JP2010066282A - 感光性樹脂組成物、感光性フィルム、永久マスクレジスト及びその製造方法 - Google Patents

感光性樹脂組成物、感光性フィルム、永久マスクレジスト及びその製造方法 Download PDF

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聡 大友
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秀一 板垣
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Abstract

【課題】可とう性、耐めっき性、耐熱性、解像性及び耐薬品性に優れる永久マスクレジストを形成することができる感光性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】(A)酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂と、(B)(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルを構成モノマーとして含むバインダーポリマーと、(C)光重合性化合物と、(D)光重合開始剤と、を含有する感光性樹脂組成物であって、(A)酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂が、(a1)ノボラック型エポキシ樹脂及びトリスフェノールメタン型エポキシ樹脂の一方又は双方を含むエポキシ樹脂と(a2)ビニル基含有モノカルボン酸とを反応させて得られる樹脂と、(a3)多塩基酸無水物と、を反応させて得られる樹脂を含有するものである、感光性樹脂組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物、感光性フィルム、永久マスクレジスト及びその製造方法に関する。
液状またはフィルム状の感光性樹脂組成物は、プリント配線板の製造に用いられており、例えば、銅張積層板の銅箔をエッチングする際のレジスト形成に用いられている。また、配線の形成されたプリント配線板において、はんだ付け位置の限定及び配線の保護等のためのレジストの形成に用いられている。
プリント配線板には、カメラ等の小型機器に折り曲げて組み込める事が可能なフィルム状のものが有り、これはフレキシブルプリント配線板(以下、場合により「FPC」という。)と呼ばれている。このFPCにも、はんだ付け位置の限定及び配線の保護の為にレジストが必要であり、そのレジストは、カバーレイまたはカバーコートと呼ばれている。
カバーレイは、接着層を有するポリイミドやポリエステルフィルムを所定の型に打ち抜いた後、FPC上に熱圧着等で形成されるのが一般的である。また、カバーコートは、熱硬化や光硬化性のインクを印刷、硬化させて形成されるのが一般的である。
FPCのはんだ付け位置の限定及び配線保護の目的に用いられるレジストには、可とう性が要求される。このため、可とう性に優れるポリイミド製のカバーレイが多く用いられている。
しかし、従来のカバーレイは、型抜きの為に高価な金型が必要であるうえに、型抜きしたフィルムを人手によって張り合わせる作業が必要となること、さらに接着剤のはみ出し等のため歩留まりが悪いことから、製造コストが高くなり、FPC市場拡大の障害となっている。さらに、近年の配線の高密度化に対応する事が困難となっている。
そこで、写真現像法(イメージ露光後、現像により画像を形成する方法)で、寸法精度、解像性に優れた高精度、高信頼性のレジストを形成することができる感光性樹脂組成物の開発が求められている。
こうした要求に応えるため、永久マスクレジスト形成用の感光性樹脂組成物を用いることが試みられてきた。かかる永久マスクレジスト形成用の感光性樹脂組成物として、例えば、アクリル系ポリマー及び光重合性モノマーを主成分とする難燃性の感光性樹脂組成物(例えば、特許文献1及び2)、エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化剤を主成分とする耐熱性の感光性樹脂組成物(例えば、特許文献3)、主鎖にカルコン基を有する感光性エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化剤を主成分とする高安定性の感光性樹脂組成物(例えば、特許文献4)、エポキシ基を有するノボラック型エポキシアクリレート及び光重合性開始剤を主成分とし、硬化性、耐溶剤性、耐めっき性等に優れる感光性樹脂組成物(例えば、特許文献5)、カルボキシル基含有ポリマー、単量体、光重合性開始剤及び熱硬化性樹脂などを含有し、安定性、経済性等に優れアルカリ水溶液で現像可能な感光性樹脂組成物(例えば、特許文献6〜9)などが提案されてきた。
特開昭53−56018号公報 特開昭54−1018号公報 特開昭54−82073号公報 特開昭58−62636号公報 特開昭61−272号公報 特開昭48−73148号公報 特開昭57−178237昭号公報 特開昭58−42040号公報 特開昭59−151152号公報
しかしながら、これらの感光性樹脂組成物によって形成される永久マスクレジストは、可とう性、耐めっき性、耐熱性及び耐薬品性などの特性を十分に満足することが困難であり、かかる特性の向上が求められている。また、特にFPC用の永久マスクレジストとして用いる場合において、かかる特性の向上が強く求められている。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、可とう性、耐めっき性、耐熱性、解像性及び耐薬品性に優れる永久マスクレジストを形成することができる感光性樹脂組成物、かかる感光性樹脂組成物を備える感光性フィルム、かかる感光性樹脂組成物から形成される永久マスクレジスト及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、(A)酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂と、(B)(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルを構成モノマーとして含むバインダーポリマーと、(C)光重合性化合物と、(D)光重合開始剤と、を含有する感光性樹脂組成物であって、(A)酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂が、(a1)下記一般式(1)で表されるノボラック型エポキシ樹脂及び下記一般式(2)で表されるトリスフェノールメタン型エポキシ樹脂の一方又は双方を含むエポキシ樹脂と(a2)ビニル基含有モノカルボン酸とを反応させて得られる樹脂と、(a3)多塩基酸無水物と、を反応させて得られる樹脂を含有するものである、感光性樹脂組成物を提供する。
Figure 2010066282

