JP2010067908A - 超電導マグネットおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡略な構成の超電導マグネットを提供する。
【解決手段】この超電導マグネット100は、Bi系超電導線材10を同心円状に巻回して形成された上側コイル体1と、Bi系超電導線材20を同心円状に巻回して形成され、その超電導線材20の巻終り端21が超電導線材10の巻終り端12に対して軸方向に隣り合いかつ軸方向から見て周方向で互いに重なる位置に配されるように上側コイル体1の軸方向側に隣接する下側コイル体2と、超電導線材10の巻終り端12と超電導線材20の巻終り端21とにそれぞれ接続されて両コイル体1,2を電気的に接続するシート状の接続部材3とを備えている。接続部材3は、その厚さ方向と直交する面に沿って拡がるシート状の超電導層33を含むシート状のY系超電導線材3Aを、超電導線材10,20の幅寸法よりも大きい軸方向寸法L1および周方向寸法L2を有する形状に切断することにより形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、超電導マグネットおよびその製造方法に関する。
従来、同心円状に巻回されたテープ状の超電導線材を有する複数のパンケーキ型のコイルを軸方向に互いに並ぶように配列してなる超電導マグネットが知られている。
上記コイルに使用されるテープ状の超電導線材には、強磁場を発生させるために長尺であることが求められ、通常、幅寸法は制限されるものの長尺化が容易でかつ比較的安価なBi(ビスマス)系超電導線材が使用される。
また、上記のようなコイルとして、例えば、超電導線材を当該コイルの軸方向に2段となるように巻回して構成される、いわゆるダブルパンケーキコイルがある。
このダブルパンケーキコイルでは、超電導線材の両端がコイルの外径側に露出しており、超電導線材を軸方向に1段となるように巻回した、いわゆるシングルパンケーキコイルを軸方向に2つ重ねて接続することで形成される超電導マグネットの場合と異なり、コイルの内径側での線材同士の接続を必要としないため、超電導マグネットの内径側の空間を有効に利用することができるという利点がある。
また、上記の超電導マグネットにおいて、隣り合うコイルの両超電導線材は、それらの端部同士がコイルの軸方向に隣り合いかつ軸方向から見てコイルの周方向で互いに重なる位置に配され、各端部が接続部材にそれぞれ半田接合されることにより互いに電気的に接続されている。
例えば、従来から、銀や銅等の常電導材料からなる接続部材を用いる技術が広く知られている。
また、コイルを構成するBi系超電導線材を適当な寸法に切断して形成された接続部材を使用する技術も提案されている。
このようにBi系超電導線材からなる接続部材を使用した場合、前記常電導材料からなる接続部材に比べて接続抵抗をより低下させることができるとともに、コイルに使用した線材と同じ線材を用いて両コイルを接続することから、超電導マグネットの作製作業が簡略になるという効果も奏する。
例えば、図7には、2つのダブルパンケーキコイル401を接続部材403で電気的に接続してなる超電導マグネット400が示されている。なお、図中の符号404は、コイル間絶縁体を示している。接続部材403は、各コイル401に使用されるBi系超電導線材410を所定寸法に切断して作製されている。そして、接続部材403は、その長手方向がコイル401の周方向に一致する姿勢で両コイル401の各超電導線材410の巻終り端411にそれぞれ接合されることによってコイル401同士を電気的に接続している。
ところが、上記構成の超電導マグネット400では、接続部材403の軸方向寸法(すなわち超電導線材410の幅寸法)L11を大きくして接続面積を大きくするのが困難であり、接続部分での電気抵抗を小さくしにくい。このため、超電導マグネット400の特性を向上しにくいという不都合がある。
そこで、特許文献1には、Bi系超電導線材を切断して作製された複数の接続部材を、それらの長手方向がコイルの軸方向に一致する姿勢で当該コイルの周方向に並べ、その状態で各接続部材を両コイルの各超電導線材に順次半田接合し、これによってコイル同士を電気的に接続する構成が開示されている。この構成により、接続面積を大きくして、接続抵抗を小さくしている。
特開2001―257114号公報
しかし、特許文献1の構成では、各接続部材の周方向長さがBi系超電導線材の幅寸法に限定されるため、両コイルが互いに接続される接続領域の周方向の長さに応じた数の接続部材が必要となり、前記接続領域の周方向の長さが長いほどに超電導マグネットの構成が複雑になる。
また、特許文献1の構成では、複数の接続部材を順次半田接合することで両コイルの電気的接続がなされるが、接続部材の数が多いほど、当該半田付け作業がより煩雑になる。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、簡略な構成の超電導マグネットを提供することを目的とする。
また、本発明は、コイル体同士の接続作業を容易に行うことのできる超電導マグネットの製造方法を提供することも目的とする。
