JP2010066467A - 着色層形成用感放射線性組成物、カラーフィルタおよびカラー液晶表示素子 - Google Patents

着色層形成用感放射線性組成物、カラーフィルタおよびカラー液晶表示素子 Download PDF

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Abstract

【課題】低露光量であっても耐溶剤性に優れた画素およびブラックマトリックスを形成することができる着色層形成用感放射線性組成物の提供。
【解決手段】(A)着色剤、(B1)カルボキシル基、酸無水物基および水酸基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基と、5員環(ジチオ)カーボナート基とを有する重合体、(C)多官能性単量体、並びに(D)光重合開始剤を含有することを特徴とする、着色層形成用感放射線性組成物;これを用いたカラーフィルタおよびカラー液晶表示素子。
【選択図】なし

Description

本発明は、着色層形成用感放射線性組成物、カラーフィルタおよび液晶表示素子に関わり、より詳しくは、透過型あるいは反射型のカラー液晶表示装置、カラー撮像管素子等に用いられるカラーフィルタに有用な着色層の形成に用いられる感放射線性組成物、当該感放射線性組成物を用いて形成された着色層を備えるカラーフィルタ、並びに当該カラーフィルタを具備するカラー液晶表示素子に関する。
着色感放射線性組成物を用いてカラーフィルタを形成する方法として、基板上あるいは予め所望のパターンの遮光層を形成した基板上に、着色感放射線組成物の塗膜を形成して、所定のパターンを有するフォトマスクを介して放射線を照射(以下、「露光」という。)し、現像して未露光部を溶解除去し、その後ポストベークすることにより、各色の画素を得る方法(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)が知られている。また、黒色材料を含有する光重合性組成物を利用してブラックマトリックスを形成する方法(例えば、特許文献3参照。)も知られている。
そして、近年におけるカラーフィルタの技術分野においては、露光量を下げてタクトタイムを短縮することが主流となっており、低露光量でも十分な現像耐性、耐溶剤性等を有すること、すなわち着色層形成用感放射線性組成物の高感度化が要求されている。特に耐溶剤性に関しては、画素パターンにクラックや欠けが発生したり、画素パターンから着色成分が溶出したりする問題が顕在化しつつあり、これを解決することが要求されている。かかる問題の背景には、近年のカラー液晶表示素子に対する高コントラスト化、高輝度化および高色純度化の要求に対応すべく、着色層形成用感放射線性組成物に用いられる顔料の多くに様々な微細化処理や表面処理がなされていることや、着色層形成用感放射線性組成物中に占める顔料の含有割合がますます高くなる傾向にあることがあるものと考えられている。
ところで、特許文献4では、耐熱性等に優れた硬化性樹脂組成物として、5員環ジチオカーボネート基を有するポリオレフィンエラストマーを含有する硬化性樹脂組成物が開示されているが、かかる重合体を着色感放射線性組成物に用いる記載はない。
特開平2−144502号公報 特開平3−53201号公報 特開平6−35188号公報 特開2005−120231号公報
本発明の課題は、低露光量であっても耐溶剤性に優れた画素およびブラックマトリックスを形成することができる着色層形成用感放射線性組成物を提供することにある。
本発明の他の課題は、前記カラーフィルタ用感放射線性組成物から形成された画素を有するカラーフィルタ、および当該カラーフィルタを具備するカラー液晶表示素子を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、5員環ジチオカーボナート基およびこれと反応し得る官能基を有する重合体を含有せしめることにより上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、第一に、(A)着色剤、(B1)カルボキシル基、酸無水物基および水酸基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基と、5員環(ジチオ)カーボナート基とを有する重合体(以下、重合体(B1)ということがある。)、(C)多官能性単量体、並びに(D)光重合開始剤を含有することを特徴とする、着色層形成用感放射線性組成物(以下、「感放射線性組成物(1)」ということがある。)を提供するものである。
本発明は、第二に、(A)着色剤、(B2)カルボキシル基、酸無水物基および水酸基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有し、5員環(ジチオ)カーボナート基を有さない重合体(以下、重合体(B2)ということがある。)、(B3)5員環(ジチオ)カーボナート基を有し、カルボキシル基、酸無水物基および水酸基のいずれをも有さない重合体(以下、重合体(B3)ということがある。)、(C)多官能性単量体、並びに(D)光重合開始剤を含有することを特徴とする、着色層形成用感放射線性組成物(以下、「感放射線性組成物(2)」ということがある。)を提供するものである。
本発明は、第三に、該着色層形成用感放射線性組成物を用いて形成された着色層を備えてなるカラーフィルタ、および該カラーフィルタを具備するカラー液晶表示素子をも提供するものである。
本発明でいう「放射線」は、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を含むものを意味する。
本発明の着色層形成用感放射線性組成物は、低露光量であっても耐溶剤性に優れ、しかも基板との密着性に優れた画素およびブラックマトリックスを形成することができる。
したがって、本発明の着色層形成用感放射線性組成物は、電子工業分野におけるカラー液晶表示装置用カラーフィルタや固体撮像素子の色分解用カラーフィルタを始めとする各種のカラーフィルタの作製に極めて好適に使用することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
着色層形成用感放射線性組成物
本発明の着色層形成用感放射線性組成物(以下、単に「感放射線性組成物」ということがある。)における「着色層」とは、カラーフィルタに用いられる画素および/またはブラックマトリックスからなる層を意味する。
以下、本発明の着色層形成用感放射線性組成物の構成成分について説明する。
−(A)着色剤−
本発明における(A)着色剤としては、特に限定されるものではなく、有機顔料、無機顔料のいずれでもよい。
有機顔料としては、例えば、カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 社発行)においてピグメントに分類されている化合物、具体的には、下記のようなカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを挙げることができる。
C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー20、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー31、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー211;
C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ14、C.I.ピグメントオレンジ24、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ40、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ46、C.I.ピグメントオレンジ49、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ68、C.I.ピグメントオレンジ70、C.I.ピグメントオレンジ71、C.I.ピグメントオレンジ72、C.I.ピグメントオレンジ73、C.I.ピグメントオレンジ74;
C.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド17、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド41、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド171、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド214、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド243、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド262、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド272;
C.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット29、C.I.ピグメントバイオレット32、C.I.ピグメントバイオレット36、C.I.ピグメントバイオレット38;
C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー80;
C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン58;
C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25;
C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック7。
本発明において、有機顔料は、再結晶法、再沈殿法、溶剤洗浄法、昇華法、真空加熱法や、これらの組み合わせにより精製して使用することもできる。
また、上記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒、カーボンブラック等を挙げることができる。
これらの着色剤は、所望により、その粒子表面をポリマーで改質して使用してもよい。顔料の粒子表面を改質するポリマーとしては、例えば特開平8−259876号公報に記載されたポリマーや、市販の各種の顔料分散用のポリマーまたはオリゴマー等を挙げることができる。カーボンブラック表面のポリマー被覆方法については、例えば特開平9−71733号公報、特開平9−95625号公報、特開平9−124969号公報等に開示されている。
前記着色剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明の感放射線性組成物を画素の形成に用いる場合、画素には高精細な発色と耐熱性が求められることから、(A)着色剤としては、発色性が高く且つ耐熱性の高い着色剤、特に耐熱分解性の高い着色剤が好ましく、具体的には有機着色剤が好ましく、特に有機顔料が好ましく用いられる。
一方、本発明の感放射線性組成物をブラックマトリックスの形成に用いる場合、ブラックマトリックスには遮光性が要求されることから、(A)着色剤としては有機顔料またはカーボンブラックが好ましく用いられる。
また、本発明の感放射線性組成物は、(A)着色剤として、C.I.ピグメントレッド254およびC.I.ピグメントグリーン58よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することが、該感放射線性組成物を用いて形成された着色層の耐溶剤性を向上させる点で特に好ましい。
