JP2010065306A - 高周波加熱装置およびコア劣化検知方法 - Google Patents

高周波加熱装置およびコア劣化検知方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コアの劣化状況等の装置状態を把握でき、コアが劣化した場合、定量的なコアの交換時期を決定できて、コア劣化による製品の不良品の発生・流出を防止できる高周波加熱装置およびコア劣化検知方法を提供する。
【解決手段】誘導加熱コイル11と、誘導加熱コイル11から発生する磁束を局所的に集中させるために使用するコア5とを備えた高周波加熱装置のコア劣化検知方法ある。誘導加熱コイル11に流れる電流波形を取得し、その後、その電流波形から実効値を演算し、その実効値の変化を監視することによって、コア5の劣化状況を判断する。
【選択図】図1

Description

本発明は、高周波加熱装置およびコア劣化検知方法に関する。
高周波加熱装置は、図14に示すように、高周波電流の流れている加熱コイル1中に被焼入体(ワーク)2を入れ、電磁誘導作用により、ジュール熱を発生させて、伝導性物体を加熱する。加熱後にワークを急冷することで焼入を行う。これによって、ワーク2の表面の硬化層3(ハッチングで示す部位)が形成される。焼入処理を行う高周波焼入装置とは、高周波加熱装置と冷却装置を備えたものである。
金属製品である自動車部品は強度を高める等の目的で加熱処理が行われる。この加熱処理方法の一つに高周波加熱装置を用いる場合がある。また、高周波加熱装置には、図15に示すように、加熱コイル1から発生する磁束を局所的に集中させるために使用するコア5を備えたものがある(特許文献1)。
コア5は例えばフェライト等からなり、磁力線を集中させることにより、それに対向する部分に誘導電流を集中させるものである。このため、コア5に対向する部分には、誘導電流が他の部分より集中することになって、より加熱されるものである。すなわち、図15(a)に示すように、他の部位よりも焼入深さが大きい硬化部6を形成したりすることができ、焼入品質(焼入深さ及び焼入範囲)を変えることができる。
しかし、コア5は加熱された金属製品の輻射熱や度重なる使用により徐々に劣化する。このように、劣化すれば、図15(b)に示すように、硬化部6の焼入深さ及び焼入範囲が小さくなってくる。すなわち、所望の焼入品質(焼入深さ及び焼入範囲)と相違することになって、安定して高品質の製品を提供することができなくなる。このため、コアが劣化すれば、交換する必要があり、交換の時期を検知するのが好ましい。
ところで、コア5の劣化は金属製品の目的とする焼入品質(焼入深さ及び焼入範囲)が得られなくなるなどの変化により判断できる。このため、従来には、加熱毎に電力変化パターン等を調査し、調査された電力変化パターン等が許容範囲内に管理されているか否かを判断する焼入れ深さ管理方法が種々提案されている(特許文献2及び特許文献3)。
特開2002−30335号公報 特開平10−8130号公報 特開2000−239735号公報
しかしながら、特許文献1等に記載された従来のこの種の高周波加熱装置では、コアが劣化して交換時期がきているにもかかわらず、コア交換の判断に明確な指標は存在していない。すなわち、従来では、前記したように、コアの劣化は金属製品の目的とする焼入品質(焼入深さ及び焼入範囲)が得られなくなるなどの変化により判断することになるためである。
このため、従来では、交換時期の判断が困難であり、交換時期がずれることによって、所望の焼入れ状態の製品が得られないおそれがある。このため、熱処理された製品を切断等して焼き入れ状態を検査する必要が生じる。このように、製品を切断すれば、その製品を使用できなくなり、コスト高となる。
このような高周波加熱装置では、コアに対するワークの位置は重要であり、このため、誘導加熱コイルと、この誘導加熱コイル内に配置されるワークとは設定される位置に配置する必要がある。また、誘導加熱コイル内でワークを回転させることによって、ムラ無く高精度に焼入れを行うことができる。このため、ワークの回転芯振れを生じないようにするのが好ましい。さらに、ワークの回転数も一定とするのが好ましい。
