JP2010064463A - 防汚積層体 - Google Patents

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JP2010064463A JP2008235704A JP2008235704A JP2010064463A JP 2010064463 A JP2010064463 A JP 2010064463A JP 2008235704 A JP2008235704 A JP 2008235704A JP 2008235704 A JP2008235704 A JP 2008235704A JP 2010064463 A JP2010064463 A JP 2010064463A
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Abstract

【課題】埃、粉塵の付着を十分に抑制でき、安価で実用性に優れる防汚積層体を提供すること。
【解決手段】本発明は、ベース層5と、該ベース層5の表面及び裏面の少なくも一方に積層された帯電防止層1,2と、を備え、ベース層5が、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、スチロール、ポリウレタン、アクリル又はポリカーボネートからなり、帯電防止層1,2が、陰イオン及び陽イオンの塩からなる帯電防止剤を含む防汚積層体11である。
【選択図】図1

Description

本発明は、防汚積層体に関する。
看板、信号、掲示板等、屋外に長期間設置される表示板がある。このような表示板は、長期間設置されるので、埃、粉塵等が付着する。そうすると、表示板に記載された文字や色が認識しにくくなるという問題がある。
特に、この問題は、排気ガスが多い駅のホームやトンネル内に表示板が設置される場合に顕著である。
ところで、表示板の表面に貼り付け、表示板の表面を保護する防汚積層体が研究されている。
例えば、フッ素樹脂フィルムの片面に帯電防止層を設け、防汚性を改良した積層フッ素樹脂フィルムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、基材と、非架橋酸素酸化物を含むシリカゲル構造からなる表層部と、からなるトンネル用内装材が知られている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、基材の一方の面にプライマー層、及び金属酸化物粒子とシラン化合物の硬化体とからなるハードコート層を積層したハードコートフィルムが知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開平9−48096号公報 特開2000−291390号公報 特開2003−25478号公報
しかしながら、上記特許文献1記載の積層フッ素樹脂フィルムは、フッ素樹脂フィルムを用いているので、高価であり、実用性に劣る。
また、上記特許文献2記載のトンネル用内装材、及び、上記特許文献3記載のハードコートフィルムは、埃、粉塵等の付着を必ずしも十分に抑制できない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、埃、粉塵の付着を十分に抑制でき、安価で実用性に優れる防汚積層体を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討したところ、埃、粉塵が付着するのは、静電気によるものではないかと考えた。そして、どうすれば静電気の発生を十分に抑制できるかを検討し、所定のベース層に積層された帯電防止層に陰イオンと陽イオンとの塩を含有させたところ、意外にも、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、(1)ベース層と、該ベース層の表面及び裏面の少なくとも一方に積層された帯電防止層と、を備え、ベース層が、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、スチロール、ポリウレタン、アクリル又はポリカーボネートからなり、帯電防止層が、陰イオン及び陽イオンの塩からなる帯電防止剤を含む防汚積層体に存する。
本発明は、(2)ベース層と、該ベース層の表面及び裏面の少なくとも一方に積層された帯電防止層と、を備え、ベース層が、アルミ板、鉄板又は鋼板からなり、帯電防止層が、陰イオン及び陽イオンの塩からなる帯電防止剤を含む防汚積層体に存する。
本発明は、(3)ベース層の表面に第1帯電防止層が積層されており、該第1帯電防止層が、帯電防止剤と、水酸基を有するフッ素系樹脂と、水酸基を有するシリコーン変性アクリル樹脂と、からなる上記(1)又は(2)に記載の防汚積層体に存する。
本発明は、(4)ベース層の裏面に第2帯電防止層が積層されており、該第2帯電防止層が、帯電防止剤と、粘着剤と、からなる上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の防汚積層体に存する。
本発明は、(5)ベース層と、第2帯電防止層との間に、画像層を有する上記(4)記載の防汚積層体に存する。
本発明は、(6)陰イオンが、酢酸イオン、過塩素酸イオン、ホウ酸イオン、リン酸イオン、スルホン酸イオン、イミド酸イオン、メチド酸イオン及びハロゲンイオンからなる群より選ばれる少なくとも一つであり、陽イオンが、アンモニウムイオン、ピリジニウムイオン及びイミダゾリウムイオンからなる群より選ばれる少なくとも一つである上記(1)又は(2)に記載の防汚積層体に存する。
本発明は、(7)陰イオンが、フッ素基を有する上記(1)又は(2)に記載の防汚積層体に存する。
本発明は、(8)陽イオンが、ピリジニウムイオン又はイミダゾリウムイオンであり、ピリジニウムイオンが下記一般式(1)で表される構造を有し、イミダゾリウムイオンが下記一般式(2)で表される構造を有する上記(1)又は(2)に記載の防汚積層体に存する。
Figure 2010064463
Figure 2010064463
[式(1)及び式(2)中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は置換基を有していてもよい有機基を示す。]
本発明は、(9)帯電防止層全量に対して、帯電防止剤が0.3〜15質量%含まれている上記(1)又は(2)に記載の防汚積層体に存する。
本発明は、(10)第1帯電防止層において、フッ素系樹脂とシリコーン変性アクリル樹脂とが互いの水酸基の部分で架橋剤と結合し硬化されたものである上記(3)記載の防汚積層体に存する。
本発明は、(11)架橋剤がイソシアネート系架橋剤であり、フッ素系樹脂とシリコーン変性アクリル樹脂とが互いの水酸基の部分でイソシアネート系架橋剤と結合し、ウレタン結合を形成する上記(10)記載の防汚積層体に存する。
なお、本発明の目的に添ったものであれば、上記(1)〜(11)を適宜組み合わせた構成も採用可能である。
本発明の防汚積層体は、ベース層の少なくとも一方の面に、陰イオンと陽イオンとの塩からなる帯電防止剤を含有するので、埃、粉塵の付着を十分に抑制することができる。
また、ベース層が上述した材料からなるので、実用性に優れる。
したがって、かかる防汚積層体は、看板、信号、掲示板等、屋外に長期間設置される表示板等(以下「被貼付体」という。)に貼付することにより、長期間設置される場合であっても、埃、粉塵等が付着することを抑制できる。
特に、排気ガスが多い駅のホームやトンネル内に表示板が設置される場合に有用である。
上記防汚積層体は、ベース層の表面に第1帯電防止層が積層されており、該第1帯電防止層が、帯電防止剤と、水酸基を有するフッ素系樹脂と、水酸基を有するシリコーン変性アクリル樹脂と、からなるものであると、埃、粉塵の付着抑制のみならず、撥水性や脂汚れ等に対する防汚性も向上する。
