JP2010063090A - 制御装置、画像処理装置、制御方法およびプログラム - Google Patents

制御装置、画像処理装置、制御方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】機器の省電力状態からの復帰を出来るだけ少なくして電力消費を抑制することができる制御装置および制御方法を提供する。
【解決手段】この制御装置は、外部装置からイベント監視リクエストを受け付け、イベントが発生した場合に該イベントを通知する機器に用いられるものである。この制御装置は、外部装置から有効期間を有するイベント監視リクエストを受信したことに応答して、機器内の各デバイスの電源状態を確認し、機器が省電力状態へ移行するか否かを判断する判断手段と、移行すると判断された場合に、外部装置へ有効期間を延長したレスポンスを返し、延長した有効期間に基づき再監視リクエストを送信させる通知手段とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、省電力状態にある機器がネットワークを通じてリクエストを受けることにより省電力状態から復帰する回数を減少させて省電力化を図るために当該機器に組み込まれる制御装置、その制御方法、その制御方法を実現するためのコンピュータ読み取り可能なプログラム、さらにはその制御装置が組み込まれた画像処理装置に関する。
近年、限りあるエネルギー資源の大量消費を抑制し、地球温暖化等の自然環境の悪化を防止するべく、省エネ対応の機器が多く出現している。PCやMFP(MultiFunction Peripheral)においても、省エネモードを備えたものが数多く出現し、そのような機器では、ある期間ジョブ処理が行われない場合、省電力状態へ移行するように設定されている。省電力状態へ移行した機器は、ネットワークからリクエストを受け付け、ジョブを処理する必要が生じた場合、省電力状態から復帰する。
省エネモードにおける省電力状態への移行は、現状のパラメータ等をメモリに保存したまま、CPUやHDD等のほとんどのデバイスへの電源供給を停止することにより行われる。このとき、OSが起動した状態のデータを保持しているので、復帰時にOSは再起動されず、サスペンド前の状態にそのまま復帰することができる。
省エネモードにおいて電源供給が停止されたモジュール数が多いほど、省電力状態から復帰するのに時間を要する。また、製品を構成するハードウェアモジュールとソフトウェアモジュールとが密接に関係していることから、機種毎に復帰時間が異なる。このため、複数の機器がネットワークに接続されたネットワーク環境において、機器の接続状態や動作状態を検索するクライアント装置で、検索応答時間の上限であるタイムアウト時間を一意に決定することはできない。このタイムアウト時間を短く設定すると、タイムアウト時間内に省電力状態から復帰できなかった機器が検索結果に表示されなくなってしまう。
一方、タイムアウト時間を長く設定すると、検索対象の機器が存在しなかった場合であっても、それを判定しなければならず、余計な時間がかかってしまう。
そこで、省エネモードへの移行前に、当該省エネモードからの復帰時間を特定可能な情報を、ネットワークを介して接続される情報処理装置へ通知し、その情報処理装置は、省エネモード搭載装置へ起動要求を送信した後、復帰時間の経過後に、処理要求を省エネモード搭載装置へ送信する技術が提案されている(特許文献1参照)。この技術により、情報処理装置が、省エネモードを備える他の機器と通信するにあたって、他の機器が省エネモードであった場合でも、省エネモードからの復帰時間を考慮して、より効率良く通信することができる。
ネットワークを通じて機器がイベント監視リクエストを受信すると、その機器においてイベントが発生した際に、そのリクエストを送信したイベント監視先にイベントを通知する。このとき機器は、複数のイベント監視先からのイベント監視リクエストをイベント管理テーブル等により管理することができる。Webサービス上で使われるWS−Eventingプロトコルは、このイベントの登録および通知のために使用するプロトコルである。WS−Eventingでは、最初の監視リクエストのコマンドをSubscribeと呼び、2回目以降の監視リクエストのコマンドをRenewと呼ぶ。イベント管理テーブル等にはイベント監視先ごとに有効期間を設定することができる。これは、有効期間が切れたイベント監視先を削除することで、イベント監視のための機器のリソースを有効に使用することが目的である。よって、イベント監視先は、有効期間が満了する前に再度監視リクエストを送ることで、有効期間の更新を行う。なお、機器の監視に限らず、ネットワークから通知されるリクエストには有効期間という概念が存在しがちである。
このような監視リクエストは、Windows(登録商標) Vistaが搭載されたPCでは30分に1回ほど送信されるため、機器が省電力状態へ移行してもすぐに復帰してしまうことになり、省エネの点から好ましくはない。
また、機器が属するネットワークで、DHCPサーバによりIPアドレスの割り当てを実施している場合が多々ある。この場合、IPアドレスを有効に利用するため、一般的にリース期間が設定され、その期間は約2〜8時間を目安に設定されることが多い。これは、1日の作業時間を目安に設定されるからである。これもまた、省電力状態からの復帰が必要となる。
機器がIPv6環境下に属する場合、ステートレスIPv6アドレスが使用されることが多い。このアドレスは、他のネットワークと接続するためのルータからのRA(Router Advertisement)のプレフィックスを基に、その機器で作成される。RAは、ルータから定期的に送信されるマルチキャストパケットであり、数時間に1回送信される。したがって、これもまた、省電力状態からの復帰が必要となる。
そこで、機器の省電力状態からの復帰を出来るだけ少なくして電力消費を抑制することができる装置および方法が望まれている。
本発明は、上記課題を解決するために、イベント監視リクエストや再監視リクエストを受けたときのレスポンスの有効期間を調整し、再監視リクエストを受ける回数を減らす。これにより、機器の省電力状態からの復帰を少なくして電力消費を抑制することができる。
すなわち、本発明によれば、外部装置からイベント監視リクエストを受け付け、イベントが発生した場合に該イベントを通知する機器に用いられ、イベント監視を制御する制御装置であり、外部装置から有効期間を有するイベント監視リクエストを受信したことに応答して、機器内の各デバイスの電源状態を確認し、機器が省電力状態へ移行するか否かを判断する判断手段と、移行すると判断された場合に、外部装置へ有効期間を変更したレスポンスを返し、変更した有効期間に基づき再監視リクエストを送信させる通知手段とを備える、制御装置が提供される。
監視リクエストおよび再監視リクエストは、いつどこから来るかわからず、有効期間を延長しても、ランダムに監視リクエストが来て、省電力状態から復帰してしまう可能性がある。そこで、通知手段は、複数の外部装置から送信される再監視リクエストの受信時刻がすべて同じ時刻になるように各有効期間を調整し、各調整された有効期間を有するレスポンスを各外部装置へ返すように構成する。これにより、省電力状態からの復帰タイミングを集中させ、省電力状態からの復帰回数を減らすことができる。
