JP2010064902A - 砕石砕粉を活用する炭酸化カルシウム成形体及びその製法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 廃棄物である砕石砕粉を有効活用するため、砕石砕粉と消石灰とを調合してできる炭酸化カルシウム成形体及びその製法を提供すること。
【解決手段】
消石灰と砕石砕粉との混合物に対し40〜60質量部である消石灰と、40〜60質量部である砕石砕粉と、消石灰と砕石砕粉の混合物の外割りで0.2〜0.8質量部の天然有機酸の保形材と、消石灰に対し2〜6質量部の水とを混練し、型枠に充填した前記混練混合物を圧力100〜200MPaで加圧成形し、脱型後の前記成形体を積算材齢1000〜2000日で炭酸化促進養生させることにより、廃棄物である砕石砕粉を有効活用する炭酸化カルシウム成形体及びその製法を提供できる。
【選択図】 図1
【解決手段】
消石灰と砕石砕粉との混合物に対し40〜60質量部である消石灰と、40〜60質量部である砕石砕粉と、消石灰と砕石砕粉の混合物の外割りで0.2〜0.8質量部の天然有機酸の保形材と、消石灰に対し2〜6質量部の水とを混練し、型枠に充填した前記混練混合物を圧力100〜200MPaで加圧成形し、脱型後の前記成形体を積算材齢1000〜2000日で炭酸化促進養生させることにより、廃棄物である砕石砕粉を有効活用する炭酸化カルシウム成形体及びその製法を提供できる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、消石灰を含む混合物の炭酸化により製造される炭酸化カルシウム成形体及びその製法に関する。
粉末状の無機質結合材と粉末状の無機質骨材とを混合して混合粉体とし、該混合粉体を略真空中で加圧成形し、炭酸ガスと反応させて造る成形体とその製法が開示されており、例えば、無機質結合材と無機質骨材の混合比について、無機質結合材を5〜100重量部、無機質骨材を0〜95重量部にすると効果があること、及び混合粉体を略真空中において100MPa以上の圧力で加圧成形すると効果があることが開示されている。(特許文献1参照。)
また、無機質結合材と粉末状の無機質骨材との混合粉体の含水率を0〜10%に調整してもよいとの記載が開示されている。(特許文献1参照。)
一方、砕石工場から排出される多量の砕粉は、リサイクルなどの再利用の方法が確立されておらず、砕粉の微粉状態のままで捨てられていた。
特許文献1によれば、無機質結合材と無機質骨材の混合比について、無機質結合材を5〜100重量部、無機質骨材を0〜95重量部としているが、具体的に、結合材及び骨材で特定の材料を選択した場合には、材料により製法上の条件が異なるはずであるから、特定の材料として、例えば無機質結合材として消石灰を、無機質骨材として砕石砕粉を選択したときの配合比による効果が開示されているとはいえない。
また、無機質結合材と無機質骨材を含む混合粉体の含水率を0〜10%に調整することが開示されてあるが、水分は無機質結合材の炭酸化を促進する効果があることから、例えば無機質結合材として消石灰を、無機質骨材として砕石砕粉を選択し、設定できる配合比が特定されたときの含水率による効果が開示されているとはいえない。
さらに、結合材及び骨材を含む混合粉体を略真空中において100MPa以上の圧力で加圧成形することを要するため、略真空状態にするために設備費が高くなるという問題があった。
一方、砕石工場から排出される多量の微粉状態の砕粉を適切に処理できる方法がなく、多量の砕粉を微粉状態のままで捨てるため環境面で問題となっていた。
そこで、本発明の目的は、砕石工場から排出される多量の砕石砕粉の廃棄物を、消石灰と混合させ、型枠に投入した前記混合物を含んだ粉体を、真空中でなく大気中で炭酸ガスにより硬化させて、圧縮強度又は曲げ強度を有する砕石砕粉を活用する炭酸化カルシウム成形体及びその製法を提供することである。