上記防汚積層体は、ベース層の裏面に第2帯電防止層が積層されており、該第2帯電防止層が、帯電防止剤と、粘着剤と、からなるものであると、埃、粉塵の付着抑制効果を長期間持続させることができる。
上記防汚積層体は、ベース層と、第2帯電防止層との間に、画像層を有するものであると、被貼付体に模様を付与することができる。
また、被貼付体に模様が付与されている場合は、3次元的な画像とすることができる。
上記本発明の防汚積層体は、陰イオンが、酢酸イオン、過塩素酸イオン、ホウ酸イオン、リン酸イオン、スルホン酸イオン、イミド酸イオン、メチド酸イオン及びハロゲンイオンからなる群より選ばれる少なくとも一つであり、陽イオンが、アンモニウムイオン、ピリジニウムイオン及びイミダゾリウムイオンからなる群より選ばれる少なくとも一つであると、埃、粉塵の付着を確実に抑制できる。
また、この場合、防汚積層体の透明度の低下を抑制できる。
上記防汚積層体は、陰イオンが、フッ素基を有すると、フッ素系樹脂との相溶性がより優れるものとなる。
上記防汚積層体は、陽イオンが、ピリジニウムイオン又はイミダゾリウムイオンであり、ピリジニウムイオンが上記一般式(1)で表され、イミダゾリウムイオンが上記一般式(2)で表されるものであると、埃、粉塵の付着をより一層抑制できる。
上記防汚積層体において、帯電防止層全量に対して、帯電防止剤が0.3〜15質量%含まれていると、上述した効果が確実に奏される。
上記防汚積層体は、第1帯電防止層において、フッ素系樹脂とシリコーン変性アクリル樹脂とが互いの水酸基の部分で架橋剤と結合し硬化されたものであると、第1帯電防止層の耐久性が向上する。すなわち、埃、粉塵の付着抑制効果、及び、撥水性や脂汚れ等に対する防汚性をより長期間持続させることができる。なお、上記防汚積層体は、架橋剤がイソシアネート系架橋剤であり、フッ素系樹脂とシリコーン変性アクリル樹脂とが互いの水酸基の部分でイソシアネート系架橋剤と結合し、ウレタン結合を形成するものであることが好ましい。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。更にまた、本明細書における「(メタ)アクリル」とは、それに対応する「アクリル」及び「メタクリル」を意味し、「(メタ)アクリレート」とは、それに対応する「アクリレート」及び「メタクリレート」を意味する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の防汚積層体の第1実施形態を示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る防汚積層体11は、ベース層5と、ベース層5の表面に積層された帯電防止剤を含む帯電防止層(以下「第1帯電防止層」という。)1と、ベース層5の裏面に積層された帯電防止剤を含む帯電防止層(以下「第2帯電防止層」という。)2と、を備える。
また、上記防汚積層体11においては、帯電防止剤が、陰イオン及び陽イオンの塩からなっている。なお、帯電防止剤の詳細については、後述する。
上記防汚積層体11は、フィルムを用いてベース層5とし、陰イオンと陽イオンとの塩からなる帯電防止剤を含有する。このため、埃、粉塵の付着を十分に抑制することができる。
以下、ベース層5、第1帯電防止層1及び第2帯電防止層2について更に詳細に説明する。
(ベース層)
第1実施形態に係る防汚積層体11において、ベース層5は、フィルムからなる。
かかるフィルムは、膜状の軟質であっても、板状の硬質であってもよい。
フィルムの材質としては、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、スチロール、ポリウレタン、アクリル又はポリカーボネート等が挙げられる。
上記ベース層5の厚みは、10〜3000μmであることが好ましい。この場合、取扱い性が優れる。
また、上記ベース層5の透明度は、80〜100%であることが好ましい。この場合、被貼付体に設けられた画像が見えやすくなる。
上記フィルムの表面及び/又は裏面には、ブラスト処理やコロナ処理等の表面処理が施されていることが好ましい。
この場合、フィルムの表面が凹凸となるので、第1帯電防止層、第2帯電防止層との接着性が向上する。
(第1帯電防止層)
第1帯電防止層1は、ベース層5の表面に積層される。
第1帯電防止層1は、帯電防止剤と、水酸基を有するフッ素系樹脂と、水酸基を有するシリコーン変性アクリル樹脂と、からなる。
まず、帯電防止剤について説明する。
上記帯電防止剤は、陰イオンと陽イオンとの塩からなる。なお、帯電防止剤は、陽イオンと陰イオンとが等価となるように配合される。また、かかる帯電防止剤は、酸と塩基を中和して製造してもよく、塩同士を混合して製造してもよく、合成反応の過程で塩として抽出してもよい。
本実施形態に係る防汚積層体11においては、上記帯電防止剤を含むことにより、埃、粉塵の付着を十分に抑制することができる。
上記陰イオンは、酢酸イオン、過塩素酸イオン、ホウ酸イオン、リン酸イオン、スルホン酸イオン、イミド酸イオン、メチド酸イオン及びハロゲンイオンからなる群より選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
これらの中でも、陰イオンは、分子内に少なくとも1つのフッ素基を有するものであることが好ましく、水素原子がフッ素原子に全置換されたものであることがより好ましい。
この場合、後述する(水酸基を有する)フッ素系樹脂との相溶性がより優れるものとなる。
具体的には、テトラフルオロ酢酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸イオン、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド酸イオン等が挙げられる。なお、これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
一方、上記陽イオンは、アンモニウムイオン、ピリジニウムイオン及びイミダゾリウムイオンからなる群より選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
これらの中でも、陽イオンは、ピリジニウムイオン又はイミダゾリウムイオンであることが好ましく、下記一般式(1)で表されるピリジニウムイオン、又は、下記一般式(2)で表されるイミダゾリウムイオンであることがより好ましい。
Figure 2010064463
Figure 2010064463
ここで、一般式(1)及び一般式(2)中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は置換基を有していてもよい有機基を示す。
上記有機基としては、特に限定されないが、脂肪族炭化水素や芳香族炭化水素が挙げられる。
上記置換基としては、水酸基、カルボン酸基、カルボニル基、ハロゲン基、アミン基、シアノ基、アミド基、フェニル基又はナフチル基等のアリール基、エステル基、スルホニル基、ニトロ基、アルキレンオキサイド基等が挙げられる。
上記一般式(1)で表されるピリジニウムイオンの例としては、ピリジニウムイオン、1−メチルピリジニウムイオン、1−エチルピリジニウムイオン、1−プロピルピリジニウムイオン、1−ブチルピリジニウムイオン、1−ヘキシルピリジニウムイオン、1−ドデシルピリジニウムイオン、ヘキサデシルピリジニウムイオン、1−アセトニルピリジニウムイオン、1−アミノピリジニウムイオン、1−フルオロピリジニウムイオン、1−フェナシルピリジニウムイオン、1−(シアノメチル)ピリジニウムイオン、1−(カルバモイルメチル)ピリジニウムイオン、3−(クロロメチル)ピリジニウムイオン、1−エチル−3−メチルピリジニウムイオン、1−エチル−3−(ヒドロキシメチル)ピリジニウムイオン、1−ブチル−3−メチルピリジニウムイオン、1−(3−スルホプロペニル)ピリジニウムイオン、3−カルバミル−1−メチルピリジニウムイオン等が挙げられる。なお、これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