本発明の感放射線性組成物は、着色剤の含有量が、感放射線性組成物の全固形分中、30重量%以上となる場合であっても、優れた耐溶剤性を有する。また、本発明において、着色剤の含有量の上限は、現像性を確保する観点から、感放射線性組成物の全固形分中、好ましくは70重量%以下、特に好ましくは60重量%以下である。ここで、固形分とは、後述する溶媒以外の成分である。
本発明における着色剤は、所望により、分散剤、分散助剤と共に使用することができる。
上記分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系や両性等の適宜の分散剤を使用することができるが、ポリマー分散剤が好ましい。具体的には、変性アクリル系共重合体、アクリル系共重合体、ポリウレタン、ポリエステル、高分子共重合体のアルキルアンモニウム塩またはリン酸エステル塩、カチオン性櫛型グラフトポリマー等を挙げることができる。ここで、カチオン性櫛型グラフトポリマーとは、複数の塩基性基(カチオン性の官能基)を有する幹ポリマー1分子に、2分子以上の枝ポリマーがグラフト結合した構造のポリマーをいい、例えば、幹ポリマー部がポリエチレンイミン、枝ポリマー部がε−カプロラクトンの開環重合体で構成されるポリマーが挙げられる。これら分散剤の中で、変性アクリル系共重合体、ポリウレタン、カチオン性櫛型グラフトポリマーが好ましい。
このような分散剤は商業的に入手することができ、例えば、変性アクリル系共重合体として、Disperbyk−2000、Disperbyk−2001(以上、ビックケミー(BYK)社製)、ポリウレタンとして、Disperbyk−161、Disperbyk−162、Disperbyk−165、Disperbyk−167、Disperbyk−170、Disperbyk−182(以上、ビックケミー(BYK)社製)、ソルスパース76500(ルーブリゾール(株)社製)、カチオン性櫛型グラフトポリマーとして、ソルスパース24000(ルーブリゾール(株)社製)、アジスパーPB821、アジスパーPB822、アジスパーPB880(味の素ファインテクノ株式会社製)等を挙げることができる。
これらの分散剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。分散剤の含有量は、(A)着色剤100重量部に対して、通常、100重量部以下、好ましくは0.5〜100重量部、さらに好ましくは1〜70重量部、特に好ましくは10〜50重量部である。この場合、分散剤の含有量が100重量部を超えると、現像性等が損なわれるおそれがある。
上記分散助剤としては、例えば青色顔料誘導体、黄色顔料誘導体等を挙げることができ、具体的には、例えば銅フタロシアニン誘導体等を挙げることができる。
−重合体(B1)−
感放射線性組成物(1)における重合体(B1)は、ポストベーク工程の際に自ら架橋反応することにより塗膜の硬化をより強める成分である。また、重合体(B1)にカルボキシル基、酸無水物基、フェノール性水酸基等を導入することによりアルカリ可溶性を付与し、重合体(B1)をアルカリ可溶性樹脂とすることもできる。感放射線性組成物(1)は、重合体(B1)を含有せしめることにより、低露光量であっても耐溶剤性に優れた着色層を形成することができる。
重合体(B1)は、カルボキシル基、酸無水物基および水酸基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基(以下、「反応性官能基」ということがある。)と、5員環(ジチオ)カーボナート基とを有する限り特に限定されるものではないが、耐溶剤性の点から、0.03〜7.00ミリモル/gの反応性官能基と0.001〜3.000ミリモル/gの5員環(ジチオ)カーボナート基を有する重合体であることが好ましく、0.07〜5.00ミリモル/gの反応性官能基と0.004〜2.000ミリモル/gの5員環(ジチオ)カーボナート基を有する重合体であることがより好ましい。
反応性官能基としては、アルカリ可溶性を付与する意味においては、カルボキシル基が好ましい。また、5員環(ジチオ)カーボナート基としては、例えば、下記式(1−1)または(1−2)で表される基を挙げることができる。
Figure 2010066467
(式(1−1)において、R1〜R3は相互に独立に水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示し、式(1−1)および式(1−2)において、「*」は結合手であることを示す。)
上記式(1−1)において、R1〜R3の炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。上記式(1−1)において、R1〜R3としては全てが水素原子であることが好ましい。
重合体(B1)としては、例えば、下記式(2−1)〜(2−4)で表される繰り返し単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位と、反応性官能基を有するエチレン性不飽和単量体(以下、「単量体(b1)」ということがある。)に由来する繰り返し単位とを有する重合体を挙げることができる。
Figure 2010066467
(式中、R1〜R3は式(1−1)におけるR1〜R3と同義であり、R4、R9およびR11は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示し、R5はメチレン基または炭素数2〜12のアルキレン基を示し、R10は単結合、メチレン基または炭素数2〜12のアルキレン基を示し、R6〜R8は相互に独立に水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示し、mは0または1を示し、nは1〜5の整数を示す。)
上記式中、R4、R9およびR11で示される炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等が挙げられるが、このうちメチル基が好ましい。R5およびR10で示される炭素数2〜12のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等が挙げられるが、このうち炭素数2〜9のアルキレン基が好ましい。R6〜R8で示される炭素数1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デカニル基等が挙げられるが、このうち炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、さらにメチル基が好ましい。
上記式(2−1)において、R4としては水素原子またはメチル基であることが好ましく、R5としてはメチレン基または炭素数2〜9のアルキレン基であることが好ましい。
また、上記式(2−2)において、R6は水素原子またはメチル基であることが好ましく、R7およびR8は水素原子あることが好ましく、nは1であることが好ましい。
また、上記式(2−3)において、R9としては水素原子またはメチル基が好ましく、R10としてはメチレン基または炭素数2〜9のアルキレン基であることが好ましい。
また、上記式(2−4)において、R11としては水素原子またはメチル基であることが好ましい。
本発明において、重合体(B1)は、耐溶剤性の点から、単量体(b1)に由来する繰り返し単位を3〜95モル%、上記式(2−1)〜(2−4)で表される繰り返し単位を0.04〜60%含有することが好ましく、単量体(b1)に由来する繰り返し単位を7〜90モル%、上記式(2−1)〜(2−4)で表される繰り返し単位を0.18〜45%含有することがさらに好ましい。
重合体(B1)は、例えば、以下の方法によって製造することができる。
方法(1):単量体(b1)と、オキシラニル基を有するエチレン性不飽和単量体(以下、「単量体(b2)」ということがある。)を含有してなる単量体を共重合した後、オキシラニル基を5員環(ジチオ)カーボナート基に変換する方法。
方法(2):単量体(b1)と、5員環(ジチオ)カーボナート基を有するエチレン性不飽和単量体(以下、「単量体(b3)」ということがある。)を含有してなる単量体を共重合する方法。
5員環(ジチオ)カーボナート基を有する化合物は、オキシラニル基を有する化合物と二硫化炭素を、臭化リチウム等のハロゲン化アルカリ存在下で反応させることにより得られことが知られており(例えば、特開平5−247027号公報参照)、上記方法(1)においては、この方法に準じてオキシラニル基を5員環(ジチオ)カーボナート基に変換することができ、また、単量体(b3)は単量体(b2)からこの公知の方法に準じて製造することができる。
単量体(b1)としては、例えば、
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、けい皮酸の如き不飽和モノカルボン酸;
マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸の如き不飽和ジカルボン酸またはその無水物;
こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕の如き2価以上の多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステル;
ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートの如き両末端にカルボキシ基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート;
o−ビニルフェノール、m−ビニルフェノール、p−ビニルフェノール、2−メチル−4−ビニルフェノール、3−メチル−4−ビニルフェノール、o−イソプロペニルフェノール、m−イソプロペニルフェノール、p−イソプロペニルフェノール、4−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレートの如き不飽和フェノール類;
2−ビニル−1−ナフトール、3−ビニル−1−ナフトール、1−ビニル−2−ナフトール、3−ビニル−2−ナフトール、2−イソプロペニル−1−ナフトール、3−イソプロペニル−1−ナフトール等の不飽和ナフトール類;
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピルエステル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルエステル、(メタ)アクリル酸5−ヒドロキシペンチルエステル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸7−ヒドロキシヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチルエステル、(メタ)アクリル酸9−ヒドロキシノニルエステル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシルエステル、(メタ)アクリル酸11−ヒドロキシウンデシルエステル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシドデシルエステルの如き(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;
(メタ)アクリル酸2−(6−ヒドロキシヘキサノイルオキシ)エチルエステル、(メタ)アクリル酸3−(6−ヒドロキシヘキサノイルオキシ)プロピルエステル、(メタ)アクリル酸4−(6−ヒドロキシヘキサノイルオキシ)ブチルエステル、(メタ)アクリル酸5−(6−ヒドロキシヘキサノイルオキシ)ペンチルエステル、(メタ)アクリル酸6−(6−ヒドロキシヘキサノイルオキシ)へキシルエステルの如き(メタ)アクリル酸(6−ヒドロキシヘキサノイルオキシ)アルキルエステル;
