JP2010064027A - ドライアイス洗浄用ノズル - Google Patents
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Abstract
【課題】より簡単で安価な構成でもって、ドライアイスペレットからドライアイス粉末をつくることのできるドライアイス洗浄用ノズルを提供する。
【解決手段】このノズル10は、外部から供給されたドライアイスペレットを風送して図示しないクリーニング対象物に向けて射出するノズル本体11を備え、このノズル本体11内に、ドライアイスペレットを衝突させることにより、このドライアイスペレットを破砕してドライアイス粉末をつくる衝突壁110を形成した構成とされている。
【選択図】図1
【解決手段】このノズル10は、外部から供給されたドライアイスペレットを風送して図示しないクリーニング対象物に向けて射出するノズル本体11を備え、このノズル本体11内に、ドライアイスペレットを衝突させることにより、このドライアイスペレットを破砕してドライアイス粉末をつくる衝突壁110を形成した構成とされている。
【選択図】図1
Description
本発明は、ドライアイス洗浄に用いられるノズルに関するものであって、特に傷つきやすいガラスや合成樹脂などの洗浄に好適である。
従来、クリーニング対象物に付着した汚れや塗装などを除去する手段の一つとして、ドライアイスブラスト法が知られている。ドライアイスブラスト法は、クリーニング対象物に、ショット材としてのドライアイスペレットをブラストすることにより、そのブラストしたドライアイスペレットで、前記クリーニング対象物の付着物を、持ち上げて剥離し除去するものである。このドライアイスブラスト法では、ブラストしたドライアイスペレットは昇華(気化)して消滅するため、ショット材の回収を要しないという利点を有する。
また、このドライアイスブラスト法では、粒子径φ3mm程度のドライアイスペレットをショット材として用いるのが一般的であった。その理由は、粒子径φ3mm程度のドライアイスペレットの安価な市販品が存在することに加え、この粒子径φ3mm程度よりも小さいドライアイスペレットでは、保冷容器内などで結露して固まってしまうおそれがあったからである。
なお、液化炭酸ガスボンベからドライアイス粉末をその場で作り出す方法もあるが、その場合には、常温(20℃)の液化炭酸ガスの30%程度がドライアイスとなることから、大きな液化炭酸ガスボンベを搭載した装置の移動上の問題があったため、そのような方法は実用的なものとはいえない。
しかしながら、このような粒径の大きいドライアイスペレットをショット材として用いると、クリーニング対象物が傷つきやすいガラスなどの場合には、その表面にダメージを与えるおそれがあり、またクリーニング対象物が狭い凹部を有する場合には、その凹部内の付着物が除去されにくいという問題があった。
そこで、図5に示すように、保冷容器501からフィーダ503を用いて所定速度で供給された図示しないドライアイスペレットを表面が波形又は歯形の一対の破砕ロールを有する2軸式ロール破砕機502で破砕して粒径0.5mm以下のドライアイス粉末を製造する工程と、破砕後直ちに該ドライアイス粉末をコンプレッサ504から圧力調整弁506を介して供給された高速気流に混合装置507で混合することで、前記ドライアイス粉末を高速気流に同伴させてノズル505から図示しないクリーニング対象物表面に吹き付ける工程と、を有するクリーニング方法が公知である(例えば特許文献1参照)。
ここでは、ドライアイス粒子の粒度を適正に選択することで、クリーニング対象物の表面のダメージをほとんどなくすことができる。また、ペレットを破砕して得たドライアイスの粒子は角張った形状を有し、粒径が小さくてもクリーニング速度を大きくすることができる。さらに、粒径が細かいので、狭い凹部でも十分クリーニングすることができるものと、されている。
特許第3030287号公報
