以下、本発明の一実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施の形態に係るカード用コネクタ(以下、単に「コネクタ」という)1においては、例えば、SD(secure digital)カード、SDHCカード、MMC(Multi Media Card)カード、メモリースティック デュオ(登録商標)カード、メモリースティック PRO−HG デュオカード、並びに、xD−Picture(登録商標)カードの6種類のカードが装着可能に構成されている。
ここで、SDカードとSDHCカードとは同一の形状を有している。MMCカードは、その厚さが僅かに薄い点を除き、SDカード及びSDHCカードと略同様の形状を有するため、コネクタ1においては、同一の態様で装着される。また、メモリースティック デュオカードと、メモリースティック PRO−HG デュオカードとは、コンタクトと接触する接触パッドの構成を除き、同一の形状を有するため、コネクタにおいては、同一の態様で装着される。以下においては、適宜、SDカード、SDHCカード及びMMCカードを「カードA」と呼び、メモリースティック デュオカード及びメモリースティックPRO−HG デュオカードを「カードB」と呼び、xD−Pictureカードを「カードC」と呼ぶものとする。
図1は、本発明の一実施の形態に係るコネクタ1の外観を示す斜視図である。なお、以下においては、適宜、図1に示す紙面下方側を「コネクタ1の前方側」又は単に「前方側」と呼び、同図に示す紙面上方側を「コネクタ1の後方側」又は単に「後方側」と呼ぶものとする。また、図1に示す紙面右方側を「コネクタ1の右方側」又は単に「右方側」と呼び、同図に示す紙面左方側を「コネクタ1の左方側」又は単に「左方側」と呼ぶものとする。
図1に示すように、本実施の形態に係るコネクタ1は、合成樹脂材料などの絶縁材料を成形して形成されるハウジング2と、金属薄板材料に打ち抜き加工及び折り曲げ加工などを施して形成されるカバー部材3とを備えている。ハウジング2は、概して偏平な直方体形状を有しており、その上方側及び前方側に開口した空間を有している。カバー部材3は、ハウジング2の上方側の開口部に対応する形状を有しており、ハウジング2の上方側から被せられる。これらを組み合わせることにより、コネクタ1は、前方側にのみ開口した形状となり、この開口部でカード挿入口4が構成される。なお、カバー部材3は、合成樹脂材料などの絶縁材料を成型して形成しても良い。
カバー部材3の前方側の中央部には、カード挿入口4を介して装着されたカードを引き抜き易くするための切り欠き部301が形成されている。また、カバー部材3の上面には、複数の付勢片302が形成されている。これらの付勢片302は、僅かに下方側に折り曲げられ、コネクタ1に挿入されたカードA、並びに、後述する係止部材703を上方側から付勢する。さらに、カバー部材3の側面には、後述するハウジング2の係合片203と係合する複数の開口部303が形成されている。さらに、カバー部材3の上面の前方側には、後述するハウジング2の凹部204(図1に不図示)に係合する一対の係合片304が形成されている。これらの係合片304がハウジング2の凹部204に係合する一方、複数の開口部303にハウジング2の係合片203が係合することで、ハウジング2に対してカバー部材3が固定されることとなる。
以下、本実施の形態に係るコネクタ1の内部の構成について説明する。図2は、本実施の形態に係るコネクタ1の内部の構成を説明するための斜視図である。図3は、本実施の形態に係るコネクタ1の内部の構成を説明するための上面図である。図4は、図2及び図3に示すコネクタ1を前方側から示す図である。なお、図2、図3及び図4においては、図1に示す状態のコネクタ1からカバー部材3を取り除いた場合について示している。
図2に示すように、ハウジング2の内部には一定の空間が形成されており、この空間の一部で複数種類のカードが選択的に装着可能な空間(以下、適宜「カード装着部」という)が構成される。このカード装着部には、複数種類のカードに対応するコンタクト、カード装着部に所定のカードを装着する際に当該カードを案内するガイド部材5、カード装着部を上下に仕切る仕切板6、複数種類のカードの排出を行う排出機構7、並びに、カードAの装着の有無等を検出する検出機構8が配設されている。
ハウジング2内の空間において、ガイド部材5は、カード挿入口4の僅かに内部側(後方側)の位置に配設されている。仕切板6は、このガイド部材5よりも更に内部側(後方側)の位置に配設されている。そして、この仕切板6の右方側の位置に排出機構7が配設されており、仕切板6の左方側の位置に検出機構8が配設されている。なお、複数種類のカードに対応するコンタクトは、カード挿入口4からのカードの挿入経路上に適宜配設されている。
ハウジング2は、コネクタ1の底面部を構成するベース部201と、コネクタ1の側端部において、このベース部201から上方側に垂直に立設された側壁部202とを有している。ベース部201には、詳細について後述するように、複数種類のカードに対応するコンタクトが設けられると共に、これらのコンタクトを保護するための構成が形成されている。
側壁部202の外側面には、カバー部材3の開口部303と係合する複数の係合片203が設けられている。また、側壁部202の前端部近傍の上面には、カバー部材3の係合片304を収容すると共に、ガイド部材5の一部を収容する凹部204が形成されている。側壁部202の前面部の内側面は、カード挿入口4の一部を規定するものであり、主にカードAの挿入をガイドする第1ガイド部205と、カードCの挿入をガイドする第2ガイド部206とが形成されている。
図4に示すように、第1ガイド部205は、側壁部202の上端側に形成されており、挿入時におけるカードAの側面及び下面をガイドするように構成されている。一方、第2ガイド部206は、第1ガイド部205よりも下方側に形成され、挿入時におけるカードCの上面、側面及び下面をガイドするように構成されている。
左方側の側壁部202は、前方側における一部が左方側に突出した形状を有しており、この突出した部分の内部空間に仕切板6の一部が収容されている。また、左方側の側壁部202には、カードAの挿入及び書込み防止機能の状態を検出する検出機構8の構成部材を収容する2つの収容部207が形成されている。収容部207は、コネクタ1におけるカードの挿入方向に沿って並んで配設されている。
右方側の側壁部202における後面部の内側面には、排出機構7の一部を構成する圧縮ばね702の一端を保持する保持片208が形成されている。保持片208は、コネクタ1の前方側に向かって一定長さだけ延出している(図7参照)。また、この後面部には、排出機構7の一部を構成する係止部材703の一端を係止する係止穴209が形成されている。この係止穴209は、係止部材703の一端が上方側から差し込まれるように構成されている。
ベース部201の後方側端部には、ハウジング2の後壁部を構成するコンタクトユニット210が配設されている。コンタクトユニット210は、例えば、ベース部201に接着固定される。コンタクトユニット210の前面には、コネクタ1の左右方向に整列して複数のカードA用のコンタクト(以下、適宜「カードA用コンタクト」という)211が設けられている。
カードA用コンタクト211は、基端部がコンタクトユニット210に固定される一方、先端部がコネクタ1の前方側であって僅かに上方側に延在し、一定範囲で上下方向に揺動可能となっている。カードA用コンタクト211は、SDカード、SDHCカード及びMMCカード用のコンタクト211aと、このコンタクト211aよりも前方側に延出するSDHCカード用のコンタクト211bとを有している。カードA用コンタクト211の先端部は、下方側に折り曲げられており、その折曲部近傍でカードAの接触パッドと接触するように構成されている。詳細について後述するように、カードA用コンタクト211の先端部(最も右方側のものを除く)は、仕切板6に形成された開口部605、607に収容される位置に配置されている。なお、これらのカードA用コンタクト211の一端は、コンタクトユニット210の後方側からコネクタ1の外部に導出され、カードAに対する信号を入出力可能に構成されている。
