本発明の実施の形態に係るドラム式洗濯機につき、図を参照しながら以下に説明し本発明の理解に供する。以下の説明は本発明の具体例であって、特許請求の範囲の内容を限定するものではない。
本発明の実施の形態に係るドラム式洗濯乾燥機1は、図1、図2に示すように、回転ドラム2を回転軸方向が水平または後部に向け水平方向から下向き傾斜となるようにして水槽3内に設置し、洗濯、すすぎ、脱水の各工程に加え、送風ファン15により循環送風経路5を通じ、水槽3内の空気を吸引して蒸発器31及び凝縮器32に通し除湿及び加熱した後水槽3内に送風することを繰り返して洗濯物を乾燥させる乾燥工程を行う。この乾燥工程のために蒸発器31、凝縮器32及びそれらに冷媒を循環させる圧縮機37を収容した空調ユニット39と送風ファン15とを接続した空調送風ユニット81として搭載し、循環送風経路5の途中に接続している。
回転ドラム2の水平配置ないしは図示する傾斜に対応して、水槽3の正面側には回転ドラム2の開口端に通じる衣類出入口が形成され、洗濯乾燥機本体44の正面側に形成された上向き傾斜面に設けられた開口部を開閉可能に閉じる扉を開くことにより、回転ドラム2内に対して洗濯物を出し入れすることができる。扉が上向き傾斜面に設けられているため、洗濯物を出し入れする作業を、腰を屈めることなく実施できる。
回転ドラム2には、その周面に水槽3内に通じる多数の透孔が形成され、内周面の周方向複数位置に攪拌突起(図示せず)が設けられている。この回転ドラム2は水槽3の後部側に取り付けられたモータ7によって正転及び逆転方向に回転駆動される。また、水槽3には、注水管路及び排水管路が配管接続され、注水弁及び排水弁の制御によって水槽3内への注水及び排水がなされる。扉を開いて回転ドラム2内に洗濯物及び洗剤を投入してドラム式洗濯乾燥機1の例えば前面上部に設けられた操作パネルでの操作で、その内側などに設けられた制御基板などによる制御を通じて運転を開始させると、水槽3内には注水管路から所定量の注水がなされ、モータ7により回転ドラム2が回転駆動されて洗濯工程が開始される。回転ドラム2の回転により、回転ドラム2内に収容された洗濯物は回転ドラム2の内周壁に設けられた攪拌突起によって回転方向に持ち上げられ、持ち上げられた適当な高さ位置から落下する攪拌動作が繰り返されるので、洗濯物には叩き洗いの作用が及んで洗濯がなされる。所要の洗濯時間の後、汚れた洗濯液は排水管路から排出され、回転ドラム2を高速回転させる脱水動作により洗濯物に含まれた洗濯液を脱水し、その後、水槽3内に注水管路から注水してすすぎ工程が実施される。このすすぎ工程においても回転ドラム2内に収容された洗濯物は回転ドラム2の回転により攪拌突起により持ち上げられて落下する攪拌動作が繰り返されてすすぎ洗いが実施される。
送風ファン15は、渦巻ケーシング15b内に遠心タイプのファン15aを収容した遠心ファンをなしている。空調ユニット39と送風ファン15とは図4〜図6に示すように、空調ケース38の左右に向く長手方向の一端側の端部壁38aに形成した吸引排出口392に、渦巻ケーシング15bの接続口15c1を嵌め合わせて互いを接続している。
これにより、送風ファン15の吸引力は空調ケース38内に及び、空調ケース38の他端側の吸引導入口391から循環送風経路5の吸引路16を通じ水槽3内に作用するので
、水槽3内の空気を空調ケース38内に吸引して蒸発器31および凝縮器32を通して除湿および加熱し、除湿および加熱後の乾燥した高温空気は吸引排出口392、接続口15c1、接続口15c1の内側に開口する吸引口15cを通じ渦巻ケーシング15b内に吸引し、渦巻ケーシング15bの吹き出し部15dから循環送風経路5の送風路33を通じ水槽3内に送風し回転ドラム2内の洗濯物を乾燥させることを繰り返す。
ここに、送風ファン15は、接続口15c1を空調ユニット39の吸引排出口392に接続して相互を一体の空調送風ユニット81に構成し、コンパクト化、省スペース化を図り、水槽3の後部と洗濯機本体44の後部壁44aとの間のスペースSを利用して配置している。
しかし、本実施の形態では、送風ファン15の高風量化、高静圧化を洗濯機本体44の大型化なしに実現できるようにするのに、送風ファン15は、その吸い込み口15c及び回転中心15eを図2〜図5、図8、図9に示すように、渦巻ケーシング15bの吸い込み口15c外まわりに設けた空調ケース38との接続口15c1の中心15fよりも水槽3の側に偏心させて設けている。これにより、有底円筒形の回転ドラム2を回転軸方向が水平または図2に示すように水平方向から後部側に下向き傾斜となるように収容、設置した水槽3の後部と、洗濯機本体44の後部壁44aと、の間のスペースSに空調ケース38及び送風ファン15を互いに接続した空調・送風ユニット81として配置するが、空調ケース38の左右方向の一端側の端部壁38aに接続される渦巻ケーシング15bの接続口15c1に対し、送風ファン15における吸い込み口15c及び回転中心15eが水槽3の側に偏心していることにより、偏心していない従来の場合に比し、送風ファン15は空調ケース38の水槽3側への接近限界など空調ケース38との接続の影響なしに、水槽3との間のスペースS一杯まで図2に示すように水槽3に近づけ、反水槽3側、つまり洗濯機本体44の後部壁44aとの間のスペースSが大きくなるのを利用して渦巻ケーシング15bの拡大角を大きく採りやすくなる。
