JP2010060812A - 感光性組成物、感光性フィルム、感光性積層体、永久パターン形成方法、及びプリント基板 - Google Patents

感光性組成物、感光性フィルム、感光性積層体、永久パターン形成方法、及びプリント基板 Download PDF

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Abstract

【課題】パターンの密着性に優れた黒色レジストの材料となる感光性組成物、感光性フィルム、感光性積層体、永久パターン形成方法、及びプリント基板の提供。
【解決手段】本発明の感光性組成物は、バインダーと、光重合開始剤と、重合性化合物と、電子受容性化合物と、保管時には前記電子受容性化合物と反応して発色せず、かつ、熱が付与されると前記電子受容性化合物と反応して発色する電子供与性無色染料とを有することを特徴とする。前記電子供与性無色染料が、フタリド系発色団、フルオラン系発色団、及びフェノチアジン系発色団の少なくともいずれかを有する態様などが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、レーザー露光により永久パターンを形成するための黒色ソルダーレジスト材料として好適な感光性組成物、感光性フィルム、感光性積層体、永久パターン形成方法、及びプリント基板に関する。
従来、ソルダーレジスト等の永久パターンを形成するに際して、支持体上に感光性組成物を塗布し、乾燥することにより感光層を形成させた感光フィルムが用いられてきている。このような永久パターンを形成する方法としては、例えば、永久パターンが形成される銅張積層板等の基体上に、感光性フィルムを積層させて積層体を形成し、該積層体における感光層に対して露光を行い、該露光後、感光層を現像してパターンを形成させ、その後硬化処理等を行うことにより永久パターンを形成する方法等が知られている。
一般に、黒色レジストの色素としては、例えば、カーボンブラックが使用されている。(例えば、特許文献1〜2参照)。しかしながら、前記色素を使用した場合には、色素自体が露光の光を吸収してしまい、光がレジスト下部まで届かないために、パターニングが非常に難しいという問題がある。特に、ソルダーレジストとして用いる場合には、パターンの密着性が悪くなるという問題が顕著である。
そのため、パターンの密着性に優れた黒色レジストの材料となる感光性組成物の開発が望まれているのが現状である。
特開2008−122750号公報 特開2007−271987号公報
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、パターンの密着性に優れた黒色レジストの材料となる感光性組成物、感光性フィルム、感光性積層体、永久パターン形成方法、及びプリント基板を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、以下の知見を得た。即ち、バインダーと、光重合開始剤と、重合性化合物と、電子供与性無色染料と、前記電子供与性無色染料と反応して発色する電子受容性化合物とを有する感光性組成物は、露光時(パターニング時)には無色のため光を吸収せず、加熱時に黒色に発色することにより、パターンの密着性に優れた黒色レジストが得られるという知見である。
本発明は、本発明者等の前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> バインダーと、光重合開始剤と、重合性化合物と、電子受容性化合物と、保管時には前記電子受容性化合物と反応して発色せず、かつ、熱が付与されると前記電子受容性化合物と反応して発色する電子供与性無色染料とを有することを特徴とする感光性組成物である。
<2> 電子供与性無色染料が、フタリド系発色団、フルオラン系発色団、及びフェノチアジン系発色団の少なくともいずれかを有する前記<1>に記載の感光性組成物である。
<3> 電子受容性化合物が、フェノール性化合物、及び有機金属塩の少なくともいずれかである前記<1>から<2>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<4> 電子供与性無色染料が、マイクロカプセルに内包される前記<1>から<3>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<5> 更に、エポキシ化合物を有する前記<1>から<4>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<6> 前記<1>から<5>のいずれかに記載の感光性組成物を含む感光層を支持体上に有してなることを特徴とする感光性フィルムである。
<7> 基体上に、前記<1>から<5>のいずれかに記載の感光性組成物を含む感光層を有することを特徴とする感光性積層体である。
<8> 前記<1>から<5>のいずれかに記載の感光性組成物により形成された感光層に対して露光を行うことを少なくとも含むことを特徴とする永久パターン形成方法である。
<9> 露光が、光変調手段により光を変調させた後、該光変調手段における描素部の出射面の歪みによる収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズを配列したマイクロレンズアレイを通して行われる前記<8>に記載の永久パターン形成方法である。
<10> 露光が行われた後、感光層の現像を行う前記<8>から<9>のいずれかに記載の永久パターン形成方法である。
<11> 現像が行われた後、感光層の硬化処理を行う前記<10>に記載の永久パターン形成方法である。
<12> 前記<8>から<11>のいずれかに記載の永久パターン形成方法により永久パターンが形成されることを特徴とするプリント基板である。
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、パターンの密着性に優れた黒色レジストの材料となる感光性組成物、感光性フィルム、感光性積層体、永久パターン形成方法、及びプリント基板を提供することができる。
〔感光性組成物〕
本発明の感光性組成物は、バインダーと、光重合開始剤と、重合性化合物と、電子受容性化合物と、電子供与性無色染料とを含有してなり、さらに必要に応じて、エポキシ化合物など、その他の成分を含有する。本発明の感光性組成物は、前記その他の成分として、エポキシ化合物を含有することが好ましい。
(バインダー)
前記バインダーとしては、側鎖に、ヘテロ環を含んでもよい芳香族基及び側鎖にエチレン性不飽和結合を有する高分子化合物を含む。前記高分子化合物は、側鎖にカルボキシル基を有することが好ましい。前記バインダーは、水に不溶で、かつ、アルカリ性水溶液により膨潤乃至は溶解する化合物が好ましい。
前記バインダーとしては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、特開2007−206609号公報の段落〔0024〕から〔0078〕に記載される化合物が好ましい。
前記バインダーの前記感光性組成物中の固形分含有量は、5質量%〜80質量%が好ましく、10質量%〜70質量%がより好ましい。該固形分含有量が、5質量%以上であると、感光層の膜強度が弱くなりにくく、該感光層の表面のタック性が悪化することがなく、80質量%以下であると、露光感度が低下することがない。
(光重合開始剤)
前記光重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、オキシム誘導体が好ましい。
前記オキシム誘導体としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、特開2007−108629号公報の段落〔0030〕から〔0068〕に記載される化合物が好ましい。
前記オキシム誘導体は、2種以上を併用してもよい。
更に、他の好ましいオキシム誘導体としては、下記一般式(1)で表されるものがある。
ただし、上記一般式(1)中、Rは、水素原子、置換基を有してもよいアシル基、アルコキシカルボニル基、及びアリールオキシカルボニル基のいずれかを表し、Rは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、及びアミノ基のいずれかを表す。mは、0〜4の整数を表し、2以上の場合は、互いに連結し環を形成してもよい。Aは、4、5、6、及び7員環のいずれかを表す。
前記オキシム誘導体においては、保存安定性に優れ、高感度であり、該オキシム誘導体を添加することにより、保存時は重合を生じることなく保存安定性に優れ、取り扱いが容易であり、エネルギー線、特に光の照射により活性ラジカルを発生して効率的に重合を開始し、該重合性化合物が短時間で効率的に重合し得る高感度な重合性組成物が得られる。
また、前記オキシム誘導体は、下記一般式(2)で表されるオキシム誘導体であることがより好ましい。
ただし、上記一般式(2)中、Rは、水素原子、置換基を有してもよいアシル基、アルコキシカルボニル基、及びアリールオキシカルボニル基のいずれかを表し、Rは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、及びアミノ基のいずれかを表し、mは、0〜4の整数を表す。Xは、CH、O、及びSのいずれかを表す。lは、1〜3の整数を表す。
また、前記オキシム誘導体は、下記一般式(3)及び(4)のいずれかで表されるオキシム誘導体であることがより好ましい。
ただし、上記一般式(3)及び(4)中、Rは、水素原子、置換基を有してもよいアシル基、アルコキシカルボニル基、及びアリールオキシカルボニル基のいずれかを表し、Rは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、及びアミノ基のいずれかを表し、mは、0〜4の整数を表す。Xは、CH、O、及びSのいずれかを表す。lは、1〜3の整数を表す。
前記一般式(2)から(4)のいずれかに記載のオキシム誘導体は、一般式(2)、(3)及び(4)中、Xが、O及びSのいずれかであり、lが、1及び2のいずれかであり、Rが、置換基を有してもよいアシル基、及びアルコキシカルボニル基のいずれかであることが好ましい。
前記一般式(1)、(2)、(3)及び(4)中、Rは、水素原子、置換基を有してもよいアシル基、アルコキシカルボニル基、及びアリールオキシカルボニル基のいずれかである。
アシル基としては、脂肪族、芳香族、及び複素環のいずれでもよい。総炭素数2〜30のものが好ましく、総炭素数2〜20のものがより好ましく、総炭素数2〜16のものが特に好ましい。前記アシル基は、更に置換基を有してもよい。置換基としては、アルコキシ基、アリールオキシ基、及びハロゲン原子のいずれかが好ましい。
アシル基としては、置換基を有していてもよく、例えば、アセチル基、n−プロパノイル基、i−プロパノイル基、メチルプロパノイル基、ブタノイル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、シクロヘキサンカルボニル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、ベンジルカルボニル基、フェノキシアセチル基、2−エチルヘキサノイル基、クロロアセチル基、ベンゾイル基、トルエンカルボニル基、パラメトキシベンゾイル基、2,5−ジブトキシベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、ピリジルカルボニル基、メタクリロイル基、アクリロイル基等が挙げられる。