前記特許文献1の技術では、保冷容器501からフィーダ503により所定速度で供給されたドライアイスペレットを表面が波形又は歯形の一対の破砕ロールを有する2軸式ロール破砕機502で破砕して粒径0.5mm以下のドライアイス粉末を製造するので、複雑で高価な構成となる。また、かかる構成では、定期的なメンテナンスが必要であり、このメンテナンスをし忘れると故障するおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑みたものであり、その目的とするところは、より簡単で安価な構成でもって、ドライアイスペレットからドライアイス粉末をつくることのできるドライアイス洗浄用ノズルを提供することである。
本発明は、ドライアイスペレットを風送して被洗浄物に向けて射出可能なノズル本体を備えたドライアイス洗浄用ノズルであって、前記ノズル本体内に、前記ドライアイスペレットを衝突させることにより、該ドライアイスペレットを破砕する衝突壁を形成したことを特徴とするものである。
本発明によれば、前記ノズル本体内に、前記ドライアイスペレットを衝突させることにより、該ドライアイスペレットを破砕する衝突壁を形成したので、ドライアイスペレットを衝突壁に衝突させ、そのときに発生する衝撃波や、ノズル本体内の乱流によるドライアイスペレット同士の衝突などとも相俟って、そのドライアイスペレットの全てをほぼ均一に破砕してパウダー状あるいは粉末状のドライアイス粒子とすることができる。また、このように簡単で安価な構成でもって、ドライアイス粒子の粒径を適正に選択することで、そのドライアイス粒子を射出してクリーニングしたときの、被洗浄物の表面のダメージをほとんどなくすことができる。
その一方で、ドライアイスペレットを破砕して得られたドライアイスの粒子は、もとのドライアイスペレットの場合よりも質量が小さくなるために射出距離が短くなる。しかしながら、その破砕されたドライアイスの粒子は、角張った形状を有し、粒径が小さくても、クリーニング速度を大きくすることができるので、被洗浄物を十分にクリーニングすることができる。
また、ドライアイスペレットを破砕して得られたドライアイスの粒子の粒径が細かいので、熱収縮の効果がもとのドライアイスペレットの場合よりもよくなり、このドライアイスの粒子が射出された被洗浄物の付着物が急速に割れて剥離しやすくなる。また、ドライアイスペレットを破砕して得られたドライアイスの粒子の粒径が細かいので、この剥離した付着物と被洗浄物との間に入り込みやすくなり、この入り込んだドライアイスの昇華時の体積膨張により、被洗浄物を十分にクリーニングすることができる。さらに、ドライアイスペレットを破砕して得られたドライアイスの粒子の粒径が細かいので、被洗浄物に狭い凹部がある場合でも、その狭い凹部にドライアイスが入り込んで、被洗浄物を十分にクリーニングすることができる。
しかも、かかる構成では、従来例のような2軸式ロール破砕機を備えていないので、その定期的なメンテナンスが不要であり、故障するおそれがないといったメリットがある。
請求項2記載の発明のように、前記ノズル本体は、主管と、この主管の軸方向断面で前記主管からY字状又はT字状に分岐させた複数の枝管とを備え、これらの枝管の分岐部に前記衝突壁を形成することが好ましい。
請求項2記載の発明によれば、前記ノズル本体は、主管と、この主管の軸方向断面で前記主管からY字状又はT字状に分岐させた複数の枝管とを備え、これらの枝管の分岐部に前記衝突壁を形成したので、簡単で安価な構成となる。
請求項3記載の発明のように、前記主管の延長線に対して前記各枝管がなす角度は、略45度から略90度までの範囲内にあることが好ましい。
請求項3記載の発明によれば、前記主管の延長線に対して前記各枝管がなす角度は、略45度から略90度までの範囲内にあるので、ドライアイス粒子の粒度を適正に選択することができる。
請求項4記載の発明のように、前記ノズル本体は、前記各枝管の先端を合流させた合流部を備えることが好ましい。
請求項4記載の発明によれば、前記ノズル本体は、前記各枝管の先端を合流させた合流部を備えたので、ドライアイス粒子の射出方向がノズル本体の軸方向となりうるから、この射出されるドライアイス粒子を被洗浄物に当てやすくなり、これにより、その被洗浄物の表面を確実にクリーニングすることができる。
請求項5記載の発明のように、前記ノズル本体は、前記破砕したドライアイスペレットを、ワイヤメッシュを通過させることによりさらに破砕する網部を、前記分岐部の下流側に備えることが好ましい。
