JP2010063529A - 電子内視鏡及び内視鏡システム - Google Patents
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Abstract
【課題】挿入部の外径寸法に影響を与えることなく、信号ケーブルが伝送する電気信号をノイズから保護する。
【解決手段】電子内視鏡10の挿入部13には、撮像信号を伝送する信号ケーブル32と、電気メス36が挿入される鉗子チャンネル35と、ライトガイド34を構成する複数の光ファイバ65が並行して挿通されている。信号ケーブル32の周囲は、光ファイバ65に囲まれている。各光ファイバ65の表面には、導電膜66が形成されている。導電膜66は、プロセッサ装置11の筐体41に接続されて、大地に接地されている。
【選択図】図3
【解決手段】電子内視鏡10の挿入部13には、撮像信号を伝送する信号ケーブル32と、電気メス36が挿入される鉗子チャンネル35と、ライトガイド34を構成する複数の光ファイバ65が並行して挿通されている。信号ケーブル32の周囲は、光ファイバ65に囲まれている。各光ファイバ65の表面には、導電膜66が形成されている。導電膜66は、プロセッサ装置11の筐体41に接続されて、大地に接地されている。
【選択図】図3
Description
本発明は、挿入部に導光用のライトガイドと鉗子チャンネルを備えた電子内視鏡、及び内視鏡システムに関するものである。
近年、医療分野において、内視鏡システムが広く用いられている。内視鏡システムは、細長い挿入部の先端に撮像素子を備えた電子内視鏡と、この撮像素子から撮像信号を受信して内視鏡画像を生成する画像処理(プロセッサ)装置と、電子内視鏡に被写体を照らすための照明光を供給する光源装置とから構成されている。内視鏡システムを用いた診断では、電子内視鏡の挿入部を被検者の体内に挿入し、体内の患部を照明光で照らしながら撮像し、得られた内視鏡画像をモニタ等に表示する。
電子内視鏡の内部には、撮像素子とプロセッサ装置を接続する信号ケーブルが挿通されている。この信号ケーブルは、撮像素子からの撮像信号をプロセッサ装置に伝送するとともに、駆動制御のための制御信号をプロセッサ装置から撮像素子に伝送する。したがって、撮像素子とプロセッサ装置の誤動作を防いで、画質のよい内視鏡画像を得るためには、電子内視鏡の内部で信号ケーブルをノイズから保護する必要がある。
そこで、特許文献1記載の電子内視鏡装置では、信号ケーブルの外被に二重構造の電気的シールド体を設け、この電気的シールド体を光源装置のフレームグラウンドに接続している。光源装置のランプや点灯回路、あるいはプロセッサ装置の画像処理回路等で発生したノイズ電流は、電気的シールド体を通ってフレームグラウンドへ流れ込む。これにより、信号ケーブルで伝送される電気信号をノイズから保護している。
特開平9−266886号公報
電子内視鏡の挿入部には、信号ケーブルの他に、照明光を導光するためのライトガイドや、処置具を体内に誘導するための鉗子チャンネル等が挿通されている。この鉗子チャンネルには、処置具として高周波ノイズを発生する電気メスが挿入されることがある。電子内視鏡の挿入部は、被検者の負担を軽減するため細径にされているので、信号ケーブルとライトガイドと鉗子チャンネルは、互いに近接して並行に配設される。したがって、電気メスを使用すると、電気メスの高周波ノイズが信号ケーブルを流れる電気信号に混入し、内視鏡画像の乱れやプロセッサ装置の誤動作を引き起こすという問題があった。
こうした挿入部におけるノイズの混入は、特許文献1の電気的シールド体によって防止できる。しかしながら、特許文献1の電子内視鏡装置では、電気的シールド体の厚み分だけ信号ケーブルの外径が太くなる。その結果、挿入部の外径寸法が大きくなり、電子内視鏡を体内に挿入する際に被検者の負担が増加するという別の問題を生じてしまう。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、挿入部の外径寸法に影響を与えることなく、信号ケーブルが伝送する電気信号をノイズから保護することができる電子内視鏡、及び内視鏡システムを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、先端側に撮像素子を設けた挿入部を備え、この挿入部に、撮像素子に接続された信号ケーブルと、鉗子チャンネルと、複数の光ファイバからなる導光用のライトガイドを挿通した電子内視鏡であって、挿入部内で信号ケーブルと鉗子チャンネルを隔てるように光ファイバを配置し、各光ファイバの表面に、電気的に接地された導電膜を形成したことを特徴とする。
