JP2010074025A - 多端子半導体スイッチ - Google Patents

多端子半導体スイッチ Download PDF

Info

Publication number
JP2010074025A
JP2010074025A JP2008242091A JP2008242091A JP2010074025A JP 2010074025 A JP2010074025 A JP 2010074025A JP 2008242091 A JP2008242091 A JP 2008242091A JP 2008242091 A JP2008242091 A JP 2008242091A JP 2010074025 A JP2010074025 A JP 2010074025A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wiring
fets
wirings
switch
terminal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008242091A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Kamitsuna
秀樹 上綱
Kiyomitsu Onodera
清光 小野寺
Suehiro Sugitani
末広 杉谷
Kazumi Nishimura
一巳 西村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2008242091A priority Critical patent/JP2010074025A/ja
Publication of JP2010074025A publication Critical patent/JP2010074025A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】1入力多出力スイッチおよび多入力1出力スイッチとして、広帯域化ならびに小型化・低コスト化が可能な多端子半導体スイッチを提供する。
【解決手段】第1の端子と、n個(n:2以上の正整数、図1の場合n=4)の第2の端子およびm個(m:2以上の正整数、図1の場合m=4)の第3の端子との間の切替制御を行うSP(n+m)Tスイッチとして、第1の端子と配線20により共通端子を接続したSPDTスイッチ8の各個別端子からの配線20、20をそれぞれn分岐、m分岐した配線21〜21、配線21〜21に、それぞれ、n個のFET42〜42、m個のFET42〜42のソースまたはドレインを接続し、それらのFETのドレインまたはソースを、それぞれ、第2、第3の端子に接続するとともに、配線21〜21および配線21〜21を、それぞれ、直線で形成し、かつ、それぞれの長さを互いに等しくする。
【選択図】図1