さらに、設備のトラブル停止等で加工済ワークを排出し忘れて再焼入れする可能性があり、再焼入すると求められている焼入品質を満足できなる。このため、初めの焼入れか再焼入れかを把握する必要がある。
本発明は、上記課題に鑑みて、コアの劣化状況等の装置状態を把握でき、コアが劣化した場合、定量的なコアの交換時期を決定できて、コア劣化による製品の不良品の発生・流出を防止できる高周波加熱装置およびコア劣化検知方法を提供する。
本発明の第1の高周波加熱装置は、誘導加熱コイルと、この誘導加熱コイルから発生する磁束を局所的に集中させるために使用するコアとを備えた高周波加熱装置であって、誘導加熱コイルに流れる電流波形を取得する波形検出手段と、波形検出手段にて取得した波形からその実効値を演算する演算手段と、この演算手段にて演算された実効値に基づいて装置状態を判断する判断手段とを備えたものである。
本発明の第2の高周波加熱装置は、誘導加熱コイルと、この誘導加熱コイルから発生する磁束を局所的に集中させるために使用するコアとを備えた高周波加熱装置であって、誘導加熱コイルに印加される電圧波形を取得する波形検出手段と、波形検出手段にて取得した波形からその実効値を演算する演算手段と、この演算手段にて演算された実効値に基づいて装置状態を判断する判断手段とを備えたものである。
交流電圧を抵抗負荷に印加した場合に、ある電圧の直流を印加した場合とで平均電力が等しくなるときにこの交流は直流の印加電圧と同じ値の実効値をもつと定義される。すなわち、電圧なり電流なりの瞬時値を2乗した波形の1周期分の面積を求める。その値を周期で割り、その値の平方根が実効値となる。このため、瞬時波形の取り込みができれば、実効値を求めることができる。
本発明の高周波加熱装置によれば、波形検出手段によって、誘導加熱コイルに流れる電流波形や誘導加熱コイルに印加される電圧波形を検出することができる。演算手段にて、波形検出手段にて検出された波形から実効値を演算することができる。判断手段にて実効値に基づいて装置状態を判断することになる。
すなわち、誘導加熱コイルから発生する磁束を局所的に集中させるために使用するコアが劣化等すれば、電流および電圧の実効値が変化する。このため、判断手段ではこの実効値を監視することができ、装置状態であるコアの劣化を検知することができる。
装置状態が、誘導加熱コイル内に配置されるワークとの相対位置の変化した状態や、ワークが回転芯振れしている状態、ワークの回転数の変化している状態、さらには、ワークが再焼入される状態がある。すなわち、誘導加熱コイルとワークとの相対位置の変化、ワークの回転芯振れの変化(度合い)、ワークの回転数の変化、及び初回の焼入れと再焼入れとの相違等で、コイルに流れる電流波形及びコイルに印加される電圧波形も変化して、電流および電圧の実効値が変化する。
演算された実効値が実効値上限値を越える又は/及び実効値下限値を下回るときに警報を発生する警報発生手段を配置するのが好ましい。警報発生手段を配置することによって、コアに劣化状態等の装置異常が生じた際に警報発生手段から警報が発生する。このため、コアに劣化状態等が生じている場合、作業者(オペレータ)は直ちにコアが劣化していることを把握することができる。なお、警報発生手段による警報には、警報音を発生するものであっても、モニタに表示されるものであってもよい。
本発明の第1のコア劣化検知方法は、誘導加熱コイルと、この誘導加熱コイルから発生する磁束を局所的に集中させるために使用するコアとを備えた高周波加熱装置のコア劣化検知方法であって、誘導加熱コイルに流れる電流波形を取得し、その後、その電流波形から実効値を演算し、その実効値の変化を監視することによって、コアの劣化状況を判断するものである。
本発明の第2のコア劣化検知方法は、誘導加熱コイルと、この誘導加熱コイルから発生する磁束を局所的に集中させるために使用するコアとを備えた高周波加熱装置のコア劣化検知方法であって、誘導加熱コイルに印加される電圧波形を取得し、その後、その電圧波形から実効値を演算し、その実効値の変化を監視することによって、コアの劣化状況を判断するものである。