コンタクトユニット210の前面の上方側には、コネクタ1の前方側に突出する複数の突出片212が設けられている。突出片212は、カードA用コンタクト211の上方側であって、コンタクト211bの基端部に対応する部分に設けられている。これらの突出片212は、仕切板6の後方側端部における一定位置以上の上方側への移動を規制する役割を果たすものである。
ガイド部材5は、ハウジング2の前方側であって、右方側の側壁部202の近傍に配設されている。ガイド部材5は、図4に示すように、その一部がカード挿入口4に臨む位置に配設されている。なお、ガイド部材5は、その右方側部分で後述するハウジング2の突出片218に取り付けられ、カードCの挿入に伴って上下方向に移動可能に構成されている。
仕切板6は、コネクタ1に挿入されるカードの種類に応じて、カード装着部内で僅かに上下方向に揺動可能に構成されている。仕切板6は、概して平板形状を有しており、その中央部分でコネクタ1の左右方向に分割されている。仕切板6は、ガイド部材5の後方側近傍からコンタクトユニット210の突出片212の下方側領域に延在する長さを有している。また、仕切板6は、前方側の端部近傍において、コネクタ1の側方側に広がる形状を有しており、前方側端部にハウジング2の左右の側壁部202近傍まで延在するアーム部601を有している。アーム部601には、後述するハウジング2の突出片218が挿通される孔602と、カード装着部に挿入されたカードAの先端が当接する傾斜部603が設けられている。なお、これらの傾斜部603は、図4に示すように、第1ガイド部205の内部側(後方側)の位置に配設されている。
この場合において、仕切板6は、カード装着部を上下に分割して上部カード装着部及び下部カード装着部を形成する役割を果たす。本実施の形態に係るコネクタ1において、上部カード装着部には、第1カードとしてのカードAが装着され、下部カード装着部には、第2カードとしてのカードB又は第3カードとしてのカードCが装着されるものとなっている。なお、上述したガイド部材5は、下部カード装着部の一方の側方側(右方側)であって、仕切板6の下方側に配設されている。下部カード装着部に装着されるカードBの幅寸法は、カードCの幅寸法よりも小さく設定されており、ガイド部材5は、この幅寸法の小さいカードBを適切に案内できるように配設されている。
排出機構7は、スライド部材701と、圧縮ばね702と、係止部材703とから構成されている。スライド部材701は、概してコネクタ1の前後方向に延在する直方体形状を有しており、ハウジング2の右方側の側壁部202に沿って前後方向にスライド可能に構成されている。詳細について後述するように、スライド部材701は、使用者によるカードに対する押圧操作に応じて、カードをコネクタ1における所定の装着位置から排出位置に移動させる役割を果たすものである。
圧縮ばね702は、上述のように、後方側の端部がハウジング2の保持片208に保持され、前方側の端部がスライド部材701の下面側の不図示の保持片に保持されており、スライド部材701を前方側に付勢する付勢力を付与している。係止部材703は、その前端部及び後端部で下方側に折り曲げられた形状を有している。上述のように、後方側の一端がハウジング2の係止穴209に差し込まれ、前方側の一端がスライド部材7の上面に形成された後述のガイド溝710と係合している。係止部材703は、圧縮ばね702による付勢力に抗してスライド部材701の前方側への移動を規制する役割を果たすものである。なお、この係止部材703には、上方からカバー部材3の付勢片302が載置され、ガイド溝710に係合するよう下方側に僅かに付勢された状態となっている。
検出機構8は、図3に示すように、板状部801と、当接部802と、不図示の接点部とから構成される。板状部801は、ハウジング2の収容部207に収容される。当接部802は、板状部801の内側面に設けられており、その一部がカードAの挿入経路上に延出した状態となっている。接点部は、板状部801の下方側のベース部201に配設された固定接点部と、板状部801の下面部に揺動可能に固定された可動接点部とから構成される。この可動接点部は、トーションスプリングで構成され、カードAの装着状態及び後述する書込み防止スイッチSWの状態に応じて、当接部802が変位して板状部801の角度を変化させることで、可動接点部と固定接点部との間の導通状態、非導通状態を切り替えるものとなっている。
図5は、本実施の形態に係るコネクタ1の内部の構成を説明するための斜視図である。図6は、本実施の形態に係るコネクタ1の内部の構成を説明するための上面図である。なお、図5及び図6においては、図2及び図3に示す状態のコネクタ1から仕切板6を取り除いた場合について示している。
図5に示すように、ハウジング2のベース部201の中央近傍には、コネクタ1の左右方向に整列して複数のカードB用のコンタクト(以下、適宜「カードB用コンタクト」という)213、214が設けられている。カードB用コンタクト213は、カードA用コンタクト211の下方側に設けられている。カードB用コンタクト213の基端部がベース部201に固定される一方、先端部がコネクタ1の前方側であって僅かに上方側に延在し、一定範囲で上下方向に揺動可能となっている。また、カードB用コンタクト213の先端部は、カードA用コンタクト211と同様に、下方側に折り曲げられており、その折曲部近傍でカードBの接触パッドと接触するように構成されている。カードA用コンタクト211と、カードB用コンタクト213とは、カード装着部において上下2段に設けられ、図6に示すように、平面視で一部が重なり合うように配置されている。これにより、コネクタ1内の限られたカード装着部を有効に活用できるものとなっている。
カードB用コンタクト214は、カードB用コンタクト213の前方側の位置に設けられている。カードB用コンタクト214の基端部がベース部201に固定される一方、先端部がコネクタ1の後方側であって僅かに上方側に延在し、一定範囲で上下方向に揺動可能となっている。また、カードB用コンタクト214の先端部は、カードA用コンタクト211と同様に、下方側に折り曲げられており、その折曲部近傍でカードBの接触パッドと接触するように構成されている。なお、これらのカードB用コンタクト213、214の一端は、ベース部201の後方側からコネクタ1の外部に導出され、カードBに対する信号を入出力可能に構成されている。
例えば、カードB用コンタクト213は、メモリースティック デュオカード及びメモリースティック PRO−HG デュオカードに対応するコンタクトであり、カードB用コンタクト214は、メモリースティック PRO−HG デュオカードに対応するコンタクトである。メモリースティック PRO−HG デュオカードは、メモリースティック デュオカードと異なり、コンタクトとの接触パッドが一部分割されているため、本実施の形態に係るコネクタ1においては、別途、カードB用コンタクト214を設けている。
また、ベース部201には、コネクタ1の左右方向に整列して複数のカードC用のコンタクト(以下、適宜「カードC用コンタクト」という)215が設けられている。カードC用コンタクト215は、カードB用コンタクト214の前方側であって、ガイド部材5の僅かに後方側の位置に設けられている。カードC用コンタクト215の基端部がベース部201に固定される一方、先端部がコネクタ1の後方側であって僅かに上方側に延在し、一定範囲で上下方向に揺動可能となっている。また、カードC用コンタクト215の先端部は、カードA用コンタクト211と同様に、下方側に折り曲げられており、その折曲部近傍でカードCの接触パッドと接触するように構成されている。なお、これらのカードC用コンタクト215の一端は、ベース部201の前方側からコネクタ1の外部に導出され、カードCに対する信号を入出力可能に構成されている。
カードC用コンタクト215の近傍には、カードC用コンタクト215を保護するための保護板216が配設されている。保護板216は、概して、コネクタ1の左右方向に延在する長方形状の板状部材で構成され、その前方側の端部でベース部201に保持されている。また、下方に配置される支持片により押し上げられ、カードCの挿入に伴って後方側の先端部が僅かに上下方向に揺動可能となっている。保護板216には、複数のカードC用コンタクト215を収容する溝部217が形成されている。カードCの非挿入時において、この溝部217にカードC用コンタクト215を収容することで、カードC用コンタクト215を保護するものとなっている。