請求項5記載の発明によれば、前記ノズル本体は、前記破砕したドライアイスペレットを、ワイヤメッシュを通過させることによりさらに破砕する網部を、前記分岐部の下流側に備えたので、さらに小径のドライアイスの粒子を得ることができる。
本発明によれば、前記ノズル本体内に、前記ドライアイスペレットを衝突させることにより、該ドライアイスペレットを破砕する衝突壁を形成したので、ドライアイスペレットを衝突壁に衝突させ、そのときに発生する衝撃波や、ノズル本体内の乱流によるドライアイスペレット同士の衝突などとも相俟って、そのドライアイスペレットの全てをほぼ均一に破砕してパウダー状あるいは粉末状のドライアイス粒子とすることができる。また、このように簡単で安価な構成でもって、ドライアイス粒子の粒径を適正に選択することで、そのドライアイス粒子を射出してクリーニングしたときの、被洗浄物の表面のダメージをほとんどなくすことができる。
その一方で、ドライアイスペレットを破砕して得られたドライアイスの粒子は、もとのドライアイスペレットの場合よりも質量が小さくなるために射出距離が短くなる。しかしながら、その破砕されたドライアイスの粒子は、角張った形状を有し、粒径が小さくても、クリーニング速度を大きくすることができるので、被洗浄物を十分にクリーニングすることができる。
また、ドライアイスペレットを破砕して得られたドライアイスの粒子の粒径が細かいので、熱収縮の効果がもとのドライアイスペレットの場合よりもよくなり、このドライアイスの粒子が射出された被洗浄物の付着物が急速に割れて剥離しやすくなる。また、ドライアイスペレットを破砕して得られたドライアイスの粒子の粒径が細かいので、この剥離した付着物と被洗浄物との間に入り込みやすくなり、この入り込んだドライアイスの昇華時の体積膨張により、被洗浄物を十分にクリーニングすることができる。さらに、ドライアイスペレットを破砕して得られたドライアイスの粒子の粒径が細かいので、被洗浄物に狭い凹部がある場合でも、その狭い凹部にドライアイスが入り込んで、被洗浄物を十分にクリーニングすることができる。
しかも、かかる構成では、従来例のような2軸式ロール破砕機を備えていないので、その定期的なメンテナンスが不要であり、故障するおそれがないといったメリットがある。
図2は本実施形態に係るノズル10を備えたクリーニング装置1の外観構成を示す図であって、(a)は側面図、(b)は正面図である。図3はクリーニング装置1の内部構成を模式的に示すブロック図である。なお、図2(a)(b)におけるノズル10は簡略表示しているため、後述する図1(a)(b)のそれに置き換えるものとする。また、図3におけるドライアイスペレット3は、その粒径を誇張して示している。
このクリーニング装置1は、図2(a)(b)及び図3に示すように、キャスター付きの装置本体1aと、ドライアイスペレット3を保冷状態で収容するホッパー2と、ホッパー2からのドライアイスペレット3を設定量ずつ落下させる切り出し部6と、高速気流を供給するブロア4と、切り出し部6から落下するドライアイスペレット3を、ブロア4から供給された高速気流に混合させる混合部7と、混合部7で高速気流に混合されたドライアイスペレット3を射出するホース8とを備えている。ホース8は、巻回された状態で装置本体1aの正面側に保持されており、このホース8の先端にノズル(ドライアイス洗浄用ノズルに相当する。)10が接続されて、これも装置本体1aの所定位置に保持されている。
ホッパー2は、装置本体1aの上部に開閉可能に取り付けられた蓋5を有しており、この蓋5を開けて外部から投入されたドライアイスペレット3を、蓋5を閉めて保冷状態で保管することができるようになっている。このドライアイスペレット3としては、粒径φ3mm程度の市販品が用いられる。その理由は、従来例で述べたように、粒子径φ3mm程度のドライアイスペレットの安価な市販品が存在することに加え、この粒子径φ3mm程度よりも小さいドライアイスペレットでは、保冷容器としてのホッパー2内での保存中に結露して固まってしまうおそれがあったからである。