この結果、収容した回転ドラム2と共に水平または水平方向から後部側に下向き傾斜となるように設置した水槽3の後部と洗濯機本体44の後部壁44aとの間で、空調・送風ユニット81を配置するのに、送風ファン15の吸い込み口15c及び回転中心15eが、空調ケース38の端部壁38aに接続される渦巻ケーシング15bの接続口15c1に対し水槽3側に偏心していることで、偏心していない場合に比し空調ケース38との接続関係からの拘束を抑えて送風ファン15を水槽3との間のスペースS一杯まで水槽3側に寄せられ、反水槽3側つまり洗濯機本体44の後部壁44aとのスペースSが大きくなる分だけ、渦巻ケーシング15の拡大角を水槽3側から後部壁44a側に、具体的には吹き出し部15dの端部まで大きくして送風性能を上げ、洗濯機本体44の大型化といったまわりへの影響なしにさらなる高風量、高静圧に対応することができる。
特に、本実施の形態の水槽3は、回転ドラム2と共に後部に向けて水平方向から下向き傾斜となるように設置されて、後部が洗濯機本体44の後部壁44aとの間で、側面視して洗濯機本体44の底部44b上に後部側がほぼ鉛直なほぼ直角三角形状の三角スペースSを形成し、空調・送風ユニット81は、三角スペースSの下部に位置して洗濯機本体44の底部44b上に設置されている。これにより、回転ドラム2と共に傾斜した水槽3の後部は洗濯機本体44の後部壁44aとの間の底部44b上に前記三角スペースSを自然に形成するので、その下半部の広さを利用して空調・送風ユニット81を設置することができるし、特に広い最下部一杯を利用した大きさで空調ケース38および送風ファン15を設置できる。この結果、回転ドラム2と共に傾斜した水槽3の後部が洗濯機本体44の後部壁44aとの間の底部44b上に自然に形成する前記三角スペースSの下半部の広さを利用して空調・送風ユニット81を安定な底部44b上に設置することができるし、特に渦巻ケーシング15bは図2に示すように前記偏心によって洗濯機本体44の後部壁4
4aから最も離れた水槽3の下部に近づけて水槽3の後部から後部壁44a側への拡大角の増大が十分に図れるので、送風性能の向上にさらに貢献できる。
これにつき詳述すると、空調ユニット39は三角スペースSに対応する形状にして、三角スペースSを有効利用してそのボリューム増が図れるにしても、圧縮機37、蒸発器31及び凝縮器32を収容する本体部は既述したようにほぼ直方体となるので、図2に示すように、三角スペースS内において傾斜している水槽3の後部との間にどうしてもデッドスペースS1が残る。これに対し送風ファン15は渦巻形態をなしていて側面視して角ばった空調ケース38とは異なり丸みを持っているが、空調ユニット38との接続関係によってその位置が拘束される。この結果、従来、図22に見られるように水槽3の後部との間に空調ケースaと同じようなデッドスペースmを残し、洗濯機本体bの後部壁との間で拡大角を増大して高風量化、高静圧化するのを困難にしていた。
しかし、本実施の形態では、送風ファン15の吸い込み口15c及び回転中心15eが、空調ケース38の端部壁38aに接続される渦巻ケーシング15bの接続口15c1に対し水槽3側に偏心していることで、空調ケース38との接続を満足してしかも、図2、図3に見られるように渦巻ケーシング15bが空調ケース38から水槽3の後部側にはみ出した設計が可能になり、空調ケース38と違った側面視して丸みのある形態を生かし、可能な限り水槽3の後部に近づけられる。これによって、渦巻ケーシング15bは水槽3の後部と洗濯機本体44の後部壁44aとの間の三角スペースSにおける広い下半部一杯を利用した大きさとして、換言すると、渦巻ケーシング15bが水槽3の後部に近づけられた分だけ前後方向にボリュームアップして水槽3の後部側から洗濯機本体44の後部壁44a側に向けた拡大角の増大が洗濯機本体44の大型化なしに実現し、さらなる高風量化、高静圧化に貢献できる。