さらに、ベース部201における保護板216の側方であって、左右の側壁部202の近傍には、一対の突出片218が立設されている。これらの突出片218は、仕切板6のアーム部601に設けられた孔602に挿通され、仕切板6の位置決めを行うと共に、その揺動動作をガイドする役割を果たす。なお、右方側に配置された突出片218は、ガイド部材5に形成された後述の孔501に挿通され、ガイド部材5の位置決めを行うと共に、その上下動作をガイドする役割を果たす。
これらの突出片218には、それぞれコイルばね219が取り付けられている。左方側に配置される突出片218に対応するコイルばね219は、ベース部201と仕切板6との間に配置され、仕切板6を上方側に付勢するように構成されている。一方、右方側に配置される突出片218に対応するコイルばね219は、ガイド部材5と仕切板6との間に配置され、仕切板6を上方側に付勢する一方、ガイド部材5を下方側に付勢するように構成されている。すなわち、ガイド部材5と仕切板6は、このコイルばね219により相互に上下動可能に構成されている。
図7は、本実施の形態に係るコネクタ1の内部の構成を説明するための斜視図である。図8は、本実施の形態に係るコネクタ1の内部の構成を説明するための上面図である。なお、図7及び図8においては、図5及び図6に示す状態のコネクタ1からコンタクトユニット210、保護板216、コイルばね219、ガイド部材5及び排出機構7を取り除いた場合について示している。
図7及び図8に示すように、ハウジング2のベース部201には、カードB用コンタクト213と、カードB用コンタクト214との間に、コネクタ1の左右方向に整列して、カードB用コンタクト213を保護するための複数の突出片220が設けられている。複数の突出片220は、カードBの挿入時にカードB用コンタクト213がカードBにより座屈しないように保護するものである。
また、最も左方側に配置された突出片220の左方側には、カードBにおける逆方向での挿入を防止するための突出片221が設けられている。突出片221は、カードBが逆方向に挿入された場合にその先端部に当接することで、カードBの逆方向での挿入を防止するものとなっている。なお、カードBが適切な方向で挿入された場合、突出片221は、カードBの下面に形成される凹部に収容されるので、その挿入動作を規制することはない。
また、ベース部201には、保護板216を支持するための支持片222が設けられている。支持片222は、最も左方側に配置されたカードC用コンタクト215の左方側に設けられている。また、カードC用コンタクト215と同様に、支持片222の基端部がベース部201に固定される一方、先端部がコネクタ1の後方側であって僅かに上方側に延在している。なお、支持片222は、カードC用コンタクト215よりも大きな金属片で構成され、カードC用コンタクト215よりも僅かに上方側の位置に配置されている。
コンタクトユニット210の下方側には、カードBの装着、非装着状態を検出する検出機構9が配設されている。検出機構9は、スライド部材701の先端部と当接し、コネクタ1の左方側にスライド移動するレバー部材901と、このレバー部材901を右方側に付勢するコイルばね902と、レバー部材901に固定された可動接点部と、レバー部材901の下方側のベース部201に設けられた固定接点部とから構成される。可動接点部は、カードBの装着、非装着状態に伴うレバー部材901の位置に応じて固定接点部との間の導通状態、非導通状態を切り替えるものとなっている。また、検出機構9は、スライド部材701と連動して駆動するものであるため、カードA及びカードCの装着、非装着状態の検出にも使用可能となっている。なお、この検出機構9の構成及び動作については後述する。
さらに、特定のカードB用コンタクト214の間には、挿入される場合、並びに、装着された場合にカードBの下面をガイドする複数のガイド片223が設けられている。これらのガイド片223は、カードB用コンタクト214がカードBの挿入に伴って下方側に押圧された場合に、カードBの下面に当接するように構成されている。
図9は、本実施の形態に係るコネクタ1の内部の構成を説明するための斜視図である。図10は、本実施の形態に係るコネクタ1の内部の構成を説明するための上面図である。なお、図9及び図10においては、図7及び図8に示す状態のコネクタ1から検出機構8の板状部801及び当接部802、並びに、検出機構9のレバー部材901及びコイルばね902を取り除いた場合について示している。
図9及び図10に示すように、検出機構9を構成するレバー部材901の下方側のベース部201には、後述するレバー部材901の凹部903bと係合する係合片224が設けられている。係合片224は、ベース部201から僅かに上方側に突出して設けられており、その上面に左方側に向かって僅かに傾斜する傾斜面を有している。この係合片224は、ハウジング2にレバー部材901を取り付ける際、レバー部材901の凹部903bと係合してレバー部材901を仮止めする役割を果たすものである。この場合、レバー部材901を取り付ける際、コイルばね902の付勢力に抗してレバー部材901を手で押さえておき、これに当接するスライド部材701を取り付けるといった作業を行う必要がなくなるので、レバー部材901を取り付ける際の作業効率を向上することが可能となっている。
また、検出機構9を構成するレバー部材901の下方側のベース部201には、検出機構9を構成する固定接点部225a、225bが設けられている(図10参照)。固定接点部225a、225bは、左右方向に一定間隔を有して配置され、レバー部材901のスライド移動に応じて後述する可動接点部の端部が離接可能な位置に設けられている。さらに、この固定接点部225a、225bの近傍のベース部201には、レバー部材901を取り付ける際の位置決めに用いられる係合片226、227が設けられている。これらの係合片226、227は、後述するレバー部材901の凹部907、908に収容されるものとなっている。
さらに、カードB用コンタクト213が設けられた開口部の側方側のベース部201には、カードの挿入方向に沿って矩形状を有する一対の凹部228が設けられている。これらの凹部228は、前方側に配置された傾斜面228aと、後方側に配置された平面部228bとで構成され、カード装着部に装着されたカードBの先端部を収容するように構成されている。本実施の形態に係るコネクタ1においては、カード装着部に装着されたカードBの先端部をこの凹部228で収容することにより、コネクタ1の薄型化を図っている。
ここで、本実施の形態に係るコネクタ1が有する主要な構成部品の構成について説明する。図11〜図13は、本実施の形態に係るコネクタ1が有する仕切板6の構成を説明するための図である。また、図14及び図15は、本実施の形態に係るコネクタ1が有するガイド部材5の構成を説明するための図である。さらに、図16は、本実施の形態に係るコネクタ1が有する保護板216の構成を説明するための図である。図17は、本実施の形態に係るコネクタ1が有する排出機構7の構成を説明するための図である。図18及び図19は、本実施の形態に係るコネクタ1が有するレバー部材901の構成を説明するための図である。
まず、本実施の形態に係るコネクタ1が有する仕切板6の構成について説明する。図11は、本実施の形態に係るコネクタ1が有する仕切板6を上方側から見た場合の斜視図である。図12は、本実施の形態に係るコネクタ1が有する仕切板6の上面図である。図13は、本実施の形態に係るコネクタ1が有する仕切板6を下方側から見た場合の斜視図である。
仕切板6は、例えば、絶縁性の樹脂材料を成形して形成される。図11〜図13に示すように、仕切板6は、その中央にコネクタ1の前後方向に延出して形成されたスリットにより分割されており、左方側部分の配置された仕切板6aの先端部は、右方側に配置された仕切板6bよりもカード挿入口4側(コネクタ1の前方側)に延出している。また、仕切板6のアーム部601の下面には、図13に示すように、コイルばね219を収容する凹部601aが設けられている。また、右方側に配置されるアーム部601は、概して矩形状を有しており、後述するガイド部材5の凹部506に収容されるように構成されている。
