通電極16の間に折り返し電極17を介して2つの上記発熱部18を有する発熱素子が形成され、この発熱素子は、支持基板11上においてサーマルヘッドの主走査方向に所要のピッチ(dpi)でアレイ状に配設されている。ここで、1つの発熱素子が2ドット印字するようになっており、図1では、この発熱素子が主走査方向に繰り返し反転配列される構成に示されている。なお、上記配列により隣接する発熱素子の共通電極16は、図示しないが1つの電極配線を通して電源に接続されるようになっている。また、各発熱素子の個別電極15は、それぞれボンディングワイヤーを通して駆動ICのボンディングパッドに接続され通電制御されるようになっている。
そして、これ等の発熱素子の全体が熱伝導性のよい保護層19により被覆されている。
上記サーマルヘッドの支持基板11は、通常、耐熱性を有する絶縁体材料から成る支持基板であり、アルミナセラミックスの他に、シリコン、石英、炭化珪素等により構成される。
そして、グレーズ層12は、発熱部18の発する熱の適度な蓄熱、および熱放散の作用を有し、表面平滑性のある絶縁体材料から成る絶縁体薄膜である。このようなグレーズ層12としては、例えばSiO膜(シリコン酸化膜)、SiON膜(シリコン酸窒化膜)あるいはSiN膜(シリコン窒化膜)等が挙げられる。なお、グレーズ層12にその熱伝導率を高める金属微粒子のような添加物が微量に混在しても構わない。
上記突出構造体13は、グレーズ層12と同じ絶縁体材料により形成されると好適である。あるいはグレーズ層12とは異なる絶縁体材料により構成されていても構わない。
上記発熱抵抗体層14は、例えばTaSiO、NbSiO、TaSiNO、TiSiCO系のような電気抵抗体材料のサーメット膜から成る。そして、発熱抵抗体層14に重層して電気接続する個別電極15、共通電極16および折り返し電極17は低抵抗になるほど好ましく、例えば、Al(アルミニウム)、Cu(銅)あるいはAlCu合金等の金属を主材料に構成される。
そして、保護層19は、SiO膜、SiN膜、SiON膜あるいはSiC膜(炭化ケイ素膜)等の硬質で緻密な熱伝導性のある絶縁体材料から成る。ここで、保護層19の最表面に少なくともSi(シリコン)と炭素(C)が含まれていると熱伝導性が高くなり好適である。この保護層19は、発熱素子アレイの通電電極および発熱部18を被覆し記録媒体の圧接あるいは摺接による磨耗、並びに大気中に含まれている水分等の接触による腐食から保護する機能を有する。
次に、上記サーマルヘッドの製造方法の一例について説明する。先ず、アルミナからなり副走査方向の幅が数mm程度、板厚が0.5mm〜1mmの細長の支持基板11を用意する。そして、SiOのガラス粉末に適当な有機溶剤、溶剤を添加・混合して得たガラスペーストを塗布形成し適度な温度でのベークを施して例えば膜厚が50〜200μm程度の塗布膜を形成する。そして、フォトリソグラフィ技術によるエッチングマスクの作製およびこのエッチングマスクを用いた選択的なエッチング、すなわちフォトエングレービングプロセスにより、上記塗布膜をパーシャルエッチングして、盛上がり部12aのパターンとともに突出構造体13のパターンを形成する。その後、このパターン形成した塗布膜を所定の温度で焼成する。
上記焼成において、突出構造体13は、その外形が塗布膜の表面張力により平滑面に変形して、例えば上述した半球体に形成される。ここで、突出構造体13の高さは例えば5〜10μm程度に設定され、その横幅は5〜50μm程度で発熱部18の幅以下にされる。また、盛上がり部12aの高さは例えば25μm程度になる。
次に、グレーズ層12および突出構造体13を被覆するように、例えばスパッタ法により膜厚0.05μm程度のTaSiO膜を成膜し、引き続いて、スパッタ法により上記発熱抵抗体層14を被覆して例えば膜厚が0.5μ程度のAl膜、AlCu合金膜等の電極膜を成膜する。そして、フォトエングレービングプロセスにより、発熱素子アレイの通電用電極になる個別電極15、共通電極16および折り返し電極17と発熱抵抗体層14をパターニング形成する。更に、フォトエングレービングプロセスにより、上述した電極の一部をエッチングして間隙Gを設けて発熱部18を形成する。ここで、発熱部18の長さは数十〜300μm、その幅は5〜100μm程度範囲で設定される。
そして、スパッタ法により全面を被覆する保護層19を成膜する。ここで、保護層19は、例えば膜厚が2μm〜5μm程度に堆積される。このようにして、抵抗体基板部が形成される。
その後は、上記抵抗体基板部と、従来技術でふれた例えばベアチップの駆動ICが予め組み込まれている駆動回路基板部とをアルミ板等から成る放熱基板上に接着剤を介して載置し固着させる。そして、発熱素子アレイの全ての個別電極15を駆動ICの出力側のボンディンブパッドに例えばAl線あるいはAu線から成るボンディングワイヤーで電気接続する。また、駆動ICの入力側のボンディンブパッドを駆動回路基板の回路パターンにボンディングワイヤーで電気接続する。最後に、周知の実装技術により駆動ICおよびボンディングワイヤーを封止材により気密封止する。このようにして、サーマルヘッドが出来上がる。