これらの中でも、保存安定性の観点から、R及びRは、それぞれ独立に飽和炭化水素であることが好ましく、置換基を有していない炭素数が1〜6の飽和炭化水素基であることがより好ましい。
炭素数が6を超えると、炭素数が上記範囲内にある場合と比較して、嵩高くなり過ぎ、十分な帯電防止性(埃の付着に対する防汚性)が得られない傾向がある。
すなわち、好ましいピリジニウムイオンとしては、1−メチルピリジニウムイオン、1−エチルピリジニウムイオン、1−プロピルピリジニウムイオン、1−ブチルピリジニウムイオン、1−ヘキシルピリジニウムイオン、1−エチル−3−メチルピリジニウムイオン、1−ブチル−3−メチルピリジニウムイオン等が挙げられる。
上記一般式(2)で表されるイミダゾリウムイオンの例としては、1,3−ジメチルイミダゾリウムイオン、1,3−ジイソプロピルイミダゾリウムイオン、1,3−ジメシチルイミダゾリウムイオン、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムイオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1,3−(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾリウムイオン等が挙げられる。なお、これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
これらの中でも、保存安定性の観点から、R及びRは、それぞれ独立に飽和炭化水素であることが好ましく、置換基を有していない炭素数が1〜6の飽和炭化水素基であることがより好ましい。
炭素数が6を超えると、炭素数が上記範囲内にある場合と比較して、嵩高くなり過ぎ、十分な導電性(埃の付着に対する防汚性)が得られない傾向がある。
すなわち、好ましいイミダゾリウムイオンとしては、1,3−ジイソプロピルイミダゾリウムイオン、1,3−ジメチルイミダゾリウムイオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウムイオン等が挙げられる。
次に、水酸基を有するフッ素系樹脂について説明する。
本実施形態に係る防汚積層体11においては、水酸基を有するフッ素系樹脂を含有することにより、埃、粉塵の付着抑制のみならず、撥水性、及び、脂汚れ等に対する防汚性が向上する。
上記水酸基を有するフッ素系樹脂は、水酸基を有しているものであれば、公知のフッ素系樹脂を用いることができる。
例えば、フッ化ビニリデン−四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(THV)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体(ECTFE)、パーフロ環状重合体等に水酸基を付加させればよい。なお、これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
水酸基を有するフッ素系樹脂は、フルオロオレフィンと水酸基含有ビニル単量体との共重合によっても得られる。なお、フルオロオレフィンと水酸基含有ビニル単量体との重合方法は、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合等、特に限定されない。
上記フルオロオレフィンとしては、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、パーフルオロアルキルビニルエーテル等が挙げられる。なお、これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
一方、水酸基含有ビニル単量体としては、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルアリルエーテル、ヒドロキシカルボン酸ビニルエステル、ヒドロキシカルボン酸アリルエステル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。なお、これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
ヒドロキシアルキルビニルエーテルとしては、炭素数4〜10のヒドロキシアルキルビニルエーテルが挙げられ、具体的には、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシイソブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシ−2−メチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシペンチルビニルエーテル、ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、4−ヒドロキシシクロヘキシルビニルエーテル、2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルエチル)ビニルエーテル、2,3−ジヒドロキシプロピルビニルエーテル等が挙げられる。
ヒドロキシアルキルアリルエーテルとしては、炭素数5〜11のヒドロキシアルキルアリルエーテルが挙げられ、具体的には、ヒドロキシエチルアリルエーテル、ヒドロキシプロピルアリルエーテル、ヒドロキシブチルアリルエーテル、ヒドロキシイソブチルアリルエーテル、ヒドロキシヘキシルアリルエーテル、4−ヒドロキシシクロヘキシルアリルエーテル、2−(4−ヒドロキシシクロヘキシルエチル)アリルエーテル、2,3−ジヒドロキシプロピルアリルエーテル等が挙げられる。
ヒドロキシカルボン酸ビニルエステルとしては、炭素数4〜10のヒドロキシカルボン酸ビニルエステルが挙げられ、具体的には、ヒドロキシ酢酸ビニル、ヒドロキシプロパン酸ビニル、ヒドロキシブタン酸ビニル、ヒドロキシヘキサン酸ビニル、4−ヒドロキシシクロヘキシル酢酸ビニル等が挙げられる。
ヒドロキシカルボン酸アリルエステルとしては、炭素数5〜11のヒドロキシカルボン酸アリルエステルが挙げられ、具体的には、ヒドロキシ酢酸アリル、ヒドロキシプロパン酸アリル、ヒドロキシブタン酸アリル、ヒドロキシヘキサン酸アリル、4−ヒドロキシシキロヘキシル酢酸アリル等が挙げられる。
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、炭素数5〜8のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられ、具体的には、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
N−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドとしては、炭素数5〜8のヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドが挙げられ、具体的には、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
また、フルオロオレフィンと、水酸基含有ビニル単量体との共重合の際には、他の単量体を混合して、共重合させてもよい。
他の単量体としては、アルキルビニルエーテル、アルキルアリルエーテル、カルボン酸ビニルエステル、カルボン酸アリルエステル、α−オレフィン、アルキル(メタ)アクリレート、N−アルキル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。なお、これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