[式(1)中、Xは水素原子又はグリシジル基を示し、rは0〜3の整数を示し、nは1以上の整数を示す。なお、複数存在するXは同一でも異なっていてもよく、X全体の水素原子/グリシジル基のモル比は0/100〜70/30である。]
Figure 2010066282

[式(2)中、Yは水素原子又はグリシジル基を示し、sは0〜3の整数を示し、mは1以上の整数を示す。なお、複数存在するYは同一でも異なっていてもよく、Y全体の水素原子/グリシジル基のモル比は0/100〜70/30である。]
かかる感光性樹脂組成物によれば、上記構成を有することにより、可とう性、耐めっき性、耐熱性、解像性及び耐薬品性に優れた永久マスクレジストを形成できる感光性樹脂組成物を得ることができる。
本発明はまた、支持体と、該支持体上に設けられた上記本発明の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層とを備える感光性フィルムを提供する。
かかる感光性フィルムは、感光性樹脂組成物層が上記本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成された層であるため、可とう性、耐めっき性、耐熱性、解像性及び耐薬品性に優れる永久マスクレジストを形成することができる。
本発明はまた、上記本発明の感光性樹脂組成物を光照射により硬化させてなる永久マスクレジストを提供する。かかる永久マスクレジストは、上記効果を奏する本発明の感光性樹脂組成物を硬化させてなるものであるため、可とう性、耐めっき性、耐熱性、解像性及び耐薬品性に優れる。
本発明はまた、基板上に上記本発明の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を積層する積層工程と、活性光線を感光性樹脂組成物層の所定部分に照射して、感光性樹脂組成物層に光硬化部を形成させる露光工程と、感光性樹脂組成物層の光硬化部以外の部分を除去する現像工程とを含む製造方法によって、永久マスクレジストを形成する方法を提供する。かかる製造方法によれば、上記効果を奏する本発明の感光性樹脂組成物を用いているため、可とう性、耐めっき性、耐熱性、解像性及び耐薬品性に優れ、フレキシブルプリント配線板に好適に使用できる永久マスクレジストを製造することができる。
本発明によれば、可とう性、耐めっき性、耐熱性、解像性及び耐薬品性に優れる永久マスクレジストを形成できる感光性樹脂組成物、かかる感光性樹脂組成物を備える感光性フィルム、かかる感光性樹脂組成物から形成される永久マスクレジスト及びその製造方法を提供することができる。
以下、場合により図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。なお、本明細書における(メタ)アクリル酸とはアクリル酸及びそれに対応するメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとはアクリレート及びそれに対応するメタクリレートを意味し、(メタ)アクリロイルとはアクリロイル及びそれに対応するメタクリロイルを意味する。
図1は、本発明の感光性フィルムの好適な一実施形態を示す模式断面図である。感光性フィルム1は、支持体10と、支持体10上に設けられる感光性樹脂組成物層20と、感光性樹脂組成物層20上に設けられる保護フィルム30とを備える。
感光性樹脂組成物層20は感光性樹脂組成物からなる。感光性樹脂組成物は、(A)酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂と、(B)(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルを構成モノマーとして含むバインダーポリマーと、(C)光重合性化合物と、(D)光重合開始剤と、を含有する感光性樹脂組成物であって、(A)酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂が、(a1)上記一般式(1)で表されるノボラック型エポキシ樹脂及び上記一般式(2)で表されるトリスフェノールメタン型エポキシ樹脂の一方又は双方を含むエポキシ樹脂と(a2)ビニル基含有モノカルボン酸とを反応させて得られる樹脂と、(a3)多塩基酸無水物と、を反応させて得られる樹脂を含有するものである、感光性樹脂組成物である。
(A)酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂、すなわち(A)成分は次の二段階の反応によって得ることができる。最初の反応(以下、便宜的に「第一の反応」という。)では、(a1)上記一般式(1)で表されるノボラック型エポキシ樹脂及び上記一般式(2)で表されるトリスフェノールメタン型エポキシ樹脂の一方又は双方を含むエポキシ樹脂、すなわち(a1)成分と、(a2)ビニル基含有モノカルボン酸とを反応させる。この第一の反応では、(a1)成分のエポキシ基と(a2)ビニル基含有モノカルボン酸のカルボキシル基との付加反応によって、水酸基が生成する。
(a1)成分のうち、上記一般式(1)で示されるノボラック型エポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂があり、これらの樹脂は、フェノールノボラック樹脂又はクレゾールノボラック樹脂とエピクロルヒドリンとを反応させる公知の方法で得ることができる。
(a1)成分のうち、上記一般式(2)で示されるトリスフェノールメタン型エポキシ樹脂は、市販のものを購入して入手することができる。具体的には、FAE−2500、EPPN−501H、EPPN−502H(以上、日本化薬(株)製、商品名)等が挙げられる。
(a2)ビニル基含有モノカルボン酸としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸の二量体、メタクリル酸、β−フルフリルアクリル酸、β−スチリルアクリル酸、桂皮酸、クロトン酸、α−シアノ桂皮酸等を用いることができる。また、(a2)ビニル基含有モノカルボン酸として、水酸基含有アクリレートと飽和又は不飽和基含有二塩基酸無水物との反応生成物である半エステル化合物、及びビニル基含有モノグリシジルエーテル又はビニル基含有モノグリシジルエステルと飽和又は不飽和基含有二塩基酸無水物との反応生成物である半エステル化合物を用いることもできる。ここで、半エステル化合物とは、例えば2個のカルボキシル基のうち、一方だけがエステル化された化合物をいう。これらは単独で、又は二種類以上組み合わせて用いることができる。
半エステル化合物は、水酸基含有アクリレート、あるいはビニル基含有モノグリシジルエーテル又はビニル基含有モノグリシジルエステルと、飽和又は不飽和基含有二塩基酸無水物とを等モル比で反応させることによって得ることができる。
水酸基含有アクリレートとしては、例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、グリシジルアクリレート及びグリシジルメタクリレート等を用いることができる。
ビニル基含有モノグリシジルエーテル又はビニル基含有モノグリシジルエステルとしては、グリシジル(メタ)アクリレート等を用いることができる。
