JP2010067870A - 電子デバイス作成用水性分散液 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子デバイスの作製過程で成膜に使用可能な水性の有機半導体分散液を提供する。
【解決手段】少なくとも電荷輸送能力のある有機半導体粉体と、水を主成分とする溶媒と、を含有するとともに、有機半導体粉体が前記溶媒中に分散してなる電子デバイス作成用水性分散液が提供される。この電子デバイス作成用水性分散液は、有機トランジスタや感光体などの各種電子デバイスの製造にあたり、被処理体上に適用され、乾燥させることにより有機半導体膜を成膜する用途に用いられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子デバイス作成用水性分散液に関し、詳細には、例えば有機トランジスタ、太陽電池、感光体、有機ELなどの電子デバイスの製造に使用される電子デバイス作成用水性分散液に関する。
従来、感光体の電荷発生層を成膜するための塗工液には有機溶媒が用いられてきた。これらの有機溶媒は揮発するため、環境への影響を考慮すると好ましくない。一方、有機トランジスタ用の有機半導体をスピンコート法や、インクジェットプリント技術を応用し、対象物に微小液滴を吐出してドット形成させる印写方法(以下、単に「インクジェット法」と記すことがある)で塗工する場合にも有機溶媒が用いられてきたが、同様に環境上好ましいことではない。
また、有機溶媒に溶解し難い有機半導体は、これまで蒸着法以外に製膜できる方法はなかった。従って、有機半導体を液中分散して塗工する方法の開発が望まれていた。本発明者による検討結果によれば、有機溶媒の分散液中では、化合物の種類によっては、いくら分散させても、粒径が大きくなってしまうため、薄層化している光電変換素子や有機トランジスタなどにおける有機半導体層への適用は困難であることがわかった。
一方、インクジェットによる電子デバイス作製が盛んに検討されているが、有機溶媒を使用している限りは、一般家庭あるいはオフィスにおけるオンデマンドでの電子デバイス作成は環境を考慮すると無理である。
さらには、有機トランジスタあるいは光電変換素子では、有機溶媒により溶解する材料を主成分とする層を2層以上設けなければならない場合がある。例えば、有機溶媒に可溶の絶縁層の上に有機溶媒に可溶の有機半導体層を設ける場合や、有機溶媒に可溶の有機半導体層の上に有機溶媒に可溶の保護層を設けるような場合、上層を塗工する際に下層が有機溶媒の作用で溶解してしまうため、湿式法のみによる塗工は困難であった。
なお、特許文献1には、水と、水と混和する有機溶媒とを混合した電子写真感光体の電荷発生層用塗工液が提示されているが、その実施例では、揮発性の有機溶媒がかなりの比率含まれており環境負荷の低減は十分でない。また、基板電極に直接電荷発生層を塗工しているので簡単にはがれてしまうという欠点もある。
一方、電子写真感光体に関し、特許文献2には、電荷発生物質粉末を水中に分散させ、電気化学的手法で電極上に製膜する方法が開示されている。これらは電気化学的手法であり、大型の装置が必要であることや、製膜に時間がかかる他、電解質など不純物の混入の問題がある。
本発明者は、上記諸問題への対応を図るため、水性の有機半導体分散液を検討してみた。電子デバイスの作製において、もし、水性の有機半導体分散液を使用することが可能であれば、以下のようなメリットが得られる。
(1)有機半導体粉体を分散した水性分散液を使用することにより有機溶媒使用の場合の環境面での課題は解決される。
(2)本発明者が検討した材料の中には、水性分散液は有機溶媒分散液よりも粒径を小さくできるものがある。従って、より薄層の有機半導体層を有する光電変換素子や有機トランジスタの作製に有利であると考えられる。感光体と同様な光電変換素子である有機太陽電池に関しても同様である。
(3)有機半導体の水性分散液を使用すれば、下層に有機溶媒に溶ける材料の層があっても問題ない。
(4)将来的に一般家庭でのインクジェットのオンデマンドでの電子デバイス作製が可能となる。すなわち、家庭のプリンタで記録媒体上に、有機EL素子、太陽電池などを作製することも夢ではなくなる。
また、本発明者らは、有機ELにおいて電極からの電流注入を容易にするために、光電変換層を設けることを提案した(例えば、特許文献3)。このような場合も、光電変換層が水性分散液で塗工されれば環境上好ましい。もし、その上層の電荷輸送層を有機溶媒で塗工しても下層の材料が水溶解性(有機溶媒不溶性)であれば問題ない。すなわち、有機半導体の水性分散液があれば、有機溶媒可溶性の保護層あるいは絶縁層の有機溶媒塗工と、有機半導体の水性分散液塗工とを連続して行うことが、これらの層が重なった構成のデバイスの作製において可能となる。これを交互に繰り返せば、全層をインクジェット法により湿式塗工することが可能となる。
