JP2010063968A - 粉体飛散装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】粉体が貯蔵される貯蔵部100A1と、貯蔵部100A1内の粉体を収容する収容部100A3を備えた粉体送出部100A2と、収容部100A3に収容された粉体を飛散させるファン100B2と、を有してなり、粉体送出部100A2は、収容部100A3が貯蔵部100A1内とファン100B2の流路内との間に位置するように往復運動し、ファン100B2は、収容部100A3がファン100B2の流路内に位置するときに稼働する。
【選択図】図9
Description
先ず、本発明にかかる曝露装置の構成について説明する。
図1は、本発明による曝露装置1の要部構成を説明するための模式的な透視図である。曝露装置1は、曝露室2、拡散室3、制御室4、トイレ5、エアーシャワー室6とから構成されている。
図2は、曝露装置1を構成する各室の位置関係の例を示す平面視的な模式図であり、符号21は、側面と天井面と床面とで囲まれた、曝露室2の室内を示す。符号11は、各椅子1Aの座面の下方に設置された花粉センサ11を示し、符号71は、温湿度計を示す。
拡散室3の側壁の一部には、室外エアコン81から供給された曝露装置1外の空気を曝露装置1内に取り込む給気ファン8が設けられている。給気ファン8には、塵埃をはじめ微小粒子を捕捉して曝露装置1内への進入を防ぐためのフィルタが取り付けられている。
拡散室3内に設置される花粉供給装置の台数や、拡散室3と曝露室2との位置関係は、室内21の大きさなどにより、適宜決定される。
なお、曝露装置1内の各設備・機器の動作は、制御装置により制御する方法のほか、操作者により手動で制御することができるようにしてもよい。手動の場合、たとえば、各設備・機器の動作を制御するための操作ボタンなどを備えた操作パネルを制御室4に配置する。
曝露室2の天井面には、略全面にわたり、通常の軸流ファンを用いるファンユニットFUと、花粉を捕捉可能なHEPA(High Efficiency Particulated Air)フィルタを曝露室2の室内21側に設けたフィルタファンユニットFFUとが設置されている。
一方、曝露室2の床面には、パンチングメタルなど多数の通気孔を有するグレーチング部材24が敷設されている。同様に、拡散室3の床面にもグレーチング部材31が敷設されていて、曝露室2と拡散室3の床下には、共通の空間23が形成されている。
図4に示すように、給気ファン8から流入した空気は、ファン32とファンユニットFUとで生成される気流によって、拡散室3から曝露室2の天井裏の空間22を介して室内21に流入し、床下の空間23を介して拡散室3に循環している。
次に、花粉供給装置100について、説明する。
図9は、花粉供給装置100の実施の形態を示す斜視図である。
花粉供給装置100は、花粉供給部100Aと、花粉供給部100Aに隣接して一体化されている花粉飛散部100Bと、花粉飛散部100Bにより飛散された花粉を噴射する花粉噴射部100Cと、花粉噴射部100Cから噴射された花粉を上方に向け指向させる指向部材100Dを備えている。
なお、花粉供給部100Aと花粉飛散部100Bとは、花粉供給装置の本体(図示省略)に取り付けられている。
花粉飛散部100Bは、花粉貯蔵部100A1と連結されたパイプ管100B1と、パイプ管100B1の一端に連結された送風手段であるシロッコファン100B2とを備えている。パイプ管100B1の他端には、花粉噴射部100Cが配置されている。
ピストンロッド100A2が往動を開始すると、同図(B)に示すように、花粉収容部100A3が花粉貯蔵部100A1の貫通部(貫通孔)を通過する際に、貫通部(貫通孔の周囲の壁面)によって花粉Pの一部、つまり、花粉収容部100A2から盛り上がった部分の花粉が堰き止められて据え切りされる。
花粉収容部100A3がパイプ管100B1内部に進入したとき、同図(C)に示すように、花粉収容部100A3には、花粉収容部100A3の深さに対応する量の花粉のみが残されて調量された状態となる。