飽和又は不飽和基含有二塩基酸無水物としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、エチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水イタコン酸等を用いることができる。
第一の反応は、(a1)成分のエポキシ基1当量に対して、(a2)ビニル基含有モノカルボン酸が0.3〜1.05当量となる比率で行うことが好ましく、0.7〜1.0当量となる比率で行うことがより好ましい。
第一の反応は、(a1)成分及び(a2)ビニル基含有モノカルボン酸の双方を、有機溶剤に溶かして行うことができる。有機溶剤としては、例えば、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート等のエステル類、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、及びソルベントナフサ等の石油系溶剤等を用いることができる。
第一の反応において、反応促進のために触媒を用いることが好ましい。触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ベンジルメチルアミン、メチルトリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムアイオダイド、トリフェニルホスフィン等を用いることができる。触媒の使用量は、(a1)成分と(a2)ビニル基含有モノカルボン酸の合計100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましい。
第一の反応において、(a1)成分同士又は(a2)ビニル基含有モノカルボン酸同士、あるいは(a1)成分と(a2)ビニル基含有モノカルボン酸との重合を防止するため、重合防止剤を使用することが好ましい。
重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、カテコール、ピロガロール等を用いることができる。
重合防止剤の使用量は、(a1)成分及び(a2)ビニル基含有モノカルボン酸の合計100質量部に対して、0.01〜1質量部とすることが好ましい。第一の反応の反応温度は、60〜150℃が好ましく、80〜120℃がより好ましい。
第一の反応では、(a1)成分及び(a2)ビニル基含有モノカルボン酸の他に、必要に応じて無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の多塩基酸無水物及びフェノール誘導体等を用いることができる。
なお、(a1)成分は、本発明の効果が損なわれない範囲で、一般式(1)で表されるノボラック型エポキシ樹脂及び一般式(2)で表されるトリスフェノールメタン型エポキシ樹脂以外の他のエポキシ樹脂を含んでいても良い。
第一の反応に続いて行われる反応(以下、便宜的に「第二の反応」という。)では、第一の反応で得られた樹脂と、(a3)多塩基酸無水物とが反応する。(a3)多塩基酸無水物としては、飽和基及び不飽和基の一方又は双方を含有する多塩基酸無水物を用いることができる。第二の反応では、第一の反応によって生成した水酸基、及び(a1)成分に元来あった水酸基と、(a3)多塩基酸無水物の酸無水物基とが半エステル反応していると推察される。
(a3)多塩基酸無水物としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、エチルヘキサヒドロ無水フタル酸、及び無水イタコン酸等を用いることができる。
第二の反応では、第一の反応によって得られる樹脂中の水酸基1当量に対して、0.1〜1.0当量の(a3)多塩基酸無水物を反応させる。反応させる(a3)多塩基酸無水物の量を変えることによって、生成する(A)成分の酸価を調整することができる。
(A)成分の酸価は、30〜180mgKOH/gであることが好ましく、50〜150mgKOH/gであることがより好ましく、60〜120mgKOH/gであることがさらに好ましい。酸価が30mgKOH/g未満の場合、感光性樹脂組成物の希アルカリ溶液への溶解性が低下する傾向があり、酸価が180mgKOH/gを超えると硬化後において基板等への密着性が低下する傾向がある。第二の反応の反応温度は60〜120℃が好ましい。
(A)成分の重量平均分子量は、特に制限されるものではないが、感光性樹脂組成物層20と支持体10との粘着性、すなわちタック性と、(B)成分との相溶性とを良好にする観点から、3,000〜50,000であることが好ましく、4,000〜30,000であることがより好ましく、4,500〜25,000であることがさらに好ましい。(A)成分の重量平均分子量が3,000未満では、タック性が強くなる傾向にあり、50,000を超えると(B)成分との相溶性が低下する傾向がある。
(A)酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂としては、CCR−1218H、CCR−1159H、CCR−1222H、PCR−1191H、TCR−1335H等(以上、日本化薬(株)製、商品名)などの市販品を入手することができる。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物を作製する場合、(A)成分の固形分の割合が、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の固形分総量に対して10〜70質量%であることが好ましく、20〜60質量%であることがより好ましく、30〜50質量%であることがさらに好ましい。(A)成分の固形分の割合が10質量%未満であると、感光性樹脂組成物を基板上に積層する際の加熱時に樹脂の軟化が発生し、ジグ貼り付き不具合が発生する傾向がある。一方、(A)成分の固形分の割合が70質量%を超えると、形成される永久マスクレジストの可とう性が悪化する傾向がある。
なお、(A)成分は、本発明の効果が損なわれない限り、上記の第一の反応及び第二の反応によって得られる樹脂以外の酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂を含有していてもよい。
(B)(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルを構成モノマーとして含むバインダーポリマー、すなわち(B)成分は、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む構成モノマーをラジカル重合させることにより製造することができる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、下記一般式(3)で表される化合物や、この化合物のアルキル基がヒドロキシル基、エポキシ基、ハロゲン等で置換されたものが挙げられる。
Figure 2010066282
