JP2010070861A - ポリフェニレンサルファイド繊維 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、ポリフェニレンサルファイド繊維を用いた絶縁破壊強さの高い絶縁紙が製造可能な繊維を提供することを目的とする。
【解決手段】DSC測定による結晶化熱量が10J/g以上であり、かつ150℃×30分の乾熱収縮率が20%以下であることを特徴とするポリフェニレンサルファイド繊維。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリフェニレンサルファイド繊維に関するものであり、さらに詳しくは、非晶質でありながら収縮率が小さく、熱による変形がし易いため抄紙などに最適なポリフェニレンサルファイド繊維に関する。
耐熱性、耐薬品性に優れたポリフェニレンサルファイド繊維は様々な用途に用いられるが、その用途の中で湿式不織布、特に未延伸ポリフェニレンサルファイド繊維(非晶質ポリフェニレンサルファイド繊維)をバインダーとしたポリフェニレンサルファイド繊維からなる湿式不織布を用いた絶縁紙なるものが開示されている(特許文献1、2)。
一方、コンデンサーや変圧器、ケーブル等に用いられる絶縁紙には、高い絶縁破壊強さが要求される。しかし、特許文献1、2に記載の技術では高い絶縁破壊強さを達成することができなかった。
また、ポリフェニレンサルファイド繊維からなる乾式不織布からなる紙状材も特許文献3に開示されている。しかし、特許文献3の技術で得られる紙状材は、通気性に富み、高い絶縁破壊強さを達成できるものではなかった。
特開2005−330643号公報 特開2004−285536号公報 特開平03−891号公報
本発明は、ポリフェニレンサルファイド繊維を用いた絶縁破壊強さの高い絶縁紙が製造可能な繊維を提供することを目的とする。
かかる課題を解決すべく鋭意検討の結果、湿式不織布の絶縁破壊は、繊維間の空隙にて生じる部分放電を発端とするといわれており、絶縁破壊強さを向上するには、空気層や電流が通じる貫通孔が少なく、緻密な湿式不織布を得ることが重要あること、従来の未延伸糸を使う方法では、収縮が大きく皺などの改善が必要であることから本発明に至った。
すなわち本発明は、
(1)DSC測定による結晶化熱量が10J/g以上でありかつ150℃×30分の乾熱収縮率が20%以下であることを特徴とするポリフェニレンサルファイド繊維
(2)初期引張抵抗度が30cN/dtex以下であることを特徴とする(1)記載のポリフェニレンサルファイド繊維。
本発明により製造されるポリフェニレンサルファイド繊維は、非晶部を残しながら 一般的な延伸熱固定された結晶化繊維と同様な熱収縮特性を示すため、結晶化繊維と同様の取り扱いをすることが出来る。
本発明は非晶質でありながら収縮率が小さいポリフェニレンサルファイド繊維であり、さらにはその非晶状態を活かし、緻密で、実質的に通気度がなく、安定して絶縁破壊強さに優れた電気絶縁紙を提供することができる。
本発明のポリフェニレンサルファイド繊維は、DSC(示差走査熱量計)測定による結晶化熱量が10J/g以上であり、かつ150℃×30分の乾熱収縮率が20%以下であることが必要である。
DSC測定による結晶化熱量は繊維中に非晶部があることを示し、この非晶部は加熱・加圧処理で容易に変形するので、湿式不織布の空隙を潰して、緻密なものになり、絶縁破壊強さを向上することができる。一方で、本発明のポリフェニレンサルファイド繊維は収縮率が小さいため、加工中の熱収縮による皺や剥がれもなく製造工程の安定化や高速化に寄与できる。
本発明におけるポリフェニレンサルファイドとは、繰り返し単位としてp−フェニレンサルファイド単位やm−フェニレンサルファイド単位などのフェニレンサルファイド単位を含有するポリマーである。ポリフェニレンサルファイドは、これらのいずれかの単位のホモポリマーでもよいし、両方の単位を有する共重合体でもよい。また、他の芳香族サルファイドとの共重合体であってもよい。
