JP2010074889A - ステータ及びステータの製造方法 - Google Patents

ステータ及びステータの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コイルの引き出し線を容易に接続することができるステータ及びステータの製造方法を提供する。
【解決手段】引き出し線としての渡り線11c,12cが、ステータ3の軸方向端面3aに対し略平行になるように形成される。そして、渡り線11c,12cは接続部材15を介して溶接にて接合され、その溶接接合部Pは、ステータ3の軸方向端面3aと非対向な部位に設定される。
【選択図】図2

Description

本発明は、ブラシレスモータのステータ及びそのステータの製造方法に関するものである。
従来、ブラシレスモータのステータは、放射状に延びる複数のティース部を有する環状のステータコアと、各ティース部に巻装されたコイルとを備え、その各コイルから引き出された引き出し線は、所定の態様で結線されている。例えば特許文献1に開示されるステータでは、コイルの引き出し線(導線の端部)は軸方向に延出されるとともに、その延出部分において、3相(U相、V相及びW相)の駆動電流にそれぞれ対応する給電用ターミナルや中性点を形成するための中性点ターミナルに対して溶接等により接合されている。そして、給電用ターミナルからコイルに駆動電流が供給されると、ステータに回転磁界が発生し、その回転磁界に基づいてロータが回転するようになっている。
特開2006−136089号公報
しかしながら、上記のようなステータでは、コイルの引き出し線を接合する際に、引き出し線を軸方向に延出させる工程が必要であり、また、引き出し線を延出させた状態での溶接が必要であるため、引き出し線の接合工程が煩雑なものとなっていた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、コイルの引き出し線を容易に接合することができるステータ及びステータの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、放射状に延びる複数のティース部を有する環状のステータコアと、前記各ティース部に巻装されたコイルとを備えたブラシレスモータのステータにおいて、前記コイルから引き出され、前記ステータの軸方向端面に対し略平行になるように形成された引き出し線を有し、前記引き出し線同士、又は前記引き出し線と他の導電性部材とは、溶接にて電気的に接続され、その溶接接合部は、前記ステータの軸方向端面と非対向な部位に設定されたことをその要旨とする。
この発明では、コイルから引き出された引き出し線を、ステータの軸方向端面に対して略平行とした状態で溶接することが可能となる。従って、溶接時に引き出し線を軸方向に延出させる工程が不要となるとともに、引き出し線を延出させた状態で溶接しなくても済むため、コイルの引き出し線を容易に接合することができる。また、コイルの引き出し線がステータの軸方向端面に対し略平行をなすため、ステータ全体の軸方向長さを抑えることも可能である。更に、引き出し線の溶接接合部が、ステータの軸方向端面と非対向な部位に設定されるため、該溶接接合部がティース部に巻装されたコイルと対向しないように構成でき、引き出し線とコイルとの間の絶縁信頼性を向上させることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のステータにおいて、前記引き出し線同士、又は前記引き出し線と他の導電性部材とは、互いに跨る接続部材を介して接合されるものであり、前記引き出し線又は前記他の導電性部材と前記接続部材との間に前記溶接接合部がそれぞれ設定されることをその要旨とする。
この発明では、引き出し線同士、又は引き出し線と他の導電性部材とを、強固に接合をすることが可能となる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のステータにおいて、前記引き出し線は、断面円状をなすものであって、前記接続部材は、前記引き出し線と面接触するとともに溶接にて接合される円弧状部を有することをその要旨とする。
この発明では、引き出し線と接続部材との接合の信頼性を向上させることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のステータにおいて、前記接続部材の円弧状部には、前記引き出し線の前記円弧状部からの脱落を防止するための保持部が設けられたことをその要旨とする。
この発明では、保持部により引き出し線が円弧状部から脱落してしまうことを防止することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のステータにおいて、前記引き出し線は、レーザ溶接にて接合されたことをその要旨とする。
この発明では、ごく短い時間での溶接が可能となるため、コイル等の引き出し線の周囲に位置する部材に対する熱影響を小さく抑えることが可能となる。また、レーザの照射側を溶融させて溶接することが可能であるので、反照射側にあるティースに巻装されたコイルに損傷を与えない。それゆえに、当該コイルと引出し線等を軸方向に近接させることができ、ステータの軸方向長さを抑えることができる。さらに、レーザ光を用いた場合には、前記コイルと引出し線等の間に電極を配置する必要がなく、一層ステータの軸方向長さを抑えることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のステータにおいて、前記複数のコイルは、U相、V相、W相の3相に分類されてなり、周方向に隣り合う前記ティース部に異相の前記コイルを連続して巻回することで、その異相のコイル間に掛け渡される前記引き出し線としてのU−V相間渡り線、V−W相間渡り線及びW−U相間渡り線を備え、その各渡り線が前記溶接接合部にて互いに電気的に接続されて、中性点が構成されたことをその要旨とする。