上記一般式(3)中、Rは水素原子又はメチル基、Rは炭素数1〜12のアルキル基を示す。Rで表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、及びこれらの構造異性体が挙げられる。
上記一般式(3)で表される化合物として、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸プロピルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ノニルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステル、(メタ)アクリル酸ウンデシルエステル、及び(メタ)アクリル酸ドデシルエステルを用いることができる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
耐めっき性の観点から、上記一般式(3)で表される化合物として、Rが炭素数4〜12のアルキル基を含むことが好ましい。
(B)成分は、(メタ)アクリル酸でもなく(メタ)アクリル酸アルキルエステルでもない構成モノマーを含んでいても良い。(メタ)アクリル酸でもなく(メタ)アクリル酸アルキルエステルでもない構成モノマーとしては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のα−位又は芳香族環において置換されている重合可能なスチレン誘導体、ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド、アクリロニトリル、ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、及びプロピオール酸などを用いることができる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(B)成分のカルボキシル基を含有する構成モノマーの比率は、(B)成分の全構成モノマーの15〜50モル%であることが好ましい。該比率が、15モル%未満になると感光性樹脂組成物のアルカリ現像性が低下する傾向があり、50モル%を超えると永久マスクレジストのパターン形成が困難となる傾向がある。
(B)成分は、感光性樹脂組成物のアルカリ現像性を良好にする観点から、アルカリ水溶液に可溶又は膨潤可能であることが好ましい。
(B)成分の重量平均分子量は、特に制限されるものではないが、感光性樹脂組成物の良好なアルカリ現像性と、硬化後の永久マスクレジストの良好な機械強度とを両立させる観点から、20,000〜300,000であることが好ましく、30,000〜150,000であることがより好ましく、40,000〜100,000であることがさらに好ましい。重量平均分子量が20,000未満では感光性樹脂組成物のフィルム形成性が低下する傾向があり、300,000を超えると現像時間が長くなる傾向がある。
なお、本発明における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定し、標準ポリスチレンを用いて作成した検量線で換算することによって得ることができる。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物を作製する場合、(B)成分の固形分の割合が、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の固形分総量に対して、20〜80質量%であることが好ましく、25〜65質量%であることがより好ましく、30〜60質量%であることがさらに好ましい。(B)成分の固形分の割合が20質量%未満であるとアルカリ現像性の低下や、感光性フィルムとした場合に感光性樹脂組成物層が柔らかくなってフィルム端面からのしみ出しが発生する傾向があり、80質量%を超えると感光性樹脂組成物を基板上に積層して加熱する時に樹脂の軟化が発生し、ジグ貼り付き不具合が発生する傾向がある。
(C)光重合性化合物、すなわち(C)成分は、分子内に少なくとも一つのエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物であり、例えば、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物等を用いることができる。特に制限はないが、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物のうち、感光性樹脂組成物の解像性向上及び永久マスクレジストの可とう性向上の観点から、例えば、下記一般式(4)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2010066282
上記一般式(4)中、R及びRは、各々独立に水素原子又はメチル基を示し、W及びZは各々独立に炭素数2〜6のアルキレン基を示し、p及びqは、p+q=4〜40となるように選ばれる正の整数である。
W及びZとしては、例えば、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、及びへキシレン基等が挙げられる。このうち、W及びZは、エチレン基又はプロピレン基であることが好ましく、エチレン基であることがより好ましい。
p及びqは、p+qの値が6〜34であることが好ましく、8〜30であることがより好ましく、8〜28であることがさらに好ましく、8〜20であることが特により好ましく、8〜16であることが特にさらに好ましく、8〜12であることが最も好ましい。p+qの値が4未満であると(A)成分との相溶性が低下する傾向があり、p+qが40を超えると感光性樹脂組成物を露光及び現像することによって得られる永久マスクレジストの親水性が増加して吸水率が高くなる傾向がある。
上記一般式(4)中の芳香環は置換基を有していてもよい。かかる置換基としては、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、フェナシル基、アミノ基、炭素数1〜10のアルキルアミノ基、炭素数2〜20のジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボニル基、メルカプト基、炭素数1〜10のアルキルメルカプト基、アリル基、水酸基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基、カルボキシル基、アルキル基の炭素数が1〜10のカルボキシアルキル基、アルキル基の炭素数が1〜10のアシル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜10のアルキルカルボニル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のN−アルキルカルバモイル基、複素環を含む基、及び、これらの置換基で置換されたアリール基等が挙げられる。なお、これらの置換基は、縮合環を形成していてもよい。また、これらの置換基中の水素原子がハロゲン原子等に置換されていてもよい。なお、上記一般式(4)中の芳香環が置換基を2以上有する場合、それらは同一でも相違していてもよい。