Description

本発明は、多端子半導体スイッチに関し、特に、無線通信や広帯域データ伝送などに好適な半導体を用いた高周波用の多端子スイッチに関する。主として、電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)をオン/オフすることにより信号経路を切り替える1入力多出力スイッチおよび多入力1出力スイッチに関わる。
近年、携帯電話や無線LANなど、複数種類の無線通信方式が実用化され、数多くのユーザに利用されるようになってきた。したがって、各ユーザがこれらの個別の方式毎に異なる複数の無線端末を保有するのではなく、1つの無線端末で複数種類の無線通信方式をサポートすることができる、いわゆるマルチモード/マルチバンド端末の実現が強く求められている。マルチモード/マルチバンド端末では、基本的に、各無線通信方式(各無線周波数帯)に対応した複数のアンテナを備え、無線信号の送受信を行うアンテナをスイッチによって切り替える構成となる。したがって、これらのマルチモード/マルチバンド端末を実現する上で、スイッチの多ポート化が必要不可欠となっている。
無線端末用のスイッチ素子としては、従来より、消費電力がほとんどゼロで小型かつモノリシック集積化が容易なFETスイッチが多用されている。これらのFETスイッチを用いて、1入力n出力(またはn入力1出力。n:2以上の正整数)のSingle‐Pole n‐Throw(SPnT:単極n投)スイッチを構成するためには、n個の1入力1出力のSingle‐Pole Single‐Throw(SPST:単極単投)スイッチを並列に配置することが必要である。
しかしながら、n個のSPSTスイッチを単位スイッチとして並列配置する構成では、例えば、ポート数nが増大すればするほど、1つの入力がn個に分岐する分岐点から各SPSTスイッチまでの配線長が長くならざるを得ないという問題点が生じる。
SPnTスイッチにおいては、n個のSPSTスイッチのうち、いずれか1つのSPSTスイッチをONにし、残りの(n−1)個のSPSTスイッチがOFFになるように制御される。したがって、例えば、Single‐Pole 8‐Throw(SP8T:単極8投)スイッチにおいては、図7に示すような制御が行われる。図7は、従来のSP8Tスイッチの接続構成を示す回路図であり、1個の共通端子からの配線は、分岐点Aで8分岐して、8本の配線を介して8個のSPSTスイッチ9〜9に接続されている。図7に示すように、SP8Tスイッチにおいては、例えば、SPSTスイッチ9をONにし、残りの7個のSPSTスイッチ9〜9がOFFになるように制御される。この結果、分岐点A点から見たOFF状態のSPSTスイッチ9〜9までの7本の配線は、オープンスタブとして動作する。このため、スイッチの反射損失が劣化し、動作帯域を減少する要因となる。
図8は、図7のSP8Tスイッチにおける信号特性のシミュレーション結果を示す特性図であり、入力の分岐点Aから各SPSTスイッチヘ接続される配線の電気長をパラメータとした時の反射損失のシミュレーション結果を示している。
図8のシミュレーションでは、スイッチの開閉が理想的な条件(ON時にショート、OFF時にオープンとなる条件)で行われるものとしているが、分岐点AからSPSTスイッチヘの配線の電気長が増加していくほど、反射損失は劣化してしまい、周波数fを所望の基準周波数fに設定した場合において、反射損失を−10dB以下に確保しようとすると、実効電気長を5度以下にすることが必要であることが分かる。実際のスイッチでは、スイッチのOFF容量の影響などにより、より劣化が顕著になる。
GaAs等の半導体基板上の配線においては、SPSTスイッチヘの配線の実効電気長5度は、周波数10GHzで約180μm、40GHzで約45μmと極めて短い物理長であるため、物理サイズが有限であるFETを複数個用いて多ポートの広帯域スイッチを実現することは非常に困難である。特に、スイッチの広帯域動作に有効なGaAs等の化合物半導体FETを使用する場合、ゲートの加工方位が限定されるため、より一層、配線長を等長かつ短く配置することが困難になる。これは、例えば、[100]面の結晶面方位を有するGaAsウェハ上に高性能なFETを形成することができるゲート方位が、オリフラ(Orientation Flat)に対して水平な[011]等の方位に限られることに起因している。
かくのごとき問題点を緩和することができる従来技術として、図9に示すような、下記の非特許文献1に記されたSP8Tスイッチの構成例がある。図9は、従来のSP8Tスイッチの図7とは異なる構成を示す回路図である。
図9のSP8Tスイッチの構成においては、第1段目のSPSTスイッチ10、10、第2段目のSPSTスイッチ1011、1012、1021、1022、第3段目のSPSTスイッチ10111、10112、10121、10122、10211、10212、10221、10222のように、複数のSPSTスイッチを第1段目、第2段目、第3段目と階層的に接続したいわゆるトーナメント型の多段構成としている。かくのごとく多段構成にすることにより、オープンスタブ長を短くすることができるため、スイッチの広帯域動作を図ることが期待できる。
しかしながら、一方では、図9のようなトーナメント型のスイッチ構成では、多段構成化によるスイッチの大型化、制御端子数の増加および挿入損失の増大という問題点が生じてしまう。スイッチの大型化は、集積回路の占有面積が増大することによる製造コストの増加を招くばかりではなく、SP8Tスイッチ等のSPnTスイッチをさらに複数個用いて構成する多端子のスイッチマトリクスの小型化・低コスト化を阻害する要因にもなってしまう。
その一方で、図7のSP8Tスイッチの接続構成において、接続配線長を短く保ったままで、ポート数を増大し続けることは、前述のように、FETの物理サイズなどにより限界があるため、広帯域特性と低損失特性とを両立させることが可能な多ポートスイッチの実現は非常に困難であった。
MANFRED J.SCHINDLER,MEMBER,IEEE,MARY ELLEN MILLER,AND KEITH M.SIMON,"DC-20 GHz N×M Passive Switches",IEEE TRANSACTIONS ON MICROWAVE THEORY AND TECHNIQUES,VOL.36,N0.12,DECEMBER 1988,pp.1604‐1613
前述したように、従来の半導体スイッチにおいては、スイッチのポート数を増大させるにつれて、SPnT(単極n投)スイッチの広帯域動作が困難になるとともに、広帯域化と挿入損失の低減および回路の小型化・低コスト化を両立させることが非常に困難になるという問題点があった。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、SPnTスイッチの広帯域化ならびに小型化・低コスト化を実現し、該SPnTスイッチを用いることによって、1入力多出力スイッチおよび多入力1出力スイッチとして、広帯域化ならびに小型化・低コスト化が可能な多端子半導体スイッチを提供することに、その目的がある。
本発明は、前述の課題を解決するために、以下のごとき各技術手段から構成されている。
第1の技術手段は、半導体基板に、1個の第1の端子と、n個(n:2以上の正整数)の第2の端子と、m個(m:2以上の正整数)の第3の端子とを備え、さらに、1個の共通端子と2個の個別端子とを有するSPDT(単極双投)スイッチを備え、さらに、n個の第1のFETと、m個の第2のFETと、第1の配線と、一端が互いに接続されたn本の第2の配線と、一端が互いに接続されたm本の第3の配線と、を備えてなる多端子半導体スイッチであって、前記第1の端子と前記共通端子とは、前記第1の配線を介して接続され、前記第2の配線の互いに接続された一端は、前記SPDTスイッチの一方の個別端子に接続され、他の一端は、それぞれ、n個の前記第1のFETのソースまたはドレインに接続され、n個の前記第1のFETのドレインまたはソースは、それぞれ、n個の前記第2の端子に接続され、前記第3の配線の互いに接続された一端は、前記SPDTスイッチの他の一方の個別端子に接続され、他の一端は、それぞれ、m個の前記第2のFETのソースまたはドレインに接続され、m個の前記第2のFETのドレインまたはソースは、それぞれ、m個の前記第3の端子に接続され、n本の前記第2の配線およびm本の前記第3の配線は、それぞれ、直線で形成され、かつ、それぞれの長さが互いに等しいことを特徴とする。
第2の技術手段は、前記第1の技術手段に記載の多端子半導体スイッチにおいて、前記第2の配線および前記第3の配線の実効電気長が、それぞれ、あらかじめ定めた所望の動作周波数において、5度以下であることを特徴とする。
第3の技術手段は、前記第1または第2の技術手段に記載の多端子半導体スイッチにおいて、n個の前記第1のFETおよびm個の前記第2のFETのゲートフィンガは、それぞれ、1本であることを特徴とする。
第4の技術手段は、前記第1乃至第3の技術手段のいずれかに記載の多端子半導体スイッチにおいて、n個の前記第1のFETおよびm個の前記第2のFETのゲート幅は、それぞれ、n本の前記第2の配線およびm本の前記第3の配線の長さ以下であることを特徴とする。
第5の技術手段は、前記第1乃至第4の技術手段のいずれかに記載の多端子半導体スイッチにおいて、n個の前記第1のFETのゲートにそれぞれ接続されるn個の第1の抵抗と、m個の前記第2のFETのゲートにそれぞれ接続されるm個の第2の抵抗とを備え、n個の前記第1の抵抗は、それぞれが接続される前記第1のFETの近傍、あるいは、当該第1のFETと隣接の前記第1のFETとの間に配置され、m個の前記第2の抵抗は、それぞれが接続される前記第2のFETの近傍、あるいは、当該第2のFETと隣接の前記第2のFETとの間に配置されてなることを特徴とする。
第6の技術手段は、前記第1乃至第5の技術手段のいずれかに記載の多端子半導体スイッチにおいて、さらに、n個の第3のFETと、m個の第4のFETとを備え、n個の前記第3のFETのソースまたはドレインは接地され、n個の前記第3のFETのドレインまたはソースは、それぞれ、n個の前記第1のFETのドレインまたはソースに直接接合され、m個の前記第4のFETのソースまたはドレインは接地され、m個の前記第4のFETのドレインまたはソースは、それぞれ、m個の前記第2のFETのドレインまたはソースに直接接合されてなることを特徴とする。
第7の技術手段は、前記第6の技術手段に記載の多端子半導体スイッチにおいて、さらに、それぞれの長さが互いに等しいn本の第4の配線とm本の第5の配線とを備え、n個の前記第3のFETのドレインまたはソースは、n個の前記第1のFETのドレインまたはソースに、それぞれ直接接合されることに代わり、n本の前記第4の配線を介して、それぞれ接続され、m個の前記第4のFETのドレインまたはソースは、m個の前記第2のFETのドレインまたはソースに、それぞれ直接接合されることに代わり、m本の前記第5の配線を介して、それぞれ接続されてなることを特徴とする。
第8の技術手段は、前記第7の技術手段に記載の多端子半導体スイッチにおいて、 n本の前記第4の配線およびm本の前記第5の配線は、それぞれ、直線で形成され、かつ、それぞれの長さが互いに等しいことを特徴とする。
第9の技術手段は、前記第1乃至第8の技術手段のいずれかに記載の多端子半導体スイッチにおいて、前記SPDTスイッチは、2つ以上の第5のFETを少なくとも備えてなることを特徴とする。
第10の技術手段は、前記第1乃至第9の技術手段のいずれかに記載の多端子半導体スイッチにおいて、前記第1、第2のFETあるいは前記第1乃至第4のFETあるいは前記第1、第2、第5のFETあるいは前記第1乃至第5のFETのゲートが、互いに平行であることを特徴とする。
第11の技術手段は、前記第1乃至第10の技術手段のいずれかに記載の多端子半導体スイッチにおいて、さらに、第6の配線と第7の配線とを備え、前記第2の配線の互いに接続された一端と前記SPDTスイッチの一方の個別端子とは、前記第6の配線を介して接続され、前記第3の配線の互いに接続された一端と前記SPDTスイッチの他の一方の個別端子とは、前記第7の配線を介して接続されてなることを特徴とする。
第12の技術手段は、前記第1乃至第11の技術手段のいずれかに記載の多端子半導体スイッチにおいて、前記第2の配線が存在する領域の前記半導体基板上には、1層以上の誘電体層が積層され、当該領域において、前記第2の配線と接地導体とが、前記半導体基板上および前記誘電体層を含めた各層のうち互いに異なるいずれかの層上に形成され、前記第3の配線が存在する領域の前記半導体基板上には、1層以上の誘電体層が積層され、当該領域において、前記第3の配線と接地導体とが、前記半導体基板上および前記誘電体層を含めた各層のうち互いに異なるいずれかの層上に形成されてなることを特徴とする。
第13の技術手段は、前記第11の技術手段に記載の多端子半導体スイッチにおいて、前記第2の配線および前記第6の配線が存在する領域の前記半導体基板上には、順に1層以上の誘電体層、接地導体、1層以上の誘電体層が積層され、当該領域において、前記第2の配線と前記第6の配線とは、前記接地導体が形成されていない前記半導体基板上および前記誘電体層を含めた各層のうち互いに異なるいずれかの異なる層上に形成され、前記第2の配線の互いに接続された一端と前記第6の配線とは、第1のスルーホールを介して接続され、前記第3の配線および前記第7の配線が存在する領域の前記半導体基板上には、順に1層以上の誘電体層、接地導体、1層以上の誘電体層が積層され、当該領域において、前記第3の配線と前記第7の配線とは、前記接地導体が形成されていない前記半導体基板上および前記誘電体層を含めた各層のうち互いに異なるいずれかの異なる層上に形成され、前記第3の配線の互いに接続された一端と前記第7の配線とは、第2のスルーホールを介して接続されてなることを特徴とする。
第14の技術手段は、前記第12または第13の技術手段に記載の多端子半導体スイッチにおいて、n本の前記第2の配線の他の一端とn個の前記第1のFETのソースまたはドレインとは、直接または第3のスルーホールを介して接続され、m本の前記第3の配線の他の一端とm個の前記第2のFETのソースまたはドレインとは、直接または第4のスルーホールを介して接続されてなることを特徴とする。
第15の技術手段は、前記第1乃至第14の技術手段のいずれかに記載の多端子半導体スイッチにおいて、さらに、n本の第8の配線とm本の第9の配線とを備え、n個の前記第1のFETのドレインまたはソースとn個の前記第2の端子とは、それぞれ、n本の前記第8の配線を介して接続され、m個の前記第2のFETのドレインまたはソースとm個の前記第3の端子とは、それぞれ、m本の前記第9の配線を介して接続され、n本の前記第8の配線およびm本の前記第9の配線は、それぞれの長さが互いに等しいことを特徴とする。
