JP2010074523A - 犠牲層のエッチング方法、memsデバイスの製造方法およびmemsデバイス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シリコン基板2上に犠牲酸化膜29を形成し、犠牲酸化膜29を、シリコン基板2の一方面に対向する対向部17と、シリコン基板2の一方面に形成された段差部19と、対向部17と段差部19とを連設する側部18とを有する表面膜11で被覆する。次いで、側部18に、犠牲酸化膜29とのエッチング選択比が、表面膜11の犠牲酸化膜29とのエッチング選択比よりも大きい材料からなる保護膜16を形成する。そして、犠牲酸化膜29をエッチングして、表面膜11をシリコン基板2との間に中空部分を有する状態で支持される中空支持膜とすることにより、シリコンマイク1を得る。
【選択図】図2I
Description
図3A〜図3Iは、従来のシリコンマイクの製造方法を工程順に示す模式的な断面図である。
次いで、図3Bに示すように、熱酸化膜111が一方側からエッチングされることにより、熱酸化膜111に、複数の凹部112が形成される。
次いで、図3Hに示すように、表面膜107における孔106に対向する部分がエッチングされる。これにより、表面膜107に、バックプレート105の孔106に連通する孔118が形成される。
次いで、たとえば、フッ酸を含むエッチング液で満たされた容器内に、シリコン基板102が浸漬(ディップ)される。これにより、開口120を介してシリコン基板102の他方面にエッチング液が供給されて、シリコン基板102がエッチングされる。また、孔116,118を介して犠牲酸化膜122にエッチング液が供給されて、犠牲酸化膜122が除去される。
そして、このシリコンマイク101において、ダイヤフラム104およびバックプレート105は、それらを対向電極とするコンデンサを形成している。このコンデンサ(ダイヤフラム104およびバックプレート105間)には、所定の電圧が印加される。
ところが、酸化シリコンと窒化シリコンとのエッチング選択比は、無限値ではない。そのため、犠牲酸化膜122のエッチング時、エッチング液に晒される表面膜107は、微量ではあるがエッチングされる。そして、表面膜107における犠牲酸化膜122の側面に対向する部分では、表面膜107のその他の部分よりも被膜性(カバレッジ)に乏しいため、エッチング液による浸食量が大きく、エッチングによる損傷を生じるおそれがある。
また、本発明の別の目的は、犠牲層を被覆する被覆膜を形成し、その犠牲層をエッチングすることにより形成される中空支持膜を有するMEMSデバイスの製造方法において、エッチングによる中空支持膜の損傷の発生を抑制することのできるMEMSデバイスの製造方法およびその製造方法により製造されるMEMSデバイスを提供することにある。
そして、この犠牲層のエッチング方法は、たとえば、請求項3に記載の発明に採用される。つまり、請求項3に記載の発明は、基板の一方面上に突出した形状の犠牲層を形成する工程と、前記犠牲層を被覆する被覆膜を形成する工程と、前記被覆膜における前記犠牲層の側面に対向する部分上に、前記犠牲層とのエッチング選択比が、前記被覆膜の前記犠牲層とのエッチング選択比よりも大きい材料からなる保護膜を形成する工程と、前記犠牲層をエッチングにより除去することにより、前記被覆膜と前記基板との間に空間を形成し、前記被腹膜を前記一方面との間に中空部分を有する状態で支持される中空支持膜とする工程とを含む、MEMSデバイスの製造方法である。
そして、このMEMSデバイスの製造方法により、請求項4に記載のMEMSデバイスを製造することができる。つまり、請求項3に記載の発明により、基板と、前記基板の一方面に対して間隔を空けて対向される対向部と、前記基板の一方面に形成された段差部と、前記対向部と前記段差部とを連設する側部とを一体的に有し、前記一方面との間に中空部分を有する状態で支持される中空支持膜と、前記中空支持膜の側部に選択的に形成された保護膜とを含む、MEMSデバイスを製造することができる。