ブロア4は、外気を吸引して高速気流を作り出すもので、従来例のコンプレッサに比べて低圧であるので、省電力でしかも静粛運転が可能となる等の種々のメリットがある。このブロア4の最大容量は、2.0m3/min×7Pa程度のものであり、実際に使用されるブロア4の容量は、操作盤9での操作により、適宜に設定可能となっている。
切り出し部6は、ホッパー2から落とし込まれるドライアイスペレット3の供給量を設定するためのもので、例えばロータリ弁が用いられる。この切り出し部6によるドライアイスペレット3の供給量も、操作盤9から操作可能となっている。
混合部7は、前記切り出し部6から設定量ずつ落とし込まれるドライアイスペレット3を、前記ブロア4から供給される高速気流に混合させることにより、前記ドライアイスペレット3をこの高速気流に同拌させるものであり、例えばT継ぎ手が上下逆向きにして用いられる。
図1は本発明の一実施形態に係るノズル10の全体構成を示す図であって、(a)は平面図、(b)は側断面図である。図4(a)〜(d)はその部品の詳細構成を示す断面図である。
すなわち、ノズル10は、本発明の特徴をなすものであって、前記クリーニング装置1からホース8で風送されてきたドライアイスペレット3を、図1(a)(b)に示すように、ノズル本体11内に形成された衝突壁110に衝突させることにより、破砕してドライアイス粉末3aをつくり、このドライアイス粉末3aを図3のクリーニング対象物(被洗浄物に相当する。)20に向けて射出するものである。
ノズル本体11は、前記クリーニング装置1のホース8にホース用の継ぎ手121を介して接続されるステンレス鋼管製の第一の主管12と、この第一の主管12に鋼管用の継ぎ手131を介して接続される同じくステンレス鋼管製の第二の主管13と、この第二の主管13から平面視でY字状(又はT字状)に分岐される例えば金属線入り合成樹脂ホース製の枝管14,14とを備え、これらの枝管14,14の分岐部15内に前記衝突壁110が形成されている。第一の主管12は、作業者が把持するための把持部18を備えている。なお、枝管14,14の材料については、低温度下での連続使用を考慮して、主管12,13と同様のステンレス鋼管を用いることとしてもよい。
分岐部15は、例えば図4(a)に示すように、その内部に尖頭状(又は平板状)の衝突壁110を有する三叉路状の本体部150に、前記第二の主管13に接続可能な鋼管用の継ぎ手151と、枝管14,14にそれぞれ接続可能なホース用の継ぎ手152,152とを螺合している。その本体部150の具体的な形状は、本発明者による実験結果に基づくものであり、第二の主管13の延長線153に対して各枝管14,14のなす角度θが、略45度から略90度までの範囲内となるように決定されている。
すなわち、本発明者による実験結果によれば、主管12,13の延長線153に対して各枝管14,14を線対称とし、かつ、この延長線153に対して各枝管14,14のなす角度θを、略45度から略90度までの範囲内であるとしたときに、ドライアイスペレット3を破砕してつくられたドライアイス粉末3aの粒径はすべて1.0mm以下であった。
より詳しくは、前記角度θを略90度よりも大きくすると、ドライアイスペレット3の射出そのものが困難となり、その逆に前記角度θを略45度よりも小さくすると、ドライアイスペレット3の粒径がφ3mmのまま射出された。これにより、前記角度θが、略45度から略90度までの範囲内にあると、良好なドライアイス粉末3aの粒径が得られることがわかった。
このことは、ノズル本体11内でドライアイスペレット3が単に衝突壁110に衝突して破砕されたことによるといった理由だけでは説明がつかない。そのときに発生する衝撃波や、ノズル本体11内の乱流によるドライアイスペレット同士の衝突などが相俟ってこそ、このノズル本体11内でドライアイスペレット3のすべてが効率よく破砕されて、前記のごとく良好なドライアイス粉末3aの粒径が得られたものと推察される。
さらに、本実施形態では、両枝管14,14を屈曲させて、それらの先端を再び合流させた合流部16を備えている。この合流部16は、例えば図4(b)に示すように、本体部160に、前記枝管14,14にそれぞれ接続可能なホース用の継ぎ手161,161と、鋼管用の継ぎ手162と、を備えており、その本体部160の具体的な形状は、前記分岐部15と左右対称形とされることが好ましい。これにより、ドライアイス粉末3aの射出方向がノズル本体11の軸方向となるから、この射出されるドライアイス粉末3aをクリーニング対象物20に当てやすくなり、そのクリーニング対象物20の表面を確実にクリーニングすることができるようになる。