アルキルオキシカルボニル基としては、置換基を有していてもよく、総炭素数が2〜30のものが好ましく、総炭素数2〜20のものがより好ましく、総炭素数2〜16のものが特に好ましい。このようなアルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニルブトキシカルボニル基、イソブチルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基、エトキシエトキシカルボニル基が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基としては、置換基を有していてもよく、総炭素数7〜30のアルコキシカルボニル基が好ましく、総炭素数7〜20のものがより好ましく、総炭素数7〜16のものが特に好ましい。このようなアリールオキシカルボニル基としては、例えば、フェノキシカルボニル基、2−ナフトキシカルボニル基、パラメトキシフェノキシカルボニル基、2,5−ジエトキシフェノキシカルボニル基、パラクロロフェノキシカルボニル基、パラニトロフェノキシカルボニル基、パラシアノフェノキシカルボニル基が挙げられる。
前記一般式(1)、(2)、(3)及び(4)中、Rとしては、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、及びアミノ基のいずれかが挙げられ、特に、脂肪族、芳香族、複素芳香族、ハロゲン原子、−OR、−SR、−NRが挙げられる。R及びRは、互いに連結して環を形成してもよい。また、R及びRは、それぞれ独立に水素原子若しくは脂肪族基、芳香族基、複素芳香族基のいずれかを表す。mが2以上であり、互いに連結して環を形成する場合は、それぞれ独立したR同士で環を形成してもよく、R及びRの少なくともいずれかを介して環を形成してもよい。
前記置換基Rを介して環を形成する場合は、下記構造が挙げられる。
前記構造式中、Y及びZは、CH、−O−、−S−、及び−NR−のいずれかを表す。
アルキル基としては、置換基を有してもよく、総炭素数1〜18のものが好ましく、特に総炭素数1〜10のものが好ましい。このようなアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、t−オクチル基、n−デシル基が挙げられる。
アリール基としては、置換基を有してもよく、総炭素数6〜20のものが好ましく、特に総炭素数6〜12のものが好ましい。このようなアルキル基としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、クロロフェニル基、メトキシフェニル基が挙げられる。
アルキルオキシ基としては、置換基を有してもよく、総炭素数1〜18のものが好ましく、特に総炭素数1〜12のものが好ましい。このようなアルキルオキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、t-ブチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−デシルオキシ基、フェネチルオキシ基、フェノキシエトキシ基が挙げられる。
アリールオキシ基としては、置換基を有してもよく、総炭素数6〜20のものが好ましく、特に総炭素数6〜12のものが好ましい。このようなアリールオキシ基としては、フェノキシ基、ナフチルオキシ基、クロロフェニルオキシ基、メトキシフェニルオキシ基が挙げられる。
アルキルチオ基としては、置換基を有してもよく、総炭素数1〜18のものが好ましく、特に総炭素数1〜12のものが好ましい。このようなアルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、i−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、n−オクチルチオ基、n−ドデシルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基が挙げられる。
アリールチオ基としては、総炭素数6〜20のものが好ましく、特に総炭素数6〜12のものが好ましい。このようなアリールチオ基としては、フェニルチオ基、トリルチオ基、クロロフェニルチオ基、エトキシカルボニルフェニルチオ基が挙げられる。
アミノ基としては、アルキル基及びアリール基の少なくともいずれかが置換されていてもよく、総炭素数1〜20のものが好ましく、特に総炭素数1〜12のものが好ましい。このようなアミノ基としては、−NH基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、メチルフェニルアミノ基が挙げられる。
、R、及びRの脂肪族基、芳香族基、及び複素芳香族基の具体例としては、前記Rと同様のものが挙げられる。
前記一般式(1)〜(4)で表されるオキシム誘導体の具体例としては、下記構造式(1)〜(52)で表される化合物が挙げられるが、本発明は、これらに限定されるものではない。
なお、前記オキシム誘導体は、H−NMRスペクトル、UV−vis吸収スペクトルを測定して同定することができる。
前記オキシム誘導体のオキシムエステル基としては、2種類の立体配置(Z)又は(E)で存在するものであってもよい。慣用の方法によって、異性体を分離してもよいし、異性体混合物を光開始用の種として、そのままで用いてもよい。したがって、前記オキシム誘導体は、前記(1)〜(52)の化合物の立体配置上の異性体の混合物であってもよい。
前記感光性組成物における光重合開始剤の含有量は、0.1質量%〜25質量%が好ましく、0.2質量%〜5質量%がより好ましく、0.3質量%〜3質量%が更に好ましく、0.4質量%〜2質量%が特に好ましい。
本発明の光重合開始剤は、前記オキシム誘導体以外に、紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有する公知の他の光重合開始剤を用いることができる。該他の光重合開始剤は、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよく、モノマーの種類に応じてカチオン重合を開始させるような開始剤であってもよい。
なお、前記他の光重合開始剤は、約300nm〜800nm(より好ましくは330nm〜500nm)の範囲内に少なくとも約50の分子吸光係数を有する成分を少なくとも1種含有していることが好ましい。
前記他の光重合開始剤としては、例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有するもの、オキサジアゾール骨格を有するもの等)、ヘキサアリールビイミダゾール、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、アクリジン化合物、メタロセン類などが挙げられる。これらの中でも、感光層の感度、保存性、及び感光層と基板との密着性等の観点から、ケトン化合物及びアクリジン化合物が好ましい。
(重合性化合物)
本発明の重合性化合物は、不飽和二重結合(重合性基)を少なくとも1つ有する。前記重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、分子中に少なくとも1個の付加重合可能な基を有し、沸点が常圧で100℃以上である化合物が好ましく、例えば、(メタ)アクリル基を有するモノマーから選択される少なくとも1種が好適に挙げられる。
前記重合性基としては、例えば、エチレン性不飽和結合(例えば、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基、スチリル基、ビニルエステルやビニルエーテル等のビニル基、アリルエーテルやアリルエステル等のアリル基など)、重合可能な環状エーテル基(例えば、エポキシ基、オキセタン基等)などが挙げられ、これらの中でもエチレン性不飽和結合が好ましい。
前記重合性化合物としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、特開2006−220865号公報の段落〔0061〕から〔0125〕に記載される化合物が好ましい。
本発明の重合性化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
該重合性化合物の含有量としては、前記感光性組成物中の全固形分に対して、1質量%〜40質量%が好ましく、5質量%〜30質量%がより好ましく、10質量%〜25質量%が特に好ましい。該含有量が1質量%以上であると、十分な硬化感度を得ることができ、40質量%以下であると、現像性・保存性に悪影響を与えることがない。
(電子受容性化合物)
前記電子受容性化合物は、保管時には後述する電子供与性無色染料と反応して該電子供与性無色染料を発色させず、かつ、熱が付与されると該電子供与性無色染料と反応して該無色染料を発色させるものである。
前記保管時とは、永久保護膜(永久パターン)を形成するまでの期間をいう。
前記熱を付与する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、パターン形成後にオーブンで100℃以上に加熱する方法、などが挙げられる。
前記電子受容性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(E)で表される化合物、フェノール性化合物、サリチル酸誘導体、有機金属塩、酸性白土、ベントナイト、ノボラック樹脂、金属処理ノボラック樹脂、金属錯体などの化合物、などが挙げられる。これらの例としては、特公昭40−9309号公報、同45−14039号公報、特開昭52−140483号公報、同48−51510号公報、同57−210886号公報、同58−87089号公報、同59−11286号公報、同60−76795号公報、同61−95988号公報、などに記載されたものが挙げられる。
中でも、発色性の点で、フェノール性化合物、有機金属塩が好ましい。
前記電子受容性化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記一般式(E)中、Rは、水酸基、アルキル基を表し、Rは、−Ph、−NH−Ph、−Ph−OR、−NH−CO−NH−Phを表し、前記Rは、アルキル基を表す。Phはフェニル基を表し、−SOを含む置換基で置換されていてもよい。
前記Rで表されるアルキル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、イソプロピル基、等がより好ましい。
前記Rとしては、水酸基が好ましい。
前記Rで表されるアルキル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、イソプロピル基が特に好ましい。また、Phは、フェニル基が「−SOを含む置換基」で置換された置換フェニル基であってもよく、該置換基のRはメチル基、ハロゲン原子等で更に置換されていてもよい。該置換基としては、−CH−C−NHCONH−SO−C、−SO−C、−SO−C−CH、−SO−C−Cl等が挙げられる。前記Rとしては、−NH−Phが好ましく、−NH−Cが特に好ましい。
前記一般式(E)で表される化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリド(=p−N−フェニルスルファモイルフェノール)、p−N−(2−クロロフェニル)スルファモイルフェノール、p−N−3−トリルスルファモイルフェノール、p−N−2−トリルスルファモイルフェノール、p−N−(3−メトキシフェニル)スルファモイルフェノール、p−N−(3−ヒドロキシフェニル)スルファモイルフェノール、p−N−(4−ヒドロキシフェニル)スルファモイルフェノール、2−クロロ−4−N−フェニルスルファモイルフェノール、2−クロロ−4−N−(3−ヒドロキシフェニル)スルファモイルフェノール、4’−ヒドロキシ−p−トルエンスルホンアニリド、4,4’−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン(=BTUM)、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノール、等が好ましい。