また、仕切板6の上面部には、図11及び図12に示すように、カードA用コンタクト211bに対応する位置に複数の凹部604が形成されている。凹部604は、カードA用コンタクト211bの形状に応じてカード挿入方向に沿って設けられている。凹部604の前方側の位置には、複数の開口部605が形成されている。これらの開口部605は、カードA用コンタクト211bの先端部に対応する位置に配置されており、カードB、Cの装着に伴って接近する当該先端部を収容可能に構成されている。これらの開口部605の前方側の位置には僅かに上方側に突出した突出部606が設けられている。突出部606は、カードAが誤った方向で挿入された場合(逆方向に挿入された場合)、或いは、異なるカードが挿入された場合にカードの挿入方向の先端部と当接することで、カードA用コンタクト211bを保護するものである。
さらに、凹部604の中央部近傍の側方には、仕切板6の左右方向に並んで複数の開口部607が設けられている。これらの開口部607は、カードA用コンタクト211aの先端部に対応する位置に形成されており、開口部605と同様に、カードB、Cの装着に伴って接近するカードA用コンタクト211aの先端部を収容可能に構成されている。これらの開口部607の側方には、複数の突出片608が設けられている。これらの突出片608は、突出部606と同様に、カードAの誤挿入された場合などにカードA用コンタクト211aを保護すると共に、カードA用コンタクト211aとカードA用コンタクト211bとの接触を防止するものである。
さらに、左方側に配置されるアーム部601における下面部であって、凹部601aの内側(右方側)には、図13に示すように、下方側に突出する突出片609が設けられている。突出片609は、コネクタ1の前後方向に沿って一定長さを有しており、カードCが挿入された場合にカードCと当接して仕切板6を上方側に移動させる役割を果たす。なお、この突出片609の前方側の端部には、カードCを仕切板6の下方側に進入し易くするためにテーパ面609aが形成されている。
次に、本実施の形態に係るコネクタ1が有するガイド部材5の構成について説明する。図14は、本実施の形態に係るコネクタ1が有するガイド部材5の斜視図である。図15は、本実施の形態に係るコネクタ1が有するガイド部材5の側面図(同図(a))、上面図(同図(b))、正面図(同図(c))及び下面図(同図(d))である。
ガイド部材5は、例えば、絶縁性の樹脂材料を成形して形成される。ガイド部材5は、図14及び図15に示すように、ハウジング2に設けられた突出片218が挿通される孔501が右方側端部に形成された底面部502と、この底面部502の前方側に設けられた前壁部503と、底面部502の左方側に設けられた側壁部504と、底面部502の右後方側端部に設けられた突出片505とから構成されている。ガイド部材5においては、底面部502の上方側であって、前壁部503、側壁部504及び突出片505の間の空間に仕切板6のアーム部601を収容する凹部506が設けられている。すなわち、仕切板6のアーム部601とガイド部材5の凹部506とは、互いに噛み合う凹凸形状を有している。
底面部502における孔501の周囲には、概して円形状を有する凹部502aが形成されている。この凹部502aには、突出片218に取り付けられたコイルばね219の下端部が収容される。すなわち、突出片218に取り付けられたコイルばね219は、凹部506に収容されたアーム部601の下面に設けられた凹部601aの下面でその上端部が支持される一方、その下端部がガイド部材5の凹部502aの上面で支持されるものとなっている。このようにガイド部材5と仕切板6との間にコイルばね219が配設されているので、このコイルばね219の付勢力によりガイド部材5と仕切板6とが相互に上下動可能に構成されている。このように本実施の形態においては、限られた空間内でガイド部材5と仕切板6とを相互に上下動させることができるので、カード装着部の寸法を縮小でき、コネクタ1自体の薄型化を図っている。
前壁部503には、コネクタ1の前方側に突出する突出部503aが設けられている。この突出部503aは、ハウジング2の前方側端部近傍に設けられた凹部204に上下動可能に収容され、ガイド部材5の位置決めを行うものとなっている(図3参照)。また、この突出部503aの左方側には、傾斜部503bが設けられている。この傾斜部503bは、カード装着部に挿入されたカードCをガイド部材5の下方側に案内する第3ガイド面として機能するものであり、その下方側の一部が側壁部504の下面と連続して設けられている。このように傾斜部503bの一部を側壁部504の下面に連続して設けているので、カード装着部に挿入されたカードCを適切にガイド部材5の下方側に案内することが可能となっている。
側壁部504は、カード装着部に向けて設けられた複数の平面部504a〜504cを側面部として有している。これらの平面部504a〜504cは、カード装着部に挿入されたカードBの側方を案内する第1ガイド面として機能するものであり、カードBを平面部504cの左方側に形成されるその挿入経路に案内する。平面部504aの下部には、上述した傾斜部503bの一部が配置されている。平面部504b、504cの下方側部分には、左方側に突出する突出片507が設けられている。
突出片507は、概して板状を有しており、その上面でカード装着部に挿入されたカードBを案内する一方、その下面でカード装着部に挿入されたカードCを案内する。突出片507の上面には、カードの挿入方向に沿って上向きに傾斜する傾斜面507aと、カードの挿入方向に沿って下向きに傾斜する傾斜面507bとが設けられている。傾斜面507aは、平面部504bに対応して設けられ、カード装着部に挿入されたカードBの先端と当接し、ガイド部材5を下方側に移動させる役割を果たす。一方、傾斜面507bは、平面部504cに対応して設けられ、所定位置まで挿入されたカードBを僅かに傾斜した状態で案内及び支持する役割を果たす。また、突出片507の下面には、水平に設けられた平面部507cと、カードの挿入方向に沿って上向きに傾斜する傾斜面507dとが設けられている。傾斜面507dは、平面部507cの後端部に連続して設けられている。なお、この平面部507cは、カードCの上方を案内する第2ガイド面として機能するものである。
このようにガイド部材5においては、平面部504a〜504cでカードBの側方を案内する一方、傾斜部503bでガイド部材5の下方側に案内したカードCの上方を平面部507cで案内するようにしていることから、仕切板6の下方に形成される下部カード装着部において、単一のガイド部材5で適切にカードB及びカードCを案内することが可能となっている。
次に、本実施の形態に係るコネクタ1が有する保護板216の構成について説明する。図16(a)は、本実施の形態に係るコネクタ1が有する保護板216の斜視図であり、同図(b)は、本実施の形態に係るコネクタ1が有する保護板216の上面図である。
図16に示すように、保護板216の前方側端部には、コネクタ1の側方側に延出する軸部216aが形成されている。保護板216は、軸部216aをハウジング2のベース部201に形成された不図示の孔に挿通することで、その後方側端部を僅かに揺動可能にハウジング2に支持される。保護板216は、カードが挿入されていない状態において、ハウジング2に設けられた支持片222によって、図16(a)に示すように傾斜した状態で支持されている。保護板216の上面であって、後方側の端部近傍には、支持面216bが形成されている。支持面216bは、カードが挿入されていない状態において、保護板216の他の表面より僅かに傾斜角度が小さくなっている。支持面216bは、カードBの挿入過程において、カードBの下面をガイドする役割を果たす。
次に、本実施の形態に係るコネクタ1が有する排出機構7の構成について説明する。図17は、本実施の形態に係るコネクタ1が有する排出機構7を上方側から見た場合の斜視図(同図(a))及び上面図(同図(b))である。なお、図17においては、排出機構7を構成する圧縮ばね702を省略し、カードが装着されていない状態(初期状態)について示している。