また、ポリフェニレンサルファイドの重量平均分子量としては、40000〜60000が好ましい。40000以上とすることで、ポリフェニレンサルファイド繊維として良好な力学的特性を得ることができる。また、60000以下とすることで、溶融紡糸の溶液の粘度を抑え、特殊な高耐圧仕様の紡糸設備を必要とせずに済む。
本発明のポリフェニレンサルファイド繊維のDSC測定による結晶化熱量は10J/g以上が必要である。結晶化熱量が10J/g未満の場合には非晶部はあるものの繊維全体に対する比率が小さく、加熱・加圧による変形量が小さくなるため、紙などの緻密化が十分に行えず、本発明の目的に沿わなくなる。このときの結晶化熱量は、乾燥後の繊維サンプルを約2mg精秤し、示差走査熱量計(例えば、島津製作所製、DSC−60)で窒素下、昇温速度10℃/分で昇温し、観察される主発熱ピークの発熱量を測定することに得ることが出来る。
結晶化熱量は、20J/g以上がより好ましく、結晶化熱量の上限は、全非晶状態の結晶化熱量以上にはならないので特に制限はないが、好ましくは40J/g以下が好ましい。
また、本発明のポリフェニレンサルファイドは、同時に150℃の乾熱収縮率が30%以下であることが重要である。150℃の乾熱収縮率が30%を超えると、通常の延伸熱固定された繊維に比べ収縮量が大きくなり、加工工程や製品で熱による収縮量が大きく、加工性や製品の安定性が損なわれやすい。
乾熱収縮率の測定方法はJIS L 1013:1999 8.18.2 かせ収縮率(A法)に拠り、枠周1.125mの検尺機を用いて、120回/minの速度で試料を巻き返し、巻き数20回の小かせを作り、0.088cN/dtexの荷重をかけてかせ長を測った。次に荷重を外し、収縮が妨げられないような方法で150℃の乾燥機中に吊り下げ30分間放置後取り出し、室温まで放置後、再び0.088cN/dtexの荷重をかけてかせ長を測り、次の式によって乾熱収縮率(%)を求め、5回の平均値を算出することが出来る。
Sd=[(L―L1)/L]×100
ここに、Sd:乾熱収縮率(%)
L:乾燥前の長さ(mm)
L1:乾燥後の長さ(mm)
乾熱収縮率の15%以下が好ましく、より好ましくは12%以下である。
本発明のポリフェニレンサルファイド繊維は、初期引張抵抗度が30cN/dtex以下であることが好ましい。初期引張抵抗度を30cN/dtex以下とすることで糸の変形がし易くなり、抄紙工程での脱水プレスや、さらに熱カレンダーなどでより変形するため、紙の緻密度を容易に上げることが出来る。初期引張抵抗度の下限値は特に規定しないが、低すぎると取扱中に繊維が伸びたり、切れたりするため10cN/dtex以上が好ましい。より好ましくは、15cN/dtex以上25cN/dtex以下である。
初期引張抵抗度は、JIS L 1013:1999 8.10に拠って測定した。試料に0.03cN/dtexの初荷重をかけた状態で、引張試験機(インストロンジャパンカンパニィリミテッド MODEL5500R型)のつかみにつかみ間隔20cm、緩み0mmで取り付け、引張速度20cm/分の定速伸長にて試験を行った。荷重−伸長曲線より原点近くでの伸長変化に対する荷重変化の最大点A(接触角の最大点)を求め、次の式によって初期引張抵抗度を算出した。試験回数は10回とし、その平均値を算出した。
Tri=P/((L´/L)×F
ここに、Tri:初期引張抵抗度(cN/dtex)
P:接触角の最大点における荷重(cN)
:正量繊度(dtex)
L :試験長(mm)
L´:THの長さ(mm)
(Hは垂線の足、Tは接線の横軸との交点)
本発明のポリフェニレンサルファイド繊維の製造方法は、紡糸速度500m/分〜3000m/分で紡糸したポリフェニレンサルファイド繊維を延伸及び熱固定処理することなくポリフェニレンサルファイドの結晶化温度以下の温度で熱処理することにより得ることが出来る。