イベント監視先が多数存在する場合、すべて同じ時刻になるように有効期間を延長すると、多数のイベント監視先が同時に機器へアクセスすることになり、ある再監視リクエストではセッションタイムアウト等が発生し、再監視が成立しないおそれがある。そこで、通知手段は、複数の外部装置から送信される再監視リクエストの受信時刻が予め設定された時間間隔でずれるように各有効期間を調整し、各調整された有効期間を有するレスポンスを各外部装置へ返すように構成する。これにより、再監視が確実に成立するようにすることができる。
また、通知手段は、省電力状態への移行に応答して、外部装置に省電力状態移行イベントを通知し、外部装置からイベント監視リクエストを送信させないようにすることができる。これにより、再監視リクエストによる省電力状態からの復帰が行われなくなり、機器の電力消費を抑制することができる。
通知手段は、機器が何らかの要因で省電力状態から復帰したことに応答して、外部装置に省電力状態解除イベントを通知し、イベント監視リクエストを送信させることができる。これにより、再監視リクエストを再開することができる。
本発明によれば、上記の制御装置を備える、外部装置と通信を行う省電力状態へ移行可能な画像処理装置、上記の制御装置によりイベント監視を制御する方法、その方法を実現するためのコンピュータにより読み取り可能なプログラムを提供することもできる。
この制御方法は、外部装置から有効期間を有するイベント監視リクエストを受信したことに応答して、機器内の各デバイスの電源状態を確認し、機器が省電力状態へ移行するか否かを判断するステップと、移行すると判断された場合に、外部装置へ有効期間を変更したレスポンスを返し、変更した有効期間に基づき再監視リクエストを送信させるステップとを含む。
また、この方法は、上記制御装置が備える各手段により行われる処理を処理ステップとして含むほか、機器の異常を検知するステップと、外部装置からの問い合わせに対し、レスポンスを返さないことで外部装置にイベント監視を中止させるステップとをさらに含むことができる。
本発明によれば、機器の省電力状態からの復帰を出来るだけ少なくして電力消費を抑制することができる。
第一の実施の形態におけるネットワークに接続された複数の機器からなるネットワークシステムを例示した図。 第一の実施の形態における機器のソフトウェア構成およびハードウェア構成を例示した図。 ネットワーク制御部および電源管理部の構成を例示した図。 WS−EventingプロトコルにおけるSubscribeリクエストのメッセージを例示した図。 SubscribeResponseのメッセージを例示した図。 SubscribeResponseの別のメッセージを例示した図。 Subscribeリクエストに対するイベントが発生したときの通知メッセージを例示した図。 SubscribeリクエストおよびRenewリクエストを受けたときのSubscriberとイベントを発生する機器との間の処理およびその機器の内部で行われる処理の流れを示したシーケンス図。 イベント発生時に行われる機器の内部シーケンスおよび外部シーケンス図。 イベント管理部が保持するイベント管理テーブルを例示した図。 SubscribeリクエストおよびRenewリクエストに対する処理と、省電力状態移行イベントの通知と省電力状態解除イベントの通知を行う処理の流れを示したシーケンス図。 省電力状態の間、Subscriberから機器状態の問い合わせを行う処理の流れを示したシーケンス図。 複数のSubscriberからのRenewリクエストの受信時刻がほぼ同じになるように有効期間を調整するようRenewリクエストを同期させ、Renewリクエストによる省電力状態からの復帰タイミングを減少させる例を示した図。 各タイミングにおけるイベント管理テーブルを例示した図。 複数のSubscriberからのRenewリクエストの受信時刻がわずかにずれるように有効期間を調整し、Renewリクエストによる省電力状態からの復帰タイミングを減少させる例を示した図。 各タイミングにおけるイベント管理テーブルを例示した図。 有効時間を決定後にレスポンスを生成して返す処理の流れを示した図。 複数のSubscriberからのRenewリクエストの受信時刻がほぼ同じになるように有効時間を調整するようRenewリクエストを同期させる場合と、Renewリクエストをわずかにずらす場合の処理の流れを示した図。 機器の監視を行う側のモジュール構成を例示した図。 機器の監視を行う側が実行する処理の流れを例示した図。 第二の実施の形態のネットワークシステムの構成例を示す図。 第二の実施の形態における機器のソフトウェア構成およびハードウェア構成を例示した図。 プロバイダアプリによるウィジェットの検索処理の処理手順を説明するためのシーケンス図である。
図1は、第一の実施の形態におけるインターネットやイントラネット等のネットワークに接続された複数の機器からなるネットワークシステムを例示した図である。図1では、複数のPC10〜16と機器17とが通信可能とされており、例えば、PC10〜16が機器17に対してリクエストを送り、機器17がそのリクエストに対するレスポンスを返している。
PC10〜16が送るリクエストは、イベントが発生したときに通知するよう要求するイベント監視リクエストや監視対象となるイベントを登録するためのイベント登録リクエスト、イベント監視のための有効期間の満了前に出されるイベント再監視リクエスト等がある。イベントは、機器の省電力状態への移行や復帰、エラーの発生等で通知されるものである。PC10〜16は、機器17で発生するイベントを監視するために、機器17に対し、イベント登録リクエストおよび監視リクエストを送る。
PC10〜16は、リクエストを送り、そのリクエストに対するレスポンスを受け取るためのプログラムを格納するメモリと、メモリからそのプログラムを読み出し実行するプロセッサと、ネットワークに接続し、ネットワークとのデータ通信を行うネットワークI/Fとを含み、その他に、データ等を入力するための入力装置、作業内容や現在の状況等を表示するための表示装置を備える。
ここでは、機器17以外を、PC10〜16としたが、PCに限られるものではなく、ネットワークを介して通信を行うことができる装置であればいかなる装置であってもよく、MFP等の画像形成装置とすることもできる。
図2を参照して、機器17のソフトウェア構成およびハードウェア構成について説明する。ソフトウェア構成は、アプリケーション部と、プラットフォーム部とに大きく分けることができる。アプリケーション部は、プリンタ、コピー、ファックス、スキャナ等の画像形成処理に関連するユーザサービスに固有の処理を行うものとされている。アプリケーション部は、ページ記述言語およびプリンタ用のアプリケーションであるプリンタアプリ20と、コピー用のアプリケーションであるコピーアプリ21と、ファクシミリ用のアプリケーションであるファックスアプリ22と、スキャナ用のアプリケーションであるスキャナアプリ23と、ネットワークファイル用のアプリケーションであるネットファイルアプリ24とを有している。