図17に示すように、スライド部材701には、カードAの右方側の先端部と当接する第1当接部704、カードBの右方側の先端部と当接する第2当接部705、並びに、カードCの右方側の先端部と当接する第3当接部706が設けられている。第1当接部704は、概してスライド部材701の上方側部分に設けられ、第2当接部705及び第3当接部706は、概してスライド部材701の下方側部分に設けられている。このようにスライド部材701には、カードA〜Cと当接する第1当接部704〜第3当接部706が設けられていることから、単一のスライド部材701でカードA〜カードCを排出することが可能となっている。
第1当接部704は、カードAの先端部の形状に応じた傾斜面で構成されており、第2当接部705及び第3当接部706は、カードの挿入方向に直交する平面で構成されている。スライド部材701は、これらの第1当接部704〜第3当接部706でカードA〜カードCと当接し、使用者による各カードの挿入動作に伴ってコネクタ1の前後方向にスライド可能に構成されている。
第1当接部704の前方側には、カードAの下面の一部を支持する支持部707が設けられている。支持部707の左方側には、コンタクトユニット210の最も右方側に配置されるカードA用コンタクト211を収容する凹部708が設けられている。この凹部708の前方側端部には、当該カードA用コンタクト211を保護するための突出片709が立設されている。
また、スライド部材701の上面であって、第1当接部704の後方側には、概してループ状のガイド溝710が形成されている。ガイド溝710の中央には、概してハート形状を有するハート形カム711が設けられている。ガイド溝710は、図17(b)に示すように、ハート形カム711の両側に配置される第1ガイド溝712、第2ガイド溝713、係止部材703を係止する係止部714を有する凹み溝715、並びに、第1ガイド溝712及び第2ガイド溝713に連結される直線状ガイド溝716で構成される。係止部材703は、このようなガイド溝710をカードの挿入動作に応じて一定方向に進む。なお、ガイド溝710における係止部材703の案内経路上には、係止部材703の逆方向への進行を防止する段差部が形成されている。
このようなガイド溝710において、カードが装着されていない場合、係止部材703は、図17(b)に示すように、直線状ガイド溝716の後方側端部に配置された状態となっている。カードが挿入されると、スライド部材701の後方側への移動に伴って係止部材703が直線状ガイド溝716を介して第1ガイド溝712に進む。そして、係止部材703が第1ガイド溝712の前方側端部に到達する位置までカードが押し込まれると、係止部材703は、凹み溝715に進み、この状態で、カードの押し込みを止めて手を離すと、スライド部材701は圧縮ばね702の付勢力により若干前方側に移動する。そして、この移動により係止部材703が凹み溝715内を移動して、係止部材703が係止部714に係止された状態(ロック状態)となる。
係止部材703が係止部714に係止された状態(ロック状態)から、更にカードが押し込まれると(所謂、オーバーストローク状態)、係止部材703は、凹み溝715から第2ガイド溝713に進む。そして、第2ガイド溝713から直線状ガイド溝716に進み、再び、係止部材703が直線状ガイド溝716の後方側端部に配置された状態となる。
また、第2当接部705の前方側には、コネクタ1に挿入されたカードBを係止する係止片717が設けられている。係止片717は、スライド部材701の左方側の側面から突出して設けられ、コネクタ1の前後方向に延出した形状を有している。この係止片717は、カードBの下面に形成される凹部と係合し、カード装着部に挿入されたカードBを係止するものとなっている。このようにスライド部材701に設けた係止片717がカードBの凹部と係合することにより、カード装着部に装着されたカードBが抜けるのを防止できるものとなっている。
さらに、第2当接部705の後方側には、上述した検出機構9のレバー部材901と当接する当接部718が設けられている。当接部718は、コネクタ1の右後方側に向かって傾斜する傾斜面を有し、後述するレバー部材901の傾斜面903aと当接するように構成されている。当接部718は、カードBの挿入に伴ってスライド部材701が後方側の所定位置まで移動すると、レバー部材901と当接し、レバー部材901を左方側に移動させる。
なお、スライド部材701の下面には、圧縮ばね702の前方側の一端を収容する不図示の凹部が形成されている。この凹部の前方側には、図17(b)に示すように、圧縮ばね702の一端を保持する保持片719が設けられている。この保持片719は、概して円柱形状を有しており、コネクタ1の後方側に向かって一定長さ延出して設けられている。
次に、本実施の形態に係るコネクタ1が有するレバー部材901の構成について説明する。図18は、本実施の形態に係るコネクタ1が有するレバー部材901の斜視図である。図19は、本実施の形態に係るコネクタ1が有するレバー部材901の下面図(同図(a))及び背面図(同図(b))である。なお、図18においては、レバー部材901を後方側から見た場合の斜視図について示している。
レバー部材901は、例えば、絶縁性の樹脂材料を成形して形成され、概して、直方体形状を有し、コネクタ1の左右方向に延在するように配置される。レバー部材901の一端には、図18及び図19(a)に示すように、スライド部材701の当接部718と当接する当接部903が設けられ、その他端には、コイルばね902を保持する保持片904が設けられている(図7及び図8参照)。なお、当接部903の先端には傾斜面903aが設けられている。また、当接部903の下面には、ベース部201の係合片224を収容する凹部903bが設けられている。なお、この凹部903bは、カードBの挿入に伴ってレバー部材901が左方側にスライド移動できるように係合片224よりも少し大きく設けられている。
レバー部材901の後面の中央部近傍には、可動接点部としてのトーションばね905を収容する収容部906が設けられている。この収容部906の中央には、トーションばね905の曲げ部905aが取り付けられる突出片906aが設けられている。この突出片906aに曲げ部905aが取り付けられた状態において、トーションばね905は、その端部905b、905cがレバー部材901の下方側に僅かに突出するように構成されている。
なお、レバー部材901の前面及び後面の所定位置には、ベース部201に設けられた係合片226、227を収容する凹部907、908が設けられている。これらの凹部907、908は、レバー部材901をハウジング2に取り付ける際、係合片226、227を収容することでレバー部材901の位置決めを行うと共に、カードBの挿入に伴ってスライド移動する際にレバー部材901を案内する役割を果たすものである。
次に、本実施の形態に係るコネクタ1に対して各カードを装着する際の動作について説明する。図20〜図24は、本実施の形態に係るコネクタ1に対してカードAを装着する際の動作を説明するための図である。図25〜図34は、本実施の形態に係るコネクタ1に対してカードBを装着する際の動作を説明するための図である。図35〜図39は、本実施の形態に係るコネクタ1に対してカードCを装着する際の動作を説明するための図である。なお、図20〜図39においては、説明の便宜上、カバー部材3を省略している。
まず、本実施の形態に係るコネクタ1に対してカードAを装着する際の動作について説明する。図20は、本実施の形態に係るコネクタ1に対してカードAを挿入した場合の正面図である。図21は、本実施の形態に係るコネクタ1に対してカードAを挿入した場合の斜視図である。図22は、図21に示す状態のコネクタ1の断面図である。図23は、本実施の形態に係るコネクタ1に対してカードAを装着した場合の斜視図である。図24は、図23に示す状態のコネクタ1の断面図である。なお、図22及び図24においては、スライド部材701の係止片717を通過するカード挿入方向に沿った断面を示している。また、カードAの挿入前においては、コネクタ1は、図2〜図4に示す状態となっている。
