JP2010071597A - ボイラ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、燃焼排ガスのNOxの生成を抑制させた状態で、火炉内の天井壁付近や側壁付近に滞留しているCOを低減させてボイラ出口のCO濃度を減少させる簡単な構造のボイラ装置を提供することにある。
【解決手段】本発明のボイラ装置は、火炉と、前記火炉の壁面に設置されて燃料と空気とを火炉内に供給して燃焼させ燃焼ガスを発生させる複数のバーナと、前記火炉の天井壁に設置されて火炉内部を流れる前記燃焼ガスと熱交換して蒸気を過熱する過熱器と、前記火炉の壁面と接続しており火炉内を流れる燃焼ガスを火炉の下流側に略水平方向に流す副側壁部と、前記副側壁部を経た燃焼ガスを下方に流下させて該燃焼ガスと熱交換して水または水蒸気を加熱する熱交換器を配設した後部伝熱部を備え、前記過熱器の下流側に位置する火炉の天井壁あるいは副側壁部の天井壁に燃焼ガスの流れに対向するように突起物を設置して構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ボイラ装置の構造に係わり、石炭を粉砕した微粉炭等の固体燃料や、油、ガス等の燃料を燃焼するボイラ装置の構造に関する。
石炭、油、ガス用のボイラでは、ボイラ効率を向上させるため、燃料の理論空気量に対し、空気比1.1〜1.2程度の低空気比で高燃焼効率、窒素酸化物(NOx)濃度低減、及び未燃分低減などを行うことが求められている。
これらの要求に応えるための燃焼方式として、ボイラに設置したバーナから燃料と空気をボイラ内に投入して燃焼させる一段目の燃焼の後に、空気をボイラ内に追加投入して燃焼させる二段燃焼方式が適用されている。
この二段燃焼方式のボイラでは、一段目の燃焼では空気不足のためボイラ内に不完全燃焼したガスが発生する。
そこで追加投入した空気による二段目の燃焼で完全燃焼させるが、追加投入する空気の混合が悪いとボイラ内で完全燃焼せずに未燃分が多く発生する。
そのため、二段目の燃焼用にボイラ内に空気を投入する空気供給口の配置や供給方法を工夫して未燃分の発生を低減している。
一般の小型ボイラではあるが、特開平7−158804号公報には、ボイラの火炉の側壁部分に設けた水管を火炉の内側にせり出すように配設して流路を狭くすることで、燃焼ガスの混合を良くして未燃分を低減することが記載されている。
産業用ボイラの多くは火炉の後壁を火炉内部にせり出したノーズと呼ばれる構造にすることによって後流の混合を良くし、さらに高温の燃焼ガスが過熱器に接触せずにすり抜けることを防いでいる。
また、特開2007−24323号公報には、二段燃焼方式のボイラの火炉内部の側壁に火炉の内側にせり出すように突起物を設置することで、火炉の側壁付近で発生した未燃分が後流にすり抜けることを防いで未燃分を低減することが記載されている。
また、特開2006−38340号公報には、微粉炭ボイラにおいて過熱器の下流側にある副側壁部に空気を副側壁部内部に供給する複数の空気供給口を設置することで、ボイラ出口での未燃分を低減することが記載されている。
また、特開平11−248104号公報には、ボイラの火炉の副側壁の底壁上部に燃焼ガス流路の幅方向全体に亘って燃焼ガス流に対向する方向にプレートを設けて副側壁の底壁上部に燃焼ガスのよどみ域を形成し、よって横置き伝熱部入口における燃焼ガスの流れを整流して伝熱量の増加と伝熱管のエロージョン量を低減することが記載されている。
特開平7−158804号公報 特開2007−24323号公報 特開2006−38340号公報 特開平11−248104号公報
しかしながら、ボイラの火炉内に空気を供給する空気供給口の配置や空気の供給方法を色々と工夫しても、大型の産業用ボイラでは燃焼ガスと空気を完全に混合することは難しく、さらに火炉内で発生して滞留するCOの低減を図るボイラ装置が求められている。
前記した特開平7−158804号公報に記載されたボイラでは、大型の産業用ボイラに適用すると火炉内部の燃焼ガスを効果的に混合するために火炉の側壁部分に火炉の内側にせり出すように設けた水管をノーズのように火炉内部のせり出し部が大きくなるように構成する必要があるのでボイラの構造が複雑となり、ボイラの製造コストがかかるといった問題がある。しかも火炉内の天井壁付近に滞留しているCOの低減については全く言及されていず、よって火炉内の天井壁付近に滞留しているCOを低減することは困難である。
また、前記した特開2007−24323号公報に記載されたボイラでは、火炉出口より上流の火炉内部の側壁に突起物を設置する構造であるため、火炉内の天井壁付近や、副側壁付近に滞留しているCOを低減することが困難である。
また、特開2006−38340号公報に記載されたボイラでは、未燃分の低減は見込めるが、該ボイラでは、空気供給口の上流側では空気比が1未満であり、空気供給口で空気比を1以上にして完全燃焼させる燃焼方式である。したがって、火炉内部で空気比1以上の空気を供給するボイラにおいて、前記空気供給口を設置する方法を適用すると、火炉の副側壁部分に空気を供給する空気供給口の設置や、この空気供給口に空気を供給する送風機の設置が必要になるのでボイラの構造が複雑になり、ボイラの製造コストがかかる上に、該送風機や燃焼ガス排ガスを火炉側から煙突に送る図示しない吸込送風機の所内動力が増加しボイラの効率が低下するといった問題がある。
また、特開平11−248104号公報に記載されたボイラのように副側壁部の底部にプレートを設置した構造では、火炉内部のCOは主に副側壁部内の天井壁付近や、側壁付近に滞留していることから、この副側壁部内の天井壁付近や側壁付近に滞留しているCOを低減することは困難である。