本発明のコア劣化検知方法では、誘導加熱コイルに流れる電流波形や誘導加熱コイルに印加される電圧波形から、電流波形や電圧波形の実効値を演算することになる。そして、実効値の変化を監視することになる。この周波数の変化を監視することによって、コアの劣化状況を判断することができる。
本発明では、装置状態がコアの劣化状況である場合、誘導加熱コイルに流れる電流または電圧波形の実効値の変化を監視することにより、定量的(計算的)にコアの交換時期を把握することができ、コア劣化による不良品の発生・流出を防止することができる。
また、警報発生手段を配置したものでは、作業者はコア交換時期を誤認するのを防止でき、高品質の製品を安定して提供することができる。
このように、コイルに流れる電流およびコイルに印加される電圧の実効値を把握することができ、誘導加熱コイルと、ワークとの相対位置の変化、ワークの回転芯振れの変化、ワークの回転数の変化、さらには、再焼入れか否かの判断が可能となる。すなわち、誘導加熱コイルと、ワークとの相対位置を検知することによって、ワークを誘導加熱コイルに対して正規の位置に配置させることができ、コアの作用をワークに対して安定して施すことができる。また、ワークの回転芯振れの変化を検知することによって、回転芯振れを修正して高精度の焼き入れを行うことができる。ワークの回転数の変化を検知することによって、ワークの回転数を修正でき、ムラのない焼き入れを行うことができる。再焼入れか否かの判断を行うことによって、再焼入れワークを発見し混入を防ぐことができる。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図9に基づいて説明する。図1に高周波加熱装置を示し、この高周波加熱装置は、誘導加熱コイル11と、この誘導加熱コイル11から発生する磁束を局所的に集中させるために使用するコア15とを備える。誘導加熱コイル11は、一対の平行な加熱導体部11a、11bと、加熱導体部11a、11bの一端を連結する半円弧状の連結導体部11cと、加熱導体部11a、11bの他端をそれぞれ四半円弧状の連結導体部11d、11eを介して連結される電源接続用導体部11f、11gとを備える。誘導加熱コイル11は導電性に優れた銅等の線状体または管状体にて構成される。
また、誘導加熱コイル11は、被加熱体(ワーク)Wに外嵌状に配置され、コア15が加熱導体部11a、11bの一部に対応して配置されている。ワークWは高周波焼入れによる硬化処理が可能な中炭素鋼等の円柱体乃至円筒体にて構成されている。コア15は磁性材料や珪素鋼板等からなる。
誘導加熱コイル11の電源接続用導体部11f、11gを介して図示省略の高周波電源から高周波電流が供給される。すなわち、高周波電流の流れている加熱コイル11中にワークWを入れ、電磁誘導作用により、ジュール熱を発生させて、伝導性物体(ワークW)を加熱して、このワークWの表面に硬化層を形成するものである。なお、ムラのない焼入れを行うためには、ワークWをその軸心廻りに一定の回転数で回転させるのが好ましい。
コア15は誘導加熱コイル11から発生する磁束を局所的に集中させることになる。すなわち、コア15は磁力線を集中させることにより、それに対向する部分に誘導電流を集中させるものである。このため、コア15に対向する部分には、誘導電流が他の部分より集中することになって、より加熱されるものである。すなわち、他の部位よりも焼入深さが大の硬化部を形成することができ、焼入品質を所望のものに変更することができる。
この高周波加熱装置は、図2に示すように、誘導加熱コイル11に流れる電流波形又は誘導加熱コイル11に印加される電圧波形を取得する波形検出手段16と、波形検出手段16にて取得した波形から実効値を演算する演算手段17と、この演算手段にて演算された実効値に基づいて装置状態(この実施形態では、コアの劣化状況)を判断する判断手段18と、判断手段18にてコアが劣化状態であると判断したときに警報を発生する警報発生手段19とを備える。
波形検出手段16は電流波形又は電圧波形を検出することができる各種の波形計測器を用いることができる。これによって、例えば、図5に示すような波形を得ることができる。また、演算手段17は、電流波形又は電圧波形の瞬時波形の取り込んで、図6に示すように実効値(実効値電流又は実効値電圧)を求めるものである。