導電膜は、撮像素子のグラウンド端子に接続されることが好ましい。あるいは、信号ケーブルを介して撮像素子を画像処理装置に接続し、導電膜を画像処理装置の筐体のグラウンド端子に接続してもよい。更には、ライトガイドを光源装置に接続し、導電膜を光源装置の筐体のグラウンド端子に接続してもよい。いずれの場合も、導電膜とグラウンド端子の間にコンデンサを設けるとよい。
信号ケーブルは、撮像素子が出力した撮像信号を伝送する画像用ケーブルと、撮像素子の動作を制御するための制御信号を伝送する制御用ケーブルと、撮像素子に電力を供給する電源用ケーブルのうちの少なくとも一つであることが好ましい。また、信号ケーブルは、一重シールド構造を有することが好ましい。
本発明の好ましい実施形態では、光ファイバは、信号ケーブルを囲うように配置される。また、本発明の別の好ましい実施形態では、光ファイバは、鉗子チャンネルを囲うように配置される。本発明の更に別の好ましい実施形態では、光ファイバは、信号ケーブルと鉗子チャンネルの間に壁状に配置される。
本発明の内視鏡システムは、上記いずれかの電子内視鏡と、電子内視鏡からの撮像信号に基づいて内視鏡画像を生成する画像処理装置と、電子内視鏡に照明光を供給する光源装置とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、ライトガイドを構成する複数の光ファイバで信号ケーブルと鉗子チャンネルを隔て、各光ファイバの表面に電気的に接地された導電膜を形成したから、挿入部の外形寸法に影響を与えることなく、信号ケーブルが伝送する電気信号をノイズから保護することができる。
また、導電膜とグラウンド端子の間にコンデンサを設けたので、電気信号に大きく影響する高い周波数のノイズの交流成分を適切にグラウンド端子に落としながら、商用電源等の比較的低い周波数の交流成分や直流成分を遮断することができる。これにより、機器の故障などにより商用電源などの比較的低い周波数の交流成分や機器内の直流成分が仮に漏電しても被検者が感電することを防止することができ、ノイズ対策と安全対策を同時に得ることが可能となる。
更に、鉗子チャンネルの周囲を光ファイバで囲んだので、電気メス等の処置具から発生する高周波ノイズが鉗子チャンネルの外に放射することを防止できる。したがって、信号ケーブルのみならず、プロセッサ装置等の電子機器をもノイズから保護することができる。
図1に示すように、内視鏡システム2は、被検者の体内(体腔内)の画像を撮像する電子内視鏡10と、内視鏡画像を生成するプロセッサ装置11と、体腔内を照明するための照明光を供給する光源装置12とから構成されている。また、プロセッサ装置11には、内視鏡画像を表示するためのモニタ20が接続されている。
電子内視鏡10は、体腔内に挿入される挿入部13と、挿入部13の基端側に連設された操作部14と、操作部14から延設されたユニバーサルコード15とを備えている。挿入部13は、細径で長尺の可撓管部13aと、複数の湾曲駒を連結した湾曲部13bと、先端に位置する先端部13cとから構成されている。先端部13cは、硬質な金属材料等で形成され、体腔内の画像を撮像するためのCCD30(図2参照)を内蔵する。
操作部14は、鉗子口17やアングルノブ18等を備えている。鉗子口17は、先端部13cに形成された鉗子出口27(図2参照)に連結されており、ここから処置具を挿入して体腔内に突出させる。アングルノブ18は、挿入部13内に挿設されたワイヤ(図示なし)を介して、湾曲部13bに接続されている。アングルノブ18を操作してワイヤを押し引きすることにより、湾曲部13bは上下左右方向に湾曲動作する。これにより、先端部13cを体内の所望の方向に向けることができる。