本発明において、「炭酸カルシウム成形体」とは、生石灰(CaO)に水分を加えてできた消石灰(Ca(OH)2)に、加熱しないで炭酸ガスによって炭酸化して造った人工的な石灰石(CaCO2)を意味し、非焼成セラミックス成形体ともいう。
本発明において、「積算材齢」とは、炭酸ガス濃度の高い密閉容器内で炭酸ガスによる反応をさせたときに、大気中で炭酸ガス反応を自然の行わせた場合の養生日数に置き換えた日数を意味する。
本発明において、「絶乾質量」とは、成形体内に水分含有量をゼロにしたときの成形体の質量を意味する。
請求項1に記載の砕石砕粉を活用する炭酸化カルシウム成形体の発明は、消石灰と骨材とを含む混合物からなる成形体に炭酸ガスを反応させ硬化させる炭酸化カルシウム成形体であって、消石灰と砕石砕粉との混合物に対し40〜60質量部である消石灰と、40〜60質量部である砕石砕粉と、消石灰に対し2〜6質量部の水とを混練し、型枠に充填した前記混練混合物を圧力100〜200MPaで大気圧下で加圧成形し、脱型後の前記成形体を積算材齢1000〜2000日で炭酸化促進養生させることを特徴とする。
請求項2に記載の砕石砕粉を活用する炭酸化カルシウム成形体の発明は、消石灰と骨材とを含む混合物からなる成形体に炭酸ガスを反応させ硬化させる炭酸化カルシウム成形体であって、消石灰と砕石砕粉との混合物に対し40〜60質量部である消石灰と、40〜60質量部である砕石砕粉と、消石灰と砕石砕粉の混合物の外割りで0.2〜0.8質量部の天然有機酸の保形材と、消石灰に対し2〜6質量部の水とを混練し、型枠に充填した前記混練混合物を圧力100〜200MPaで加圧成形し、脱型後の前記成形体を積算材齢1000〜2000日で炭酸化促進養生させることを特徴とする。
請求項3に記載の砕石砕粉を活用する炭酸化カルシウム成形体の製法の発明は、
消石灰と骨材とを含む混合物からなる成形体に炭酸ガスを反応させ硬化させる炭酸化カルシウム成形体の製法であって、消石灰と砕石砕粉との混合物に対し40〜60質量部である消石灰と、40〜60質量部である砕石砕粉とを調合する工程と、前記調合した混合物に、消石灰に対し2〜6質量部の水を加えて混練する工程と、型枠に充填した前記混練混合物を圧力100〜200N/mm2で大気圧下で加圧成形する工程と、脱型後の前記成形体を積算材齢1000〜2000日で炭酸化促進養生させる工程と、を含む工程からなることを特徴とする。
消石灰と骨材とを含む混合物からなる成形体に炭酸ガスを反応させ硬化させる炭酸化カルシウム成形体の製法であって、消石灰と砕石砕粉との混合物に対し40〜60質量部である消石灰と、40〜60質量部である砕石砕粉とを調合する工程と、前記調合した混合物に、消石灰に対し2〜6質量部の水を加えて混練する工程と、型枠に充填した前記混練混合物を圧力100〜200N/mm2で大気圧下で加圧成形する工程と、脱型後の前記成形体を積算材齢1000〜2000日で炭酸化促進養生させる工程と、を含む工程からなることを特徴とする。
請求項4に記載の砕石砕粉を活用する炭酸化カルシウム成形体の製法の発明は、消石灰と骨材とを含む混合物からなる成形体に炭酸ガスを反応させ硬化させる炭酸化カルシウム成形体の製法であって、消石灰と砕石砕粉との混合物に対し40〜60質量部である消石灰と、40〜60質量部である砕石砕粉と、消石灰と砕石砕粉の混合物の外割りで0.2〜0.8質量部の天然有機酸の保形材とを調合する工程と、前記調合した混合物に、消石灰に対し2〜6質量部の水を加えて混練する工程と、型枠に充填した前記混練混合物を圧力100〜200MPaで大気圧下で加圧成形する工程と、脱型後の前記成形体を積算材齢1000〜2000日で炭酸化促進養生させる工程と、を含む工程からなることを特徴とする。