また、有機トランジスタは高移動度が望まれる。有機半導体では、結晶性の材料の方がキャリアの移動度が高いが、有機半導体の溶解液を塗布して溶媒を蒸発させて均一に結晶化させることは非常に困難である。そこで、すでに結晶化している材料を分散して塗布する方法は、高移動度材料を均一に塗工する方法として有効であると考えられる。微結晶の塗工液では、キャリア移動度を高めるために、結晶間の電荷の受け渡しを確保することが重要になるが、例えばノニオン系界面活性剤で分散することによって電荷がトラップされ難くなると考えた。
特開平5−34955号公報 特許第2885467号 特開平5−13170号公報
従って、本発明の目的は、電子デバイスの作製過程で有機半導体層の成膜に使用可能な水性の有機半導体分散液を提供することである。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、以下の(1)〜(11)に存する。
(1) 電子デバイスの製造にあたり、被処理体上に適用し、乾燥させることにより有機半導体膜を成膜するための電子デバイス作成用水性分散液であって、
少なくとも電荷輸送能力のある有機半導体粉体と、
水を主成分とする溶媒と、
を含有するとともに、前記有機半導体粉体が前記溶媒中に分散してなることを特徴とする電子デバイス作成用水性分散液。
本発明の電子デバイス作成用水性分散液によれば、有機溶媒を使用する場合のような環境面での問題がなく、インクジェット法でのオンデマンド塗工も可能になる。また、電気化学的手法など使用しないため、簡易に製膜できる。
(2) 前記有機半導体粉体が、フタロシアニン系顔料であることを特徴とする上記(1)に記載の電子デバイス作成用水性分散液。フタロシアニン系顔料は、比較的移動度が高く、きれいなシアン色は画像印刷用分散液としても利用可能であるという利点がある。
(3)前記有機半導体粉体が、アゾ系顔料であることを特徴とする上記(1)に記載の電子デバイス作成用水性分散液。
(4)ノニオン系分散剤をさらに含有することを特徴とする上記(1)から(3)のいずれかに記載の電子デバイス作成用水性分散液。ノニオン系の分散剤によって、顔料の水への安定分散が可能になる。
(5) 前記有機半導体粉体の平均粒径が、200nm以下1nm以上であることを特徴とする上記(1)から(4)のいずれかに記載の電子デバイス作成用水性分散液。有機溶媒でなく、水性分散としたことにより粒径が小さくなり、有機トランジスタとしても使えるようになる。また、感光体に使用した場合には、大粒径顔料による異常画像(クロポチ)の発生防止に有効である。さらに、従来、フタロシアニンの有機溶媒分散液(特に感光体に使用されてきたもの)は、粒径が大きく(平均粒径約1μm)、有機トランジスタとして不向きであった。しかし、本発明では、有機半導体粉体の平均粒径が、200nm以下であることにより、水性分散液として有機トランジスタにも使用可能である。また、感光体の電荷発生剤としても、小粒径化により、帯電性異常低下のピンホールが少なくなり、特性を向上させることができる。
(6) 上記(1)から(5)のいずれかに記載の電子デバイス作成用水性分散液により作製した有機半導体膜を備えたことを特徴とする有機トランジスタ。本発明の電子デバイス作成用水性分散液では、有機半導体粉体の小粒径化が可能であるため、有機トランジスタに使用することにより、その電気的特性を改善することが可能である。
(7) 上記(1)から(5)のいずれかに記載の電子デバイス作成用水性分散液により作製した有機半導体膜を備えたことを特徴とする光電変換素子。本発明の電子デバイス作成用水性分散液は、光電変換素子の電荷発生材料として利用することにより、その電気的特性を改善することが可能である。
(8) 電荷発生層と電極との間に下引き層を備えた電子写真感光体であって、前記電荷発生層が、上記(1)から(5)のいずれかに記載の前記電子デバイス作成用水性分散液を前記下引き層に塗工した後に乾燥することにより成膜されたものであることを特徴とする電子写真感光体。この特徴によれば、下引き層を設けたことにより基体電極への接着性が向上する。
(9) 上記(1)から(5)のいずれかに記載の電子デバイス作成用水性分散液を被処理体上にスピンコート法により塗布して作製してなることを特徴とする電子デバイス。
(10) 上記(1)から(5)のいずれかに記載の電子デバイス作成用水性分散液を被処理体上に微小液滴として吐出してドット形成させる印写方法により印写して作製してなることを特徴とする電子デバイス。この特徴によれば、インクジェット法を利用できるので、オンデマンドプリントが可能になる。
(11) 上記(1)から(5)のいずれかに記載の電子デバイス作成用水性分散液により作製した有機半導体膜と、