本発明の目的は、燃焼排ガスのNOxの生成を抑制させた状態で、火炉内に滞留しているCOを低減させてボイラ出口のCO濃度を減少させる簡単な構造のボイラ装置を提供することにある。
本発明のボイラ装置は、火炉と、前記火炉の壁面に設置されて燃料と空気とを火炉内に供給して燃焼させ燃焼ガスを発生させる複数のバーナと、前記火炉の天井壁に設置されて火炉内部を流れる前記燃焼ガスと熱交換して蒸気を過熱する過熱器と、前記火炉の壁面と接続しており火炉内を流れる燃焼ガスを火炉の下流側に略水平方向に流す副側壁部と、前記副側壁部を経た燃焼ガスを下方に流下させて該燃焼ガスと熱交換して水または水蒸気を加熱する熱交換器を配設した後部伝熱部を備え、前記過熱器の下流側に位置する火炉の天井壁あるいは副側壁部の天井壁に燃焼ガスの流れに対向するように突起物を設置したことを特徴とする。
本発明によれば、燃焼排ガスのNOxの生成を抑制させた状態で、火炉内に滞留しているCOを低減させてボイラ出口のCO濃度を減少させる簡単な構造のボイラ装置が実現できる。
次に本発明の実施例であるボイラ装置について図面を参照して以下に説明する。
本発明の第1実施例であるボイラ装置の概略全体構成を図1に示す。
図1に示された第1実施例のボイラ装置は、石炭を粉砕した微粉炭等の固体燃料をボイラの火炉の前壁及び後壁に対向して設置したバーナから供給し、火炉内で浮遊燃焼させる対向燃焼方式のボイラ装置の構成例である。
この第1実施例のボイラ装置では、固体燃料である石炭を燃料としているが、固体燃料に替えて重油や天然ガスなどを燃料として燃焼させても良い。
図1に示された第1実施例のボイラ装置において、ボイラ装置を形成する火炉1は、火炉1の前面を構成する前壁30と、この前壁30に対向して配置されて火炉1の後面を構成する後壁31と、これら前壁30及び後壁31の上部に配置されて火炉1の天井を構成する天井壁32を備えている。また、火炉1の前壁30と後壁31との間の側面には側壁33がそれぞれ設置されている。
天井壁32には火炉1内部に突出するように2次過熱器22及び3次過熱器23が取り付けられており、前記2次過熱器22及び3次過熱器23にて火炉1内部を下流に流れる燃焼ガスと熱交換して高温の蒸気を発生させ、この高温蒸気を図示していない蒸気タービンに供給するように構成している。
火炉1の前壁30及び後壁31には燃料の微粉炭と空気とを火炉1内部に供給して燃焼させるバーナ4が上下方向に複数段に亘ってそれぞれ設置されている。
燃料の石炭40は石炭バンカ8に貯蔵されており、この石炭バンカ8から給炭機9によって石炭粉砕機10に供給され、この石炭粉砕機10で粉砕して微粉炭41となる。
そしてこの微粉炭41は石炭粉砕機10に供給された石炭搬送用空気45によって火炉1の前壁30及び後壁31に設置した複数のバーナ4に燃料として供給される。
燃焼用空気は別設した熱交換器12で昇温され、この昇温された空気の一部がバーナ4を内部に備えたウインドボックス5に燃焼用空気43として供給される。
また、熱交換器12で昇温された空気の他の一部がアフタエアポート6を内部に備えたアフタエアポートウインドボックス7にアフタエア44として供給される。
そして前記バーナ4からは、燃料の微粉炭41を理論空気量よりも少ない空気比1未満(たとえば0.6〜1未満)で燃焼用空気43と混合させて火炉1の内部に噴射し、火炉1内部にて空気不足の状態で燃料の微粉炭41を燃焼させて燃焼ガスを発生させる。
バーナ4の上方となる前壁30及び後壁31の位置には空気供給口となるアフタエアポート6がそれぞれ設置されており、このアフタエアポート6からは、火炉1内部の空気比が1以上(たとえば1.0〜1.3)になるように追加空気となるアフタエア44を火炉1内部に投入して前記燃焼ガスに含まれている未燃分を完全燃焼させる。
アフタエアポート6の上方となる火炉1の後壁31には火炉1の内壁が内側にせり出したノーズ部35が設置されており、このノーズ部35の存在によって火炉1内部の流路が狭くなるため火炉1内部を流下する燃焼ガスは急速に混合する。
ノーズ35は、火炉1内部を流下する燃焼ガスの流れを火炉1の前壁30側に曲げることによって、後壁31付近の燃焼ガスが2次過熱器22、3次加熱器23に直接接することなく下流に流れることを防いでいる。
またノーズ35は、火炉1内部を流下する燃焼ガスの流れが前壁30側に曲げられることによって該燃焼ガスの流路が長くなるので、バーナ4から火炉1内部に投入した微粉炭41の石炭粒子が火炉1内に滞留する滞留時間が長くなり、燃焼ガス中の未燃分を減らす効果がある。
しかしながら、ノーズ35の設置だけでアフタエアポート6から供給されるアフタエア44が、バーナ4から空気と共に噴出された微粉炭41を空気不足の状態で燃焼して生成した燃焼ガスと一様に混合することは難しい。
そのため、火炉1全体では未燃分が完全燃焼するのに十分な空気量が供給されているにもかかわらず、火炉1内部に局所的には空気不足のため未燃分が残る領域が生じる。
よって火炉1内部の前壁30付近では、アフタエアポート6から供給されるアフタエア44が燃焼ガスと十分混ざらずに未燃分(CO)を多く含んだ燃焼ガスがそのまま火炉1内部を上昇して流下し易くなる。
特に前壁30の天井壁32付近では燃焼ガスの中では比較的密度の低いCOが滞留し易く、この滞留したCOは燃焼ガスの流れにのって天井壁32付近に沿って下流へ流れていく。
火炉1の上部には蒸気を過熱する2次過熱器22、3次加熱器23がそれぞれ設置されており、火炉1の内部を流れる燃焼ガスはこの2次過熱器22、3次過熱器23との熱交換を通して温度を低下しながら火炉1の下流側に位置する副側壁部2を通って後部伝熱部3へと流下する。