(メタ)アクリル酸2−(3−ヒドロキシ−2,2-ジメチル−プロポキシカルボニルオキシ)−エチルエステル、(メタ)アクリル酸3−(3−ヒドロキシ−2,2-ジメチル−プロポキシカルボニルオキシ)−プロピルエステル、(メタ)アクリル酸4−(3−ヒドロキシ−2,2-ジメチル−プロポキシカルボニルオキシ)−ブチルエステル、(メタ)アクリル酸5−(3−ヒドロキシ−2,2-ジメチル−プロポキシカルボニルオキシ)−ペンチルエステル、(メタ)アクリル酸6−(3−ヒドロキシ−2,2-ジメチル−プロポキシカルボニルオキシ)−ヘキシルエステルの如き(メタ)アクリル酸(3−ヒドロキシ−2,2-ジメチル−プロポキシカルボニルオキシ)−アルキルエステル;
(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシ−シクロヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシメチル−シクロヘキシルメチルエステル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシエチル−シクロヘキシルエチルエステル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルメチルエステル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルエチルエステル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−オクタヒドロ-4,7−メタノ−インデン−5−イルエステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシメチル−オクタヒドロ-4,7−メタノ−インデン−5−イルメチルエステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル−オクタヒドロ-4,7−メタノ−インデン−5−イルエチルエステル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−アダマンタン−1−イルエステル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシメチル−アダマンタン−1−イルメチルエステル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシエチル−アダマンタン−1−イルエチルエステルの如き脂環式構造を有する(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;
(メタ)アクリル酸1,2−ジヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸2,3−ジヒドロキシプロピルエステル、(メタ)アクリル酸1,3−ジヒドロキシプロピルエステル、(メタ)アクリル酸3,4−ジヒドロキシブチルエステル、(メタ)アクリル酸3−[3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシプロポキシ]−2−ヒドロキシプロピルエステルの如き(メタ)アクリル酸ジヒドロキシアルキルエステル等を挙げることができる。
これらの単量体(b1)のうち、共重合反応性および入手が容易である点から、(メタ)アクリル酸、こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピルエステル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルエステル、(メタ)アクリル酸2−(6−ヒドロキシヘキサノイルオキシ)エチルエステル、(メタ)アクリル酸2−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−プロポキシカルボニルオキシ)−エチルエステル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシメチル−シクロヘキシルメチルエステル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシメチル−アダマンタン−1−イルメチルエステル、(メタ)アクリル酸2,3−ジヒドロキシプロピルエステルが好ましい。
単量体(b1)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
単量体(b2)としては、例えば、
(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−メチルグリシジル、(メタ)アクリル酸−3,4−エポキシブチル、(メタ)アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、(メタ)アクリル酸2−グリシジルオキシエチル、(メタ)アクリル酸3−グリシジルオキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−グリシジルオキシブチルの如きグリシジル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;
o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、2,3−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,4−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,5−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,6−ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,4−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,5−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,6−トリグリシジルオキシメチルスチレン、3,4,5−トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,4,6−トリグリシジルオキシメチルスチレンの如きグリシジル基を有する芳香族ビニル化合物;
(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルプロピルの如きエポキシシクロヘキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;
1−ビニル−2,3−エポキシシクロヘキサン、1−ビニル−3,4−エポキシシクロヘキサンの如きエポキシシクロヘキシル基を有するビニル化合物;
その他下記式
Figure 2010066467
Figure 2010066467
Figure 2010066467
(式中、R16は水素原子またはメチル基を示し、R17はメチレン基または炭素数2〜12のアルキレン基を示す。)
で表される化合物を挙げることができる。
これらの単量体(b2)のうち、グリシジル基を有する(メタ)アクリル酸エステルは上記式(2−1)で表される繰り返し単位を与えることができ、グリシジル基を有する芳香族ビニル化合物は上記式(2−2)で表される繰り返し単位を与えることができ、エポキシシクロヘキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルは上記式(2−3)で表される繰り返し単位を与えることができ、エポキシシクロヘキシル基を有するビニル化合物は上記式(2−4)で表される繰り返し単位を与えることができる。
単量体(b2)は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
単量体(b3)としては、
5−(メタクリロイルオキシ)メチル−1,3−オキサチオラン−2−チオン、5−(メタクリロイルオキシ)エチル−1,3−オキサチオラン−2−チオン、5−(メタクリロイルオキシ)ブチル−1,3−オキサチオラン−2−チオン、5−(メタクリロイルオキシ)ペンチル−1,3−オキサチオラン−2−チオン、5−(メタクリロイルオキシ)ヘキシル−1,3−オキサチオラン−2−チオン、5−(メタクリロイルオキシ)ヘプチル−1,3−オキサチオラン−2−チオン、5−(メタクリロイルオキシ)オクチル−1,3−オキサチオラン−2−チオン、5−(メタクリロイルオキシ)ノニル−1,3−オキサチオラン−2−チオン、5−(メタクリロイルオキシ)デキル−1,3−オキサチオラン−2−チオン、5−(メタクリロイルオキシ)ウンデキル−1,3−オキサチオラン−2−チオン、5−(メタクリロイルオキシ)ドデキル−1,3−オキサチオラン−2−チオン、4,4−ジメチル−5−(メタクリロイルオキシ)メチル−1,3−オキサチオラン−2−チオン、5−(メタクリロイルオキシ)シクロオクチル−1,3−オキサチオラン−2−チオン、5−(メタクリロイルオキシ)ノルボルニル−1,3−オキサチオラン−2−チオン、5−(メタクリロイルオキシ)アダマンチル−1,3−オキサチオラン−2−チオン、5−(アクリロイルオキシ)メチル−1,3−オキサチオラン−2−チオン、5−(アクリロイルオキシ)エチル−1,3−オキサチオラン−2−チオン、5−(アクリロイルオキシ)ブチル−1,3−オキサチオラン−2−チオン、5−(アクリロイルオキシ)ペンチル−1,3−オキサチオラン−2−チオン、5−(アクリロイルオキシ)ヘキシル−1,3−オキサチオラン−2−チオン、5−(アクリロイルオキシ)ヘプチル−1,3−オキサチオラン−2−チオン、5−(アクリロイルオキシ)オクチル−1,3−オキサチオラン−2−チオン、5−(アクリロイルオキシ)ノニル−1,3−オキサチオラン−2−チオン、5−(アクリロイルオキシ)デキル−1,3−オキサチオラン−2−チオン、5−(アクリロイルオキシ)ウンデキル−1,3−オキサチオラン−2−チオン、5−(アクリロイルオキシ)ドデキル−1,3−オキサチオラン−2−チオン、4,4−ジメチル−5−(アクリロイルオキシ)メチル−1,3−オキサチオラン−2−チオン、その他上記単量体(b2)のオキシラニル基を5員環(ジチオ)カーボナート基に変換した化合物等を挙げることができる。
これらのうち、5−(メタクリロイルオキシ)メチル−1,3−オキサチオラン−2−チオンは、TCMAとして協和発酵工業株式会社より市販されている。
単量体(b3)は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
重合体(B1)の製造においては、単量体(b1)および単量体(b2)、あるいは単量体(b1)および単量体(b3)と共に、これらと共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体(以下、「単量体(b4)」ということがある。)を共重合することができる。
単量体(b4)としては、例えば、
マレイミド;
N−フェニルマレイミド、N−o−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−m−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−p−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(アクリジニル)マレイミドの如きN−位置換マレイミド;
スチレン、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、p−クロルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレンの如き芳香族ビニル化合物;
アセナフチレン、5−クロロアセナフチレン、5−ヒドロキシメチルアセナフチレン、5−ヒドロキシアセナフチレンの如きアセナフチレン類;
インデン、1−メチルインデンの如きインデン類;