ところで、電源が直流電源の場合、電圧と電流は一定となるので電源が供給する電力は常に一定になる。しかしながら、電源が電圧,電流が時間とともに変化する電源では電力は常に変化する。これらの電源の行う仕事および電力の一般関係は次の数1および数2のようになる。
Figure 2010065306
Figure 2010065306
電圧,電流が時間とともに変化する電源でも周期性のある電源の場合、直流電源のように電力の変動を均一化して近似することができる。すなわち、正弦波交流電源と抵抗Rを接続した系について電力および仕事(エネルギー消費)を計算することができる。まず、正弦波交流電源の電圧,電流をv(t)、i(t)とすると次の数3及び数4のように示せる。ただし、Ipk=Vpk/Rの関係がある。
Figure 2010065306
Figure 2010065306
数2、数3および数4より電力は次の数5のようになる。
Figure 2010065306
交流電源の電力を簡易的に求めるとき、振動成分を無視して一定バイアスの成分のみで近似することができ、その近似式は次の数6のようになる。
Figure 2010065306
交流の電力を直流のように電圧,電流からP=IVとして簡単に近似して求める方法があり、この場合,交流の電圧,電流を電力算出用のパラメータに換算する必要がある。この例の正弦波交流電源の場合には次の数7および数8のようになる。この換算された電圧、電流が実効値である。
Figure 2010065306
Figure 2010065306
次に、正弦波以外の周期性のある交流の実効値を求める方法を説明する。電圧源または電流源を想定して実効値を求める。
この場合、電圧源または電流源を負荷に1Ωの抵抗を接続した系を想定する。そのときの電圧,電流の関係はi(t)=v(t)である。このため、電力p(t)は、v(t)またはi(t)となる。ここから電源が1周期Tに行う仕事ΔEを求めると、次の数9のようになる。
Figure 2010065306
ここから電力Pを求めると、Pは単位時間あたりの仕事なので、1周期Tあたりの仕事ΔEとして平均化(直線近似)してPを近似する。すなわち、次の数10のようになる。
Figure 2010065306
交流電源の実効電圧をVRMS、とし、実効電流をIRMSとすると、P=VRMS 、PIRMS となるので、実効電圧VRMSは次の数11で表され、実効電流IRMSは次の数12で表される。
Figure 2010065306
Figure 2010065306
よって、複雑な電圧電流波形の実効値を求めるには、電圧なり電流なりの瞬時値を2乗した波形の1周期分の面積を求める。その値を周期で割り、その値の平方根が実効値となる。このため、瞬時波形の取り込みができれば、実効値を求めることができる。
また、コア15が劣化したり、脱落したりすれば、実効値が変化する。すなわち、図7に示すように、透磁率が相違すると実効値が変化する。透磁率が大きければ、実効値電流(実効値電圧)が小さく、透磁率が小さければ、実効値電流(実効値電圧)が大きくなる。透磁率とは、磁場(磁界)の強さHと磁束密度B間の関係をB=μHで表わした時の比例定数μである。
このため、判断手段18には、予め設定された実効値上限値L1が入力されており、この上限値L1と、演算手段17にて演算された実効値とを比較する。この場合、実効値上限値L1は、事前に行った加工テストや過去のデータ実績から良品生産条件の範囲で設定できる。このため、演算された実効値が上限値L1よりも高ければ、コア15が劣化していることになる。
警報発生手段19は、判断手段18にてコア15が劣化していると判断された場合に、警報音を発生させたり、モニタにコア15が劣化している旨の表示を行ったりすることになる。