請求項1記載の砕石砕粉を活用する炭酸化カルシウム成形体の発明は、廃棄物である砕石砕粉を骨材として有効に活用でき、かつ廃棄物である砕石砕粉を消石灰の質量とほぼ同量の質量を取り込むことができるので、微粉状態のまま捨てられていた砕石砕粉なる廃棄物の処理問題を解決できるという効果がある。
焼成工程を不要とするため、炭酸ガスなどの温室効果ガスが発生しないので、焼成工程を必要とする製法に比較して、二酸化炭素の排出量を削減できるという効果がある。
大気圧下で加圧成形する製法なので、真空雰囲気にする必要がないため、真空雰囲気を造り出す設備投資が不要となり簡易な設備でよく、また真空雰囲気にする時間が不要となるので成形体を製造する時間が短縮するという効果がある。
砕石砕粉の密度、消石灰と砕石砕粉の配合割合、消石灰と砕石砕粉の量、添加する材料の量及び加圧力などを設定すれば得られる体積がいくらになるかを、種々の試験結果から把握してきており、例えばブロック、レンガやタイルなどの立方体の寸法を特定すれば、狙いとする寸法精度を有する成形体を造り出すことができるので、前記成形体を焼成による硬化でなく炭酸化による硬化を促進する製法のため、熱変形が生じることがなく、型枠によって寸法精度が確保された成形体がそのまま製品となり、狙いの寸法精度を有し強度も有する成形体が得られるという効果がある。
請求項2に記載の砕石砕粉を活用する炭酸化カルシウム成形体の発明は、請求項1に記載の発明と同じ効果がある。さらに、天然有機酸を保形材として添加するので、成形性を改善するという効果がある。
請求項3に記載の砕石砕粉を活用する炭酸化カルシウム成形体の製法の発明は、請求項1に記載の発明と同じ効果がある。
請求項4に記載の砕石砕粉を活用する炭酸化カルシウム成形体の製法の発明は、請求項2又は3に記載の発明と同じ効果がある。
次ぎに、本発明の砕石砕粉を活用する炭酸化カルシウム成形体及びその製法の最良の形態を説明する。
まず、図1の第1工程の調合工程において、材料の調合を行うため、消石灰の粉体と、砕石研磨後の砕粉からなる骨材とを、消石灰5対砕粉5の割合で調合する。さらに、消石灰と骨材との混合物の外割で0.5重量部のステアリング酸カルシウムを保形材として添加して調合する。
第2工程の混練工程において、第1工程で調合した混合物を十分に混練し、さらに消石灰に対して2〜6重量部の水を添加して混練する。
第3工程の大気圧下加圧成形工程において、混練した粉体を製作しようとする製品の型枠に投入し、前記粉体を投入した型枠全体を大気圧下で粉体の加圧成形を行う。このときの成型加圧力を100〜200MPaに設定し30秒間保持した後、加圧力を解除して成型体を脱型する。
第4工程の炭酸化促進養生工程において、図2に表すような炭酸化促進装置内に載置して、熱交換機1、水槽からの水蒸気2、炭酸ガスボンベ3から繋がっている電磁弁4をそれぞれ自動調整することで、温度センサー5を養生温度20°Cに、湿度センサー6を養生湿度60%に、炭酸ガス濃度センサー7を養生炭酸ガス濃度6%に保持する。
消石灰である水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を炭酸ガス雰囲気中に載置させると、Ca(OH)2 + CO2 → CaCO3 + H2O のように、消石灰が炭酸ガスを吸収して炭酸カルシウムになるので、炭酸カルシウム(CaCO3)である石灰石が人工的に造られる。
ここで、炭酸ガス養生期間は、大気中の炭酸ガス0.03%に対し養生濃度は6%であり濃度が200倍であるので、養生日数と濃度との比により積算したものを積算材齢とすると、例えば、10日の炭酸化養生は積算材齢2000日となる。
そこで、炭酸化促進装置内に前記脱型した成形体を載置し、積算材齢として1000〜2000日のうちいずれかの設定した日数を経過後に、前記装置内より炭酸化の進んだ炭酸化カルシウム成形体を取り出す。