また、空調ケース38は図1、図2に示すように、送風ファン15からの吸引により循環空気を導入する吸引導入口391を左右の他端側の後部寄りに上向きに立ち上がって設けられると共に、渦巻ケーシング15bの接続口15c1を接続する吸引排出口392を図4、図8、図9に示すように他端側の端部壁38aの前部寄りに設けてあることに対応して、渦巻ケーシング15bは水槽3側から洗濯機本体44の後部壁44a側に拡大角が増大して吹き出し部15dが後部壁44aに沿って上向きに立ち上がるように設けられたものとしている。このように、空調ケース38の吸引導入口391が空調ケース38の左右の他端側に後部寄りに設けられていることにより、吸引導入口391から水槽3の胴部まわりなどに接続される吸引路16を、三角スペースSの狭い上半部と、水槽3の中央から側方に向け湾曲しながら低くなって洗濯機本体44の後部壁44aとの間に自然にできるスペースS2と、を利用して立ち上げ設けられるのに加え、渦巻ケーシング15bの接続口15c1を接続する吸引排出口392を空調ケース38の一端側の端部壁38aの前部寄り、つまり水槽3寄りに設けていることにより、送風ファン15を接続口15c1に対する偏心を抑えても水槽3寄りに設けやすく拡大角の増大に有利となり、かつ、吹き出し部15dから水槽の3後部などに接続される送風路33を、三角スペースSの狭い上半部を利用して立ち上げ設けられる。さらに、吸引導入口391から空調ケース38内に吸引導入され、吸引排出口392から送風ファン15の吸引口15cに吸引される吸引空気の流れを、空調ケース38の一端側後部から他端側前部へと向く空調ケース38の長手方向に対して図8、図9に矢印で示すように後部側から前部側へ斜めに向くようにして、空調ケース38内に設置される蒸発器31及び凝縮器32のフィン395aの方向に幾分近づけやすくなる。
この結果、吸引導入口391が空調ケース38の左右の他端側に後部寄りに位置し、この吸引導入口391から延びる吸引路16を特別なスペースによる大型化なしに立ち上げ水槽3の胴部まわりなどの接続位置まで引き回せるのに加え、送風ファン15は接続口1
5c1に対する偏心度を抑えても水槽3寄りに設けやすく吹き出し部15dへの拡大角の増大、送風性能の向上にさらに有利とし、かつ、吹き出し部15dから水槽3の後部に接続される送風路33も特別なスペースによる大型化なしに立ち上げ設けられる。さらに、吸引導入口391から空調ケース38内に吸引導入され、吸引排出口392から吸引される吸引空気の流れを、空調ケース38の一端側後部から他端側前部へと空調ケース38の長手方向に対して斜めの向きとして、空調ケース38内に設置される蒸発器31及び凝縮器32のフィン395aの方向に幾分近づけやすく蒸発器31及び凝縮器32への通過抵抗を軽減し、かつ通風の片寄りを防止して熱交換効率を高められる。
また、蒸発器31及び凝縮器32は互いに平行で、かつ、空調ケース38の吸引導入口391から吸引排出口392への図8、図9に示す圧縮機37の収容域394から区画した通風路393の途中に、図9に示すように空調ケース38の長手方向に向くか、この長手方向に対し図8に示すように吸引導入口391側が吸引排出口392側よりも前部寄りになる斜めに向くように設けられる。このように、蒸発器31及び凝縮器32が互いに平行で、かつ、空調ケース38の長手方向に向いていても、前記のように空調ケース38内を吸引空気が斜めに通過する場合では、吸引空気の流れを、蒸発器31及び凝縮器32のフィン395aの方向に幾分近づけやすくなる。また、蒸発器31及び凝縮器32が空調ケースの長手方向に対して吸引導入口391側が吸引排出口392よりも前部寄りになる斜めに向くように設けられていると、吸引空気の流れが空調ケース38の長手方向に向いている場合でも、吸引空気の流れを、蒸発器31及び凝縮器32のフィン395aの方向に上記の場合同様に幾分近づけやすいし、空調ケース38内を吸引空気が斜めに通過する場合では、特に、吸引空気の流れは蒸発器31及び凝縮器32のフィンに対する角度をより近づけ、熱交換効率、乾燥性能をさらに高められる。
以上のような遠心タイプのファン15a、渦巻ケーシング15bを用いる送風ファン15において、様々な特徴を有した渦巻ケーシングが提案され、実用されている。その多くは2分割タイプが主流となっている。
図15に示す従来タイプは、吹き出し部Aを横断面が方形の通路を持ち反吹き出し口A1側から吹き出し口A1に向け拡張する形態としてその側部を渦巻部Bの終端に接続している。これにより、容器型の深い半殻体C1と浅い蓋型の半殻体C2とをほぼ同一平面上の環状領域で合わせる単純な分割構造、シール構造のものとなるが、吹き出し部Aは吹き出し口A1を円筒形にして下流側の送風路と接続せざるを得ず、吹き出し口A1の上流側の図16に示すような隅角部が吹き出し空気の一部を淀ませる淀み部A2、A3となるので、さらなる高性能化は困難である。