次に、前記のように構成された高周波加熱装置の稼動を図3を使用して説明する。まず、誘導加熱コイルに高周波電流を流すことによって、高周波焼入れを開始する。そして、この焼入れ中に、ステップS1で示すように電流波形(電圧波形)を検出する。その後、ステップS2へ移行して実効値を演算する。次に、ステップS3へ移行して、予め設定された上限値L1とその演算した実行値とを比較する。この場合、ステップS4に示すように、演算した演算値が上限値L1よりも高い場合には、コア15が劣化していると判断してステップS5へ移行する。また、ステップS4で演算した演算値が上限値L1を越えていなければ、まだコア15が劣化していないので、ステップS6へ移行する。
ステップS5では、コア15が劣化しているので警報を発することになる。このため、コア15を交換する必要があり、この高周波焼入れを終了する。また、ステップS6では、作業を終了するか否かが判断される。これは、コア15が劣化していないので、この高周波焼入れの継続が可能であるためである。作業を終了する場合はこのまま高周波焼入れを終了することになり、作業を終了しない場合、ステップS1に戻ることになる。なお、作業を終了(高周波焼入れを終了)とは、ワークWに対して高周波焼入れを行っている途中で終了するものではなく、そのワークWに対する高周波焼入れが終了し、次のワークWに対して高周波焼入れを行わないことである。
本発明では、誘導加熱コイル11に流れる電流または電圧波形の実効値の変化を監視することにより、定量的(計算的)にコアの交換時期を把握することができ、コア劣化による不良品の発生・流出を防止することができる。
また、警報発生手段19を配置しているので、作業者はコア交換時期を誤認するのを防止でき、高品質の製品を安定して提供することができる。
前記実施形態では、判断手段18には、予め設定された上限値L1と、演算手段17にて演算された実効値とを比較するものであったが、判断手段18において、予め設定された下限値L2を入力するものであってもよい。この場合、下限値L2と、演算手段17にて演算された実効値とを比較して、この下限値L2よりも低い場合にコア15が劣化していることになる。なお、下限値L2は、事前に行った加工テストや過去のデータ実績から良品生産条件の範囲で設定できる。
図7は下限値L2と比較する場合のフローチャートを示している。この場合、ステップS11で示すように電流波形(電圧波形)を検出する。その後、ステップS12へ移行して実効値を演算する。次に、ステップS13へ移行して、予め設定された下限値L2とその演算した周波数とを比較する。この場合、ステップS14に示すように、演算した実行値が下限値L2よりも低い場合には、コア15が劣化していると判断してステップS15へ移行する。また、ステップS14で演算した実行値が下限値L2を下回っていなければ、まだコア15が劣化していないので、ステップS16へ移行する。
ステップS15では、コア15が劣化しているので警報を発することになる。このため、コア15を交換する必要があり、この高周波焼入れを終了する。また、ステップS6では、作業を終了するか否かが判断される。これは、コア15が劣化していないので、この高周波焼入れの継続が可能であるためである。作業を終了する場合はこのまま高周波焼入れを終了することになり、作業を終了しない場合、ステップS11に戻ることになる。
他の実施形態として、判断手段18において、予め設定された上限値L1と、予め設定された下限値L2とが入力され、これらと、演算手段17にて演算された実効値とを比較するものであってもよい。これによって、判断の信頼性が向上する。
ところで、コア15を有する場合(この場合、ポリアイアン製の2個のコアを使用した)とコア15を有さない場合とでは、コイル11を流れる電流及びコイル11に印加される電圧とは図9(a)(b)に示すように変化する。1回目の焼入れと2回目の焼入れとでは、コイル11を流れる電流及びコイル11に印加される電圧とは図10(a)(b)に示すように変化する。コイル11とワークWとの相対位置が変化した場合、コイル11を流れる電流及びコイル11に印加される電圧とは図11(a)(b)に示すように変化する。ワークWの回転に芯振れがある場合とワークWの回転に芯振れがない場合とでは、コイル11を流れる電流及びコイル11に印加される電圧とは図12(a)(b)に示すように変化する。ワークWの回転数に変化がある場合、コイル11を流れる電流及びコイル11に印加される電圧とは図13(a)(b)に示すように変化する。