炭酸化促進装置から取り出した炭酸化カルシウム成形体は、廃棄物である砕石砕粉などを消石灰の質量とほぼ同量の質量を取り込んで骨材として有効に活用できるので、微粉状態で捨てている砕石砕粉という廃棄物の処理問題を解決できるという効果がある。
さらに、焼成工程を不要とするため二酸化炭素の排出量を削減でき、大気圧下で加圧成形するので真空状態を造り出す設備投資が不要で簡易な設備でよく、真空にする時間が不要となるので製造時間が短縮するという効果がある。
次に、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は実施例により限定されるものでない。
第1工程において、消石灰は平均粒度10μm程度の比較的細かい消石灰を使用し、砕石砕粉は1mm篩を通過した粉体を使用し、前記消石灰と前記砕石砕粉を混合比を5対5の割合でそれぞれを2kgとし、天然有機酸の保形材として、消石灰と砕石砕粉との混合物に対し0.5重量部のステアリン酸カルシウムを0.02kg添加して炭酸化カルシウム成形体を造るのに要する材料を調合する。
第2工程において、調合した材料を十分に混練し、さらに消石灰に対し4重量部の水を0.08kg添加して混練する。添加水量は消石灰が炭酸化養生を行うときの炭酸化に影響を与え、炭酸化カルシウム成形体の強度に影響が現れる。
第3工程において、混練した混合物の粉体を型枠に投入し、型枠全体を大気中にて5000kN能力アムスラー万能試験機に設置し、粉体に対する加圧成形を行い、150MPaの加圧力を30秒保持した後、加圧力を解除して成形体を脱型する。
第4工程において、脱型した成形体を図2に表す炭酸化促進装置内に載置し、温度センサー5を養生温度20°Cに、湿度センサー6を養生湿度60%に、炭酸ガス濃度センサー7を養生炭酸ガス濃度6%に保持した状態で、積算材齢2000日経過時に、炭酸化促進装置内から炭酸化カルシウム成形体を取り出す。
取り出した炭酸化カルシウム成形体は、例えばブロック、レンガやタイルなどの製品としての強度を満足したものであり、以下に、砕石砕粉を活用する炭酸化カルシウム成形体の製造条件を設定するための試験を実施した。
[試験例1]
消石灰と砕石砕粉の調合割合と圧縮強度又は曲げ強度との関係を試験した。
消石灰と砕石砕粉の調合割合と圧縮強度又は曲げ強度との関係を試験した。
図3より、調合比と圧縮強度との関係は、消石灰4対砕石砕粉6又は消石灰5対砕石砕粉5の調合のときは、炭酸化反応による消石灰の膨張の絶対量が大きく緻密な成形体になるため圧縮強度が発現している。
なお、消石灰含有率が増加するにつれて炭酸化反応による体積膨張が大きくなりすぎ成形体内部などにひび割れを起こす恐れがあるが、消石灰4対砕石砕粉6又は消石灰5対砕石砕粉5の調合では圧縮強度に差がなく、ひび割れ発生は認められない。
図4より、調合比と曲げ強度との関係は、消石灰量が多くなることで体積膨張も多くなるため緻密となり曲げ強度が増加し、調合比が消石灰5対砕石砕粉5のときが最も曲げ強度を発現している。
[試験例2]
炭酸化率と圧縮強度又は曲げ強度との関係を試験した。
炭酸化率と圧縮強度又は曲げ強度との関係を試験した。
成形体内部の消石灰が積算材齢を経過させることにより炭酸化という現象を起こし、成形体内部の空隙を充填することで、強度を発現する特性を有するので、このとき成形体内部が炭酸化前に比べて、どのくらい炭酸化したかを炭酸化率として表した。
消石灰は炭酸化反応を起こすことにより11.8%体積膨張を起こし、35%質量を増加するので、炭酸化率は、炭酸化率=(養生後絶乾質量―養生前絶乾質量)/(0.35×養生前消石灰質量)×100の数式で求められる。