前記フェノール性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェノール)プロパン(ビスフェノールA)、4−t−ブチルフェノール、4−フェニルフェノール、4−ヒドロキシジフェノキシド、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1’−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1’−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルブタン、4,4’−sec−イソオクチリデンジフェノール、4,4’−sec−ブチリレンジフェノール、4−tert−オクチルフェノール、4−p−メチルフェニルフェノール、4,4’−メチルシクロヘキシリデンフェノール、4,4’−イソペンチリデンフェノール、4−ジヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4−イソプロピルオキシジフェニルスルホン、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、などが挙げられる。
前記サリチル酸誘導体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸、3−フェニル−5−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3−クミル−5−t−オクチルサリチル酸、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸、3−フェニル−5−t−オクチルサリチル酸、3−メチル−5−α−メチルベンジルサリチル酸、3−メチル−5−クミルサリチル酸、3,5−ジ−t−オクチルサリチル酸、3,5−ビス(α−メチルベンジル)サリチル酸、3−クミル−5−フェニルサリチル酸、5−n−オクタデシルサリチル酸、4−ペンタデシルサリチル酸、3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3,5−ビス−t−オクチルサリチル酸、4−β−ドデシルオキシエトキシサリチル酸、4−メトキシ−6−ドデシルオキシサリチル酸、4−β−フェノキシエトキシサリチル酸、4−β−p−エチルフェノキシエトキシサリチル酸、4−β−p−メトキシフェノキシエトキシサリチル酸、などが挙げられる。
前記有機金属塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、サリチル酸誘導体の多価金属塩、芳香族カルボン酸の多価金属塩などが挙げられる。
前記多価金属としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、亜鉛、アルミニウム、カルシウム、銅、鉛、などが挙げられる。
前記電子受容性化合物の粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、体積平均粒径で1.5μm以下が好ましく、0.4μm〜1.0μmがより好ましい。前記体積平均粒径が、1.5μm以下であると、熱感度が低下することがない。また、前記体積平均粒径が、前記より好ましい範囲内であると、発色性が高く、保管時のカブリも少ない点で、有利である。
前記体積平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定器(例えば、LA500(ホリバ(株)製)等によって容易に測定できる。
前記電子受容性化合物の前記感光性組成物中の固形分含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、後述する電子供与性無色染料の質量に対して、0.1質量%〜100質量%が好ましく、1質量%〜50質量%がより好ましい。該含有量が、0.1質量%以上であると、発色が不十分となることがなく、100質量%以下であると、前記電子受容性化合物の添加量に見合う効果を得ることができる。また、該含有量が、より好ましい範囲内であると、感光性材料の感度を低下させない点で有利である。
(電子供与性無色染料)
前記電子供与性無色染料は、保管時には上述した電子受容性化合物と反応して発色せず、かつ、熱が付与されると上述した電子受容性化合物と反応して発色するものである。
なお、前記保管時とは、上述と同様の期間をいう。
前記電子供与性無色染料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリフェニルメタンフタリド、インドリルフタリドなどのフタリド系発色団)、フルオラン系発色団、フェノチアジン系発色団、ロイコオーラミン系発色団、ローダミンラクタム系発色団、トリフェニルメタン系発色団、トリアゼン系発色団、スピロピラン系発色団、ピリジン系発色団、ピラジン系発色団、フルオレン系発色団などを有するものが挙げられる。
中でも、発色性と色相の点で、フタリド系発色団、フルオラン系発色団、及びフェノチアジン系発色団の少なくともいずれかを有するものが好ましい。
前記電子供与性無色染料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記フタリド系発色団を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、米国再発行特許第23,024号、米国特許第3,491,111号、同第3,491,112号、同第3,491,116号、及び同第3,509,174号に記載の化合物が挙げられる。具体的には、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジエチルアミノ−o−ブトキシフェニル)−4−アザフタリド、3−(p−ジエチルアミノ−o−ブトキシフェニル)−3−(1−ペンチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(p−ジプロピルアミノ−o−メチルフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−5−アザ(又は−6−アザ、又は−7−アザ)フタリド、などが挙げられる。
前記フルオラン系発色団を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、米国特許第3,624,107号、同第3,627,787号、同第3,641,011号、同第3,462,828号、同第3,681,390号、同第3,920,510号、同第3,959,571号に記載の化合物が挙げられる。具体的には、2−(ジベンジルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−イソアミルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−イソブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−6−ジブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ピペリジノアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(3,4−ジクロルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、などが挙げられる。
前記フェノチアジン系発色団を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベンゾイルロイコンメチレンブルー、p−ニトロベンジルロイコメチレンブルー、などが挙げられる。
前記ロイコオーラミン系発色団を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、4,4’−ビス−ジメチルアミノベンズヒドリンベンジルエーテル、N−ハロフェニル−ロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン、などが挙げられる。
前記ローダミンラクタム系発色団を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ローダミン−B−アニリノラクタム、ローダミン−(p−ニトリノ)ラクタム、などが挙げられる。
前記スピロピラン系発色団を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、米国特許第3,971,808号に記載の化合物が挙げられる。具体的には、3−メチル−スピロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフトピラン、3,3’−ジクロロ−スピロ−ジナフトピラン、3−ベンジルスピロ−ジナフトピラン、3−メチル−ナフト−(3−メトキシ−ベンゾ)スピロピラン、3−プロピル−スピロ−ジベンゾピラン、などが挙げられる。
前記ピリジン系発色団を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、米国特許第3,775,424号、同第3,853,869号、同第4,246,318号に記載の化合物が挙げられる。
前記ピラジン系発色団を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、米国特許第3,775,424号、同第3,853,869号、同第4,246,318号に記載の化合物が挙げられる。
前記フルオレン系発色団を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開昭63−94878号等に記載の化合物が挙げられる。
前記電子供与性無色染料は、マイクロカプセルに内包されていてもよいし、内包されていなくてもよいが、保存時の発色カブリを抑制できる点で、マイクロカプセルに内包されていることが好ましい。
前記マイクロカプセルは、そのカプセル壁が、多官能イソシアネート化合物の重合により得られるポリマーからなる。
前記多官能イソシアネート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開平10−114153号公報などの記載を参考にすることができる。
前記多官能イソシアネート化合物の重合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、分子中に2以上の活性水素原子を有する化合物との反応で行なわれることが好ましい。
前記分子中に2以上の活性水素原子を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水;エチレングリコール、グリセリン、などの多価アルコール系化合物;エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、などの多価アミン系化合物など、又はこれらの混合物などが挙げられる。中でも、水が好ましい。また、必要に応じて、水と、アルコール、アミン類とを併用してもよい。これにより、カプセル壁(ポリウレタン/ポリウレア壁)が形成される。