この発明では、引き出し線としての各渡り線を容易に接合することができる。また、各渡り線が周方向に隣り合うコイル間に形成されるため、渡り線を短く構成することが可能となり、渡り線が絡まることを抑制することが可能となる。
請求項7に記載の発明は、放射状に延びる複数のティース部を有する環状のステータコアと、前記各ティース部に巻装されたコイルとを備えたブラシレスモータのステータの製造方法において、前記コイルから引き出した引き出し線を、前記ステータの軸方向端面に対し略平行になるように成形する成形工程と、前記成形工程後、前記引き出し線における前記ステータの軸方向端面と非対向な部位に溶接を施して溶接接合部を形成することで、前記引き出し線同士、又は前記引き出し線と他の導電性部材とを電気的に接続する接合工程とを備えたことをその要旨とする。
この発明では、コイルから引き出された引き出し線を、ステータの軸方向端面に対して略平行とした状態で溶接することが可能となる。従って、溶接時に引き出し線を軸方向に延出させる工程が不要となるとともに、引き出し線を延出させた状態で溶接しなくても済むため、コイルの引き出し線を容易に接合することができる。また、コイルの引き出し線がステータの軸方向端面に対し略平行をなすため、ステータ全体の軸方向長さを抑えることも可能である。更に、引き出し線の溶接接合部が、ステータの軸方向端面と非対向な部位に設定されるため、該溶接接合部がティース部に巻装されたコイルと対向しないように構成でき、引き出し線とコイルとの間の絶縁信頼性を向上させることができる。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のステータの製造方法において、前記接合工程において、前記引き出し線をレーザ溶接にて接合して前記溶接接合部が形成されることをその要旨とする。
この発明では、ごく短い時間での溶接が可能となるため、コイル等の引き出し線の周囲に位置する部材に対する熱影響を小さく抑えることが可能となる。
請求項9に記載の発明は、請求項7又は8に記載のステータの製造方法において、前記コイルは、表面に皮膜を有する絶縁被覆導線にて構成されるものであって、前記引き出し線は、前記コイルから引き出された前記絶縁被覆導線の一部であり、前記接合工程の前に、前記引き出し線における前記ステータの軸方向端面と非対向な部位にレーザ光を照射してその部位の前記皮膜を除去する皮膜除去工程を備え、前記接合工程において、前記皮膜除去工程にて前記皮膜を除去した部位で前記引き出し線を溶接して前記溶接接合部が形成されることをその要旨とする。
この発明では、引き出し線に溶接を施す前に予めレーザ光を照射して皮膜を除去するため、引き出し線の溶接部分の導電信頼性を向上させることができる。また、皮膜除去に引き続き同方向からレーザ光を照射することにより溶接がなされるので、レーザ設備の移動等もなく作業工数を低減でき安価なステータを提供できる。
請求項10に記載の発明は、請求項7〜9のいずれか1項に記載のステータの製造方法において、前記複数のコイルは、U相、V相、W相の3相に分類されるものであって、隣り合う前記ティース部に連続して導線を巻回することで、その隣り合うティース部にそれぞれ異相の前記コイルを巻装する巻回工程を備え、前記接合工程において、周方向に隣り合う異相の前記コイル間に掛け渡された前記引き出し線としてのU−V相間渡り線、V−W相間渡り線及びW−U相間渡り線を互いに接続することをその要旨とする。
この発明では、コイルの引き出し線としての各渡り線を容易に接合することができる。また、各渡り線が周方向に隣り合うコイル間に形成されるため、渡り線を短く構成することが可能となり、渡り線が絡まることを抑制することが可能となる。
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載のステータの製造方法において、前記巻回工程後、前記U−V相間渡り線、前記V−W相間渡り線及び前記W−U相間渡り線の少なくとも1つを、前記ステータの環状形状に倣った輪状に成形することをその要旨とする。
この発明では、渡り線の輪状形状により各渡り線を容易に接合することができる。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載のステータの製造方法において、前記U−V相間渡り線、前記V−W相間渡り線及び前記W−U相間渡り線のうちの1つを、前記ステータの環状形状に倣った輪状に成形することをその要旨とする。
この発明では、輪状に形成される渡り線が1つであるため、渡り線の長さを必要最小限にすることが可能となり、渡り線の絡まりをより抑制することができる。
請求項13に記載の発明は、請求項10に記載のステータの製造方法において、前記巻回工程後、前記U−V相間渡り線、前記V−W相間渡り線及び前記W−U相間渡り線の少なくとも1つを、周方向に隣り合う前記渡り線まで延びるようにそのアーチ状を閉じるように屈曲して成形することをその要旨とする。
この発明では、渡り線の周方向の寸法を短くすることが可能となるため、渡り線の絡まりをより抑制することができ、渡り線の成形が容易となる。
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載のステータの製造方法において、前記U−V相間渡り線、前記V−W相間渡り線及び前記W−U相間渡り線のうちの2つを、残りの1つの渡り線まで延びるようにそのアーチ状を閉じるように屈曲して成形し、前記接合工程において、前記各渡り線を1つの接続部材を介して接合して前記溶接接合部が形成されることをその要旨とする。