前記有機半導体膜に重ねて形成された、有機溶媒に溶解する材料を含有する層と、を備えていることを特徴とする電子デバイス。この特徴によれば、電子デバイス作成用水性分散液により作製した有機半導体膜は、有機溶媒の影響を受けず、また、有機溶媒により成膜した層は、電子デバイス作成用水性分散液によって影響を受けることがないため、信頼性の高い電子デバイスが提供される。
本発明の電子デバイス作成用水性分散液は、有機溶媒を使用した場合のように環境面での問題がなく、インクジェット法でのオンデマンド塗工も可能になる。また、電気化学的手法などを使用しないため、簡易に製膜できる。従って、本発明の電子デバイス作成用水性分散液を用いることによって、有機トランジスタや感光体などの各種電子デバイスの作製において、有利に利用できる。
次に、適宜図面を参照しながら本発明の好ましい実施の形態について説明を行う。
[電子デバイス作成用水性分散液]
本発明の電子デバイス作成用水性分散液(以下、「本発明分散液」と記すことがある)は、少なくとも電荷輸送能力のある有機半導体粉体と、水を主成分とする溶媒と、を含有し、有機半導体粉体が前記溶媒中に分散してなるものである。本発明分散液は、任意成分として、例えば分散剤、フッ素系あるいはシリコン系界面活性剤、消泡剤などを含有することができる。
[有機半導体粉体]
有機半導体粉体としては、電荷輸送能力のある材料であればいずれも使用可能である。例えば、感光体を製造する場合であれば、従来、有機溶媒で分散・塗工していた電荷発生剤用顔料がいずれも使用可能である。
また、電子デバイスとして、例えば有機トランジスタ、太陽電池、有機ELを製造する場合において、従来、有機溶媒に溶解させて塗工していた粉体材料であっても、水に溶解しないのであれば、水性分散体として使用可能となる。また、溶解する溶媒がなく、従来、蒸着しかできなかった材料も水性分散させることによって使用可能となる。
電荷輸送能力のある材料としては、有機顔料を挙げることができる。有機顔料としては、例えば、フタロシアニン系顔料(無金属フタロシアニン、オキシチタニウムフタロシアニン、ガリウムヒドロキシフタロシアニンなど)、各種アゾ系顔料などが好ましい。また、従来有機トランジスタや有機ELに使用されていた、低分子有機半導体、高分子半導体も電荷輸送能力のある材料として水性分散させて使用可能である。
なお、有機半導体粉末は、フタロシアニン系顔料やアゾ系顔料などの有機溶媒難溶性のものだけでなく、有機溶媒可溶性の材料でも水に分散可能なものは使用可能である。
有機半導体粉末の平均粒径は、感度や塗膜均一性の観点から、200nm以下(例えば、200nm以下1nm以上)が好ましく、100nm以下(例えば、100nm以下1nm以上)がより好ましい。
[溶媒]
本発明分散液において、「水を主成分とする溶媒」とは、水のみ、または、水と水溶性有機溶媒等とを含有する溶媒であって、例えば水の含有率が溶媒中30%以上であるものを意味する。
[分散剤]
本発明分散液には、顔料を安定に水分散させるために分散剤を用いることが好ましい。分散剤としては、従来、インクジェットプリント用のインクにおいて使用されていた顔料分散剤が使用可能である。前記顔料分散剤としては、親水性高分子化合物として、天然系では、例えばアラビアガム 、トラガンガム、グーアガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植物性高分子;アルギン酸、カラギーナン、寒天等の海藻系高分子;ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子;キサンテンガム、デキストラン等の微生物系高分子、などが挙げられる。半合成系では、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素系高分子;デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子;アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻系高分子などが挙げられる。純合成系では、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子;非架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸又はそのアルカリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂;水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を側鎖に有する高分子化合物、セラック等の天然高分子化合物などが挙げられる。これらはいずれも分散に効果があるが、特に有機エレクトロニクス用としては電気特性に影響の少ない、ノニオン系の材料が好ましい。