前記副側壁部2は火炉1と接続しており、火炉1内に設置された2次過熱器22及び3次過熱器23を流下した燃焼ガスが略水平方向に流下するように流路を形成しているものであり、火炉1の側壁33と接続する副側壁34、天井壁32、副側壁の底部36から構成されている。火炉1の出口および後部伝熱部3の入口には、火炉1または後部伝熱部3を支えるスクリーン管37が配設されている。
火炉1の天井壁32には2次過熱器22及び3次過熱器23が火炉1内部の燃焼ガスの流路に面して位置するように火炉1の幅方向に亘って設置されているため、火炉1の幅方向での燃焼ガスの混合が悪くなる。
そこで、火炉1出口の流路を形成する副側壁部2の天井部に突起物50を副側壁部2の内部に突出するように設置することによって、天井壁付近を流れるCOを多く含んだ燃焼ガスはこの突起物50によって流れが妨げられて副側壁部2の中央方向に流れる。
この結果、突起物50によって、天井壁付近のCOを多く含んだ燃焼ガスは中央付近の酸素を多く含んだガスと良く混合することになる。
突起物50は、天井壁付近のガスが副側壁部2の中央部のガスと混合してCOが酸化するための反応時間を確保することができるようにするため、副側壁部2のなるべく上流側の天井壁32に設置したほうがよい。
また、設置される突起物50の高さ(副側壁部2内部への突出量)は、突起物50によって燃焼ガスの流れが副側壁部2の天井壁32の壁面側から剥離して前記突起物50の下流側に小さな逆流域となる剥離域を形成し得るようにした高さが良い。
特に突起物50の下流側に燃焼ガス流が天井壁32から剥離して形成される剥離域の長さは、前記剥離域の下流で再び副側壁部2の出口までに該燃焼ガス流が副側壁部2の天井壁32に再付着し得るような高さとなるように設定する。
上記した突起物50を火炉1内部に突出するように天井壁32、或いは副側壁部2の天井壁32に設置したことによって、火炉1内の天井壁32付近に滞留しているCOがこの剥離域の下方の副側壁部2の中心部付近に流入して酸素を多く含む燃焼ガスと混合してCO2に酸化するので、ボイラ出口のCO濃度を減少させることができる。
一方で、突起物50の高さをあまり大きくし過ぎると、燃焼ガスの流れ方向から見た天井壁32と副側壁34の底部36とで形成される副側壁部2の流路面積が狭くなるので、この副側壁部2を流下する燃焼ガスの流速が大きくなり、突起物50やスクリーン管37および副側壁部2の壁面の磨耗などの問題が生じやすくなる。
そこで天井壁32と副側壁34の底部36とで形成される副側壁部2の流路面積が狭くなりすぎないように副側壁34の高さ(天井壁32と副側壁34の底部36との距離)、あるいは突起物50の高さを決定する。
上記したように突起物50の下流側となる副側壁部2には突起物50を構成する水管以外の水管群は配置されていないように構成することで、COの酸化反応に十分な燃焼ガスの温度を確保した上で、燃焼ガスの混合が良くなるので、効率よくCOを低減できる。
ガス温度が1000℃から1100℃程度となる2次過熱器22及び3次過熱器23の下流側の温度条件では、火炉1内部を流下する燃焼ガスが酸素と混合してもNOxは発生せず、不完全燃焼による未燃分(揮発性未燃分(VOC)やCO、固定炭素)のみが酸化することにより減少する。
VOCは約800℃以上、COは約500℃以上で酸素と触れると酸化する。
また、副側壁部2の下流側となる火炉1の後部伝熱部3の内部には、燃焼ガスの温度が340℃程度になるように横置きにした熱交換器である、1次過熱器21、1次再熱器25、節炭器27がそれぞれ設置されている。
後部伝熱部3では急速に燃焼ガスの温度が低下するために未燃分の酸化反応は急速に遅くなり、後部伝熱部3の出口部では酸化反応はほぼ終結している。そのため、後部伝熱部3の上流側で未燃分濃度を十分に下げておく必要がある。
なお、ボイラの出力を落とした部分負荷運転では、火炉1の副側壁部2を流下する燃焼ガスの温度は1000℃以下になりCOの酸化反応は進みにくくなるが、部分負荷運転時は燃焼ガス量が少ないため燃焼ガスの炉内滞留時間が長く、さらに100%負荷運転時よりも空気比が大きい条件で運転されるため、COの発生は十分低い状態に抑えられる。
副側壁部2の天井壁32に設置される突起物50は、水または蒸気を流通させる管(水管51)によって構成しても、耐火物や金属プレートによって構成しても、水管51と耐火物と金属プレートのいずれかを組み合わせて構成しても良い。
次に図1に示された副側壁部2の天井壁32に設置される突起物50を、水管51で構成する場合について図2を用いて詳細に説明する。
図2(a)の突起物50は、隣接する水管51同士をメンブレンバー53を介して溶接した例である。このように突起物50をメンブレン構造にすることで、広い面積を少ない水管51でカバーすることができる。
図2(b)の突起物50は、図2(a)の突起物50の変形例である。突起物50の一番先端部分のメンブレンバー53の板厚を他の部分の板厚よりも厚くすることで、燃焼ガスに含まれる灰などの固形物に起因した磨耗による損傷を低減することができる。
図2(c)の突起物50は、水管51同士を一列に直接溶接した例である。水管51が多く、突起物50の高さを小さくしたいときに有効である。
図2(d)の突起物50は、水管51を密集させ、互いには溶接しない例である。燃焼ガスが水管51の間に形成された細かい隙間をすり抜けるため、燃焼ガスの流れを中央方向に向ける能力は低下するが、溶接する場合よりも加工が容易である。
図2(e)の突起物50は、図2(a)のメンブレン構造の水管51の表面にコーティング54を施した例である。突起物50は燃焼ガスの流れに対向して設置するため、燃焼ガスに含まれる腐食性の灰の付着による水管51の腐食や、硬質の灰粒子が突起物50にぶつかることによって生じる磨耗(エロージョン)がおきやすい。