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートの如き(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートの如き(メタ)アクリル酸の脂環族エステル;
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレートの如き(メタ)アクリル酸アリールエステル;
2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングルコール(n=2〜100)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングルコール(n=2〜100)メチルエーテル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールのエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレートの如きアルキレンオキサイド構造を有する(メタ)アクリル酸エステル;
アリル(メタ)アクリレート;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニルの如きカルボン酸ビニルエステル;
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルの如き他の不飽和エーテル;
(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデンの如きシアン化ビニル化合物;
(メタ)アクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドの如き不飽和アミド;
1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレンの如き脂肪族共役ジエン;
ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマー、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレートマクロモノマーの如き重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー等を挙げることができる。
単量体(b4)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明において、単量体(b4)としては、N−位置換マレイミド、芳香族ビニル化合物、アセナフチレン類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸の脂環族エステル、(メタ)アクリル酸アリールエステル、アリル(メタ)アクリレート、アルキレンオキサイド構造を有する(メタ)アクリル酸エステル、重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマーが好ましく、特にN−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、スチレン、α−メチルスチレン、アセナフチレン、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールのエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマーが好ましい。
重合体(B1)の製造において、単量体(b1)、単量体(b2)および単量体(b4)の共重合割合、あるいは単量体(b1)、単量体(b3)および単量体(b4)の共重合割合は、重合体(B1)中の反応性官能基および5員環(ジチオ)カーボナート基が所望の含有量になるよう、適宜設定することができる。
単量体(b1)、単量体(b2)および単量体(b4)の共重合体、あるいは単量体(b1)、単量体(b3)および単量体(b4)の共重合体は、例えば、各単量体を、適当な溶媒中、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のラジカル重合開始剤の存在下で重合することにより製造することができる。
また、単量体(b1)、単量体(b2)および単量体(b4)の共重合体、あるいは単量体(b1)、単量体(b3)および単量体(b4)の共重合体は、各単量体を、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のラジカル重合開始剤、およびピラゾール−1−ジチオカルボン酸シアノ(ジメチル)メチルエステル、ピラゾール−1−ジチオカルボン酸ベンジルエステル、テトラエチルチウラムジスルフィド、ビス(ピラゾール−1−イルチオカルボニル)ジスルフィド、ビス(3−メチル−ピラゾール−1−イルチオカルボニル)ジスルフィド、ビス(4−メチル−ピラゾール−1−イルチオカルボニル)ジスルフィド、ビス(5−メチル−ピラゾール−1−イルチオカルボニル)ジスルフィド、ビス(3,4,5−トリメチル−ピラゾール−1−イルチオカルボニル)ジスルフィド、ビス(ピロール−1−イルチオカルボニル)ジスルフィド、ビスチオベンゾイルジスルフィド等のイニファターとして作用する分子量制御剤の存在下、不活性溶媒中で、反応温度を、通常、0〜150℃、好ましくは50〜120℃として、リビングラジカル重合することによっても製造することができる。
さらに、単量体(b1)、単量体(b2)および単量体(b4)の共重合体、あるいは単量体(b1)、単量体(b3)および単量体(b4)の共重合体は、各単量体を、上記ラジカル重合開始剤、および連鎖移動剤として作用する多価チオール化合物の存在下、適当な溶媒中でラジカル重合することによっても製造することができる。ここで、多価チオール化合物とは、1分子中に2個以上のチオール基を有する化合物をいい、例えば、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、テトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレート)、1,4―ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,3,5,−トリス(3−メルカブトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン等を挙げることができる。
単量体(b1)、単量体(b2)および単量体(b4)の共重合体、あるいは単量体(b1)、単量体(b3)および単量体(b4)の共重合体は、上記のように各単量体を重合した後に、極性の異なる有機溶媒を2種以上用いる再沈殿法を経て精製することにより製造することができる。即ち、重合後の良溶媒中の溶液を、必要に応じてろ過あるいは遠心分離などによって不溶な不純物を除去したのち、大量(通常は、ポリマー溶液体積の5〜10倍量)の沈殿剤(貧溶媒)中に注いで、共重合体を再沈殿させることにより精製する。その際、共重合体溶液中に残っている不純物のうち、沈殿剤に可溶な不純物は液相に残り、精製された共重合体から分離される。
この再沈殿法に使用される良溶媒/沈殿剤の組み合わせとしては、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート/n−ヘキサン、メチルエチルケトン/n−ヘキサン、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート/n−ヘプタン、メチルエチルケトン/n−ヘプタン等を挙げることができる。
重合体(B1)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、溶出溶媒:テトラヒドロフラン)で測定したポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」ということがある。)は、好ましくは1,000〜45,000、さらに好ましくは3,000〜30,000である。この場合、Mwが1,000未満であると、得られる被膜の残膜率等が低下したり、パターン形状、耐熱性等が損なわれたり、また電気特性が悪化するおそれがあり、一方45,000を超えると、解像度が低下したり、パターン形状が損なわれたり、またスリットノズル方式による塗布時に乾燥異物が発生し易くなるおそれがある。
また、重合体(B1)のMwと、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、溶出溶媒:テトラヒドロフラン)で測定したポリスチレン換算数平均分子量(以下、「Mn」という。)の比(Mw/Mn)は、好ましくは1〜5、さらに好ましくは1〜4である。
感放射線性組成物(1)において、重合体(B1)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができ、さらに、例えば特開平7−140654号公報、特開平10−300922号公報、特開平11−174224号公報、特開平11−258415号公報、特開2000−56118号公報、特開2008−181095号公報等に開示されているバインダーポリマーやアルカリ可溶性樹脂に代表される他の重合体と混合して使用することもできる。
感放射線性組成物(1)において、重合体(B1)の含有量は、(A)着色剤100重量部に対して、通常、5〜1,000重量部、好ましくは10〜500重量部である。この場合、重合体(B1)の含有量が5重量部未満では、所望の効果が得られないおそれがあり、一方1,000重量部を超えると、相対的に顔料濃度が低下するため、薄膜として目的とする色濃度を達成することが困難となるおそれがある。
−重合体(B2)および重合体(B3)−
感放射線性組成物(2)における重合体(B2)および重合体(B3)は、ポストベーク工程の際、互いに架橋反応することにより塗膜の硬化をより強める成分である。また、重合体(B2)にカルボキシル基、酸無水物基、フェノール性水酸基等を導入することによりアルカリ可溶性を付与し、重合体(B2)をアルカリ可溶性樹脂とすることができる。感放射線性組成物(2)は、重合体(B2)と重合体(B3)を組み合わせて含有せしめることにより、低露光量であっても耐溶剤性に優れた着色層を形成することができる。
重合体(B2)は、前記の反応性官能基を有する限り特に限定されるものではないが、耐溶剤性の点から、重合体(B2)および重合体(B3)の総量に対して、0.03〜7.00ミリモル/gの反応性官能基を有することが好ましく、0.07〜5.00ミリモル/gの反応性官能基を有することがより好ましい。また、反応性官能基としては、アルカリ可溶性を付与するという意味においては、カルボキシル基が好ましい。
重合体(B2)としては、例えば、上記単量体(b1)に由来する繰り返し単位を有する重合体を挙げることができ、より具体的には、単量体(b1)と単量体(b4)の共重合体を挙げることができる。重合体(B2)は、単量体(b1)に由来する繰り返し単位を、重合体(B2)および重合体(B3)の総量に対して、3〜95モル%含有することが好ましく、7〜90モル%含有することがより好ましい。
重合体(B2)は、上述した単量体(b1)、単量体(b2)および単量体(b4)の共重合体等と同様に製造することができる。重合体(B2)においても、単量体(b1)および単量体(b4)としては、重合体(B1)と同様の化合物が好ましい。
また、重合体(B2)として、特開2008−181095号公報に開示されているアルカリ可溶性樹脂を挙げることができる。
重合体(B3)は、5員環(ジチオ)カーボナート基を有する限り特に限定されるものではないが、耐溶剤性の点から、重合体(B2)および重合体(B3)の総量に対して、0.001〜3.000ミリモル/gの5員環(ジチオ)カーボナート基を有することが好ましく、0.004〜2.000ミリモル/gの5員環(ジチオ)カーボナート基を有することがより好ましい。また、5員環(ジチオ)カーボナート基としては、例えば、上記式(1−1)〜(1〜2)で表される基を挙げることができる。