プラットフォーム部は、アプリケーションから共通して利用される基本的機能を提供し、機器全体の管理を行うOS、そのOSの基本機能を実装したカーネルとからなるOS/Kernel30と、アプリケーション部からの処理要求を解釈してハードウェア等の各種リソースの獲得要求を発生する各種制御部とから構成される。OS/Kernel30には、IPアドレスとポート番号とを組み合わせたソケット以下のネットワーク処理部も存在している。各種制御部は、システム制御部31、メモリ制御部32、エンジン制御部33、ファックス制御部34、オペレーション制御部35、配信制御部36、ネットワーク制御部37、セキュリティ制御部38、電源管理部39等から構成される。
プラットフォーム部は、予め定義されている関数によりアプリケーション部からの処理要求を受信可能とするアプリケーションプログラムインタフェース(API)40を有するように構成されている。
プラットフォーム部が備えるシステム制御部31は、アプリケーションの管理、操作部の制御、システム画面の表示、LEDの表示、ハードウェアリソースの管理、割り込みアプリケーションの制御等の処理を行う。
メモリ制御部32は、NVRAM62やRAM65といったメモリの取得および解放、画像データの圧縮および伸張等のメモリ制御を行う。エンジン制御部33は、図2には図示していないハードウェアリソースのエンジン制御を行う。ファックス制御部34は、アナログ公衆電話網(GSTN)I/F68と接続し、システムコントローラの各アプリケーション層からGSTN網を利用したファクシミリ送受信、バックアップ用のメモリで管理されている各種ファクシミリデータの登録/引用、ファクシミリ読み取りを行い、ファクシミリ受信印刷等を行うためのAPIを提供する。
オペレーション制御部35は、オペレータと本体制御との間の情報伝達手段となるオペレーションパネルの制御を行う。配信制御部36は、他の機器との送受信のためのデータの管理やデータの加工等を行う。ネットワーク制御部37は、イーサネット(登録商標)等のネットワークI/F66と接続され、ネットワークI/Oを必要とするアプリケーションに対して共通に利用できるサービスを提供し、ネットワークから各プロトコルによって受信したデータを各アプリケーションに振り分け、各アプリケーションからのデータをネットワークに送信する際の仲介を行う。
セキュリティ制御部38は、アプリケーション部や各制御部に対してセキュリティサービスを行う。例えば、暗号化や復号化の処理を行う。電源管理部39は、CPU63および他のハードウェアリソースの電気的状態を監視し、また、他の制御部やアプリケーション部での省電力状態の管理や監視を行う。この電源管理部39は、OS/Kernel30とも密接に関連して動作する。
SOAP/XML処理部50は、SOAP/XMLメッセージのエンコード/デコードを行う。SOAP/XML処理部50は、アプリケーション部からも、プラットフォーム部からも使用可能とされている。SOAP/XML処理部50は、通常、ライブラリ形式で提供されるが、アプリケーションや制御部等のプロセス形式であってもよい。
CPU63は、機器17全体の制御を行い、プラットフォーム部の各制御部として機能し、各制御部を使用するアプリケーション部の各アプリを実行する。なお、図2に示す各制御部および各アプリは、機器構成により、これらすべてを含む必要はなく、その一部のみを含む構成であってもよい。また、機器17は、アプリケーション等のソフトウェアプログラムを格納するためのHDD61、初期化プログラムやブートローダ等を格納するためのROM64、外部デバイスと通信を行うための外部デバイスI/F67、チャレンジレスポンス認証等の暗号処理を行うセキュアデバイス60を備えている。セキュアデバイス60には、ICチップ等がある。
図3は、ネットワーク制御部および電源管理部の構成を例示した図である。図3では、これらとともに、アプリケーションおよびSOAP/XML処理部50も示されている。ここでは、アプリケーションは、プリンタアプリケーション20とされている。これらネットワーク制御部および電源管理部が、省電力状態へ移行するかを判断する判断手段およびレスポンスを返す通知手段として機能する。
ネットワーク制御部37は、ネットワークの制御全体を統括するネットワーク全体制御部37a、他のアプリケーションや他の制御部とのメッセージやデータのやり取りを行うネットワーク通信部37b、HTTP制御部37c、WS−Eventingプロトコルを処理するWS−Eventing処理部37d、HTTP以外の各種プロトコル(FTP、Port9100 LPR等)を処理するプロトコル制御部37e、イベントを管理するイベント管理部37fから構成されている。
電源管理部39は、電源の制御全体を統括する電源全体制御部39a、他のアプリケーションや他の制御部とのメッセージやデータのやり取りを行う電源通信部39b、ハードウェアリソース等の各デバイスの電源状態の確認を行うハードウェア管理部39cから構成されている。なお、アプリケーション20は、アプリケーションの制御全体を統括するアプリ全体制御部20a、他のアプリケーションや他の制御部とのメッセージやデータのやり取りを行うアプリ通信部20b、イベントを検出するイベント検出部20cから構成されている。
図1に示すネットワークに接続されたPC10〜16といった外部装置から有効期間を有するイベント監視リクエストがWS−Eventingプロトコルを使用して送られてくると、WS−Eventing処理部37dが処理を行う。図4を参照して、WS−EventingプロトコルにおけるSubscribeリクエストについて説明する。図4に示すSubscribeリクエストは、外部装置であるイベント監視先(Subscriber)がPrinterStatusEventの登録を行っており、PrinterStatusが変化したら通知してほしいというリクエストとされている。このリクエストでは、有効期間(Expiresフィールドにおける有効時間)として30分をリクエストしている。
このリクエストに対して有効期間の更新おこなうが、このとき電源管理部39は省電力状態へ移行しそうか否かを判断し、移行しそうと判断した場合、有効期間を延長して更新するとともに、延長した有効期間のデータを有するレスポンスを返す。この処理の詳細については後述し、ここでは、そのSubscribeリクエストに対して機器17が返すSubscribeResponseについて説明する。図5は、SubscribeResponseのメッセージ例である。図5に示すレスポンスでは、省電力状態への移行がないと判定され、リクエストと同じ30分という有効期間で更新し、その有効期間を含むレスポンスとされている。
省電力状態への移行があると判定されると、有効期間が延長して更新されると、図6に示すように、SubscribeResponseの有効期間がリクエストの30分から40分へと延長されたレスポンスとされる。ここでは40分へ延長したが、これに限られるものではなく、2〜8時間といった数時間へ延長することもできる。この時間は、例えば、予め設定しておき、その設定時間ほど延長するようにすることができる。ただし、単に長ければよいというものではない。前述のようにDHCPサーバやルータからも定期的にリクエストが通知されるため、これらから通知される期間以上に長くしても省電力の効果は無い。