本願発明者らは、従来から超電導マグネットの研究等で一般に用いられているY系超電導線材に着目した。このY系超電導線材は、異方性が小さく配向性が低い結晶構造から、その平面自由度がBi系超電導線材に比べて高くなっている。そのため、当該Y系超電導線材は、Bi系超電導線材のような長尺化は困難なものの、容易に平面状に拡がる形状とすることができる。このことから、本願発明者らは、Y系超電導線材を切断して接続部材を作製すれば、接続部材のサイズを任意に設定することが可能であり、サイズ的な要求を満たす接続部材を容易に得ることが可能であることに想到した。
そこで、本発明の請求項1に記載の超電導マグネットは、所定方向に延びる複数本の超電導線を含みこれらの超電導線がテープ状に一体化された第1の超電導線材からなり、この第1の超電導線材が同心円状に巻回されることにより形成された第1のコイル体と、前記第1の超電導線材からなり、この第1の超電導線材が同心円状に巻回されることにより形成され、その第1の超電導線材の一端部が第1のコイル体の第1の超電導線材の一端部に対して第1のコイル体の軸方向に隣り合いかつ軸方向から見てコイル体の周方向で互いに重なる位置に配されるように第1のコイル体の軸方向側に隣接する第2のコイル体と、第1のコイル体の第1の超電導線材の一端部と第2のコイル体の第1の超電導線材の一端部とにそれぞれ接続されて第1のコイル体および第2のコイル体を電気的に接続するシート状の第1の接続部材とを備えた超電導マグネットであって、第1の接続部材は、当該第1の接続部材の厚さ方向と直交する面に沿って拡がるシート状の超電導材料を含むシート状の第2の超電導線材からなり、この第2の超電導線材をいずれのコイル体の第1の超電導線材の軸方向寸法よりも大きい軸方向寸法および周方向寸法を有する形状に切断することにより形成されていることを特徴とする。
この請求項1に記載の超電導マグネットでは、軸方向寸法および周方向寸法がともにいずれのコイル体の第1の超電導線材の軸方向寸法(幅寸法)よりも大きい第1の接続部材を用いて両コイル体を接続する構成としたので、従来のようにコイル体に使用されるBi系超電導線材を切断して作製した複数の接続部材をコイル体の周方向に並べた状態で両コイル体に接合することによりコイル体同士の接続を行う場合と同様、第1の接続部材の軸方向寸法をコイル体の第1の超電導線材の幅寸法以上に確保することができる一方、上記従来の場合に比べて、第1の接続部材の周方向寸法がコイル体の第1の超電導線材の幅寸法よりも大きい分だけ、両コイル体の接続に必要な第1の接続部材の数を減らすことができる。これにより、超電導マグネットの特性を低下させることなく当該超電導マグネットの構成を簡略化することができる。
なお、厚さ方向と直交する面に沿って拡がるシート状の超電導材料を含むシート状の第2の超電導線材を切断することにより第1の接続部材を形成する構成としたことで、第1の接続部材の軸方向寸法および周方向寸法がいずれのコイル体の第1の超電導線材の幅寸法よりも大きいというサイズ的な要求を満たす接続部材を容易に得ることができる。
請求項2に記載の超電導マグネットは、請求項1に記載の超電導マグネットにおいて、第2の超電導線材がY系、Gd系、Ho系およびEu系のいずれかからなる超電導線材であることを特徴とする。
Y(イットリウム)系、Gd(ガドリニウム)系、Ho(ホロミウム)系、Eu(ユーロピウム)系の薄膜系超電導線材(coated conductor)に含まれる超電導材料は、その結晶形状における異方性が小さく、当該結晶の配向性が低いため、容易にシート状(膜状、面状)になる。従って、この薄膜系超電導線材は、例えばBi系超電導線材に比べて平面自由度が高い。このことから、請求項2に記載の超電導マグネットのように、第2の超電導線材としてY系、Gd系、Ho系およびEu系のいずれかからなる超電導線材を用いれば、容易に、接続部材の軸方向寸法および周方向寸法の両方をいずれのコイル体の第1の超電導線材の軸方向寸法よりも大きくすることができる。
請求項3に記載の超電導マグネットは、請求項1または2に記載の超電導マグネットにおいて、第1の超電導線材がBi系超電導線材であることを特徴とする。
請求項4に記載の超電導マグネットは、請求項1〜3のいずれか一項に記載の超電導マグネットにおいて、第1の接続部材に対してコイル体の周方向に所定間隔を隔てて配され、第1のコイル体の第1の超電導線材の一端部と第2のコイル体の第1の超電導線材の一端部とにそれぞれ接続されて第1のコイル体および第2のコイル体を電気的に接続する常電導材料からなる第2の接続部材をさらに備えることを特徴とする。
この請求項4に記載の超電導マグネットによれば、クエンチ等によって第1の接続部材による両コイル体の電気的な接続が遮断された場合にも、常電導材料からなる第2の接続部材によって両コイル体の電気的な接続が確保される。これにより、不意の断線に伴うコイル体の損傷等の不都合の発生が防がれる。