ノニオン系分散剤(界面活性剤の一種でもある)としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンαナフチルエーテル、ポリオキシエチレンβナフチルエーテル、ポリオキシエチレンモノスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルナフチルエーテル、ポリオキシエチレンモノスチリルナフチルエーテル、ポリオキシエチレンジスチリルナフチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体等が挙げられる。また、上記の分散剤のポリオキシエチレンの一部をポリオキシプロピレンに置き換えた界面活性剤やポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等の芳香環を有する化合物をホルマリン等で縮合させた界面活性剤も使用できる。
その他ノニオン系材料としては、例えばポリオキシエチレン芳香族基エーテル、脂肪族ジエタノールアミド、アルキルウリコシド系などがある。また、両性の界面活性剤でもよい。但し、イオンが解離しやすいカチオン性界面活性剤やアニオン性界面活性剤は好ましくない。
[フッ素系あるいはシリコン系界面活性剤]
特に疎水性の基板に塗布する場合、水性分散液を塗工するためには、分散液の物性を25mN/m以下の低表面張力とする必要がある。そのために、必要に応じて、分散液を低表面張力にすることが可能な界面活性剤を添加する。低表面張力化のためにはフッ素系あるいはシリコン系のノニオン系界面活性剤が好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、Zonyl FSO−100、FSN−100、FS−300[いずれもデュポン(株)社製]等が挙げられる。また、Zonyl TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR(いずれも、DuPont社製)、FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、PF−151N(オムノバ社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する均染性が著しく向上する点から株式会社ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW及びオムノバ社製のPF−151Nが特に好ましい。シリコン系界面活性剤としては例えば、信越シリコーン製の水性のポリエーテル変性シリコーンオイルなどが、水性有機半導体分散液の低表面張力化を図る上で好ましい。
[消泡剤]
水性塗工液であるため泡が発生しやすい。特にピエゾ方式のインクジェット法で塗工する場合に、泡が発生すると非吐出の要因となるので、必要に応じて消泡剤を添加することが好ましい。消泡剤としては、例えばシリコーン系の消泡剤が好ましい。
本発明分散液は、上記必須成分および任意成分を混合し、有機半導体粉体を水性溶媒中に分散させることにより作製できる。分散の方法は問われず、例えば、ジルコニアボールなどを使用し、平均粒径が前記の範囲内となるようにボールミル分散などをしてもよい。なお、本発明分散液における有機半導体粉体と水性溶媒との配合比率は、分散性、レベリング性の観点から1対10から1対1000とすることが好ましい。
本発明分散液は、電子デバイスの製造にあたり、被処理体上に適用され、乾燥されることにより有機半導体膜を成膜するために使用される。
[塗工方法]
本発明分散液の塗工方法は、例えば、ブレードコーティング、浸漬塗工、スプレー塗工、インクジェット塗工などいずれの方法でもよいが、塗工液のムダをなくすため、あるいは例えば感光体の製造過程で感光層の横方向、縦方向の微妙な濃度差などをデジタル的に調整可能なことから、インクジェット法がもっとも好ましい。インクジェット方式はピエゾ方式、サーマル方式いずれでも可能である。ただし、塗工後、早く乾燥させるためには、湿潤剤を多くできないので、休止時にはノズル部を洗浄するなどの工夫が必要である。湿潤剤が不可欠な場合は、プロピレングリコールなど比較的蒸発しやすい物質を使用して、塗工後、加熱乾燥させる方法も考えられる。
[乾燥工程]
塗工後は、溶媒を除去して有機半導体膜を形成するために乾燥させる。乾燥方法は特に制限はないが、加熱乾燥が好ましい。有機半導体膜の形成に関しては、乾燥性、分解性、結晶性の観点から、乾燥処理温度を例えば50℃以上200℃以下とすることが好ましい。ただし、より高温処理で結晶性がかわり感度が高くなる場合もある。
本発明分散液は、各種電子デバイス、例えば有機トランジスタ、太陽電池、感光体、有機ELなどの製造において使用可能である。以下、有機電界効果トランジスタ(有機FET)と感光体の製造における適用例について説明する。
[有機トランジスタへの適用例]