アルキルビニルエーテルとしては、炭素数4〜10のアルキルビニルエーテルが挙げられ、具体的には、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルエチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル等が挙げられる。
アルキルアリルエーテルとしては、炭素数5〜11のアルキルアリルエーテルが挙げられ、具体的には、エチルアリルエーテル、プロピルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、イソブチルアリルエーテル、ヘキシルアリルエーテル、シクロヘキシルアリルエーテル、シクロヘキシルエチルアリルエーテル、2−エチルヘキシルアリルエーテル等が挙げられる。
カルボン酸ビニルエステルとしては、炭素数4〜10のカルボン酸ビニルエステルが挙げられ、具体的には、酢酸ビニル、プロパン酸ビニル、ブタン酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、シクロヘキシル酢酸ビニル等が挙げられる。
カルボン酸アリルエステルとしては、炭素数5〜11のカルボン酸アリルエステルが挙げられ、具体的には、酢酸アリル、プロパン酸アリル、ブタン酸アリル、ヘキサン酸アリル、シクロヘキシル酢酸アリル等が挙げられる。
α−オレフィンとしては、炭素数2〜8のα−オレフィンが挙げられ、具体的には、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、1−ヘキセン、スチレン等が挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、炭素数5〜8のアルキル(メタ)アクリレートが挙げられ、具体的には、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
N−アルキル(メタ)アクリルアミドとしては、炭素数5〜8のアルキル(メタ)アクリルアミドが挙げられ、具体的には、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
上記フルオロオレフィンの配合割合は、フッ素系樹脂全体に対して、40〜80モル%となるように調整することが好ましく、45〜70モル%となるように調整することがより好ましい。
一方、水酸基含有ビニル単量体の配合割合は、フッ素系樹脂全体に対して、20〜60モル%となるように調整することが好ましく、30〜55モル%となるように調整することがより好ましい。なお、他の単量体を含む場合、他の単量体の配合割合は、フッ素系樹脂全体に対して、30〜70モル%となるように調整することが好ましく、40〜60モル%となるように調整することがより好ましい。
フッ素系樹脂の水酸基価(mgKOH/g)は、50〜120が好ましい。
この場合、埃の付着に対する防汚性がより向上する。なお、上記水酸基価は、JIS K0070−1992に準拠して、キシレンを溶媒として測定した値である。
フッ素系樹脂は、分子量が5000〜15000であることが好ましい。
この場合、フッ素系樹脂のベース層5への接着性がより優れるものとなる。
次に、水酸基を有するシリコーン変性アクリル樹脂について説明する。
本実施形態に係る防汚積層体11は、シリコーン変性アクリル樹脂を含有することにより、撥水性が向上すると共に、第1帯電防止層1の耐久性が向上する。
また、シリコーン変性アクリル樹脂は、水酸基(ヒドロキシ基)を有するので、後述する架橋剤を付与することにより、フッ素系樹脂とシリコーン変性アクリル樹脂とが結合される。これにより、形成される第1帯電防止層1がより強固になる。
上記シリコーン変性アクリル樹脂は、アクリル系モノマーとシラン化合物とを公知の方法で重合して得られるものである。なお、アクリル系モノマーとシラン化合物との重合方法は、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合等、特に限定されない。
上記アクリル系モノマーとしては、例えば、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルアリルエーテル、ヒドロキシカルボン酸ビニルエステル、ヒドロキシカルボン酸アリルエステル、ヒドロキシアルキルアクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレート、N−ヒドロキシアルキルアクリルアミド又はN−ヒドロキシアルキルメタクリルアミド等が挙げられる。なお、これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
上記シラン化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド又は3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。なお、これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。なお、上記シリコーン変性アクリル樹脂においても、上述した他の単量体を混合させて、共重合してもよい。
かかる他の単量体は、上述したフッ素系樹脂における他の単量体と同義である。
シリコーン変性アクリル樹脂の水酸基価(mgKOH/g)は、60〜240が好ましく、100〜180がより好ましい。
この場合、第1帯電防止層1の強度がより向上する。なお、上記水酸基価は、JIS K0070−1992に準拠して、キシレンを溶媒として測定した値である。
シリコーン変性アクリル樹脂は、分子量が5000〜20000であることが好ましい。
この場合、シリコーン変性アクリル樹脂のベース層5への接着性がより優れるものとなる。
本実施形態に係る防汚積層体11においては、上述したフッ素系樹脂とシリコーン変性アクリル樹脂とが互いの水酸基の部分で架橋剤と結合し硬化されていることが好ましい。
これにより、第1帯電防止層1の耐久性が向上する。すなわち、埃、粉塵の付着抑制効果、及び、撥水性や脂汚れ等に対する防汚性をより長期間持続させることができる。
上記架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、メラミン系架橋剤、尿素樹脂系架橋剤、多塩基酸系架橋剤、エポキシ系架橋剤等が挙げられる。
イソシアネート系架橋剤としては、多価イソシアネートが含まれ、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、及び、これらのイソシアヌレート変性体、ウレトジオン変性体、ビウレット変性体等が挙げられる。
メラミン系架橋剤としては、ブチル化メラミン、メチル化メラミン、エポキシ変性メラミン、アルキルエーテル化メラミン等が挙げられる。
尿素樹脂系架橋剤としては、メチル化尿素樹脂、ブチル化尿素樹脂等が挙げられる。
多塩基酸系架橋剤としては、ヘキサンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、ナフタリンジカルボン酸、トリメリット酸等が挙げられる。
エポキシ系架橋剤としては、ジシクロペンタジエンジオキシド等が挙げられる。
これらの中でも、架橋剤がイソシアネート系架橋剤であり、フッ素系樹脂とシリコーン変性アクリル樹脂とが互いの水酸基の部分でイソシアネート系架橋剤と結合し、ウレタン結合を形成するものであることが好ましい。
この場合、ウレタン結合を形成するので、第1帯電防止層1は、柔軟且つ強固になる。
架橋剤の添加量は、フッ素系樹脂100質量部に対して、10〜50質量部であることが好ましく、15.4〜23質量部であることがより好ましい。
この場合、第1帯電防止層1が強固になると共に、埃の付着に対する防汚性がより向上する。
また、フッ素系樹脂及びシリコーン変性アクリル樹脂と、架橋剤との架橋反応の際には、反応触媒を加えてもよい。