そこで耐腐食性、耐摩耗性のあるコーティング材料でコーティング54を施すことで、腐食やエロージョンにより水管51が損傷することを抑制できる。なお、このコーティング54は定期点検ごとに補修できるような材質がよい。
次に図3を用いて図1に示された副側壁部2の天井壁に設置した突起物50を構成する水管51の配置例について説明する。
図3(a)に示された突起物50を構成する水管51は、火炉1の側壁33の下流側に設置された一方の副側壁34の右側からこの一方の副側壁34に対向して設置された他方の副側壁34の左側に向かって水管51を配設した例である。
副側壁部2を構成する水管51は水平面に対して1°程度傾けて配設しておくと、ボイラの運転停止時に冷却して配管内部の蒸気が凝縮して液化した水が水管51の内部に溜まることを防ぐことができる。
図3(b)に示された突起物50を構成する水管51は、対向して配設された副側壁部2を構成する副側壁34の左右両側から副側壁部2の内部の中央に向かって水管51をそれぞれ水平方向に配設した例である。
そして副側壁部2の幅方向の中央からはこの水管51の配設方向が上方に90度転向され、天井壁32を突き抜けるようにして該水管51を配設している。
ボイラを構成する火炉1の幅が大きい場合には、水管51の水平部分の距離を短くして配設することで、水管51の水平部分を水平面から1°程度傾けた場合にボイラの中央付近の突起物50の高さ(副側壁部2の内部への突出量)が副側壁34付近の突起物50の高さよりも低くなる量を小さくできる。
副側壁部2の天井壁32に設置された前記突起物50を構成する水管51には、火炉1の下流側に設置した後部伝熱部3に配設した過熱器21を通った過熱蒸気を供給し、突起物50で過熱した蒸気を2次過熱器22に供給するようにする。突起物50および2次過熱器22で過熱された過熱蒸気は、図示していない蒸気タービンに供給するように構成している。
また、この突起物50を構成する水管51には、別の経路を通った水または蒸気を通しても良い。
そして後部伝熱部3に流下した燃焼ガスはこの後部伝熱部3に配設した横置き伝熱部21、25、27と熱交換した後に排ガス46としてボイラ出口から排出され、ボイラ出口の下流側に設置された脱硝装置11に流入する。
この脱硝装置11に流入した排ガス46は該脱硝装置で窒素酸化物(NOx)を除去された後に該脱硝装置11の下流側に設置された熱交換器12に流入し、該熱交換器12で押し込み送風機13から送られてきた空気42を加温して燃焼用空気43とアフタエア44を生成した後に図示してない排ガス処理設備を経て煙突から大気中に排出される。
そしてこの熱交換器12は、排ガス46を熱源として火炉1のウインドボックス5に供給される燃焼用空気43、及びアフタエアポートウインドボックス7に供給されるアフタエア44を加温する。
上記した第1実施例のボイラ装置から明らかなように、この第1実施例によれば燃焼排ガスのNOxの生成を抑制させた状態で、火炉内の天井壁付近や側壁付近に滞留しているCOを低減させてボイラ出口のCO濃度を減少させる簡単な構造のボイラ装置が実現できる。
本発明の第2実施例であるボイラ装置の概略全体構成を図4に示す。
図4に示された第2実施例のボイラ装置は、図1に示した第1実施例のボイラ装置と基本的な構成は共通しており、基本的な構成及びその動作は第1実施例と同じである。そこで、第1実施例と共通した構成の説明は省略して、相違する構成についてのみ以下に説明する。
図4に示した第2実施例のボイラ装置では、副側壁部2を構成する天井壁32の一部を副側壁部2の内部に張り出すように形成して突起物50を構成したものである。
天井壁32を張り出すようにして突起物50を構成することによって、従来のボイラと流体経路を変えずにまたは流体経路の変更を最小にして、簡便に突起物50を設置することができる。
突起物50を設置することで、第1実施例に記載したのと同様に、天井壁付近を流れるCOを多く含んだ燃焼ガスはこの突起物50によって流れが妨げられて副側壁部2の中央方向に流れる。
この結果、突起物50によって、天井壁付近のCOを多く含んだ燃焼ガスは中央付近の酸素を多く含んだガスと良く混合することになり、燃焼ガスに含まれるCOは酸化されて減少する。
上記した第2実施例のボイラ装置から明らかなように、この第2実施例によれば燃焼排ガスのNOxの生成を抑制させた状態で、火炉内の天井壁付近や側壁付近に滞留しているCOを低減させてボイラ出口のCO濃度を減少させる簡単な構造のボイラ装置が実現できる。
本発明の第3実施例であるボイラ装置の概略全体構成を図5に示す。
図5に示された第3実施例のボイラ装置は、図1に示した第1実施例のボイラ装置と基本的な構成は共通しており、基本的な構成及びその動作は第1実施例と同じである。そこで、第1実施例と共通した構成の説明は省略して、相違する構成についてのみ以下に説明する。
図5に示した第3実施例のボイラ装置では、アフタエアポート6とアフタエアウインドボックス7の配設だけでなく、アフタエア44をアフタエアウインドボックス7に供給させる供給系統の配設を省略したものである。
図5のボイラ装置は、火炉1の前壁30と後壁31とに上下方向に複数段に亘ってそれぞれ設置され、燃料の微粉炭と空気とを火炉1内部に供給して燃焼させるバーナ4では、空気比1以上(たとえば1.2)の燃料の微粉炭41と燃焼用空気43と混合させて火炉1内部に噴射して燃焼させるように構成した、アフタエアの供給が無い単段燃焼方式のボイラ装置である。
次に図6に図5の第3実施例の単段燃焼方式のボイラ装置について、その三面図におけるCOの分布状況を示す。図6に示したCOの分布状況で網掛け部分は火炉1内部でCO濃度が高い部分71を模式的に表している。