一方、Subscriberは、レスポンスに含まれる有効期間を超えて、さらに監視を続ける必要がある場合、有効時間が経過する前に再監視リクエストであるRenewリクエストを行って有効期間の更新を行う。これに対し、機器17は、RenewResponseにより応答する。なお、有効期間が更新されず経過した後は、機器17は該当するイベントの監視を終了させる。
ここでのSubscribeリクエストは、PrinterStatusが変化したら通知してほしいというリクエストであるため、機器17は、何らかのイベントが発生すれば、そのイベントを通知する。図7は、図4に示すSubscribeリクエストに対するイベント(PrinterStatusEvent)が発生したときの通知メッセージの例である。この図7に示す通知メッセージは、トナーなしというイベントが発生したため、トナーなしという状況を通知するメッセージとされている。
図8を参照して、SubscribeリクエストおよびRenewリクエストを受けたときのSubscriber70とイベントを発生する機器(EventSource)17との間の処理およびその機器17の内部で行われる処理について詳細に説明する。機器17は、イベント監視先であるsubscriber70からSubscribe/Renewリクエストを受信すると、まず、機器17のネットワーク制御部37内のHTTP制御部37cがそのリクエストを受け取る。HTTP制御部37cは、WS−Eventing処理部37dにそのリクエストの内容を渡し、SOAP/XML処理部50でその内容を解析して、イベント管理部37fにSubscribeリクエストである場合には登録を、Renewリクエストである場合には確認を行う。イベント管理部37fは、必要に応じて関連するアプリケーション20とのやり取りを行う。その後、イベント管理部37fは、電源管理部39に問い合わせを行い、電源管理部39は、ハードウェアリソース等の各デバイスの電源状態を確認し、問い合わせに対する回答を行う。イベント管理部37fは、その回答から省電力状態へ移行しそうか否かを判断して、そのイベントに対する有効期間を決定し、WS−Eventing処理部37dが、その登録/確認結果をSOAP/XML処理部50を通じてメッセージ化し、HTTP制御部37cを通じてSubscriber70にレスポンスを返す。
図8では、イベント管理部37fが電源管理部39に問い合わせを行っているが、電源管理部39が電源状態の変化、すなわち省電力状態への移行や省電力状態からの復帰をイベント管理部37fに通知することもできる。この場合には、イベント管理部37fは、電源管理部39に対し問い合わせはしない。
図9に示すイベント発生時の機器17の内部シーケンスおよび外部シーケンス(イベント監視先とイベント発生をする機器との間)を参照して、イベントが発生した場合の処理について説明する。アプリケーション20のイベント検出部20cがイベントを検知すると、イベント管理部37fがそれを受けてWS−Eventing処理部37dへ通知し、SOAP/XML処理部50を通じてメッセージ化する。WS−Eventing処理部37dは、HTTP制御部37cを通じてSubscriber70にメッセージ化されたイベントの通知(Notification)を行う。
イベント管理部37fは、イベント管理テーブルを保持し、そのイベント管理テーブルを使用して、イベント監視先であるSubscriberや有効期間等を管理している。このため、イベント管理部37fは、省電力状態へ移行するかに応じて、有効期間を延長するか、また、どの程度延長するかを決定し、その延長した有効期間を含むSubscribe/Renewレスポンスを送信させることができる。例えば、5分以内に省電力状態に移行することが分かった場合は有効期間を延長すると判断する。また、ルータから定期的にマルチキャストパケットが通知されている場合は通知間隔が分かるので、この通知間隔または次回のルータの通知までの期間で延長する。図10は、イベント管理部37fが保持するイベント管理テーブルの例を示した図である。このテーブルでは、Subscriber、イベントID、イベント監視先のIPアドレス、イベントの内容、有効期間、有効期間の期限切れまでの時間が保持されている。期限切れまでの時間は、時間の経過とともにその値が減少するようになっている。図10では、図10(a)と図10(b)との2つのテーブルとされているが、1つのテーブルであってもよい。
イベントの内容には、図10(b)に示す「トナーなし」、「用紙なし」、「カバーオープン」のほか、省エネイベントを含むことができる。省エネイベントには、「省電力状態移行」と「省電力状態解除」とがあり、Subscriber70は、これらのSubscribeリクエストを送信し、機器17から省電力状態移行イベントと省電力状態解除イベントの通知を受けることができる。
図11に示すシーケンスを参照して、SubscribeリクエストおよびRenewリクエストに対する処理と、省電力状態移行イベントの通知と省電力状態解除イベントの通知を行う処理について説明する。Subscriber70は、あるイベントが発生したら通知してほしいというSubscribeリクエストを送信する。機器17は、そのリクエストを受け取り、登録し、登録した旨をレスポンスとして返す。このとき、省電力状態へ移行しないため、期限切れまでの時間を更新し有効期間を延長せずにレスポンスが返される。有効期間が経過する(期限切れまでの時間が0になる)前にSubscriber70がRenewリクエストによりイベント監視の更新リクエストを行う。これに対し、機器17は、その更新リクエストを受け取り、更新した旨をレスポンスとして返す。このときも、省電力状態へ移行しないため、期限切れまでの時間を更新し有効期間を延長せずにレスポンスが返される。
再び有効期間が経過する前にSubscriber70がRenewリクエストによりイベント監視の更新リクエストを行う。これに対し、機器17は、その更新リクエストを受け取り、更新した旨をレスポンスとして返す。このときは、省電力状態へ移行する予定が近いため、有効期間を延長したレスポンスが返される。
Subscriber70は、機器17に対し、省電力状態へ移行したら通知してほしいというリクエスト、省電力状態から復帰したら通知してほしいというリクエストも送信しており、機器17は、これらのリクエストに対して、省電力状態へ移行すると、省電力状態移行イベントをSubscriber70に通知し、また、省電力状態が解除されると、省電力状態解除イベントをSubscriber70に通知する。このため、Subscriber70は、省電力状態の間はRenewリクエストを送信せず、省電力状態解除イベントの通知を受けた後にRenewリクエストの送信を再開する。省電力状態の間、イベント管理部37fは、イベント管理テーブル内の有効期間の更新は行わず、有効期間が経過したとしてもイベント管理テーブルから情報の削除は行わない。これにより、Subscriber70は、省電力状態の解除後でもイベントの監視を継続することができる。
図12を参照して、省電力状態の間、Subscriber70から機器状態の問い合わせを行う処理について説明する。有効期間が経過する前にSubscriber70がRenewリクエストによりイベント監視の更新リクエストを行う。これに対し、機器17は、その更新リクエストを受け取り、更新した旨をレスポンスとして返す。このとき、省電力状態へ移行しないため、有効期間を延長しないレスポンスが返される。