図17、図18に示す従来タイプは、吹き出し部Dが渦巻部Eから円筒形の吹き出し口D1まで横断面が滑らかに繋がる形態としていて、前記のような淀み部が生じないので、さらなる高性能化に適する。しかし、このように渦巻部Eから吹き出し口D1まで滑らかに繋がって拡張する吹き出し部Dの立体形状の影響なしに、容器型の深い半殻体E1と浅い蓋型の半殻体E2とをほぼ同一平面上の環状領域で合わせる単純な分割構造、シール構造を確保するために、浅い半殻体E2をさらに浅く、またはほぼ板状にして、吹き出し部Dの途中部分近傍までに分割域を縮小するのに併せ、吹き出し部Dにおける円筒形の吹き出し口D1から渦巻部Eとの接続位置に及ぶ範囲をアンダーカット部D2として、吹き出し口D1側から渦巻部Eとの接続位置側にアンダーカット量を漸増するようにしている。しかし、淀み部がなく高性能化にすることは高風量化、高静圧化を意味するが、浅い半殻体E2の剛性に難があって深い半殻体E1との間のシール圧を上げにくく漏れが発生しやすい。また、アンダーカット部D2のアンダーカット量が大きいために、成形性が悪く金型構造が複雑高価なものになる上、高風量化、高静圧化に限界がある。
これらに対応するのに本実施の形態の渦巻ケーシング15bは、図1、図3〜図5、図7〜図9に示すように幅方向、設置向きからは左右方向のほぼ中央位置で2分割した半殻体15b1、15b2どうしを、環状のシール部材102を介し合わせて、合わせ部周辺を複数個所にてねじ止めすることにより一体化している。特に、吹き出し部15dの円筒形をした吹き出し口15d1を半殻体15b1、15b2の一方に一体成形し、半殻体15b1、15b2合わせ面12は図5、図6に示すように、渦巻部15eから吹き出し部15dの吹き出し口15d1近傍までを、渦巻部15eおよび吹き出し部15dがなす風路の輪郭に沿って同一平面ないしはそれに近い面をなす輪郭形態部12aとし、この輪郭形態部12aから吹き出し口15d1までの間を、輪郭形態部と同一平面ないしはそれに近い面をなして連続し、かつ、吹き出し部15dから両側外方へ張り出した一対の張出し形態部12bとし、これら一対の張出し形態部12bの間は、吹き出し口15d1の筒状外面に沿った筒状面をなす筒状形態部12cとしてある。ここに、張り出し形態部12bは、合わせ面12の輪郭形態部12aと筒状形態部12cとを、それらと同じ合わせ方向の合わせ面域を有して連続に繋ぐ機能を奏する。具体的には、合わせ面12間に挟み込む環状のシール部材102が輪郭形態部12a側から筒状形態部12c側に直角に立ち上がる位置Pを外方へ迂回することで、従って、吹き出し部15dが形成する通風路を狭くするような影響なしに、合わせ方向に変化のない合わせ面範囲で張り出し形態部12aから筒状形態部12cに繋がる、迂回経路を確保している。従って、迂回の形態は特に問われることはなく位置Pを外方に外れることが必須となる。ここで、半殻体15b1、15b2の双方は、ほぼ容器型に膨らむ立体形状をなして合わせ面12域での前記合わせ方向の剛性が高まるので、十分なシール圧を確保することができ、漏れの発生を回避することができる。しかも、このような合わせ構造、シール構造は、アンダーカットによる扁平化を必要とせずに実現するので、アンダーカットは専ら送風ファン15の空調ユニット39との洗濯機本体44内への併設、空調・送風ユニット81の洗濯機本体44内への設置上、渦巻ケーシング15bの自然な拡大角を採る上で、周りとの干渉を避ける程度でよく、図示例のアンダーカット部105による図7に示す吹き出し部15dの最少隙間Lは、図18に示す従来場合のアンダーカット部D2による最少隙間Mよりも大きくすることができ、その分、拡大角の増大による高風量化、高静圧化が十分に図れて、大きく高性能化することができるし、成形性が向上するので金型構造も簡単で安価なものになる。
また、既述したように近時の高風量化、高静圧化により、渦巻ケーシング15bの大型化が必須事項となり、空調ユニット39の大型化も必要になっているが、さらなる高性能化のためには、空調ユニット39の空調ケース38から渦巻ケーシング15b内への吸引空気の流れをスムーズにすることも重要である。これは、渦巻ケーシング15bの吸い込み口15cに導入する吸引空気の流れに偏りや乱れがあると、それだけ風量損、静圧損を招き性能低下となるためである。そこで、空調ケース38と渦巻ケーシング15bの吸い込み口15cとの間には、吸い込み口15cに吸引空気が偏ったり乱れたりしないように案内する、いわば図4に示すような助走区間Nが必要となる。
このような助走区間Nは、空調ケース38内において図9に示すようにほぼその長手方向か、図8に示すようにこの長手方向に対し傾斜して配置された蒸発器31および凝縮器32を後部側から前部側に通過した後、空調ケース38の一端側端部壁38aに設けられた吸引排出口392に向けほぼ直角に折り曲げられてくる吸引空気の流れを整流および均等化することになるので、十分な長さが必要になる。