この図6に示したように、単段燃焼方式のボイラ装置では、火炉1の前壁30の側壁33付近でCO濃度が高くなる。
このCO濃度が高い部分71は空気不足のために酸化されにくく、そのまま天井壁32の壁面に沿って下流に流れていくのは図1に示した第1実施例の二段燃焼方式のボイラ装置の場合と同様である。
そこで、天井壁32に沿ってCOが下流側に酸化されずに流れるのを防ぐために、副側壁部2の天井壁32が副側壁部2の中央方向に向かってせり出した形状の突起物50を設置する。
副側壁部2の天井壁32が副側壁部2の中央方向に向かってせり出した形状の突起物50を設置することによって、COは天井壁32に沿って下流側に流れることができず、この結果、COは副側壁部2の中心付近の酸素を含んだ燃焼ガスと混合して酸化されてCO2になる。
上記した第3実施例のボイラ装置から明らかなように、この第3実施例によれば燃焼排ガスのNOxの生成を抑制させた状態で、火炉内の天井壁付近や側壁付近に滞留しているCOを低減させてボイラ出口のCO濃度を減少させる簡単な構造のボイラ装置が実現できる。
本発明の第4実施例であるボイラ装置の概略全体構成を図7に示す。
図7に示された第4実施例のボイラ装置は、図1に示した第1実施例のボイラ装置と基本的な構成は共通しており、基本的な構成及びその動作は第1実施例と同じである。そこで、第1実施例と共通した構成の説明は省略して、相違する構成についてのみ以下に説明する。
図7に示した第4実施例のボイラ装置では、火炉1出口に配設したスクリーン管37の一部を突起物50として構成し、この突起物50に付着した灰を除去するためのスートブロワ55を突起物50の上流と下流にそれぞれ設置したものである。
図8に図7の第4実施例のボイラ装置に設置した突起物50の構成例を示す。図8に示した突起物50は、この第4実施例のボイラ装置において、火炉1出口に配設したスクリーン管37の上部の位置となる複数のスクリーン管37の間に金属プレート54を設置してスクリーン管37の間隙を塞ぐことによって突起物50を構成している。
この第4実施例の突起物50の構成は、第1実施例から第3実施例の突起物50の構成と比べて、簡易に突起物50を形成して設置することができる。
突起物50は灰分を含んだ燃焼ガスの流れに正対して副側壁部2の内部に設置しているため、灰が付着しやすい。突起物50に付着した灰が成長して氷柱(つらら)状になるとボイラの流路を塞ぐ恐れがある。
そのため、前記突起物50の上流側と下流側にそれぞれ設置した前記スートブロワ55から空気又は蒸気を突起物50の表面に噴射して突起物50に付着した灰を除去する。
このスートブロワ55は筒状で先端に設けた穴から蒸気などの流体を突起物50に向かって噴出して突起物50に付着した灰を除去する。
図8には突起物50の上流側と下流側の前後2箇所にスートブロワ55を設置した例を示しているが、前方の上流側のみに1箇所だけ設置しても、また上流側と下流側に合計3箇所以上設置しても良い。また、このスートブロワ55に替えて水を噴射させても良い。
上記した第4実施例のボイラ装置から明らかなように、この第4実施例によれば燃焼排ガスのNOxの生成を抑制させた状態で、火炉内の天井壁付近や側壁付近に滞留しているCOを低減させてボイラ出口のCO濃度を減少させる簡単な構造のボイラ装置が実現できる。
本発明の第5実施例であるボイラ装置の概略全体構成を図9に示す。
図9に示された第5実施例のボイラ装置は、図1に示した第1実施例のボイラ装置と基本的な構成は共通しており、基本的な構成及びその動作は第1実施例と同じである。そこで、第1実施例と共通した構成の説明は省略して、相違する構成についてのみ以下に説明する。
図9に示した第5実施例のボイラ装置では、副側壁部2に吊り下げ型の2次再熱器26を設置し、更に火炉1の上部の天井壁32に設置した吊り下げ型の2次過熱器22と3次過熱器23との間に火炉1の内部に突出する突起物50が設置したものである。
2次再熱器26を通過する燃焼ガスは、冷却され温度が下がるため、適切な温度域における滞留時間が確保されず、未燃分の酸化作用が低下する。
そこで、雰囲気ガス温度の高い2次過熱器22と3次過熱器23との間に突起物50を設置することによって、火炉1内の天井壁32付近や側壁33付近に滞留しているCOが副側壁部2のCOが中心部付近の酸素が多い上記温度の燃焼ガスと混合され、後部伝熱部3に達するまでにCO2に十分に酸化されるのでCO低減が可能となる。
上記した第5実施例のボイラ装置から明らかなように、この第5実施例によれば燃焼排ガスのNOxの生成を抑制させた状態で、火炉内の天井壁付近や側壁付近に滞留しているCOを低減させてボイラ出口のCO濃度を減少させる簡単な構造のボイラ装置が実現できる。
本発明の第6実施例であるボイラ装置の概略全体構成を図10に示す。
図10に示された第6実施例のボイラ装置は、図1に示した第1実施例のボイラ装置と基本的な構成は共通しており、基本的な動作は第1実施例と同じである。
そこで、第1実施例と共通した構成の説明は省略して、相違する構成についてのみ以下に説明する。
図10に示した第6実施例のボイラ装置では、火炉1出口の副側壁部2の副側壁34寄りに、この副側壁部2を形成する副側壁34の底部36から天井壁32に亘って突起物50を設置したものである。
この突起物50の構成を詳細に説明すると、図11に示すように、副側壁部2の底部36を構成する多数本の水管51のうち、副側壁34寄りの数本の水管51を略水平方向から略垂直方向に立ち上げるように配設し、略垂直方向に配設されたこの数本の水管51の間に燃焼ガスの流れを妨げる金属プレート54を設置することによって前記突起物50を形成している。