上記一般式(4)で表される化合物としては、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。具体的には、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリブトキシ)フェニル)プロパン、及び2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。
2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン、及び2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカエトキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、市販品としてBPE−500(新中村化学工業(株)製、商品名)が入手可能であり、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)は、市販品としてBPE−1300(新中村化学工業(株)製、商品名)が入手可能である。
2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカプロポキシ)フェニル)プロパン、及び2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、及び2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物以外の(C)成分としては、トリシクロデカンジメタノール、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジアクリレート、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、グリシジル基含有化合物にα、β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物、ノニルフェニルジオキシレン(メタ)アクリレート、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシエチル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、及びEO変性ノニルフェニル(メタ)アクリレート等を用いることができる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンテトラエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンペンタエトキシトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を用いることができる。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物を作製する場合、(C)成分の固形分の割合が、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の固形分総量に対して、10〜70質量%とすることが好ましく、15〜50質量%であることがより好ましく、20〜40質量%であることがさらに好ましい。(C)成分の固形分の割合が、10質量%未満であると光照射によって硬化する感光性樹脂組成物の感度の低下、及び永久マスクレジストの耐めっき性の低下の傾向があり、70質量%を超えると感光性フィルムとした場合に感光性樹脂組成物層が柔らかくなり、フィルム端面からのしみ出しが発生する傾向がある。
(D)光重合開始剤、すなわち(D)成分としては、例えば、置換又は非置換の多核キノン類(2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン等)、α−ケタルドニルアルコール類(ベンゾイン、ピバロン等)、エーテル類、α−炭化水素置換芳香族アシロイン類(α−フェニル−ベンゾイン、α,α−ジエトキシアセトフェノン等)、芳香族ケトン類(ベンゾフェノン、4,4’−ビスジアルキルアミノベンゾフェノン等)、チオキサントン類(2−メチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−エチルチオキサントン等)、及び2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モノホリノ−プロパノン−1等を用いることができる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物を作製する場合、(D)成分の固形分の割合が、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の固形分の合計量100質量部に対して、0.01〜20質量部であることが好ましく、0.1〜10質量部であることがより好ましく、0.5〜6質量部であることがさらに好ましい。(D)成分の固形分の割合が、0.01質量部未満であると光照射によって硬化する際の感光性樹脂組成物の感度が低下する傾向があり、20質量部を超えると永久マスクレジストのはんだ耐熱性が低下する傾向がある。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、永久マスクレジストの信頼性向上の観点から、(A)〜(D)成分の他にブロックイソシアネート化合物を含有することが好ましい。ブロックイソシアネート化合物のうち、分子内に下記一般式(5)で表される2価の基を2個以上有するものを含有することがさらに好ましい。分子内に下記一般式(5)で表される2価の基を2個以上有するブロックイソシアネート化合物を含有することによって、可とう性、耐めっき性、耐熱性及び耐薬品性に一層優れる永久マスクレジストを形成できる感光性樹脂組成物を得ることができる。
Figure 2010066282
また、ブロックイソシアネート化合物は、永久マスクレジストの電気絶縁性を向上する観点から、分子内に、芳香環及び下記一般式(6)で表される3価の基の一方又は双方を含むことが好ましい。
Figure 2010066282
本実施形態に係る感光性樹脂組成物には、メラミン樹脂等の熱硬化成分、染料、顔料、可塑剤、安定剤などを必要に応じて添加することができる。
感光性樹脂組成物層20の厚さは、特に制限はなく、10〜100μmとすることが好ましく、20〜60μmとすることがより好ましい。
支持体10および保護フィルム30としては、耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルム、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン等からなるフィルムを用いることができる。このうち、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。支持体10および保護フィルム30は多層構造を有していても良い。更に片面にエンボスなどの処理を施してあっても良い。