第16の技術手段は、前記第15の技術手段に記載の多端子半導体スイッチにおいて、n本の前記第8の配線が存在する領域の前記半導体基板上には、1層以上の誘電体層が積層され、当該領域において、n本の前記第8の配線と接地導体とが、前記半導体基板上および前記誘電体層を含めた各層のうち互いに異なるいずれかの層上に形成され、n本の前記第8の配線とn個の前記第1のFETのドレインまたはソースとは、直接または第5のスルーホールを介して接続され、m本の前記第9の配線が存在する領域の前記半導体基板上には、1層以上の誘電体層が積層され、当該領域において、m本の前記第9の配線と接地導体とが、前記半導体基板上および前記誘電体層を含めた各層のうち互いに異なるいずれかの層上に形成され、m本の前記第9の配線とm個の前記第2のFETのドレインまたはソースとは、直接または第6のスルーホールを介して接続されてなることを特徴とする。
第17の技術手段は、前記第13乃至第16の技術手段のいずれかに記載の多端子半導体スイッチにおいて、前記第1および第2のスルーホール、および/または、前記第3および第4のスルーホール、および/または、前記第5および第6のスルーホールを、順次積層された前記接地導体を介して設置する場合、当該接地導体の一部の領域に、前記第1および第2のスルーホール、および/または、前記第3および第4のスルーホール、および/または、前記第5および第6のスルーホールを、当該接地導体と接触することなく、通過させる間隙を設けてなることを特徴とする。
第18の技術手段は、前記第1乃至第17の技術手段のいずれかに記載の多端子半導体スイッチにおいて、前記第1の配線、前記第2、第3の配線、前記第6、第7の配線のうち、一部または全ての配線の特性インピーダンスを、当該多端子半導体スイッチの入出力インピーダンスよりも高くすることを特徴とする。
本発明に係わる多端子半導体スイッチによれば、SPDT(単極双投)スイッチ、SPnT(単極n投。n:2以上の正整数)スイッチおよびSPmT(単極m投。m:2以上の正整数)スイッチを構成要素とし、SPDTスイッチの各個別端子とSPnTスイッチおよびSPmTスイッチの各共通端子とをそれぞれ接続してSP(n+m)Tスイッチを構成し、該SP(n+m)Tスイッチにおいて、SPnTスイッチとSPmTスイッチとをそれぞれ構成する各SPSTスイッチから共通接続点(つまり、各SPSTスイッチからのn本またはm本の配線が1本ずつになり、SPDTスイッチの各個別端子にそれぞれ接続される接続点)までの距離を最短かつ等長にすることが可能なレイアウト構成を実現しているので、以下のごとき効果を奏することができる。
すなわち、各SPSTスイッチから共通接続点までの距離を最短かつ等長とすることにより、ポート間特性を均一にすることができることに加えて、多端子半導体スイッチのON/OFF動作時に、共通接続点からOFF状態の各SPSTスイッチまでの配線によって生じるオープンスタブの影響を大幅に低減することができる。したがって、多端子半導体スイッチの広帯域動作を実現することができる上に、多端子半導体スイッチの小型化・低コスト化も図ることができる。
以下に、本発明に係わる多端子半導体スイッチの最良の実施形態について、その一例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
[本発明の特徴]
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要を簡潔にまず説明する。本発明は、複数のSPSTスイッチ(例えばFET)を用いた多端子半導体スイッチにおいて、各SPSTスイッチから共通接続点(つまり各SPSTスイッチの共通端子が互いに接続される接続点)までの電気配線の距離が最短かつ等長となるように各SPSTスイッチを配置することを特徴とするものであり、多端子半導体スイッチの広帯域化、小型化・低コスト化を実現している。
[第1の実施の形態]
まず、本発明の第1の実施の形態に係わる多端子半導体スイッチについて、図1を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係わる多端子半導体スイッチの一例であるSP8Tスイッチのパタンレイアウトを示すレイアウト図である。
図1のSP8Tスイッチに示すように、GaAs等からなる半導体基板上に、1本の第1の配線である配線20と1個の第1の端子(図示せず)と、n本(n:2以上の整数。図1の場合、n=4)の第2の配線である配線21〜21とn個の第2の端子(図示せず)と、m本(m:2以上の整数。図1の場合、m=4)の第3の配線である配線21〜21とm個の第3の端子(図示せず)とを備え、かつ、1個のSingle‐Pole Double‐Throw(SPDT:単極双投)スイッチ8と、n個のSPSTスイッチを形成するためのn個の第1のFETであるFET42〜42と、m個のSPSTスイッチを形成するためのm個の第2のFETであるFET42〜42とを備えることにより、全体として、SP(n+m)Tスイッチ(つまり、図1の場合、SP8Tスイッチ)を構成している。
ここで、n本(図1の場合、n=4)の第2の配線である配線21〜21、m本(図1の場合、m=4)の第3の配線である配線21〜21は、それぞれ、一端が互いに接続された配線であり、図1においては、n本の第2の配線である配線21〜21の互いに接続された一端が、分岐点A(つまり、n本の第2の配線が1本になる共通接続点)において、第6の配線である配線20に接続され、m本の第3の配線である配線21〜21の互いに接続された一端が、分岐点B(つまり、m本の第3の配線が1本になる共通接続点)において、第7の配線である配線20に接続されている。
この結果、SPDTスイッチ8の2個の個別端子がそれぞれ第6の配線である配線20、第7の配線である配線20を経由して接続されている分岐点A、分岐点Bから見て、n個の第1のFETであるFET42〜42、m個の第2のFETであるFET42〜42が、それぞれ、SPnTスイッチ部(n=4)すなわち第1のSP4Tスイッチ部、SPmTスイッチ部(m=4)すなわち第2のSP4Tスイッチ部を形成して、全体として、SP(n+m)TスイッチすなわちSP8Tスイッチを構成している。
さらに説明すると、次の通りである。図1に示すSP8Tスイッチでは、第1の端子を構成する1個の共通端子(図示せず)からの配線20が、第1の配線として、第5のFETであるFET41、41等によって構成されるSingle‐Pole Double‐Throw(SPDT:単極双投)スイッチ8の共通端子に接続される。
図1のSPDTスイッチ8の個別端子の一方は、第6の配線である配線20を介して、分岐点Aにおいて、n本(n=4)の第2の配線である配線21〜21にn分岐され、n本の配線21〜21を介して、n個(n=4)の第1のFETであるFET42〜42のソース(またはドレイン)にそれぞれ接続される。つまり、一端が互いに接続された4本の第2の配線である配線21〜21を介して、SPDTスイッチ8の個別端子の一方と、4個のFET42〜42のソース(またはドレイン)とのそれぞれが接続される。
また、n個(n=4)のFET42〜42のドレイン(またはソース)は、n本(n=4)の第8の配線である配線22〜22にそれぞれ接続され、n個(n=4)の第2の端子を構成する個別の端子(図示せず)に接続されている。したがって、分岐点Aを、第1のFETであるFET42〜42からなるn個(n=4)の各SPSTスイッチの共通端子として見ると、4個のSPSTスイッチからなるSingle‐Pole 4‐Throw(SP4T)スイッチを形成しており、第1のSP4Tスイッチ部を構成している。
同様に、SPDTスイッチ8の個別端子の他の一方は、第7の配線である配線20を介して、分岐点Bにおいて、m本(m=4)の第3の配線である配線21〜21にm分岐され、m本の配線21〜21を介して、m個(m=4)の第2のFETであるFET42〜42のソース(またはドレイン)にそれぞれ接続される。つまり、一端が互いに接続された4本の第3の配線である配線21〜21を介して、SPDTスイッチ8の個別端子の他の一方と、4個のFET42〜42のソース(またはドレイン)とのそれぞれが接続される。
また、m個(m=4)のFET42〜42のドレイン(またはソース)は、m本(m=4)の第9の配線である配線22〜22にそれぞれ接続され、m個(m=4)の第3の端子を構成する個別の端子(図示せず)に接続されている。したがって、分岐点Bを、第2のFETであるFET42〜42からなるm個(m=4)の各SPSTスイッチの共通端子として見ると、4個のSPSTスイッチからなるSP4Tスイッチを形成しており、第2のSP4Tスイッチ部を構成している。
ここで、配線20、20、20は、ギャップを挟んだ接地導体1とともに半導体基板上に形成されたコプレーナ線路であり、配線21〜21も含めて多層配線プロセス等の複雑な製造プロセスは必要ではなく、極めて一般的な半導体集積回路における配線プロセスで比較的低コストに実現することができるものである。なお、分離された接地導体1間は、コプレーナ線路に不要モードが励起されないように、エアブリッジやワイヤなどを用いて接続される(図示せず)。
2個の第5のFETであるFET41、41のゲートには、第5の抵抗である抵抗51、51がそれぞれ接続され、第1のFETであるFET42〜42のゲートには、n個(n=4)の第1の抵抗である抵抗52〜52がそれぞれ接続され、第2のFETであるFET42〜42のゲートには、m個(m=4)の第2の抵抗である抵抗52〜52がそれぞれ接続され、制御端子(図示せず)からそれぞれ抵抗51、51および抵抗52〜52を経由して各FETのゲート制御電圧を印加することによって、配線20が接続される共通端子(図示せず。つまり第1の端子)と配線22〜22がそれぞれ接続される8個の個別端子(図示せず。4個の第2の端子と4個の第3の端子とからなる合計8個の端子)との間の切替制御が行われる。
また、第5の抵抗である抵抗51、51、第1の抵抗である抵抗52〜52および第2の抵抗である抵抗52〜52は、それぞれ、接続される各FETの直近(近傍)において、あるいは、接続される各FETと隣接のFETとの間において、各FETのゲートに平行に配置されているため、FET間隔を拡げることなく、制御信号間の干渉を避けることができる。FET間隔を狭めることは、第2、第3の配線である配線21〜21の長さを短くすることを可能にし、後述するように、スイッチの動作帯域を拡大することに直結する。
なお、4個の第1のFETであるFET42〜42、4個の第2のFETであるFET42〜42のそれぞれのゲートは、あるいは、4個の第1のFETであるFET42〜42、4個の第2のFETであるFET42〜42、2個の第5のFETであるFET41、41のそれぞれのゲートは、互いに平行になるように配置される。
次に、図1のSP8Tスイッチの詳細な動作について説明する。図1のSP8Tスイッチは、図1の上下に対称な構造であるので、図1の上側の第1のSP4Tスイッチ部を形成している分岐点Aを中心とした構成に関してその詳細な動作を説明する。4個の第1のFETであるFET42〜42のうち、分岐点Aからは最も遠くに位置するFET42と42とは、FET42と42と比較して図1の横方向に関して分岐点A点側に近づく方向にシフトするように配置されている。
かくのごときレイアウトを採用することにより、高性能FETの製造などの観点から、ゲート加工方位が一般的には一方向に限定されるFETを複数個用いて多ポートスイッチを構成した場合においても、第2の配線である配線21〜21のそれぞれを等長な直線として、配線21〜21の長さを最短かつ等長にすることが可能になり、オープンスタブの影響を大幅に低減することができることに加えて、分岐点Aから4つのFET42〜42までの通過特性を揃えることができる。また、第3の配線である配線21〜21のそれぞれについても同様であり、それぞれを等長な直線として、配線21〜21の長さを最短かつ等長にすることが可能である。したがって、多ポートスイッチの広帯域化に加えてポート間特性の均一化も図ることができる。
また、図1の上側の第1のSP4Tスイッチ部を形成する分岐点A側に信号を通過させる場合には、SPDTスイッチ8中のFET41をON、FET41をOFFとするように制御が行われるため、オープンスタブとして動作する可能性のあった配線20から分岐点B側の伝送線路は分離され、分岐点A側に信号を通過させる動作にほとんど関与しないようにすることができる。
したがって、SP4Tスイッチと同程度の広帯域特性を有するSP8Tスイッチを実現することができる。これは、帯域特性を制限する分岐点からの配線長、つまり、第1のSP4Tスイッチ部、第2のSP4Tスイッチ部の共通端子からの配線がそれぞれ共通に接続される共通接続点からの配線長(すなわち、第2、第3の配線である配線21〜21の配線長)を、8分岐よりも4分岐の方がより短くすることができるためである。
なお、図1に示す本実施の形態では、広帯域特性を実現するために、SPDTスイッチ8を含めて、2段のスイッチ構成となっているが、図9に示した3段構成の従来例と比較すると、挿入損失を低減することができること、および、制御端子数を減らすことができることなどの利点も得られる。
次に、図1のSP8Tスイッチとは異なるSP12Tスイッチのパタンレイアウトについて図2を用いて説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態に係わる多端子半導体スイッチの図1の場合とは異なる例であるSP12Tスイッチのパタンレイアウトを示すレイアウト図である。
図2に示すSP12Tスイッチでは、第1の端子を構成する1個の共通端子(図示せず)からの配線20が、第1の配線として、図1の場合と同様、第5のFETとなるFET41、41等によって構成されるSingle‐Pole Double‐Throw(SPDT:単極双投)スイッチ8の共通端子に接続される。
図2のSPDTスイッチ8の個別端子の一方は、第6の配線である配線20を介して、分岐点Aにおいて、n本(n=6)の第2の配線である配線21〜21にn分岐され、n本の配線21〜21を介して、n個(n=6)の第1のFETであるFET42〜42のソース(またはドレイン)にそれぞれ接続される。つまり、一端が互いに接続された6本の第2の配線である配線21〜21を介して、SPDTスイッチ8の個別端子の一方と、6個のFET42〜42のソース(またはドレイン)とのそれぞれが接続される。
また、n個(n=6)のFET42〜42のドレイン(またはソース)は、n本(n=6)の第8の配線である配線22〜22にそれぞれ接続され、n個(n=6)の第2の端子を構成する個別の端子(図示せず)に接続されている。したがって、分岐点Aを、第1のFETであるFET42〜42からなるn個(n=6)の各SPSTスイッチの共通端子として見ると、6個のSPSTスイッチからなるSingle‐Pole 6‐Throw(SP6T)スイッチを形成しており、第1のSP6Tスイッチ部を構成している。