図20に示すように、本実施の形態に係るコネクタ1に対してカードAを装着する場合には、ハウジング2に設けられた第1ガイド部205にカードAの側面及び下面を合わせた状態でコネクタ1の内部にカードAを押し込む。このようにコネクタ1の内部に押し込む過程で、カードAの先端部が仕切板6の傾斜部603に当接する。この状態から更にカードAを押し込むと、図21及び図22に示すように、カードAは、仕切板6の上側をコネクタ1の後方側に進む。この場合、仕切板6は、カードAに傾斜部603を押されることで僅かに下方側に移動し、その下面でカードB用コンタクト213、214を僅かに押し下げる。このように、カードAの挿入に伴って仕切板6の下面でカードB用コンタクト213、214を僅かに押し下げることで、コネクタ1内の限られた空間を有効に活用している。
また、図21に示すように、カードAの右方側の先端部が、仕切板6よりも上方側の位置においてスライド部材7の第1当接面704に当接する。これにより、カードAのスライド部材701に対する位置が決まり、これ以降、スライド部材701とカードAとが一緒に移動することとなる。なお、カードAの先端部が第1当接面704に当接した時点においては、係止部材703の前方側の一端は、ガイド溝710の直線状ガイド溝716の後方側の端部近傍に配置されている。
図21及び図22に示す状態から更にカードAを押し込むと、図23及び図24に示すように、カードA用コンタクト211がカードAの下面に入り込み、カードAの先端部の下面に形成された接触パッドと接触する。なお、図23及び図24においては、カードAをコネクタ1の最後方側の位置まで押し込み、手を離した状態について示している。この状態においては、係止部材703の前方側の一端は、係止部714に係止された状態となっている。
このようにカードAの挿入に伴ってスライド部材7が後方側に移動する際、本実施の形態に係るコネクタ1においては、ハウジング2の左方側に設けられた検出機構8によりカードAの装着の有無、並びに、カードAの書込み防止機能の状態を検出する。具体的には、検出機構8は、カードAの先端部又は書込み防止スイッチSWと当接部802との当接に基づいて、板状部801の下面部に設けられた可動接点部と、ベース部201に設けられた固定接点部との導通状態に応じてこれらを検出する。
図23においては、カードAの先端部と後方側の当接部802とが当接し、板状部801の角度が変化して可動接点部と固定接点部とが導通状態となっている一方、書込み防止スイッチSWと前方側の当接部とが当接しておらず、板状部801の角度が変化せずに可動接点部と固定接点部とが非導通状態となっている場合について示している。この状態においては、検出機構8により、カードAの装着状態が検出される一方、カードAの書込み防止機能のオフ状態が検出されることとなる。
次に、本実施の形態に係るコネクタ1に対してカードBを装着する際の動作について説明する。図25は、本実施の形態に係るコネクタ1に対してカードBを挿入した場合の正面図である。図26は、本実施の形態に係るコネクタ1に対してカードBを挿入した場合の斜視図である。図27は、図26に示す状態のコネクタ1の断面図である。図28は、本実施の形態に係るコネクタ1に対してカードBを装着した場合の斜視図である。図29は、図28に示す状態のコネクタ1の断面図である。なお、カードBの挿入前においては、コネクタ1は、図2〜図4に示す状態となっている。
図25に示すように、本実施の形態に係るコネクタ1に対してカードBを装着する場合には、ガイド部材5の側壁部504の左方側にカードBの右方側の側面を合わせると共に、突出片507の上方側にカードBの下面を合わせた状態でコネクタ1の内部にカードBを押し込む。なお、この場合、カードBの左方側の側面を、左方側に配置された第1ガイド部205の端部に当接させることで、容易にカードBをガイド部材5の所定位置に配置することが可能となっている。また、カードBの下面をガイド部材5の突出片507により案内させることで、カードBの下面とカードC用コンタクト215との距離を保つようにしている。このことにより、カードBの下面がカードC用コンタクト215と接触することを防止可能となる。
このようにカードBを押し込むと、図26及び図27に示すように、カードBは、ガイド部材5の上側と、仕切板6の下側との間をコネクタ1の後方側に進む。この場合、カードBは、側壁部504の平面部504a〜504cによりその側方を案内された状態でコネクタ1の後方側に進むこととなる。また、仕切板6は、カードBに押されて僅かに上方側に移動し、開口部605、607の後方側部分でカードA用コンタクト211(211a、211b)を僅かに押し上げる。この場合において、カードA用コンタクト211の先端部は、仕切板6の開口部605、607に収容される。このように開口部605、607で収容することで、カードBの挿入に伴ってカードA用コンタクト211の先端部が破損する事態が防止されている。
また、コネクタ1の後方側に進む過程において、カードBの右方側の先端部は、図26に示すように、仕切板6の下方側の位置でスライド部材701の第2当接面705に当接する。これにより、カードBのスライド部材701に対する位置が決まり、これ以降、スライド部材701とカードBとが一緒に移動することとなる。なお、カードBの先端部が第2当接面705に当接した時点においては、係止部材703の前方側の一端は、ガイド溝710の直線状ガイド溝716の後方側端部近傍に配置されている。
なお、カードBを挿入する際には、図27に示すように、その上面が仕切板6の下面でガイドされると共に、その下面がガイド部材5の突出片507の傾斜面507b及び保護板216の支持面216bでガイドされている。これらの位置関係は、カードBの先端部を僅かに下方側に傾斜させた状態で支持するように構成されている。このため、カードBは、先端部を下方側に傾斜させた状態でコネクタ1の内部に押し込まれることとなる。すなわち、カードBはコネクタ1の後方側の下側に向って斜めに横切る形で押し込まれていくこととなる。また、カードBは保護板216によりガイドされることでカードC用コンタクト215との距離を保つようになっている。
図26及び図27に示す状態から更にカードBを押し込むと、図28及び図29に示すように、仕切板6の下方側をカードBが進むと共に、スライド部材701が後方側に移動する。この過程において、カードB用コンタクト213、214がカードBの下面に入り込み、カードBの先端部の下面に形成された接触パッドと接触する。なお、図28及び図29においては、カードBをコネクタ1の最後方側の位置まで押し込み、手を離した状態について示している。この状態においては。係止部材703の前方側の一端は、係止部714に係止された状態となっている。このとき、カードBは斜めに押し込まれるので、カードBの先端部とスライド部材701の第2当接面705との当接位置が図27の状態に対して下方側に移動することとなる。すなわち、カードBを押し込むと、カードBとスライド部材701との上下方向での相対位置が変化することとなり、カードBの押し込みに伴って、カードBがスライド部材701に対して下方側に移動するものとなっている。
なお、このように装着された状態においても、カードBは、挿入時と同様に、突出片507の傾斜面507b及び保護板216の支持面216bと、仕切板6の下面とによりガイドされ、先端部を下方側に傾斜させた状態で保持されている。この場合、カードBの先端部は、図29に示すように、ベース部201に形成された凹部228に収容されている。このように本実施の形態においては、先端部を下方側に傾斜させた状態でカードBを保持する一方、その先端部を凹部228で収容しているので、コネクタ1を薄型化することが可能となっている。
また、図29に示すように、カードBが装着される過程において、カードBがスライド部材701に対して下方側に移動することとなるため、スライド部材701の係止片717は、カードBの下面に形成された凹部に入り込んだ状態となる。この場合、係止片717の後方側端部は、当該凹部の後方側の壁部と係合した状態となっており、仮にカードBに対して前方側への力が作用した場合においても、カードBがカード装着部から抜ける事態を防止することが可能となっている。