なお、支持体10および保護フィルム30は、所定の工程後に感光性樹脂組成物層20の表面、又は感光性樹脂組成物を光照射して硬化させて得られる永久マスクレジストの表面から除去されるものであるため、除去不可能となるような材質のものや表面処理が施されたものを用いることはできない。
支持体10および保護フィルム30の厚さは、5〜100μmとすることが好ましく、10〜30μmとすることがより好ましい。支持体10の厚さが、5μm未満であるとプリント配線板の回路被覆性が低下する傾向があり、100μmを超えるとプリント配線板上における永久マスクレジストパターン形成が困難となる傾向がある。なお、支持体10と保護フィルム30は同じ物をもちいることができる。
本実施形態に係る感光性フィルム1の製造方法の一例を以下に説明する。
まず、(A)〜(D)成分、及びその他必要に応じて添加される成分を、溶剤に均一に溶解して混合原料を作製する。各成分は市販のものを用いることができる。溶剤としては、感光性樹脂組成物の原料成分を溶解する溶剤であればよく、例えば、ケトン系溶剤(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、エーテル系溶剤(メチルソロソルブ、エチルセロソルブ等)、塩素化炭化水素系溶剤(ジクロルメタン、クロロホルム等)、アルコール系溶剤(メチルアルコール、エチルアルコール等)などを用いることができる。これらの溶剤は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
次に、作製した混合原料を塗工装置などによって、支持体10の上に均一に塗布することができる。支持体10の上に塗布された溶液状の感光性樹脂組成物を加熱及び熱風吹き付けの一方又は双方によって乾燥して不要な溶剤を除去し、支持体10の上に感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層20を形成することができる。
支持体10と支持体10の上に設けられた感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層20とを備える感光性フィルムは、そのままロール状に巻き取って貯蔵することができる。
感光性樹脂組成物層20の上にさらに保護フィルム30を積層し、感光性樹脂組成物層20が支持体10と保護フィルム30とに挟まれた構造の感光性フィルム1を作製することもできる。かかる感光性フィルム1も、ロール状に巻き取って貯蔵することができる。
次に、本実施形態に係る感光性フィルム1を用いて基板上にフォトレジスト画像を形成することにより永久マスクレジストを製造する方法の一実施形態を説明する。永久マスクレジストの製造方法は、基板上に感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層20を積層する積層工程、活性光線を感光性樹脂組成物層20の所定部分に照射して感光性樹脂組成物層20に光硬化部を形成させる露光工程と、感光性樹脂組成物層20の光硬化部以外の部分を除去する現像工程とを含む。
基板としては特に制限はなく、回路形成用基板やプリント配線板などのほか、エッチング等により配線が形成されたフレキシブルプリント配線板を好適に用いることができる。フレキシブルプリント配線板は公知の物であってよく、例えば公知のフレキシブル基板上に銅等の導電体を公知の方法で形成することによって得ることができる。
積層工程では、感光性フィルム1が保護フィルム30を備える場合には、まず感光性フィルムから保護フィルム30を剥離する。次に、感光性樹脂組成物層20の主面(支持体10と接している側とは反対側の面)と基板とを接触させ加熱しながら圧着することによって、基板上に感光性樹脂組成物層20と支持体10とを積層する。積層の際の雰囲気は特に制限されないが、感光性樹脂組成物層20の密着性を向上させる観点から、減圧下で積層することが好ましい。感光性樹脂組成物層20と支持体10とが積層される基板表面は、フレキシブルプリント配線板を用いる場合、通常フレキシブルプリント配線板の導電体層の面とすることができるが、導電体層以外の面であってもよい。
積層工程における感光性樹脂組成物層20の加熱温度は90〜130℃とすることが好ましく、圧着圧力は0.2〜0.4MPaとすることが好ましい。圧着時の周囲の圧力は4000Pa(30mmHg)以下の減圧状態とすることが好ましい。感光性樹脂組成物層20と基板との密着性を更に向上させるために、積層前に基板の予熱処理を行うこともできる。
露光工程では、基板上に積層された感光性樹脂組成物層20をネガフィルム又はポジフィルムを用い活性光線を光照射して画像的に露光し、光硬化部を形成する。感光性樹脂組成物層20上に備えられる支持体10が透明の場合には、そのまま露光することができるが、透明でない場合には露光の前に支持体10を感光性樹脂組成物層20上から除去することが好ましい。
なお、感光性樹脂組成物層20の保護の観点から、支持体10は透明であることが好ましい。それによって、この感光性樹脂組成物層20上に支持体10が備えられた状態で、支持体10を通して感光性樹脂組成物層20を露光することができる。
活性光としては、公知の活性光源が使用でき、例えば、カーボンアーク、水銀蒸気アーク、キセノンアーク、及びその他から発生する光等を用いることができる。なお、感光性樹脂組成物層20に含まれる光開始剤の感受性は、通常、紫外線領域において最大であるため、活性光は紫外線が好ましい。
紫外線の照射量は0.1〜10J/cmとすることが好ましい。また、照射中又はその前後に感光性樹脂組成物層20を60〜150℃に加熱することが好ましく、100〜170℃に加熱することがより好ましい。加熱の時間は15〜90分間とすることが好ましい。
現像工程では、アルカリ水溶液を用いて、例えば、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法により未露光部を除去して現像する。本実施形態にかかる感光性樹脂組成物層20は、アルカリ水溶液で現像することができる。なお、感光性樹脂組成物層20上に支持体10が設けられている場合には、現像する前に支持体10を感光性樹脂組成物層20上から除去する。
アルカリ水溶液の塩基としては、例えば、リチウム、ナトリウム及びカリウムの水酸化物等の水酸化アルカリ、リチウム、ナトリウム及びカリウムの炭酸塩又は重炭酸塩等の炭酸アルカリ、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩、並びにピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等のアルカリ金属ピロリン酸塩などが挙げられる。このうち、炭酸ナトリウムの水溶液が好ましい。