再び有効期間が経過する前にSubscriber70がRenewリクエストによりイベント監視の更新リクエストを行う。これに対し、機器17は、その更新リクエストを受け取り、更新した旨をレスポンスとして返す。このときは、省電力状態へ移行する予定であるため、有効期間を延長したレスポンスが返される。
Subscriber70は、機器17に対し、省電力状態へ移行したら通知してほしいというリクエスト、省電力状態から復帰したら通知してほしいというリクエストも送信しており、機器17は、省電力状態へ移行すると、省電力状態移行イベントをSubscriber70に通知する。すると、Subscriber70は、省電力状態解除イベントを受け取るまでは、Renewリクエストを送信しない。
Subscriber70は、省電力状態の間、ping等の省電力状態から復帰しなくとも対応できるコマンドにより問い合わせを行うことができる。pingは、TCP/IPネットワークにおいて、相手先と通信できるかを確認するコマンドである。Subscriber70は、機器17から応答があれば、省電力状態と判断し、応答がなければ、機器17に異常があると判断し、機器の監視を中止する。
イベント監視先が1つであれば、省電力状態の間にRenewリクエストを受信しないように、有効期間を延長するのみでよいが、イベント監視先が複数存在する場合、有効期間の違いから、Renewリクエストを頻繁に受ける可能性がある。これでは、頻繁に省電力状態から復帰してしまい、省電力化を図ることはできない。
そこで、複数のイベント監視先からRenewリクエストを受信する時刻をほぼ同じになるように調整し、Renewリクエストの受信を集中させる。これにより、省電力状態からの復帰回数を減少させることができる。図13は、複数のSubscriberからのRenewリクエストの受信時刻がほぼ同じになるように有効期間を調整するようRenewリクエストを同期させ、Renewリクエストによる省電力状態からの復帰タイミングを減少させる例を示した図である。ここでは、Subscriberが2つあり、機器17は、それぞれの有効期間を確認し、2つのSubscriberからRenewリクエストを受信した時刻がほぼ同じ時刻になるように有効期間を調整する。Subscriber71を基準とし、Subscriber71からRenewリクエストを受信した時刻をStart Pointとする。Subscriber71には延長した新しい有効期間Cでレスポンスを返す。Subscriber72に対してはStart Pointからの差分Dをとり、まず、暫定期間(C−D)でレスポンスを返し、次のレスポンス時に、有効期間Cでレスポンスを返す。
図14は、各タイミングにおけるイベント管理テーブルを例示した図である。各タイミングとは、図13に示すT1、T2、T3の時点である。図14(a)は、調整前T1におけるイベント管理テーブルを例示し、図14(b)は、暫定期間T2におけるイベント管理テーブルを例示し、図14(c)は、調整後T3におけるイベント管理テーブルを例示した図である。図14(a)に示す調整前では、Subscriber71は有効期間15分をリクエストし、Subscriber72は有効期間10分をリクエストしている。このため、機器17が、Renewリクエストを受信する時刻が相違している。調整を開始すると、イベント管理部37fにより新しい有効期間として20分が決定され、Subscriber71に対しては延長した新しい有効期間20分でレスポンスを返し、イベント監視テーブルも図14(b)に示すように20分に更新する。
Subscriber72に対しては、Subscriber71からRenewリクエストを受信した時刻をStart Ponitとした場合の差分(Subscriber71からRenewリクエストを受信した時刻とSubscriberBからRenewリクエストを受信した時刻との時間差)をとる。ここでは、その時間差が2分であったとして、新しく決定した有効期間20分から減算して、暫定期間18分でレスポンスを返す。このとき、イベント監視テーブルも図14(b)に示すように18分に更新する。
このように調整すると、有効期間の経過前にSubscriber71からも、Subscriber72からも、ほぼ同じ時刻にRenewリクエストを受け付けることができる。これらのリクエストに対し、機器17は、Subscriber71に対しては有効期間を変更することなく有効期間20分でレスポンスを返し、Subscriber72に対しては有効期間を20分にしてレスポンスを返し、イベント監視テーブルを図14(c)に示すように20分に更新する。
イベント監視先が多数存在し、それら多数のイベント監視先からのRenewリクエストが集中すると、同時に機器17へアクセスが行われ、あるリクエストに対してはセッションタイムアウト等が発生し、再監視が成立しない場合がありうる。そこで、Renewリクエストを受信する時刻をわずかにずらすことで、この問題を解消することができる。
図15は、複数のSubscriberからのRenewリクエストの受信時刻がわずかにずれるように有効期間を調整し、Renewリクエストによる省電力状態からの復帰タイミングを減少させる例を示した図である。ここでは、Subscriberが2つあり、機器17は、それぞれの有効期間を確認し、2つのSubscriberからRenewリクエストを受信する時刻がわずかにずれるように有効期間を調整する。すなわち、Subscriber71を基準にし、SubscriberAには延長した新しい有効期間Cでレスポンスを返す。Subscriber72に対しては、Start Pointからの差分Dをとり、それにずれ量αを加算して、暫定期間(C−D+α)でレスポンスを返し、次のレスポンス時には、Subscriber71に対するレスポンスと同じ有効期間Cでレスポンスを返す。
なお、3つ以上の監視先がある場合、ずれ量をβ、γ、δ等し、暫定期間をC−D+β、C−D+γ、C−D+δ等として、ずれ量に異なる値を用いる。このようにすることで、複数の監視先からのRenewリクエストがぶつからなくなり、セッションタイムアウト等も発生せず、確実に再監視を成立させることができる。
図16は、各タイミングにおけるイベント管理テーブルを例示した図である。各タイミングとは、図15に示すT1、T2、T3の時点である。図16(a)は、調整前T1におけるイベント管理テーブルを例示し、図16(b)は、暫定期間T2におけるイベント管理テーブルを例示し、図16(c)は、調整後T3におけるイベント管理テーブルを例示した図である。図16(a)に示す調整前では、Subscriber71は有効期間15分をリクエストし、Subscriber72は有効期間10分をリクエストしている。このため、機器17が、Renewリクエストを受信する時刻が相違している。調整を開始すると、イベント管理部37fにより新しい有効期間として20分が決定され、Subscriber71に対しては延長した新しい有効期間20分でレスポンスを返し、イベント監視テーブルも図16(b)に示すように20分に更新する。