この発明では、各渡り線が1つの接続部材を介して接合されるため、接続部材を介して渡り線を接合する場合の部材点数の増加を最小に抑えることができる。
従って、上記記載の発明によれば、コイルの引き出し線を容易に接続することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1(a)及び図1(b)に示すブラシレスモータ1は、図示しない車両のステアリングホイールに連結された車両操舵軸の作動をアシストするパワーステアリング装置の駆動源として用いられるものである。図1(a)(b)に示すように、有底円筒状のハウジング2の内周面には、略円筒状のステータ3が固定されるとともに、該ステータ3の内側には、ロータ4が回転可能に配置されている。尚、ロータ4は、前記車両操舵軸(図示略)に連結される。そして、ステータ3におけるハウジング2の開口部2a側の端部には、絶縁性を有する合成樹脂材料よりなるホルダ部材5が固定されるとともに、該ホルダ部材5はステータ3の軸線方向一端側を覆っている。
図2(a)に示すように、ステータ3を構成するステータコア6は、環状に配置された複数(本実施形態では12個)の分割コア7の外周側の端部を連結部材9にてそれぞれ連結してなり、略円環状をなしている。各分割コア7には、径方向内側に向かって延びるティース部8が形成され、該各ティース部8は所定角度(図において30°)毎に配置されている。尚、説明の便宜のため、図2(a)のステータ3における右斜め下に位置するティース部8から、時計回りに順次8a〜8lの符号を付している。
各ティース部8a〜8lには、その軸方向の両端面及び周方向の両側面を被覆するボビン10(図2(b)参照)が軸方向の両側から装着されるとともに、その各ボビン10の上からコイルCが巻装されている。コイルCは、供給される3相の駆動電流(U相、V相、W相)に応じて、U相コイルU1〜U4、V相コイルV1〜V4、W相コイルW1〜W4にそれぞれ分類されている。
U相コイルU1〜U4、V相コイルV1〜V4、W相コイルW1〜W4は、各相4つのうちの2つが、周方向に隣り合う2つのティース部8にそれぞれ巻装されるとともに、それら2つのティース部8の180°対向位置にある2つのティース部8に、各相の残りの2つがそれぞれ巻装されている。詳しくは、各ティース部8には、ティース部8a〜ティース部8lまで時計回りに順次、V相コイルV1、U相コイルU4,U3、W相コイルW3,W4、V相コイルV3,V4、U相コイルU1,U2、W相コイルW2,W1が巻装されている。
この各コイルU1〜W4は、ティース部8に集中巻きされた3本の導線(第1の導線11、第2の導線12及び第3の導線13)から構成されている。図4は、第1〜第3の導線11〜13の巻回態様を模式的に示す結線図であり、同図では、各コイルCを上記したV相コイルV2からW相コイルW1の順で左から並べて示している。この図4に示すように、第1の導線11は、V相コイルV2,V1及びU相コイルU4,U3を構成しており、第2の導線12は、W相コイルW3,W4及びV相コイルV3,V4を構成しており、そして、第3の導線13は、U相コイルU1,U2及びW相コイルW2,W1を構成している。つまり、これら第1〜第3の導線11〜13はそれぞれ、周方向に連続する4つのティース部8に連続して巻回されている。尚、各導線11〜13は、導電性の金属材料(本実施形態では銅)よりなる金属線の表面に絶縁皮膜が施された絶縁被覆導線であり、その断面形状は円状をなしている(図5参照)。
第1の導線11は、ティース部8aに正巻(本実施形態では、ティース部8の先端側から見て反時計回りに巻回)されるとともに、隣り合うティース部8bに掛け渡されて、該ティース部8bには逆巻(時計回りに巻回)されている。これにより、ティース部8a,8bにそれぞれV相コイルV2,V1が巻装されている。尚、第1の導線11の始端部は、V相コイルV2からホルダ部材5側に延出されて、第1V相動力線11aを構成している。また、U相コイルU1,U2間に掛け渡される線である同相間渡り線14は、ステータ3におけるホルダ部材5とは反対側の端部に形成されている。
また、第1の導線11は、ティース部8bから隣り合うティース部8cに掛け渡されて該ティース部8cに正巻されるとともに、そこから更に、隣り合うティース部8dに掛け渡されて該ティース部8dに逆巻され、これにより、ティース部8c,8dにそれぞれU相コイルU4,U3が巻装されている。そして、第1の導線11の終端部は、U相コイルU3から前記第1V相動力線11aと同じ側に延出されて、第1U相動力線11bを構成している。また、互いに隣り合うV相コイルV1とU相コイルU4との間に掛け渡される線であるU−V相間渡り線11c(引き出し線)は、第1V相動力線11a及び第1U相動力線11bと同じ側に延出形成されている。尚、U相コイルU4,U3間に掛け渡される線である同相間渡り線14は、U−V相間渡り線11cとは反対側に形成されている。
第2の導線12は、ティース部8e〜8hに対し、上記第1の導線11と略同様に巻回されている。そして、該第2の導線12によりティース部8e〜8hにそれぞれW相コイルW3,W4及びV相コイルV3,V4が巻装されているが、互いに隣り合うW相コイルW4とV相コイルV3との間に掛け渡される線であるV−W相間渡り線12c(引き出し線)の長さは、上記U−V相間渡り線11cの長さよりも短く形成されている。このV−W相間渡り線12cは、ステータ3の軸方向端面3a(ステータ3をおおまかに筒状体として見たときの軸方向端面)から若干離間するようなアーチ状に形成されている(図3参照)。
