JP2010073523A - 絶縁電線および、それを備えたリアクトル - Google Patents

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Abstract


【課題】 リアクトルに用いられる絶縁電線において、表面に凹凸形状を設けることによって表面積を大きくし放熱効率を高める。
【解決手段】 絶縁電線4に電流が流れると、トロイダル型チョークコイル1は発熱する。絶縁電線4の表面には凹凸形状4cが設けられており周囲の空気に触れる表面積が通常電線より大きくなるため、効率よく放熱が行えるので優れた熱放散性が得られる。また、コアケース3に絶縁電線4を巻回した際には、コアケース3の外面に絶縁電線4の凹凸形状4cが当接することによってコアケース3の外面と絶縁電線4との間に空隙ができるので、この空隙を空気が流通することにより熱放散性が向上する。さらには、巻回された絶縁電線4が、互いに隣り合う電線同士の凹凸形状4cが面接触することによって密着性が増すために熱伝導性が向上し、絶縁電線4が放熱器のような効果を持つ。
【選択図】 図3

Description

本発明は、絶縁電線に係わり、より詳細には、断面形状が外表部に複数の凹凸部を有する絶縁電線に関する。
従来、リアクトルに使用される絶縁電線としては、導体にポリウレタンやポリエステル等を被膜した、いわゆるエナメル線と呼ばれるものが知られている。このエナメル線は、耐熱性は有するものの熱放散性は劣るため、電線自体やリアクトルのコアで発生した熱を効率的に放散できないという問題があった。
そこで、熱放散性を高めた絶縁電線として、特許文献1や特許文献2に示すように、導体被膜の表面に放熱性を有する被膜を別途設けるものが提案されている。
特許文献1に開示されている絶縁電線(従来例1)は、アルミニウム又はアルミニウム合金を外表面に有する導体と、導体の外表面に形成される絶縁被膜であるアルミニウム又はアルミニウム合金の酸化物層を備え、さらにその外表面に窒化アルミニウム層を備えている。この窒化アルミニウム層は、アルミナの10倍の高い熱伝導率を有しているため優れた放熱性を有し、これにより優れた熱放散性を持つ絶縁電線を実現している。
また、特許文献2に開示されている絶縁電線(従来例2)は、エナメル線の表面に、炭酸カルシウムや酸化マグネシウム等といった無機材料からなる粉末(無機粉末)を付着させている。これら無機粉末は熱伝導率に優れているため、これにより優れた熱放散性を持つ絶縁電線を実現している。
しかし、従来例1や従来例2に説明されている方法では、通常の絶縁被膜の外表面にさらに熱伝導性の良い被膜を設けているため、新たに材料費がかかると共に被膜を設ける工程が増えることによる製造費の増加でコストアップとなる問題があった。
一方、通常の絶縁被膜を有する絶縁電線を使用して熱放散性を高める方法としては、特許文献3に示すように、エナメル線で形成されたトロイダル型コイルの一部に放熱器を設けるものが提案されている。図5は特許文献3に開示されているトロイダル型コイルを示す図面であり、(A)は概略図、(B)は要部分解図、(C)は放熱器の別の形状を示す図面である。このトロイダル型コイル100は、トロイダルコア101と、アルミニウム等の熱伝導性の高い材質で形成された放熱器102と、巻線103とから構成されている。
放熱器102は、図5(B)に示すように略半円状の形状を有し、その外周部には放射状に伸びる放熱フィン102aを多数有している。また、放熱器102の内周面の円弧形状は、トロイダルコア101の外周面形状に対応して形成されており、トロイダルコア101の外周面に放熱器102を接合できるようになっている。
トロイダル型コイル100の組み立ては、まずトロイダルコア101の外周面に放熱器102を接合し、次に巻線103を巻回する。放熱器102は、図5(A)に示すように、トロイダルコア101の外周面の略半周にわたって接合され、巻線103は放熱器102の部分においては放熱フィン102aの間にトロイダルコア101を介して巻回される。これにより、トロイダル型コイル100を使用(通電)する際に発生する熱を、放熱器102を介して外部に放熱することができる。