Subscriber72に対しては、Subscriber71からRenewリクエストを受信した時刻をStart Pointとした場合の差分(SubscriberAからRenewリクエストを受信した時刻とSubscriberBからRenewリクエストを受信した時刻との時間差)をとる。ここでは、その時間差が2分であったとして、新しく決定した有効期間20分から減算し、ずれ量として1分を加算して、暫定期間19分でレスポンスを返す。このとき、イベント監視テーブルも図16(b)に示すように19分に更新する。
このように調整すると、Subscriber72からのRenewリクエストを、Subscriber71からのRenewリクエストから1分遅れて受け付けることができる。これらのリクエストに対し、機器17は、Subscriber71に対しては有効期間を変更することなく有効期間20分でレスポンスを返し、Subscriber72に対しては有効期間を20分にしてレスポンスを返し、イベント監視テーブルを図16(c)に示すように20分に更新する。
図17は、有効時間を決定後にレスポンスを生成して返す処理の流れを示した図である。まず、ステップ1700で処理を開始し、ステップ1710で、Subscriber70から監視および更新リクエストを受信する。ステップ1720で、省電力状態へ移行するか否かを判定するために電源状態をチェックし、ステップ1730で、移行すると判定した場合は有効期間を延長し、移行しないと判定した場合は有効期間の変更はしないと決定する。ステップ1740で、有効期間を含むレスポンスをSubscriber70へ返し、ステップ1750で処理を終了する。
図18は、複数のSubscriberからのRenewリクエストの受信時刻がほぼ同じになるように有効時間を調整するようRenewリクエストを同期させる場合と、Renewリクエストをわずかにずらす場合の処理の流れを示した図である。この図18に示す処理は、図13および図15のシーケンス図に示した処理に対応するものである。
ステップ1800でこの処理を開始し、まず、ステップ1810でRenewリクエストに対する処理、すなわちRenewリクエストの受信およびRenewResponseの送信を繰り返す。ステップ1820で調整を開始すると、すべてのSubscriberがリクエストした有効期間を確認する。これは、イベント管理部37fが管理するイベント監視テーブルを参照することにより確認することができる。
ステップ1830で省電力状態へ移行するか否かを判定するために電源状態を確認し、ステップ1840で新しい有効期間を決定する。ステップ1850で、新しい有効期間を採用する最初のRenewリクエストに対して、新しい有効期間をもつレスポンスを返し、ステップ1860で、それ以降のRenewリクエストに対して、暫定期間を計算するとともに暫定期間を有するレスポンスを返す。ステップ1870で、最初のRenewリクエスト以降のRenewリクエストに対して新しい有効時間をもつレスポンスを返し、ステップ1880で処理を終了する。
これまで監視される側の機器17の構成およびその処理について詳細に説明してきたが、以下、監視を行う側の外部装置の構成およびその処理について説明する。
図19は、機器17の監視を行う側のモジュール構成を例示した図である。図1に示すように、機器17の監視を行う側は、PCであることが多いが、上述したように、MFP等であってもよい。監視を行う側の装置は、装置全体を制御する全体制御部80と、HTTP制御部81を含むネットワーク制御部82と、WS−Eventing処理部83と、イベント管理部84と、SOAP/XML処理部85とを含んで構成されている。ここでは、最小限必要なモジュールのみを示し、必要に応じてその他のモジュールを含んで構成されていてもよい。各部の機能については、機器17における各部の機能と同様のものである。
図20は、機器の監視を行う側が実行する処理の流れを例示した図である。機器17の監視を行う側の装置をPC10として説明を行うと、ステップ2000で処理を開始し、ステップ2010でPC10は機器17に対し、Renewリクエストを送信し、ステップ2020でその機器17からレスポンスを受信する。ステップ2030で省電力状態移行通知があるかを判定し、通知がある場合、ステップ2040へ進み、一定時間スリープする。
その後、ステップ2050で省電力状態解除通知があるかを判定し、通知がない場合、ステップ2060へ進み、一定時間スリープし、ステップ2070で機器17へping等により問い合わせを行い、応答があるか否かを判断する。応答がある場合、省電力状態であるから、ステップ2040へ戻り、応答がない場合、ステップ2080へ進み、機器17に異常があると判断し、機器17の監視を中止する。
一方、ステップ2030で省電力状態移行通知がない場合、ステップ2050で省電力状態解除通知がある場合には、ステップ2090へ進み、一定時間スリープし、ステップ2010でRenewリクエストを送信するまで待機する。なお、機器17の監視を中止したところで、ステップ2100において処理が終了する。
次に、第二の実施の形態について説明する。図21は、第二の実施の形態のネットワークシステムの構成例を示す図である。
同図において、機器17は、ユーザ端末120a及びユーザ端末120bと、LAN(Local Area Network)等のネットワーク140を介して接続されている。また、機器17は、LAN等のネットワーク150に接続されているユーザ端末120c及び120dとルータ130を介して接続されている。すなわち、ユーザ端末120a及び120bは、機器17と同一セグメント(同一ネットワーク)に属し、ユーザ端末120c及び120dは、機器17と別セグメント(別ネットワーク)に属する。なお、ユーザ端末120a、ユーザ端末120bを、それぞれローカル端末120a、ローカル端末120bともいい、ユーザ端末120c、ユーザ端末120dを、それぞれリモート端末120c、リモート端末120dともいう。「ローカル」は、機器17と同一セグメントであることを意味し、「リモート」は、機器17と別セグメントであることを意味する。また、ユーザ端末120a、120b、120c、及び120dを区別しない場合、単に「ユーザ端末120」という。また、ネットワーク140及びネットワーク150は、有線であってもよいし、無線であってもよい。
ユーザ端末120は、ユーザが利用する個人端末であり、ソフトウェアプログラムのインストール及び実行が可能であり、通信機能を有するものであれば、特定の装置に限定されない。ユーザ端末120の具体例として、デスクトップ型のPC(Personal Computer)、ノートPC、PDA(Personal Digital Assistance)、又は携帯電話等の情報処理装置が挙げられる。本実施の形態において、各ユーザ端末120には、ウィジェット121と呼ばれるアプリケーションプログラムがインストールされている。