同様に、SPDTスイッチ8の個別端子の他の一方は、第7の配線である配線20を介して、分岐点Bにおいて、m本(m=6)の第3の配線である配線21〜2112にm分岐され、m本の配線21〜2112を介して、m個(m=6)の第2のFETであるFET42〜4212のソース(またはドレイン)にそれぞれ接続される。つまり、一端が互いに接続された6本の第3の配線である配線21〜2112を介して、SPDTスイッチ8の個別端子の他の一方と、6個のFET42〜4212のソース(またはドレイン)とのそれぞれが接続される。
また、m個(m=6)のFET42〜4212のドレイン(またはソース)は、m本(m=6)の第9の配線である配線22〜2212にそれぞれ接続され、m個(m=6)の第3の端子を構成する個別の端子(図示せず)に接続されている。したがって、分岐点Bを、第2のFETであるFET42〜4212からなるm個(m=6)の各SPSTスイッチの共通端子として見ると、6個のSPSTスイッチからなるSP6Tスイッチを形成しており、第2のSP6Tスイッチ部を構成している。
ここで、配線20、20、20は、図1の場合と同様、ギャップを挟んだ接地導体1とともに半導体基板上に形成されたコプレーナ線路であり、配線21〜2112も含めて多層配線プロセス等の複雑な製造プロセスは必要ではなく、極めて一般的な半導体集積回路における配線プロセスで比較的低コストに実現することができるものである。なお、分離された接地導体1間は、コプレーナ線路に不要モードが励起されないように、エアブリッジやワイヤなどを用いて接続される(図示せず)。
2個のFET41、41のゲートには、第5の抵抗である抵抗51、51がそれぞれ接続され、第1のFETであるFET42〜42のゲートには、n個(n=6)の第1の抵抗である抵抗52〜52がそれぞれ接続され、第2のFETであるFET42〜4212のゲートには、m個(m=6)の第2の抵抗である抵抗52〜5212がそれぞれ接続され、制御端子(図示せず)からそれぞれ抵抗51、51および抵抗52〜5212を経由して各FETのゲート制御電圧を印加することによって、配線20が接続される共通端子(図示せず。つまり第1の端子)と配線22〜2212がそれぞれ接続される12個の個別端子(図示せず。6個の第2の端子と6個の第3の端子とからなる合計12個の端子)との間の切替制御が行われる。
また、図1の場合と同様、第5の抵抗である抵抗51、51、第1の抵抗である抵抗52〜52および第2の抵抗である抵抗52〜5212は、それぞれ、接続される各FETの直近(近傍)において、あるいは、接続される各FETと隣接のFETとの間において、各FETのゲートに平行に配置されているため、FET間隔を拡げることなく、制御信号間の干渉を避けることができる。FET間隔を狭めることは、第2、第3の配線である配線21〜2112の長さを短くすることを可能にし、後述するように、スイッチの動作帯域を拡大することに直結する。
なお、6個の第1のFETであるFET42〜42、6個の第2のFETであるFET42〜4212のそれぞれのゲートは、あるいは、6個の第1のFETであるFET42〜42、6個の第2のFETであるFET42〜4212、2個の第5のFETであるFET41、41のそれぞれのゲートは、互いに平行になるように配置される。
次に、図2のSP12Tスイッチの詳細な動作について説明する。図2のSP12Tスイッチは、図2の上下に対称な構造であるので、図2の上側の第1のSP6Tスイッチ部を形成している分岐点Aを中心とした構成に関してその詳細な動作を説明する。6個の第1のFETであるFET42〜42のうち、分岐点Aからは最も遠くに位置するFET42と42とは、FET42、42、42、42と比較して図1の横方向に関して分岐点A点側に近づく方向にシフトするように配置されている。
かくのごときレイアウトを採用することにより、図1の場合と同様、高性能FETの製造などの観点から、ゲート加工方位が一般的には一方向に限定されるFETを複数個用いて多ポートスイッチを構成した場合においても、第2の配線である配線21〜21のそれぞれを等長な直線として、配線21〜21の長さを最短かつ等長にすることが可能になり、オープンスタブの影響を大幅に低減することができることに加えて、分岐点Aから6つのFET42〜42までの通過特性を揃えることができる。
また、第3の配線である配線21〜2112のそれぞれについても同様であり、それぞれを等長な直線として、配線21〜2112の長さを最短かつ等長にすることが可能である。したがって、多ポートスイッチの広帯域化に加えてポート間特性の均一化も図ることができる。
また、図1の場合と同様、図2の上側の第1のSP6Tスイッチ部を形成する分岐点A側に信号を通過させる場合には、SPDTスイッチ8中のFET41をON、FET41をOFFとするように制御が行われるため、オープンスタブとして動作する可能性のあった配線20から分岐点B側の伝送線路は分離され、分岐点A側に信号を通過させる動作にほとんど関与しないようにすることができる。
したがって、SP6Tスイッチと同程度の広帯域特性を有するSP12Tスイッチを実現することができる。これは、帯域特性を制限する分岐点からの配線長、つまり、第1のSP6Tスイッチ部、第2のSP6Tスイッチ部の共通端子からの配線がそれぞれ共通に接続される共通接続点からの配線長(すなわち、第2、第3の配線である配線21〜2112の配線長)を、12分岐よりも6分岐の方がより短くすることができるためである。
なお、図2に示す本実施の形態では、広帯域特性を実現するために、SPDTスイッチ8を含めて、2段のスイッチ構成となっているが、図9に示した3段構成の従来例と比較すると、図1の場合と同様、挿入損失を低減することができること、および、制御端子数を減らすことができることなどの利点も得られる。
ここで、図1、図2の実施の形態において、第1の配線である配線20、第6の配線である配線20、第7の配線である配線20のそれぞれを信号線として使用するコプレーナ線路の特性インピーダンスは、好ましくは、配線幅を細くしたり、グランドとのギャップを拡げたりすることによって、それらの配線の一部もしくは全部について、多端子半導体スイッチの入出力インピーダンスよりも高く設定することが望ましい。かくのごとき特性インピーダンスの配線とすることにより、より一層、オープンスタブの影響を相殺することができ、反射損失を改善することができる。
また、図8の特性図に示したように、反射損失を−10dB以下に確保するために、n本(n=4)の第2の配線である配線21〜21およびm本(m=4)の第3の配線である配線21〜21の実効電気長を、あらかじめ定めた所望の動作周波数において、5度以下とすることが望ましい。
また、図1、図2のごとき回路構成においては、信号線がグランドに接続されていないため、入力された信号レベルをほぼそのまま出力することができる。したがって、RF(Radio Frequency)帯の信号を用いる無線通信用途などに加えて、信号直流ロジックレベルに無依存な広帯域ベースバンド信号を利用する高速データ伝送用スイッチとしても利用することができる。
なお、SPDTスイッチ8の2個の個別端子のそれぞれに接続されるスイッチは、図1、図2のようなSP4TスイッチやSP6Tスイッチに限定されることはなく、SP3Tスイッチ、SP5Tスイッチなど、任意のSPkTスイッチ(k:2以上の整数)を使用することができる。
また、図1、図2の分岐点A、Bにおいてそれぞれn分岐、m分岐することにより配置されるSPnTスイッチ、SPmTスイッチのそれぞれのポート数は、図1や図2に例示したような同一のポート数に限定されることはなく、それぞれに配置されるポート数が異なるポート数となるスイッチを適用して、例えばSP4TスイッチとSP5Tスイッチとを適用して、全体として、SP9Tスイッチを構成するなどのスイッチ構成としても構わない。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態に係わる多端子半導体スイッチについて、まず図3を用いて説明する。図3は、本発明の第2の実施の形態に係わる多端子半導体スイッチの一例であるSP8Tスイッチを形成するための構成要素の一つであるSP4Tスイッチ部のパタンレイアウトを示すレイアウト図である。つまり、図3は、第1の実施の形態として図1に例示したSP8Tスイッチの構成要素である2個のSP4Tスイッチ部のうち、図1の下側のSP4Tスイッチ部(つまり第2のSP4Tスイッチ部)のパタンレイアウトを示しており、第1の実施の形態の第1の変型例を示している。
図3のSP4Tスイッチ部(第2のSP4Tスイッチ部)の構成においては、図1のSP4Tスイッチ部の場合に比して、さらに、m個(m:2以上の整数。図3の場合、m=4)の第4のFET(シャントFET)として、m個のFET425S〜428Sを備え、さらに、m個(m=4)の第4のFETであるFET425S〜428S(シャントFET)とm個(m=4)の第2のFETであるFET42〜42(シリーズFET)とをそれぞれ接続するためのm本(m=4)の第5の配線である配線23〜23を備えている。
なお、図3には省略した上側のSP4Tスイッチ部(つまり第1のSP4Tスイッチ部)も同様であり、図示していないが、図1の第1のSP4Tスイッチ部の場合に比して、さらに、n個(n:2以上の整数。本実施の形態の場合、n=4)の第3のFET(シャントFET)として、n個のFET421S〜424Sを備え、さらに、n個(n=4)の第3のFETであるFET421S〜424S(シャントFET)とn個(n=4)の第1のFETであるFET42〜42(シリーズFET)とをそれぞれ接続するためのn本(n=4)の第4の配線である配線23〜23を備えている。
すなわち、図3に示す第2の実施の形態は、第1の実施の形態の第1の変型例を例示するものであり、多端子半導体スイッチの一例であるSP8Tスイッチの全体としては、図1の場合と同様、SPDTスイッチ1個とSP4Tスイッチ2個とによって構成される。しかし、本第2の実施の形態のSP8Tスイッチの場合、SPDTスイッチは、図1に示したSPDTスイッチ8と同一のパタンレイアウトであるが、SP4Tスイッチ部が、図1のSP4Tスイッチ部とは異なり、図3に示すようなシリーズ・シャント構成のパタンレイアウトである。
なお、本実施の形態におけるSP8Tスイッチについても、第1の実施の形態の場合と同様、上下に対称な構造としているので、図3には、SP8Tスイッチを形成する2個のSP4Tスイッチ部のうち、分岐点Bにて4分岐する下側のSP4Tスイッチ部(つまり、第2のSP4Tスイッチ部)のパタンレイアウトのみを示している。したがって、以下では、図3に示すSP4Tスイッチ部(第2のSP4Tスイッチ部)について、詳細な説明を行うこととする。
図3に示すSP4Tスイッチ部は、前述したように、図1の下側のSP4Tスイッチ(つまり、第2のSP4Tスイッチ部)と比較して、シリーズFETを構成している第2のFETであるFET42〜42をm個(m=4)備えていることに加えて、シャントFETを構成する第4のFETであるFET425S〜428Sをm個(m=4)追加したシリーズ・シャント構成のスイッチを成している。
つまり、図3に示すSP4Tスイッチにおいては、それぞれのソース(またはドレイン)が接地され、それぞれのドレイン(またはソース)がm個(m=4)の第2のFETであるシリーズFET42〜42のドレイン(またはソース)に、m本(m=4)の配線23〜23(つまり第5の配線)を介してそれぞれ接続されたm個(m=4)のシャントFET425S〜428Sが、第4のFETとして配置されている。なお、シリーズFET42〜42のドレイン(またはソース)とシャントFET425S〜428Sのドレイン(またはソース)とを、第5の配線である配線23〜23を介することなく、直接接合させたレイアウトとしても良く、かかる場合については、図3の変型例を示すものとして、図4において後述する。
図3のシリーズ・シャント構成においては、スイッチのON/OFF動作時に、それぞれに第5の配線である配線23〜23を介して接続されたシリーズFET42〜42とシャントFET425S〜428SとのON/OFF状態が、互いに逆になるように制御される。
したがって、信号径路としてOFFの経路については、第2のFET側のシリーズFET例えばFET42がOFF、第4のFET側のシャントFET例えばFET425SがONとなるため、第4のFET側のシャントFET例えばFET425Sを通じて信号線例えば配線21の他端(分岐点Bと反対側の端子)が接地されることになり、アイソレーション特性を大幅に向上させることができ、スイッチの広帯域化を図ることができる。
なお、第2のFETであるシリーズFET42〜42、第4のFETであるシャントFET425S〜428Sのゲートは、図3に示すように、それぞれ、互いに平行になるように形成されている。ただし、各FETのゲートに接続されるべき抵抗は図示していないが、図1の場合と同様、各FETの間または各FETの近傍に配置される。
ここで、4本の第5の配線である配線23〜23によりそれぞれ接続されるシリーズFET42〜42とシャントFET425S〜428Sとは、図3に示すように、それぞれについて同一直線上に並ぶように配置し、かつ、シリーズFET42〜42とシャントFET425S〜428Sとをそれぞれに接続する4本の第5の配線である配線23〜23は、それぞれ直線で形成され、かつ、互いに同じ長さに揃えるように配置される。
なお、上側の第1のSP4Tスイッチ部の場合についても同様であり、4本の第4の配線である配線23〜23によりそれぞれ接続されるシリーズFET42〜42とシャントFET421S〜424Sとは、それぞれについて同一直線上に並ぶように配置し、かつ、シリーズFET42〜42とシャントFET421S〜424Sとをそれぞれに接続する4本の第4の配線である配線23〜23は、それぞれ直線で形成され、かつ、互いに同じ長さに揃えるように配置される。
また、4個の第1のFETであるシリーズFET42〜42および4個の第3のFETであるシャントFET421S〜424S、4個の第2のFETであるシリーズFET42〜42および4個の第4のFETであるシャントFET425S〜428S、あるいは、4個の第1のFETであるシリーズFET42〜42および4個の第3のFETであるシャントFET421S〜424S、4個の第2のFETであるシリーズFET42〜42および4個の第4のFETであるシャントFET425S〜428S、2個の第5のFETであるFET41、41、のそれぞれのゲートは、互いに平行になるように配置される。