ただし、前記分岐部15とは異なり、合流部16の継ぎ手162には、前記ドライアイス粉末3aを、例えばステンレス製のワイヤメッシュでさらに細かく砕くことのできる網部17を介装可能な構造となっている。この継ぎ手162に網部17を介装した場合には、より小径のドライアイス粉末3aを確実に得ることができる。なお、分岐部15の下流側にある合流部16の継ぎ手162に、この網部17を介装可能としたのは、前記分岐部15の上流側に網部を介装したのでは、破砕前のドライアイスペレット3による目詰まりを生じてしまうからである。
以下、このノズル10を備えたクリーニング装置1の操作手順を示す。その操作条件、例えばノズル10の内径、ブロア4から供給される空気の圧力(又は流量)、ドライアイスペレット3の供給速度やクリーニング時間等は、クリーニング対象物20の種類や、付着物の性状等により適宜選択すればよい。例えばノズル10のノズルスロート径をφ14mmとした場合には、操作盤9を操作して、圧縮空気の圧力を7Pa、ドライアイスペレット3の供給量を1.0kg/min程度とすればよい。また、通常は目視によりクリーニングの完了を判定できるので、オーバークリーニングにならないように作業者が適宜クリーニング時間を調節すればよい。
まず、クリーニング装置1において、装置本体1aの蓋5を開けて、市販のドライアイスペレット3をホッパー2に投入し、ここでドライアイスペレット3を保冷状態で収容する。切り出し部6でこのホッパー2からドライアイスペレット3を設定量ずつ落下させる。一方、ブロア4を起動させて高速気流を供給する。
混合部7で前記切り出し部6から設定量ずつ落下するドライアイスペレット3を、前記ブロア4から供給された高速気流に混合させる。ホース8で前記高速気流に混合されたドライアイスペレット3を装置本体1a外に導く。本実施形態では、このときに延ばしたホース8の先端に取り付けられたノズル10内でドライアイスペレット3を破砕してドライアイス粉末3aをつくり、このドライアイス粉末3aをクリーニング対象物20に向けて射出することにより、クリーニング対象物20のクリーニングを行う。
このノズル10によれば、ノズル本体11内に、ドライアイスペレット3を衝突させることにより、該ドライアイスペレット3を破砕する衝突壁110を形成したので、ドライアイスペレット3を衝突壁110に衝突させ、そのときに発生する衝撃波や、ノズル本体11内の乱流によるドライアイスペレット3同士の衝突などとも相俟って、そのドライアイスペレット3の全てをほぼ均一に破砕してドライアイス粉末3aとすることができる。また、このように簡単で安価な構成でもって、ドライアイス粉末3aの粒径を適正に選択することで、そのドライアイス粉末3aを射出してクリーニングしたときの、クリーニング対象物20の表面のダメージをほとんどなくすことができる。
その一方で、ドライアイスペレット3を破砕して得られたドライアイス粉末3aは、もとのドライアイスペレット3の場合よりも質量が小さくなるためにその射出距離が短くなる。しかしながら、その破砕されたドライアイス粉末3aは、角張った形状を有し、粒径が小さくても、クリーニング速度を大きくすることができるので、クリーニング対象物20を十分にクリーニングすることができる。
また、ドライアイスペレット3を破砕して得られたドライアイス粉末3aの粒径が細かいので、熱収縮の効果がもとのドライアイスペレット3の場合よりもよくなり、このドライアイス粉末3aが射出されたクリーニング対象物20の付着物が急速に割れて剥離しやすくなる。また、ドライアイスペレット3を破砕して得られたドライアイス粉末3a粒径が細かいので、この剥離した付着物とクリーニング対象物20との間に入り込みやすくなり、この入り込んだドライアイス粉末3aの昇華時の体積膨張により、クリーニング対象物20を十分にクリーニングすることができる。さらに、ドライアイスペレット3を破砕して得たドライアイス粉末3aの粒径が細かいので、仮にクリーニング対象物20に狭い凹部がある場合でも、その狭い凹部にドライアイスが入り込んで、クリーニング対象物20を十分にクリーニングすることができる。