すなわち、仮に、シロッコファン100B2の稼働中に花粉Pを搭載したピストンロッド100A2をパイプ管100B1に進入させてしまうと、花粉収容部100A3がパイプ管100B1内に進入すると同時に花粉Pが吹き飛ばされてしまう。その結果、パイプ管100B1の内周面に花粉Pが吹き付けられ、花粉搭載部100A3に搭載された花粉Pの一部のみしか、拡散室3に供給できない。
このように、シロッコファン100B2の稼働タイミングをピストンロッド100A2の動作に連動させることで、花粉収容部100A3に搭載された花粉Pを無駄なく、吹き飛ばすことができる。
また、軸流ファン100C2は、シロッコファン100B2よりも大風量に設定されている。
次に、以上説明した構成を備える曝露装置1の動作例について説明する。
図14は、曝露装置1が実行する工程の関係を示すフローチャートである。
次に、曝露試験のために被験者が曝露室2に入室すると、曝露装置1は、曝露室2の室内21への花粉の散布を実行する。
曝露装置1による花粉の散布は、2段階に分けて行われる。すなわち、最初の段階では、クリーン状態の室内21を所定の花粉濃度にするために、花粉供給装置100のピストンロッド100A2を高速に往復動作させて大量の花粉を供給する。その後、所定の花粉濃度に達すると、次の段階では、室内21の花粉濃度を維持するために、花粉供給装置100のピストンロッド100A2の往復動作のスピードを制御する。すなわち、室内21に散布された花粉のうち、床下に到達して空間23などに付着し、室内21に循環されない花粉の分だけ補充する。このように、花粉を循環させることで、濃度低下分だけ、花粉を補充すれば足り、循環させない場合に比べて、花粉の供給量を抑えることができる。
その後、被験者が曝露室2から退室すると、曝露装置1は、曝露室2、拡散室3を洗浄して、曝露室2と拡散室3に残留する花粉を除去する。洗浄後、曝露装置1は、曝露室2と拡散室3を乾燥する。乾燥が終了すると、曝露装置1は、曝露室2のクリーン化を実行し、次の曝露試験に備えて待機状態となる。
ここで、図15,16,17,18は、クリーン化工程、散布工程、洗浄工程、乾燥工程の各工程の曝露装置1の動作例を示すフローチャートである。また、図19,20,21,22は、クリーン化工程、散布工程、洗浄工程、乾燥工程の各工程において、制御装置41と曝露装置1を構成する各設備・機器との間で交換される情報の例を示すブロック図である。
なお、前述のとおり、各設備などの動作の制御は、制御装置41によるコンピュータ制御に代えて、オペレータによる手動制御としてもよい。
クリーン化工程は、曝露室2と拡散室3とトイレ5の空気を清浄化することを目的とする。また、空気の清浄化と併せて、曝露室2の室内21の温湿度制御も行う。
拡散室3と曝露室2とを循環する空気の一部は、床下の空間23を介してトイレに流入し、排気ファン9から曝露装置1の外部に排気される。このとき、トイレ5内の空気中の塵埃などは、排気ファン9に捕捉されるため、トイレ5の空気の清浄化を実現できる。
また、制御装置41は、温湿度制御を行うために、温湿度計71からの温湿度情報を受信し、室内エアコン7に対する設定温湿度や風量などに関する情報を送信する。
散布工程は、物質を曝露室2の室内21に散布し、室内21の全体で均一の物質濃度を維持することを目的とする。なお、室内21の温湿度制御は、クリーン化工程に引き続き行う。
給気ファン8を介して拡散室3に流入した空気は、ファン32とフィルタファンユニットFFUの回転により生じる気流により、拡散室3から天井裏の空間22、室内21、床下の空間23へと循環する。花粉は、この循環気流に乗って、散布される。
まず、短時間のうちに、室内21が所定の花粉濃度で均一となるように、花粉供給装置100を高速動作させる。次に、所定の花粉濃度を達成すると、花粉供給装置100の動作を制御して、所定の花粉濃度を維持できる程度に、花粉を補充する。