かくのごときパタンレイアウトを採用することにより、下側の第2のSP4Tスイッチ部について、分岐点Bと4個の第2のFETであるシリーズFET42〜42のソース(またはドレイン)との間をそれぞれ接続している4本の第3の配線である配線21〜21の長さを、図1のシリーズFETのみで構成した実施の形態の場合と同一に保ったまま、シリーズ・シャント構成のスイッチを実現することができ、ポート間特性の均一なスイッチの広帯域化を図ることができる。
上側の第1のSP4Tスイッチ部についても、全く同様であり、4本の第2の配線である配線21〜21の長さを、図1のシリーズFETのみで構成した実施の形態の場合と同一に保ったまま、シリーズ・シャント構成のスイッチを実現することができ、ポート間特性の均一なスイッチの広帯域化を図ることができる。
次に、図3のSP4Tスイッチ部とは異なるSP4Tスイッチ部のパタンレイアウトについて図4を用いて説明する。図4は、本発明の第2の実施の形態に係わる多端子半導体スイッチの一例であるSP8Tスイッチを形成するための構成要素の一つであるSP4Tスイッチ部の図3の場合とは異なるパタンレイアウトを示すレイアウト図である。つまり、図4は、第1の実施の形態として図1に例示したSP8Tスイッチの構成要素であるSP4Tスイッチ部のうち、下側のSP4Tスイッチ部(つまり第2のSP4Tスイッチ部)のパタンレイアウトを示しており、図3に示したパタンレイアウトとは異なる例として、第1の実施の形態の第2の変型例を示している。
図4のSP4Tスイッチ部(第2のSP4Tスイッチ部)の構成においては、図1の第2のSP4Tスイッチ部の場合に比して、図3の場合と同様、さらに、m個(図3の場合、m=4)の第4のFET(シャントFET)として、m個のFET425S〜428Sを備えているが、図3の場合とは異なり、第5の配線である配線23〜23を設ける代わりに、m個(m=4)の第4のFETであるFET425S〜428S(シャントFET)をm個(m=4)の第2のFETであるFET42〜42(シリーズFET)にそれぞれ直接接合している。
なお、上側のSP4Tスイッチ部(つまり第1のSP4Tスイッチ部)も同様であり、図1の第1のSP4Tスイッチ部の場合に比して、さらに、n個(本実施の形態の場合、n=4)の第3のFET(シャントFET)として、n個のFET421S〜424Sを備え、第4の配線である配線23〜23を設ける代わりに、n個(n=4)の第3のFETであるFET421S〜424S(シャントFET)をn個(n=4)の第1のFETであるFET42〜42(シリーズFET)にそれぞれ直接接合している。
すなわち、図4に示す第2の実施の形態は、第1の実施の形態の第2の変型例として図3とは異なるパタンレイアウトを例示するものであり、多端子半導体スイッチの一例であるSP8Tスイッチの全体としては、図1の場合と同様、SPDTスイッチ1個とSP4Tスイッチ2個とによって構成される。しかし、図4に示す本第2の実施の形態のSP8Tスイッチの場合、SPDTスイッチは、図1に示したSPDTスイッチ8と同一のパタンレイアウトであるが、SP4Tスイッチ部が、図1のSP4Tスイッチ部とは異なり、さらに、図3のSP4Tスイッチ部とも異なり、図4に示すような、直接接合型のシリーズ・シャント構成のパタンレイアウトとしている。
なお、図4には、SP8Tスイッチを形成する2つのSP4Tスイッチ部のうち、分岐点Bにて4分岐する下側のSP4Tスイッチ部(つまり、第2のSP4Tスイッチ部)のパタンレイアウトのみを示している。したがって、以下では、図4に示すSP4Tスイッチ部(第2のSP4Tスイッチ部)について、詳細な説明を行うこととする。
図4に示すSP4Tスイッチ部は、前述したように、図1の下側のSP4Tスイッチ(つまり、第2のSP4Tスイッチ部)として、シリーズFETを構成している第2のFETであるFET42〜42をm個(m=4)備えていることに加えて、図3に例示したSP4Tスイッチ部の場合と同様、シャントFETを構成する第4のFETであるFET425S〜428Sをm個(m=4)追加したシリーズ・シャント構成のスイッチを成しているが、図3に例示したSP4Tスイッチ部と比較して、配線の種類およびFETの配置方法が異なっている。
つまり、配線の種類としては、図1〜図3に例示したコプレーナ線路とは異なり、半導体基板の表面には、接地導体1および図示していない1層以上の誘電体層が順に積層され、第7の配線を形成する配線20、m本(m=4)の第3の配線を形成する配線21〜21、および、m個(m=4)の第3の端子にそれぞれ接続するm本(m=4)の第9の配線である配線22〜22は、半導体基板上および各誘電体層も含めた各層のうち、いずれかの層上に形成されるが、図4では、同一の層上に形成された構成を例示している。なお、第7の配線を形成する配線20、m本(m=4)の第3の配線を形成する配線21〜21、および、m本(m=4)の第9の配線である配線22〜22は、必ずしも同一の層上に形成される必要はなく、それぞれ、異なる層上に形成しても構わない。また、半導体基板上に順に1層以上の誘電体層と接地導体とが積層された構造において、第7の配線を形成する配線20、m本(m=4)の第3の配線を形成する配線21〜21、および、m本(m=4)の第9の配線である配線22〜22を、半導体基板上を含み、接地導体が形成された層上とは異なる層上に形成しても構わない。
好ましくは、m本(m=4)の第3の配線である配線21〜21間の相互干渉を低減することができるように、少なくとも、第3の配線である配線21〜21と接地導体との間の誘電体層の厚さが、数μm〜10μm程度に設定されることが望ましい。
かくのごとき配線構造を採用することにより、配線間の干渉を低減することができるため、4本の配線21〜21の間隔を狭めることができる。この結果、4本の配線21〜21の長さを短くすることができ、スイッチのより一層の広帯域動作を図ることができる。
なお、m本(m=4)の第3の配線である配線21〜21の他の一端とm個(m=4)の第2のFETであるFET42〜42とのそれぞれの接続は、m個(m=4)の第4のスルーホールであるスルーホール31〜31を介して行われ、m本(m=4)の第9の配線である配線22〜22とm個(m=4)の第2のFETであるFET42〜42とのそれぞれの接続は、m個(m=4)の第6のスルーホールであるスルーホール32〜32を介して行われる。
ここで、順次積層された接地導体を介して、m個(m=4)の第4のスルーホールであるスルーホール31〜31、m個(m=4)の第6のスルーホールであるスルーホール32〜32を設置する場合、当該接地導体の一部の領域には、m個(m=4)の第4のスルーホールであるスルーホール31〜31、m個(m=4)の第6のスルーホールであるスルーホール32〜32を、それぞれ、当該接地導体に接触することなく、貫通させるための間隙が設けられている。
また、上側に配置される第1のSP4Tスイッチ部の場合についても同様であり、第6の配線を形成する配線20、n本(n=4)の第2の配線を形成する配線21〜21、および、n個(n=4)の第2の端子にそれぞれ接続するn本(n=4)の第8の配線である配線22〜22は、半導体基板上も含め、1層以上の誘電体層(好ましくは各誘電体層の厚さが数μm〜10μm程度)上のうち、いずれかの層上に形成される。
さらに、少なくとも、第2の配線である配線21〜21および接地導体が、半導体基板上および1層以上の誘電体層を含めた各層のうち互いに異なるいずれかの層上に形成されるようにし、かつ、n本(n=4)の第2の配線である配線21〜21の他の一端とn個(n=4)の第1のFETであるFET42〜42とのそれぞれの接続は、n個(n=4)の第3のスルーホールであるスルーホール31〜31を介して行われ、n本(n=4)の第8の配線である配線22〜22とn個(n=4)の第1のFETであるFET42〜42とのそれぞれの接続は、n個(n=4)の第5のスルーホールであるスルーホール32〜32を介して行われる。
ここで、順次積層された接地導体を介して、n個(n=4)の第3のスルーホールであるスルーホール31〜31、n個(n=4)の第5のスルーホールであるスルーホール32〜32を設置する場合、当該接地導体の一部の領域には、n個(n=4)の第3のスルーホールであるスルーホール31〜31、n個(n=4)の第5のスルーホールであるスルーホール32〜32を、それぞれ、当該接地導体に接触することなく、貫通させるための間隙が設けられている。
また、図1のSP8Tスイッチに示した、第1の端子である共通端子とSPDTスイッチ8とを接続する配線20についても、1層以上の誘電体層上に形成する前述したような配線構造を適用することができる。
一方、図4に示すSP4Tスイッチ部におけるFETの配置方法に関しては、第2のFETであるFET42〜42のドレイン(またはソース)と第4のFETであるシャントFET425S〜428Sのドレイン(またはソース)とを、配線(図3の場合の第5の配線である配線23〜23)を介することなく、直接接合させ、さらに、SP4Tスイッチ部を形成する各SPSTスイッチは、分岐点Bの水平方向に対して図の上下に対称な位置に配置した構成となっている点が、図3に例示したSP4Tスイッチ部の場合とは異なっている。
つまり、例えば、分岐点Bの右上方向のSPSTスイッチには、第3の配線の一つである配線21および第4のスルーホールの一つであるスルーホール31を介して、第2のFETの一つであるシリーズFET42のソース(またはドレイン)が接続され、シリーズFET42のドレイン(またはソース)は、ソース(またはドレイン)が接地された第4のFETの一つであるシャントFET425Sのドレイン(またはソース)に直接接合されるとともに、第6のスルーホールの一つであるスルーホール32を介して、第9の配線の一つである配線22に接続された状態で配置されている。
かかるパタンレイアウトと同様の構成として、例えば、図4の分岐点Bの右下方向に位置するSPSTスイッチに関しても、配線21、スルーホール31、FET42、シャントFET426S、スルーホール32、配線22の各構成要素については、分岐点Bの右上に位置している各構成要素と上下に対称な位置関係で配置されている。
このようなFETの構成を採用することにより、FET間の間隔を、図3に例示した構成の場合よりもさらに狭めることができ、前述した配線の効果と合せて、より一層スイッチの広帯域化を図ることができる。
また、図3、図4のようなSP4Tスイッチ部を構成要素とするSP8Tスイッチの場合においても、図8の特性図に示したように、反射損失を−10dB以下に確保するために、n本(n=4)の第2の配線である配線21〜21およびm本(m=4)の第3の配線である配線21〜21の実効電気長を、あらかじめ定めた所望の動作周波数において、5度以下とすることが望ましい。
なお、SPDTスイッチ8の2個の個別端子のそれぞれに接続されるスイッチは、図3、図4に例示したようなSP4Tスイッチに限定されることなく、例えば図2において例示したSP6Tスイッチ、あるいは、SP3Tスイッチ、SP5Tスイッチなど、任意のSPkTスイッチ(k:2以上の整数)を使用することができる。
また、分岐点A、Bにおいてそれぞれn分岐、m分岐することにより配置されるSPnTスイッチ、SPmTスイッチのそれぞれのポート数は、同一のポート数に限定されることはなく、それぞれに配置されるポート数が異なるポート数となるスイッチを適用して、例えばSP4TスイッチとSP6Tスイッチとを適用して、全体として、SP10Tスイッチを構成するなどのスイッチ構成としても構わない。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態に係わる多端子半導体スイッチについて、図5、図6を用いて説明する。図5は、本発明の第3の実施の形態に係わる多端子半導体スイッチの一例であるSP16Tスイッチのパタンレイアウトを示すレイアウト図である。また、図6は、図5のパタンレイアウト構造を分かり易く示すための説明図であり、図6(A)は、図5の各構成要素のうち、第6、第7の配線である配線20、20、接地導体1、1、および、第1のスルーホールであるスルーホール33、接地導体1、1間を接続するスルーホール34〜34、第2のスルーホールである35、接地導体1、1間を接続するスルーホール36〜36を取り除いた状態のパタンレイアウトを示すレイアウト図であり、図6(B)は、図5のX‐X′面における断面図を示している。
図5、図6に例示する多端子半導体スイッチは、SP16Tスイッチを構成しており、1個の第1の端子を構成する共通端子(図示せず)からの配線20が、図1の場合と同様、第1の配線として、第5のFETとなるFET41、41等で構成されるSingle‐Pole Double‐Throw(SPDT:単極双投)スイッチ8の共通端子に接続される。
図6に示すように、SPDTスイッチ8の個別端子の一方は、第6の配線である配線20を介して、分岐点Aにおいて、n本(n:2以上の整数。図6の場合、n=8)の第2の配線である配線21〜21にn分岐され、n本の配線21〜21を介して、n個(n=8)の第1のFETであるFET42〜42のソース(またはドレイン)にそれぞれ接続される。つまり、一端が互いに接続された8本の第2の配線である配線21〜21を介して、SPDTスイッチ8の個別端子の一方と、8個の第1のFETであるFET42〜42のソース(またはドレイン)とのそれぞれが接続される。
また、n個(n=8)のFET42〜42のドレイン(またはソース)は、n本(n=8)の第8の配線である配線22〜22にそれぞれ接続され、n個(n=8)の第2の端子を構成する個別の端子(図示せず)に接続されている。したがって、分岐点Aを、第1のFETであるFET42〜42からなるn個(n=8)の各SPSTスイッチの共通端子として見ると、8個のSPSTスイッチからなるSingle‐Pole 8‐Throw(SP8T)スイッチを形成しており、第1のSP8Tスイッチ部を構成している。
同様に、SPDTスイッチ8の個別端子の他の一方は、第7の配線である配線20を介して、分岐点Bにおいて、m本(m:2以上の整数。図6の場合、m=8)の第3の配線である配線21〜2116にm分岐され、m本の配線21〜2116を介して、m個(m=8)の第2のFETであるFET42〜4216のソース(またはドレイン)にそれぞれ接続される。つまり、一端が互いに接続された8本の第3の配線である配線21〜2116を介して、SPDTスイッチ8の個別端子の他の一方と、8個のFET42〜4216のソース(またはドレイン)とのそれぞれが接続される。
また、m個(m=8)のFET42〜4216のドレイン(またはソース)は、m本(m=8)の第9の配線である配線22〜2216にそれぞれ接続され、m個(m=8)の第3の端子を構成する個別の端子(図示せず)に接続されている。したがって、分岐点Bを、第2のFETであるFET42〜4216からなるn個(n=8)の各SPSTスイッチの共通端子として見ると、8個のSPSTスイッチからなるSP8Tスイッチを形成しており、第2のSP8Tスイッチ部を構成している。