本発明の請求項5に記載の超電導マグネットは、所定方向に延びる複数本の超電導線を含みこれらの超電導線がテープ状に一体化された第1の超電導線材からなり、この第1の超電導線材が同心円状に巻回されることにより形成され、かつ、軸方向に互いに並ぶように配列される3つ以上のコイル体と、隣り合うコイル体を電気的に接続する複数のシート状の接続部材とを備え、前記隣り合うコイル体の各第1の超電導線材の一端部がコイル体の軸方向に隣り合いかつ軸方向から見てコイル体の周方向で互いに重なる位置にそれぞれ配されて前記接続部材にそれぞれ接続される超電導マグネットであって、当該超電導マグネットの磁場の向きがコイル体の軸方向に対して所定角度未満で傾斜する第1の領域に配される接続部材は、当該接続部材の厚さ方向と直交する面に沿って拡がるシート状の超電導材料を含むシート状の第2の超電導線材からなり、この第2の超電導線材をいずれのコイル体の第1の超電導線材の軸方向寸法よりも大きい軸方向寸法および周方向寸法を有する形状に切断することにより形成された接続部材であり、当該超電導マグネットの磁場の向きがコイル体の軸方向に対して前記所定角度以上で傾斜する第2の領域に配される接続部材は、前記第1の超電導線材からなり、この第1の超電導線材を所定の周方向寸法を有する形状に切断することにより形成された接続部材であることを特徴とする。
この請求項5に記載の超電導マグネットでは、軸方向寸法および周方向寸法がともにいずれのコイル体の第1の超電導線材の軸方向寸法(幅寸法)よりも大きい接続部材を用いて隣り合うコイル体同士を接続する構成としたので、従来のようにコイル体に使用されるBi系超電導線材を切断して作製した複数の接続部材をコイル体の周方向に並べた状態で両コイル体に接合することによりコイル体同士の接続を行う場合と同様、接続部材の軸方向寸法をコイル体の第1の超電導線材の幅寸法以上に確保することができる一方、上記従来の場合に比べて、接続部材の周方向寸法がコイル体の第1の超電導線材の幅寸法よりも大きい分だけ、両コイル体の接続に必要な接続部材の数を減らすことができる。これにより、超電導マグネットの特性を低下させることなく当該超電導マグネットの構成を簡略化することができる。
また、厚さ方向と直交する面に沿って拡がるシート状の超電導材料を含む超電導線材からなる接続部材では、接続部材に対して交差する方向の磁場が当該接続部材に作用した場合、接続部材に前記磁場を打ち消す方向の電流(いわゆる面内電流)が流れることが知られている。また、所定方向に延びる複数本の超電導線を含みこれらがテープ状に一体化された超電導線材からなる接続部材では、接続部材に対して交差する方向の磁場が当該接続部材に作用した場合でも、接続部材に前記面内電流が流れにくいことも知られている。これらのことから、第2の超電導線材からなる接続部材を、超電導マグネットの磁場の向きがコイル体の軸方向に対して所定角度未満で傾斜する第1の領域にのみ配することで、第2の超電導線材からなる接続部材を超電導マグネットの軸方向の全域に亘って配する場合と比べて、超電導マグネットの特性の低下が抑えられる。
請求項6に記載の超電導マグネットは、請求項5に記載の超電導マグネットにおいて、第2の超電導線材がY系、Gd系、Ho系およびEu系のいずれかからなる超電導線材であることを特徴とする。
請求項7に記載の超電導マグネットは、請求項5または6に記載の超電導マグネットにおいて、第1の超電導線材がBi系超電導線材であることを特徴とする。
請求項8に記載の超電導マグネットは、請求項5〜7のいずれか一項に記載の超電導マグネットにおいて、前記接続部材に対してコイル体の周方向に所定間隔を隔てて配され、隣り合うコイル体の各第1の超電導線材の一端部にそれぞれ接続されて両コイル体を電気的に接続する常電導材料からなる接続部材をさらに備えることを特徴とする。
本発明の請求項9に記載の超電導マグネットの製造方法は、第1のコイル体と第2のコイル体とをシート状の接続部材によって互いに電気的に接続することで超電導マグネットを形成する超電導マグネットの製造方法であって、所定方向に延びる複数本の超電導線を含みこれらの超電導線がテープ状に一体化された第1の超電導線材を同心円状に巻回して第1のコイル体および第2のコイル体をそれぞれ形成する工程と、厚さ方向と直交する面に沿って拡がるシート状の超電導材料を含むシート状の第2の超電導線材を、各辺の寸法がいずれのコイル体の第1の超電導線材の軸方向寸法よりも大きい矩形状に切断して前記シート状の接続部材を作製する工程と、第2のコイル体を、その第1の超電導線材の一端部が第1のコイル体の第1の超電導線材の一端部に対してコイル体の軸方向に隣り合いかつ軸方向から見てコイル体の周方向で互いに重なる位置に配されるように第1のコイル体の軸方向側に隣接させ、その状態で、前記接続部材を両コイル体の各第1の超電導線材の一端部にそれぞれ半田付けによって接合して両コイル体を互いに電気的に接続する工程とを備えることを特徴とする。
この請求項9に記載の超電導マグネットの製造方法では、周方向寸法がいずれのコイル体の第1の超電導線材の軸方向寸法(幅寸法)よりも大きい接続部材によって両コイル体を接続するようにしたので、従来のようにコイル体に使用されるBi系超電導線材を切断して作製した複数の接続部材をコイル体の周方向に並べた状態で両コイル体に接合することによりコイル体同士の接続を行う場合に比べて、接続部材の周方向寸法がコイル体の第1の超電導線材の幅寸法よりも大きい分だけ、両コイル体の半田接合に必要な接続部材の数を減らすことができる。これにより、半田付け作業をより簡略化してコイル体同士を容易に接続することができる。