これまで説明したように、曝露装置1は、拡散室3内に設置された花粉供給装置100から供給される花粉を拡散室3から曝露室2の天井裏の空間22に吹き飛ばす。天井裏の空間22に引き込まれた花粉は、ファンユニットFUを通過して室内21に散布される。
したがって、室内21に均一に花粉を散布するには、天井裏の空間22全体に均一に花粉を存在させる必要がある。ここで、天井裏の空間22への花粉の引き込みは、ファン32とファンユニットFUの回転により生じる気流を用いる。そこで、天井裏の空間22全体に均一に花粉を存在させるには、ファン32とファンユニットFUの回転を制御する必要がある。特に、天井裏の空間22内は、拡散室3から離れた位置ほど花粉が届きにくく、拡散室3から近い位置に比べて花粉濃度が低くなりがちである。
このように、ファンユニットFUの回転数を制御することにより、天井裏の空間22内の花粉濃度を均一にすることができる。その結果、天井裏の空間22と室内21との境界面となる天井面に、略等間隔に設置されているファンユニットFUを介して天井裏の空間22から室内21に花粉が散布されるため、室内21の全域にわたって均一に花粉が散布される。
したがって、所定の花粉濃度を維持すべく、室内21に設置された花粉センサ11からの検知結果に基づいて、花粉供給装置100の動作を制御して、花粉を補充する。すなわち、花粉供給装置100は、花粉センサ11により検知された室内21の花粉濃度に応じて、供給する花粉の量、つまり、単位時間当たりのピストンロッド100A2の往復動回数が制御される。
このような場合、室内21には複数個所(椅子1Aの設置箇所)に設置されている花粉センサ11からの検知結果に基づいて、室内21の全域の花粉濃度を均一にすべく、ファン32やファンユニットFUの回転数を制御して、花粉濃度の低下した場所へ花粉を集中的に散布する。すなわち、ファン32やファンユニットFUの回転数は、花粉センサ11により検知された室内21の花粉濃度に基づいて、制御される。また、室内21に存在する複数の花粉センサ11のそれぞれにより検知された室内21の各箇所の花粉濃度に基づいて、複数設置されているファン32やファンユニットFUのそれぞれの回転数を制御するように構成してもよい。
このように、花粉の粉体を循環の過程で、様々な物に衝突させることができるため、単に花粉の粉体を曝露するのと違い、自然環境と同様に物との衝突によりアレルゲンを飛散させた環境を室内21に形成することができる。その結果、自然界に近い環境での曝露試験を行うことができる。
洗浄工程は、曝露室2と拡散室3内に残留する花粉を除去することを目的とする。
洗浄工程では、まず、花粉供給装置100の動作を停止させ花粉の散布を停止して、曝露室2と拡散室3並びにトイレ5の花粉濃度を低下させる。
また、天井裏の空間22から室内21に向けた気流が生じる方向にフィルタファンユニットFFUを回転させると共に、室内21から空間22に向けた気流が生じる方向にファンユニットFUを回転させる(つまり、花粉を散布するときとは逆回転)。フィルタファンユニットを回転させることで、曝露室2と拡散室3に残留する花粉をHEPAフィルタで捕捉する。また、ファンユニットを逆回転させることで、曝露室2と拡散室3に残留する花粉が空間22から室内21に散布されるのを防止する。
また、トイレ5内に残留する花粉は、ダクト91,92を介して排気ファン9のフィルタで捕捉することができ、トイレ5の花粉濃度を低下させることができる。
図12,13は、曝露室2と拡散室3とトイレ5の洗浄に用いる散水配管の例を示す曝露装置1の平面視的な模式図と側面視的な模式図である。図12,13に示すように、天井裏の空間22内、室内21の天井付近、床下の空間23内、拡散室3やトイレ5の天井付近には、スプリンクラーなどの散水器200Aを多数設けた配管200が敷設されている。
スプリンクラー200Aの噴水口は、曝露室2の室内21、空間22,23、拡散室3、トイレ5の各室の天井面や壁面など、散水できない場所が生じないように各方向に設定されている。