紡糸速度が500m/分未満の場合には、繊維の強度が著しく低くなり、後加工性や製品安定性が悪くなる、また、3000m/分を超えると、配向が進み、収縮70前後と非常に大きくなるため、熱処理の効果が現れにくく、本発明が意図している収縮率にすることが困難となる。より好ましい紡糸速度の範囲は500m/分以上2000m/分以下である。
また、延伸、熱固定することなくポリフェニレンサルファイドの結晶化温度以下の温度で熱処理することが重要である。一般的なポリフェニレンサルファイド繊維の製造法では、ガラス転移温度以上で延伸を行い、結晶化温度以上の温度により熱固定を行うが、この方法では、結晶化が進み、本発明が意図している非晶部が多く残るポリフェニレンサルファイド繊維は製造出来ない。さらに、一般的なポリフェニレンサルファイド繊維の製造法から熱固定を省略した場合でも、熱収縮率が大きくなるため熱処理の効果が現れにくく、本発明が意図している収縮率にすることが困難となる。より好ましくは、熱処理温度が80℃以上110℃以下である。
結晶化温度は、乾燥後の繊維サンプルを約2mg精秤し、示差走査熱量計(例えば、島津製作所製、DSC−60)で窒素下、昇温速度10℃/分で昇温し、観察される主発熱ピークの温度を測定することにより得ることが出来る。
本発明においては、溶融紡糸可能な熱可塑性ポリマーを紡糸速度500m/分〜3000m/分で紡糸することが必要である。紡糸速度を500以上とすることで後工程に必要な強力を得ることが出来、また、3000m/分以下の紡糸速度とすることで配向結晶化を極力抑制することが出来る。
熱可塑性のポリマーを紡糸するときの温度は、一般的な延伸糸を製造するときと同様に融点+20〜50℃の温度で紡糸することが好ましい。このとき、融点測定は、例えば乾燥後のポリマーサンプルを約2mg精秤し、示差走査熱量計(例えば、島津製作所製、DSC−60)で窒素下、昇温速度10℃/分で昇温し、観察される主吸熱ピーク値を融点とすることで得ることが出来る。
また、紡糸装置についても、エクストルーダー型紡糸機、プレッシャメルター型紡糸機などが使用可能である。
また、紡糸して得られた繊維を、延伸及び熱固定処理することなく、結晶化温度以下の温度で熱処理することが好ましく、非晶質を出来るだけ残すために、延伸や結晶化温度以上での熱固定処理をせずに、結晶化温度以下の温度で熱処理を施すことが好ましい。
また、熱処理方法は、乾熱処理、湿熱処理どちらでも使用することができる。乾熱処理としては、例えばホットローラーなどによる接触熱処理、スリットヒーターなどによる非接触熱処理などが上げられる。また、湿熱処理では、スチーム、温浴などが使用できる。
また、熱処理時間は本発明の物性を損なわない範囲であれば問題ないが、結晶化抑制効果を十分に発現させるためには高温時は出来るだけ短時間にしたほうが好ましい。しかし、短時間過ぎると熱処理による低収縮化の効果が発現しないため、好ましい熱処理時間は0.01sec以上1時間以下である。
本発明のポリフェニレンサルファイド繊維は、繊度について特に限定はされないが、好ましくは単繊維繊度が0.1dtex以上20dtex以下、さらに好ましくは1dtex以上10dtex以下である。
本発明のポリフェニレンサルファイド繊維は、非晶部が多く残っている以外は、通常の繊維と同様、様々な断面形状を付与することが出来る、例えば丸断面や三角、四角などの多角形断面やC型、中空断面、長扁平断面、十字、π型、#型断面などが可能である。
本発明のポリフェニレンサルファイド繊維は、そのまま長繊維で巻き取って、フィラメントや、カットしてステープルファイバー、短カットファイバー等にして使用することが出来る。このとき必要に応じて捲縮を付与することも可能である。