また、軸方向寸法がいずれのコイル体の第1の超電導線材の軸方向寸法(幅寸法)よりも大きい接続部材によって両コイル体を接続するようにしたので、従来のようにコイル体に使用されるBi系超電導線材を切断して作製した複数の接続部材をコイル体の周方向に並べた状態で両コイル体に接合することによりコイル体同士の接続を行う場合と同様、接続部材の軸方向寸法をコイル体の第1の超電導線材の幅寸法以上に確保することができる。これにより、超電導マグネットの特性が低下しない。
また、厚さ方向と直交する面に沿って拡がるシート状の超電導材料を含むシート状の第2の超電導線材を切断することにより接続部材を形成したので、接続部材の軸方向寸法および周方向寸法がいずれのコイル体の第1の超電導線材の幅寸法よりも大きいというサイズ的な要求を満たす接続部材を容易に得ることができる。
本発明の超電導マグネットによれば、超電導マグネットの特性を低下させることなく当該超電導マグネットの構成を簡略化することができる。
また、本発明の超電導マグネットの製造方法によれば、半田付け作業をより簡略化してコイル体同士を容易に接続することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による超電導マグネットの全体構成を示した斜視図である。また、図2は、Bi系超電導線材の構成を概略的に示した斜視図であり、図3は、Y系超電導線材の構成を概略的に示した斜視図である。
第1実施形態の超電導マグネット100は、図1に示すように、上側コイル体1と、下側コイル体2と、1つのシート状の接続部材3とを備えている。なお、上側コイル体1は、本発明の「第1のコイル体」に相当し、下側コイル体2は、本発明の「第2のコイル体」に相当する。また、接続部材3は、本発明の「第1の接続部材」の一例である。この超電導マグネット100は、コイル体1,2に通電することで当該コイル体1,2の内側空間に強磁場を発生するように構成されている。また、図1中の符号4は、コイル体1,2間に介在するコイル間絶縁体を示している。
コイル体1,2は、それぞれ、テープ状の超電導線材10,20を当該コイル体1,2の軸方向に2段となるように同心円状に巻回して構成される、いわゆるダブルパンケーキコイルである。なお、超電導線材10,20は、本発明の「第1の超電導線材」に相当する。
各コイル体1,2は、それぞれ、上段部1a,2aと下段部1b,2bとで構成されている。そして、上側コイル体1の上段部1aおよび下段部1bでは、それぞれ、超電導線材10の一方の巻終り端11および他方の巻終り端12が当該上側コイル体1の外径側に露出している。また、下側コイル体2の上段部2aおよび下段部2bでは、それぞれ、超電導線材20の一方の巻終り端21および他方の巻終り端22が当該下側コイル体2の外径側に露出している。なお、巻終り端12および21は、それぞれ、本発明の「第1のコイル体の第1の超電導線材の一端部」および「第2のコイル体の第1の超電導線材の一端部」に相当する。
そして、下側コイル体2は、上側コイル体1の軸方向側に隣接しており、上側コイル体1の超電導線材10の巻終り端12と下側コイル体2の超電導線材20の巻終り端21とが、当該コイル体1の軸方向に隣り合いかつ軸方向から見てコイル体1の周方向で互いに重なる位置にそれぞれ配されている。
なお、各超電導線材10,20の巻終り端12,21は、予め設定された接続領域の周方向長さL3の分だけ周方向で互いに重なっており、接続部材3との電気的な接続が可能なように所定の処理が施されている。
また、本実施形態の超電導線材10,20は、ともに、Bi(ビスマス)系超電導線材10A(図2参照)である。なお、Bi系超電導線材10Aは、本発明の「第1の超電導線材」の一例である。
Bi系超電導線材10Aは、図2に示すように、Ag(銀)シース10aと、このAgシース10a中に配され、所定方向に不特定長さで延びる複数本の細かい糸状(フィラメント状)の超電導線10bとで構成されている。これら複数の超電導線10bは、テープ状に一体化した集合体となって超電導電流を通すようになっている。
この構成のBi系超電導線材10Aでは、結晶が平面状の構造を取る傾向にあり、当該結晶の配向性が高い。このため、Bi系超電導線材10Aは、容易に長尺化が可能となっている反面、幅寸法が得にくいという特徴がある。
従って、強磁場を要求される超電導マグネット100のコイル体1,2に使用されるテープ状の超電導線材10,20には、長尺であることが求められるので、通常、Bi系超電導線材10Aが使用される。なお、本実施形態では、超電導線材10,20として、幅寸法が約4.2mmのBi系超電導線材を用いている。
接続部材3は、両コイル体1,2を電気的に直列に接続するためのものであり、上側コイル体1の超電導線材10の巻終り端12と下側コイル体2の超電導線材20の巻終り端21とにそれぞれ半田付けによって接合されている。
ここで、本実施形態の接続部材3は、Y(イットリウム)系超電導線材3A(図3参照)を切断することにより形成されている。このY系超電導線材3Aは、本発明の「第2の超電導線材」の一例である。