このため、前記図9に示す波形において、実効値(実効値電流又は実効値電圧)を演算し、実効値を監視することによって、コア15を有する場合とコア15を有さない場合とを検知することができる。前記図10に示す波形において、実効値(実効値電流又は実効値電圧)を演算し、実効値を監視することによって、1回目の焼入れか2回目の焼入れかを検知することができ、再焼入れを発見し混入を防ぐことができる。前記図11に示す波形において、実効値(実効値電流又は実効値電圧)を演算し、実効値を監視することによって、ワークWとの相対位置を検知することができ、これによって、ワークWを誘導加熱コイルに対して正規の位置に配置させることができ、コアの作用をワークに対して安定して施すことができる。前記図12に示す波形において、実効値(実効値電流又は実効値電圧)を演算し、実効値を監視することによって、ワークWの回転に芯振れを検知することができ、これによって、回転芯振れを修正して高精度の焼き入れを行うことができる。前記図13に示す波形において、実効値(実効値電流又は実効値電圧)を演算し、実効値を監視することによって、ワークWの回転数の変化を検知することができ、これによって、ワークWの回転数を一定に維持でき、ムラのない焼き入れを行うことができる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、誘導加熱コイル11として、図1に示すものに限らず、螺旋状に巻設されるものであっても、また、使用する線材としては、断面が円形であっても、角形であっても、さらには、中実体であっても、中空体であってもよい。コア15の配置位置、大きさ、及び形状等も、ワークWに対して所望の焼入品質を得ることができる範囲で種々変更可能である。
前記実施形態では、波形検出手段16は、誘導加熱コイル11に流れる電流波形又は誘導加熱コイル11に印加される電圧波形を取得するものであったが、電流波形のみ取得するものであっても、電圧波形のみ取得するものであっても、さらには、電流波形及び電圧波形を取得するものであってもよい。このため、演算手段17はこの波形検出手段16に対応して、電流波形から実効値(実効値電流)を演算したり、電圧波形(実効値電圧)から実効値(実効値電圧)を演算したりするものとする。
ワークWを回転させる場合、その回転数、回転方向等を任意で設定でき、また、回転数としては一定であるのが好ましいが、加熱途中に変更するものであってもよい。
本発明の実施形態を示す高周波焼入装置の簡略図である。 前記高周波焼入装置の制御部の簡略ブロック図である。 前記高周波焼入装置の稼動フローチャート図である。 波形検出手段にて検出された波形を示す波形図である。 演算手段にて演算された実効値電流(実効値電圧)を示す波形図である。 演算手段にて演算された実効値電流(実効値電圧)を示す波形図である。 演算手段にて演算された実効値電流(実効値電圧)を示す波形図である。 前記高周波焼入装置の他の稼動フローチャート図である。 コアを有する場合とコアを有さない場合を示し、(a)はコイルに流れる電流の波形図であり、(b)はコイルに印加される電圧の波形図である。 1回目の焼入れと2回目の焼入れとを示し、(a)はコイルに流れる電流の波形図であり、(b)はコイルに印加される電圧の波形図である。 加熱位置を変化させた場合を示し、(a)はコイルに流れる電流の波形図であり、(b)はコイルに印加される電圧の波形図である。 ワークの回転芯を変化させた場合を示し、(a)はコイルに流れる電流の波形図であり、(b)はコイルに印加される電圧の波形図である。 ワークの回転数を変化させた場合を示し、(a)はコイルに流れる電流の波形図であり、(b)はコイルに印加される電圧の波形図である。 コアを有さない場合の高周波焼入装置の簡略図である。 コアを有せる場合の高周波焼入装置を示し、(a)はコアが劣化していない状態の簡略図であり、(b)はコアが劣化した状態の簡略図である。
符号の説明
11 誘導加熱コイル
15 コア
16 波形検出手段
17 演算手段
18 判断手段
19 警報発生手段
L1 上限値
L2 下限値

Claims (13)