近年では、ウィジェット(Widget)又はガジェット(Gadget)とよばれる手軽なアプリケーションプログラムが流通している。本実施の形態では、手軽にインストールして利用可能なアプリケーションプログラムという程度の意味においてこれらのアプリケーションプログラムをウィジェット121と呼ぶ(すなわち、技術的な意義において限定する趣旨ではない)。本実施の形態において、ウィジェット121は、機器17の機能を遠隔的に利用して、所定のサービス(例えば、ワークフロー等の一連の処理フロー)をユーザに提供するという点において共通する。ウィジェット121が実行する典型的又は代表的な処理としては、機器17にスキャンを実行させ、スキャンされた画像データをユーザ端末120内に保存するといったものである。なお、各ウィジェット121が実行する処理手順(各ウィジェット121に実装されている機能)は、それぞれ異なりうる。また、各ウィジェット121は、ユーザ端末121において任意に起動される。したがって、ネットワークシステム内において起動されているウィジェット121の一覧は、極めて流動的なものである。
図22は、第二の実施の形態における機器のソフトウェア構成およびハードウェア構成を例示した図である。図22中、図2と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
第二の実施の形態において、機器17は、プロバイダアプリ25を有する。プロバイダアプリ25は、機器17をウィジェット121と連携させるための処理を実行するアプリケーションプログラムである。例えば、プロバイダアプリ25は、ウィジェット121が機器17に要求する処理(スキャン等)を機器17に実行させるための処理を制御する。ウィジェット121との連携を実現するために、プロバイダアプリ25は、ネットワーク140又はネットワーク150上において起動されているプロバイダアプリ25を検索する。斯かる検索処理について説明する。
図23は、プロバイダアプリによるウィジェットの検索処理の処理手順を説明するためのシーケンス図である。
機器17の起動時において、プロバイダアプリ25は、RAM65内において、ウィジェット121の一覧情報を記憶するための記憶領域(以下、「ウィジェット一覧情報記憶部」という。)をクリアしておく(S110)。
その後、プロバイダアプリ25は、リモート端末120c及び120d(以下、両者を区別しない場合、単に「リモート端末120」という。)のそれぞれより、各リモート端末120の識別情報の登録要求を受信する(S120、S140)。プロバイダアプリ25は、受信された識別情報をRAM65に記録する(S130、S150)。なお、識別情報は、IPアドレス又はホスト名等、各リモート端末120をネットワーク通信において識別可能な情報であればどのようなものでもよい。本実施の形態では、当該識別情報としてIPアドレスを採用した例について説明する。
ステップS150の後、機器17は操作待ち状態となっている。その後、ユーザによってオペレーションパネルを介してプロバイダアプリ25の実行指示が入力されると(S160)、プロバイダアプリ25は、RAM65に登録されているIPアドレスを読み出す(取得する)(S170)。続いて、プロバイダアプリ25は、ウィジェット一覧情報記憶部の内容をクリアする(S180)。ステップS180におけるウィジェット一覧情報記憶部のクリアは、検索実行前の初期化処理に該当する。すなわち、ステップS160以降は、機器17の起動中において、プロバイダアプリ25が実行対象として選択されるたびに実行される。したがって、2回目以降にプロバイダアプリ25が実行対象として選択された場合、前回の検索結果が残ったままとなっている。そうすると、これから実行される検索について正しい検索結果を表示させることができないからである。
続いて、プロバイダアプリ25は、取得された各IPアドレスに対してユニキャストによる検索要求を送出する(S190、S200)。続いて、プロバイダアプリ25は、マルチキャストによる検索要求を機器17と同一セグメントであるネットワーク140上に送出する(S210、S220)。
検索要求が受信されたユーザ端末120において起動されているウィジェット121は、検索要求に応じて応答情報を返信する。応答情報には、ログインユーザのユーザID、ユーザ端末120の識別情報(IPアドレス)、及びウィジェットの属性情報等が含められる。プロバイダアプリ25は、ユニキャスト又はマルチキャストによる検索要求に対する応答情報を受信し、ウィジェット一覧情報記憶部に記録する。プロバイダアプリ25は、ウィジェット一覧情報記憶部に記録された応答情報に基づいて、ウィジェット121の一覧画面をオペレーションパネルに表示させる。ユーザは、当該一覧画面に表示された一覧画面において所望のウィジェット121を選択することにより、当該ウィジェット121を利用することができる。
以上のように、プロバイダアプリ25は、機器17と同一セグメント上に存在するウィジェット121に関してはマルチキャストを利用して検索を行い、機器17と別セグメント上に存在するウィジェット121に関してはユニキャストを利用して検索を行う。マルチキャストによる検索要求は、別セグメントまで届かないからである。
但し、ユニキャストを利用するためには、プロバイダアプリ25は、予めユニキャスト先のIPアドレスを知っておく必要がある。そこで、少なくとも機器17と別セグメント上に存在するウィジェット121は、定期的に自らのIPアドレスの登録要求(以下、「検索先登録要求」という。)をプロバイダアプリ25に送信する。図23におけるステップS120及びステップS140が検索先登録要求に相当する。なお、検索先登録要求が定期的に送信されるのは、検索先登録要求についても有効期間を有するからである。すなわち、プロバイダアプリ25は、検索先登録要求に応じてRAM65に記録したIPアドレスについて、当該検索先登録要求に指定されている有効期間が経過した場合は当該IPアドレスをRAM65より削除する。
したがって、機器17は、定期的に検索先登録要求を受信することになる。検索先登録要求のタイミングはウィジェット121ごとに異なる。また、ネットワーク上には多数のウィジェット121が起動される可能性がある。
そうすると、機器17は、省電力状態からから復帰してしまう可能性が高まってしまい、適切に省電力化を図ることができなくなってしまう。
そこで、第二の実施の形態において、プロバイダアプリ25は、第一の実施の形態と同様の方法によって検索先登録要求による省電力状態の短縮化を回避する。
すなわち、プロバイダアプリ25は、検索先登録要求を受信した際に、機器17が省電力状態へ移行しようとしているときは、検索先登録要求に指定された有効期間を延長し、延長された有効期間をウィジェット121に対して返信する。ウィジェット121は、延長された有効期間に基づいて、次回の検索先登録要求を送信するタイミングを決定する。
また、プロバイダアプリ25は、省電力状態への移行又は省電力状態からの復帰を各ウィジェット121に対して通知してもよい。この場合、ウィジェット121は、省電力状態への移行通知を受信してから省電力状態からの復帰までの間(すなわち、機器17が省電力状態の間)は検索先登録要求の送信を停止する。
また、プロバイダアプリ25は、各ウィジェット121からの検索先登録要求が、同時期になるように調整してもよい。調整の方法は、第一の実施の形態と同様でよい。すなわち、プロバイダアプリ25は、或るウィジェット121からの検索先登録要求の有効期間に基づいて、当該ウィジェット121による次回の検索先登録要求のタイミングを判定し、その判定結果に基づいて、他のウィジェット121からの検索先登録要求の有効期間を変更する。プロバイダアプリ25は、ウィジェット121ごとに変更された有効期間をそれぞれのウィジェット121に返信する。有効期間の変更の際、第一の実施の形態と同様、各ウィジェット121からの次回の検索先登録要求が多少ずれるように調整されてもよい。