図5より、炭酸化率と積算材齢の関係をみると、積算材齢が1000日までに炭酸化が急激に進行しているが、これは成形体内の空隙が多く炭酸ガスの進行が容易であったためである。
また、積算材齢が1000日以降になり長期になると炭酸化率の上昇は緩やかになっているが、これは急激な炭酸化で成形体の表面層が緻密になったために、炭酸ガスが内部まで拡散しにくくなり炭酸化が緩やかになったためである。
図6より、炭酸化率と添加水量(消石灰に対する質量部で表す)との関係をみると、添加水量5%のときが炭酸化率が高く、添加水量が5%を超えると炭酸化率が低下しているが、これは成形直後に表面に水が浮くほどの水を含んでおり成形体中が湿潤状態であったために、養生期間中の乾燥が時間がかかり炭酸化反応に費やす時間が減少し炭酸化率が低下したものである。
したがって、添加水量は、プレスなどによる加圧によって成形体にできる空隙に添加水が充填される飽和状態になる状態以下がよい。
[試験例3]
積算材齢と圧縮強度又は曲げ強度との関係を試験した。
積算材齢と圧縮強度又は曲げ強度との関係を試験した。
圧縮試験は200kN能力を有するアムスラー試験機を用いて、荷重を加えて圧縮強度を測定し、曲げ試験は、200kN能力を有するアムスラー試験機により1点載荷を行い、曲げ強度を測定した。
図7の圧縮試験結果より、炭酸化による体積膨張で成形体内部の空隙が充填されて強度の上昇がみられ、積算材齢の経過につれて一般的に強度上昇が起こるが、積算材齢が長期になると強度がピーク時より低下する傾向がみられる。これは、成形体内の炭酸化による体積膨張に耐え切れず微細なクラックが発生したためである。
また、コンクリートの一般的な圧縮強度は30N/mm2であるのに対し、本発明の砕石砕粉を活用する炭酸化カルシウム成形体の圧縮強度は、積算材齢200日で圧縮強度30N/mm2を超えており、積算材齢が長期になってもコンクリートの一般的な圧縮強度を超えている。
図8の曲げ試験結果より、積算材齢の経過につれて曲げ強度は増加し、積算材齢1000日が高い曲げ強度を示し、積算材齢1000日以降では曲げ強度が緩やかに低下している。
また、コンクリートの一般的な曲げ強度は6N/mm2であるのに対し、本発明の砕石砕粉を活用する炭酸化カルシウム成形体の圧縮強度は、積算材齢200日で圧縮強度6N/mm2を満足しており、積算材齢1000日以降になると曲げ強度は9N/mm2に達しコンクリートの一般的な圧縮強度を超えている。
[試験例4]
添加水量と圧縮強度又は曲げ強度との関係を試験した。添加する水の量は、消石灰に対する質量部で表している。
添加水量と圧縮強度又は曲げ強度との関係を試験した。添加する水の量は、消石灰に対する質量部で表している。
図9より、添加水量が5%の成形体が圧縮強度が最も高く、添加水量が5%以上の成形体になると圧縮強度が低下している。この低下は添加水量が多い成形体では成形時の水の量が多いために、水が乾燥することによって、空隙が多くなり炭酸化率が上昇するが、成形体が密実でないため強度が低下したためである。
図10より、曲げ強度は、添加水量が2.5%の成形体が高く、添加水量が増加するにつれて、圧縮とは違って曲げ強度は低下しており、これは、曲げ強度は成形体表面の緻密性により強度が決定されるが、添加推量の影響により成形体中の水が多くなって成形時に発生する可能性がある内部クラックの影響で強度が低下したためである。
[試験例5]
成形加圧力と圧縮強度又は曲げ強度との関係を試験した。
成形加圧力と圧縮強度又は曲げ強度との関係を試験した。
図11より、150MPaのときに圧縮強度が高く、200MPaになると圧縮強度が低下しているが、これは成形体中の空隙が少なくなって炭酸化反応を阻害され、成形体中の緻密性が低くなり強度が低下したためである。