ユニバーサルコード15は、その延出先端にコネクタ19を備えている。コネクタ19は、通信用コネクタ19aと光源用コネクタ19bからなる複合タイプのコネクタであり、プロセッサ装置11及び光源装置12に着脱自在に接続される。
図2に示すように、電子内視鏡10の先端面には、被写体の像光を取り入れるための観察窓25と、照明光が照射される照明窓26と、鉗子出口27が形成されている。観察窓25の奥には、対物光学系28とプリズム29が配置されている。プリズム29の直下にはCCD30が位置しており、CCD30は、回路基板31に接続されている。対物光学系28及びプリズム29を通過した被写体光は、CCD30の受光面に入射する。CCD30は、この入射光に基づいた撮像信号を出力し、これを回路基板31に入力する。
回路基板31は、信号ケーブル32を介して、プロセッサ装置11のタイミング/ドライバ回路42及びデジタル信号処理回路(DSP)43に接続されている。回路基板31は、アナログ信号処理回路(図示なし)を備えている。アナログ信号処理回路は、CCD30から入力された撮像信号に対して相関二重サンプリング処理を施し、リセット雑音及びアンプ雑音を取り除く。そして、ノイズが除去された撮像信号を所定のゲイン(増幅率)で増幅した後、所定のビット数のデジタル信号に変換する。このデジタルの撮像信号は、信号ケーブル32を介してプロセッサ装置11のDSP43に入力される。
照明窓26の奥には、体腔内に向けて照明光を照射する照射レンズ33が取り付けられている。照射レンズ33は、ライトガイド34の出射端に面している。ライトガイド34は、石英等からなる複数(例えば、100本)の光ファイバ65(図3参照)から構成されている。このライトガイド34は、挿入部13、操作部14、及びユニバーサルコード15の内部を貫通し、その入射端が光源用コネクタ19bの端部から露呈している。光源用コネクタ19bを光源装置12に接続すると、ライトガイド34の入射端は光源装置12の内部に挿入される。光源装置12からの照明光は、このライトガイド34によって先端部13cまで導光され、照射レンズ33及び照明窓26から体腔内に照射される。
鉗子出口27は、鉗子チャンネル35を介して鉗子口17に連結されている。鉗子チャンネル35は、例えば樹脂性の円筒部材である。内視鏡検査下で患部を切開するような場合には、処置具である電気メス(高周波メス)36が鉗子口17から鉗子チャンネル35に挿入される。電気メス36を押し進めて鉗子出口27から突出させ、高周波の電流(300kHz〜500kHz)を電気メス36に印加する。この状態で電気メス36を患部に接触させると、接触部分に流れる電流によってジュール熱が発生する。このジュール熱により、患部の切開や凝固(止血)が行なわれる。
プロセッサ装置11は、ユニバーサルコード15の通信用コネクタ19aと嵌合するソケット40を備えている。ソケット40は、プロセッサ装置11の本体側とコネクタ側を電気的に分離するために、絶縁物(図示なし)を介して筐体41に組み付けられる。この筐体41は、大地(アース)に接地されている。通信用コネクタ19aをソケット40に嵌合させると、CCD30は、タイミング/ドライバ回路42及びDSP43に接続される。
タイミング/ドライバ回路42は、CPU44の指示に応じて制御信号(クロックパルス)を発生し、信号ケーブル32を介して、これをCCD30に入力する。この制御信号により、CCD30から蓄積電荷を読み出すタイミングや、CCD30の電子シャッタのシャッタ速度等が制御される。DSP43は、信号ケーブル32を介して入力される撮像信号に対し、色分離、色補間、ゲイン補正、ホワイトバランス調整、ガンマ補正等を行い、画像データを生成する。画像データは、デジタル/アナログ変換器(D/A)45によってアナログ信号に変換され、内視鏡画像としてモニタ20に表示される。
光源装置12は、光源50と、光源ドライバ51と、絞り調節機構52と、アイリスドライバ53と、これら各部を制御するCPU54とを備えている。光源50は、光源ドライバ51の制御によって点消灯し、前方に位置する集光レンズ55に向けて照明光を照射する。光源50としては、例えばキセノンランプ、ハロゲンランプ、LED(発光ダイオード)、蛍光発光素子、あるいはLD(レーザーダイオード)等を用いることができる。