重合体(B3)としては、例えば、上記式(2−1)〜(2−4)で表される繰り返し単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位を有する重合体を挙げることができる。重合体(B3)は、上記式(2−1)〜(2−4)で表される繰り返し単位を、重合体(B2)および重合体(B3)の総量に対して、0.04〜60モル%含有することが好ましく、0.18〜45モル%含有することがより好ましい。
重合体(B3)は、単量体(b1)を共重合させないことを除いては、重合体(B1)と同様に製造することができる。重合体(B3)においても、単量体(b4)としては、重合体(B1)と同様の化合物が好ましい。
重合体(B2)および重合体(B3)のMwおよびMw/Mnは、重合体(B1)と同様の範囲が好ましい。
感放射線性組成物(2)において、重合体(B2)と重合体(B3)の混合比率は、重量比で95:5〜5:95であることが好ましく、90:10〜10:90であることがさらに好ましい。
また、感放射線性組成物(2)において、重合体(B2)と重合体(B3)の合計含有量は、(A)着色剤100重量部に対して、通常、5〜1,000重量部、好ましくは10〜500重量部である。この場合、重合体(B2)と重合体(B3)の合計含有量が5重量部未満では、所望の効果が得られないおそれがあり、一方1,000重量部を超えると、相対的に顔料濃度が低下するため、薄膜として目的とする色濃度を達成することが困難となるおそれがある。
−(C)多官能性単量体−
本発明における多官能性単量体は、2個以上の重合性不飽和結合を有する単量体である。
このような多官能性単量体としては、例えば、
エチレングリコール、プロピレングリコールの如きアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート;
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールの如きポリアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート;
グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールの如き3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレートやそのジカルボン酸変性物;
ポリエステル、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、シリコーン樹脂、スピラン樹脂の如きオリゴ(メタ)アクリレート;
両末端ヒドロキシポリ−1,3−ブタジエン、両末端ヒドロキシポリイソプレン、両末端ヒドロキシポリカプロラクトンの如き両末端ヒドロキシル重合体のジ(メタ)アクリレート;
トリス〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕フォスフェートや、
イソシアヌル酸エチレンオキシド変性トリアクリレート;
ウレタン構造を有するポリ(メタ)アクリレート
等を挙げることができる。
これらの多官能性単量体のうち、3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類やそれらのジカルボン酸変性物、並びにウレタン構造を有するポリ(メタ)アクリレートが好ましい。3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類やそれらのジカルボン酸変性物としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートとこはく酸とのモノエステル化物、ペンタエリスリトールトリメタクリレートとこはく酸とのモノエステル化物、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとこはく酸とのモノエステル化物、ジペンタエリスリトールペンタメタアクリレートとこはく酸とのモノエステル化物が好ましく、特に、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートとこはく酸とのモノエステル化物およびジペンタエリスリトールペンタアクリレートとこはく酸とのモノエステル化物が、着色層の強度が高く、着色層の表面平滑性に優れ、かつ未露光部の基板上および遮光層上に地汚れ、膜残り等を発生し難い点で好ましい。
前記多官能性単量体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明における多官能性単量体の含有量は、(A)着色剤100重量部に対して、通常、10〜1,000重量部、好ましくは20〜500重量部である。この場合、多官能性単量体の含有量が10重量部未満では、画素の強度や表面平滑性が低下する傾向があり、一方1,000重量部を超えると、例えば、アルカリ現像性が低下したり、未露光部の基板上あるいは遮光層上に地汚れ、膜残り等が発生しやすくなる傾向がある。
本発明においては、多官能性単量体の一部を、1個の重合性不飽和結合を有する単官能性単量体で置き換えることもできる。
前記単官能性単量体としては、例えば、こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕の如き2価以上の多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステル;ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートの如き両末端にカルボキシ基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート;N−ビニルサクシンイミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルフタルイミド、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−ε−カプロラクタム、N−ビニルピロール、N−ビニルピロリジン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルイミダゾリジン、N−ビニルインドール、N−ビニルインドリン、N−ビニルベンズイミダゾ−ル、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピペリジン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルモルフォリン、N−ビニルフェノキサジン等のN−ビニル含窒素複素環式化合物;N−(メタ)アクリロイルモルフォリンのほか、市販品として、M−5400、M−5600(商品名、東亞合成(株)製)等を挙げることができる。
これらの単官能性単量体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明における単官能性単量体の含有割合は、多官能性単量体と単官能性単量体の合計に対して、好ましくは90重量%以下、より好ましくは50重量%以下である。この場合、単官能性単量体の使用割合が90重量%を超えると、画素の強度や表面平滑性が低下する傾向がある。
−(D)光重合開始剤−
本発明における(D)光重合開始剤は、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等の放射線の露光により、前記(C)多官能性単量体および場合により使用される単官能性単量体の重合を開始しうる活性種を発生する化合物である。
このような光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物、O−アシルオキシム系化合物、オニウム塩系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、α−ジケトン系化合物、多核キノン系化合物、キサントン系化合物、ジアゾ系化合物、イミドスルホナート系化合物等を挙げることができる。
本発明において、光重合開始剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができるが、本発明における光重合開始剤としては、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物、O−アシルオキシム系化合物の群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
本発明において、光重合開始剤の一般的な含有量は、(C)多官能性単量体100重量部に対して、通常、0.01〜120重量部、好ましくは1〜100重量部である。この場合、光重合開始剤の含有量が0.01重量部未満では、露光による硬化が不十分となり、着色層パターンが所定の配列に従って配置されたカラーフィルタを得ることが困難となるおそれがあり、一方120重量部を超えると、形成された着色層が現像時に基板から脱落しやすくなる傾向がある。
本発明における好ましい光重合開始剤のうち、アセトフェノン系化合物の具体例としては、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、2−(4−メチルベンジル)−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシル・フェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1,2−オクタンジオン等を挙げることができる。
これらのアセトフェノン系化合物のうち、特に、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、2−(4−メチルベンジル)−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、1,2−オクタンジオン等が好ましい。
前記アセトフェノン系化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明において、光重合開始剤としてアセトフェノン系化合物を使用する場合の含有量は、(C)多官能性単量体100重量部に対して、通常、0.01〜85重量部、好ましくは1〜75重量部、さらに好ましくは1〜65重量部である。この場合、アセトフェノン系化合物の含有量が0.01重量部未満では、露光による硬化が不十分となり、着色層パターンが所定の配列に従って配置されたカラーフィルタを得ることが困難となるおそれがあり、一方85重量部を超えると、形成された着色層が現像時に基板から脱落しやすくなる傾向がある。
また、前記ビイミダゾール系化合物の具体例としては、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール等を挙げることができる。
これらのビイミダゾール系化合物のうち、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール等が好ましく、特に、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールが好ましい。
これらのビイミダゾール系化合物は、溶剤に対する溶解性に優れ、未溶解物、析出物等の異物を生じることがなく、しかも感度が高く、少ないエネルギー量の露光により硬化反応を十分進行させるとともに、未露光部で硬化反応が生じることがないため、露光後の塗膜は、現像液に対して不溶性の硬化部分と、現像液に対して高い溶解性を有する未硬化部分とに明確に区分され、それにより、アンダーカットのない着色層パターンが所定の配列に従って配置された高精細なカラーフィルタを形成することができる。