ここで、第1の配線である配線20、第8、第9の配線である配線22〜2216に関しては、図4に例示した配線構造と同様に形成される。つまり、半導体基板7の表面に、接地導体1および図示していない1層以上の誘電体層が順に積層され、配線20、配線22〜2216は、いずれかの誘電体層上に形成されている。
また、第7の配線である配線20に関しては、図6(B)に例示するように、半導体基板7の表面に、8本の第3の配線である配線21〜2116、誘電体層6、接地導体1、誘電体層6が順に積層され、配線20は、この誘電体層6上に形成された構造となっている。ここで、接地導体1、誘電体層6、6には、それらの一部の領域例えば中心部に第2のスルーホールであるスルーホール35を通過させるための間隙(穴)が穿設されており、配線20と配線21〜2116とを接地導体1と接触することなく接続することができる。
同様に、第6の配線である配線20に関しては、半導体基板7の表面に、8本の第2の配線である配線21〜21、誘電体層6、接地導体1、誘電体層6が順に積層され、配線20は、この誘電体層6上に形成された構造となっている。ここで、接地導体1、誘電体層6、6には、それらの一部の領域例えば中心部に第1のスルーホールであるスルーホール33を通過させるための間隙(穴)が穿設されており、配線20と配線21〜21とを接地導体1と接触することなく接続することができる。
つまり、第2の配線である配線21〜21および第6の配線である配線20が存在する領域の半導体基板7上には、順に1層以上の誘電体層6、接地導体1、1層以上の誘電体層6が積層され、当該領域において、第2の配線である配線21〜21と第6の配線である配線20とが、接地導体1が形成されていない半導体基板7上および誘電体層6、6を含めた各層のうち互いに異なるいずれかの異なる層上に形成され、かつ、第2の配線である配線21〜21の互いに接続された一端と第6の配線である配線20とは、第1のスルーホールであるスルーホール33を介して接続される。
一方、第3の配線である配線21〜2116および第7の配線である配線20が存在する領域の半導体基板7上には、順に1層以上の誘電体層6、接地導体1、1層以上の誘電体層6が積層され、当該領域において、第3の配線である配線21〜2116と第7の配線である配線20とが、接地導体1が形成されていない半導体基板7上および誘電体層6、6を含めた各層のうち互いに異なるいずれかの異なる層上に形成され、第3の配線である配線21〜2116の互いに接続された一端と第7の配線である配線20とは、第2のスルーホールであるスルーホール35を介して接続される。
さらに、n本(n=8)の第2の配線である配線21〜21の他の一端とn個(n=8)の第1のFETであるFET42〜42のソース(またはドレイン)とは、図4に示した例では第3のスルーホールを介して接続されていたが、本実施の形態の場合は、図6に示すように、直接接続される。同様に、m本(m=8)の第3の配線である配線21〜2116の他の一端とm個(m=8)の第2のFETであるFET42〜4216のソース(またはドレイン)についても、直接接続される。
また、図5に示すように、接地導体1、1は、それぞれ、スルーホール34〜34、スルーホール36〜36を介して、半導体基板7上の接地導体1と接続されている。
かくのごとき構造は、例えば、ポリイミドなどを絶縁層間膜として使用し、半導体基板7上においてポリイミドの塗布、加熱硬化、ドライエッチングによるスルーホール形成という製造工程を繰り返すことによって実現することができる。なお、第1の配線である配線20、第8、第9の配線である22〜2216の領域に適用される誘電体層に関しても、誘電体層6あるいは誘電体層6および誘電体層6によって構成することにより、図5、図6に示した全ての配線構造を共通の製造工程を用いて実現することができる。
このような構成とすることにより、スルーホール部を除き、全ての信号配線を高周波信号の伝送に適した特性インピーダンスとしてあらかじめ定めた特性の伝送線路として形成することができるため、スイッチの広帯域動作が容易になる。
さらに、第6の配線である配線20と第2の配線である配線21〜21との間、および、第7の配線である配線20と第3の配線である配線21〜2116との間に、それぞれ、接地導体1、1を設けることが可能になり、よって、配線20と配線21〜21との間、および、配線20と配線21〜2116との間の電磁結合をなくすことができるため、電磁結合による悪影響を懸念することなく、配線21〜21、21〜2116をレイアウトすることが可能になる。
つまり、電磁結合によるポート間特性のバラツキを懸念することなく、配線21〜21、21〜2116の最短かつ等長化に最適なレイアウトとすることができる。
一方、接地導体1、1が存在しない場合には、電磁結合の強弱により(例えば、図5、図6(A)に示すように配線20に近い配線21、21に関しては、両者の電磁結合が強くなり、配線20から離れた配線21、21に関しては、両者の電磁結合が弱くなることから)、ポート間特性の均一化が困難であり、その影響を低減するためには、レイアウトの自由度が制限されることになる。
なお、誘電体層6、6の厚みを、それぞれ、数μm〜10μm程度に設定することによって、配線20、配線21〜21のそれぞれから接地導体1までの距離、配線20、配線21〜2116のそれぞれから接地導体1までの距離をそれぞれ数μm〜10μm程度にすることができるため、配線21〜21および21〜2116相互の間隔を狭くしても、互いの不要な電磁結合を低減することができ、ポート数の増大に対応することが容易になる。
図5、図6に示すSP16Tスイッチにおいては、第5のFETであるFET41、41、第1のFETであるFET42〜42および第2のFETであるFET42〜4216のゲートに、それぞれ、第5の抵抗である抵抗51、51および第1の抵抗である抵抗52〜52および第2の抵抗である抵抗52〜5216が接続されており、制御端子(図示せず)からそれぞれ抵抗51、51および抵抗52〜5216を経由して各FETのゲート制御電圧を印加することによって、配線20が接続される共通端子(図示せず。つまり第1の端子)と配線22〜2216がそれぞれ接続される16個の個別端子(図示せず。8個の第2の端子と8個の第3の端子とからなる合計16個の端子)との間の切替制御が行われる。
また、第5の抵抗である抵抗51、51、第1の抵抗である抵抗52〜52および第2の抵抗である抵抗52〜5216は、接続される各FETの直近(近傍)において、あるいは、接続される各FETと隣接のFETとの間において、各FETのゲートに平行に配置されているため、FET間隔を拡げることなく、制御信号間の干渉を避けることができる。FET間隔を狭めることは、第2、第3の配線である配線21〜2116の長さを短くすることを可能にし、スイッチの動作帯域を拡大することに直結する。
なお、8個の第1のFETであるFET42〜42、8個の第2のFETであるFET42〜4216のそれぞれのゲートは、あるいは、8個の第1のFETであるFET42〜42、8個の第2のFETであるFET42〜4216、2個の第5のFETであるFET41、41のそれぞれのゲートは、互いに平行になるように配置される。
図5、図6に示すパタンレイアウトのSP16Tスイッチに関する以上に説明したような効果により、反射特性およびポート間特性の均一なSP16Tスイッチの広帯域動作を実現することができる上に、小型化・低コスト化も図ることができる。
なお、第1の配線である配線20、第6の配線である配線20、第7の配線である20、第2の配線である配線21〜21、第3の配線である配線21〜2116を信号線として使用する伝送線路の特性インピーダンスは、好ましくは、配線幅を細くすることなどによって、それらの配線の一部もしくは全部について、多端子半導体スイッチの入出力インピーダンスよりも高く設定することが望ましい。かくのごとき特性インピーダンスの配線とすることにより、より一層、オープンスタブの影響を相殺することができ、反射損失を改善することができる。
また、図8の特性図に示したように、反射損失を−10dB以下に確保するために、n本(n=8)の第2の配線である配線21〜21およびm本(m=8)の第3の配線である配線21〜2116の実効電気長を、あらかじめ定めた所望の動作周波数において、5度以下とすることが望ましい。
また、図5、図6のごとき回路構成においては、信号線がグランドに接続されていないため、入力された信号レベルをほぼそのまま出力することができる。したがって、RF帯の信号を用いる無線通信用途などに加えて、信号直流ロジックレベルに無依存な広帯域ベースバンド信号を利用する高速データ伝送用スイッチとしても利用することができる。
なお、SPDTスイッチ8の2個の個別端子に接続されるスイッチは、図5、図6に例示したようなSP8Tスイッチに限定されることはなく、SP3Tスイッチ、SP4Tスイッチ、SP5Tスイッチ、SP6Tスイッチなど、任意のSPkTスイッチ(k:2以上の整数)を使用することができる。
また、図6の分岐点A、Bにおいてそれぞれn分岐、m分岐することにより配置されるSPnTスイッチ、SPmTスイッチのそれぞれのポート数は、図5、図6に例示したような同一のポート数に限定されることはなく、それぞれに配置されるポート数が異なるポート数となるスイッチを適用して、例えばSP9TスイッチとSP10Tスイッチとを適用して、全体として、SP19Tスイッチを構成するなどのスイッチ構成としても構わない。
なお、図6(B)の断面図に示した構成と異なる構成としても良く、例えば、配線20、20と配線21〜2116との位置関係を逆にして、配線20、20を半導体基板7上に、配線21〜2116を誘電体層6上に配するような構成であっても構わない。
また、図5、図6のような構造を、第1の実施の形態における図1、図2、第2の実施の形態における図3、図4に示した多端子半導体スイッチに適用しても構わない。
[その他の実施の形態]
本実施の形態においては、多端子半導体スイッチ中のSPDTスイッチ8を構成するFETの個数については、前述した各実施の形態のように、FET41、41の2個に限るものではなく、2個以上のFETを用いて構成するようにしても良い。また、SPDTスイッチ8を、FETに代えて、微小な機械式スイッチ(MEMS(Micro‐Electro‐Mechanical Systems)スイッチ)を用いて構成しても構わない。MEMSスイッチを用いる場合、FETを用いた構成と比較して、制御電圧が大きくなり、切替時間が遅くなるというデメリットがあるものの、スイッチの低損失化および高アイソレーション化を図ることができる。
また、SPDTスイッチ8の2個の個別端子と分岐点A、Bとのそれぞれの間を接続する際に、前述した各実施の形態においては、第6の配線である配線20、第7の配線である配線20を介して接続する例を示したが、場合によっては、SPDTスイッチ8の2個の個別端子と分岐点A、Bとのそれぞれの間を、第6、第7の配線を介することなく、直結するようにしても良い。
また、n個の第1のFETとn個の第2の端子とのそれぞれの間、m個の第2のFETとm個の第3の端子とのそれぞれの間を接続する際に、前述した各実施の形態においては、n本の第8の配線、m本の第9の配線を介して接続する例を示したが、n本の第8の配線、m本の第9の配線は、それぞれ、等長であることが望ましい。あるいは、場合によっては、第8、第9の配線を介することなく、第1、第2のFETと第2、第3の端子とを、それぞれ、直結するようにしても良い。
また、半導体基板7上に1層以上の誘電体層を積層する場合、前述した各実施の形態においては、n本の第8の配線とn個の第1のFETの間、m本の第9の配線とm個の第2のFETとの間を、それぞれ、第5のスルーホール、第6のスルーホールを介して接続する例を説明したが、場合によっては、誘電体層を積層する場合であっても、n本の第8の配線とn個の第1のFETとを、m本の第9の配線とm個の第2のFETとを、それぞれ、同一の層上に配置して、n本の第8の配線とn個の第1のFETの間、m本の第9の配線とm個の第2のFETとの間を、スルーホールを介することなく、直接接続するようにしても良い。
さらに、n個の第1のFETおよびm個の第2のFETのゲートについては、それぞれ、ゲートフィンガ1本で構成され、かつ、同一の方向に向くように形成されて、互いに平行になるように配置されることが望ましい。かくのごとき構成を用いることにより、各FET間の間隔を狭めることが可能になり、n本の第2の配線、m本の第3の配線の長さを短くすることでき、多端子半導体スイッチの動作帯域を拡大することができる。
また、n個の第1のFETおよびm個の第2のFETのゲート幅についても、それぞれ、n本の第2の配線およびm本の第3の配線の長さ以下になっていることが望ましい。かくのごとき構成を用いることにより、第1のFET、第2のFETのOFF時に、第2の配線、第3の配線とともにオープンスタブに見えてしまう第1のFET、第2のFETの物理長の影響を大幅に低減することができ、多端子半導体スイッチの動作帯城をさらに拡大することができる。
本発明の第1の実施の形態に係わる多端子半導体スイッチの一例であるSP8Tスイッチのパタンレイアウトを示すレイアウト図である。 本発明の第1の実施の形態に係わる多端子半導体スイッチの図1の場合とは異なる例であるSP12Tスイッチのパタンレイアウトを示すレイアウト図である。 本発明の第2の実施の形態に係わる多端子半導体スイッチの一例であるSP8Tスイッチを形成するためのSP4Tスイッチ部のパタンレイアウトを示すレイアウト図である。 本発明の第2の実施の形態に係わる多端子半導体スイッチの一例であるSP8Tスイッチを形成するためのSP4Tスイッチ部の図3の場合とは異なるパタンレイアウトを示すレイアウト図である。 本発明の第3の実施の形態に係わる多端子半導体スイッチの一例であるSP16Tスイッチのパタンレイアウトを示すレイアウト図である。 図5のパタンレイアウト構造を分かり易く示すための説明図である。 従来のSP8Tスイッチの接続構成を示す回路図である。 図7のSP8Tスイッチにおける信号特性のシミュレーション結果を示す特性図である。 従来のSP8Tスイッチの図7とは異なる構成を示す回路図である。
符号の説明
1,1,1,1…接地導体、20〜20,21〜2116,22〜2216,23〜23…配線、31,31〜31,32〜3216,33,34〜34,35,36〜36,37,37…スルーホール、41,41,42〜4216…FET、421S〜428S…シャントFET、51,51,52〜5216…抵抗、8…SPDTスイッチ、9〜9…SPSTスイッチ、10,10,1011,1012,1021,1022,10111,10112,10121,10122,10211,10212,10221,10222…SPSTスイッチ、A,B…分岐点。