かかる反応触媒としては、イソシアネート系架橋剤用であるジブチル錫ジラウレート、トリエチルアミン等、メラミン系架橋剤又は尿素樹脂系架橋剤用である酸性触媒等が挙げられる。なお、これらの反応触媒の配合割合は、反応速度調整の観点から、架橋剤50質量部に対して、0.0001〜5質量部である。
本実施形態に係る防汚積層体11においては、第1帯電防止層1全量に対して、帯電防止剤が0.3〜15質量%含まれていることが好ましく、3〜5質量%含まれていることがより好ましい。
帯電防止剤の含有量が0.3質量%未満であると、含有量が上記範囲内にある場合と比較して、埃、粉塵の付着を十分に抑制できない場合があり、帯電防止剤の含有量が15質量%を超えると、含有量が上記範囲内にある場合と比較して、第1帯電防止層の耐久性が低下する傾向にある。
第1帯電防止層1全量に対して、フッ素系樹脂が60〜95質量%(固形分量)含まれていることが好ましい。
フッ素系樹脂の含有量が60質量%未満であると、含有量が上記範囲内にある場合と比較して、密着性が低下し、硬化不良が生じる傾向にあり、フッ素系樹脂の含有量が95質量%を超えると、含有量が上記範囲内にある場合と比較して、弾力性が低下する傾向にある。
第1帯電防止層1全量に対して、シリコーン変性アクリル樹脂が4〜30質量%(固形分量)含まれていることが好ましく、10〜25質量%含まれていることがより好ましく、13〜16.3質量%含まれていることが更に好ましい。
シリコーン変性アクリル樹脂の含有量が4質量%未満であると、含有量が上記範囲内にある場合と比較して、撥水性が不十分となる傾向にあり、シリコーン変性アクリル樹脂の含有量が30質量%を超えると、含有量が上記範囲内にある場合と比較して、表面の光沢がなくなる傾向にある。
第1帯電防止層1の厚みは、20〜60μmであることが好ましい。
厚みが20μm未満であると、厚みが上記範囲内にある場合と比較して、埃、粉塵の付着抑制効果が不十分となる場合があり、厚みが60μmを超えると、厚みが上記範囲内にある場合と比較して、第1帯電防止層1にひび割れが発生する場合がある。
(第2帯電防止層)
第2帯電防止層2は、ベース層5の裏面に積層される。
第2帯電防止層2は、帯電防止剤と、粘着剤と、からなる。なお、本実施形態に係る防汚積層体11は、該粘着剤を介して、被貼付体に貼り付けられる。
ここで、かかる帯電防止剤は、第1帯電防止層1で述べた帯電防止剤と同義である。なお、第1帯電防止層1で用いられる帯電防止剤と、第2帯電防止層2で用いられる帯電防止剤とは、同一であっても、異なっていてもよい。
上記粘着剤としては、アクリル系粘着剤やポリエステル系粘着剤が挙げられる。
これらの中でも、耐酸、耐塩基性の観点から、アクリル系粘着剤であることが好ましい。
本実施形態に係る防汚積層体11においては、第2帯電防止層2全量に対して、帯電防止剤が0.3〜15質量%含まれていることが好ましく、3〜5質量%含まれていることがより好ましい。
帯電防止剤の含有量が0.3質量%未満であると、含有量が上記範囲内にある場合と比較して、埃、粉塵の付着を十分に抑制できない場合があり、帯電防止剤の含有量が15質量%を超えると、含有量が上記範囲内にある場合と比較して、第2帯電防止層の粘着性が低下する傾向にある。
第2帯電防止層2全量に対して、粘着剤が85〜99質量%(固形分量)含まれていることが好ましい。
粘着剤の含有量が85質量%未満であると、含有量が上記範囲内にある場合と比較して、密着性が不十分となるとなる傾向にあり、粘着剤の含有量が99質量%を超えると、含有量が上記範囲内にある場合と比較して、埃や粉塵等の付着を十分に抑制できない傾向にある。
第2帯電防止層2の厚みは、5〜1000μmであることが好ましい。
厚みが5μm未満であると、厚みが上記範囲内にある場合と比較して、埃、粉塵の付着抑制効果が不十分となり、粘着性も不十分となる場合があり、厚みが1000μmを超えると、厚みが上記範囲内にある場合と比較して、取扱い性に劣る傾向にある。
上記防汚積層体11において、第2帯電防止層2のベース層5と反対側には、離型紙が貼付されていてもよい。すなわち、第1帯電防止層1、ベース層5、第2帯電防止層2、及び、離型紙がこの順序で積層されていてもよい。
この場合、第2帯電防止層2が離型紙で保護される。なお、防汚積層体11を被貼付体に貼付する際には、離型紙を剥がして、防汚積層体11を貼付すればよい。
上記離型紙としては、市販のものが適宜用いられる。
上記被貼付体としては、フィルム、プラスチック板、各種樹脂材、木材、道路標識等の金属、コンクリートモルタル等のセメント、ガラス、タイル、ガードレールに用いられるメッキ鋼板や塗装鋼板等の鋼板等が挙げられる。
上記防汚積層体11の製造方法は、フィルムの表面に、第1帯電防止層1を形成し、次いで、第2帯電防止層2を形成すればよい。なお、第2帯電防止層2を形成してから、第1帯電防止層1を形成してもよい。
[第2実施形態]
図2は、本発明の防汚積層体の第2実施形態を示す断面図である。
図2に示すように、本実施形態に係る防汚積層体12は、ベース層5と、ベース層5の表面に積層された帯電防止剤を含む第1帯電防止層1と、ベース層5の裏面に積層された帯電防止剤を含まない粘着層4と、を備える。すなわち、防汚積層体12は、第2帯電防止層の代わりに、粘着層4を備える点で、第1実施形態に係る防汚積層体11と相違する。
上記防汚積層体12は、上述した第1実施形態に係る防汚積層体11と同様に、所定のフィルムを用いてベース層5とし、陰イオンと陽イオンとの塩からなる帯電防止剤を第1帯電防止層1が含有するので、埃、粉塵の付着を十分に抑制することができる。
(粘着層)
粘着層4は、粘着剤からなる。
かかる粘着剤は、第1実施形態に係る防汚積層体11における第2帯電防止層の粘着剤と同義である。
したがって、粘着層4は、第2帯電防止層から帯電防止剤を除いたものである。
粘着層3の厚みは、5〜1000μmであることが好ましい。
厚みが5μm未満であると、厚みが上記範囲内にある場合と比較して、粘着性が不十分となる場合があり、厚みが1000μmを超えると、厚みが上記範囲内にある場合と比較して、取扱い性に劣る傾向にある。
上記防汚積層体12においては、第1実施形態に係る防汚積層体11と同様に、粘着層4のベース層5と反対側に、離型紙が貼付されていてもよい。すなわち、第1帯電防止層1、ベース層5、粘着層4、及び、離型紙がこの順序で積層されていてもよい。
この場合、粘着層4が離型紙で保護される。なお、防汚積層体12を被貼付体に貼付する際には、離型紙を剥がして、防汚積層体12を貼付すればよい。
上記防汚積層体12の製造方法は、フィルムの表面に、第1帯電防止層1を形成し、次いで、粘着層4を形成すればよい。なお、粘着層4を形成してから、第1帯電防止層を形成してもよい。
[第3実施形態]
図3は、本発明の防汚積層体の第3実施形態を示す断面図である。
図3に示すように、本実施形態に係る防汚積層体13は、ベース層5と、ベース層5の裏面に積層された帯電防止剤を含む第2帯電防止層2と、を備える。すなわち、防汚積層体13は、第1帯電防止層1を備えない点で、第1実施形態に係る防汚積層体11と相違する。
上記防汚積層体13は、上述した第1実施形態に係る防汚積層体11と同様に、所定のフィルムを用いてベース層5とし、陰イオンと陽イオンとの塩からなる帯電防止剤を第2帯電防止層2が含有するので、埃、粉塵の付着を十分に抑制することができる。
上記防汚積層体13の製造方法は、フィルムの裏面に、第2帯電防止層2を形成すればよい。
[第4実施形態]
図4は、本発明の防汚積層体の第4実施形態を示す断面図である。
図4に示すように、本実施形態に係る防汚積層体14は、ベース層5と、ベース層5の表面に積層された画像層3と、該画像層3の表面に積層された帯電防止剤を含む第1帯電防止層1と、ベース層5の裏面に積層された帯電防止剤を含む第2帯電防止層2と、を備える。すなわち、防汚積層体14は、第1帯電防止層1、画像層3、ベース層5、第2帯電防止層2の順序で積層されている。