すなわち、まず、天井裏の空間22を洗浄する。その際、たとえば、図13に示した例であれば、空間22には、上下方向に2段の配管200が設置されている。そこで、まず、上段の配管200から空間22の上方向に向けて散水する。その後、上段の配管200からの散水を停止し、下段の配管200から下方向に向けて散水を開始する。その結果、空間22に残留していた花粉は、ファンユニットFU,FFUを通過する洗浄水と共に、室内21に流れ落ちる。
乾燥工程は、洗浄した曝露室2、拡散室3、トイレ5内を乾燥させて、室内のカビの発生などを防止することを目的とする。
先ず、給気ファン8、排気ファン9、ファン32、フィルタファンユニットFFUを高速で回転させる。各ファンを回転させることで、クリーン化工程と同様の気流が生成される。また、各ファンの回転と共に、室内エアコン7を動作させて温風を送風させる。室内エアコン7からの温風は、各ファンの回転により生成された気流にのって、曝露室2、拡散室3、トイレ5内に流れ込む。
その結果、クリーン化工程に戻る。
なお、FFUに用いるHEPAフィルタは、洗浄工程で濡れたとしても乾燥により捕捉性能が復元する、たとえば、テフロン(登録商標)素材のものを利用する。よって、仮に、洗浄工程および乾燥工程によっても除去できなかった花粉をはじめとする浮遊微粒子が残留していたとしても、クリーン化工程では、前述のとおり、フィルタファンユニットのHEPAフィルタで捕捉することができる。
さらに、一旦、曝露室2に散布された花粉は、曝露室ごと洗浄することで、洗浄水と共に除去することができる。また、洗浄後は、曝露室2のクリーン化を行う。このように、曝露試験後には、試験中に散布された花粉を除去することができる。
2 曝露室
21 曝露室の室内
22 天井裏の空間
23 床下の空間
24 曝露室の床グレーチング
25 排水口
3 拡散室
31 拡散室の床グレーチング
32 ファン
4 制御室
41 制御装置
5 トイレ
51 トイレ(男性用)
52 トイレ(女性用)
6 エアーシャワー室
61 エアーシャワー装置
7 室内エアコン
71 温湿度計
8 給気ファン
81 室外エアコン
9 排気ファン
91 排気ダクト
92 排気ダクト
11 花粉センサ
100 花粉供給装置
FU ファンユニット
FFU フィルタファンユニット(HEPAフィルタ付)
Claims (7)
- 粉体が貯蔵される貯蔵部と、
上記貯蔵部内の粉体を収容する収容部を備えた粉体送出部と、
上記収容部に収容された粉体を飛散させるファンと、
を有してなり、
上記粉体送出部は、上記収容部が上記貯蔵部内と上記ファンの流路内との間に位置するように往復運動し、
上記ファンは、上記収容部が上記ファンの流路内に位置するときに稼働することを特徴とする粉体飛散装置。 - 収容部が貯蔵部内からファンの流路内に向けて移動する際、この収容部に収容されている粉体が調量される請求項1記載の粉体飛散装置。
- 粉体送出部は、収容部が貯蔵部に設けられた貫通孔を貫通しながら往復運動し、
収容部が貯蔵部内からファンの流路内に向けて移動する際、この収容部に収容されている粉体が、上記貫通孔の周囲の壁に堰き止められて調量される請求項2記載の粉体飛散装置。 - ファンの流路を規定するパイプ管を備え、
上記ファンは、上記パイプ管の一端に設けられ、
粉体送出部は、上記パイプ管中に収容部が位置するように往復運動する請求項1記載の粉体飛散装置。 - パイプ管の他端側には、このパイプ管の外周半径より大きな内周半径を持つ中空部材が設けられ、
上記中空部材の側壁の一部には孔部が設けられ、
上記中空部材の内部には、パイプ管から飛散された粉体を吹き飛ばす第2ファンが設けられている請求項4記載の粉体飛散装置。 - 中空部材の内部に設けられている第2ファンの風量は、パイプ管の一端に設けられているファンの風量より大きく設定されている請求項1記載の粉体飛散装置。
- ファンの前方には、このファンによって飛散された粉体の飛散方向を変化させる指向部材が設けられている請求項1記載の粉体飛散装置。
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