また、放熱器102は略半円状の形状であるため、トロイダル型コイル100を基板に実装もしくは機器に取付ける際に省スペース化ができる。例えば、トロイダル型コイル100を基板に対し垂直に実装する場合、放熱器102の放熱フィン102aが全周にわたって設けられていると、放熱フィン102aの長さの分基板から距離を取って実装する必要があるが、略半円状の形状であれば基板と180度反対の方向に放熱器102を設ければ、基板と放熱器102が干渉することはないのでその必要はなくなる。
また、図5(C)のように、放熱フィン102a’の長さを中央部からその両端にいくに従って次第に短くなるように形成すれば、トロイダル型コイル100の付近に実装されている他の電子部品との距離を縮めることができるため、実装密度をより高くすることにより基板の小型化をすることができる。
しかし、従来例3に説明されている方法では、別部品として放熱器102を設ける必要があるため、その材料費が余分に必要となると共に、放熱器102を押出し成形で作成する場合はその成形金型の費用が、切削にて作成する場合はその加工費といった制作費がかかり、コストアップになるという問題があった。また、図5(C)のように両端の放熱フィン102a’を短くしても、放熱フィン102a’の長さ分は隣接する装置や電子部品との距離を取る必要があるため、さらに実装密度の向上し基板、機器の小型化を行うことが困難であるという問題があった。
特開平4−296405号公報(第2〜3頁、第1図) 特公昭49−7426号公報(第1〜2頁、第1図) 実開昭60−32743号公報(第1〜2頁、第1図、第2図)
本発明は以上述べた問題点を解決し、コストアップをすることなく絶縁電線およびこれを用いたリアクトルの放熱を行い、かつ省スペース化により装置を小型化することを目的とする。
本発明は上述の課題を解決するため、請求項1に関する発明は、導体と、同導体の外表面に絶縁被膜が形成された絶縁電線において、前記導体の表面に凹凸形状を形成したことを特徴としている。
また、請求項2に関する発明は、前記絶縁被膜は、前記導体の表面に形成された前記凹凸形状に沿っ
て形成されたことを特徴としている。
また、請求項3に関する発明は、前記絶縁被膜は、耐熱性を有する有機材料からなることを特徴とし
ている。
また、請求項4に関する発明は、リアクトルが、磁性材料からなるコアと、同コアに磁気飽和特性を
調整するギャップと、導体表面に凹凸形状を有し、同導体の外表面に絶縁被膜が形成され、前記コアに巻回されコイルを形成する絶縁電線とを備えたことを特徴としている。
また、請求項5に関する発明は、前記絶縁電線は、前記導体の表面に形成された前記凹凸形状に沿っ
て絶縁被膜が形成されたことを特徴としている。
さらには、前記絶縁電線は、耐熱性を有する有機材料からなる絶縁被膜が形成されていることを特徴
としている。
請求項1および請求項2に係わる発明は、絶縁電線の断面形状において外形部に複数の凹凸形状を設けている。これにより、断面形状が円形である絶縁電線(以下通常電線と記載する)に比べて周囲の空気に触れる表面積が増加するので、効率の良い熱放散を行うことができる。
また、請求項3に係わる発明は、リアクトルやチョークコイルに一般的に使用されるいわゆるエナメル線に使用されている、ポリウレタンやポリエステル等といった耐熱性を有する有機材料を導体の被膜に使用している。本発明の絶縁電線は、導体の延伸工程で断面形状が凹凸形状となるよう成形金型(ダイス)を用意する以外は通常電線と同様に作成ができる。表面の凹凸形状の効果によって通常電線より熱放散性が高いため、絶縁被膜は上述した有機材料を使用すればよく、従来例1や2のような特別に熱伝導率の高い材料を被膜に用いる必要がないためコストアップを防ぐことができる。
さらには、請求項4、請求項5および請求項6に係わる発明は、表面に凹凸形状を設けた絶縁電線をリアクトルやチョークコイルの巻線に使用することにより、表面の凹凸形状によってコアとの間に空隙ができるため、この空隙を空気が流通することによっても熱放散性が増加する。また、上述したコアに巻回の際には、隣り合う絶縁電線同士が表面の凹凸形状によって、通常電線に比べ絶縁電線同士の接触面積が増加して互いの密着性が高まることにより熱伝導性が向上する。従って、巻回された絶縁電線が放熱器のような効果を持つと共に、多層巻回する場合は内側の絶縁電線で発生した熱を外側の絶縁電線に効率よく伝達し迅速な放熱効果を得ることができる。