絞り調節機構52は、光源50と集光レンズ55の間に配置され、CCD30によって撮像される内視鏡画像が略一定の明るさとなるように、照明光の光量を調節する。絞り調節機構52は、照明光が通過する絞り開口の直径(絞り径)を変化させる絞り羽根と、この絞り羽根を駆動するモータを備えている。アイリスドライバ53は、絞り調節機構52の絞り羽根を開閉することにより、照明光の通過面積を変化させて、ライトガイド34に入射する照明光の光量を調節する。
図3に断面を示すように、挿入部13の可撓管部13aは、可撓性の螺管60と、螺管60の伸張を防止するネット61と、ネット61の上に樹脂を被着した外層62とから構成されている。この可撓管部13aの内部には、複数の信号ケーブル32と、鉗子チャンネル35と、ライトガイド34を構成する複数の光ファイバ65が近接して並行に遊通されている。
信号ケーブル32は、芯線32aの外周を絶縁層及びシールド体32bで覆い、これを絶縁性の外皮32cで更に覆った、いわゆる一重シールド構造の同軸ケーブルである。各信号ケーブル32は、CCD30からDSP43に撮像信号を伝送する画像用ケーブル、またはタイミング/ドライバ回路42からCCD30に制御信号を伝送する制御用ケーブル、あるいはプロセッサ装置11の電源回路(図示なし)からCCD30に電力を供給する電源用ケーブルとして機能する。
光ファイバ65は、ひとまとまりに束ねられた信号ケーブル32の周りを取り囲むようにして配置される。光ファイバ65は、ユニバーサルコード15のコネクタ19側で信号ケーブル32と合流し、信号ケーブル32が回路基板31に接続する直前の先端部13c内まで信号ケーブル32を取り囲んでいる。これら光ファイバ65の各々の表面には、導電膜66が形成されている。導電膜66は、例えば窒素系化合物の水溶液を塗布して形成された薄膜体で、挿入部13のほぼ全長に渡って、光ファイバ65の表面を覆っている。導電膜66は、更に、グラウンド線37(図2参照)によって通信用コネクタ19aに接続されている。したがって、電子内視鏡10をプロセッサ装置11に接続すると、導電膜66は、通信用コネクタ19a及びソケット40を介してプロセッサ装置11の筐体41に接続され、大地に接地される。これにより、導電膜66は、信号ケーブル32をノイズから保護するシールド層として機能する。
患部を処置するために、鉗子チャンネル35に電気メス36を挿入してこれに高周波の電流を流すと、挿入部13の内部に電気メス36の高周波ノイズが拡散する。ところが、導電膜66を形成した光ファイバ65が信号ケーブル32を囲んでいるため、拡散した高周波ノイズは、信号ケーブル32に到達する前に導電膜66にてシールドされ、プロセッサ装置11の筐体41(フレームグラウンド)を経由して接地した大地に落とされる。その結果、信号ケーブル32を流れる電気信号に高周波ノイズが混入するのを防ぐことができ、内視鏡画像の乱れやプロセッサ装置11の誤作動等が防止される。
なお、導電膜66としては、グラファイト粉末を混合した導電性樹脂や銅等の導電塗料を用いてもよく、また、スパッタリングによって製膜してもよい。また、図3においては、煩雑化を避けるため、信号ケーブル32や光ファイバ65の数を制限して示したが、信号ケーブル32や光ファイバ65の数はこれに限定されない。
次に、以上のように構成された内視鏡システム2の作用について説明する。電子内視鏡10をプロセッサ装置11に接続すると、CCD30がタイミング/ドライバ回路42及びDSP43に接続されるとともに、光ファイバ65の導電膜66がプロセッサ装置11の筐体41に接続されて、大地に接地される。内視鏡システム2の電源を投入すると、プロセッサ装置11及び光源装置12が起動する。光源装置12では、光源50が点灯し、集光レンズ55に向けて照明光が照射される。照明光は、集光レンズ55によりライトガイド34の入射端に導かれ、電子内視鏡10の先端部13cまで導光される。