図12より、成形加圧力100MPaの成形体の曲げ強度が高く、成形加圧力50MPaの成形体の曲げ強度が最も低くなっている。これは、成形時の加圧が低いため成形体中の空隙が多く、炭酸ガスが進入し炭酸化率は高くなるが、空隙が多く成形体の密実性が低いため強度が低下したためである。
実施例又は試験例1〜5の試験結果から、砕石砕粉を活用する炭酸化カルシウム成形体の製造条件として、第一に、実施例から粉体の混練混合物を加圧成形するために雰囲気を真空状態にする必要がなく大気中で加圧成形できること、第二に、試験例1から、消石灰と砕石砕粉との配合は消石灰が40〜60%質量部で、砕石砕粉も40〜60%質量部であること、第三に、試験例2又は3から、積算材齢は1000〜2000日であること、第四に、試験例2又は4から、添加水量は消石灰に対し2〜6質量部であること、第五に、試験例5から、混合粉体を成形するための加圧力は100〜200MPaであること、第六に、実施例から、天然有機酸の保形材を添加することを得た。
1 熱交換機
2 水蒸気
3 炭酸ガスボンベ
4 電磁弁
5 温度センサー
6 湿度センサー
7 炭酸ガス濃度センサー
2 水蒸気
3 炭酸ガスボンベ
4 電磁弁
5 温度センサー
6 湿度センサー
7 炭酸ガス濃度センサー
Claims (4)
- 消石灰と骨材とを含む混合物からなる成形体に炭酸ガスを反応させ硬化させる炭酸化カルシウム成形体であって、消石灰と砕石砕粉との混合物に対し40〜60質量部である消石灰と、40〜60質量部である砕石砕粉と、消石灰に対し2〜6質量部の水とを混練し、型枠に充填した前記混練混合物を圧力100〜200MPaで大気圧下で加圧成形し、脱型後の前記成形体を積算材齢1000〜2000日で炭酸化促進養生させることを特徴とする砕石砕粉を活用する炭酸化カルシウム成形体。
- 消石灰と骨材とを含む混合物からなる成形体に炭酸ガスを反応させ硬化させる炭酸化カルシウム成形体であって、消石灰と砕石砕粉との混合物に対し40〜60質量部である消石灰と、40〜60質量部である砕石砕粉と、消石灰と砕石砕粉の混合物の外割りで0.2〜0.8質量部の天然有機酸の保形材と、消石灰に対し2〜6質量部の水とを混練し、型枠に充填した前記混練混合物を圧力100〜200MPaで加圧成形し、脱型後の前記成形体を積算材齢1000〜2000日で炭酸化促進養生させることを特徴とする砕石砕粉を活用する炭酸化カルシウム成形体。
- 消石灰と骨材とを含む混合物からなる成形体に炭酸ガスを反応させ硬化させる炭酸化カルシウム成形体の製法であって、消石灰と砕石砕粉との混合物に対し40〜60質量部である消石灰と、40〜60質量部である砕石砕粉とを調合する工程と、前記調合した混合物に、消石灰に対し2〜6質量部の水を加えて混練する工程と、型枠に充填した前記混練混合物を圧力100〜200N/mm2で大気圧下で加圧成形する工程と、脱型後の前記成形体を積算材齢1000〜2000日で炭酸化促進養生させる工程と、を含む工程からなることを特徴とする砕石砕粉を活用する炭酸化カルシウム成形体の製法。
- 消石灰と骨材とを含む混合物からなる成形体に炭酸ガスを反応させ硬化させる炭酸化カルシウム成形体の製法であって、消石灰と砕石砕粉との混合物に対し40〜60質量部である消石灰と、40〜60質量部である砕石砕粉と、消石灰と砕石砕粉の混合物の外割りで0.2〜0.8質量部の天然有機酸の保形材とを調合する工程と、前記調合した混合物に、消石灰に対し2〜6質量部の水を加えて混練する工程と、型枠に充填した前記混練混合物を圧力100〜200MPaで大気圧下で加圧成形する工程と、脱型後の前記成形体を積算材齢1000〜2000日で炭酸化促進養生させる工程と、を含む工程からなることを特徴とする砕石砕粉を活用する炭酸化カルシウム成形体の製法。
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