さらに抄紙用繊維としては、繊維長0.1mm以上20mm以下が好ましい。繊維長が0.1mm以上とすることで、繊維の絡みによる紙力の向上が期待でき、20mm以下とすることで繊維同士が絡合してダマになるなどして目付けムラ等が生じるのを防ぐことができる。
本発明のポリフェニレンサルファイド繊維は、結晶化熱量を持ち乾熱収縮率が低いので、抄紙用バインダー繊維として好適に使用することが出来る。これは、従来の結晶化熱量を持ち乾熱収縮率が高い繊維では、連続抄紙の乾燥工程での収縮によるシワ、剥がれにより到達できなかった、高混率での連続抄紙が可能となるためである。
好ましい配合率は50重量%以上100重量%以下であり、より好ましくは75重量%以上90重量%以下である。
さらに、結晶化熱量を持ったポリフェニレンサルファイド繊維を高混率で配合することにより、熱プレス加工による繊維の変形、融着が進みやすく容易に高絶縁性を達成できるという効果をも併せ持つことが出来る。
次に、本発明のポリフェニレンサルファイド繊維を用いた紙を製造する方法について説明する。
まず、本発明のポリフェニレンサルファイド繊維を、6mmにカットし水中に分散させ、抄紙用分散液をつくる。
抄紙用分散液に対するポリフェニレンサルファイド繊維の合計量としては、0.005〜5質量%が好ましい。合計量を0.005質量%にすると、抄紙工程で大量に水が必要で生産効率が悪くなる。また、5質量%以下にすることで繊維の分散状態が良くなり均一な湿式不織布を得ることができる。
分散液は、本発明のポリフェニレンサルファイド繊維と、混合抄紙する場合には結晶化ポリフェニレンサルファイド繊維の分散液とを別々につくってから両者を抄紙機で混合してもよいし、直接、両方を含む分散液つくってもよい。それぞれの繊維の分散液を別々につくってから両者を混合するのは、それぞれの繊維の繊度、カット長等に合わせて攪拌時間を別個に制御できる点で好ましく、直接両方を含む分散液を作るのは工程簡略の点で好ましい。
抄紙用分散液には、水分散性を向上するためにカチオン系、アニオン系、ノニオン系などの界面活性剤などからなる分散剤や油剤、また泡の発生を抑制する消泡剤等を添加してもよい。
抄紙用分散液を、丸網式、長網式、傾斜網式などの抄紙機または手漉き抄紙機を用いて抄紙し、これをヤンキードライヤーやロータリードライヤー、バンドドライヤー等で乾燥し、紙を得ることが出来る。
[測定・評価方法]
(1)粘度
東洋精機社製キャピログラフ1Bを用いズリ速度1000sec−1での見かけ粘度を測定した。
(2)結晶化熱量
乾燥後の繊維サンプルを約2mg精秤し、示差走査熱量計(島津製作所製、DSC−60)で窒素下、昇温速度10℃/分で昇温し、観察される主発熱ピークの発熱量を測定することにより行った。
(3)熱寸法変化率(乾熱収縮率)
JIS L 1013:1999 8.18.2 かせ収縮率(A法)に拠って測定した。
枠周1.125mの検尺機を用いて、120回/minの速度で試料を巻き返し、巻き数20回の小かせを作り、0.088cN/dtexの荷重をかけてかせ長を測った。次に荷重を外し、収縮が妨げられないような方法で150℃の乾燥機中に吊り下げ30分間放置後取り出し、室温まで放置後、再び0.088cN/dtexの荷重をかけてかせ長を測り、次の式によって乾熱収縮率(%)を求め、5回の平均値を算出した。
Sd=[(L―L1)/L]×100
ここに、Sd:乾熱収縮率(%)
L:乾燥前の長さ(mm)
L1:乾燥後の長さ(mm)
(4)初期引張抵抗度
JIS L 1013:1999 8.10に拠って測定した。
試料に0.03cN/dtexの初荷重をかけた状態で、引張試験機(インストロンジャパンカンパニィリミテッド MODEL5500R型)のつかみにつかみ間隔20cm、緩み0mmで取り付け、引張速度20cm/分の定速伸長にて試験を行った。荷重−伸長曲線より原点近くでの伸長変化に対する荷重変化の最大点A(接触角の最大点)を求め、次の式によって初期引張抵抗度を算出した。試験回数は10回とし、その平均値を算出した。