しかし、従来、図14に示すように空調ユニットaはその吸引排出口nに、送風ファンdの吸引口d1の外回り外面に形成した接続口d2を、シール部材oを介し嵌め合わせて送風ファンdと接続し、吸引口d1に助走区間Nとなるガイド壁としてのベルマウスd3を形成している。このため、吸引口d1の上流に位置する吸引排出口nおよび接続口d2を嵌め合わせた接続構造部を助走区間Nに生かせず、助走区間Nを長くするのを制限して
いる。
これに対応するのに、本実施の形態の送風ファン15は、図4に示すように吸い込み口15cを、その外まわりで空調ケース38の吸引排出口392に接続する接続口15c1の空調ケース38側端部から内側に折り返すように延びて、ファン15aの内周に一定量嵌まり合って相互間のシール性を確保するように形成している。これにより、吸い込み口15c自体が吸引空気の流れを整流し均等化に貢献する助走区間Nの増大に貢献するベルマウス15c2をなしている。併せ、吸引排出口392は、前記接続口15c1とシール部材104を介し嵌め合わせる接続口392aと、この接続口392aの空調ケース38側端部から内収側に延びて吸い込み口15cの接続口15c1からの折り返し部にオーバーラップする整流フランジ392bとを持つように形成し、この整流フランジ392bがシール部材104を介した接続口392a、15c1どうしの嵌まり合い部を空調ケース38側から覆って、吸引排出口392から吸い込み口15cへ向かう吸引空気の流れが前記嵌り合い部で乱れるのを防止して、吸い込み口15cに流れ込ませるようにしている。この結果、吸引排出口392から吸い込み口15cを経て送風ファン15に吸引される吸引空気の流れを整流、均等化するように案内する助走区間Nは、図4に示すように整流フランジ392bの空調ケース38側内面から吸い込み口15cの渦巻ケーシング15b側内端までとなり、空調ケース38、渦巻ケーシング15bの接続距離をいささかも拡大することなく従来に比し倍増するので、さらなる高性能化に貢献する。しかも、接続口15c1からの吸い込み口15cの折り返し部内側空間を利用して、図4に仮想線で示すようにファン15aの内周側から吸引口15cの外周へ延びるシール周壁105を設けることができる。これにより、吸い込み口15cおよびファン15a間のシール性をさらに高められるので高性能化に貢献する。一方、吸引排出口392と接続口15c1との接続において、接続口392aまたはおよび整流フランジ392bとの間で周方向の嵌り合いまたはおよび当接関係を満足することで、必要なシール性は確保できる。これによって、シール部材104は必須とはならない。
送風ファン15において、渦巻ポンプで一般的な図6、図7に示すようなトング106を設けて吹き出し口15d1へ向かう空気流と渦巻部15eに戻る空気流とを分岐し整流することを行う。
例えば、図18、図19に示す従来の送風ファンdでは、深い容器型の半殻体E1は図19に示すように収容するファンpのファン高さにほぼ等しい深さを有しているので、深い半殻体自体の高さ内でファン高さ一杯に及ぶトングqを形成して空気流の調整ができる。
しかし、本実施の形態の渦巻ケーシング15bは、左右方向のほぼ中央位置で2分割した半殻体15b1、15b2どうしを合わせて構成しているため、左右の半殻体15b1、15b2のどちらに設けるにもトング106は半殻体15b1、15b2内ではファン高さに及ばない。これを、半殻体15b1、15bのいずれか一方に設けるトング106を図6に示すように他方側に突出するようにして対応するのでは、他方側と合わせる際の干渉や合わせ作業に手間が掛かる原因になるし、干渉を避けるために他方側との間に隙間を設けると、この隙間に空気流が流れ込むので風切り音の低減に十分な効果が得られない問題がある。
これに対応するのに本実施の形態の渦巻ケーシング15bは、半殻体15b1、15b2の一方にトング106を設けるのに、他方の側に突出し、かつ突出部が他方の側と相互の干渉を避けるための隙間S3を持つように形成するのに併せ、渦巻部15eの側、つまりファン15aの側に突出させて設けている。従って、従来の渦巻部に沿って吹き出し部側に延びるものよりもファン15aの側に寄って設けたことになる。これにより、吹き出
し部15dに吹き出されている空気流がファン15aとトング106との間に侵入してくることに対するシール度を高められるので、トング106に案内されて吹き出し口に向かう風量が高まり性能が高まるし、隙間S3による風切り音低減の働きが弱まるのを軽減できる。