前記マイクロカプセルの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、界面重合法、内部重合法、外部重合法などが挙げられる。中でも、前記電子供与性無色染料を、水溶性高分子を溶解した水溶液中で乳化した後、その油滴の周囲に高分子物質の壁を形成させるという界面重合法が好ましい。前記高分子物質を形成するリアクタントは、前記油滴の内部、及び油滴の外部の少なくともいずれかに添加される。
また、マイクロカプセル複合壁の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開昭58─66948号公報に記載の方法、などが挙げられる。
前記電子供与性無色染料をマイクロカプセル化する場合、前記電子供与性無色染料を有機溶剤に溶解させて使用することが好ましい。
前記有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、酢酸エチル、酢酸メチル、四塩化炭素、クロロホルム、メタノール、エタノール、n−ブタノール、ジオキサン、アセトン、ベンゼン、などの低沸点溶剤が好ましい。このような有機溶剤については、特開平4−19778号公報に詳細に記載されている。
前記マイクロカプセル壁には、必要に応じて金属含有染料、ニグロシン等の電荷調節剤その他の添加剤を加えることもできる。前記添加剤は、壁形成前、又は壁形成時、など任意の時点で添加することができる。
前記マイクロカプセルは、熱や圧力によって破壊するものではなく、マイクロカプセル壁がガラス転移温度以上に加熱された場合に該壁の物質透過性が増大し、マイクロカプセルの芯、及び外に含有されている発色成分がマイクロカプセル壁を透過し、発色する熱感度制御作用を有するものである。
前記マイクロカプセルのガラス転移温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50℃〜500℃が好ましく、100℃〜300℃がより好ましく、150℃〜200℃が特に好ましい。前記マイクロカプセルのガラス転移温度が、50℃以上であると、保管時のカブリを抑制することができ、500℃以下であると高温処理を行うことで発色させることができる。また、前記マイクロカプセルのガラス転移温度が、前記特に好ましい範囲であると、保存性と発色性の点で有利である。
なお、前記マイクロカプセル壁のガラス転移温度は、公知の高分子物質ガラス転移温度測定器を用いて測定することができる。
前記マイクロカプセルを、前記感光性組成物に用いるためには、溶剤置換を行うことが好ましい。前記溶剤置換を行わないと、他の感光性素材と混合できないことがある。一方、前記溶剤置換を行うと、他の感光性素材と良好に混合することができる点で有利である。
前記溶剤置換の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、反応に供した水を蒸発させ、有機溶剤でカプセルを再分散する方法が挙げられる。
前記有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトンなどが挙げられる。
前記電子供与性無色染料の粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、体積平均粒径で1.5μm以下が好ましく、0.5μm〜1.0μmがより好ましい。前記体積平均粒径が、1.5μm以下であると、熱感度が低下することがない。前記体積平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定器(例えば、LA500(ホリバ(株)製)等によって容易に測定することができる。
前記電子供与性無色染料の前記感光性組成物中の固形分含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1質量%〜10質量%が好ましく、1質量%〜5質量%がより好ましい。該固形分含有量が、0.1質量%以上であると、充分な発色を得ることができ、10質量%以下であると、感材層の感度低下を引き起こさない。
(その他の成分)
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エポキシ化合物、増感剤、熱重合禁止剤、着色顔料、フィラー、密着促進剤、及び界面活性剤、などが挙げられる。
−エポキシ化合物−
前記エポキシ化合物は、前記感光性組成物を用いて形成される感光層の硬化後の膜強度を改良するために、現像性などに悪影響を与えない範囲で用いることができる。
前記エポキシ化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1分子内に少なくとも2つのエポキシ基(オキシラン環)を有するエポキシ化合物(オキシラン化合物)などが挙げられる。
前記1分子中に少なくとも2つのエポキシ基を有するエポキシ化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビキシレノール型もしくはビフェノール型エポキシ樹脂(「YX4000ジャパンエポキシレジン社製」等)又はこれらの混合物、イソシアヌレート骨格等を有する複素環式エポキシ樹脂(「TEPIC;日産化学工業社製」、「アラルダイトPT810;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製」等)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾ−ルノボラック型エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂(例えば、低臭素化エポキシ樹脂、高ハロゲン化エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂など)、アリル基含有ビスフェノールA型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジフェニルジメタノール型エポキシ樹脂、フェノールビフェニレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(「HP−7200,HP−7200H;大日本インキ化学工業社製」等)、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(ジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジグリシジルアニリン、トリグリシジルアミノフェノール等)、グリジジルエステル型エポキシ樹脂(フタル酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステル等)ヒダントイン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ジシクロペンタジエンジエポキシド、「GT−300、GT−400、ZEHPE3150;ダイセル化学工業製」等)、イミド型脂環式エポキシ樹脂、トリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、グリシジルフタレート樹脂、テトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂、ナフタレン基含有エポキシ樹脂(ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、4官能ナフタレン型エポキシ樹脂、市販品としては「ESN−190,ESN−360;新日鉄化学社製」、「HP−4032,EXA−4750,EXA−4700;大日本インキ化学工業社製」等)、フェノール化合物とジビニルベンゼンやジシクロペンタジエン等のジオレフィン化合物との付加反応によって得られるポリフェノール化合物と、エピクロルヒドリンとの反応物、4−ビニルシクロヘキセン−1−オキサイドの開環重合物を過酢酸等でエポキシ化したもの、線状含リン構造を有するエポキシ樹脂、環状含リン構造を有するエポキシ樹脂、α―メチルスチルベン型液晶エポキシ樹脂、ジベンゾイルオキシベンゼン型液晶エポキシ樹脂、アゾフェニル型液晶エポキシ樹脂、アゾメチンフェニル型液晶エポキシ樹脂、ビナフチル型液晶エポキシ樹脂、アジン型エポキシ樹脂、グリシジルメタアクリレート共重合系エポキシ樹脂(「CP−50S,CP−50M;日本油脂社製」等)、シクロヘキシルマレイミドとグリシジルメタアクリレートとの共重合エポキシ樹脂、ビス(グリシジルオキシフェニル)フルオレン型エポキシ樹脂、ビス(グリシジルオキシフェニル)アダマンタン型エポキシ樹脂などが挙げられるが、これらに限られるものではない。これらのエポキシ樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記1分子中に少なくとも2つのエポキシ基を有するエポキシ化合物におけるエポキシ基としては、β位にアルキル基を有していてもよく、β位がアルキル基で置換されたエポキシ基(より具体的には、β−アルキル置換グリシジル基など)が特に好ましい。
前記β位にアルキル基を有するエポキシ基を少なくとも含むエポキシ化合物は、1分子中に含まれる2個以上のエポキシ基のすべてがβ−アルキル置換グリシジル基であってもよく、少なくとも1個のエポキシ基がβ−アルキル置換グリシジル基であってもよい。
前記β位にアルキル基を有するエポキシ基を含むエポキシ化合物は、室温における保存安定性の観点から、前記感光性組成物中に含まれる前記エポキシ化合物全量中における、全エポキシ基中のβ−アルキル置換グリシジル基の割合が、30%以上であるのが好ましく、40%以上であるのがより好ましく、50%以上であるのが特に好ましい。
前記β−アルキル置換グリシジル基としては、特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、β−メチルグリシジル基、β−エチルグリシジル基、β−プロピルグリシジル基、β−ブチルグリシジル基、などが挙げられ、これらの中でも、前記感光性組成物の保存安定性を向上させる観点、及び合成の容易性の観点から、β−メチルグリシジル基が好ましい。
前記β位にアルキル基を有するエポキシ基を含むエポキシ化合物としては、例えば、多価フェノール化合物とβ−アルキルエピハロヒドリンとから誘導されたエポキシ化合物が好ましい。
前記β−アルキルエピハロヒドリンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、β−メチルエピクロロヒドリン、β−メチルエピブロモヒドリン、β−メチルエピフロロヒドリン等のβ−メチルエピハロヒドリン;β−エチルエピクロロヒドリン、β−エチルエピブロモヒドリン、β−エチルエピフロロヒドリン等のβ−エチルエピハロヒドリン;β−プロピルエピクロロヒドリン、β−プロピルエピブロモヒドリン、β−プロピルエピフロロヒドリン等のβ−プロピルエピハロヒドリン;β−ブチルエピクロロヒドリン、β−ブチルエピブロモヒドリン、β−ブチルエピフロロヒドリン等のβ−ブチルエピハロヒドリン;などが挙げられる。これらの中でも、前記多価フェノールとの反応性及び流動性の観点から、β−メチルエピハロヒドリンが好ましい。