プロバイダアプリ121による上記のような有効期間の調整により、検索先登録要求の受信回数の低減、又は受信時期の集中化等を図ることができる。その結果、検索先登録要求によって機器17の省電力状態の期間が短縮化されてしまうという不都合を適切に抑制することができる。
これまで本発明を実施の形態をもって説明してきたが、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、他の実施の形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。したがって、本発明は、制御装置のほか、その制御装置を備える画像形成装置、その制御装置の機能を実現するためのプログラムとして提供することもできるものである。このプログラムは、FD、MD、SDカード、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体に格納して提供することができる。
10〜16 PC
17 機器
20 プリンタアプリ
20a アプリ全体制御部
20b アプリ通信部
20c イベント検出部
21 コピーアプリ
22 ファックスアプリ
23 スキャナアプリ
24 ネットワークアプリ
25 プロバイダアプリ
30 OS/Kernel
31 システム制御部
32 メモリ制御部
33 エンジン制御部
34 ファックス制御部
35 オペレーション制御部
36 配信制御部
37 ネットワーク制御部
37a ネットワーク全体制御部
37b ネットワーク通信部
37c HTTP制御部
37d WS−Eventing処理部
37e プロトコル制御部
37f イベント管理部
38 セキュリティ制御部
39 電源管理部
39a 電源全体制御部
39b 電源通信部
39c ハードウェア管理部
40 API
50 SOAP/XML処理部
60 セキュアデバイス
61 HDD
62 NVRAM
63 CPU
64 ROM
65 RAM
66 ネットワークI/F
67 外部デバイスI/F
68 GSTN I/F
70 Subscriber
80 全体制御部
81 HTTP制御部
82 ネットワーク制御部
83 WS−Eventing処理部
84 イベント管理部
85 SOAP/XML処理部
120a、120b、120c、120d ユーザ端末
121 ウィジェット
130 ルータ
140、150 ネットワーク
特開2007−290178号公報

Claims (15)

  1. 外部装置からイベント監視リクエストを受け付け、イベントが発生した場合に該イベントを通知する機器に用いられ、イベント監視を制御する制御装置であって、
    前記外部装置から有効期間を有するイベント監視リクエストを受信したことに応答して、前記機器内の各デバイスの電源状態を確認し、前記機器が省電力状態へ移行するか否かを判断する判断手段と、
    移行すると判断された場合に、前記外部装置へ前記有効期間を延長したレスポンスを返し、延長した前記有効期間に基づき再監視リクエストを送信させる通知手段とを備える、制御装置。
  2. 前記通知手段は、複数の前記外部装置から送信される前記再監視リクエストの受信時刻がすべて同じ時刻になるように各有効期間を調整し、各調整された有効期間を有するレスポンスを各外部装置へ返す、請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記通知手段は、複数の前記外部装置から送信される前記再監視リクエストの受信時刻が予め設定された時間間隔でずれるように各有効期間を調整し、各調整された有効期間を有するレスポンスを各外部装置へ返す、請求項1に記載の制御装置。
  4. 前記イベント監視リクエストおよび前記再監視リクエストの受信、前記レスポンスの送信、および前記イベントの通知に、WS−Eventingプロトコルを使用する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の制御装置。
  5. 前記通知手段は、前記省電力状態への移行に応答して、前記外部装置に省電力状態移行イベントを通知し、前記外部装置から前記イベント監視リクエストを送信させないようにする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の制御装置。
  6. 前記通知手段は、前記省電力状態から復帰したことに応答して、前記外部装置に省電力状態解除イベントを通知し、前記イベント監視リクエストを送信させる、請求項5に記載の制御装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の制御装置を備える、外部装置と通信を行う省電力状態へ移行可能な画像処理装置。
  8. 外部装置からイベント監視リクエストを受け付け、イベントが発生した場合に該イベントを通知する機器に用いられる制御装置によりイベント監視を制御する方法であって、
    前記外部装置から有効期間を有するイベント監視リクエストを受信したことに応答して、前記機器内の各デバイスの電源状態を確認し、前記機器が省電力状態へ移行するか否かを判断するステップと、
    移行すると判断された場合に、前記外部装置へ前記有効期間を延長したレスポンスを返し、延長した前記有効期間に基づき再監視リクエストを送信させるステップとを含む、制御方法。
  9. 前記送信させるステップでは、複数の前記外部装置から送信される前記再監視リクエストの受信時刻がすべて同じ時刻になるように各有効期間を調整し、各調整された有効期間を有するレスポンスを各外部装置へ返す、請求項8に記載の制御方法。
  10. 前記送信させるステップでは、複数の前記外部装置から送信される前記再監視リクエストの受信時刻が予め設定された時間間隔でずれるように各有効期間を調整し、各調整された有効期間を有するレスポンスを各外部装置へ返す、請求項8に記載の制御方法。
  11. 前記イベント監視リクエストおよび前記再監視リクエストの受信、前記レスポンスの送信、および前記イベントの通知に、WS−Eventingプロトコルを使用することを特徴とする、請求項8〜10のいずれか1項に記載の制御方法。
  12. 前記省電力状態への移行に応答して、前記外部装置から前記イベント監視リクエストを送信させないように、前記外部装置へ省電力状態移行イベントを通知するステップをさらに含む、請求項8〜11のいずれか1項に記載の制御方法。
  13. 前記省電力状態から復帰したことに応答して、前記外部装置に省電力状態解除イベントを通知し、前記イベント監視リクエストを送信させるステップをさらに含む、請求項12に記載の制御方法。
  14. 前記機器の異常を検知するステップと、前記外部装置からの問い合わせに対し、レスポンスを返さないことで前記外部装置にイベント監視を中止させるステップとをさらに含む、請求項8〜13のいずれか1項に記載の制御方法。
  15. 請求項8〜14のいずれか1項に記載の制御方法を実行するためのコンピュータにより読み取り可能なプログラム。
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