Claims (18)

  1. 半導体基板に、1個の第1の端子と、n個(n:2以上の正整数)の第2の端子と、m個(m:2以上の正整数)の第3の端子とを備え、
    さらに、1個の共通端子と2個の個別端子とを有するSPDT(単極双投)スイッチを備え、
    さらに、n個の第1のFETと、m個の第2のFETと、第1の配線と、一端が互いに接続されたn本の第2の配線と、一端が互いに接続されたm本の第3の配線と、を備えてなる多端子半導体スイッチであって、
    前記第1の端子と前記共通端子とは、前記第1の配線を介して接続され、
    前記第2の配線の互いに接続された一端は、前記SPDTスイッチの一方の個別端子に接続され、他の一端は、それぞれ、n個の前記第1のFETのソースまたはドレインに接続され、n個の前記第1のFETのドレインまたはソースは、それぞれ、n個の前記第2の端子に接続され、
    前記第3の配線の互いに接続された一端は、前記SPDTスイッチの他の一方の個別端子に接続され、他の一端は、それぞれ、m個の前記第2のFETのソースまたはドレインに接続され、m個の前記第2のFETのドレインまたはソースは、それぞれ、m個の前記第3の端子に接続され、
    n本の前記第2の配線およびm本の前記第3の配線は、それぞれ、直線で形成され、かつ、それぞれの長さが互いに等しいことを特徴とする多端子半導体スイッチ。
  2. 請求頂1に記載の多端子半導体スイッチにおいて、
    前記第2の配線および前記第3の配線の実効電気長が、それぞれ、あらかじめ定めた所望の動作周波数において、5度以下であることを特徴とする多端子半導体スイッチ。
  3. 請求項1または2に記載の多端子半導体スイッチにおいて、
    n個の前記第1のFETおよびm個の前記第2のFETのゲートフィンガは、それぞれ、1本であることを特徴とする多端子半導体スイッチ。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の多端子半導体スイッチにおいて、
    n個の前記第1のFETおよびm個の前記第2のFETのゲート幅は、それぞれ、n本の前記第2の配線およびm本の前記第3の配線の長さ以下であることを特徴とする多端子半導体スイッチ。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の多端子半導体スイッチにおいて、
    n個の前記第1のFETのゲートにそれぞれ接続されるn個の第1の抵抗と、m個の前記第2のFETのゲートにそれぞれ接続されるm個の第2の抵抗とを備え、
    n個の前記第1の抵抗は、それぞれが接続される前記第1のFETの近傍、あるいは、当該第1のFETと隣接の前記第1のFETとの間に配置され、
    m個の前記第2の抵抗は、それぞれが接続される前記第2のFETの近傍、あるいは、当該第2のFETと隣接の前記第2のFETとの間に配置されてなることを特徴とする多端子半導体スイッチ。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の多端子半導体スイッチにおいて、
    さらに、n個の第3のFETと、m個の第4のFETとを備え、
    n個の前記第3のFETのソースまたはドレインは接地され、n個の前記第3のFETのドレインまたはソースは、それぞれ、n個の前記第1のFETのドレインまたはソースに直接接合され、
    m個の前記第4のFETのソースまたはドレインは接地され、m個の前記第4のFETのドレインまたはソースは、それぞれ、m個の前記第2のFETのドレインまたはソースに直接接合されてなることを特徴とする多端子半導体スイッチ。
  7. 請求項6に記載の多端子半導体スイッチにおいて、
    さらに、n本の第4の配線とm本の第5の配線とを備え、
    n個の前記第3のFETのドレインまたはソースは、n個の前記第1のFETのドレインまたはソースに、それぞれ直接接合されることに代わり、n本の前記第4の配線を介して、それぞれ接続され、
    m個の前記第4のFETのドレインまたはソースは、m個の前記第2のFETのドレインまたはソースに、それぞれ直接接合されることに代わり、m本の前記第5の配線を介して、それぞれ接続されてなることを特徴とする多端子半導体スイッチ。
  8. 請求項7に記載の多端子半導体スイッチにおいて、
    n本の前記第4の配線およびm本の前記第5の配線は、それぞれ、直線で形成され、かつ、それぞれの長さが互いに等しいことを特徴とする多端子半導体スイッチ。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の多端子半導体スイッチにおいて、
    前記SPDTスイッチは、2つ以上の第5のFETを少なくとも備えてなることを特徴とする多端子半導体スイッチ。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載の多端子半導体スイッチにおいて、
    前記第1、第2のFETあるいは前記第1乃至第4のFETあるいは前記第1、第2、第5のFETあるいは前記第1乃至第5のFETのゲートが、互いに平行であることを特徴とする多端子半導体スイッチ。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の多端子半導体スイッチにおいて、
    さらに、第6の配線と第7の配線とを備え、
    前記第2の配線の互いに接続された一端と前記SPDTスイッチの一方の個別端子とは、前記第6の配線を介して接続され、
    前記第3の配線の互いに接続された一端と前記SPDTスイッチの他の一方の個別端子とは、前記第7の配線を介して接続されてなることを特徴とする多端子半導体スイッチ。
  12. 請求項1乃至11のいずれかに記載の多端子半導体スイッチにおいて、
    前記第2の配線が存在する領域の前記半導体基板上には、1層以上の誘電体層が積層され、
    当該領域において、前記第2の配線と接地導体とが、前記半導体基板上および前記誘電体層を含めた各層のうち互いに異なるいずれかの層上に形成され、
    前記第3の配線が存在する領域の前記半導体基板上には、1層以上の誘電体層が積層され、
    当該領域において、前記第3の配線と接地導体とが、前記半導体基板上および前記誘電体層を含めた各層のうち互いに異なるいずれかの層上に形成されてなることを特徴とする多端子半導体スイッチ。
  13. 請求項11に記載の多端子半導体スイッチにおいて、
    前記第2の配線および前記第6の配線が存在する領域の前記半導体基板上には、順に1層以上の誘電体層、接地導体、1層以上の誘電体層が積層され、
    当該領域において、前記第2の配線と前記第6の配線とは、前記接地導体が形成されていない前記半導体基板上および前記誘電体層を含めた各層のうち互いに異なるいずれかの異なる層上に形成され、
    前記第2の配線の互いに接続された一端と前記第6の配線とは、第1のスルーホールを介して接続され、
    前記第3の配線および前記第7の配線が存在する領域の前記半導体基板上には、順に1層以上の誘電体層、接地導体、1層以上の誘電体層が積層され、
    当該領域において、前記第3の配線と前記第7の配線とは、前記接地導体が形成されていない前記半導体基板上および前記誘電体層を含めた各層のうち互いに異なるいずれかの異なる層上に形成され、
    前記第3の配線の互いに接続された一端と前記第7の配線とは、第2のスルーホールを介して接続されてなることを特徴とする多端子半導体スイッチ。
  14. 請求項12または13に記載の多端子半導体スイッチにおいて、
    n本の前記第2の配線の他の一端とn個の前記第1のFETのソースまたはドレインとは、直接または第3のスルーホールを介して接続され、
    m本の前記第3の配線の他の一端とm個の前記第2のFETのソースまたはドレインとは、直接または第4のスルーホールを介して接続されてなることを特徴とする多端子半導体スイッチ。
  15. 請求項1乃至14のいずれかに記載の多端子半導体スイッチにおいて、
    さらに、n本の第8の配線とm本の第9の配線とを備え、
    n個の前記第1のFETのドレインまたはソースとn個の前記第2の端子とは、それぞれ、n本の前記第8の配線を介して接続され、
    m個の前記第2のFETのドレインまたはソースとm個の前記第3の端子とは、それぞれ、m本の前記第9の配線を介して接続され、
    n本の前記第8の配線およびm本の前記第9の配線は、それぞれの長さが互いに等しいことを特徴とする多端子半導体スイッチ。
  16. 請求項15に記載の多端子半導体スイッチにおいて、
    n本の前記第8の配線が存在する領域の前記半導体基板上には、1層以上の誘電体層が積層され、
    当該領域において、n本の前記第8の配線と接地導体とが、前記半導体基板上および前記誘電体層を含めた各層のうち互いに異なるいずれかの層上に形成され、
    n本の前記第8の配線とn個の前記第1のFETのドレインまたはソースとは、直接または第5のスルーホールを介して接続され、
    m本の前記第9の配線が存在する領域の前記半導体基板上には、1層以上の誘電体層が積層され、
    当該領域において、m本の前記第9の配線と接地導体とが、前記半導体基板上および前記誘電体層を含めた各層のうち互いに異なるいずれかの層上に形成され、
    m本の前記第9の配線とm個の前記第2のFETのドレインまたはソースとは、直接または第6のスルーホールを介して接続されてなることを特徴とする多端子半導体スイッチ。
  17. 請求項13乃至16のいずれかに記載の多端子半導体スイッチにおいて、
    前記第1および第2のスルーホール、および/または、前記第3および第4のスルーホール、および/または、前記第5および第6のスルーホールを、順次積層された前記接地導体を介して設置する場合、当該接地導体の一部の領域に、前記第1および第2のスルーホール、および/または、前記第3および第4のスルーホール、および/または、前記第5および第6のスルーホールを、当該接地導体と接触することなく、通過させる間隙を設けてなることを特徴とする多端子半導体スイッチ。
  18. 請求項1乃至17のいずれかに記載の多端子半導体スイッチにおいて、
    前記第1の配線、前記第2、第3の配線、前記第6、第7の配線のうち、一部または全ての配線の特性インピーダンスを、当該多端子半導体スイッチの入出力インピーダンスよりも高くすることを特徴とする多端子半導体スイッチ。
JP2008242091A 2008-09-22 2008-09-22 多端子半導体スイッチ Pending JP2010074025A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008242091A JP2010074025A (ja) 2008-09-22 2008-09-22 多端子半導体スイッチ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008242091A JP2010074025A (ja) 2008-09-22 2008-09-22 多端子半導体スイッチ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010074025A true JP2010074025A (ja) 2010-04-02