前記多価フェノール化合物としては、1分子中に2個以上の芳香族性水酸基を含有する化合物であれば、特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール化合物、ビフェノール、テトラメチルビフェノール等のビフェノール化合物、ジヒドロキシナフタレン、ビナフトール等のナフトール化合物、フェノール−ホルムアルデヒド重縮合物等のフェノールノボラック樹脂、クレゾール−ホルムアルデヒド重縮合物等の炭素数1〜10のモノアルキル置換フェノール−ホルムアルデヒド重縮合物、キシレノール−ホルムアルデヒド重縮合物等の炭素数1〜10のジアルキル置換フェノール−ホルムアルデヒド重縮合物、ビスフェノールA−ホルムアルデヒド重縮合物等のビスフェノール化合物−ホルムアルデヒド重縮合物、フェノールと炭素数1〜10のモノアルキル置換フェノールとホルムアルデヒドとの共重縮合物、フェノール化合物とジビニルベンゼンの重付加物などが挙げられる。これらの中でも、例えば、流動性及び保存安定性を向上させる目的で選択する場合には、前記ビスフェノール化合物が好ましい。
前記β位にアルキル基を有するエポキシ基を含むエポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールAのジ−β−アルキルグリシジルエーテル、ビスフェノールFのジ−β−アルキルグリシジルエーテル、ビスフェノールSのジ−β−アルキルグリシジルエーテル等のビスフェノール化合物のジ−β−アルキルグリシジルエーテル;ビフェノールのジ−β−アルキルグリシジルエーテル、テトラメチルビフェノールのジ−β−アルキルグリシジルエーテル等のビフェノール化合物のジ−β−アルキルグリシジルエーテル;ジヒドロキシナフタレンのジ−β−アルキルグリシジルエーテル、ビナフトールのジ−β−アルキルグリシジルエーテル等のナフトール化合物のβ−アルキルグリシジルエーテル;フェノール−ホルムアルデヒド重縮合物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテル;クレゾール−ホルムアルデヒド重縮合物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテル等の炭素数1〜10のモノアルキル置換フェノール−ホルムアルデヒド重縮合物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテル;キシレノール−ホルムアルデヒド重縮合物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテル等の炭素数1〜10のジアルキル置換フェノール−ホルムアルデヒド重縮合物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテル;ビスフェノールA−ホルムアルデヒド重縮合物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテル等のビスフェノール化合物−ホルムアルデヒド重縮合物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテル;フェノール化合物とジビニルベンゼンの重付加物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテル;などが挙げられる。
これらの中でも、下記一般式(F−1)で表されるビスフェノール化合物、及びこれとエピクロロヒドリンなどから得られる重合体から誘導されるβ−アルキルグリシジルエーテル、及び下記一般式(F−2)で表されるフェノール化合物−ホルムアルデヒド重縮合物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテルが好ましい。
ただし、前記一般式(F−1)中、Rは、水素原子及び炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを表す。nは、0〜20いずれかの整数を表す。
ただし、前記一般式(F−2)中、Rは、水素原子及び炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを表す。R”は、水素原子、及びCHのいずれかを表し、nは、0〜20のいずれかの整数を表す。
これらβ位にアルキル基を有するエポキシ基を含むエポキシ化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、1分子中に少なくとも2つのエポキシ基(オキシラン環)を有するエポキシ化合物、及びβ位にアルキル基を有するエポキシ基を含むエポキシ化合物を併用することも可能である。
前記エポキシ化合物の骨格としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式基含有型エポキシ樹脂、及び難溶性エポキシ樹脂から選択される少なくとも1種が好ましい。
前記エポキシ化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、感光性組成物中の全固形分に対して、1質量%〜50質量%が好ましく、3質量%〜30質量%がより好ましい。該含有量が1質量%以上であると、硬化膜の膜強度の向上が認められ、50質量%以下であると、現像性の低下や露光感度の低下を生ずることがない。
−増感剤−
前記増感剤としては、特に制限はなく、公知の増感剤の中から適宜選択することができるが、例えば、ヘテロ縮環系化合物が好ましい。前記ヘテロ縮環系化合物とは、環の中にヘテロ元素を有する多環式化合物を意味し、前記環の中に、窒素原子を含むのが好ましい。前記ヘテロ縮環系化合物としては、例えば、ヘテロ縮環系ケトン化合物、キノリン化合物、アクリジン化合物が挙げられる。
前記ヘテロ縮環系ケトン化合物としては、具体的には、例えば、アクリドン、クロロアクリドン、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン、N−ブチル−クロロアクリドン、などのアクリドン化合物;3−(2−ベンゾフロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−ベンゾフロイル)−7−(1−ピロリジニル)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−メトキシベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジ−n−プロポキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−(2−フロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジエチルアミノシンナモイル)−7−ジエチルアミノクマリン、7−メトキシ−3−(3−ピリジルカルボニル)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジプロポキシクマリン、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン、チオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロピルオキシチオキサントン、QuantacureQTXなどのチオキサントン化合物、また、特開平5−19475号、特開平7−271028号、特開2002−363206号、特開2002−363207号、特開2002−363208号、特開2002−363209号公報等に記載のクマリン化合物、などのクマリン類;などが挙げられる。これらの中でも、アクリドン化合物、チオキサントン化合物が特に好適に挙げられる。
前記キノリン化合物としては、具体的には、例えば、キノリン、9−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロキノリン−2−オン、9−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン−2−オン、9−ジブチルアミノ−1,2−ジヒドロキノリン−2−オン、8−ヒドロキシキノリン、8−メルカプトキノリン、キノリン−2−カルボン酸、などが挙げられる。
前記アクリジン化合物としては、具体的には、例えば、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン、などが挙げられる。これらヘテロ縮環系化合物の中でも、環の中に窒素元素を含有するものがより好ましい。前記環内に窒素元素を含有するものとしては、前記アクリジン化合物、アミノ基により置換されたクマリン化合物、アクリドン化合物、などが好適に挙げられる。この中でも前記アクリドン、アミノ基により置換されたクマリン、9−フェニルアクリジン、などが更に好ましく、これらの中でも、前記アクリドンが特に好ましい。
また公知の多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、インドカルボシアニン、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、などが挙げられる。
前記増感剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、感光性組成物の全固形分に対し、0.01質量%〜4質量%が好ましく、0.02質量%〜2質量%がより好ましく、0.05質量%〜1質量%が特に好ましい。
前記含有量が、0.01質量%以上であると、感度が低下することがなく、4質量%以下であると、パターンの形状が悪化することがない。
前記感光性組成物における前記増感剤の含有量と、光重合開始剤の含有量との質量比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、〔増感剤/光重合開始剤〕=1/0.1〜1/100であることが好ましく、1/1〜1/50であることがより好ましい。
前記増感剤の含有量と、前記光重合開始剤の含有量との質量比が、上記の範囲内であると、感度が低下することがなく、また、感度の経時変化が悪化することがない。
−熱重合禁止剤−
前記熱重合禁止剤は、前記重合性化合物の熱的な重合又は経時的な重合を防止するために添加してもよい。
前記熱重合禁止剤としては、例えば、4−メトキシフェノール、ハイドロキノン、アルキルまたはアリール置換ハイドロキノン、t−ブチルカテコール、ピロガロール、2−ヒドロキシベンゾフェノン、4−メトキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、塩化第一銅、フェノチアジン、クロラニル、ナフチルアミン、β−ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−4−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ピリジン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、ピクリン酸、4−トルイジン、メチレンブルー、銅と有機キレート剤反応物、サリチル酸メチル、及びフェノチアジン、ニトロソ化合物、ニトロソ化合物とAlとのキレート等が挙げられる。
前記熱重合禁止剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、感光性組成物の全固形分に対し、0.01質量%〜20質量%が好ましく、0.05質量%〜5質量%がより好ましく、0.1質量%〜1質量%が特に好ましい。
前記含有量が、0.01質量%以上であると、メッキ処理時のレジストの密着性が低下することがなく、20質量%以下であると、解像性が低下することがない。
−着色顔料−