まず、図1を参照しながら、有機薄膜トランジスタ(有機TFT)の構成とその動作について説明する。図1(A)〜(D)は、本発明の有機TFTの構成例である。なお、図1中、符号1は有機半導体層、符号2は基板、符号3はゲート電極、符号4はソース電極、符号5はドレイン電極、符号6は絶縁層である。この有機TFTデバイスは、基板2より上に空間的に分離されたゲート電極3、ソース電極4、ドレイン電極5が設けられており、ゲート電極3と有機半導体層1の間には絶縁層6(ゲート絶縁膜)が設けられている。有機TFTデバイスでは、ゲート電極3への電圧の印加により、ソース電極4とドレイン電極5の間の有機半導体層1内を流れる電流がコントロールされる。
図1(A)は代表的な有機TFTの断面図であるが、材料以外の構造に関する説明を、この図1(A)を参照しながら説明する。図1(A)中の一対の電極(ソース電極4およびドレイン電極5)の間に電圧をかけると、有機半導体層1を通じてソース電極4とドレイン電極5の間に電流が流れる。この際、絶縁層6により有機半導体層1と隔てられたゲート電極3に電圧を印加すると、電界効果によって有機半導体層1の電導度が変化し、したがってソース・ドレイン電極間に流れる電流を変調することができる。これは絶縁層6に近接する有機半導体層1内の蓄積層の幅がゲート電圧によって変化し、チャネル断面積が変化するためであると考えられている。
図1(A)は、絶縁層6の上にソースあるいはドレイン電極4,5があり、その上に有機半導体層1が形成されたボトムコンタクトタイプと呼ばれる。また、図1(B)は、有機半導体層1の上にソースあるいはドレイン電極4,5が形成されたトップコンタクトタイプと言われる。図1(C)および(D)は、絶縁層6およびゲート電極3を有機半導体層1の上に設けたものである。
本発明の有機TFTにおいて、有機半導体層1は、図1(A)〜(D)に示す様にいずれの構造においてもソース電極4およびドレイン電極5に挟まれるようになっている。有機半導体層1の厚みは、約1000nm〜約5nmが好ましい。
本発明の有機TFTは、通常、例えばガラス、シリコン、プラスチック等よりなる基板2に形成される。デバイスにフレキシビリティー、軽量、安価等の特性が所望される場合、通常はプラスチック基板が用いられる。また、図1(A)および(B)に示すトランジスタ構造の場合には、基板2として導電性基板を用いることにより、ゲート電極3を兼ねる事が可能である。
本発明のデバイスは、3つの空間的に分離された電極(ソース電極4、ドレイン電極5、ゲート電極3)を有する。ゲート電極3は、絶縁層6と接触している。各電極は周知の従来技術を用いて基板2上に形成することができる。
ソース電極4、ドレイン電極5、ゲート電極3の材質としては、導電性材料であれば特に限定されず、例えば白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン、鉛、タンタル、インジウム、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、およびこれらの合金や、インジウム・錫酸化物等の導電性金属酸化物、あるいはドーピング等で導電率を向上させた無機および有機半導体、例えばシリコン単結晶、ポリシリコン、アモルファスシリコン、ゲルマニウム、グラファイト、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチエニレンビニレン、ポリパラフェニレンビニレン等が挙げられる。ソース電極4およびドレイン電極5は、上記導電性物質の中でも有機半導体層1との接触面においてオーミックに接続されるものが好ましい。
また、絶縁層6はゲート電極3及び有機半導体層1の間に配置される。好適な絶縁材料は当業者には周知である。絶縁材料としては、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化チタン等の無機系材料や、またはフレキシビリティー、軽量、安価なデバイスが所望される場合には、例えばポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール、ポリエステル、ポリエチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリパラキシリレン、ポリアクリロニトリル、シアノエチルプルラン、ポリカーボネート等をはじめとする高分子化合物や、各種絶縁性LB膜等の種々の有機系材料を挙げることができる。これらの材料は、2つ以上を組み合わせて用いてもよい。本発明において、絶縁材料の種類は特に限定されないが、導電率が低いものが好ましい。なお、シリコンを、ゲート電極3と基板2の両方に用いる場合には、シリコンの熱酸化により得られる酸化シリコンも絶縁層3として使うことができる。