しかも、かかる構成では、従来例のような2軸式ロール破砕機を備えていないので、その定期的なメンテナンスが不要であり、故障するおそれがないといったメリットがある。
なお、上記実施形態では、ノズル本体11の主管13に、平面視でY字状又はT字状に分岐させた2本の枝管14,14を備えたが、その主管13に立体的にさらに多数の枝管14,14,・・・を分岐させてもよい。すなわち、主管13の軸方向断面がY字状又はT字状に分岐させた複数の枝管14,14,・・・を備えるようにしてもよい。その場合にも、簡単で安価な構成となる。
また、上記実施形態では、ノズル10のノズル本体11は、図4(a)に示すような、分岐部15を備えているが、これに代えて、例えば図4(c)(d)に示すような分岐部15a,15bを備えてもよい。
例えば図4(c)に示す分岐部15aは、断面三角形状の本体部150aの三方に、鋼管用のボス151aと、ホース用の継ぎ手152a,152aとをそれぞれ螺合させたものである。これにより、本体部150aの衝突壁110を、前記分岐部15の場合よりも厚肉化して補強することができる。
また、例えば図4(d)に示す分岐部15bは、前記実施形態と同様の本体部150bの三方のいずれにも、ホース用の継ぎ手151b,152b,152bを設けたものであり、主管13が、枝管14,14と同様のホースである場合に使用されるものである。さらに、合流部16に網部17を介装されていない場合には、合流部16を分岐部15,15a,15bのいずれかと同一構造のものとすることもできる。
また、上記実施形態では、ブロア4で高速気流を発生して、この高速気流をノズル10に供給しているが、従来例のように、コンプレッサで発生させた高速気流をノズル10に供給するような構成にしてもよいのはいうまでもない。
1 クリーニング装置
1a 装置本体
2 ホッパー
3 ドライアイスペレット
3a ドライアイス粉末(破砕されたドライアイスペレットに相当する。)
4 ブロア
5 蓋
6 切り出し部
7 混合部
8 ホース
9 操作盤
10 ノズル(ドライアイス洗浄用ノズルに相当する。)
11 ノズル本体
12,13 主管
14 枝管
15 分岐部
16 合流部
17 網部
20 クリーニング対象物(被洗浄物に相当する。)
1a 装置本体
2 ホッパー
3 ドライアイスペレット
3a ドライアイス粉末(破砕されたドライアイスペレットに相当する。)
4 ブロア
5 蓋
6 切り出し部
7 混合部
8 ホース
9 操作盤
10 ノズル(ドライアイス洗浄用ノズルに相当する。)
11 ノズル本体
12,13 主管
14 枝管
15 分岐部
16 合流部
17 網部
20 クリーニング対象物(被洗浄物に相当する。)
Claims (5)
- ドライアイスペレットを風送して被洗浄物に向けて射出可能なノズル本体を備えたドライアイス洗浄用ノズルであって、
前記ノズル本体内に、前記ドライアイスペレットを衝突させることにより、該ドライアイスペレットを破砕する衝突壁を形成したことを特徴とするドライアイス洗浄用ノズル。 - 前記ノズル本体は、主管と、この主管の軸方向断面で前記主管からY字状又はT字状に分岐させた複数の枝管とを備え、これらの枝管の分岐部に前記衝突壁を形成したことを特徴とする請求項1記載のドライアイス洗浄用ノズル。
- 前記主管の延長線に対して前記各枝管がなす角度は、略45度から略90度までの範囲内にあることを特徴とする請求項2記載のドライアイス洗浄用ノズル。
- 前記ノズル本体は、前記各枝管の先端を合流させた合流部を備えたことを特徴とする請求項2又は3記載のドライアイス洗浄用ノズル。
- 前記ノズル本体は、前記破砕したドライアイスペレットを、ワイヤメッシュを通過させることによりさらに破砕する網部を、前記分岐部の下流側に備えたことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のドライアイス洗浄用ノズル。
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