これにより、リアクトルやチョークコイルで発生した熱を効率よく放熱し温度上昇を防ぐことができるので、通常はコアの大型化つまりはリアクトルやチョークコイルを大型化する、あるいは、従来例3のように放熱器を設けることにより行ってきた温度上昇対策が必要なくなり、リアクトルやチョークコイルの小型化ができ基板、機器の小型化を行うことができる。また、同じ大きさのリアクトルやチョークコイルでは、コイル部に通常電線を使用する場合に比べより大きな電流を流すことができる。さらには、使用する絶縁電線の被膜は従来例1や2のような特別に熱伝導率の高い材料を被膜に用いる必要がないため、上述した小型化・大電流化と併せて、コストアップを防ぐことができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。尚、実施例としては、リアクトルの一種であるトロイダルコアを有するトロイダル型チョークコイルや、EI型コアを有し絶縁電線が多層巻回されているリアクトルを例として説明することとする。
図1は、エアコンのノイズフィルタやインバータ回路等に使用されるトロイダル型チョークコイルの説明図であり、(A)は上面図、(B)は側面図、(C)は(B)におけるD−D’断面図である。このトロイダル型チョークコイル1は、トロイダルコア2と、トロイダルコア2を衝撃等から保護および絶縁するためのコアケース3と、コイルを形成する絶縁電線4と、ギャップスペーサ5と、リード線6と、リード線6の一部を覆うよう設けられた耐熱チューブ7と、リード線6の一端に接続された端子8と、ハウジング9と、絶縁電線4とリード線6を接続する中継端子10とで構成されている。
トロイダルコア2は、鉄基アモルファス等の磁性材料で形成されており、ドーナツ状の形状を有している。具体的には、予め定められた透磁率を有し薄い板状に成形された磁性材料を、巻取り成形してドーナツ状の形状が形成されている。
コアケース3は、上ケース3aと下ケース3bとで構成され、各々耐熱性を有する樹脂材で形成されている。上ケース3aと下ケース3bは共に外形部が略円筒状で内径部にはドーナツ状の空洞を備えており、内部にトロイダルコア2を格納できるようになっている。また、下ケース3bには、図示しない機器筐体へトロイダル型チョークコイル1をねじ止め固定するための貫通孔3cが3個所に設けられている。
絶縁電線4は、定格電流や直流重畳インダクタンス等の所望の電気的特性を満足するよう選択され、所定の巻回数でコアケース3に螺旋状に巻回されている。この絶縁電線4は、図2の断面形状図に示すように、導体4aの断面形状が通常の円形でなく外周部に凹凸形状4cを有しており、凹部/凸部それぞれ8箇所を有し点Pを中心とする点対称形状としている。導体4aの表面にはこの凹凸形状4cに沿って、ポリウレタンやポリエステル等といった耐熱性を有する有機材料で絶縁被膜4bが形成されている。
導体4aの成形は、導体4aの延伸工程の際に予め図2に示すような形状とするための成形金型(ダイス)を作成しておけば通常電線と同じように成形が行える。すなわち、成形機に上述したダイスをセットし、成形金型の形状より若干大きな外径を有する導体材料を押し出して成形金型を通すことにより成形される。尚、導体4aは、上述した電気的特性を満足する通常電線を計算や現物確認によって選んでおき、その断面積、例えば直径1mmの電線であれば断面積は0.785mm2 と同じとなるように成形すればよい。
ギャップスペーサ5は、樹脂材で形成され、磁気飽和特性を調整するためトロイダルコア2に設けられたギャップに挿入し磁気振動による騒音を低減する。リード線6は導体と樹脂被膜からなり、一端が中継端子10を介して絶縁電線4と電気的に接続されている。また、リード線6の他端には雌型の端子8が電気的に接続されており、図示しない制御基板に設けられた雄型の端子に嵌合する形状とされている。この端子8には、樹脂材で形成されたハウジング9が端子8を覆うよう設けられており、これによりいわゆるポジティブロック機能(相手側の雄型端子から端子8を引き抜く際に、ハウジング9に力を加えることで端子8に設けられている抜け防止用ロック機構を解除する機能)を持たせている。
また、リード線6には耐熱材料で形成された耐熱チューブ7が設けられており、リード線6の一部を覆うように、詳しくは絶縁電線4の引き出し部(コアケース3のドーナツ状空洞部)から端子8の方向に向かい中継端子10の少し先まで覆っている。これにより、絶縁電線4やリード線6および中継端子10を熱から保護すると共に中継端子10の絶縁を確保している。