前記着色顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フタロシアニングリーン、ビクトリア・ピュアーブルーBO(C.I.42595)、オーラミン(C.I.41000)、ファット・ブラックHB(C.I.26150)、モノライト・エローGT(C.I.ピグメント・エロー12)、パーマネント・エローGR(C.I.ピグメント・エロー17)、パーマネント・エローHR(C.I.ピグメント・エロー83)、パーマネント・カーミンFBB(C.I.ピグメント・レッド146)、ホスターバームレッドESB(C.I.ピグメント・バイオレット19)、パーマネント・ルビーFBH(C.I.ピグメント・レッド11)ファステル・ピンクBスプラ(C.I.ピグメント・レッド81)モナストラル・ファースト・ブルー(C.I.ピグメント・ブルー15)、モノライト・ファースト・ブラックB(C.I.ピグメント・ブラック1)、カーボン、C.I.ピグメント・レッド97、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド149、C.I.ピグメント・レッド168、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド180、C.I.ピグメント・レッド192、C.I.ピグメント・レッド215、C.I.ピグメント・グリーン7、C.I.ピグメント・グリーン36、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:4、C.I.ピグメント・ブルー15:6、C.I.ピグメント・ブルー22、C.I.ピグメント・ブルー60、C.I.ピグメント・ブルー64などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、必要に応じて、公知の染料の中から、適宜選択した染料を使用することができる。
前記感光性組成物における前記着色顔料の含有量としては、特に制限はなく、永久パターン形成の際の感光層の露光感度、解像性などを考慮して決めることができ、前記着色顔料の種類により異なるが、一般的には0.05質量%〜10質量%が好ましく、0.1質量%〜5質量%がより好ましい。
−フィラー−
前記フィラーとしては、例えば、無機顔料、有機微粒子がある。
前記無機顔料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、カオリン、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素粉、微粉状酸化ケイ素、気相法シリカ、無定形シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、球状シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、マイカなどが挙げられる。
前記無機顔料の平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10μm未満が好ましく、3μm以下がより好ましい。該平均粒径が10μm未満であると、光錯乱により解像度が劣化することがない。
前記有機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、架橋ポリスチレン樹脂などが挙げられる。また、平均粒径1μm〜5μm、吸油量100m/g〜200m/g程度のシリカ、架橋樹脂からなる球状多孔質微粒子などを用いることができる。
前記フィラーの添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記感光性組成物に対して、5質量%〜60質量%が好ましい。該添加量が5質量%以上であると、十分に線膨張係数を低下させることができ、60質量%以下であると、感光層表面に硬化膜を形成した場合に、該硬化膜の膜質が脆くなることがなく、永久パターンを用いて配線を形成する場合において、配線の保護膜としての機能が損なわれることがない。
−密着促進剤−
前記密着促進剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開平5−11439号公報、特開平5−341532号公報、及び特開平6−43638号公報などに記載の密着促進剤が好適挙げられる。具体的には、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトベンズチアゾール、3−モルホリノメチル−1−フェニル−トリアゾール−2−チオン、3−モルホリノメチル−5−フェニル−オキサジアゾール−2−チオン、5−アミノ−3−モルホリノメチル−チアジアゾール−2−チオン、及び2−メルカプト−5−メチルチオ−チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、シランカップリング剤などが挙げられる。
前記密着促進剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記感光性組成物の全固形分に対して0.001質量%〜20質量%が好ましく、0.01質量%〜10質量%がより好ましく、0.1質量%〜5質量%が特に好ましい。
〔感光性フィルム〕
本発明の感光性フィルムは、支持体上に、感光性組成物からなる感光層が積層されてなる。好ましくは、前記感光層上に保護層が積層されてなり、更に必要に応じて、クッション層、酸素遮断層(PC層)等のその他の層が積層されてなる。
前記感光性フィルムの形態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記支持体上に、前記感光層、前記保護層をこの順に有してなる形態、等が挙げられる。なお、前記感光層は、単層であってもよいし、複数層であってもよい。
<感光層>
前記感光層の前記感光性フィルムにおいて設けられる箇所としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、通常、前記支持体上に積層される。
前記感光層は、後述する露光工程において、光照射手段からの光を受光し出射する描素部をn個有する光変調手段により、前記光照射手段からの光を変調させた後、前記描素部における出射面の歪みによる収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズを配列したマイクロレンズアレイを通した光で、露光されるのが好ましい。
前記感光層を露光し現像する場合において、該感光層の露光する部分の厚みを該露光及び現像後において変化させない前記露光に用いる光の最小エネルギーは、100mJ/cm以下であることが好ましく、70mJ/cm以下であることがより好ましい。前記露光に用いる光の最小エネルギーが、100mJ/cm以下であると、タクト時間が長くないため好ましい。
ここで、「該感光層の露光する部分の厚みを該露光及び現像後において変化させない前記露光に用いる光の最小エネルギー」とは、いわゆる現像感度であり、例えば、前記感光層を露光したときの前記露光に用いた光のエネルギー量(露光量)と、前記露光に続く前記現像処理により生成した前記硬化層の厚みとの関係を示すグラフ(感度曲線)から求めることができる。
前記硬化層の厚みは、前記露光量が増えるに従い増加していき、その後、前記露光前の前記感光層の厚みと略同一且つ略一定となる。前記現像感度は、前記硬化層の厚みが略一定となったときの最小露光量を読み取ることにより求められる値である。
ここで、前記硬化層の厚みと前記露光前の前記感光層の厚みとが±1μm以内であるとき、前記硬化層の厚みが露光及び現像により変化していないとみなす。
前記硬化層及び前記露光前の前記感光層の厚みの測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、膜厚測定装置、表面粗さ測定機(例えば、サーフコム1400D(東京精密社製))等を用いて測定する方法が挙げられる。
前記感光層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、3μm〜100μmが好ましく、5μm〜70μmがより好ましい。
前記感光層の形成方法としては、前記支持体の上に、本発明の前記感光性組成物を、水又は溶剤に溶解、乳化又は分散させて感光性組成物溶液を調製し、該溶液を直接塗布し、乾燥させることにより積層する方法が挙げられる。
前記感光性組成物溶液の溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、ノルマル−プロパノール、イソプロパノール、ノルマル−ブタノール、セカンダリーブタノール、ノルマル−ヘキサノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−ノルマル−アミル、硫酸メチル、プロピオン酸エチル、フタル酸ジメチル、安息香酸エチル、及びメトキシプロピルアセテート等のエステル類;トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;四塩化炭素、トリクロロエチレン、クロロホルム、1,1,1−トリクロロエタン、塩化メチレン、モノクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキサイド、スルホラン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、公知の界面活性剤を添加してもよい。
前記塗布の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スピンコーター、スリットスピンコーター、ロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター等を用いて、前記支持体に直接塗布する方法が挙げられる。
前記乾燥の条件としては、各成分、溶媒の種類、使用割合等によっても異なるが、通常60℃〜110℃の温度で30秒間〜15分間程度である。
本発明において、前記感光層は、バインダーと、光重合開始剤と、重合性化合物と、電子受容性化合物と、電子供与性無色染料とを含有してなる感光性組成物により形成され、更に必要に応じて、その他の成分を含有する感光性組成物により形成される。
<支持体>
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記感光層を剥離可能であり、且つ光の透過性が良好であるものが好ましく、更に表面の平滑性が良好であることがより好ましい。
前記支持体は、合成樹脂製で、且つ透明であるものが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、三酢酸セルロース、二酢酸セルロース、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリスチレン、セロファン、ポリ塩化ビニリデン共重合体、ポリアミド、ポリイミド、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリテトラフロロエチレン、ポリトリフロロエチレン、セルロース系フィルム、ナイロンフィルム等の各種のプラスチックフィルムが挙げられ、これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記支持体の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、2μm〜150μmが好ましく、5μm〜100μmがより好ましく、8μm〜50μmが特に好ましい。前記支持体は、単層であってもよいし、多層構成を有していてもよい。
前記支持体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、長尺状が好ましい。前記長尺状の支持体の長さは、特に制限はなく、例えば、10m〜20,000mの長さのものが挙げられる。