現像に用いるアルカリ水溶液のpHは、9〜11であることが好ましい。現像の温度は、感光性樹脂組成物層20の現像性に合わせて調整することができる。アルカリ水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるため少量の有機溶剤等を混入させることができる。
現像後に基板上に形成された永久マスクレジストに高圧水銀ランプによる紫外線照射や加熱を施すことによって、永久マスクレジストのはんだ耐熱性、耐薬品性等をさらに向上することができる。これによって、フレキシブルプリント配線板を用いた場合に、フレキシブルプリント配線板のカバーレイとして一層好適に使用できる永久マスクレジストを得ることができる。
このようにして所望の性能を有するカバーレイが形成されたフレキシブルプリント配線板は、LSI等の部品が実装(はんだ付け)された後、カメラ等機器へ装着される。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1〜5及び比較例1〜9)
(A)成分として、エポキシアクリレート樹脂であるCCR−1218H、CCR−1159H、CCR−1222H、TCR−1335H、PCR−1191H、ZFR−1516、及びZAR−2003H(以上、日本化薬(株)社製、商品名)を準備した(表1)。
Figure 2010066282
なお、表1のエポキシアクリレート樹脂のうち、CCR−1218H、CCR−1159H、CCR−1222H、及びPCR−1191Hは、上記一般式(1)で表されるノボラック型エポキシ樹脂を用いて得られる樹脂である。また、表1のエポキシアクリレート樹脂のうち、TCR−1335Hは、上記一般式(2)で表されるトリスフェノールメタン型エポキシ樹脂を用いて得られる樹脂である。
(B)、(C)、(D)及びその他成分として、表2に示す成分を準備した。
Figure 2010066282
Figure 2010066282
Figure 2010066282
(A)及び(B)成分の重合平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、標準ポリスチレンを用いた検量線により換算して求めた。GPCによる測定の条件を以下に示す。
ポンプ:日立 L−6000型(株式会社日立製作所製、商品名)
カラム:Gelpack GL−R420 + Gelpack GL−R430 +
Gelpack GL−R440(計3本)(以上、日立化成工業株式会社製、商品名)
溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度:室温
流量:2.05ml/分
検出器:日立 L−3300型RI(株式会社日立製作所製、商品名)
表1に示す各(A)成分と、表2に示す(B)、(C)、(D)及びその他成分とを、表2〜表4に示す比率で配合し、混合溶液を調製した。なお、表3及び表4中の配合量は、固形分の配合量を示す。
Figure 2010066282
Figure 2010066282
調製した混合溶液を、支持体としてのポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ:25μm)上に均一に塗布し、100℃の熱風循環式乾燥器を用いて5分間乾燥して溶剤を除去し、感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を形成した。乾燥後における感光性樹脂組成物層の積層方向の厚さは40μmであった。
次に、形成した感光性樹脂組成物層の主面(支持体と接している側とは反対側の面)上に、保護フィルムとしてポリエチレンフィルム(厚さ:20μm)を積層し、感光性樹脂組成物が支持体と保護フィルムとの間に挟まれた構造の感光性フィルムを得た。
また、35μm厚銅箔をポリイミド基材に積層したFPC用基板(ニッカン工業(株)製、商品名:F30VC125RC11)の銅表面を砥粒ブラシで研磨し、水洗して乾燥した。
次いで、真空加圧式ラミネータ((株)名機製作所製、型式:MVLP−500)を用いて、上記FPC用基板の銅表面上に上記感光性フィルムを、当該感光性フィルムから保護フィルムであるポリエチレンフィルムを剥離した後、感光性樹脂組成物層を基板側に向けてラミネートした。
真空加圧式ラミネータによる積層試料の作製は、4×10Paの減圧下で20秒間保持した後、成形温度60℃、成形圧力0.4MPa(4kgf/cm)、加圧時間20秒間の条件で行った。
感光性フィルムがラミネートされた積層試料を、23℃まで冷却して1時間以上放置した後、ストーファーの41段ステップタブレットを使用して、露光機((株)オーク製作所製、商品名:HMW−201B型)により、現像後の残存ステップ段数が23となるエネルギー量で露光した。
露光した積層試料を常温で30分間放置した後、1質量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて、30℃で50秒間スプレー現像した。次いで、160℃で50分間の加熱処理を行って、FPC用基板上に永久マスクレジスト(カバーレイ)を形成した。
[可とう性の評価]
永久マスクレジストが形成されたFPC用基板を260℃のはんだ浴中に10秒間浸漬してはんだ処理を行った後、ハゼ折りで180°折り曲げて、その際の永久マスクレジスト層のクラックの発生状況を目視で観察することで、可とう性の評価を行った。クラックの発生がないものを「良好」、クラックが発生したものを「不良」と評価した。評価結果は表5及び表6に示す通りであった。
[耐薬品性の評価]
永久マスクレジストが形成されたFPC用基板を常温の薬品、すなわち2N−塩酸水溶液又は2N−水酸化ナトリウム水溶液にそれぞれ30分間浸漬した後、永久マスクレジストパターンの開口部におけるFPC基板と永久マスクレジストとの界面への薬品の染み込み及び浮きの発生状況を目視で観察し、耐薬品性の評価を行った。界面に染み込み及び浮きの発生が無いものを「良好」、界面に染み込み及び浮きが発生したもの「不良」と評価した。評価結果は表5及び表6に示す通りであった。
[耐めっき性の評価]
FPC用基板の永久マスクレジストが形成された面に、以下の通りの無電解ニッケル/金めっきを施した。無電解ニッケル/金めっきは、脱脂工程(5分間浸漬)、水洗工程、ソフトエッチング工程(2分間浸漬)、水洗工程、酸洗工程(3分間浸漬)、水洗工程、プレディップ工程(90秒間浸漬)、無電解ニッケルめっき工程(23分間処理)、水洗工程、無電解金めっき工程(15分間処理)、水洗工程及び乾燥工程の順番で行った。なお、無電解ニッケル/金めっきの各工程に用いた材料は以下の通りである。
脱脂工程:PC−455(メルテックス社製、商品名)25質量%の水溶液
ソフトエッチング工程:過硫酸アンモニウム150g/Lの水溶液
酸洗工程:5体積%硫酸水溶液
無電解ニッケルめっき工程:ニムデンNPF−2(上村工業株式会社製、商品名)
無電解金めっき工程:ゴブライトTIG−10(上村工業株式会社製、商品名)