かかる防汚積層体14は、第1帯電防止層1とベース層5との間に、画像層3を有する点で、第1実施形態に係る防汚積層体11と相違する。
上記防汚積層体14は、上述した第1実施形態に係る防汚積層体11と同様に、所定のフィルムを用いてベース層5とし、陰イオンと陽イオンとの塩からなる帯電防止剤を第1帯電防止層1及び第2帯電防止層2が含有するので、埃、粉塵の付着を十分に抑制することができる。
上記防汚積層体14は、ベース層5と、第1帯電防止層1との間に、画像層3を有するので、被貼付体に模様を付与することができる。
また、被貼付体に模様が付与されている場合は、3次元的な画像とすることができる。
(画像層)
画像層3は、ベース層5の表面に形成される。
画像層13を設ける方法としては、スクリーン印刷法、インクジェット法、転写、ロールコーティング法、スプレー法等が挙げられる。
上記防汚積層体14において、画像層3には、地図、模様、標識等の図柄や文字等の画像が形成される。
かかる画像は、公知の染料や顔料により描かれる。
染料としては、天然染料、合成染料、蛍光染料等が挙げられ、顔料としては、天然鉱物顔料、合成無機顔料、セラミック顔料等の無機顔料、不溶性色素、アゾ系顔料、多環式系顔料、レーキ顔料等の有機顔料が挙げられる。
なお、この染料又は顔料は、水性であっても油性であってもよい。
これらの中でも、耐光性に優れることから、無機顔料を用いることが好ましい。
上記防汚積層体14の製造方法は、フィルムの表面に、画像を形成し、その後、画像層3の表面に、第1帯電防止層1を形成し、次いで、第2帯電防止層2を形成すればよい。なお、フィルムの表面に、画像を形成し、第2帯電防止層2を形成してから、第1帯電防止層1を形成してもよい。
[第5実施形態]
図5は、本発明の防汚積層体の第5実施形態を示す断面図である。
図5に示すように、本実施形態に係る防汚積層体15は、ベース層5と、ベース層5の表面に積層された帯電防止剤を含む第1帯電防止層1と、ベース層5の裏面に積層された画像層3と、該画像層3に積層された帯電防止剤を含む第2帯電防止層2と、を備える。すなわち、防汚積層体15は、第1帯電防止層1、ベース層5、画像層3、第2帯電防止層2の順序で積層されている。
かかる防汚積層体15は、第2帯電防止層2とベース層5との間に、画像層3を有する点で、第1実施形態に係る防汚積層体11と相違する。なお、画像層3は、第4実施形態における画像層3と同義である。
上記防汚積層体15は、上述した第1実施形態に係る防汚積層体11と同様に、所定のフィルムを用いてベース層5とし、陰イオンと陽イオンとの塩からなる帯電防止剤を第1帯電防止層1及び第2帯電防止層2が含有するので、埃、粉塵の付着を十分に抑制することができる。
上記防汚積層体15は、ベース層5と、第2帯電防止層2との間に、画像層3を有するので、被貼付体に模様を付与することができる。
また、被貼付体に模様が付与されている場合は、3次元的な画像とすることができる。
上記防汚積層体15の製造方法は、フィルムの裏面に、画像を形成し、フィルムの表面に、第1帯電防止層1を形成し、次いで、画像層のフィルムとは反対側に第2帯電防止層2を形成すればよい。なお、フィルムの裏面に、画像を形成し、画像層のフィルムとは反対側に第2帯電防止層2を形成してから、フィルムの表面に第1帯電防止層1を形成してもよい。
[第6実施形態]
図6は、本発明の防汚積層体の第6実施形態を示す断面図である。
図6に示すように、本実施形態に係る防汚積層体16は、ベース層5と、ベース層5の表面に積層された画像層3と、該画像層3の表面に積層された帯電防止剤を含む第1帯電防止層1と、ベース層5の裏面に積層された帯電防止剤を含まない粘着層4と、を備える。すなわち、防汚積層体16は、第1帯電防止層1、画像層3、ベース層5、粘着層4の順序で積層されている。
かかる防汚積層体16は、第1帯電防止層1とベース層5との間に、画像層3を有する点で、第2実施形態に係る防汚積層体12と相違する。なお、画像層3は、第4実施形態における画像層3と同義である。
上記防汚積層体16は、上述した第1実施形態に係る防汚積層体11と同様に、所定のフィルムを用いてベース層5とし、陰イオンと陽イオンとの塩からなる帯電防止剤を第1帯電防止層1が含有するので、埃、粉塵の付着を十分に抑制することができる。
上記防汚積層体16は、ベース層5と、第1帯電防止層1との間に、画像層3を有するので、被貼付体に模様を付与することができる。
また、被貼付体に模様が付与されている場合は、3次元的な画像とすることができる。
上記防汚積層体16の製造方法は、フィルムの表面に、画像を形成し、その後、画像層3の表面に、第1帯電防止層1を形成し、次いで、粘着層4を形成すればよい。なお、フィルムの表面に、画像を形成し、粘着層4を形成してから、第1帯電防止層1を形成してもよい。
[第7実施形態]
図7は、本発明の防汚積層体の第7実施形態を示す断面図である。
図7に示すように、本実施形態に係る防汚積層体17は、ベース層5と、ベース層5の表面に積層された帯電防止剤を含む第1帯電防止層1と、ベース層5の裏面に積層された画像層3と、該画像層3に積層された帯電防止剤を含まない粘着層4と、を備える。すなわち、防汚積層体17は、第1帯電防止層1、ベース層5、画像層3、粘着層4の順序で積層されている。
かかる防汚積層体17は、粘着層4とベース層5との間に、画像層3を有する点で、第2実施形態に係る防汚積層体12と相違する。なお、画像層3は、第4実施形態における画像層3と同義である。
上記防汚積層体17は、上述した第1実施形態に係る防汚積層体11と同様に、所定のフィルムを用いてベース層5とし、陰イオンと陽イオンとの塩からなる帯電防止剤を第1帯電防止層1が含有するので、埃、粉塵の付着を十分に抑制することができる。
上記防汚積層体17は、ベース層5と、粘着層4との間に、画像層3を有するので、被貼付体に模様を付与することができる。
また、被貼付体に模様が付与されている場合は、3次元的な画像とすることができる。
上記防汚積層体17の製造方法は、フィルムの裏面に、画像を形成し、フィルムの表面に、第1帯電防止層1を形成し、次いで、画像層のフィルムとは反対側に粘着層4を形成すればよい。なお、フィルムの裏面に、画像を形成し、画像層のフィルムとは反対側に粘着層4を形成してから、フィルムの表面に第1帯電防止層1を形成してもよい。
[第8実施形態]
図8は、本発明の防汚積層体の第8実施形態を示す断面図である。
図8に示すように、本実施形態に係る防汚積層体18は、ベース層5と、ベース層5の裏面に積層された画像層3と、該画像層3に積層された帯電防止剤を含む第2帯電防止層2と、を備える。すなわち、防汚積層体18は、ベース層5、画像層3、第2帯電防止層2の順序で積層されている。
かかる防汚積層体18は、第2帯電防止層2とベース層5との間に、画像層3を有する点で、第3実施形態に係る防汚積層体13と相違する。なお、画像層3は、第4実施形態における画像層3と同義である。
上記防汚積層体18は、上述した第1実施形態に係る防汚積層体11と同様に、所定のフィルムを用いてベース層5とし、陰イオンと陽イオンとの塩からなる帯電防止剤を第2帯電防止層2が含有するので、埃、粉塵の付着を十分に抑制することができる。
上記防汚積層体18は、ベース層5と、第2帯電防止層2との間に、画像層3を有するので、被貼付体に模様を付与することができる。
また、被貼付体に模様が付与されている場合は、3次元的な画像とすることができる。
上記防汚積層体18の製造方法は、フィルムの裏面に、画像を形成し、画像層3のフィルムとは反対側に第2帯電防止層2を形成すればよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、本実施形態に係る防汚積層体においては、ベース層5に用いられるフィルムの代わりに、アルミニウム板、鉄板、鋼板等の金属板を用いてもよい。
上述した第1帯電防止層1、第2帯電防止層2には、合成樹脂が含まれていることが好ましい。