Tri=P/((L´/L)×F
ここに、Tri:初期引張抵抗度(cN/dtex)
P:接触角の最大点における荷重(cN)
:正量繊度(dtex)
L :試験長(mm)
L´:THの長さ(mm)
なお、Hは垂線の足、Tは接線の横軸との交点である。
(5)簡易接着テスト
6mm長さにカットした繊維を、手漉き抄紙機を用い目付100g/mの湿式不織布とし、該不織布を、未乾燥のまま熊谷理機工業(株)社製KRK回転型乾燥機(標準型)に投入し、温度120℃、処理時間約2.5min/回で処理を行い湿式不織布のシワ、取り扱い性を評価した。シワについては、収縮シワのないものを良好(○)、収縮シワが発生しているものを不可(×)とした。また、取り扱い性については、乾燥機からの剥離が良好で、表面に毛羽が出ていないものを良好(○)、乾燥機からの剥離が良好で、表面毛羽があるものを可(△)、乾燥機からの剥離で紙が切断、表面毛羽が多いものを不可(×)とした。
実施例1〜5
ポリフェニレンサルファイドポリマーとして融点282℃、温度320℃での粘度200Pa・sの樹脂を用いた。このポリマーを既存の単成分紡糸機を用い320℃の温度で紡糸を行った。このとき、吐出量40g/分、チムニーは温度25℃、風速25m/分、収束剤として平滑剤、静電剤、界面活性剤を主成分とする油剤を塗布し、紡糸速度1500m/分で引き取り、266dtex−72フィラメントのポリフェニレンサルファイド未延伸糸を得た。この未延伸糸は強度1.14cN/dtex、伸度280%、を有し、DSC測定による結晶化温度が129.3℃、熱量が33.6J/g、150℃×30分の乾熱収縮率が49.1%であった。
この未延伸糸を、熱風乾燥機中で加熱温度、時間を変えて熱処理を行い繊維を得た。
この繊維の物性を表1に示す。
比較例1
実施例1のポリフェニレンサルファイド未延伸糸を、既存の横型延伸機のホットローラーを用い、200m/分の速度でホットロールに6周回させつつ135℃で熱処理を行った。
この繊維は、結晶化熱量が0J/g、150℃×30分の乾熱収縮率が3.3%であった。
この繊維は簡易接着テストで、接着せず、不織布は脆いままであった。
比較例2
実施例1のポリフェニレンサルファイド未延伸糸を、熱風乾燥機中で150℃×10分間の熱処理を行った。
この繊維は、結晶化熱量が0J/g、150℃×30分の乾熱収縮率が0.0%であった。
この繊維は簡易接着テストで、接着せず、不織布は脆いままであった。
比較例3
実施例1のポリフェニレンサルファイド未延伸糸を、そのまま用いた以外は実施例1と同様に簡易接着テストを行った。接着はしたものの、不織布面積が1/4程度に縮んでしまい、使用出来る物ではなかった。
比較例4
実施例1のポリフェニレンサルファイド未延伸糸を、熱風乾燥機中で120℃×10分間の熱処理を行った。
この繊維は、結晶化熱量が8J/g、150℃×30分の乾熱収縮率が3%であった。
この繊維は簡易接着テストで、接着せず、不織布は脆いままであった。
比較例5
実施例1のポリフェニレンサルファイド未延伸糸を、熱風乾燥機中で80℃×30分間の熱処理を行った。
この繊維は、結晶化熱量が31J/g、150℃×30分の乾熱収縮率が25%であった。
この繊維は簡易接着テストで、接着はしたものの、不織布にシワが発生した。
Figure 2010070861

Claims (2)

  1. DSC測定による結晶化熱量が10J/g以上であり、かつ150℃×30分の乾熱収縮率が20%以下であることを特徴とするポリフェニレンサルファイド繊維。
  2. 初期引張抵抗度が30cN/dtex以下であることを特徴とする請求項1記載のポリフェニレンサルファイド繊維。
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