電子内視鏡10の挿入部13を体腔内に挿入し、照明光で照らしながら、体腔内の画像をCCD30で撮像する。CCD30から出力された撮像信号は、回路基板31のアナログ処理回路で各種処理が施された後、信号ケーブル32を介してプロセッサ装置11のDSP43に入力される。DSP43は、入力された撮像信号に対して各種信号処理を施し、画像データを生成する。生成された画像データは、D/A45を経て、モニタ20に内視鏡画像として表示される。
内視鏡検査下で患部の処置が必要な場合には、電気メス36が鉗子口17から鉗子チャンネル35に挿入される。そして、高周波の電流を印加した電気メス36の先端を患部に接触させて、患部の切開や凝固が行なわれる。このとき、挿入部13の内部では、電気メス36の高周波ノイズが鉗子チャンネル35の周囲に拡散する。拡散した高周波ノイズは、信号ケーブル32に到達する前に、光ファイバ65の導電膜66にてシールドされ、プロセッサ装置11の筐体41(フレームグラウンド)を経由して接地した大地に落とされる。したがって、撮像信号や制御信号に高周波ノイズが混入することはなく、内視鏡画像の乱れやプロセッサ装置11の誤作動等が引き起こされることもない。
また、図示では便宜上ほぼ同径であるが、光ファイバは一般に信号ケーブルに比べて十分に細いため、光ファイバ65の表面に導電膜66を形成しても、挿入部13の外径寸法はほとんど変わらない。したがって、挿入部13の外径が太くなって、体腔内に挿入する際に被検者の負担が大きくなるという不都合は生じない。更に、導電膜66を形成した光ファイバ65が信号ケーブル32を囲んでいるため、電気メス36等の処置具が発生する高周波ノイズの信号ケーブル32への侵入防止だけでなく、プロセッサ装置11が発生するノイズが信号ケーブル32を経由して外部に電界放射することも防止できる。
なお、上記実施形態では、光ファイバ65で信号ケーブル32を囲んでいるが、図4に示すように、光ファイバ65で鉗子チャンネル35の周りを取り囲んでもよい。この実施形態によれば、処置具が発生する高周波ノイズが鉗子チャンネル35の外に放射することを防止できる。したがって、信号ケーブル32だけでなく、プロセッサ装置11や光源装置12等の電子機器もノイズから保護することができる。
あるいは、図5に示すように、鉗子チャンネル35と信号ケーブル32の間に、光ファイバ65を壁状に配置してもよい。この実施形態によれば、上記各実施形態に比べて光ファイバ65の配置が大まかでよいため、電子内視鏡10の製造が容易となる。
また、上記実施形態では、導電膜66をプロセッサ装置11の筐体41に直流接続しているが、図6に示すように、グラウンド線70の途中にコンデンサCを配置してもよい。この場合には、コンデンサCとして、電気メス36が発生するノイズ周波数で低インピーダンスとなる高周波特性のコンデンサを用いる。コンデンサCを設けることにより、電気信号に大きく影響する高い周波数のノイズの交流成分を適切にグラウンド端子に落としながら、商用電源などの比較的低い周波数の交流成分や直流成分を遮断することができる。したがって、機器の故障などにより商用電源などの比較的低い周波数の交流成分や機器内の直流成分が仮に漏電しても被検者が感電するというトラブルを防止することができ、ノイズ対策と安全対策を同時に得ることが可能となる。
更に、図7に示すように、CCD30を接地し、このCCD30の信号グラウンドと導電膜66とをグラウンド線75で接続してもよい。導電膜66に流れ込んだ高周波ノイズは、CCD30の信号グラウンドに落ちるので、上記各実施形態と同様に、信号ケーブル32をノイズから保護することができる。また、図8に示すように、グラウンド線80の途中に、コンデンサCを設けてもよい。この場合には、図7の場合と同様にしてグラウンド線80で導電膜66とCCD30の信号グラウンドを接続した上で、図6の場合と同様にしてグラウンド線80の途中にコンデンサCを配置する。
なお、上記各実施形態においては、光ファイバ65の全部ではなく、一部だけを使って信号ケーブル32と鉗子チャンネル35を隔ててもよい。また、光ファイバ65の本数が十分に多い場合は、図3ないし図5に示す配置を組み合わせて、信号ケーブル32の周囲と、鉗子チャンネル35の周囲と、信号ケーブル32と鉗子チャンネル35の間のそれぞれに光ファイバ65を配置してもよい。