以上説明した構成において、図示しない制御基板より端子8、リード線6および中継端子10を介して絶縁電線4に電流が流れると、トロイダル型チョークコイル1は発熱する。絶縁電線4の表面には凹凸形状4cが設けられており周囲の空気に触れる表面積が通常電線より大きくなるため、効率よく放熱が行えるので優れた熱放散性を得ることができる。また、コアケース3に絶縁電線4を巻回した際は、コアケース3の外面に絶縁電線4の凹凸形状4cが当接することによってコアケース3の外面と絶縁電線4との間に多数の空隙ができるので、この空隙を空気が流通することにより熱放散性が向上する。さらには、巻回された絶縁電線4は、互いに隣り合う電線同士の凹凸形状4cが面接触することによって密着性が増すために熱伝導性が向上し、絶縁電線4が放熱器のような効果を持つ。
次に、図1、図2および図3を用いて絶縁電線4による熱放散の原理および効果について説明する。図3は、図1(C)におけるE部拡大図であり、(A)は通常電線を使用した場合、(B)は本発明の絶縁電線4を使用した場合を示している。尚、以下で通常電線、本発明の絶縁電線4に共通した原理や効果を説明する場合には、「電線」と記載することとする。
図示しない制御基板より電流が供給されトロイダル型チョークコイル1に電流が流れると、電流による電線の発熱、トロイダルコア2の損失による発熱等によってトロイダル型チョークコイル1の温度が上昇する。図3(A)に示す通常電線を使用した従来のトロイダル型チョークコイルの場合は、周囲の空気に触れる電線の表面積が充分に取れないので、電線自身の放熱やトロイダルコア2で発生した熱がコアケース3を介して通常電線に伝達し放熱される際に熱放散性が不十分であったため、従来例1や従来例2のような方法を取る必要があった。
また、通常電線とコアケース3との間の空間(図3(A)のS1)の空気は、通常電線とトロイダルコア2両者からの放射熱により高温となり、特にコアケース3の内周面(コアケース3のドーナツ状空洞部)では外周面に比べ空気の流通が少ないために高温となる。通常電線を使用した従来のトロイダル型チョークコイルでは、上述した部分の熱放散性も不十分であり、やはり従来例1や従来例2もしくは従来例3のような方法を取る必要があった。
これに対し、図3(B)に示す本発明のトロイダル型チョークコイル1の場合は、外周部に複数の凹凸形状4cを有した絶縁電線4を使用しているので、電線自身の放熱については周囲の空気に触れる表面積が通常電線より多くなるため、効率よく放熱が行なえ速やかに熱放散することができる。
また、隣り合う絶縁電線4同士は、通常電線では点接触しているのに対し、絶縁電線4では凹凸形状4cの面同士が接触しているため接触面積が大きくなり、絶縁電線4間の熱伝導性が向上する。これにより、コアケース3に巻回されている絶縁電線4が放熱器のような役割を果たし、トロイダルコア2で発生した熱を、コアケース3を介して効率よく放散することができる。
さらに、絶縁電線4とコアケース3との間の空間(図3(B)のS2)は、絶縁電線4に備えられた凹凸形状4cのために、通常電線を使用した場合のコアケース3との間の空間S1より大きくすることができる。これにより、この空間S2を流通する空気量が増加するため効率よく放熱が行われ優れた熱放散性を実現できる。
以上説明した実施例では、トロイダルコア2がコアケース3に格納されているトロイダル型チョークコイル1に絶縁電線4を使用した場合について説明したが、これに限るものでなく、衝撃に強く絶縁性を有するトロイダルコアを使用して、トロイダルコアに直接電線を巻回できるトロイダル型チョークコイルに絶縁電線4を適用しても効果は同様である。また、実施例では筐体へねじ止めするトロイダル型チョークコイル1について説明したが、これに限るものでなく、基板に実装するトロイダル型チョークコイルでも効果は同様である。尚、基板に実装する場合は、従来例3のように放熱器を別途設ける必要がないため、実装密度が向上し基板、機器の小型化を行うことができる。
図4はEI型コアを有し絶縁電線が多層巻回されているリアクトルを示しており、(A)は断面外略図、(B)は(A)におけるF部拡大図である。このリアクトル20は、EI型コア21と、ギャップスペーサ22と、絶縁電線4を4層巻回してなるコイル部23と、図示しない絶縁シートと、図示しない制御基板に接続するためのリード線や端子とで構成されている。
EI型コア21は、I型コア21aとE型コア21bを溶接等により接合して形成されており、I型コア21aとE型コア21bはそれぞれ珪素鋼板を積層したものを所望の寸法に打ち抜き成形して形成されている。