エッチングによる被覆膜の損傷の発生を抑制する手法として、たとえば、エッチングによる被覆膜の側部の浸食量を予め推測し、その推測された浸食量に基づいて、被覆膜の厚さを一様に大きくする手法が考えられる。しかし、厚さの大きい被覆膜を形成するには、被覆膜の形成時間を長くする必要がある。したがって、このような手法を、たとえば、請求項3に記載されるようなMEMSデバイスの製造方法(ただし、保護膜を形成する工程を除く。)に採用しても、MEMSデバイスの製造時間が全体として長くなり、生産効率が低下する。
図1は、本発明の一実施形態に係るシリコンマイクの模式的な断面図である。
シリコンマイク1は、MEMS技術により製造されるデバイス(MEMSデバイス)である。シリコンマイク1は、シリコン基板2を備えている。シリコン基板2の中央部には、シリコン基板2の他方側(裏面側)から一方側(表面側)へ貫通し、一方側ほど窄まる(他方側ほど広がる)断面台形状の音孔3(貫通孔)が形成されている。
第1絶縁膜4上には、第2絶縁膜5が積層されている。第2絶縁膜5は、たとえば、PSG(Phospho Silicate Glass:リンシリケートガラス)からなる。
第1絶縁膜4および第2絶縁膜5は、音孔3およびシリコン基板2の一方面における音孔3の周囲の部分(以下、この部分を「貫通孔周辺部」という。)上から除去されている。これにより、貫通孔周辺部は、第1絶縁膜4および第2絶縁膜5から露出している。
ダイヤフラム6は、平面視円形状の部分を有し、音孔3および貫通孔周辺部に対向して、貫通孔周辺部から浮いた状態に配置されている。これにより、片持ち支持されたダイヤフラム6は、シリコン基板2の一方面と対向する方向に振動可能とされている。ダイヤフラム6の下面(貫通孔周辺部との対向面)には、ダイヤフラム6と貫通孔周縁部との密着を防止するための複数の突起状の下ストッパ9が形成されている。
シリコンマイク1の最表面は、表面膜11により被覆されている。表面膜11は、たとえば、窒化シリコンからなり、第2絶縁膜5およびバックプレート10の上面を被覆している。
ダイヤフラム6およびバックプレート10は、それらを対向電極とするコンデンサを形成している。このコンデンサ(ダイヤフラム6およびバックプレート10間)には、所定の電圧が印加される。その状態で、音圧(音波)によりダイヤフラム6が振動すると、コンデンサの静電容量が変化し、この静電容量の変化によるダイヤフラム6およびバックプレート10間の電圧変動が音声信号として取り出される(出力される)。
シリコンマイク1の製造に際しては、まず、図2Aに示すように、熱酸化処理により、シリコン基板2の一方面および他方面に、熱酸化膜7および熱酸化膜8がそれぞれ形成される。
次に、LPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition:減圧化学気相成長)法により、熱酸化膜7および熱酸化膜8の表面全域を覆うようにポリシリコンが堆積される。そして、熱酸化膜7を覆うポリシリコンは、不純物がドープされた後、凹部20に入り込んだ部分を包含する所定部分以外の部分が除去される。これにより、図2Cに示すように、熱酸化膜7上に、凹部20に入り込むことによりシリコン基板2の一方面へ向かって突出する下ストッパ9を複数有するダイヤフラム6が形成される。一方、熱酸化膜8上には、図2Cに示すように、堆積されたままのポリシリコンからなるポリシリコン膜21が形成される。
続いて、図2Hに示すように、スパッタ法、CVD法などにより、シリコン基板2の一方側に、表面膜11の表面全域(全表面)を覆うように、保護膜材料27が堆積される。保護膜材料27は、犠牲酸化膜29とのエッチング選択比が、表面膜11の犠牲酸化膜29とのエッチング選択比よりも大きい材料であって、たとえば、上記した窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、窒化タングステン(WN)などの無機物、有機SOG(Spin On Glass)、ポリイミドなどの有機物からなる。なお、ここでいう保護膜材料27の犠牲酸化膜29とのエッチング選択比とは、保護膜材料27のエッチングレートと、犠牲酸化膜29のエッチングレートとの比を表したものであって、エッチング選択比=(犠牲酸化膜29のエッチングレート/保護膜材料27のエッチングレート)で表される値である。一方、表面膜11の犠牲酸化膜29とのエッチング選択比とは、エッチング選択比=(犠牲酸化膜29のエッチングレート/表面膜11のエッチングレート)で表される値である。