本実施の形態に係るコネクタ1においては、このように装着されるカードBの装着状態を検出機構9で検出している。以下、この検出機構9における検出動作について図30〜図34を用いて説明する。図30は、図26に示す状態のコネクタ1からコンタクトユニット210を取り除いた状態の斜視図である。図31は、図30に示す状態のコネクタ1のレバー部材901の近傍の断面図である。図32は、図28に示す状態のコネクタ1からコンタクトユニット210を取り除いた状態の斜視図である。図33は、図32に示す状態のコネクタ1のレバー部材901の近傍の断面図である。図34は、図32に示す状態から更にカードBを押し込んだ際のレバー部材901の近傍の断面図である。なお、図31、図33及び図34においては、コネクタ1の後方側から見た断面を示している。
図30に示すように、カードBの先端部がスライド部材701の第2当接面705に当接した状態においては、スライド部材701の当接部718は、検出機構9を構成するレバー部材901の当接部903から離間した状態となっている。この場合、レバー部材901の後面に取り付けられたトーションばね905は、図31に示すように、一方の端部905bが固定接点部225bに接触する一方、他方の端部905cがベース部201に接触し、固定接点部225aには接触していない。このため、可動接点部であるトーションばね905と固定接点部225とが導通しておらず、検出機構9においては、カードBの非装着状態を検出することとなる。
一方、図32に示すように、カードBが押し込まれ、係合部材703がカム溝710の係止部714に係止された状態(ロック状態)においては、スライド部材701の当接部718は、レバー部材901の当接部903に当接し、レバー部材901をコイルばね902の付勢力に抗して左方側に移動させている。この場合、レバー部材901の後面に取り付けられたトーションばね905は、図33に示すように、双方の端部905b、905cがそれぞれ固定接点部225b、225aに接触している。このため、可動接点部であるトーションばね905と固定接点部225とが導通することとなり、検出機構9においては、カードBの装着状態を検出することとなる。
なお、図32に示す状態からカードBを抜き取るために更にカードBが後方側に押し込まれると、スライド部材701が僅かに後方側に移動し、これに伴ってレバー部材901も僅かに左方側に移動する。この場合においても、レバー部材901の後面に取り付けられたトーションばね905は、図34に示すように、双方の端部905b、905cがそれぞれ固定接点部225b、225aに接触した状態を維持している。このため、検出機構9においては、図33に示すカードBのロック状態と同様に、カードBの装着状態を検出することとなる。
次に、本実施の形態に係るコネクタ1に対してカードCを装着する際の動作について説明する。図35は、本実施の形態に係るコネクタ1に対してカードCを挿入した場合の正面図である。図36は、本実施の形態に係るコネクタ1に対してカードCを挿入した場合の斜視図である。図37は、図35に示す状態のコネクタ1の断面図である。図38は、本実施の形態に係るコネクタ1に対してカードCを装着した場合の斜視図である。図39は、図38に示す状態のコネクタ1の断面図である。なお、カードCの挿入前においては、コネクタ1は、図2〜図4に示す状態となっている。
図35に示すように、本実施の形態に係るコネクタ1に対してカードCを装着する場合には、ハウジング2に設けられた第2ガイド部206にカードCの側面及び下面を合わせた状態でコネクタ1の内部にカードCを押し込む。この場合、カードCの先端部は、ガイド部材5の傾斜部503bに当接し、ガイド部材5の下方側に案内されると共に、ガイド部材5を上方側に移動させる。これにより、ガイド部材5は、カードCの装着領域外に移動することとなる。言い換えると、ガイド部材5は、カードCの挿入経路から上方側に退避することとなり、カード装着部(下部カード装着部)に対するカードCの挿入を許容するものとなっている。そして、カードCの上面は、ガイド部材5の突出片507の平面部507cにより案内されることとなる。
このようにカードCを押し込むと、カードCの先端部が仕切板6に設けられた突出片609の下方側に入り込み、仕切板6を持ち上げる。そして、図36及び図37に示すように、仕切板6の下方側をコネクタ1の後方側に進む。この場合、カードBの挿入時と同様に、仕切板6は、僅かに上方側に移動し、開口部605、607の後方側部分でカードA用コンタクト211を僅かに押し上げる。この場合において、カードA用コンタクト211の先端部は、仕切板6の開口部605、607に収容されることとなる。
また、コネクタ1内を後方側に進む過程において、カードCの先端部の下面がハウジング2に設けられた保護板216と接触し、これを下方側から支持する支持片222の付勢力に抗して保護板216の後方側端部を僅かに押し下げる。これにより、保護板216に形成された溝部217内において、カードC用コンタクト215がカードCに接近することとなる。
さらに、カードCの右方側の先端部が、仕切板6の下方側の位置においてスライド部材701の第3当接部706に当接する。これにより、カードCのスライド部材701に対する位置が決まり、これ以降、スライド部材701とカードCとが一緒に移動することとなる。なお、カードCの先端部が第3当接部706に当接した時点においては、係止部材703の前方側の一端は、ガイド溝710の直線状ガイド溝716の後方側端部近傍に配置されている。
図36及び図37に示す状態から更にカードCを押し込むと、図38及び図39に示すように、カードCの下面が更に保護板216を押し下げる。これにより、保護板216の溝部217からカードC用コンタクト215が露出した状態となる。そして、このように露出したカードC用コンタクト215がカードCの下面に入り込み、カードCの先端部の下面に形成された接触パッドと接触する。なお、図38及び図39においては、カードCをコネクタ1の最後方側の位置まで押し込み、手を離した状態について示している。この状態においては。係止部材703の前方側の一端は、係止部714に係止された状態となっている。
以上説明したように、本実施の形態に係るコネクタ1においては、カードBが装着される場合にカードBの側方を案内する一方、カードCが装着される場合にカードCと当接してカードCの装着領域外に移動するガイド部材5を、仕切板6の下方側に形成される下部カード装着部の一方の側方側(右方側)であって、仕切板6の下方側に配設している。これにより、下部カード装着部において、幅寸法の小さいカードBをガイド部材5によって案内すると共に、幅寸法の大きいカードCが装着される場合にカードCの装着領域外にガイド部材を移動させるようにしたことから、仕切板6により分割された下部カード装着部に幅寸法の異なるカードB、Cを装着する場合においても、幅寸法の小さいカードBを適切に案内しつつ、幅寸法の大きいカードCの装着を許容でき、3種類以上のカードの装着に対応することが可能となる。
特に、本実施の形態に係るコネクタ1においては、カードBが仕切板6の下方とガイド部材5の上方との間に装着される一方、カードCがガイド部材5の下方に装着されるように構成している。このように構成することで、ガイド部材5によって下部カード装着部におけるカードB及びカードCの位置を決定することができ、これらのカードB、Cを下部カード装着部における適切な装着位置に配置することが可能となる。
また、本実施の形態に係るコネクタ1においては、ガイド部材5を、その一部においてカードB及びカードCが仕切板6よりも先に当接するようにカード挿入口4側に配置している。これにより、仕切板6よりも先にガイド部材5の一部をカードB及びカードCに当接させることができるので、下部カード装着部の所定位置にカードB及びカードCを適切に振り分けることが可能となる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