さらに詳述すると、トング106は、ファン15aの回転基板15a1側を収容する左側の半殻体15b1の側に外面が窪む形態で型成形してあり、渦巻部15eおよび吹き出し部15dの渦巻始点部15gから吹き出し部15d側に向け幅および高さを漸減しながら延びるように流線形をなして設けてあり、渦巻始点部15側端部でファン15aとほぼ同等の高さ、実際にはファン高さ近くなるようにしている。このようなトング106の流線形により空気流との摩擦抵抗、空気流の乱れ、風切り音をより軽減でき、さらなる高性能化にもなる。トング106がファン高さに近い高さとしたことに対応して、吸引排出口392の側の右半殻体15b2の側にもトング106と同様であるが、右半殻体15b2の深さ未満でトング106と干渉しない程度の高さに抑えた補助トング106aを外面に窪みをなして設けてある。補助トング106aは他方の左半殻体15b1側に突出して互いに干渉することはなく、トング106の場合のような隙間の問題が生じるようなことはなく、より風切り音の問題なく吹き出し口15d1への吹き出し風量を高めてより高性能化が図れる。
本実施の形態の送風ファン15は、特に、図6に示すように吹き出し口15d1へ向かう空気流107a〜107cと渦巻部15eに戻る空気流107eとを分岐し整流する既述したトング106を設けるのに、渦巻部15eの始点15gからそれの終点である吹き出し口15d1に向け風路を送風ファン15の軸線方向に漸増させたドラム式洗濯乾燥機1において、前記トング106は、その突出縁部が、図6に仮想線で示すように前記軸線に直交する断面において、ほぼ円弧状であり、渦巻ケーシング15bの渦巻部15eに収容したファン15aのシュラウド側としての羽根支持板15a3にほぼ対向する位置からファン15aの主板としての回転基板15a1とほぼ対向する位置に向けてファン15aの反回転方向に延びるように形成されたものとしている。
これにより、回転ドラム2を水平または後部側に下向き傾斜となるように収容、設置した水槽3内で洗濯、すすぎ、脱水などを行った後の洗濯物を、水槽3内の空気を吸引して蒸発器31、凝縮器に通して乾燥した高温空気とし水槽3内に戻し乾燥させる送風ファン15において、その軸線方向に風路が始端から終端である吹き出し口15d1に向け増大した渦巻ケーシング15bと、渦巻ケーシング15bの渦巻部15eに収容したファン15aの羽根支持板15a3側にほぼ対向する位置からファン15aの回転基板15a1とほぼ対向する位置に向けてファン15aの反回転方向に延びるように形成されたトング106との組み合わせによって、渦巻ケーシング15b内の流路断面積が吹き出し口15d1に向けてより大きくかつ徐々に拡大することで動圧から静圧へよりスムーズに変換され空力(P−Q)特性を向上することができる。また、ファン15a外周近傍の空気流は回転基板15a1側(気流107a側)で周方向成分Vaが小さくなる、羽根支持板15a3側(気流107c側)で周方向成分Vcが大きくなることに関連して、渦巻ケーシング15bの渦巻部15eに収容したファン15aの羽根支持板15a3側にほぼ対向する位置からファン15aの回転基板15a1とほぼ対向する位置に向けてファン15aの反回転方向に延びたトング106に対し、トング106の回転基板15a1側となる低位突出縁部に先んじて達して吹き出し口15d1に案内される空気流170aが、トング106の羽根支持板15a3側となる高位突出縁部に遅れて達して案内されて吹き出し口15d1へ向かう気流107cはもとより、渦巻部15e側に向かおうとする気流107eに対して吸引作用を及ぼし図6に矢印107dに示すように吹き出し口15d1側に随伴させられる。
特に、渦巻ケーシング15bの軸線方向の幅が増大することでファン15aの羽根支持板15a3側にほぼ対向する位置からファン15aの回転基板15a1とほぼ対向する位置に向けてファン15aの反回転方向へのトング106の延出が延長され羽根支持板15a3側の吐出空気流や、渦巻部15e側への流込み空気流のファン15a外周近傍の周方向成分の大きい空気流がファン15a外周の回転に随伴して渦巻部15eに流れ込むのを低減する。
以上の結果、洗濯乾燥機での洗濯物の乾燥に用いる送風ファン15は、循環送風経路5での圧損が高いことに対応して回転数を高くされる場合において、風路が始端から終端である吹き出し口15d1に向け軸線方向に増大するケーシング形態と、渦巻ケーシング15bの渦巻部15eに収容したファン15aの羽根支持板15a3側にほぼ対向する位置からファン15aの回転基板15a1とほぼ対向する位置に向けてファン15aの反回転方向に延びるように形成されたトング106との組み合わせによって、トング106の回転基板15a1側の先んじて吹き出し口15d1に案内される吐出空気流により、トング106の羽根支持板15a3側の遅れて案内される吹き出し口15d1へ向かう吐出空気流と、渦巻部15e側に向かおうとする流れ込み空気が吸引され、吹き出し口15d1側に随伴させられるので、吹き出し風量を増大させることができる。
さらに、前記トング106の突出縁部は、前記主板側から前記シュラウド側に向けて円弧の曲率半径を大きくしてある。これにより、さらに、トング106の突出縁部の円弧の曲率半径が大きな羽根支持板15a3側でトング106に衝突するファン15a外周近傍の周方向成分の大きい空気流がより緩やかに吹き出し口15d1側に導かれるので、衝突音を低減することができる。