前記ビイミダゾール系化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明において、光重合開始剤としてビイミダゾール系化合物を使用する場合の含有量は、(C)多官能性単量体100重量部に対して、通常、0.01〜40重量部、好ましくは1〜30重量部、さらに好ましくは1〜20重量部である。この場合、ビイミダゾール系化合物の含有量が0.01重量部未満では、露光による硬化が不十分となり、着色層パターンが所定の配列に従って配置されたカラーフィルタを得ることが困難となるおそれがあり、一方40重量部を超えると、現像する際に、形成された着色層の基板からの脱落や着色層表面の膜あれを来しやすくなる傾向がある。
本発明においては、光重合開始剤としてビイミダゾール系化合物を用いる場合、下記する水素供与体を併用することが、感度をさらに改良することができる点で好ましい。
ここでいう「水素供与体」とは、露光によりビイミダゾール系化合物から発生したラジカルに対して、水素原子を供与することができる化合物を意味する。
本発明における水素供与体としては、下記で定義するメルカプタン系化合物、アミン系化合物等が好ましい。
前記メルカプタン系化合物は、ベンゼン環あるいは複素環を母核とし、該母核に直接結合したメルカプト基を1個以上、好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個有する化合物(以下、「メルカプタン系水素供与体」という。)からなる。
前記アミン系化合物は、ベンゼン環あるいは複素環を母核とし、該母核に直接結合したアミノ基を1個以上、好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個有する化合物(以下、「アミン系水素供与体」という。)からなる。
なお、これらの水素供与体は、メルカプト基とアミノ基とを同時に有することもできる。
以下、水素供与体について、より具体的に説明する。
メルカプタン系水素供与体は、ベンゼン環あるいは複素環をそれぞれ1個以上有することができ、またベンゼン環と複素環との両者を有することができ、これらの環を2個以上有する場合、縮合環を形成しても形成しなくてもよい。
また、メルカプタン系水素供与体は、メルカプト基を2個以上有する場合、少なくとも1個の遊離メルカプト基が残存する限りでは、残りのメルカプト基の1個以上がアルキル、アラルキルまたはアリール基で置換されていてもよく、さらには少なくとも1個の遊離メルカプト基が残存する限りでは、2個の硫黄原子がアルキレン基等の2価の有機基を介在して結合した構造単位、あるいは2個の硫黄原子がジスルフィドの形で結合した構造単位を有することができる。
さらに、メルカプタン系水素供与体は、メルカプト基以外の箇所で、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換アルコキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、置換フェノキシカルボニル基、ニトリル基等によって置換されていてもよい。
このようなメルカプタン系水素供与体の具体例としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−2,5−ジメチルアミノピリジン等を挙げることができる。
これらのメルカプタン系水素供与体のうち、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾールが好ましく、特に2−メルカプトベンゾチアゾールが好ましい。
また、アミン系水素供与体は、ベンゼン環あるいは複素環をそれぞれ1個以上有することができ、またベンゼン環と複素環との両者を有することができ、これらの環を2個以上有する場合、縮合環を形成しても形成しなくてもよい。
また、アミン系水素供与体は、アミノ基の1個以上がアルキル基または置換アルキル基で置換されてもよく、またアミノ基以外の箇所で、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換アルコキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、置換フェノキシカルボニル基、ニトリル基等によって置換されていてもよい。
このようなアミン系水素供与体の具体例としては、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノベンゾニトリル等を挙げることができる。
これらのアミン系水素供与体のうち、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましく、特に4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。
なお、アミン系水素供与体は、ビイミダゾール系化合物以外の光重合開始剤の場合においても、増感剤としての作用を有するものである。
本発明において、水素供与体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができるが、1種以上のメルカプタン系水素供与体と1種以上のアミン系水素供与体とを組み合わせて使用することが、形成された着色層が現像時に基板から脱落し難く、また着色層強度および感度も高い点で好ましい。
メルカプタン系水素供与体とアミン系水素供与体との組み合わせの具体例としては、2−メルカプトベンゾチアゾール/4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−メルカプトベンゾチアゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−メルカプトベンゾオキサゾール/4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−メルカプトベンゾオキサゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等を挙げることができ、さらに好ましい組み合わせは、2−メルカプトベンゾチアゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−メルカプトベンゾオキサゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンであり、特に好ましい組み合わせは、2−メルカプトベンゾチアゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンである。
メルカプタン系水素供与体とアミン系水素供与体との組み合わせにおけるメルカプタン系水素供与体とアミン系水素供与体との重量比は、通常、1:1〜1:4、好ましくは1:1〜1:3である。
本発明において、水素供与体をビイミダゾール系化合物と併用する場合の含有量は、(C)多官能性単量体100重量部に対して、好ましくは0.01〜40重量部、さらに好ましくは1〜30重量部、特に好ましくは1〜20重量部である。この場合、水素供与体の含有量が0.01重量部未満であると、感度の改良効果が低下する傾向があり、一方40重量部を超えると、形成された着色層が現像時に基板から脱落しやすくなる傾向がある。
なお、アミン系水素供与体は、アセトフェノン系化合物等のビイミダゾール系化合物以外の光重合開始剤と併用する場合には増感剤として機能することができる。アミン系水素供与体を増感剤として使用する場合、その含有量は、ビイミダゾール系化合物以外の光重合開始剤100重量部に対して、通常300重量部以下、好ましくは200重量部以下、さらに好ましくは100重量部以下であるが、かかる含有量が少なすぎると十分な効果が得難くなることから、含有量の下限を好ましくは2重量部、さらに好ましくは5重量部とするのが望ましい。
また、前記トリアジン系化合物の具体例としては、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−n−ブトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロメチル基を有するトリアジン系化合物を挙げることができる。
これらのトリアジン系化合物のうち、特に、2−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンが好ましい。
前記トリアジン系化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明において、光重合開始剤としてトリアジン系化合物を使用する場合の含有量は、(C)多官能性単量体100重量部に対して、好ましくは0.01〜40重量部、さらに好ましくは1〜30重量部、特に好ましくは1〜20重量部である。この場合、トリアジン系化合物の含有量が0.01重量部未満であると、露光による硬化が不十分となり、着色層パターンが所定の配列に従って配置されたカラーフィルタを得ることが困難となるおそれがあり、一方40重量部を超えると、形成された着色層が現像時に基板から脱落しやすくなる傾向がある。
また、前記O−アシルオキシム系化合物の具体例としては、1,2−ヘプタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−,2−(O−ベンゾイルオキシム)、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−,2−(O−ベンゾイルオキシム)、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(ベンゾイル)フェニル〕−,2−(O−ベンゾイルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(3−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−(9−エチル−6−ベンゾイル−9H−カルバゾール−3−イル)−、1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロピラニルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロフラニルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロピラニルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)ベンゾイル}−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロピラニルメトキシベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロピラニルメトキシベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)等を挙げることができる。
これらのO−アシルオキシム系化合物のうち、特に、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−,2−(O−ベンゾイルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)等が好ましい。
前記O−アシルオキシム系化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明において、光重合開始剤としてO−アシルオキシム系化合物を使用する場合の含有量は、(C)多官能性単量体100重量部に対して、好ましくは0.01〜85重量部、さらに好ましくは1〜75重量部、特に好ましくは1〜65重量部である。この場合、O−アシルオキシム系化合物の含有量が0.01重量部未満であると、露光による硬化が不十分となり、着色層パターンが所定の配列に従って配置されたカラーフィルタを得ることが困難となるおそれがあり、一方85重量部を超えると、形成された着色層が現像時に基板から脱落しやすくなる傾向がある。
−添加剤−
本発明の感放射線性組成物は、必要に応じて、種々の添加剤を含有することもできる。