また、第3の導線13は、ティース部8i〜8lに対し、上記第2の導線12と同様に巻回されており、該第3の導線13によりティース部8i〜8lにそれぞれU相コイルU1,U2及びW相コイルW2,W1が巻装されている。つまり、互いに隣り合うU相コイルU2とW相コイルW2との間に掛け渡される線であるW−U相渡り線13c(引き出し線)は、前記第2の導線12のV−W相間渡り線12cと等しい長さに形成されている(図3参照)。
前記第1の導線11のU−V相間渡り線11cは、図2(b)に示すように、V相コイルV1及びU相コイルU4から延出する根本部分で略直角に屈曲されるとともに、ステータ3の軸方向端面3aに沿うように形成されている。即ち、U−V相間渡り線11cは、ステータ3の軸方向端面3aに対して略平行になるように屈曲形成されている。また、U−V相間渡り線11cは、図3に示すように、ステータ3の環状形状に倣って、該ステータ3の内径以上、外径以下に収まる輪状に形成されている。このようなU−V相間渡り線11cは、V−W相間渡り線12c及びW−U相渡り線13cとそれぞれ結線可能な必要最小限の長さに形成されている。そして、そのU−V相間渡り線11cは、V−W相間渡り線12cとW−U相渡り線13cとにそれぞれ接続部材15を介して結線されている。尚、V−W相間渡り線12c及びW−U相渡り線13cはそれぞれ、U−V相間渡り線11cと結線可能な長さに形成されるとともに、ステータ3の軸方向端面3aに対して略平行になるように形成されている。
図5(a)(b)に示すように、接続部材15は、金属板のプレス加工よりなり、該接続部材15には、渡り線11c〜13cの表面と面接触可能な2つの円弧状部15aが一体に形成されている。各円弧状部15aは半円状をなし、該各円弧状部15aにおける周方向の開放端部には、周方向に突出する保持部としての保持爪15bが形成されている。2つの円弧状部15aのうちの一方にはU−V相間渡り線11cが嵌め込まれ、もう一方の円弧状部15aにはV−W相間渡り線12c(又はW−U相渡り線13c)が嵌め込まれている。そして、U−V相間渡り線11cは、接続部材15を介してV−W相間渡り線12c及びW−U相渡り線13cと電気的に接続され、これにより、中性点が構成されている。尚、渡り線11c〜13cは、保持爪15bによって円弧状部15aからの脱落が防止されている。
図1に示すように、前記ホルダ部材5は、その円環状の底部5aから軸方向に延びるように形成されハウジング2の内周面に固定される外側筒部5bと、底部5aから外側筒部5bの内側に延びる内側筒部5cとを有している。そして、外側筒部5bと内側筒部5cとの間には、軸方向に窪む渡り線収容凹部5dが形成されており、該渡り線収容凹部5dには、互いに結線されたU−V相間渡り線11c、V−W相間渡り線12c、及びW−U相渡り線13cが収容されている。また、ホルダ部材5は、径方向に延びるように形成された3つの切り欠き部5eを有し、各切り欠き部5eには3相の駆動電流にそれぞれ対応する給電用ターミナル21a、21b、21cが保持されている。
図1及び図2に示すように、V相コイルV2から導出された第1V相動力線11aは、V相コイルV4から導出された第2V相動力線12b(第2の導線12の終端部)までステータ3の環状に沿って延び、各V相動力線11a,12bは前記給電用ターミナル21aにTig溶接等により電気的に接続されている。また、U相コイルU3から導出された第1U相動力線11b(第1の導線11の終端部)は、U相コイルU1から導出された第2U相動力線13a(第3の導線13の始端部)までステータ3の環状に沿って延び、各U相動力線11b,13aは前記給電用ターミナル21bにTig溶接等により電気的に接続されている。また、W相コイルW3から導出された第1W相動力線12a(第2の導線12の始端部)、及びW相コイルW1から導出された第2W相動力線13b(第3の導線13の終端部)はそれぞれ、U相コイルU2よりややU相コイルU1よりの位置まで延びている。そして、各W相動力線12a,13bは前記給電用ターミナル21cにTig溶接等により電気的に接続されている。上記の各相の動力線11a〜13bには、各給電用ターミナル21a,21b,21cを介して、対応する相の駆動電流が供給されるようになっている。
図1(a)に示すように、前記ロータ4を構成する回転軸31は、前記ハウジング2内に設けられた一対の軸受32(1つのみ図示)にて軸支されている。そして、回転軸31には、円筒状のロータコア33が固定されるとともに、該ロータコア33の外周面には所定角度ごとに異なる極性(N極、S極)に着磁されたマグネット34が固着されている。
上記のように構成されたブラシレスモータ1では、図示しない駆動回路からそれぞれ120°の位相差を持つ前記3相の駆動電流が各給電用ターミナル21a,21b,21cを介して、各コイルU1〜W4に供給される。すると、各コイルU1〜W4がそれぞれ励磁されてステータ3に回転磁界が発生し、その回転磁界に基づいてロータ4が回転する。
次に、上記のように構成されたステータ3の製造方法について説明する。
まず、各ティース部8が平行となるように各分割コア7を直線状に配置し、ステータコア6が展開状態とする。尚、この展開状態において、各分割コア7は連結部材9にて外周側端部が回動可能に連結される。この展開状態で、各ティース部8にコイルU1〜W4を巻装する巻回工程が行われる。
巻回工程では、図示しない巻線機を用いて、第1〜第3の導線11〜13が各ティース部8に上記したような態様で集中巻きされる。第1の導線11はティース部8a〜8dの順に、第2の導線12はティース部8e〜8hの順に、そして、第3の導線13はティース部8i〜8lの順に、それぞれ連続して巻回される。このとき、U−V相間渡り線11cは、V−W相間渡り線12c及びW−U相渡り線13cと結線可能な長さに引き出される。尚、この巻回は第1〜第3の導線11〜13毎に順次行ってもよく、また、第1〜第3の導線11〜13を同時に巻回してもよい。