ギャップスペーサ22は、樹脂材で形成され、磁気飽和特性を調整するためEI型コア21に設けられたギャップに挿入し磁気振動による騒音を低減している。
コイル部23は、定格電流や直流重畳インダクタンス等の所望の電気的特性を満足するよう選択された絶縁電線4を所定の巻回数および巻回層(本実施例の場合は4層巻)で巻回されて構成されている。コイル部23は、図示しない紙等で形成された絶縁シートを介してEI型コア21の磁心部21cに挿入される。その後ワニス等の含浸剤を含浸・乾燥することで絶縁電線4同士および絶縁電線4とEI型コア21とを接着固定している。尚、リアクトル20作製の際は、E型コア21bの磁心部21cにコイル部23を挿入した後、I型コア21aを接合している。
以上説明した構成において、図示しない制御基板より端子およびリード線を介して絶縁電線4に電流が流れると、リアクトル20は発熱する。絶縁電線4の表面には凹凸形状4cが設けられているので表面積が通常電線より多くなり、効率よく放熱が行えるので優れた熱放散性を得ることができる。また、巻回された絶縁電線4が互いに隣り合う電線同士の凹凸形状4cが面接触することによって密着性が増すために熱伝導性が向上し、多層巻された絶縁電線4の内層部(磁心部21c側)で発生した熱が外層部へ伝達され、最外に巻回された絶縁電線4から効率よく熱放散される。
次に、図4を用いてリアクトル20における絶縁電線4による放熱の原理および効果について説明する。図示しない制御基板より電流が供給されリアクトル20に電流が流れると、電流による絶縁電線4による発熱、EI型コア21の損失による発熱等によってリアクトル20の温度が上昇する。この時、図4(B)に示すように、コイル部23の最内層23aは絶縁電線4自身の発熱とE型コア21bの発熱により、また、空気に触れる面積が少ないことから他層に比べて温度が高くなっている。
このリアクトル20の放熱は以下のように行われる。まず、コイル23を構成する絶縁電線4自身の放熱については、表面に設けられた凹凸形状4cによって表面積が大きくなるので、効率よく放熱が行なえ速やかに熱放散することができる。また、最内層23aの絶縁電線4の放熱は、巻回され隣り合う絶縁電線4の凹凸形状4cの面同士が接触しているため接触面積が大きくなることによって絶縁電線4間の熱伝導性が向上するので、図4(B)に矢印Gで示すように最内層23aから最外層23bに熱伝導し、最外層23bの絶縁電線4の凹凸形状4cの効果により速やかに熱放散することができる。
一方、EI型コア21の熱放散は、E型コア21bの磁心部21cからコイル部23へ熱伝導することにより行われる。この時、EI型コア21から見ればコイル部23は上述したように巻回された絶縁電線4が縦横に互いに接触し良好な熱伝導性を有しているので、コイル部23は放熱器のような役目を果たすことになる。すなわち、図4(B)に矢印Hで示すように、EI型コア21で発生した熱は磁心部21cからコイル部23の最内層23aに伝わり、最内層23aから最外層23bに伝わって最外層23bの絶縁電線4の凹凸形状4cの効果により速やかに熱放散される。
以上説明した実施例では、EI型コア21に絶縁電線4が4層巻されてなるコイル部23が挿入されたリアクトル20について説明したが、これに限るものでなく、巻回層数が2層、3層というように他の巻回層数を持つリアクトルに使用しても効果は同様である。
以上説明したとおり、本発明によれば、絶縁電線の断面形状において外形部に複数の凹凸形状を設けている。これにより、断面形状が円形である絶縁電線(以下通常電線と記載する)に比べて周囲の空気に触れる表面積が増加するので、効率の良い熱放散を行うことができる。
また、本発明では、リアクトルやチョークコイルに一般的に使用されるいわゆるエナメル線に使用されている、ポリウレタンやポリエステル等といった耐熱性を有する有機材料を導体の被膜に使用している。本発明の絶縁電線は、導体の延伸工程で断面形状が凹凸形状となるよう成形金型(ダイス)を用意する以外は通常電線と同様に作成ができる。表面の凹凸形状の効果によって通常電線より熱放散性が高いため、絶縁被膜は上述した有機材料を使用すればよく、従来例1や2のような特別に熱伝導率の高い材料を被膜に用いる必要がないためコストアップを防ぐことができる。