また、トング106の突出縁部の円弧の曲率半径の図6に示すような変化により、トング106の突出縁部の円弧の曲率半径が大きな羽根支持板15a3側で、トング106に衝突するファン15a外周近傍の周方向成分の大きい空気流がより緩やかに吹き出し口15d1側に随伴させられ、衝突音を低減すると共に、空気流の衝突損失を低減することができる。
さらに、循環送風経路5は既述したように、送風ファン15の駆動により、水槽3内の空気を吸引して排気し、蒸発器31による除湿、凝縮器32による加熱に供して乾燥した高温空気とした後水槽3側に送風して水槽3内に戻して、回転ドラム2内の洗濯物を乾燥させるが、乾燥性能を高めるには、送風ファンの高性能化は勿論のこと、それを生かすには水槽3内に戻す乾燥した高温空気を回転ドラム2内の衣類などの洗濯物にむらなく接触させる必要がある。それには、循環送風経路5の送風路33は回転ドラム2内の中央部に循環空気を送風するのが有効となる。
そこで、送風路33は、図1、図2に示す例のように水槽3の後部における回転ドラム2の中央部に最も近いモータ7まわり直近の位置に接続している。また、送風路33の水槽後部への接続部は送風する循環空気を水槽3との接続口108にスムーズに導き回転ドラム2の中央部に向かわせやすい送風ガイド33aとなっている。
このような従来の送風ガイドは、図20、図21に破線矢印で示すように送風路rからの送風をほぼ直角に曲げて導入し水槽の後部のモータのまわりに沿う流れに方向を変化させた後、下流端部のモータ寄りに設けた排気口から水槽の後部に回転ドラムの底部中央側に斜めに向く送風口sを介し接続し、それだけでは図に仮想線矢印で示すような回転ドラムの回転中心Oから離れる側に向く送風方向を実線矢印で示す方向に転換する図示しないルーバを送風口sの内側に設けている。
しかし、このような従来の送風ガイドでは、通風抵抗が高く送風性能のさらなる向上を図るのが困難である。具体的には、従来の送風ガイドでのルーバによる空気流の急な方向転換は圧力損や風低下の原因となるし、送風ガイドの狭い通風路内での空気流のやや急な方向転換によっても送風抵抗を上げにくくしている。
これに対応するのに本実施の形態の送風ガイド33aは、図10〜図13に示すように送風路33からの送風空気流を導入する導入部33a1からほぼ直角に曲げて送風口108まで案内する案内部33a2を、下流端に向け後部壁33a4側に拡張させ、これによってできる下流端側増厚部33a3の前部壁33a5にモータ7側に片寄って設けられた排気口33a6で送風口108に繋げている。この結果、導入部33a1からガイド部33a2に流れ込む空気流は、導入部33a1からの通路の曲がり、またはおよび、排気口33a6から逆流する泡などが導入部33a1やそれに接続している送風路33など上流側に侵入するのを防止する堰部109の絞り効果により、ほぼ直角に流れの向きを変えるので、この流れの向きが変化するときの遠心力が影響してガイド部33a2に入った空気流は、ガイド部33a2内を反モータ7側の側壁に沿って下流端に向かいつつも、ガイド部33a2の下流端に向けた後方への拡張により増厚していく分だけ後部壁33a4側に広がりながら流れる空気流ができ、後部側に片寄る空気流ほど排気口33a6のより後方に一旦回り込んでから、ガイド部33a2の端部周壁33a7に案内されて排気口33a6にその後方から向かう図10、図11に示すような緩やかな方向変化で流れ、送風口108へ順方向に流入し、水槽3内への送風が従来仮想線矢印で示すように回転ドラム2の中心Oから離れる方向に送風していたのを、実線矢印で示すように回転ドラム2の中心Oに向け送風できるようにする。従って、本実施の形態のガイド部33a2によれば、回転ドラム2の中央部に向かって送風することが、圧損や風量の低減のない空気流の緩やかな方向変化の基に実現し、従来に比しさらなる送風性能の向上が図れる。
また、ガイド部33a2は、導入部33a1からの送風空気流を外側に緩く湾曲する反モータ7側の側壁に沿う高い流速の主流束を生んで、他を引き込む流れを作りながら、終端部寄りの前部壁33a5に下流に向け後部壁33a4側に傾斜するスロープ部33a8を有して、通過する前記送風空気流をガイド部33a2の後部壁側に寄らせるように案内するので、排気口33a6のより後方に一旦回り込んでから、ガイド部33a2の端部周壁33a7に案内される風量、風速が増大しさらに送風機能を高められる。