Family

ID=42205518

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008242091A Pending JP2010074025A (ja) 2008-09-22 2008-09-22 多端子半導体スイッチ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010074025A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3188308B1 (en) * 2015-12-29 2019-05-01 Synergy Microwave Corporation Microwave mems phase shifter
US10971448B2 (en) 2017-02-28 2021-04-06 Murata Manufacturing Co., Ltd. Switching device
CN116960072A (zh) * 2022-10-31 2023-10-27 苏州悉智科技有限公司 功率器件封装结构
CN116960072B (zh) * 2022-10-31 2024-05-03 苏州悉智科技有限公司 功率器件封装结构

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08172163A (ja) * 1994-12-19 1996-07-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd 1入力多出力スイッチおよび多入力1出力スイッチ
JPH08223021A (ja) * 1994-12-16 1996-08-30 Matsushita Electric Ind Co Ltd 1入力多出力スイッチ及び多入力1出力スイッチ
JPH09186501A (ja) * 1995-12-28 1997-07-15 Nec Corp 半導体装置
JPH11163642A (ja) * 1997-12-01 1999-06-18 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 半導体装置およびそれを用いた高周波回路
JP2000299435A (ja) * 1999-04-12 2000-10-24 Toshiba Microelectronics Corp 回路の配線構造
JP2005311688A (ja) * 2004-04-21 2005-11-04 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> スイッチマトリックス
JP2006229574A (ja) * 2005-02-17 2006-08-31 Matsushita Electric Ind Co Ltd 高周波増幅器
WO2006095729A1 (ja) * 2005-03-09 2006-09-14 Nippon Telegraph And Telephone Corporation マトリクススイッチ

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08223021A (ja) * 1994-12-16 1996-08-30 Matsushita Electric Ind Co Ltd 1入力多出力スイッチ及び多入力1出力スイッチ
JPH08172163A (ja) * 1994-12-19 1996-07-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd 1入力多出力スイッチおよび多入力1出力スイッチ
JPH09186501A (ja) * 1995-12-28 1997-07-15 Nec Corp 半導体装置
JPH11163642A (ja) * 1997-12-01 1999-06-18 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 半導体装置およびそれを用いた高周波回路
JP2000299435A (ja) * 1999-04-12 2000-10-24 Toshiba Microelectronics Corp 回路の配線構造
JP2005311688A (ja) * 2004-04-21 2005-11-04 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> スイッチマトリックス
JP2006229574A (ja) * 2005-02-17 2006-08-31 Matsushita Electric Ind Co Ltd 高周波増幅器
WO2006095729A1 (ja) * 2005-03-09 2006-09-14 Nippon Telegraph And Telephone Corporation マトリクススイッチ

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3188308B1 (en) * 2015-12-29 2019-05-01 Synergy Microwave Corporation Microwave mems phase shifter
US10971448B2 (en) 2017-02-28 2021-04-06 Murata Manufacturing Co., Ltd. Switching device
CN116960072A (zh) * 2022-10-31 2023-10-27 苏州悉智科技有限公司 功率器件封装结构
CN116960072B (zh) * 2022-10-31 2024-05-03 苏州悉智科技有限公司 功率器件封装结构

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4373954B2 (ja) 90度ハイブリッド回路
JP4192194B2 (ja) マトリクススイッチ
US9985331B2 (en) Substrate integrated waveguide switch
US10097232B2 (en) Apparatus for reducing RF crossover coupling
CN111048877B (zh) 具有不对称接地的微型慢波传输线和相关移相器系统
US10172231B2 (en) Methods and apparatus for reducing RF crossover coupling
AU2005234469B2 (en) Miniature broadband switched filter bank
JP2010074027A (ja) Fetスイッチ
US8754722B2 (en) Planar integrated switching device
US20190020088A1 (en) Microwave digital phase shifters
JP2010074025A (ja) 多端子半導体スイッチ
JP4812741B2 (ja) 半導体スイッチ
EP2999117B1 (en) Device and method for switchably routing down-converted RF signals
JP4087354B2 (ja) 4×4スイッチおよび8×8スイッチ
US10622995B2 (en) Independent control of branch FETs for RF performance improvement
JP4040600B2 (ja) 2×2スイッチおよび4×4スイッチ
Gimenez et al. A compact microstrip T-type switch for narrowband applications
CN110352485B (zh) 开关装置
JP3946712B2 (ja) スイッチ装置
JP4586064B2 (ja) 4×4スイッチ
Kamitsuna et al. An 8× 8 Switch Matrix MMIC Integrating Eight InP-HEMT SP8T Switches for 10-Gbit/s Systems

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100721

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20120530

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20120530

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121218

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130507