次に、展開状態のステータ3を、各ティース部8a〜8lの先端が径方向内側を向くように丸めて環状に成形する環状化工程を行う。この工程を経て、ステータ3は図6に示すような状態となる。本実施形態では、ステータ3に存在する渡り線(異相間の各渡り線11c〜13c及び各同相間渡り線14)が、全て隣り合うコイルU1〜W4間に跨るものであるため、各渡り線を短く構成でき、これにより、環状化工程の際に渡り線同士が絡まり合うことが抑制されるようになっている。その結果、ステータ3の環状化工程を容易に行うことが可能となっている。
次に、U−V相間渡り線11cを所定の形状に成形する渡り線成形工程を行う。渡り線成形工程では、図示しない治具を用いて、U−V相間渡り線11cがステータ3の環状形状に倣った輪状に成形され、その後、ステータ3側に略直角に倒される。これにより、U−V相間渡り線11cは、ステータ3の軸方向端面3aに対して略平行になるように形成される。この工程においても、ステータ3に存在する渡り線が、全て隣り合うコイルU1〜W4間に跨るものであるため、渡り線同士の絡まりが抑制されており、U−V相間渡り線11cを容易に成形することができるようになっている。
次に、図7(a)に示すように、渡り線11c〜13cにおける所定箇所の皮膜を除去する皮膜除去工程を行う。この工程では、図示しないレーザ光出射器からステータ3の軸方向端面3a側に向けてレーザ光を出射し、そのレーザ光を渡り線11c〜13cにおけるステータ3の軸方向端面3aと非対向な部位に照射する。これにより、渡り線11c〜13cにおけるレーザ光が照射された部分の皮膜が除去されて、渡り線11c〜13cの表面に皮膜除去部Rが形成される。
次に、各渡り線11c〜13cを接続部材15を介して互いに電気的に接続する接合工程を行う。接合工程では、まず、図7(b)に示すように、接続部材15が渡り線11c〜13cにおける皮膜除去部R上に載置される。このとき、各接続部材15の2つの円弧状部15aのうちの一方にはU−V相間渡り線11cが嵌め込まれ、もう一方の円弧状部15aにはV−W相間渡り線12c(又はW−U相間渡り線13c)が嵌め込まれる。これにより、円弧状部15aの内面と皮膜除去部Rとが面接触するようになっている。
次に、図7(c)に示すように、接続部材15と渡り線11c〜13cとがレーザ溶接により接合される。この溶接の工程では、接続部材15の各円弧状部15a上面に、ステータ3の軸方向端面3a側に出射されるレーザ光を照射する。すると、レーザ光によって円弧状部15aに貫通孔が形成され、円弧状部15aの内面と渡り線11c〜13cの上面とが溶接接合される。即ち、接続部材15と渡り線11c〜13cとの溶接接合部Pは、ステータ3の軸方向端面3aに対し非対向な部位に設定されている(図2及び図5参照)。このようにして、U−V相間渡り線11cがV−W相間渡り線12c及びW−U相間渡り線13cのそれぞれに電気的に接続されるようになっている。
尚、溶接の工程でのレーザ光の出射方向は、前記皮膜除去工程でのレーザ光の出射方向と同方向であり、この溶接の工程において皮膜除去工程で用いたのと同一のレーザ光出射器を用いることが可能である。
以上のように、本実施形態のステータ3では、接続部材15と渡り線11c〜13cとの溶接接合部Pが、ステータ3の軸方向端面3aに対して非対向な部位に設定されているため、渡り線11c〜13cをステータ3の軸方向端面3aに対し略平行とした状態で溶接接合することが可能となっている。これにより、溶接時に渡り線11c〜13cを軸方向に延出させる工程が不要となるとともに、渡り線11c〜13cを延出させた状態で溶接しなくても済むため、渡り線11c〜13cと接続部材15とを容易に接合することが可能となっている。また、渡り線11c〜13cがステータ3の軸方向端面3aに対し略平行をなすため、ステータ3全体の軸方向長さを抑えることも可能となっている。更に、該溶接接合部PがコイルCと対向しないように構成されるため、渡り線11c〜13cとコイルCとの間の絶縁信頼性が向上するようになっている。
上記した接合工程を経て、各渡り線11c〜13cは図2及び図3に示すような状態となる。次に、各相の動力線11a〜13bが上記した態様となるように成形されて、ホルダ部材5の各給電用ターミナル21a〜21cに対応する位置に配置され、その後、各動力線11a〜13bは径方向外側に導出される。
次に、このようにして形成されたステータ3が前記ハウジング2に組み付けられる。その後、ハウジング2にホルダ部材5が組み付けられて、各渡り線11c〜13cがホルダ部材5の渡り線収容凹部5dに収容される。次に、各動力線11a〜13bがホルダ部材5の切り欠き部5eに挿通されて、対応する相の給電用ターミナル21a〜21cに電気的に接続されるようになっている。
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)本実施形態では、引き出し線としての渡り線11c〜13cが、ステータ3の軸方向端面3aに対し略平行になるように形成される。そして、渡り線11c〜13cは接続部材15を介して溶接にて接合され、その溶接接合部Pは、ステータ3の軸方向端面3aと非対向な部位に設定される。これにより、渡り線11c〜13cをステータ3の軸方向端面3aに対し略平行になるように屈曲させた状態で溶接接合することが可能となる。従って、溶接時に渡り線11c〜13cを軸方向に延出させる工程が不要となるとともに、渡り線11c〜13cを延出させた状態で溶接しなくても済むため、渡り線11c〜13cを容易に接合することができる。また、渡り線11c〜13cがステータ3の軸方向端面3aに対し略平行をなすため、ステータ3全体の軸方向長さを抑えることも可能である。更に、溶接接合部Pが、ステータ3の軸方向端面3aと非対向な部位に設定されるため、該溶接接合部PがコイルCと対向しないように構成でき、渡り線11c〜13cとコイルCとの間の絶縁信頼性を向上させることができる。