さらには、本発明では、表面に凹凸形状を設けた絶縁電線をリアクトルやチョークコイルの巻線に使用することにより、表面の凹凸形状によってコアとの間に空隙ができるため、この空隙を空気が流通することによっても熱放散性が増加する。また、上述したコアに巻回の際には、隣り合う絶縁電線同士が表面の凹凸形状によって、通常電線に比べ絶縁電線同士の接触面積が増加して互いの密着性が高まることにより熱伝導性が向上する。従って、巻回された絶縁電線が放熱器のような効果を持つと共に、多層巻回する場合は内側の絶縁電線で発生した熱を外側の絶縁電線に効率よく伝達し迅速な放熱効果を得ることができる。
これにより、リアクトルやチョークコイルで発生した熱を効率よく放熱し温度上昇を防ぐことができるので、通常はコアの大型化つまりはリアクトルやチョークコイルを大型化する、あるいは、従来例3のように放熱器を設けることにより行ってきた温度上昇対策が必要なくなり、リアクトルやチョークコイルの小型化ができ基板、機器の小型化を行うことができる。また、同じ大きさのリアクトルやチョークコイルでは、コイル部に通常電線を使用する場合に比べより大きな電流を流すことができる。さらには、使用する絶縁電線の被膜は従来例1や2のような特別に熱伝導率の高い材料を被膜に用いる必要がないため、上述した小型化・大電流化と併せて、コストアップを防ぐことができる。
尚、以上説明した実施例1および実施例2では、絶縁電線4の断面形状として断面形状の外周部に凹部/凸部それぞれ8箇所を有する点対称形状であるものについて説明したが、これに限るものでなく、例えば断面形状が星型(凹部/凸部それぞれ5箇所で中心線に対し線対称形状である)のように、通常電線に比べて表面積が大きくなり、電線同士の接触面積が増加する形状であればよい。
また、リアクトルについては、トロイダルコアを有するトロイダル型チョークコイルやEI型コアを有するリアクトルについてそれぞれ説明したが、これに限るものでなく、絶縁電線を巻回してなるリアクトルであればコア形状がカットコア型やUI型等といった他の形状であってもよい。
本発明の実施例であるトロイダル型チョークコイルの説明図であり、(A)は上面図、(B)は側面図、(C)は(B)におけるD−D’断面図である。 本発明による絶縁電線の断面形状図である。 本発明の実施例における熱放散を説明するための、図1(C)におけるE部拡大図であり、(A)は通常電線を使用した場合、(B)は本発明電線を使用した場合の説明図である。 本発明の他の実施例であるリアクトルの説明図であり、(A)は断面外略図、(B)は(A)におけるF部拡大図である。 従来のトロイダル型チョークコイルの説明図であり、(A)は概略図、(B)は要部分解図、(C)は他の放熱器形状図である。
符号の説明
1 トロイダル型チョークコイル
2 トロイダルコア
3 コアケース
3a 上ケース
3b 下ケース
3c 貫通孔
4 絶縁電線
4a 導体
4b 絶縁被膜
4c 凹凸形状
20 リアクトル
21 EI型コア
21a I型コア
21b E型コア
21c 磁心部
23 コイル部
S1、S2 空間(コアケースと絶縁電線による)

Claims (6)

  1. 導体と、同導体の外表面に絶縁被膜が形成された絶縁電線において、
    前記導体の表面に凹凸形状を形成したことを特徴とする絶縁電線。
  2. 前記絶縁被膜は、前記導体の表面に形成された前記凹凸形状に沿って形成されたことを特徴とする請求項1記載の絶縁電線。
  3. 前記絶縁被膜は、耐熱性を有する有機材料からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の絶縁電線。
  4. 磁性材料からなるコアと、同コアに磁気飽和特性を調整するギャップと、導体表面に凹凸形状を有し、同導体の外表面に絶縁被膜が形成され、前記コアに巻回されコイルを形成する絶縁電線とを備えたリアクトル。
  5. 前記絶縁電線は、前記導体の表面に形成された前記凹凸形状に沿って絶縁被膜が形成されたことを特徴とする請求項4記載のリアクトル。
  6. 前記絶縁電線は、耐熱性を有する有機材料からなる絶縁被膜が形成されていることを特徴とする請求項4または請求項5記載のリアクトル。
JP2008240462A 2008-09-19 2008-09-19 絶縁電線および、それを備えたリアクトル Pending JP2010073523A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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