この場合、ポリエーテルポリオールが、帯電防止剤のブリードを抑制する。
合成樹脂としては、例えば、ポリエーテルポリオールが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリエチレン−ポリオキシエチレングリコールグラフトポリマー、多価アルコールエチレンオキシド付加体、多価アルコールプロピレンオキシド付加体、多価アルコールエチレンオキシドプロピレンオキシド付加体等が挙げられる。なお、これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
上記合成樹脂の配合割合は、5〜25質量%であることが好ましく、7〜22質量%であることがより好ましく、9〜19質量%であることが更に好ましい。
この場合、埃の付着に対する防汚性が更に向上する。
上述した第1帯電防止層1、第2帯電防止層2、粘着層4には、充填材(フィラー)が含まれていることが好ましい。
フィラーが含まれていると、画像が描かれている場合、防汚積層体の表面のつやが消えるので、光の反射が抑制され、画像が見易くなる。
フィラーとしては、シリカ、フッ素系粉末、酸化チタン、タルク、グラファイト、プラスチックフィラー、ガラス粉末等が挙げられる。なお、これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
これらの中でも、フッ素系粉末又はガラス系粉末を用いることがより好ましい。
フィラーの粒子径は、30〜80μmであることが好ましい。
また、膜を形成した場合、フィラーの表面が膜から露出していることが好ましい。
この場合、埃や粉塵等の汚れをより十分に抑制でき、つや消し効果も発揮できる。
フィラーの配合割合は、各層の全固形分に対し、2〜30質量%であることが好ましく、3〜25質量%であることが更に好ましい。
フィラーの配合割合が2質量%未満であると、配合割合が上記範囲内にある場合と比較して、つや消し効果が十分に得られない傾向にあり、配合割合が30質量%を超えると、配合割合が上記範囲内にある場合と比較して、表面が白っぽくなり、画像を認識しにくくなる傾向にある。
上述した第1帯電防止層1、第2帯電防止層2、画像層3、粘着層4には、紫外線吸収剤が含まれていることが好ましい。
この場合、耐光性が向上する。
かかる紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ヒンダートアミン系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤等が挙げられる。なお、これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
なお、上述した第1帯電防止層1、第2帯電防止層2、画像層3、粘着層4には、これら以外に、消泡剤、粘度調整剤、レベリング剤、分散剤、湿潤剤、潤滑剤、防腐剤、pH調整剤、難燃剤等の添加剤が含まれていてもよい。
上述した第1実施形態〜第8実施形態に係る防汚積層体においては、第2帯電防止層2又は粘着層4のベース層5側とは反対側に、上述したように離型紙が貼られていてもよく、金属箔が貼られていてもよい。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
まず、帯電防止剤が含まれる層は、どの層が最適か、及び、帯電防止剤の最適な配合割合を調査した。
(実施例1)
薄膜塩化ビニルフィルム(ベース層、厚み100μm)の表面に、フッ素系樹脂(商品名;ルミフロンLF200、旭硝子株式会社製、水酸基価52mgKOH/g、40%キシレン溶液)65質量%(固形分の量)と、シリコーン変性アクリル樹脂(商品名;BYK−SILCLEAN3700、ビックケミー・ジャパン株式会社製)10質量%(固形分の量)と、帯電防止剤(商品名;CIL−312、日本カーリット社製、陽イオン;N−ブチル−3−メチルピリジニウム、陰イオン;ビストリフルオロメタンスルホニルイミド)5質量%と、有機溶剤(キシレン)5質量%と、を混合した第1塗料組成物を付与した。
そして、これにイソシアネート系架橋剤(商品名;コロネートHX、日本ポリウレタン工業株式会社製)を15質量%(フッ素系樹脂に対して23質量%)添加して、硬化させることにより、第1帯電防止層(厚み30μm)を形成した。
次に、薄膜塩化ビニルフィルムの裏面に、アクリル系粘着剤(商品名;704接着剤、株式会社ミノグループ製)95質量%と、帯電防止剤(商品名;CIL−312、日本カーリット社製、陽イオン;N−ブチル−3−メチルピリジニウム、陰イオン;ビストリフルオロメタンスルホニルイミド)5質量%と、有機溶剤(キシレン)5質量%と、を混合した第2塗料組成物を付与した。
その後、これを乾燥させ硬化させることにより、第2帯電防止層(厚み30μm)を形成し、サンプル(防汚積層体)を得た。
(実施例2)
第1帯電防止層における帯電防止剤の配合量を3質量%とし、第2帯電防止層における帯電防止剤の配合量を3質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして、サンプル(防汚積層体)を得た。
(実施例3)
第1帯電防止層を設けなかったこと以外は、実施例1と同様にして、サンプル(防汚積層体)を得た。
(実施例4)
第1帯電防止層を設けず、第2帯電防止層における帯電防止剤の配合量を3質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして、サンプル(防汚積層体)を得た。
(実施例5)
薄膜塩化ビニルフィルムの代わりに、ポリエステルフィルム(厚み110μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、サンプル(防汚積層体)を得た。
(実施例6)
薄膜塩化ビニルフィルムの代わりに、ポリエステルフィルム(厚み110μm)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、サンプル(防汚積層体)を得た。
(実施例7)
薄膜塩化ビニルフィルムの代わりに、ポリエステルフィルム(厚み110μm)を用いたこと以外は、実施例3と同様にして、サンプル(防汚積層体)を得た。
(実施例8)
薄膜塩化ビニルフィルムの代わりに、ポリエステルフィルム(厚み110μm)を用いたこと以外は、実施例4と同様にして、サンプル(防汚積層体)を得た。
(比較例1)
第1帯電防止層を設けず、第2帯電防止層における帯電防止剤を除いたこと以外は、実施例1と同様にして、サンプルを得た。
(比較例2)
第1帯電防止層及び第2帯電防止層における帯電防止剤を除いたこと以外は、実施例1と同様にして、サンプルを得た。
(比較例3)
薄膜塩化ビニルフィルムの代わりに、ポリエステルフィルム(厚み110μm)を用い、第1帯電防止層を設けず、第2帯電防止層における帯電防止剤を除いたこと以外は、実施例1と同様にして、サンプルを得た。
(比較例4)
薄膜塩化ビニルフィルムの代わりに、ポリエステルフィルム(厚み110μm)を用い、第1帯電防止層及び第2帯電防止層における帯電防止剤を除いたこと以外は、実施例1と同様にして、サンプルを得た。
[試験方法1]
実施例1〜8及び比較例1〜4で得られたサンプルを、ウール布で30回摩擦させ、直後に静電気測定器(商品名;LC−2、シムコジャパン株式会社製)にて、摩擦帯電した表面電位を測定した。なお、摩擦させた範囲は、中央付近、ストローク±70mmの範囲とした。また、試験の条件は、温度26〜28℃、湿度34〜38%であった。
得られた結果を表1に示す。表中「−」は、第1帯電防止層自体を設けていないことを意味し、「<50」は、測定器の測定限界以下であることを意味する。
Figure 2010064463
[試験方法2]