絶縁層6の作製法としては特に制限はなく、例えばCVD法、プラズマCVD法、プラズマ重合法、蒸着法、スピンコーティング法、ディッピング法、印刷法、インクジェット法(つまり、インクジェットプリント技術を応用して、分散液を微小液滴として吐出してドット形成させる印写方法)、LB法などが挙げられ、いずれも使用可能である。
上記構成を有する有機TFTにおいて、有機半導体層1の材料として、有機溶媒に溶解しやすい有機半導体を使用した場合、図1(C)および(D)の構造では、有機溶媒に溶解した材料で絶縁層6を塗布すると、有機半導体層1が溶解してしまうという不都合がある。しかし、本発明のように有機溶媒に難溶の顔料を分散させたインク(有機顔料分散液)で作成した有機半導体層の場合は、有機溶媒に接触しても有機半導体層1が溶解するようなことはないため、絶縁層6を有機溶媒に溶解した液で作成する場合でも、有機半導体層1に影響を与えずに湿式成膜が可能となる。
また、図1(A)および(B)のような構成でも、本発明のように、有機溶媒に溶解しにくい有機顔料分散液で作成した有機半導体層1は、有機溶媒による影響を受けないので、有機溶媒に溶解し易い材料と有機溶媒を使用し、保護層(図示せず)を湿式法で作成することが可能となる。また、図1(A)および(B)の場合、絶縁層6が有機溶媒に溶解し易い材料の場合、従来のように上層の有機半導体層1を有機溶媒で塗工すると絶縁層6が溶解してしまうが、水性の本発明分散液の場合、絶縁層6が溶解しないで済む。すなわち、絶縁層6が有機溶媒可溶性のものでも、本発明分散液(水性の有機半導体分散液)であれば、下層の絶縁層6に影響せずに、例えば、スピンコート法や、インクジェット法などの湿式法で塗布可能となる。有機半導体層1の上に、保護層あるいはディスプレイを設け、上部の素子との中間層を塗布する場合でも、有機半導体層1が有機溶媒不溶性のものであれば、有機溶媒による塗布が可能となる。
[感光体への適用例]
次に、光電変換素子の一例である感光体への適用例について説明する。感光体構成としては、通常の導電性基体として、アルミ電極、あるいはアルミ蒸着シートに、電荷発生層および電荷輸送層、場合により、オーバーコート層を設けた構成でよい。このうちの電荷発生層が本特許の水性顔料分散液で塗工される。
図2に感光体の層構成の一例を示した。この感光体は、Alドラム、Alシートなどの導電性基体11上に、必要な場合、下引き層12が設けられている。下引き層12は、導電性基体11の欠陥を覆ったり、電荷注入を制御する。下引き層12の上部には、電荷発生層13が設けられている。電荷発生層13の上には、電荷輸送層14を必要な電位が加えられるように厚膜で設ける。電荷輸送層14は、各種電荷輸送材とバインダ−樹脂からできている。電荷輸送層14の上に、必要に応じて耐磨耗性の保護層15が設けられている。これらの構成自体は従来知られたものと同じである。
本発明では、電荷発生層13の成膜に本発明分散液を適用することにより、顔料が小粒径となり均一な電荷発生層13が形成できる。なお、水性顔料分散液の場合、感光層の基体への接着性を高めるために、下引き層12を設けることが好ましい。検討の結果、下引き層12としては、例えばポリビニルアルコール、ポリアミドなどの水溶性の材料を用いることが、接着性向上のために有効である。
次に、実施例、比較例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれによって制約されるものではない。
実施例1
[感光体]
水性有機半導体分散液(本発明分散液)の作成:
蓋つきのガラス瓶に2mm径のジルコニアビーズを入れ、純水20重量部、オキシチタニウムフタロシアニン顔料粉末0.4重量部、ノニオン系界面活性剤[ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル CAS104376−75−2(商品名;ノイゲン EA−177、第一工業製薬株式会社)]0.1重量部の割合で混合して、4時間かけてミリングして分散液を作製した。分散粉体の平均粒径はおよそ150nmであった。これを5μmセルロースフィルターでろ過して電荷発生層塗工液とした。なお、平均粒径(D50%)は、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)で測定した。
アルミを蒸着したマイラフィルム上に、上記電荷発生層塗工液をコーティング塗布した。ギャップは、50μm、乾燥は、120℃で5分間行った。次に、下記組成の電荷輸送層塗工液をブレード塗布し(ギャップ125μm)、感光体を作製した。指触乾燥後、120℃で10分間乾燥した。電荷輸送層の膜厚は約12μmとした。
<電荷輸送層塗工液>
テトラヒドロフラン(THF)80重量部にポリカーボネートZ(商品名:パンライト TS2050、帝人化成(株)製)10重量部を混合溶解した液、その中の32重量部に、下記構造の低分子電荷輸送物質3重量部を溶解させて電荷輸送層塗工液を作製した。