<保護層>
前記感光性フィルムは、前記感光層上に保護層を形成してもよい。
前記保護層としては、例えば、前記支持体に使用されるもの、紙、ポリエチレン、ポリプロピレンがラミネートされた紙、等が挙げられ、これらの中でも、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムが好ましい。
前記保護層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5μm〜100μmが好ましく、8μm〜50μmがより好ましく、10μm〜30μmが特に好ましい。
前記支持体と保護層との組合せ(支持体/保護層)としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン、ポリ塩化ビニル/セロフアン、ポリイミド/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。また、支持体及び保護層の少なくともいずれかを表面処理することにより、層間接着力を調整することができる。前記支持体の表面処理は、前記感光層との接着力を高めるために施されてもよく、例えば、下塗層の塗設、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、高周波照射処理、グロー放電照射処理、活性プラズマ照射処理、レーザ光線照射処理などを挙げることができる。
また、前記支持体と前記保護層との静摩擦係数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.3〜1.4が好ましく、0.5〜1.2がより好ましい。
前記静摩擦係数が、0.3以上であると、滑り過ぎず、ロール状にした場合に巻ズレが発生することがなく、1.4以下であると、良好なロール状に巻くことが困難となることがない。
前記感光性フィルムは、例えば、円筒状の巻芯に巻き取って、長尺状でロール状に巻かれて保管されることが好ましい。前記長尺状の感光性フィルムの長さは、特に制限はなく、例えば、10m〜20,000mの範囲から適宜選択することができる。また、ユーザーが使いやすいようにスリット加工し、100m〜1,000mの範囲の長尺体をロール状にしてもよい。なお、この場合には、前記支持体が一番外側になるように巻き取られることが好ましい。また、前記ロール状の感光性フィルムをシート状にスリットしてもよい。保管の際、端面の保護、エッジフュージョンを防止する観点から、端面にはセパレーター(特に防湿性のもの、乾燥剤入りのもの)を設置することが好ましく、また梱包も透湿性の低い素材を用いることが好ましい。
前記保護層は、前記保護層と前記感光層との接着性を調整するために表面処理してもよい。前記表面処理は、例えば、前記保護層の表面に、ポリオルガノシロキサン、弗素化ポリオレフィン、ポリフルオロエチレン、ポリビニルアルコール等のポリマーからなる下塗層を形成させる。該下塗層の形成は、前記ポリマーの塗布液を前記保護層の表面に塗布した後、30℃〜150℃で1分間〜30分間乾燥させることにより形成させることができる。前記乾燥させる際の温度は、50℃〜120℃が特に好ましい。
<その他の層>
前記感光性フィルムにおけるその他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クッション層、酸素遮断層(PC層)、剥離層、接着層、光吸収層、表面保護層などの層を有してもよい。これらの層を1種単独で有していてもよく、2種以上を有していてもよい。また、前記感光層上に保護層を有していてもよい。
<感光性フィルムの製造方法>
前記感光性フィルムは、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、前記感光性組成物に含まれる材料を、水又は溶剤に溶解、乳化又は分散させて、感光性フィルム用の感光性組成物溶液を調製する。
前記溶媒としては、前記感光性組成物溶液の溶剤と同様のものが挙げられる。
次に、前記支持体上に前記感光性組成物溶液を塗布し、乾燥させて感光層を形成し、感光性フィルムを製造することができる。
前記感光性組成物溶液の塗布方法としては、上述した方法が挙げられる。
前記感光性フィルムは、前記感光性組成物を用いるため、耐めっき性、感度、現像性、及び密着性が良好であり、保護膜、層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターン等の永久パターン、等の各種パターン形成用、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁などの液晶構造部材の製造用、ホログラム、マイクロマシン、プルーフ等のパターン形成用などに好適に用いることができ、特に、プリント基板の永久パターン形成用に好適に用いることができる。
特に、前記感光性フィルムは、該フィルムの厚みが均一であるため、永久パターンの形成に際し、永久パターン(保護膜、層間絶縁膜、ソルダーレジスト等)を薄層化しても、高加速度試験(HAST)においてデンドライトの発生がなく、耐熱性、耐湿性に優れた高精細な永久パターンが得られるため、基材への積層がより精細に行われる。
〔感光性積層体〕
前記感光性積層体は、基体上に、前記感光層を少なくとも有し、目的に応じて適宜選択されるその他の層を積層してなる。
<基体>
前記基体は、感光層が形成される被処理基体、又は本発明の感光性フィルムの少なくとも感光層が転写される被転写体となるもので、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、表面平滑性の高いものから凸凹のある表面を持つものまで任意に選択できる。板状の基体が好ましく、いわゆる基板が使用される。具体的には、公知のプリント配線板製造用の基板(プリント基板)、ガラス板(ソーダガラス板など)、合成樹脂性のフィルム、紙、金属板などが挙げられる。
<感光性積層体の製造方法>
前記感光性積層体の製造方法として、第1の態様として、前記感光性組成物を前記基体の表面に塗布し乾燥する方法が挙げられ、第2の態様として、前記感光性フィルムにおける少なくとも感光層を加熱及び加圧の少なくともいずれかを行いながら転写して積層する方法が挙げられる。
前記第1の態様の感光性積層体の製造方法は、前記基体上に、前記感光性組成物を塗布及び乾燥して感光層を形成する。
前記塗布及び乾燥の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記基体の表面に、前記感光性組成物を、水又は溶剤に溶解、乳化又は分散させて感光性組成物溶液を調製し、該溶液を直接塗布し、乾燥させることにより積層する方法が挙げられる。
前記塗布方法及び乾燥条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記感光性フィルムに用いたものと同じ方法及び条件で行う。
前記第2の態様の感光性積層体の製造方法は、前記基体の表面に本発明の感光性フィルムを加熱及び加圧の少なくともいずれかを行いながら積層する。なお、前記感光性フィルムが前記保護層を有する場合には、該保護層を剥離し、前記基体に前記感光層が重なるようにして積層するのが好ましい。
前記加熱温度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、15℃〜180℃が好ましく、60℃〜140℃がより好ましい。
前記加圧の圧力は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.1MPa〜1.0MPaが好ましく、0.2MPa〜0.8MPaがより好ましい。
前記加熱の少なくともいずれかを行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラミネーター(例えば、大成ラミネータ社製 VP−II、ニチゴーモートン(株)製 VP130)などが好適に挙げられる。
前記感光性フィルム及び前記感光性積層体は、前記感光性組成物を用いるため、感度、現像性、及び密着性が良好で、高精細な永久パターンを効率よく形成可能であり、保護膜、層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターン等の永久パターン、などの各種パターン形成用、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁などの液晶構造部材の製造用、ホログラム、マイクロマシン、プルーフなどのパターン形成用などに好適に用いることができ、特に、プリント基板の永久パターン形成用に好適に用いることができる。
特に、前記感光性フィルムは、厚みが均一であるため、永久パターンの形成に際し、永久パターン(保護膜、層間絶縁膜、ソルダーレジストなど)を薄層化しても、高度加速寿命試験(HAST)においてデンドライトの発生がなく、耐熱性、耐湿性に優れた高精細な永久パターンが得られるため、基材への積層がより精細に行われる。
〔永久パターン形成方法〕
前記永久パターン形成方法は、露光工程を少なくとも含み、適宜選択した現像工程等のその他の工程を含む。
なお、パターン形成装置は、前記パターン形成方法の説明を通じて明らかにするが、前記感光性積層体を備えており、光照射手段と光変調手段とを少なくとも有する。
<露光工程>
前記露光工程は、本発明の感光性組成物における感光層に対し、露光を行う工程である。本発明の前記感光性組成物、及び基体の材料については上述の通りである。
前記露光の対象としては、前記感光性組成物における感光層である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上述のように、基体上に感光性組成物を加熱及び加圧の少なくともいずれかを行いながら積層して形成した積層体に対して行われることが好ましい。
前記露光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、デジタル露光、アナログ露光等が挙げられるが、これらの中でもデジタル露光が好ましい。
前記アナログ露光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、所定のパターンを有するフォトマスクを介して、(超)高圧水銀灯、キセノンランプ、ハロゲンランプなどで露光を行なう方法が挙げられる。
前記デジタル露光としては、前記フォトマスクを用いずに行なうのであれば特に制限はないが、例えば、光照射手段及び光変調手段を少なくとも備えた露光ヘッドと、前記感光層の少なくともいずれかを移動させつつ、前記感光層に対して、前記光照射手段から出射した光を前記光変調手段によりパターン情報に応じて変調しながら前記露光ヘッドから照射して行なうことが好ましい。
前記デジタル露光では、紫外から近赤外線を発する光源であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(超)高圧水銀灯、キセノン灯、カーボンアーク灯、ハロゲンランプ、複写機用などの蛍光管、レーザ等の公知光源が用いられるが、好ましい光源は(超)高圧水銀灯、レーザであり、より好ましい光源はレーザである。
(超)高圧水銀灯とは、石英ガラスチューブなどに水銀を封入した放電灯であり水銀の蒸気圧を高く設定して発光効率を高めたものである。輝線スペクトルのうち、NDフィルターなどを用いて1波長のみの輝線スペクトルを用いてもよく、複数の輝線スペクトルを有する光線を用いてもよい。