上述したヘッド基板では、グレーズ層12がパーシャルエッチングで形成され盛上がり部12aを有する場合について説明している、このグレーズ層12は、盛上がり部12aがなく、全体が平坦になっていても構わない。あるいは、逆にその平坦部がなく盛上がり部12aのみで形成された構造になっていてもよい。
また、本実施形態のサーマルヘッドは、1つの発熱素子で2ドットの印字が可能な例の場合であり、例えばインクリボンを用いた画像形成とその高速のオーバーコート処理が可能なものであったが、1つの発熱素子で1ドットの印字を行う構造のものであっても構わない。
本実施形態のサーマルヘッドを用いた記録媒体への画像形成あるいはオーバーコート処理では、従来技術で説明したのと同様に、感熱記録紙や熱転写インクリボン等(図示せず)が、発熱部18といわゆるプラテンローラ(図示せず)との間で挟圧され、サーマルヘッドの副走査方向に所定の速度で搬送される。この搬送において、記録媒体は、通電パルスで発熱する発熱部18によって加熱され、その熱により印画あるいはオーバーコート処理される。
次に、本実施形態のサーマルヘッドの動作における作用効果について、図3ないし図5を参照して説明する。ここで、図3は本実施形態の作用効果の説明に供するためのサーマルヘッドの発熱部の模式的な拡大上面図である。そして、図4および図5は本実施形態における発熱部の発熱特性を説明するための温度分布図である。
図3(a)に示すように、第1の電極20と第2の電極21を通電電極として、これ等の電極に電気接続した発熱抵抗体層から成る発熱部18が形成されている。そして、上述したようにこの発熱部18の直下に上方に突出する突出構造体13が形設され、突出構造体13の表面に沿って形成されている発熱抵抗体層は、発熱部18のほぼ中央部において上方に凸状になっている。このために、発熱部18の上記通電電極間の方向である発熱部長さ方向の電気抵抗は、その中央線に沿う通電電極間の実効距離が最も長くなることから、最も大きくなる。そして、発熱部18の長さ方向に直交する幅方向の両端側に近づくほど、上記通電電極間の実効距離が小さくなり、それとともにその経路における電気抵抗が小さくなる。
ここで、サーマルヘッドの動作において、上記通電電極を通し発熱部18に電源からの給電が行われると、図3(a)に示すように、例えば第2の電極21から第1の電極20へ流れる電流は、発熱部18の中央線の領域を流れる電流密度Aが小さくなる。そして、その電流は突出構造体13のところで発熱部18の中央線から外側に蛇行し易くなり、発熱部18の幅方向の両辺領域を流れる電流密度Bが増大するようになる。このように、本実施形態の発熱部18では、突出構造体13によって発熱部18における電流密度の調節ができる。
本実施形態のサーマルヘッドにおいては、突出構造体13により発熱部18を流れる電流密度は図3(a)で説明したように調節できて、電流密度Aが小さくなる中央線領域では、その発熱温度が低下する。そして、電流密度Bが大きくなる幅方向の両辺領域では、その発熱温度が上昇する。このようにして、発熱部18における発熱の温度分布の一様化ができ易くなる。ここで、突出構造体13の表面形状を例えば半球面から一部調整することによって、上記温度分布の一様性を更に向上させることができる。この突出構造体13表面は、上方に凸状の楕円体面、双曲面、放物面のような曲面形状を有するようになっていてもよい。あるいは、その横幅が発熱部18の幅より大きく、発熱部18領域からはみ出すようになってもよい。
これに対し、図3(b)に示すように、突出構造体13を形成しない場合には、これは従来技術の場合に相当しているが、発熱部18を流れる電流密度Cはほぼ一様である。このために、図7を用いて説明したように、発熱部18の中央線領域のピーク温度Tpと所要温度Taとの差の低減が難しくなっていた。
上述したような理由から、図1および図2で説明した本実施形態における発熱部18の発熱における温度分布の一例である図4の実線で示すように、同図の点線に示す従来技術の場合に較べて、ピーク温度が下がり、発熱部領域での温度差が低減し温度分布の一様化が容易になる。ここで、横軸は発熱部長さ方向の位置をとり、縦軸に放射温度計で計測した発熱部中央線上の温度をとっている。具体的には、図4において従来技術の説明で述べた所要温度Taを250℃とすると、そのピーク温度Tpは280℃程度になり従来技術の場合の350℃から大幅に低下し、その温度差が低減する。そして、この場合の有効発熱体長はLxは80μm程度になる。