火炉1内部を流下する燃焼ガスは、副側壁部2の上流に配設した2次過熱器22及び3次過熱器23が整流板の働きをするため、火炉1の幅方向の燃焼ガスの混合が進みにくい。そのため、火炉1の側壁33付近に滞留したCOはそのまま側壁33付近に沿って下流側に流れやすい。
そこで、前記した構成の水管51と金属プレート54を備えた突起部50を、副側壁34寄りに配設されるように該副側壁34の底部36から天井壁32に亘って設置することによって、火炉1の側壁33付近を流下する燃焼ガスは副側壁部2の中央側に流れる。
この結果、火炉1の側壁33の壁面付近のCOは副側壁部2の中心側に流れ込んで、この副側壁部2の中心付近の酸素を含んだ燃焼ガスと混合して酸化し、CO2となる。
前記突起物50の幅は大きいほうが燃焼ガスの混合効果は大きくなるが、突起物50の幅が大きくなりすぎると副側壁部2の流路の断面積を狭めるため燃焼ガスの流速が速くなり、突起物50を構成する水管51や下流側に配設されたスクリーン管37が該燃焼ガスに含まれた固形物によって磨耗しやすくなる。
また、突起物50の幅が小さくなりすぎると火炉1の側壁33の壁面付近のCOが副側壁部2の中央部を流れる酸素の多い燃焼ガスと十分混合しないで酸化されないことになる。
そこで、前記突起物50の幅は、突起物50によってその下流側に燃焼ガス流が副側壁34から剥離して剥離域が形成され、この剥離域の下流で燃焼ガス流が再び副側壁部2の出口までに該副側壁34の壁面に再付着し得るような大きさに設定するとよい。
また、副側壁34の壁面に設置した突起物50の幅は、突起物50の上流に設置した2次過熱器22及び3次過熱器23のうちでもっとも側壁33に近い2次過熱器22又は3次過熱器23の端部と側壁33との間の距離の1/5から1/1までの幅に設定すると良い。
次に、図16に本発明の各実施例の突起物50を備えたボイラ装置として大容量の微粉炭焚きボイラへ適用した場合のCO濃度及びNOx濃度の数値解析結果を示す。ここで使用した数値解析プログラムは、3次元で石炭の燃焼、ガスの燃焼、ふく射・対流伝熱、流動を計算可能である。
この数値解析プログラムを用いて大きさの異なるボイラの火炉、燃料流量、石炭の種類を変えた条件で検証し、高い精度でNOx、未燃分、ガス温度を計算できることを確認済みである。
図16の数値解析結果において、横軸が副側壁の入口(火炉出口)から副側壁出口(後部伝熱部入口)までに相当する距離で、縦軸がCO濃度、NOx濃度である。
比較のため、(a)突起物が無い比較例の場合と、(b)副側壁部の左右側面にそれぞれ火炉幅の約1/30の幅の突起物を設置した場合と、(c)天井壁に副側壁の高さの約1/10の高さの突起物を設置した場合の数値解析結果について示す。(b)は実施例6の、(c)は本実施例1のボイラに相当する。
図16の上部に示したCO濃度に関する数値解析結果から、後部伝熱部3の入口でCO濃度は、(a)の突起物50を設置しない場合と比べ、(b)の側壁に突起物を設置した場合で約5%、(c)の天井壁に突起物を設置した場合で約7割もそれぞれCO濃度が低減した。
図16の下部に示したNO濃度に関する数値解析結果からは、NOx濃度と温度は前記(a)、(b)、(c)の3条件の間でほとんど変わらない。
なお、図示しないが、(b)の条件の場合で突起物50の幅を大きくし、副側壁部2で形成される剥離泡が副側壁部2出口までに壁面に再付着しない場合には、副側壁部2出口でのCO濃度は逆に増加した。
上記した第6実施例のボイラ装置から明らかなように、この第6実施例によれば燃焼排ガスのNOxの生成を抑制させた状態で、火炉内の天井壁付近や側壁付近に滞留しているCOを低減させてボイラ出口のCO濃度を減少させる簡単な構造のボイラ装置が実現できる。
本発明の第7実施例であるボイラ装置の概略全体構成を図12に示す。
図12に示された第7実施例のボイラ装置は、図5に示した第3実施例のボイラ装置と基本的な構成は共通しており、基本的な動作は第3実施例と同じである。
そこで、第3実施例と共通した構成の説明は省略して、相違する構成についてのみ以下に説明する。
図12に示した第7実施例のボイラ装置では、火炉1出口の副側壁部2の副側壁34寄りに、この副側壁部2を形成している副側壁34の底部36から天井壁32に亘って配設される突起物50を設置し、更にこの突起部50の上流側と下流側に複数のウォールブロワ56を設置したものである。
前記突起物50は副側壁34をボイラの内側に張り出すように形成することで構成している。このように突起物50を形成することで、従来のボイラの流体経路を変更させずに突起物50を設置することができる。
また、図7及び図8に示した第4実施例のボイラ装置においても説明したように、突起物50には灰分が付着しやすい。
炉幅が30m程度の産業用大型ボイラでも、副側壁34に設置した突起物50の幅は1m前後である。そのため、灰除去装置としてこの突起部50の上流側と下流側にウォールブロワ56を設置することで、突起物50に付着した灰分を除去することができる。
上記した第7実施例のボイラ装置から明らかなように、この第7実施例によれば燃焼排ガスのNOxの生成を抑制させた状態で、火炉内の天井壁付近や側壁付近に滞留しているCOを低減させてボイラ出口のCO濃度を減少させる簡単な構造のボイラ装置が実現できる。
本発明の第8実施例であるボイラ装置の概略全体構成を図13に示す。
図13に示された第8実施例のボイラ装置は、図1に示した第1実施例のボイラ装置と基本的な構成は共通しており、基本的な動作は第1実施例と同じである。
そこで、第4実施例と共通した構成の説明は省略して、相違する構成についてのみ以下に説明する。
図13に示した第8実施例のボイラ装置では、火炉1出口に配設されたスクリーン管37の一部に、副側壁34の底部36から天井壁32にかけて金属プレート54を設置することで突起物50を形成している。