添加剤としては、多官能エポキシ化合物を挙げることができる。多官能エポキシ化合物は、重合体(B1)が架橋反応した結果生じるスルファニル基、あるいは重合体(B2)と重合体(B3)が架橋反応した結果生じるスルファニル基と架橋反応することにより、塗膜の硬化をさらに強める。多官能エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールAエポキシ樹脂、水素化ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂、水素化ビスフェノールFエポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等の芳香族系エポキシ樹脂;脂環族系エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル系樹脂、グリシジルアミン系樹脂、エポキシ化油等の他のエポキシ樹脂;これらのエポキシ樹脂の臭素化誘導体のほか、ブタジエンの(共)重合体のエポキシ化物、イソプレンの(共)重合体のエポキシ化物、グリシジル基含有不飽和化合物の(共)重合体、トリグリシジルイソシアヌレート等を挙げることができる。
その他の添加剤としては、例えば、ガラス、アルミナ等の充填剤;ポリビニルアルコール、ポリ(フロオロアルキルアクリレート)類等の高分子化合物;ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤等の界面活性剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤;2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン類等の紫外線吸収剤;ポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤等を挙げることができる。
−溶媒−
本発明の感放射線性組成物は、前記(A)〜(D)成分、および任意的に加えられる他の成分を含有するものであるが、通常、溶媒を配合して液状組成物として調製される。
前記溶媒としては、感放射線性組成物を構成する(A)〜(D)成分や他の成分を分散または溶解し、かつこれらの成分と反応せず、適度の揮発性を有するものである限り、適宜に選択して使用することができる。
このような溶媒としては、例えば、
メタノール、エタノール、ベンジルアルコール等のアルコール類;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の他のエーテル類;
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、ジアセトンアルコール(4−ヒドロキシ−4−メチルペンタン−2−オン)、4−ヒドロキシ−4−メチルヘキサン−2−オン等のケトン類;
プロピレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセテート等のジアセテート類;
乳酸メチル、乳酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;
酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ぎ酸n−ペンチル、酢酸i−ペンチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピオン酸n−ブチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ヒドロキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、2−オキソ酪酸酸エチル等の他のエステル類;
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;
N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類
等を挙げることができる。
これらの溶媒のうち、溶解性、顔料分散性、塗布性等の観点から、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、プロピレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ぎ酸n−ペンチル、酢酸i−ペンチル、3−メトキシブチルアセテート、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、ピルビン酸エチル等が好ましい。
前記溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
さらに、前記溶媒と共に、ベンジルエチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、しゅう酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等の高沸点溶媒を併用することもできる。
前記高沸点溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
カラーフィルタ
本発明のカラーフィルタは、本発明の感放射線性組成物から形成された着色層を備えるものである。
以下に、本発明のカラーフィルタを形成する方法について説明する。
まず、基板の表面上に、必要に応じて、画素を形成する部分を区画するように遮光層(ブラックマトリックス)を形成し、この基板上に、例えば赤色の顔料が分散された感放射線性組成物の液状組成物を塗布したのち、プレベークを行って溶剤を蒸発させ、塗膜を形成する。次いで、この塗膜にフォトマスクを介して露光したのち、アルカリ現像液を用いて現像して、塗膜の未露光部を溶解除去し、その後ポストベークすることにより、赤色の画素パターンが所定の配列で配置された画素アレイを形成する。
その後、緑色または青色の顔料が分散された各感放射線性組成物の液状組成物を用い、前記と同様にして、各液状組成物の塗布、プレベーク、露光、現像およびポストベークを行って、緑色の画素アレイおよび青色の画素アレイを同一基板上に順次形成することにより、赤色、緑色および青色の三原色の画素アレイが基板上に配置されたカラーフィルタを得る。但し、本発明においては、各色の画素を形成する順序は、前記のものに限定されない。
ブラックマトリックスは、本発明の感放射線性組成物を用い、前記画素の形成の場合と同様にして形成することができる。
画素を形成する際に使用される基板としては、例えば、ガラス、シリコン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等を挙げることができる。
また、これらの基板には、所望により、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の適宜の前処理を施しておくこともできる。
感放射線性組成物の液状組成物を基板に塗布する際には、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法)、スリットダイ塗布法、バー塗布法、インクジェット法等の適宜の塗布法を採用することができるが、特に、スピンコート法、スリットダイ塗布法が好ましい。
塗布厚さは、乾燥後の膜厚として、通常、0.1〜10μm、好ましくは0.2〜8.0μm、特に好ましくは0.2〜6.0μmである。
画素を形成する際に使用される放射線としては、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を使用することができるが、波長が190〜450nmの範囲にある放射線が好ましい。
放射線の露光量は、一般的には10〜10,000J/m2である。
また、前記アルカリ現像液としては、例えば、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等の水溶液が好ましい。
前記アルカリ現像液には、例えばメタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。なお、アルカリ現像後は、通常、水洗する。
現像処理法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。現像条件は、常温で5〜300秒が好ましい。
このようにして得られる本発明のカラーフィルタは、耐溶剤性に優れ、高精細なカラー液晶表素子、カラー撮像管素子、カラーセンサー等に極めて有用である。
カラー液晶表示素子
本発明のカラー液晶表示素子は、本発明のカラーフィルタを具備するものである。
本発明のカラー液晶表示素子は、適宜の構造をとることができる。例えば、カラーフィルタを、薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板とは別の基板上に形成して、駆動用基板とカラーフィルタを形成した基板とが、液晶層を介して対向した構造をとることができ、さらに薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板の表面上にカラーフィルタを形成した基板と、ITO(錫をドープした酸化インジュウム)電極を形成した基板とが、液晶層を介して対向した構造をとることもできる。後者の構造は、開口率を格段に向上させることができ、明るく高精細な液晶表示素子が得られるという利点を有する。
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
顔料分散液の調製
調製例1
(A)着色剤としてC.I.ピグメントレッド254(チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名BK−CF)/C.I.ピグメントレッド177=80/20(重量比)混合物20重量部、分散剤としてDisperbyk−2001を5重量部(固形分換算)、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを固形分濃度が25%となるよう用いて、ビーズミルにより処理して、顔料分散液(R)を調製した。
調製例2
(A)着色剤としてC.I.ピグメントグリーン58/C.I.ピグメントイエロー150=50/50(重量比)混合物20重量部、分散剤としてソルスパース24000を5重量部、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート75重量部を、ビーズミルにより処理して、顔料分散液(G)を調製した。
調製例3
(A)着色剤としてC.I.ピグメントブルー15:6/C.I.ピグメントバイオレット23=90/10(重量比)混合物20重量部、分散剤としてソルスパース24000を5重量部、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート75重量部を、ビーズミルにより処理して、顔料分散液(B)を調製した。
重合体の合成
合成例1
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル3重量部、シクロヘキサノン200重量部を仕込み、引き続きメタクリル酸15重量部、5−(メタクリロイルオキシ)メチル−1,3−オキサチオラン−2−チオン15重量部、n−ブチルメタクリレート10重量部、ベンジルメタクリレート60重量部、および分子量調節剤としてα−メチルスチレンダイマー3重量部を仕込んで、窒素置換した。その後ゆるやかに撹拌して、反応溶液の温度を80℃に上昇させ、この温度を5時間保持して重合することにより、重合体溶液を得た。この重合体を「重合体(B−1)」とする。
合成例2