Y系超電導線材3Aは、図3に概略的に示すように、基板層31と、中間層32と、超電導層33と、安定化層34とがこの順序で当該超電導線材3Aの厚さ方向に積層されることにより構成されている。各層31〜34は、それぞれ、超電導線材3Aの厚さ方向と直交する面に沿ってシート状に拡がっている。なお、超電導層33は、本発明の「シート状の超電導材料」に相当する。
基板層31は、例えば高強度のニッケル合金、いわゆるハステロイからなり、各層32〜34を支持するためのものである。この基板層31によって、当該超電導線材3Aの強度が高レベルに保たれている。
中間層32は、例えばYSZやMgO、CeO、NiO、BaZrOからなり、基板層31の格子定数と超電導層33の格子定数との差を補うためのものである。すなわち、中間層32は、その格子定数が基板層31の格子定数と超電導層33の格子定数との中間の値となっており、格子欠陥を少なくして結晶性の高い超電導層33を成長させる役割を担っている。
超電導層33は、Y系超電導材料からなり、超電導電流を通すためのものである。ここで、Y系超電導材料は、その結晶形状における異方性が小さく、当該結晶の配向性が低いため、容易にシート状(膜状、面状)になり得る。従って、このY系超電導材料からなる超電導層33を含むY系超電導線材3Aは、例えばBi系超電導線材10Aに比べて平面自由度が高く、容易に、シート状に連続的に拡がる態様となることが可能である。
安定化層34は、例えばAgやAg−Cuからなり、超電導層33を磁気的・熱的に安定化させるとともに、超電導層33の超電導状態が破れたときには電流をバイパスして流すことにより超電導層33の焼損を防ぐ役割を担っている。
そして、前記接続部材3は、上記4つの層31〜34からなるY系超電導線材3Aを、各辺の寸法(次述の軸方向寸法L1および周方向寸法L2に相当)がいずれも超電導線材10,20の幅寸法よりも大きい矩形状に切断することで形成される。
接続部材3の軸方向寸法L1は、上側コイル体1の巻終り端12の上端縁から下側コイル体2の巻終り端21の下端縁までの軸方向長さにほぼ対応する寸法(本実施形態では約10mm)に設定されている。また、接続部材3の周方向寸法L2は、接続領域の周方向長さL3よりも僅かに小さい寸法に設定されている。これにより、接続部材3は、両コイル体1,2の接続領域をほぼ覆っており、その接続面積が十分に確保されるようになっている。
なお、接続部材3は、各超電導線材10,20への接続状態では、安定化層34が超電導線材10,20側に向くような姿勢で配される。
上記構成の超電導マグネット100では、上側コイル体1の上段部1aの巻終り端11に供給された電気は、上側コイル体1の超電導線材10を通って上側コイル体1の下段部1bの巻終り端12に伝わる。そして、当該電気は、巻終り端12に半田接合された接続部材3に伝達され、接続部材3を通って下側コイル体2の上段部2aの巻終り端21に伝わる。そして、その電気は、下側コイル体2の超電導線材20を通って下側コイル体2の下段部2bの巻終り端22に伝達される。このような電気の流れによって、コイル体1,2の内側領域に磁場が形成される。
次に、上記超電導マグネット100の製造方法について説明する。
まず、Bi系超電導線材である各超電導線材10,20をそれぞれ同心円状に巻回してコイル体1,2を形成する。
ここで、本実施形態では、従来から超電導マグネットの研究等で一般に用いられているY系超電導線材3Aを、各辺の寸法が前述の軸方向寸法L1および周方向寸法L2となるような矩形状に切断することにより、シート状の接続部材3を1つ作製する。
そして、下側コイル体2を上側コイル体1の軸方向下側に隣接させ、下側コイル体2の超電導線材20の巻終り端21が上側コイル体1の超電導線材10の巻終り端12に対してコイル体1の軸方向に隣り合いかつ軸方向から見てコイル体1の周方向で互いに重なる位置に配される状態にする。
そして、その状態で、上記接続部材3を半田付けによって両コイル体1,2の各超電導線材10,20の巻終り端12,21にそれぞれ接合する。
これにより、両コイル体1,2が互いに電気的に接続可能な状態となり、超電導マグネット100が完成する。
第1実施形態の超電導マグネット100によれば、軸方向寸法L1および周方向寸法L2がともにいずれのコイル体1,2の超電導線材10,20の軸方向寸法(幅寸法)よりも大きい接続部材3を用いて両コイル体1,2を接続する構成としたので、従来のようにコイル体に使用されるBi系超電導線材を切断して作製した複数の接続部材をコイル体の周方向に並べた状態で両コイル体に接合することによりコイル体同士の接続を行う場合と同様、接続部材3の軸方向寸法L1を超電導線材10,20の幅寸法以上に確保することができる一方、上記従来の場合に比べて、接続部材3の周方向寸法L2が超電導線材10,20の幅寸法よりも大きい分だけ、両コイル体1,2の接続に必要な接続部材3の数を減らすことができる。これにより、超電導マグネット100の特性を低下させることなく当該超電導マグネット100の構成を簡略化することができる。
なお、第1実施形態では、接続部材3の周方向寸法L3を接続領域の周方向長さL3よりも僅かに小さい寸法に設定し、当該寸法となるようにY系超電導線材3Aを切断して形成したので、両コイル体1,2の接続に必要な接続部材3の数を1つにまで減らしている。