次に図14を用いて図13に示した第8実施例の突起物50の具体的な構成例について説明する。
スクリーン管37の一部と金属プレート54を備えた突起物50の構成を詳細に説明すると、図14(a)に示した突起物50では、火炉1出口の副側壁34の近傍に配設されたスクリーン管37の一部に副側壁34の底部36から天井壁32にかけて金属プレート54を設置することによって副側壁34寄りに突起物50を形成している。
図14(a)に示した前記突起物50は、従来のボイラに配設されたスクリーン管37に金属プレート54を設置するだけで構成することが出来るため、既設のボイラの改造に好適である。
また図14(b)に示した突起物50では、図7及び図8に示した第4実施例の突起物50の場合と同様に、図14(a)に示した副側壁34寄りに設置した突起物50に加えて天井壁32側にも金属プレート54を設置して突起物50を形成することによって、突起物50を天井壁32に設置した場合と副側壁34に設置した場合の両方の効果を得ることができる。
尚、金属プレート54は、スクリーン管37に溶接して設置しても良いし、取り外し可能なようにカバープレートとしてスクリーン管37に取り付けても良い。また、突起物50は金属プレート54に代えて耐火物で構成しても良い。
また、スクリーン管37の配設方向を曲げて副側壁34付近に寄せることにより、突起物50を形成しても良い。
このスクリーン管37は火炉1を支える構成となっているので強度が不足しないように注意する必要があるが、火炉1出口の流路断面積を減少させずに突起物50を構成することができる。
次に図15を用いて図13に示した第8実施例の突起物50の具体的な構成例について説明する。
図15(a)に示した突起物50は、火炉1出口に配設したスクリーン管37を火炉1出口の副側壁34の左右壁面の近傍側に集まるように全て左右に寄せて配設することによって副側壁34に突起物50を形成した例である。
このようにスクリーン管37を集めて配設することにより突起物50を構成すると、幅の大きな突起物50を簡単に形成することができる。
図15(b)に示した突起物50は、火炉1出口に配設したスクリーン管37を火炉1出口の副側壁34の左右壁面の近傍側となる左右の副側壁34と、流路の中央付近とに分けて寄せて配設することによって、左右の副側壁34と流路の中央付近とにそれぞれ突起物50を形成した例である。
このようにして突起物50を構成すると、流路の中央付近のスクリーン管37で形成した突起物50によって該突起物50の下流側に渦が発生し、下流側の燃焼ガスを混合することができる。
図15(c)に示した突起物50は、火炉1出口に配設した左右のスクリーン管37の一部を副側壁34の左右壁面の近傍側に寄せて配設することにより左右の副側壁34に突起物50を構成し、流路の中央付近のスクリーン管37はそのままにした例である。
このようにして突起物50を構成すると、ボイラの幅が広く強度が不足する場合であっても突起物50を簡単に設置することができる。
上記した第8実施例のボイラ装置から明らかなように、この第8実施例によれば燃焼排ガスのNOxの生成を抑制させた状態で、火炉内の天井壁付近や側壁付近に滞留しているCOを低減させてボイラ出口のCO濃度を減少させる簡単な構造のボイラ装置が実現できる。
本発明によって石炭等を燃焼する場合に発生するCO濃度を低減することが可能なボイラ装置が実現できるので、本発明は新設のボイラ装置だけでなく、既設のボイラ装置の改造にも適用可能である。
本発明の第1実施例であるボイラ装置の全体構成を示す概略図。 図1に示された第1実施例の突起物を水管によって構成した具体的な構成例。 図1に示された第1実施例の突起物の配置例を示す突起物の構成図。 本発明の第2実施例であるボイラ装置の全体構成を示す概略図。 本発明の第3実施例である単段燃焼ボイラ装置の全体構成を示す概略図。 図5の第3実施例のボイラ装置の三面図におけるCO分布状況図。 本発明の第4実施例であるボイラ装置の全体構成を示す概略図。 図7に示した第4実施例の突起物の具体的な構成例。 本発明の第5実施例であるボイラ装置の全体構成を示す概略図。 本発明の第6実施例であるボイラ装置の全体構成を示す概略図。 図10に示した第6実施例の突起物の具体的な構成例。 本発明の第7実施例であるボイラ装置の全体構成を示す概略図。 本発明の第8実施例であるボイラ装置の全体構成を示す概略図。 図13に示した第8実施例の突起物50の具体的な構成例。 図13に示した第8実施例の突起物50の別な具体的な構成例。 本発明の各実施例のボイラ装置に関するCO濃度及びNOx濃度の数値解析結果。
符号の説明
1:火炉、2:副側壁部、3:後部伝熱部、4:バーナ、5:ウインドボックス、6:アフタエアポート、7:アフタエアポートウインドボックス、8:石炭バンカ、9:給炭機、10:石炭粉砕機、11:脱硝装置、12:熱交換器、13:押し込み送風機、20:過熱器、21:1次過熱器、22:2次過熱器、23:3次過熱器、24:再熱器、25:1次再熱器、26:2次再熱器、27:節炭器、30:前壁、31:後壁、32:天井壁、33:側壁、34:副側壁、35:ノーズ、36:副側壁の底部、37:スクリーン管、40:石炭、41:微粉炭、42:空気、43:燃焼用空気、44:アフタエア、45:石炭搬送用空気、50:突起物、51:水管、52:ヘッダ、53:メンブレン、54:金属プレート、55:スートブロワ、56:ウォールブロワ。

Claims (14)