次いで、図2Iに示すように、公知のフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術により、表面膜11がエッチングされることにより、表面膜11を貫通して犠牲酸化膜29に達する連通孔15が形成される。また、図2Iに示すように、表面膜11における孔23に対向する部分がエッチングされる。これにより、表面膜11およびバックプレート10を連続して貫通する孔13が形成される。
次いで、たとえば、フッ酸を含むエッチング液が満たされた容器内に、シリコン基板2が浸漬(ディップ)される。これにより、開口28を介してシリコン基板2の他方面にエッチング液が供給されて、シリコン基板2が他方側からエッチングされる。また、連通孔15および孔13を介して犠牲酸化膜29にエッチング液が供給されて、犠牲酸化膜29が除去される。
以上のように、上記の方法によれば、犠牲酸化膜29(犠牲酸化膜22および熱酸化膜7)のエッチングに先立って、犠牲酸化膜29の側面に対向する表面膜11の側部18に、保護膜16が形成される。そして、この保護膜16は、犠牲酸化膜29とのエッチング選択比が、表面膜11の犠牲酸化膜29とのエッチング選択比よりも大きい保護膜材料27からなる。つまり、(犠牲酸化膜29のエッチングレート/保護膜16(保護膜材料27)のエッチングレート)>(犠牲酸化膜29のエッチングレート/表面膜11のエッチングレート)である。
そのため、犠牲酸化膜29のエッチング時に、表面膜11の側部18に対するエッチング液による浸食量を低減することができる。その結果、エッチングによる表面膜11の損傷の発生を抑制することができる。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は他の形態で実施することもできる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
2 シリコン基板(基層、基板)
11 表面膜(被覆膜、中空支持膜)
12 空間(中空部分)
16 保護膜
17 対向部
18 側部
19 段差部
27 保護膜材料
29 犠牲酸化膜(犠牲層)
Claims (4)
- 基層上に突出した形状の犠牲層を形成する工程と、
前記犠牲層を被覆する被覆膜を形成する工程と、
前記被腹膜における前記犠牲層の側面に対向する部分上に、前記犠牲層とのエッチング選択比が、前記被腹膜の前記犠牲層とのエッチング選択比よりも大きい材料からなる保護膜を形成する工程と、
前記保護膜の形成後、前記犠牲層をエッチングする工程とを含む、犠牲層のエッチング方法。 - 前記保護膜を形成する工程が、前記被腹膜の全表面に前記保護膜の材料を堆積させる工程と、堆積された前記材料をエッチバックすることにより、前記被腹膜における前記犠牲層の側面に対向する部分上に、前記材料を残存させる工程とを含む、請求項1に記載の犠牲層のエッチング方法。
- 基板の一方面上に突出した形状の犠牲層を形成する工程と、
前記犠牲層を被覆する被覆膜を形成する工程と、
前記被覆膜における前記犠牲層の側面に対向する部分上に、前記犠牲層とのエッチング選択比が、前記被覆膜の前記犠牲層とのエッチング選択比よりも大きい材料からなる保護膜を形成する工程と、
前記犠牲層をエッチングにより除去することにより、前記被覆膜と前記基板との間に空間を形成し、前記被腹膜を前記一方面との間に中空部分を有する状態で支持される中空支持膜とする工程とを含む、MEMSデバイスの製造方法。 - 基板と、
前記基板の一方面に対して間隔を空けて対向される対向部と、前記基板の一方面に形成された段差部と、前記対向部と前記段差部とを連設する側部とを一体的に有し、前記一方面との間に中空部分を有する状態で支持される中空支持膜と、
前記中空支持膜の側部に選択的に形成された保護膜とを含む、MEMSデバイス。
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