しかも、ガイド部33a2の終端の側壁は前部壁33a5からほぼ直角に立ち上がって後部壁33a4に緩い曲面ないしは傾斜して繋がっていることにより、後部壁33a4に沿って終端に達する空気流を排気口33a6側に緩く曲げて向かわせる案内機能を発揮しながら、モータ7側側壁が回転ドラム2の中心O側に傾斜して排気口33a6に達していることにより、排気口33a6の上流から送風空気を回転ドラム2の中心O側に向け案内して排気口33a6に達して送風口108を通じより安定した回転ドラム2の中心O側に向く流れとして無理なく送風することができるので、このような面でも送風性能、乾燥性能を高められる。特に、ガイド部33a2の前部壁33a5には図10、図13に示すように堰109と排気口33a6との間でスロープ部33a8の部分へほぼ山形をなして内側に盛り上がる棚部109aを有していて、導入部33a1からの送風空気をより反モータ7側の側壁に集めて主流束を増大させられるのに併せ、スロープ部33a8で絞って流速を高めながらスロープ部33a8の傾斜によってガイド部33a2の後部壁側に勢いよく寄せられるので、ガイド部33a2の後部壁33a4、終端部側壁33a7の案内を受けて排気口33a6にその後方から滑らかな方向変化で向かう空気流を増大させやすく送風性能、乾燥性能を高めるのに好都合であるし、導入部33a1における送風路33との接続口33a9の下流における後部壁33a4のアンダーカット部33a10による前部壁33a5に対し下流側に向け近づく傾斜および前部壁33a5における堰部109より上流に設けた下流に向け後部壁33a4から離れる側に傾斜する逆スロープ部33a11とによって、導入部33a1からの空気流を堰部109を通過する上流側から下流側に掛け前部壁33a
5に一旦沿わせた強い流れとした後、そのさらに下流のスロープ部33a8によって後部壁33a4側へ効果的に、つまり勢いよく確実に向けられるので、後部壁33a4および下流端側壁33a7に案内されて排気口33a6にその後方から向かう空気流の速度、風量共に、空気の流れの向きを滑らかに変化させながらさらに高められる利点がある。
さらに、送風口108は、その開口縁108aのガイド部33a2の下流側に回転ドラム2の底部側に向け延長した延長縁108a1を有して、排気口33a6の後方から抜けてくる空気流が回転ドラム2の中心Oから離れる方向に向き、あるいは広がって送風口108を抜けるのを無理なく防止するので、水槽3内に戻す循環空気の回転ドラム2の中心Oに向けた送風をより安定させられ、その分送風性能、乾燥性能を高められる。
このような送風ガイド33aは、例えば、図1、図2に示すように送風ファン15の吹き出し口から水槽3の後部のモータ7横に立ち上がる送風路33の上端に接続口33a9が接続されてモータ7の上部反対側に回り込む形態を持ち、従来の場合同様に前後の半殻体33a21、33a22を、シール部材110を介し合わせて中空に形成し、送風口108を介し水槽3の後部に接続するが、前部の半殻体33a21は比較的浅く、後部の半殻体33a22は前部のそれよりも深くして前記立体形態を満足している。特に、ガイド部33a2の堰部109から下流に向けた後部側への拡張は、前記アンダーカット部33a10の下流に向け前部壁から離れる側への傾斜によって実現しているが、アンダーカット部33a10の幅は下流端に向け、ガイド部33a2のそれよりも小さく、その側壁部に緩やかに繋がるようにしてある。これにより、ガイド部33a2の反モータ7側の側壁に沿って終端部に達する空気流を排気口33a6、送風口108によりスムーズに案内しやすく、圧損や風量低減をより防止できる。
また、後部壁33a4の堰部109の下流側近傍で泡の集まりやすい下部寄りに排気口33a6側から侵入することのある泡を検出する泡センサ111を設けてある。これにより、洗濯工程や水槽洗浄工程など泡が発生する運転時、洗剤の過剰などが原因して多量に泡が発生して嵩を増し、排気口108を通じガイド部33a2に侵入することのある泡が堰部109を上流側に逆流する前に泡センサ111で検出して運転停止などの措置を採り、泡が堰部109を超えて下流側、特に送風ファン15の渦巻ケーシング15b内に設置したPCTヒータにまで侵入してショートなどの問題が生じないようにすることができ、泡の確かな検出のため図25に示すセンサtのように2か所に設けなくてよくなる。
ここで、蒸発器31、凝縮器32は、互いのフィン395cが微小な熱的切り離し隙間を有して相互が一体となった熱交換部395としてユニットをなし、前記熱的切り離し隙間によって、凝縮器32側から蒸発器31側への熱移動を、蒸発器31での霜や氷の成長を抑え、低外気温でも冷媒の温度上昇と共に霜を溶かして高い乾燥効率を確保できる程度に抑えられるようにしている。これにより、従来、蒸発器31、凝縮器32間に設けていた隔離空間を省略して設置スペースを小さくしながら、吸引排出口392側への隔離空間での遊びが原因したバイパス通過を抑えて有効面積を大きく保ち熱交換効率、乾燥効率を高め、乾燥騒音の低減も図れるようになる。