  1. 誘導加熱コイルと、この誘導加熱コイルから発生する磁束を局所的に集中させるために使用するコアとを備えた高周波加熱装置であって、
    誘導加熱コイルに流れる電流波形を取得する波形検出手段と、波形検出手段にて取得した波形からその実効値を演算する演算手段と、この演算手段にて演算された実効値に基づいて装置状態を判断する判断手段とを備えたことを特徴とする高周波加熱装置。
  2. 誘導加熱コイルと、この誘導加熱コイルから発生する磁束を局所的に集中させるために使用するコアとを備えた高周波加熱装置であって、
    誘導加熱コイルに印加される電圧波形を取得する波形検出手段と、波形検出手段にて取得した波形からその実効値を演算する演算手段と、この演算手段にて演算された実効値に基づいて装置状態を判断する判断手段とを備えたことを特徴とする高周波加熱装置。
  3. 前記判断手段は、基準となる実効値上限値が入力され、この実効値上限値と演算手段にて演算された実効値と比較して装置状態を判断することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の高周波加熱装置。
  4. 前記判断手段は、基準となる実効値下限値が入力され、この実効値下限値と演算手段にて演算された実効値と比較して装置状態を判断することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の高周波加熱装置。
  5. 前記判断手段は、基準となる実効値上限値および実効値下限値が入力され、この実効値上限値および実効値下限値と演算手段にて演算された実効値と比較して装置状態を判断することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の高周波加熱装置。
  6. 演算された実効値が実効値上限値を越える又は/及び実効値下限値を下回るときに警報を発生する警報発生手段を配置したことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の高周波加熱装置。
  7. 前記装置状態がコアの劣化状況であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の高周波加熱装置。
  8. 前記装置状態が、誘導加熱コイルと、この誘導加熱コイル内に配置されるワークとの相対位置の変化であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の高周波加熱装置。
  9. 前記装置状態が、誘導加熱コイル内に配置されるワークの回転芯振れであることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の高周波加熱装置。
  10. 前記装置状態が、誘導加熱コイル内に配置されるワークの回転数の変化であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の高周波加熱装置。
  11. 前記装置状態が、誘導加熱コイル内に配置されるワークの再焼判別であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の高周波加熱装置。
  12. 誘導加熱コイルと、この誘導加熱コイルから発生する磁束を局所的に集中させるために使用するコアとを備えた高周波加熱装置のコア劣化検知方法であって、誘導加熱コイルに流れる電流波形を取得し、その後、その電流波形から実効値を演算し、その実効値の変化を監視することによって、コアの劣化状況を判断することを特徴とするコア劣化検知方法。
  13. 誘導加熱コイルと、この誘導加熱コイルから発生する磁束を局所的に集中させるために使用するコアとを備えた高周波加熱装置のコア劣化検知方法であって、誘導加熱コイルに印加される電圧波形を取得し、その後、その電圧波形から実効値を演算し、その実効値の変化を監視することによって、コアの劣化状況を判断することを特徴とするコア劣化検知方法。
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