また、第1実施形態の超電導マグネット100によれば、平面自由度の高いY系超電導線材3Aから接続部材3を形成したので、接続部材3のサイズを任意に設定することが可能であり、容易に、超電導線材10,20の軸方向寸法よりも大きい軸方向寸法L1および周方向寸法L2の接続部材3を得ることができる。
また、第1実施形態の超電導マグネット100の製造方法によれば、周方向寸法L2が超電導線材10,20の幅寸法よりも大きい接続部材3によって両コイル体1,2を接続するようにしたので、従来のようにコイル体に使用されるBi系超電導線材を切断して作製した複数の接続部材をコイル体の周方向に並べた状態で両コイル体に接合することによりコイル体同士の接続を行う場合に比べて、接続部材3の周方向寸法L2が超電導線材10,20の幅寸法よりも大きい分だけ、両コイル体1,2の半田接合に必要な接続部材3の数を減らすことができる。これにより、半田付け作業をより簡略化してコイル体1,2同士を容易に接続することができる。
なお、第1実施形態では、上述のように、両コイル体1,2の接続に必要な接続部材3の数を1つにまで減らしているので、コイル体1,2同士の接続作業における半田付け作業性が極めて向上している。すなわち、上記の場合、1つ接続部材3の1回の半田付け作業によって両コイル体1,2の接続が完了する。さらに、このとき、複数の接続部材の複数回の半田付け作業によって両コイル体を接続する場合と異なり、固形化した半田が他の半田付けの熱によって溶融する半田の再溶融を回避する必要がないので、半田付け作業性が低下しない。
また、第1実施形態の超電導マグネット100の製造方法によれば、厚さ方向と直交する面に沿って拡がるシート状の超電導層33を含むシート状のY系超電導線材3Aを切断することにより接続部材3を形成したので、接続部材3の軸方向寸法L1および周方向寸法L2がいずれのコイル体1,2の超電導線材10,20の幅寸法よりも大きいというサイズ的な要求を満たす接続部材3を容易に得ることができる。
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態による超電導マグネットの全体構成を示した斜視図である。
この超電導マグネット200は、上記第1実施形態の超電導マグネット100と異なり、図4に示すように、接続部材5を備えている。なお、接続部材5は、本発明の「第2の接続部材」の一例である。
この接続部材5は、接続部材3に対してコイル体1の周方向に所定間隔を隔てて配されている。
接続部材5は、上側コイル体1の超電導線材10の巻終り端12と下側コイル体2の超電導線材20の巻終り端21とにそれぞれ半田接合されており、両コイル体1,2を電気的に接続するためのものである。
この接続部材5は、常電導材料から構成されており、当該超電導マグネット200の通常運転時には、その電気抵抗が接続部材3に比べて大きいことからほとんど電気を通さない。しかし、クエンチ等によって接続部材3による両コイル体1,2の電気的な接続が遮断された場合には、両コイル体1,2を電気的に接続してコイル体1,2間の通電が確保されるようになっている。なお、上記常電導材料としては、銅、銅合金、アルミ、アルミ合金等、低温において抵抗が小さく、かつコイル体1,2の超電導線材10,20との接続が容易な材料が好ましい。
第2実施形態の超電導マグネット200によれば、クエンチ等によって接続部材3による両コイル体1,2の電気的な接続が遮断された場合にも、常電導材料からなる当該接続部材5によって両コイル体1,2の電気的な接続が確保される。これにより、不意の断線に伴うコイル体1,2の損傷等の不都合の発生が防がれる。
(第3実施形態)
図5は、第3実施形態による超電導マグネットの全体構成を示した正面図である。また、図6は、図5に示した超電導マグネットに作用する磁場の向きを示した正面断面図である。
第3実施形態の超電導マグネット300は、図5に示すように、複数(9つ)のコイル体301と、複数(4つ)の接続部材303と、複数(4つ)の接続部材306とを備えている。なお、図5中の符号304は、コイル間絶縁体を示している。
この超電導マグネット300は、多数のコイル体301を軸方向に並設することで、コイル体301の内側空間により均一な磁場を発生することが可能となっている。
各コイル体301は、上記第1実施形態のコイル体1,2とほぼ同一構成である。
そして、本実施形態では、軸方向中央側に配された4つの接続部材303と、軸方向両端側にそれぞれ2つずつ配された計4つの接続部材306とが、互いに異なる構成となっている。すなわち、軸方向中央側の4つの接続部材303が、上記第1実施形態の接続部材3と同様、Y系超電導線材3Aを切断して形成される接続部材となっている。一方、軸方向両端側の4つの接続部材306は、従来の接続部材403と同様、Bi系超電導線材を切断して形成される接続部材となっている。
このように超電導マグネット300の軸方向の異なる位置によって、互いに異なる構成の接続部材303および306を配するのは、以下の理由による。
例えば、本実施形態の超電導マグネット300がメインコイルとして設けられ、当該超電導マグネット300の径外方向にバックアップコイル7が配設されている場合、超電導マグネット300には図6に示すような向きの磁場Hが作用する。