(2)本実施形態では、渡り線11c〜13cが接続部材15を介して接合されるものであり、渡り線11c〜13cと接続部材15との間に溶接接合部Pが設定されるため、渡り線11c〜13cの接合を強固にすることが可能となる。
(3)本実施形態では、接続部材15は、渡り線11c〜13cと面接触するとともに溶接にて接合される円弧状部15aを有するため、渡り線11c〜13cと接続部材15との接合の信頼性を向上させることができる。
(4)本実施形態では、接続部材15の円弧状部15aに保持爪15bが設けられるため、該保持爪15bにより渡り線11c〜13cが円弧状部15aから脱落してしまうことを防止することができる。
(5)本実施形態では、渡り線11c〜13cがレーザ溶接にて接合されるため、ごく短い時間での溶接が可能となり、コイルC等の渡り線11c〜13cの周囲に位置する部材に対する熱影響を小さく抑えることが可能となる。また、レーザの照射側を溶融させて溶接することが可能であるので、反照射側にあるティース部8に巻装されたコイルCに損傷を与えない。それゆえに、当該コイルCと渡り線11c〜13c等を軸方向に近接させることができ、ステータ3の軸方向長さを抑えることができる。さらに、レーザ光を用いた場合には、前記コイルCと渡り線11c〜13c等の間に電極を配置する必要がなく、一層ステータ3の軸方向長さを抑えることができる。
(6)本実施形態では、複数のコイルCは、U相、V相、W相の3相に分類されてなり、周方向に隣り合うティース部8に異相のコイルU1〜W4を連続して巻回することで、その異相のコイルU1〜W4間に掛け渡されるU−V相間渡り線11c、V−W相間渡り線12c及びW−U相間渡り線13cを備え、その各渡り線11c〜13cが互いに接続されて、中性点が構成される。これにより、異相間の各渡り線11c〜13cが周方向に隣り合うコイルC間に形成されるため、渡り線11c〜13cを短く構成することが可能となり、渡り線11c〜13cが絡まることを抑制することが可能となる。
(7)本実施形態では、コイルCは、表面に皮膜を有する絶縁被覆導線にて構成されるものであって、渡り線11c〜13cは、コイルCから引き出された絶縁被覆導線の一部である。そして、接合工程の前に、渡り線11c〜13cにおけるステータ3の軸方向端面3aと非対向な部位にレーザ光を照射してその部位の皮膜を除去する皮膜除去工程を備え、接合工程において皮膜除去部Rで渡り線11c〜13cを溶接して溶接接合部Pが形成される。即ち、渡り線11c〜13cに溶接を施す前に予めレーザ光を照射して皮膜を除去するため、溶接接合部Pの導電信頼性を向上させることができる。また、皮膜除去に引き続き同方向からレーザ光を照射することにより溶接がなされるので、レーザ設備の移動等もなく作業工数を低減でき安価なステータ3を提供できる。
(8)本実施形態では、U−V相間渡り線11cが、ステータ3の環状形状に倣った輪状に形成されるため、渡り線の輪状形状により各渡り線11c〜13cを容易に接合することができる。また、異相間の各渡り線11c〜13cの長さを必要最小限にすることが可能となり、渡り線11c〜13cの絡まりをより抑制することができる。
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、渡り線11c〜13cは接続部材15を介して接続されたが、図8に示すように、渡り線11c〜13c同士を直接接合してもよい。また、この場合、図9に示すように、渡り線11c〜13cの下側(ステータ3の軸方向端面3aと対向する側)に、接合された渡り線11c〜13cを保持するホルダ20を設けてもよい。このような構成によれば、渡り線11c〜13c同士の接合の信頼性を向上させることができる。
・上記実施形態では、U−V相間渡り線11cは輪状に形成されたが、図10に示すように、U−V相間渡り線11cを切断して形成された2つの切断線41を、それぞれV−W相間渡り線12c及びW−U相渡り線13cに結線する構成としてもよい。尚、切断する渡り線は異相間の各渡り線11c〜13cのいずれでもよく、また、該各渡り線11c〜13cのうちの2つ、又は全てを切断する構成としてもよい。このような構成によれば、異相間の渡り線をより短くすることが可能となる。
・異相間の各渡り線11c〜13cの結線態様は上記実施形態の限りでない。例えば、図11に示すように、V−W相間渡り線51は、そのアーチ状を閉じるように屈曲されるとともに、ステータ3の環状形状に倣ってU−V相間渡り線52まで延びている。つまり、V−W相間渡り線51のうちのV相コイルV3から導出された部分とW相コイルW4から導出された部分とが共に、周方向の一方に延びている。そして、V−W相間渡り線51はU−V相間渡り線52と接続部材15にて結線されている。また、W−U相渡り線53も同様に、そのアーチ状を閉じるように屈曲されるとともに、ステータ3の環状形状に倣ってV−W相間渡り線51まで延び、該V−W相間渡り線51と接続部材15にて結線されている。このような構成によっても、各渡り線51〜53の周方向の寸法を短くすることが可能となるため、各渡り線51〜53の絡まりを抑制することができ、各渡り線51〜53を容易に結線することが可能となる。