Figure 2010067870
得られた感光体について、静電特性測定機:川口電気製作所製EPA8200で感度を測定した。すなわち、−5kVで20秒間帯電後(電位V)、20秒間暗減衰させ(電位V0)、5.3luxの白色光を照射して、電位減衰から感度(E1/2 1x・sec)を求めた。また、光照射後30秒後の表面電位である残留電位V30を求めた。その結果を表1に示した。なお、表1中のR欄の「×E11Ω・cm」は、「×1011Ω・cm」の意味である。
Figure 2010067870
表1から、本発明分散液を水性塗工して得られた感光体は、十分な感度を有するものであることが示された。この結果は感光体に関するものであるが、有機溶媒を使用せずにインクジェット法を使用してオンデマンドで電荷発生層を有したデバイスを作製可能であることが確認された。なお、インクジェットヘッドのタイプによっては、粘度調整が必要な場合、本発明分散液中に比較的蒸発しやすい湿潤剤を少量添加することが好ましい。
実施例2
[感光体−下引き層あり]
実施例1ではアルミ蒸着したマイラフィルムの基体に直接塗工したが、電荷輸送層を塗布したあとに、感光層と基体が剥がれやすいという欠点があった。そこで、電荷発生層を塗工する前に、基体上に、下引き層を設けた。下引き層は、ポリビニルアルコール(和光純薬社製の吸光分析用グレード)の5%水溶液をギャップ1mmで塗工後に120℃で5分間乾燥させた。
以降は、実施例1と同様にして、電荷発生層と電荷輸送層を作成した。その結果、感光層と基体との接着性が非常に向上し、簡単には剥がれなくなった。
実施例3
[有機トランジスタ]
基板の作成:
シリコン基板表面を熱酸化してSiOの絶縁膜を300nmの厚みで形成した基板を用意した。この基板を、硫酸:過酸化水素=4:1で気泡が出なくなるまで洗浄し、水洗した。その後、ヘキサメチルジシラザンで表面処理し、110℃で乾燥後、この基板上に、フォトレジスト法でクロムを1オングストローム(0.1nm)の厚み、金を500オングストローム(50nm)の厚みでソース、ドレイン電極を設けた。この上にフェニルトリクロロシラン(PhSiCl)のトルエン溶液で表面処理を行った。この上に実施例1で作製したフタロシアニン水性分散液をスピンコート法(1500回転;30秒)で塗工した。チャネル長は25μm、チャネル幅は7.6mmとした。これを300℃まで加熱し、5分間乾燥させた。このように作製した有機薄膜トランジスタの特性である電界効果移動度を測定した。なお、有機薄膜トランジスタの電界効果移動度の算出には、以下の式を用いた。
Figure 2010067870
[ただし、Cinはゲート絶縁膜の単位面積あたりのキャパシタンス、Wはチャネル幅、Lはチャネル長、Vはゲート電圧、Idsはソース・ドレイン電流、μは移動度、Vthはチャネルが形成し始めるゲートの閾値電圧である。]
測定の結果、移動度は2×10−6cm/Vsであった。なお、乾燥を120℃で15分間としたものは、移動度が10−3〜10−2cm/Vsとなった。
比較例1
有機溶媒分散の場合:
オキシチタニウムフタロシアニン1.8重量部、ブチラール樹脂1.2重量部、メチルエチルケトン97重量部のミリング溶液を作製した。この有機溶媒分散液を用いて実施例3と同様にして有機FETを製造した。この有機溶媒分散液は、実施例1で調製した水性の塗工液と比べると粒径が1μm近くと大きく、水性の場合に比べて有機FETのキャリア移動度は5×10−7cm/Vsと低かった。
実施例4
アゾ顔料:
サンプル瓶に2mm径のジルコニアビーズ30g、純水6g、下記構造のアゾ化合物を0.065g、ノニオン界面活性剤ノイゲン EA−177(商品名;第一工業製薬株式会社社製)を0.023g入れ、ミリングを40時間行った。ミリング後の混合物を、5μmフィルタでろ過後に、さらに0.48μmフィルタでろ過を行った。
Figure 2010067870
ろ過後の上記混合物を実施例3と同様に塗工して有機FETを作成した。なお、塗工後の乾燥は70℃で5分間、120℃で10分間行った。粒径は約150nmであった。
移動度は2.9×10−5cm/Vsであった。
比較例2
サンプル瓶に、2mm径のジルコニアビーズ30g、シクロペンタノン3g、実施例4と同様のアゾ化合物0.043g、メチルエチルケトン0.84gをそれぞれ入れ、1時間ミリングした後に、4%ブチラール樹脂(商品名:BM-S)のメトルエチルケトン溶液0.215gを添加した(P/R比率=5/1)。この混合物を、5μmフィルタでろ過後に、0.48μmフィルタでろ過をして分散液を得た。この分散液を実施例3と同様に塗工して、有機FETを作製した。なお、乾燥は、70℃で5分間、さらに120℃で10分間かけて行った。この有機FETのキャリア移動度は、1.2×10−6cm/Vsと水性分散液よりも低かった。
実施例5
保護層形成の影響:
実施例3の有機トランジスタの上にポリカーボネートの2%テトラヒドロフラン溶液をスピンコートし、保護層を設けたが、有機半導体層は有機溶媒に難溶であるために影響はなかった。
比較例3
有機溶媒に溶解し易い有機半導体例えば以下の構造のものを有機溶媒(テトラヒドロフラン)に溶解したものを使用して有機半導体層を成膜した後、実施例5と同様に保護層を設けた。しかし、有機半導体層は、保護層塗布時に溶解してしまった。
Figure 2010067870
[式中、nは1〜10000の数を意味する]
また、本比較例では分子量が約10万となるようなnの個数のものを用いた。
実施例6
絶縁層への影響:
実施例3で絶縁層をポリカーボネートの薄層とした場合、その上に実施例3の水性有機半導体分散液は塗工可能であった。
比較例4
実施例6において、実施例3の水性分散液に替えて、比較例3で使用した有機半導体を有機溶媒(テトラヒドロフラン)を使用して塗工したところ、ポリカーボネート層が溶けてしまった。
以上、本発明の実施の形態を挙げて説明したが、本発明は上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、有機トランジスタおよび感光体を例に挙げて説明したが、本発明の電子デバイス作成用水性分散液は、例えば太陽電池、有機ELなどの製造においても同様に適用可能である。
有機薄膜トランジスタの構成例を示す図面である。 感光体の構成例を示す図面である。
符号の説明
1…有機半導体層
2…基板
3…ゲート電極
4…ソース電極
5…ドレイン電極
6…絶縁層
11…導電性基体
12…下引き層
13…電荷発生層
14…電荷輸送層
15…保護層

Claims (11)

  1. 電子デバイスの製造にあたり、被処理体上に適用し、乾燥させることにより有機半導体膜を成膜するための電子デバイス作成用水性分散液であって、
    少なくとも電荷輸送能力のある有機半導体粉体と、
    水を主成分とする溶媒と、
    を含有するとともに、前記有機半導体粉体が前記溶媒中に分散してなることを特徴とする電子デバイス作成用水性分散液。
  2. 前記有機半導体粉体が、フタロシアニン系顔料であることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス作成用水性分散液。
  3. 前記有機半導体粉体が、アゾ系顔料であることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス作成用水性分散液。
  4. ノニオン系分散剤をさらに含有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電子デバイス作成用水性分散液。
  5. 前記有機半導体粉体の平均粒径が、200nm以下1nm以上であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電子デバイス作成用水性分散液。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電子デバイス作成用水性分散液により作製した有機半導体膜を備えたことを特徴とする有機トランジスタ。
  7. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電子デバイス作成用水性分散液により作製した有機半導体膜を備えたことを特徴とする光電変換素子。
  8. 電荷発生層と電極との間に下引き層を備えた電子写真感光体であって、
    前記電荷発生層が、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の前記電子デバイス作成用水性分散液を前記下引き層に塗工した後に乾燥することにより成膜されたものであることを特徴とする電子写真感光体。
  9. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電子デバイス作成用水性分散液を被処理体上にスピンコート法により塗布して作製してなることを特徴とする電子デバイス。
  10. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電子デバイス作成用水性分散液を被処理体上に微小液滴として吐出してドット形成させる印写方法により印写して作製してなることを特徴とする電子デバイス。
  11. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電子デバイス作成用水性分散液により作製した有機半導体膜と、
    前記有機半導体膜に重ねて形成された、有機溶媒に溶解する材料を含有する層と、を備えていることを特徴とする電子デバイス。
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