すなわち、超電導マグネット300の軸方向中央側の領域E1では、磁場Hの向きが超電導マグネット300の軸心Rにほぼ平行になっており、当該磁場Hには、超電導マグネット300の径方向の磁場成分がほとんど含まれていない。一方、超電導マグネット300の軸方向両端側の領域E2では、磁場Hの向きが超電導マグネット300の軸心Rに対して傾斜しており、当該磁場Hには、超電導マグネット300の径方向の磁場成分が含まれている。なお、領域E1は、本発明の「第1の領域」に相当し、領域E2は、本発明の「第2の領域」に相当する。
ところで、Y系超電導線材では、当該線材に含まれる超電導材料がシート状(膜状、面状)に形成されていることから、超電導線材に対して交差する方向の磁場が当該超電導線材に作用した場合、超電導線材に前記磁場を打ち消す方向の電流(いわゆる面内電流)が流れることが知られている。
また、Bi系超電導線材では、当該線材に含まれる超電導材料が細かい糸状(フィラメント状)に形成されていることから、超電導線材に対して交差する方向の磁場が当該超電導線材に作用した場合でも、超電導線材に前記面内電流が流れにくいことも知られている。
これらのことから、本実施形態では、Y系超電導線材から形成された接続部材303を、超電導マグネット300の磁場Hの向きが軸心Rに対して所定角度(本実施形態では約20度)未満で傾斜する領域E1に配するとともに、Bi系超電導線材から形成された接続部材306を、超電導マグネット300の磁場Hの向きが軸心Rに対して所定角度(約20度)以上で傾斜する領域E2に配している。これによって、面内電流に起因する寄生磁場の発生を抑え、超電導マグネット300の特性の低下を抑えている。
第3実施形態の超電導マグネット300によれば、Y系超電導線材からなる接続部材303を、超電導マグネット300の磁場Hの向きが軸心Rに対して所定角度(約20度)未満で傾斜する軸方向中央側の領域E1にのみ配することで、例えば接続部材303を超電導マグネット300の軸方向の全域に亘って配する場合と比べて、面内電流に起因する寄生磁場の発生を抑えることができるので、超電導マグネット300の特性の低下が抑えられる。
なお、第3実施形態の超電導マグネット300において、各接続部材303,306に対して第2実施形態の常電導材料からなる接続部材5を並設する構成とすることができる。特に、Bi系超電導線材からなる接続部材306は、構造上、高強度にすることが困難であり、クエンチ時に容易に損傷して通電不能状態に陥る可能性があることから、より効果的である。
また、上記実施形態では、接続部材によって電気的に接続されるコイル体がダブルパンケーキコイルである例について示したが、これに限らず、軸方向に並んだシングルパンケーキコイル同士を接続部材によって電気的に接続する構成の超電導マグネットにも本発明を適用可能である。このようなシングルパンケーキコイル同士の接続の場合、径方向内側にも接続箇所が存在するが、当該接続箇所に配される接続部材にも本発明の接続部材を適用可能である。
また、上記実施形態では、接続部材を、その厚さ方向と直交する面に沿って拡がるシート状の超電導層を含むY系超電導線材を切断して形成する例について示したが、Y系超電導線材と同じくシート状の超電導層を含むGd(ガドリニウム)系やHo(ホロミウム)系、Eu(ユーロピウム)系等の薄膜系超電導線材(coated conductor)を切断して接続部材を形成する構成であってもよい。
また、上記実施形態では、単一の接続部材3,303によって両コイル体を接続する例について示したが、これに限らず、周方向に並べた複数の接続部材3,303によって両コイル体を接続する構成であってもよい。この場合でも、各接続部材3,303の周方向寸法が超電導線材10,20の幅寸法よりも大きければ、従来に比べて接続部材の数が減少するため、超電導マグネットの構成を簡略化するとともに、半田付け作業性が向上するという効果が得られる。
本発明の第1実施形態による超電導マグネットの全体構成を示した斜視図である。 Bi系超電導線材の構成を概略的に示した斜視図である。 Y系超電導線材の構成を概略的に示した斜視図である。 第2実施形態による超電導マグネットの全体構成を示した斜視図である。 第3実施形態による超電導マグネットの全体構成を示した正面図である。 図5に示した超電導マグネットに作用する磁場の向きを示した正面断面図である。 従来の超電導マグネットの斜視図である。
符号の説明
1 上側コイル(第1のコイル体)
2 下側コイル(第2のコイル体)
3,303 接続部材(第1の接続部材)
3A Y系超電導線材(第2の超電導線材)
5 接続部材(第2の接続部材)
10,20 超電導線材(第1の超電導線材)
10A Bi系超電導線材(第1の超電導線材)
10b 超電導線
12 巻終り端(一端部)
21 巻終り端(一端部)
33 超電導層(シート状の超電導材料)
100,200,300 超電導マグネット
301 コイル体
306 接続部材
E1 領域(第1の領域)
E2 領域(第2の領域)
L1 軸方向寸法
L2 周方向寸法

Claims (9)