乾燥工程後、直ちに、無電解ニッケル/金めっきを施したFPC基板の面にセロテープ(登録商標)を貼り、これを垂直方向に引き剥がして(90°ピールオフ試験)、永久マスクレジストの剥れの有無を目視で観察することで、耐めっき性(剥れ)の評価を行った。永久マスクレジストの剥れの無いものを「良好」、永久マスクレジストの剥れの有るものを「不良」と評価した。評価結果は表5及び表6に示す通りであった。
また、FPC基板と永久マスクレジストとの界面に金めっきのもぐりがある場合、該界面には析出した金めっきが観察される。無電解ニッケル/金めっき実施後、透明な永久マスクレジストを介して該界面を目視で観察し、耐めっき性(もぐり)の評価を行った。金めっきのもぐり無い場合を「良好」、金めっきのもぐりが有るものを「不良」と評価した。評価結果は表5及び表6に示す通りであった。
[耐熱性試験]
次の通り熱圧着試験を実施して耐熱性を評価した。まず、永久マスクレジストが形成されたFPC用基板を250℃に加熱した状態で、永久マスクレジストの表面上に3mm角のシリコンチップを乗せ、積層方向に2.5kg/cmの圧力を3秒間かけた。その後、常温まで冷却し、FPC用基板上の永久マスクレジストとシリコンチップとの間の貼り付きの有無を確認し、耐熱性の評価を行った。シリコンチップの貼り付きが無い場合を「良好」、シリコンチップの貼り付きが有る場合を「不良」と評価した。評価結果は表5及び表6に示す通りであった。
[解像性の評価]
ストーファーの21段ステップタブレットを有するフォトツールと解像度評価用ネガとしてライン幅/スペース幅が30/30〜200/200(単位:μm)の配線パターンを有するフォトツールとを密着させ、露光機((株)オーク製作所製、商品名:HMW−201B)によって、各実施例及び各比較例の感光性フィルムがラミネートされた積層試料の露光を行った。露光は、ストーファーの41段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が23となるエネルギー量で行った。
露光した積層試料を常温で30分間放置した後、1質量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて、30℃で50秒間スプレー現像し、解像性を評価した。評価結果は表5及び表6に示す通りであった。解像性の値は、現像処理によって未露光部を完全に除去できたライン幅間のスペース幅のうち最も小さい値である。すなわち、解像性は、数値が小さいほど良好であることを示す。
[タック性評価]
図2は、支持体と感光性樹脂組成物層との間の剥離力を測定する装置及び測定方法を示す概略図(縦断面図)である。まず、各実施例及び各比較例の感光性フィルムを2cm×15cmのサイズに切り出し、保護フィルムであるポリエチレンフィルムを剥離した。真空加圧式ラミネータ((株)名機製作所製、商品名:MVLP−500)を用いて、ガラスエポキシ材の全表面に銅箔が設けられた銅張り積層板40(日立化成工業(株)社製、商品名:MCL−E−67)上に、感光性フィルムを、感光性樹脂組成物層20を銅張り積層板40に向けてラミネートした。この際のラミネートは4×10Paの減圧下で30秒間保持した後、成形温度70℃、成形圧力0.4MPa(4kgf/cm)、加圧時間30秒間の条件で行った。この感光性フィルムがラミネートされた銅張り積層板40を、図2に示すようにレオメータ2(不動工業(株)社製、型番:RT−3010D−CW)に取り付けた。温度23±3℃、相対湿度60±5%RH(23℃)の環境下において、昇降テーブル51を矢印Eの方向に30cm/分の速度で降下させて、支持体10を感光性樹脂組成物層20から引き剥がすことによって、支持体10と感光性樹脂組成物層20との間の剥離力(引き剥がすために必要な力)を測定した。
作業性の観点から、上記剥離力は小さい方がタック性は良好となり、好ましい。剥離力が10N/m以上かつ500N/m未満の場合をA、500N/m以上かつ800N/m未満の場合をB、800N/m以上の場合をCと評価した。評価結果は表5及び表6に示す通りであった。
Figure 2010066282
Figure 2010066282
本発明の感光性フィルムの好適な一実施形態を示す模式断面図である。 支持体と感光性樹脂組成物層との間の剥離力を測定する装置及び測定方法を示す概略図(縦断面図)である。
符号の説明
1…感光性フィルム、10…支持体、20…感光性樹脂組成物層、30…保護フィルム、2…レオメータ、40…銅張り積層板、51…昇降テーブル、52…荷重、53…留め金、54…ゴムシール、55…基板押さえ。

Claims (4)

  1. (A)酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂と、(B)(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルを構成モノマーとして含むバインダーポリマーと、(C)光重合性化合物と、(D)光重合開始剤と、を含有する感光性樹脂組成物であって、
    前記(A)酸変性ビニル基含有エポキシ樹脂が、
    (a1)下記一般式(1)で表されるノボラック型エポキシ樹脂及び下記一般式(2)で表されるトリスフェノールメタン型エポキシ樹脂の一方又は双方を含むエポキシ樹脂と(a2)ビニル基含有モノカルボン酸とを反応させて得られる樹脂と、
    (a3)多塩基酸無水物と、
    を反応させて得られる樹脂を含有するものである、感光性樹脂組成物。
    Figure 2010066282

    [式(1)中、Xは水素原子又はグリシジル基を示し、rは0〜3の整数を示し、nは1以上の整数を示す。なお、複数存在するXは同一でも異なっていてもよく、X全体の水素原子/グリシジル基のモル比は0/100〜70/30である。]
    Figure 2010066282

    [式(2)中、Yは水素原子又はグリシジル基を示し、sは0〜3の整数を示し、mは1以上の整数を示す。なお、複数存在するYは同一でも異なっていてもよく、Y全体の水素原子/グリシジル基のモル比は0/100〜70/30である。]
  2. 支持体と、該支持体上に設けられた請求項1記載の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層と、を備える感光性フィルム。
  3. 請求項1記載の感光性樹脂組成物を光照射により硬化させてなる永久マスクレジスト。
  4. 基板上に請求項1記載の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を積層する積層工程と、
    活性光線を前記感光性樹脂組成物層の所定部分に照射して、前記感光性樹脂組成物層に光硬化部を形成させる露光工程と、
    前記感光性樹脂組成物層の前記光硬化部以外の部分を除去する現像工程と、
    を含む永久マスクレジストの製造方法。
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