例えば、上記実施の形態においては、検出機構9を構成するレバー部材901が有する当接部903の傾斜面903aを、スライド部材701の当接部718の傾斜面全体と当接する構成としているが、レバー部材901の構成については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、当接部903の斜面部903aを、スライド部材701の当接部718の傾斜面の一部と当接するようにしても良い。
図40は、本実施の形態に係るコネクタ1が有するレバー部材901の変形例の斜視図である。図41は、本実施の形態に係るコネクタ1が有するレバー部材901の変形例の下面図(同図(a))及び背面図(同図(b))である。なお、図40においては、レバー部材911を後方側から見た場合の斜視図について示している。図40及び図41において、図18及び図19に示すレバー部材901と同一の構成については、同一の符号を付与し、その説明を省略する。
図40及び図41に示すレバー部材911は、当接部903の傾斜面903aが短縮され、その先端部に平面部903cが設けられている点で上記実施の形態に係るレバー部材901と相違する。このレバー部材911によれば、傾斜面903aが短縮されていることから、当接部718の傾斜面と当接する長さが短縮されるので、レバー部材911の移動範囲が縮小されることとなる。
ここで、このようなレバー部材911を備える検出機構9におけるカードBの装着状態の検出動作について図42〜図44を用いて説明する。図42、図43及び図44は、それぞれ図31、図33及び図34に相当する状態のレバー部材911の近傍の断面図である。なお、図42〜図44においては、コネクタ1の後方側から見た断面を示している。
カードBの先端部がスライド部材701の第2当接面705に当接した状態(図30に示す状態)においては、スライド部材701の当接部718は、検出機構9を構成するレバー部材911の当接部903から離間した状態となっている。この場合、レバー部材911の後面に取り付けられたトーションばね905は、図42に示すように、一方の端部905bが固定接点部225bに接触する一方、他方の端部905cがベース部201に接触し、固定接点部225aには接触していない。このため、可動接点部であるトーションばね905と固定接点部225とが導通しておらず、検出機構9においては、カードBの非装着状態を検出することとなる。なお、この場合において、傾斜面903bが短縮されていることから、平面部903cは、図42に示すように、レバー部材701の当接部718の傾斜面の中央部近傍に対応する位置に配置された状態となっている(図31参照)。
一方、カードBが挿入され、係合部材703がカム溝710の係止部714に係止された状態(ロック状態:図32に示す状態)においては、スライド部材701の当接部718は、レバー部材901の当接部903に当接し、レバー部材911をコイルばね902の付勢力に抗して左方側に移動させている。この場合、レバー部材901の後面に取り付けられたトーションばね905は、図43に示すように、双方の端部905b、905cが固定接点部225b、225aに接触している。このため、可動接点部であるトーションばね905と固定接点部225とが導通することとなり、検出機構9においては、カードBの装着状態を検出することとなる。なお、このとき、当接部903の傾斜面903bが短縮されていることから、レバー部材911の移動範囲は、上記実施の形態よりも縮小されている(図33参照)。
なお、図43に示す状態からカードBを抜き取るために更にカードBが後方側に押し込まれると、スライド部材701が僅かに後方側に移動し、これに伴ってレバー部材911も僅かに左方側に移動する。この場合においても、レバー部材911の後面に取り付けられたトーションばね905は、図44に示すように、双方の端部905b、905cがそれぞれ固定接点部225b、225aに接触した状態を維持している。このため、検出機構9においては、図43に示すカードBのロック状態と同様に、カードBの装着状態を検出することとなる。
この場合、レバー部材911の当接部903においては、スライド部材701が一定位置以上に後方側に進むと、平面部903cがスライド部材701の当接部718の斜面部を超えて側面部に接触し、レバー部材911の左方側への移動が停止することとなる。このように当接部903の傾斜面903bを短縮したレバー部材911を検出機構9に適用する場合には、レバー部材911の移動範囲を縮小することができるので、カード装着部内の空間を有効に活用することが可能となる。
また、上記実施の形態においては、検出機構9が、ロック状態からカードBを抜き取るために更に後方側に押し込まれる際もカードBの装着状態を継続して検出する場合について説明しているが、検出機構9におけるカードBの装着状態の検出タイミングについては、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、ロック状態から更に押し込まれたタイミングでカードBの非装着状態を検出するようにしても良い。
図45は、本実施の形態に係るコネクタ1における変形した検出機構9の近傍の断面図である。なお、図45においては、検出機構9を後方側から見た場合の断面図について示している。また、図45において、図19に示す検出機構9と同一の構成については、同一の符号を付与し、その説明を省略する。
図45に示す検出機構9は、同図に示す右方側に配置される固定接点部225aの長さが短い点で上記実施の形態に係る検出機構9と相違する。この固定接点部225aは、ロック状態から更にカードBが押し込まれた場合にトーションばね905の端部905cが非接触状態となるような長さに設定されている。
ここで、このような検出機構9におけるカードBの装着状態の検出動作について図45〜図47を用いて説明する。図45、図46及び図47は、それぞれ図31、図33及び図34に相当する検出機構9の状態の断面図である。なお、図46及び図47においては、図45と同様に、コネクタ1の後方側から見た断面を示している。
カードBの先端部がスライド部材701の第2当接面705に当接した状態(図30に示す状態)においては、スライド部材701の当接部718は、検出機構9を構成するレバー部材901の当接部903から離間した状態となっている。この場合、レバー部材901の後面に取り付けられたトーションばね905は、図45に示すように、一方の端部905bが固定接点部225bに接触する一方、他方の端部905cがベース部201に接触し、固定接点部225aには接触していない。このため、可動接点部であるトーションばね905と固定接点部225とが導通しておらず、検出機構9においては、カードBの非装着状態を検出することとなる。
一方、カードBが挿入され、係合部材703がカム溝710の係止部714に係止された状態(ロック状態:図32に示す状態))においては、スライド部材701の当接部718は、レバー部材901の当接部903に当接し、レバー部材901をコイルばね902の付勢力に抗して左方側に移動させている。この場合、レバー部材901の後面に取り付けられたトーションばね905は、図46に示すように、双方の端部905b、905cがそれぞれ固定接点部225b、225aに接触している。このため、可動接点部であるトーションばね905と固定接点部225とが導通することとなり、検出機構9においては、カードBの装着状態を検出することとなる。
なお、図46に示す状態からカードBを抜き取るために更にカードBが後方側に押し込まれると、スライド部材701が僅かに後方側に移動し、これに伴ってレバー部材901も僅かに左方側に移動する。この場合、レバー部材901の後面に取り付けられたトーションばね905は、図47に示すように、一方の端部905bが固定接点部225bに接触する一方、他方の端部905cが固定接点部225aを乗り越えてベース部201に接触している。このため、可動接点部であるトーションばね905と固定接点部225とが導通しておらず、検出機構9においては、カードBの非装着状態を検出することとなる。
このように固定接点部225の長さを短縮した検出機構9を適用する場合には、ロック状態にあるカードBを更に押し込んだ場合にカードBの非装着状態を検出することができるので、使用者のカードBに対する押圧操作に伴って迅速にカードBの非装着状態を検出することが可能となる。