実施例1〜8及び比較例1,3で得られたサンプルを、市販品アクリル板(厚み5mm)の片面に貼り付け、その上からウール布で30回摩擦させ、直後に静電気測定器(商品名;LC−2、シムコジャパン株式会社製)にて、摩擦帯電した表面電位を測定した。なお、摩擦させた範囲は、中央付近、ストローク±70mmの範囲とした。また、試験の条件は、温度26〜28℃、湿度34〜38%であった。
得られた表面電位の結果を表2に示す。表中「−」は、第1帯電防止層自体を設けていないことを意味し、「<50」は、測定器の測定限界以下であることを意味する。
Figure 2010064463
表1及び表2の結果より、帯電防止剤が配合されていない比較例のサンプルは、摩擦帯電により数kV〜数十kVの帯電が発生することがわかった。
これに対し、実施例1〜8のサンプルは、帯電の量を極めて少なくできることがわかった。なお、第1帯電防止層及び第2帯電防止層に帯電防止剤が含まれているサンプルは、裏面の電位も小さくなるので、表面のみならず裏面にも埃や粉塵が付着しにくくなると考えられる。また、かかる結果は、薄膜塩化ビニルフィルムの代わりにアルミニウム板を用いた場合も同様な傾向にある。
このことから、本発明の防汚積層体によれば、埃、粉塵の付着を十分に抑制できると確信する。
(実施例9〜13)
薄膜塩化ビニルフィルムを表3に示すものとし、シリコーン変性アクリル樹脂(表中「Ac」と示す。)、帯電防止剤及びイソシアネート系架橋剤(表中「架橋剤」と示す。)の配合割合を表3に示すような値としたこと、及び、第2帯電防止層を設けなかったこと以外は、実施例1と同様にして、サンプルを得た。
Figure 2010064463
[試験方法3]
実施例9〜13で得られたサンプルを用い、屋外で暴露試験を行った。屋外暴露は、ブランク(屋外暴露0週間)、屋外暴露1週間、屋外暴露2週間、屋外暴露3週間行った。
そして、得られたサンプルを、ハジキ性及び拭取り性で評価した。
なお、ハジキ性は、極太油性ペン(商品名:ハイマッキー、ゼブラ株式会社製)にて、マーキングをし、目視にてインクのハジキ具合を確認した。
得られたハジキ性試験の結果を表4に示す。表中、「○」はハジキが認められる状態を意味し、「△」はハジキが僅かに認められる状態を意味し、「×」は全くハジキが認められない状態を意味する。なお、ハジキが認められる状態とは、油性の汚れが付着し難いことを意味する。
また、拭取り性は、乾燥した綿布で油性インクを拭取り、目視にてインクの残存状態を確認した。
得られた拭取り性試験の結果を表5に示す。表中、「○」はインクが全く残らない状態を意味し、「△」はインクが僅かに残る状態を意味し、「×」はインクが残る状態を意味する。なお、インクが残らない状態とは、油性の汚れが付着し難いことを意味する。
Figure 2010064463
Figure 2010064463
表4及び表5に示す結果より、帯電防止剤の配合割合が5質量%以下であれば、耐候性にも優れることがわかった。
次に、帯電防止剤、シリコーン変性アクリル樹脂及び架橋剤の最適な配合割合について調査した。
(実施例14〜29)
薄膜塩化ビニルフィルムを表6に示すものとし、シリコーン変性アクリル樹脂(表中「Ac」と示す。)、帯電防止剤及びイソシアネート系架橋剤(表中「架橋剤」と示す。)の配合割合を表6に示すような値としたこと、及び、第2帯電防止層を設けなかったこと以外は、実施例1と同様にして、サンプルを得た。
Figure 2010064463
[試験方法4]
実施例14〜29で得られたサンプルを用い、60℃の温水にて耐温水性試験を行った。なお、耐温水性は、ブランク(浸漬0時間)、浸漬1週間、浸漬1日間、浸漬3日間、浸漬7日間、浸漬17日間行った。
そして、得られたサンプルを、上述したハジキ性及び拭取り性により評価した。
得られたハジキ性試験の結果を表7に示し、拭取り性試験の結果を表8に示す。
Figure 2010064463
Figure 2010064463
表7及び表8に示す結果より、架橋剤が多くなるとハジキ性が悪くなることがわかった。また、シリコーン変性アクリル樹脂の配合割合は、耐候性、耐温水性に影響を与えないことがわかった。
図1は、本発明の防汚積層体の第1実施形態を示す断面図である。 図2は、本発明の防汚積層体の第2実施形態を示す断面図である。 図3は、本発明の防汚積層体の第3実施形態を示す断面図である。 図4は、本発明の防汚積層体の第4実施形態を示す断面図である。 図5は、本発明の防汚積層体の第5実施形態を示す断面図である。 図6は、本発明の防汚積層体の第6実施形態を示す断面図である。 図7は、本発明の防汚積層体の第7実施形態を示す断面図である。 図8は、本発明の防汚積層体の第8実施形態を示す断面図である。
符号の説明
1・・・第1帯電防止層
2・・・第2帯電防止層
3・・・画像層
4・・・粘着層
5・・・ベース層
11,12,13,14,15,16,17,18・・・防汚積層体

Claims (11)

  1. ベース層と、
    該ベース層の表面及び裏面の少なくとも一方に積層された帯電防止層と、
    を備え、
    前記ベース層が、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、スチロール、ポリウレタン、アクリル又はポリカーボネートからなり、
    前記帯電防止層が、陰イオン及び陽イオンの塩からなる帯電防止剤を含む防汚積層体。
  2. ベース層と、
    該ベース層の表面及び裏面の少なくとも一方に積層された帯電防止層と、
    を備え、
    前記ベース層が、アルミ板、鉄板又は鋼板からなり、
    前記帯電防止層が、陰イオン及び陽イオンの塩からなる帯電防止剤を含む防汚積層体。
  3. 前記ベース層の表面に第1帯電防止層が積層されており、
    該第1帯電防止層が、前記帯電防止剤と、水酸基を有するフッ素系樹脂と、水酸基を有するシリコーン変性アクリル樹脂と、からなる請求項1又は2に記載の防汚積層体。
  4. 前記ベース層の裏面に第2帯電防止層が積層されており、
    該第2帯電防止層が、前記帯電防止剤と、粘着剤と、からなる請求項1〜3のいずれか一項に記載の防汚積層体。
  5. 前記ベース層と、前記第2帯電防止層との間に、画像層を有する請求項4記載の防汚積層体。
  6. 前記陰イオンが、酢酸イオン、過塩素酸イオン、ホウ酸イオン、リン酸イオン、スルホン酸イオン、イミド酸イオン、メチド酸イオン及びハロゲンイオンからなる群より選ばれる少なくとも一つであり、
    前記陽イオンが、アンモニウムイオン、ピリジニウムイオン及びイミダゾリウムイオンからなる群より選ばれる少なくとも一つである請求項1又は2に記載の防汚積層体。
  7. 前記陰イオンが、フッ素基を有する請求項1又は2に記載の防汚積層体。
  8. 前記陽イオンが、ピリジニウムイオン又はイミダゾリウムイオンであり、
    前記ピリジニウムイオンが下記一般式(1)で表される構造を有し、前記イミダゾリウムイオンが下記一般式(2)で表される構造を有する請求項1又は2に記載の防汚積層体。
    Figure 2010064463
    Figure 2010064463
    [式(1)及び式(2)中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は置換基を有していてもよい有機基を示す。]
  9. 前記帯電防止層全量に対して、前記帯電防止剤が0.3〜15質量%含まれている請求項1又は2に記載の防汚積層体。
  10. 前記第1帯電防止層において、前記フッ素系樹脂と前記シリコーン変性アクリル樹脂とが互いの水酸基の部分で前記架橋剤と結合し硬化されたものである請求項3記載の防汚積層体。
  11. 前記架橋剤がイソシアネート系架橋剤であり、
    前記フッ素系樹脂と前記シリコーン変性アクリル樹脂とが互いの水酸基の部分で前記イソシアネート系架橋剤と結合し、ウレタン結合を形成されたものである請求項10記載の防汚積層体。
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