また、図11に示したステータ3を一部変更して、図12及び図13に示すような構成としてもよい。図12に示すステータ3では、U−V相間渡り線52も、他の渡り線51,53と同様に、そのアーチ状を閉じるように屈曲されるとともに、ステータ3の環状形状に倣ってW−U相渡り線53まで延び、該W−U相渡り53と接続部材15にて結線されている。また、図13に示すステータ3では、W−U相渡り線13cが、ステータ3の環状形状に倣ってU−V相間渡り線52まで延び、該U−V相間渡り線52と結線されている。そして、各渡り線51〜53は1つの接続部材54にて結線されている。図12及び図13に示すような構成によっても、各渡り線51〜53を容易に結線することが可能となる。また、図13に示すような構成によれば、接続部材を介して渡り線を接合する場合の部材点数の増加を最小に抑えることができる。
・上記実施形態では、U−V相間渡り線11cがステータ3の環状形状に倣った輪状に形成されたが、U−V相間渡り線11cに替えてV−W相間渡り線12c又はW−U相渡り線13cをステータ3の環状形状に倣った輪状に形成してもよい。また、U−V相間渡り線11cに加えてV−W相間渡り線12c及びW−U相渡り線13cのいずれかをステータ3の環状形状に倣った輪状に形成してもよい。
また、図14及び図15に示すように、異相間の渡り線11c〜13cの全てをステータ3の環状形状に倣った輪状に形成してもよい。尚、図14に示すステータ3では、渡り線11c〜13cは1つの接続部材15にて一纏めに結線されている。また、図15に示すステータ3では、各渡り線11c〜13cは、3つの接続部材15にて結線されている。尚、図14に示すような構成によれば、接続部材を介して渡り線を接合する場合の部材点数の増加を最小に抑えることができる。
・上記実施形態では、渡り線11c〜13cは、結線部分においてステータ3の軸方向端面3aに沿って並ぶように構成されたが、軸方向に沿って並ぶように構成してもよい。
・上記実施形態では、溶接接合部Pは渡り線11c〜13cの上側部分(ステータ3の軸方向端面3aとは反対側部分)に設定されたが、特にこれに限定されるものではなく、渡り線11c〜13cの横側部分(レーザ光を軸直交方向から照射して加工可能な部分)に設定してもよい。
・上記実施形態において、接続部材15の円弧状部15aに溶接用の貫通孔を形成してもよい。
・上記実施形態において、皮膜除去工程を省き、溶接時に皮膜を除去してもよい。
・上記実施形態において、渡り線11c〜13cの皮膜の剥離性向上のために、レーザ吸収材(例えばカーボンブラック等)を配合、又は表面に塗布した導線を用いてもよい。
・上記実施形態では、各ティース部8a〜8lが互いに平行となるように分割コア7を直線状に配置した状態で巻回工程を行ったが、各ティース部8a〜8lの先端が径方向外側を向くように分割コア7を環状に配置した状態(逆ぞり状態)で巻回工程を行ってもよい。
・上記実施形態では、ステータコア6を構成する分割コア7の数は12個であるが、特にこれに限定されるものではなく、12個より少なくてもよく、また、多くてもよい。この場合、コイルの数は分割コアの数に応じて変更される。また、複数の分割コア7からステータコア6を構成したが、ステータコアを分割しない構成としてもよい。
・上記実施形態では、U相コイルU1〜U4、V相コイルV1〜V4、W相コイルW1〜W4は、各相4つのうちの2つが、周方向に隣り合う2つのティース部8にそれぞれ巻装されるとともに、それら2つのティース部8の180°対向位置にある2つのティース部8に、各相の残りの2つがそれぞれ巻装されたが、これ以外に例えば、各相の4つのコイルを周方向に90度間隔で配置するように各ティース部8に巻装してもよい。
・上記実施形態では、各同相間渡り線14は、異相間の各渡り線11c〜13cとは反対側に形成されたが、異相間の各渡り線11c〜13cと同じ側に設けてもよい。
・上記実施形態では、コイルCが3相に分類されたが、特にこれに限定されるものではなく、n相(nは2以上の自然数)としてもよい。
・上記実施形態では、渡り線11c〜13c同士を接合する構成に本発明を適用したが、特にこれに限定されるものではなく、例えば渡り線11c〜13cと他の導電性部材(例えばターミナル)を接合する構成に適用してもよく、また、各動力線11a〜13b(コイルを構成する導線の端部)を接合する構成に適用してもよい。
・上記実施形態では、接続部材15(又はホルダ20)がステータコア6に固定されていないが、接続部材15(又はホルダ20)に嵌合突起を設けて、該嵌合突起をステータコア6のインシュレータに形成した溝部に挿入し嵌合固定させるものであってもよい。このようにすることで、コイルCの渡り線11c〜13c(引き出し線)の保持を確実として溶接を容易とするとともに、外部振動による耐性を向上させることができる。
(a)本実施形態のブラシレスモータの断面図、(b)ブラシレスモータの平面図。 (a)本実施形態のステータの平面図、(b)ステータの断面図。 異相間の渡り線を説明するための概略平面図。 コイルの結線図。 (a)渡り線の接合部分について説明するための断面図、(b)渡り線の接合部分について説明するための側面図。 環状化工程後のステータを示す斜視図。 (a)皮膜除去工程を示す概略図、(b)接合工程を示す概略図、(c)接合工程を示す概略図。 別例の渡り線の接合態様を説明するための説明図。 別例の渡り線の接合態様を説明するための説明図。 別例のステータを示す概略平面図。 別例のステータを示す概略平面図。 別例のステータを示す概略平面図。 別例のステータを示す概略平面図。 別例のステータを示す概略平面図。 別例のステータを示す概略平面図。
符号の説明
1…ブラシレスモータ、2…ハウジング、3…ステータ、3a…ステータの軸方向端面、4…ロータ、5…ホルダ部材、6…ステータコア、7…分割コア、8(8a〜8l)…ティース部、11〜13…第1〜第3の導線、11c,52…U−V相間渡り線(引き出し線)、12c,51…V−W相間渡り線(引き出し線)、13c,53…W−U相渡り線(引き出し線)、15,54…接続部材、15a…円弧状部、15b…保持部としての保持爪、C…コイル、P…溶接接合部、U1〜U4…U相コイル、V1〜V4…V相コイル、W1〜W4…W相コイル。