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル3重量部、シクロヘキサノン200重量部を仕込み、引き続きメタクリル酸15重量部、5−(メタクリロイルオキシ)メチル−1,3−オキサチオラン−2−チオン15重量部、n−ブチルメタクリレート10重量部、N−フェニルマレイミド20重量部、スチレン10重量部、ベンジルメタクリレート30重量部、および分子量調節剤としてα−メチルスチレンダイマー3重量部を仕込んで、窒素置換した。その後ゆるやかに撹拌して、反応溶液の温度を80℃に上昇させ、この温度を5時間保持して重合することにより、重合体溶液を得た。この重合体を「重合体(B−2)」とする。
合成例3
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル3重量部、シクロヘキサノン200重量部を仕込み、引き続きメタクリル酸15重量部、5−(メタクリロイルオキシ)メチル−1,3−オキサチオラン−2−チオン15重量部、n−ブチルメタクリレート10重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート20重量部、ベンジルメタクリレート40重量部、および分子量調節剤としてα−メチルスチレンダイマー3部を仕込んで、窒素置換した。その後ゆるやかに撹拌して、反応溶液の温度を80℃に上昇させ、この温度を5時間保持して重合することにより、重合体溶液を得た。この重合体を「重合体(B−3)」とする。
合成例4
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル3重量部、シクロヘキサノン200重量部を仕込み、引き続きメタクリル酸15重量部、5−(メタクリロイルオキシ)メチル−1,3−オキサチオラン−2−チオン15重量部、n−ブチルメタクリレート10重量部、N−フェニルマレイミド20重量部、スチレン10重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート20重量部、ベンジルメタクリレート10重量部、および分子量調節剤としてα−メチルスチレンダイマー3重量部を仕込んで、窒素置換した。その後ゆるやかに撹拌して、反応溶液の温度を80℃に上昇させ、この温度を5時間保持して重合することにより、重合体溶液を得た。この重合体を「重合体(B−4)」とする。
合成例5
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル3重量部、シクロヘキサノン200重量部を仕込み、引き続き5−(メタクリロイルオキシ)メチル−1,3−オキサチオラン−2−チオン15重量部、n−ブチルメタクリレート10重量部、N−フェニルマレイミド20重量部、スチレン10重量部、ベンジルメタクリレート45重量部、および分子量調節剤としてα−メチルスチレンダイマー3重量部を仕込んで、窒素置換した。その後ゆるやかに撹拌して、反応溶液の温度を80℃に上昇させ、この温度を5時間保持して重合することにより、重合体溶液を得た。この重合体を「重合体(B−5)」とする。
合成例6
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル3重量部、シクロヘキサノン200重量部を仕込み、引き続きメタクリル酸15重量部、n−ブチルメタクリレート10重量部、N−フェニルマレイミド20重量部、スチレン10重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート20重量部、ベンジルメタクリレート25重量部、および分子量調節剤としてα−メチルスチレンダイマー3重量部を仕込んで、窒素置換した。その後ゆるやかに撹拌して、反応溶液の温度を80℃に上昇させ、この温度を5時間保持して重合することにより、重合体溶液を得た。この重合体を「重合体(B−6)」とする。
実施例1
感放射線性組成物の調製
(A)着色剤として顔料分散液(R)100重量部、重合体(B−1)20重量部(固形分換算)、(C)多官能性単量体としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート10重量部とトリメチロールプロパントリアクリレート5重量部、(D)光重合開始剤として2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン5重量部と4、4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン3重量部、溶媒としてシクロヘキサノンを混合して、固形分濃度25%の液状組成物を調製した。
得られた感放射線性組成物について、下記の手順にしたがって評価を行った。評価結果を表2に示す。
耐溶剤性評価
得られた液状組成物を、表面にナトリウムイオンの溶出を防止するSiO2膜が形成されたソーダガラス基板に、スピンコーターを用いて塗布したのち、90℃のホットプレート上で4分間プレベークを行って、プレベーク後の膜厚が2.5μmとなる5枚の塗膜を形成した。
次いで、これらの基板を室温に冷却したのち、高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介して、塗膜に365nm、405nmおよび436nmの各波長を含む放射線を500、750、1,000J/m2の露光量で露光した。その後、これらの基板に対して23℃の0.04重量%水酸化カリウム水溶液からなる現像液を現像圧1kgf/cm2(ノズル径1mm)で吐出することにより、1分間シャワー現像を行ったのち、さらに220℃で30分間ポストベークを行って、基板上に200×200μmのドットパターンを形成した。
得られた基板を、60℃のN−メチルピロリドンに30分間浸漬した。その結果、浸漬前後での膜厚比(浸漬後の膜厚×100/浸漬前の膜厚)が95%以上であり且つ浸漬後のN−メチルピロリドンが全く着色しなかった場合を○、浸漬前後での膜厚比が95%未満であるかあるいは浸漬後のN−メチルピロリドンが若干着色した場合を△、浸漬後にクラックが発生したり基板から剥離したりする画素パターンが観察された場合を×、として評価した。
密着性評価
得られた液状組成物を、ガラス基板の表面上に、スピンコーターを用いて塗布したのち、90℃で4分間プレベークを行って、膜厚1.3μmの塗膜を形成した。次いで、この基板を室温に冷却したのち、高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介さずに、塗膜に365nm、405nmおよび436nmの各波長を含む放射線を2,000J/m2の露光量で露光した。その後、塗膜に23℃の0.04重量%水酸化カリウム水溶液を1kgf/cm2の現像圧(ノズル径1mm)で吐出することにより、1分間シャワー現像を行ったのち、220℃で30分間ポストベークを行った。次いで、JIS K5400規格にしたがい、硬化膜を100個の碁盤目状にクロスカットして、密着性評価を行い、碁盤目の剥がれが生じない場合を○、碁盤目のうち1〜10個が剥がれる場合を△、碁盤目が10個より多く剥がれる場合を×として、評価した。
実施例2〜25および比較例1〜5
実施例1において、表1に示すように各成分の種類および含有量(重量部)を変更した以外は実施例1と同様にして、感放射線性組成物を調製した。
次いで、得られた感放射線性組成物を用いて、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表2に示す。
表1において、各成分は下記のとおりである。
C−1:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
C−2:トリメチロールプロパントリアクリレート
D−1:2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン(商品名イルガキュア907、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)
D−2:エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)(商品名IRGACURE OX02、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)
D−3:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン(商品名イルガキュア369、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)
D−4:2,4−ジエチルチオキサントン
D−5:4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
E−1:ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(商品名157S65、ジャパンエポキシレジン(株)製)
Figure 2010066467
Figure 2010066467
表1および表2から明らかなように、重合体(B1)、[(B−1)〜(B−4)]または重合体(B2)および重合体(B3)との組み合せ[(B−5)〜(B−6)]を配合した感放射線性組成物を用いて形成された塗膜は、低露光量であっても耐溶剤性に優れており、基板との密着性も優れている。

Claims (6)

  1. (A)着色剤、(B1)カルボキシル基、酸無水物基および水酸基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基と、5員環(ジチオ)カーボナート基とを有する重合体、(C)多官能性単量体、並びに(D)光重合開始剤を含有することを特徴とする、着色層形成用感放射線性組成物。
  2. (A)着色剤、(B2)カルボキシル基、酸無水物基および水酸基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有し、5員環(ジチオ)カーボナート基を有さない重合体、(B3)5員環(ジチオ)カーボナート基を有し、カルボキシル基、酸無水物基および水酸基のいずれをも有さない重合体、(C)多官能性単量体、並びに(D)光重合開始剤を含有することを特徴とする、着色層形成用感放射線性組成物。
  3. 5員環(ジチオ)カーボナート基が下記式(1−1)または(1−2)で表される基である請求項1または2に記載の着色層形成用感放射線性組成物。
    Figure 2010066467
    (式(1−1)において、R1〜R3は相互に独立に水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示し、式(1−1)および式(1−2)において、「*」は結合手であることを示す。)
  4. 5員環(ジチオ)カーボナート基が下記式(2−1)〜(2−4)で表される繰り返し単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位により導入される、請求項3に記載の着色層形成用感放射線性組成物。
    Figure 2010066467
    (式中、R1〜R3は式(1−1)におけるR1〜R3と同義であり、R4、R9およびR11は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示し、R5はメチレン基または炭素数2〜12のアルキレン基を示し、R10は単結合、メチレン基または炭素数2〜12のアルキレン基を示し、R6〜R8は相互に独立に水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示し、mは0または1を示し、nは1〜5の整数を示す。)
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の着色層形成用感放射線性組成物を用いて形成された着色層を備えてなるカラーフィルタ。
  6. 請求項5に記載のカラーフィルタを具備するカラー液晶表示素子。
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