  1. 火炉と、前記火炉の壁面に設置されて燃料と空気とを火炉内に供給して燃焼させ燃焼ガスを発生させる複数のバーナと、前記火炉の天井壁に設置されて火炉内部を流れる前記燃焼ガスと熱交換して蒸気を過熱する過熱器と、前記火炉の壁面と接続しており火炉内を流れる燃焼ガスを火炉の下流側に略水平方向に流す副側壁部と、前記副側壁部を経た燃焼ガスを下方に流下させて該燃焼ガスと熱交換して水または水蒸気を加熱する熱交換器を配設した後部伝熱部を備え、前記過熱器の下流側に位置する火炉の天井壁あるいは副側壁部の天井壁に燃焼ガスの流れに対向するように突起物を設置したことを特徴とするボイラ装置。
  2. 火炉と、前記火炉の壁面に設置されて燃料と空気とを火炉内に供給して燃焼させ燃焼ガスを発生させる複数のバーナと、前記火炉の天井壁に設置されて火炉内部を流れる燃焼ガスと熱交換して蒸気を過熱する過熱器と、前記火炉の壁面と接続しており火炉内を流れる燃焼ガスを火炉の下流側に略水平方向に流す副側壁部と、前記副側壁部を経た燃焼ガスを下方に流下させて該燃焼ガスと熱交換して水または水蒸気を加熱する熱交換器を配設した後部伝熱部を備え、前記過熱器の下流側に位置する前記副側壁部の天井壁と副側壁の少なくとも一方に燃焼ガスの流れに対向するように突起物を設置したことを特徴とするボイラ装置。
  3. 火炉と、前記火炉の壁面に設置されて燃料と該燃料の理論空気量の0.6から1未満の空気とを火炉内に供給して燃焼させる複数のバーナと、前記バーナから供給した燃料と空気が燃焼した燃焼ガスの後流側となる前記火炉の壁面に火炉内部に供給する空気量が理論空気量の1.0から1.3になるように空気を投入する複数の空気供給口と、前記火炉の天井壁に設置されて火炉内部を流れる前記燃焼ガスと熱交換して蒸気を過熱する過熱器と、前記火炉の壁面と接続し火炉内を流れる燃焼ガスを火炉の下流側に略水平方向に流す副側壁部と、前記副側壁部を経た燃焼ガスを下方に流下させて該燃焼ガスと熱交換して水または水蒸気を加熱する熱交換器を配設した後部伝熱部を備え、前記過熱器の下流側に位置する前記副側壁部の天井壁と副側壁の少なくとも一方に燃焼ガスの流れに対向するように突起物を設置したことを特徴とするボイラ装置。
  4. 火炉と、前記火炉の壁面に設置されて燃料と該燃料の理論空気量の0.6から1未満の空気とを火炉内に供給して燃焼させる複数のバーナと、前記バーナから供給した燃料と空気が燃焼した燃焼ガスの後流側となる前記火炉の壁面に火炉内部に供給する空気量が理論空気量の1.0から1.3になるように空気を投入する複数の空気供給口と、前記火炉の天井壁に設置されて火炉内部を流れる前記燃焼ガスと熱交換して蒸気を過熱する過熱器と、前記火炉の壁面と接続し火炉内を流れる燃焼ガスを火炉の下流側に略水平方向に流す副側壁部と、前記副側壁部を経た燃焼ガスを下方に流下させて該燃焼ガスと熱交換して水または水蒸気を加熱する熱交換器を配設した後部伝熱部を備え、前記過熱器の下流側に位置する火炉の天井壁あるいは副側壁部の天井壁に燃焼ガスの流れに対向するように突起物を設置したことを特徴とするボイラ装置。
  5. 請求項1または請求項2に記載のボイラ装置において、前記バーナは火炉の壁面を構成する前壁と後壁の少なくとも一方の壁面に1段以上設置していることを特徴とするボイラ装置。
  6. 請求項3または請求項4に記載のボイラ装置において、前記空気供給口は、火炉の壁面を構成する前壁と後壁の少なくとも一方の壁面に1段以上設置していることを特徴とするボイラ装置。
  7. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のボイラ装置において、前記突起物は複数本の水管によって構成されていることを特徴とするボイラ装置。
  8. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のボイラ装置において、前記突起物が突出する大きさは、該突起物の後流側に燃焼ガス流が天井壁と副側壁の少なくとも一方の壁面から剥離した剥離域を形成し、副側壁部の出口側の前記剥離域の下流で燃焼ガス流が再び天井壁と副側壁の少なくとも一方の壁面に付着し得る大きさとなるように設定されていることを特徴とするボイラ装置。
  9. 請求項2又は請求項3に記載のボイラ装置において、前記副側壁の側壁に設置した突起物の幅は、前記過熱器の中で最も前記側壁に近い過熱器の端部と側壁との間の距離の1/5から1/1までの幅に設定したことを特徴とするボイラ装置。
  10. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のボイラ装置において、前記突起物は複数本の水管と、これらの水管の間隙に設置された板状部材とによって構成されていることを特徴とするボイラ装置。
  11. 請求項1乃至請求項4に記載のボイラ装置において、前記突起物は前記火炉の天井壁面を構成する水管を該副側壁部の内部あるいは該火炉の内部に張り出すように構成したことを特徴とするボイラ装置。
  12. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のボイラ装置において、前記突起物は耐火物によって構成されていることを特徴とするボイラ装置。
  13. 請求項2又は請求項3に記載のボイラ装置において、前記副側壁部の側壁を構成する水管を内側に張り出すようにして前記突起物を構成することを特徴とするボイラ装置。
  14. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のボイラ装置において、燃焼ガス中に含まれる灰分が前記突起物に付着した堆積物を除去するスートブロワまたはウォーターキャノンを前記突起物の近傍に設置したことを特徴とするボイラ装置。
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