  1. 所定方向に延びる複数本の超電導線を含みこれらの超電導線がテープ状に一体化された第1の超電導線材からなり、この第1の超電導線材が同心円状に巻回されることにより形成された第1のコイル体と、
    前記第1の超電導線材からなり、この第1の超電導線材が同心円状に巻回されることにより形成され、その第1の超電導線材の一端部が第1のコイル体の第1の超電導線材の一端部に対して第1のコイル体の軸方向に隣り合いかつ軸方向から見てコイル体の周方向で互いに重なる位置に配されるように第1のコイル体の軸方向側に隣接する第2のコイル体と、
    第1のコイル体の第1の超電導線材の一端部と第2のコイル体の第1の超電導線材の一端部とにそれぞれ接続されて第1のコイル体および第2のコイル体を電気的に接続するシート状の第1の接続部材とを備えた超電導マグネットであって、
    第1の接続部材は、当該第1の接続部材の厚さ方向と直交する面に沿って拡がるシート状の超電導材料を含むシート状の第2の超電導線材からなり、この第2の超電導線材をいずれのコイル体の第1の超電導線材の軸方向寸法よりも大きい軸方向寸法および周方向寸法を有する形状に切断することにより形成されていることを特徴とする超電導マグネット。
  2. 第2の超電導線材がY系、Gd系、Ho系およびEu系のいずれかからなる超電導線材であることを特徴とする請求項1に記載の超電導マグネット。
  3. 第1の超電導線材がBi系超電導線材であることを特徴とする請求項1または2に記載の超電導マグネット。
  4. 第1の接続部材に対してコイル体の周方向に所定間隔を隔てて配され、第1のコイル体の第1の超電導線材の一端部と第2のコイル体の第1の超電導線材の一端部とにそれぞれ接続されて第1のコイル体および第2のコイル体を電気的に接続する常電導材料からなる第2の接続部材をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の超電導マグネット。
  5. 所定方向に延びる複数本の超電導線を含みこれらの超電導線がテープ状に一体化された第1の超電導線材からなり、この第1の超電導線材が同心円状に巻回されることにより形成され、かつ、軸方向に互いに並ぶように配列される3つ以上のコイル体と、
    隣り合うコイル体を電気的に接続する複数のシート状の接続部材とを備え、
    前記隣り合うコイル体の各第1の超電導線材の一端部がコイル体の軸方向に隣り合いかつ軸方向から見てコイル体の周方向で互いに重なる位置にそれぞれ配されて前記接続部材にそれぞれ接続される超電導マグネットであって、
    当該超電導マグネットの磁場の向きがコイル体の軸方向に対して所定角度未満で傾斜する第1の領域に配される接続部材は、当該接続部材の厚さ方向と直交する面に沿って拡がるシート状の超電導材料を含むシート状の第2の超電導線材からなり、この第2の超電導線材をいずれのコイル体の第1の超電導線材の軸方向寸法よりも大きい軸方向寸法および周方向寸法を有する形状に切断することにより形成された接続部材であり、
    当該超電導マグネットの磁場の向きがコイル体の軸方向に対して前記所定角度以上で傾斜する第2の領域に配される接続部材は、前記第1の超電導線材からなり、この第1の超電導線材を所定の周方向寸法を有する形状に切断することにより形成された接続部材であることを特徴とする超電導マグネット。
  6. 第2の超電導線材がY系、Gd系、Ho系およびEu系のいずれかからなる超電導線材であることを特徴とする請求項5に記載の超電導マグネット。
  7. 第1の超電導線材がBi系超電導線材であることを特徴とする請求項5または6に記載の超電導マグネット。
  8. 前記接続部材に対してコイル体の周方向に所定間隔を隔てて配され、隣り合うコイル体の各第1の超電導線材の一端部にそれぞれ接続されて両コイル体を電気的に接続する常電導材料からなる接続部材をさらに備えることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載の超電導マグネット。
  9. 第1のコイル体と第2のコイル体とをシート状の接続部材によって互いに電気的に接続することで超電導マグネットを形成する超電導マグネットの製造方法であって、
    所定方向に延びる複数本の超電導線を含みこれらの超電導線がテープ状に一体化された第1の超電導線材を同心円状に巻回して第1のコイル体および第2のコイル体をそれぞれ形成する工程と、
    厚さ方向と直交する面に沿って拡がるシート状の超電導材料を含むシート状の第2の超電導線材を、各辺の寸法がいずれのコイル体の第1の超電導線材の軸方向寸法よりも大きい矩形状に切断して前記シート状の接続部材を作製する工程と、
    第2のコイル体を、その第1の超電導線材の一端部が第1のコイル体の第1の超電導線材の一端部に対してコイル体の軸方向に隣り合いかつ軸方向から見てコイル体の周方向で互いに重なる位置に配されるように第1のコイル体の軸方向側に隣接させ、その状態で、前記接続部材を両コイル体の各第1の超電導線材の一端部にそれぞれ半田付けによって接合して両コイル体を互いに電気的に接続する工程とを備えることを特徴とする超電導マグネットの製造方法。
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