また、図5の実線で示すように、発熱部幅方向における温度分布においても、同図の点線に示す従来技術の場合に較べて、上述したような理由からピーク温度が低下し、温度差が低減し一様化することが分かる。ここで、横軸は発熱部幅方向の位置をとり、縦軸に放射温度計で計測したピーク温度位置を通る発熱部幅方向における温度をとっている。そして、この場合の有効発熱体幅をLyとするとその値は30μm程度になり、発熱部18の幅寸法とほぼ同程度になる。なお、上記突出構造体13による発熱部18における温度差の低減および温度分布の一様化は、サーマルヘッドの用途により所要温度Taが種々に異なっても全く同様にできる。
また、本実施形態では、発熱部18の電気抵抗は、突出構造体13により発熱抵抗体層が上方に突出することから、突出構造体13のない従来技術の場合に較べて少し上昇する。このため、発熱部18の消費電力は例えば3〜5%程度小さくできる。さらに、有効発熱体長Lx、Lyは従来技術の場合よりも増大させることができる。
このように、本実施形態では、サーマルヘッドの発熱部18の下部に上方に突出する突出構造体13が形成されている。ここで、この突設構造体13は、発熱部18の発熱部長さ方向の電気抵抗において、その中央線に沿う通電電極間の距離が最も長くなり、その中央線から離れるに従い上記通電電極間の距離が小さくなるように形設される。このため、サーマルヘッドの動作において、通電電極を通して電源からの給電が行われると、通電電極間で流れる電流は、発熱部18の中央線の領域を流れる電流密度が小さくなり、上記中央線から外側に離れるに従いその電流密度が増大するようになる。そして、発熱部18におけるピーク温度が低減され、発熱部の幅方向の両側での発熱温度が高くなる。このようにして、サーマルヘッドの発熱部18での温度差の低減が可能になり温度分布が容易に一様化できるようになる。
そして、本実施形態のサーマルヘッドは、カラー写真印刷の場合のような高精細の画像形成が高速で行えるようになる。また、通電電極間の離間距離を大きくすることなく例えば固定し、例えば製版機やオフセット印刷等に充分に適用できるようになる。
また、本実施形態のサーマルヘッドでは、突出構造体13以外の構造が同一になる従来構造のサーマルヘッドの場合に較べて、その消費電力が低減するようになる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、上述した実施形態は本発明を限定するものでない。当業者にあっては、具体的な実施態様において本発明の技術思想および技術範囲から逸脱せずに種々の変形・変更を加えることが可能である。
本発明の実施形態を説明するためのサーマルヘッドの抵抗体基板部の一部を抜き出した上面図。 図1のX−X矢視の一部拡大断面図。 本発明の実施形態の作用効果の説明に供するためのサーマルヘッドの発熱部の模式的な拡大上面図。 本発明の実施形態における発熱部の発熱特性を説明するための温度分布図。 本発明の実施形態における発熱部の発熱特性を説明するための別の温度分布図。 従来技術のサーマルヘッドにおける抵抗体基板部の一部拡大断面図。 従来技術における発熱部の発熱状態の説明に供する模式的な温度分布図。
符号の説明
11…支持基板,12…グレーズ層,12a…盛上がり部,13…突出構造体,14…発熱抵抗体層,15…個別電極,16…共通電極,17…折り返し電極,18…発熱部,19…保護層,20…第1の電極,21…第2の電極

Claims (5)

  1. 支持基板と、
    前記支持基板の表面に形成した絶縁体材料から成るグレーズ層と、
    前記グレーズ層を含む前記支持基板の表面に形成した発熱抵抗体層と、
    前記発熱抵抗体層上に間隙を設けて形成した電極を複数組配列して成る発熱素子群と、
    前記電極の間隙部分に露出する前記発熱抵抗体層を前記発熱素子の発熱部とし、該発熱部を少なくとも被覆して前記保温層上および前記支持基板上に積層する保護層と、を有し、
    前記発熱部の下部にあって上方に突出する突出構造体が前記グレーズ層上に形成されていることを特徴とするサーマルヘッド。
  2. 前記突出構造体は、その上部の前記発熱部を流れる電流の分布を変えて、前記発熱部におけるピーク温度を低減させる構造になっていることを特徴とする請求項1に記載のサーマルヘッド。
  3. 前記突出構造体は、その表面が前記発熱部に覆われていることを特徴とする請求項1又は2に記載のサーマルヘッド。
  4. 前記突出構造体は、その表面が凸状の球面、楕円体面、放物面および双曲面のいずれかの形状になっていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のサーマルヘッド。
  5. 前記突出構造体は、前記グレーズ層と同一絶縁体材料により形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載のサーマルヘッド。
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