上記各実施形態では、信号ケーブル32を一重シールド構造とする例を示したが、導電膜66で十分なシールド効果が得られる場合は、信号ケーブルにシールド体を設ける必要はない。
また、上記実施形態では、導電膜66をプロセッサ装置11の筐体41に接続して大地に接地する例を示したが、導電膜66を光源装置12の筐体に接続して接地させてもよい。
上記実施形態では、プロセッサ装置11と光源装置12を別体としているが、これらを一体としてよい。また、上記実施形態では、生体観測用の電子内視鏡を例示して説明したが、本発明は、工業用の電子内視鏡にも適用することができる。
2 内視鏡システム
10 電子内視鏡
11 プロセッサ装置
12 光源装置
13 挿入部
32 信号ケーブル
34 ライトガイド
35 鉗子チャンネル
65 光ファイバ
66 導電膜
37、70、75、80 グラウンド線
C コンデンサ
10 電子内視鏡
11 プロセッサ装置
12 光源装置
13 挿入部
32 信号ケーブル
34 ライトガイド
35 鉗子チャンネル
65 光ファイバ
66 導電膜
37、70、75、80 グラウンド線
C コンデンサ
Claims (11)
- 先端側に撮像素子を設けた挿入部と、
前記挿入部に挿通され、その一端が前記撮像素子に接続された信号ケーブルと、
前記挿入部に挿通された鉗子チャンネルと、
前記挿入部に挿通され、前記信号ケーブルと前記鉗子チャンネルを隔てるように配置された複数の光ファイバを含む導光用のライトガイドと、
前記光ファイバの各々の表面に形成され、電気的に接地された導電膜と、
を備えたことを特徴とする電子内視鏡。 - 前記導電膜は、前記撮像素子のグラウンド端子に接続されることを特徴とする請求項1記載の電子内視鏡。
- 前記撮像素子は、前記信号ケーブルを介して画像処理装置に接続され、
前記導電膜は、前記画像処理装置の筐体のグラウンド端子に接続されることを特徴とする請求項1記載の電子内視鏡。 - 前記ライトガイドは、光源装置に接続され、
前記導電膜は、前記光源装置の筐体のグラウンド端子に接続されることを特徴とする請求項1記載の電子内視鏡。 - 前記導電膜と前記グラウンド端子の間にコンデンサを設けたことを特徴とする請求項2から4いずれか記載の電子内視鏡。
- 前記光ファイバは、前記信号ケーブルを囲うように配置されることを特徴とする請求項1から5いずれか記載の電子内視鏡。
- 前記光ファイバは、前記鉗子チャンネルを囲うように配置されることを特徴とする請求項1から5いずれか記載の電子内視鏡。
- 前記光ファイバは、前記信号ケーブルと前記鉗子チャンネルの間に壁状に配置されることを特徴とする請求項1から5いずれか記載の電子内視鏡。
- 前記信号ケーブルは、前記撮像素子が出力した撮像信号を伝送する画像用ケーブルと、前記撮像素子の動作を制御するための制御信号を伝送する制御用ケーブルと、前記撮像素子に電力を供給する電源用ケーブルのうちの少なくとも一つであることを特徴とする請求項1から8いずれか記載の電子内視鏡。
- 前記信号ケーブルは、一重シールド構造を有することを特徴とする請求項1から9いずれか記載の電子内視鏡。
- 請求項1から10いずれか記載の電子内視鏡と、
前記電子内視鏡から出力された撮像信号に基づいて内視鏡画像を生成する画像処理装置と、
前記電子内視鏡に照明光を供給する光源装置と、
を備えたことを特徴とする内視鏡システム。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7449832B2 (ja) | 2020-09-23 | 2024-03-14 | 古河電気工業株式会社 | アブレーション用医療器具 |
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2008
- 2008-09-09 JP JP2008230834A patent/JP2010063529A/ja active Pending
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