Claims (14)

  1. 放射状に延びる複数のティース部を有する環状のステータコアと、前記各ティース部に巻装されたコイルとを備えたブラシレスモータのステータにおいて、
    前記コイルから引き出され、前記ステータの軸方向端面に対し略平行になるように形成された引き出し線を有し、
    前記引き出し線同士、又は前記引き出し線と他の導電性部材とは、溶接にて電気的に接続され、その溶接接合部は、前記ステータの軸方向端面と非対向な部位に設定されたことを特徴とするステータ。
  2. 請求項1に記載のステータにおいて、
    前記引き出し線同士、又は前記引き出し線と他の導電性部材とは、互いに跨る接続部材を介して接合されるものであり、前記引き出し線又は前記他の導電性部材と前記接続部材との間に前記溶接接合部がそれぞれ設定されることを特徴とするステータ。
  3. 請求項2に記載のステータにおいて、
    前記引き出し線は、断面円状をなすものであって、
    前記接続部材は、前記引き出し線と面接触するとともに溶接にて接合される円弧状部を有することを特徴とするステータ。
  4. 請求項3に記載のステータにおいて、
    前記接続部材の円弧状部には、前記引き出し線の前記円弧状部からの脱落を防止するための保持部が設けられたことを特徴とするステータ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のステータにおいて、
    前記引き出し線は、レーザ溶接にて接合されたことを特徴とするステータ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のステータにおいて、
    前記複数のコイルは、U相、V相、W相の3相に分類されてなり、
    周方向に隣り合う前記ティース部に異相の前記コイルを連続して巻回することで、その異相のコイル間に掛け渡される前記引き出し線としてのU−V相間渡り線、V−W相間渡り線及びW−U相間渡り線を備え、その各渡り線が前記溶接接合部にて互いに電気的に接続されて、中性点が構成されたことを特徴とするステータ。
  7. 放射状に延びる複数のティース部を有する環状のステータコアと、前記各ティース部に巻装されたコイルとを備えたブラシレスモータのステータの製造方法において、
    前記コイルから引き出した引き出し線を、前記ステータの軸方向端面に対し略平行になるように成形する成形工程と、
    前記成形工程後、前記引き出し線における前記ステータの軸方向端面と非対向な部位に溶接を施して溶接接合部を形成することで、前記引き出し線同士、又は前記引き出し線と他の導電性部材とを電気的に接続する接合工程と
    を備えたことを特徴とするステータの製造方法。
  8. 請求項7に記載のステータの製造方法において、
    前記接合工程において、前記引き出し線をレーザ溶接にて接合して前記溶接接合部が形成されることを特徴とするステータの製造方法。
  9. 請求項7又は8に記載のステータの製造方法において、
    前記コイルは、表面に皮膜を有する絶縁被覆導線にて構成されるものであって、
    前記引き出し線は、前記コイルから引き出された前記絶縁被覆導線の一部であり、
    前記接合工程の前に、前記引き出し線における前記ステータの軸方向端面と非対向な部位にレーザ光を照射してその部位の前記皮膜を除去する皮膜除去工程を備え、
    前記接合工程において、前記皮膜除去工程にて前記皮膜を除去した部位で前記引き出し線を溶接して前記溶接接合部が形成されることを特徴とするステータの製造方法。
  10. 請求項7〜9のいずれか1項に記載のステータの製造方法において、
    前記複数のコイルは、U相、V相、W相の3相に分類されるものであって、
    隣り合う前記ティース部に連続して導線を巻回することで、その隣り合うティース部にそれぞれ異相の前記コイルを巻装する巻回工程を備え、
    前記接合工程において、周方向に隣り合う異相の前記コイル間に掛け渡された前記引き出し線としてのU−V相間渡り線、V−W相間渡り線及びW−U相間渡り線を互いに接続することを特徴とするステータの製造方法。
  11. 請求項10に記載のステータの製造方法において、
    前記巻回工程後、前記U−V相間渡り線、前記V−W相間渡り線及び前記W−U相間渡り線の少なくとも1つを、前記ステータの環状形状に倣った輪状に成形することを特徴とするステータの製造方法。
  12. 請求項11に記載のステータの製造方法において、
    前記U−V相間渡り線、前記V−W相間渡り線及び前記W−U相間渡り線のうちの1つを、前記ステータの環状形状に倣った輪状に成形することを特徴とするステータの製造方法。
  13. 請求項10に記載のステータの製造方法において、
    前記巻回工程後、前記U−V相間渡り線、前記V−W相間渡り線及び前記W−U相間渡り線の少なくとも1つを、周方向に隣り合う前記渡り線まで延びるようにそのアーチ状を閉じるように屈曲して成形することを特徴とするステータの製造方法。
  14. 請求項13に記載のステータの製造方法において、
    前記U−V相間渡り線、前記V−W相間渡り線及び前記W−U相間渡り線のうちの2つを、残りの1つの渡り線まで延びるようにそのアーチ状を閉じるように屈曲して成形し、
    前記接合工程において、前記各渡り線を1つの接続部材を介して接合して前記溶接接合部が形成されることを特徴とするステータの製造方法。
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