レーザは、Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation(誘導放出による光の増幅)の頭字語である。反転分布を持った物質中で起きる誘導放出の現象を利用し、光波の増幅、発振によって干渉性と指向性が一層強い単色光を作り出す発振器及び増幅器。励起媒質として結晶、ガラス、液体、色素、気体などあり、これらの媒質から固体レーザ、液体レーザ、気体レーザ、半導体レーザなどの公知のレーザを前記波長領域において用いることができる。
具体的には、ガスレーザとして、Arイオンレーザ(364nm、351nm)、Krイオンレーザ(356nm、351nm)、He−Cdレーザ(325nm)、固体レーザとして、YAGレーザ、YVO4 レーザ(1064nm)、及びYAG、YVO4 レーザの2倍波(532nm)、3倍波(355nm)、4倍波(266nm)、導波型波長変換素子とAlGaAs、InGaAs半導体の組み合わせ(380nm〜400nm)、導波型波長変換素子とAlGaInP、AlGaAs半導体の組み合わせ(300nm〜350nm)、AlGaInN(350nm〜470nm)などを挙げることができ、これらの中で好適なレーザは、コストの面でAlGaInN半導体レーザ(市販InGaN系半導体レーザ375nmまたは405nm)、生産性の面で高出力な355nmレーザである。
前記紫外から近赤外線の波長としては、例えば、300nm〜1,500nmが好ましく、320nm〜800nmがより好ましく、330nm〜650nmが特に好ましい。
前記レーザ光の波長としては、例えば、200nm〜1,500nmが好ましく、300nm〜800nmがより好ましく、330nm〜500nmが更に好ましく、350nm〜420nmが特に好ましい。
<光変調手段>
前記光変調手段の代表的な方法について説明する。
その内のひとつは、n個の描素部を有し、前記パターン情報に応じて前記描素部を制御する方法である。例えば、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)タイプの空間光変調素子(SLM;Space Light Modulator)、電気光学効果により透過光を変調する光学素子(PLZT素子)、液晶光シャッタ(FLC)などが挙げられ、これらの中でもDMDが好適に挙げられる。
前記DMDを用いた場合、光源からの光は、適切な光学系によって前記DMD上に照射され、前記DMDに二次元に並んだ各ミラーからの反射光が、別の光学系などを経て、感光層上に、二次元に並んだ光点の像を形成する。このままでは光点と光点の間は露光されないが、前記二次元に並んだ光点の像を、二次元の並び方向に対して、やや傾いた方向に移動させると、最初の列の光点と光点の間を、後方の列の光点が露光する、という形で、感光層の全面を露光することができる。前記DMDの各ミラーの角度を制御し、前記光点をON−OFFすることで、画像パターンを形成することができる。このような前記DMDを有す露光ヘッドを並べて用いることで色々な幅の基板に対応することができる。
前記DMDでは、前記光点の輝度は、ONかOFFの2階調しかないが、ミラー階調型空間変調素子を用いると、256階調の露光を行なうことができる。
また、前記光変調手段は、形成するパターン情報に基づいて制御信号を生成するパターン信号生成手段を有することが好ましい。この場合、前記光変調手段は、前記パターン信号生成手段が生成した制御信号に応じて光を変調させる。
前記制御信号としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、デジタル信号が好適に挙げられる。
一方、前記光変調手段の、別の代表的な方法は、ポリゴンミラーを用いる方法である。ポリゴンミラー(polygon mirror)とは、周囲に一連の平面反射面を持った回転部材のことである。感光層上に光源からの光を反射して照射するが、反射光の光点は、該平面鏡の回転によって走査される。この走査方向に対して直角に基板を移動させることで、基板上の感光層の全面を露光することができる。光源からの光の強度を適切な方法でON−OFF、又は中間調に制御することで、画像パターンを形成することができる。光源からの光を複数本とすることで、走査時間を短縮することができる。
本発明の光変調手段には、例えば、以下の方法も適用することができる。
特開平5−150175に記載のポリゴンミラーを用いて描画する例、特表2004−523101(WO2002/039793)に記載の下部レイヤの画像の一部を視覚的に取得し、ポリゴンミラーを用いた装置で上部レイヤの位置を下部レイヤ位置に揃えて露光する例、特開2004−56080に記載のDMD有する露光する例、特表2002−523905に記載のポリゴンミラー備えた露光装置、特開2001−255661に記載のポリゴンミラー備えた露光装置、特開2003−50469に記載のDMD、LD、多重露光の組み合わせ例、特開2003−156853に記載の基板の部位により露光量を変える露光方法の例、特開2005−43576に記載の位置ずれ調整を行なう露光方法の例等である。
<光照射手段>
光の照射方法としては、特に制限はなく、前述の露光光源を目的に応じて適宜選択することができるが、これらの光源からの光を2以上合成して照射することが好適であり、2以上の光を合成したレーザ光(合波レーザ光)を照射することが特に好適に挙げられる。
前記合波レーザ光の照射方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、複数のレーザ光源と、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザ光源から照射されるレーザ光を集光して前記マルチモード光ファイバに結合させる集合光学系とにより合波レーザ光を構成して照射する方法が挙げられる。
レーザのビーム径は、特に制限はないが、濃色離隔壁の解像度の観点から、ガウシアンビームの1/e値で5μm〜30μmが好ましく、7μm〜20μmがより好ましい。
本発明ではレーザ光を画像データに応じて空間光変調することが好ましい。この目的のため空間光変調素子である前記DMDを用いることが好ましい。
前記光変調手段、及び前記光照射手段を有している露光装置としては、例えば特開2005−222039号公報、特開2005−258431号公報、特開2006−30966号公報などに記載されている装置を用いることができるが、本発明における露光装置はこれに限定されるものではない。
<現像工程>
前記現像工程は、前記露光工程により前記感光層を露光し、該感光層の露光した領域を硬化させた後、未硬化領域を除去することにより現像し、永久パターンを形成する工程である。
前記未硬化領域の除去方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、現像液を用いて除去する方法などが挙げられる。
前記現像液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物若しくは炭酸塩、炭酸水素塩、アンモニア水、4級アンモニウム塩の水溶液などが好適に挙げられる。これらの中でも、炭酸ナトリウム水溶液が特に好ましい。
前記現像液は、界面活性剤、消泡剤、有機塩基(例えば、ベンジルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、ジエチレントリアミン、トリエチレンペンタミン、モルホリン、トリエタノールアミン等)や、現像を促進させるため有機溶剤(例えば、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アミド類、ラクトン類等)などと併用してもよい。また、前記現像液は、水又はアルカリ水溶液と有機溶剤を混合した水系現像液であってもよく、有機溶剤単独であってもよい。
<硬化処理工程>
前記硬化処理工程は、前記現像工程が行われた後、形成された永久パターンにおける感光層に対して硬化処理を行う工程である。
前記硬化処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、全面露光処理、全面加熱処理などが好適に挙げられる。
前記全面露光処理の方法としては、例えば、前記現像工程の後に、前記永久パターンが形成された前記積層体上の全面を露光する方法が挙げられる。該全面露光により、前記感光層を形成するパターン形成材料中の樹脂の硬化が促進され、前記永久パターンの表面が硬化される。
前記全面露光を行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、超高圧水銀灯などのUV露光機が好適に挙げられる。
前記全面加熱処理の方法としては、前記現像工程の後に、前記永久パターンが形成された前記積層体上の全面を加熱する方法が挙げられる。該全面加熱により、前記永久パターンの表面の膜強度が高められる。
前記全面加熱における加熱温度としては、120℃〜250℃が好ましく、120℃〜200℃がより好ましい。該加熱温度が120℃以上であると、加熱処理による膜強度の向上が得られ、250℃以下であると、前記パターン形成材料中の樹脂の分解が生じることがなく、膜質が弱く脆くなることがない。
前記全面加熱における加熱時間としては、10分間〜120分間が好ましく、15分間〜60分間がより好ましい。
前記全面加熱を行う装置としては、特に制限はなく、公知の装置の中から、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ドライオーブン、ホットプレート、IRヒーターなどが挙げられる。
なお、前記基材が多層配線基板などのプリント配線板である場合には、該プリント配線板上に本発明の永久パターンを形成し、更に、以下のように半田付けを行うことができる。
即ち、前記現像工程により、前記永久パターンである硬化層が形成され、前記プリント配線板の表面に金属層が露出される。該プリント配線板の表面に露出した金属層の部位に対して金メッキを行った後、半田付けを行う。そして、半田付けを行った部位に、半導体や部品などを実装する。このとき、前記硬化層による永久パターンが、保護膜あるいは絶縁膜(層間絶縁膜)としての機能を発揮し、外部からの衝撃や隣同士の電極の導通が防止される。
本発明の永久パターン形成方法においては、保護膜、層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターンの少なくともいずれかを形成するのが好ましい。前記永久パターン形成方法により形成される永久パターンが、前記保護膜、前記層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターンであると、配線を外部からの衝撃や曲げから保護することができ、特に、前記層間絶縁膜である場合には、例えば、多層配線基板やビルドアップ配線基板などへの半導体や部品の高密度実装に有用である。
前記永久パターン形成方法は、前記感光性組成物を用いるため、保護膜、層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターン等の永久パターン、等の各種パターン形成用、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁等の液晶構造部材の製造、ホログラム、マイクロマシン、プルーフなどの製造に好適に使用することができ、特に、プリント基板の永久パターン形成に好適に使用することができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を逸脱しない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
(バインダー1の合成)
1,000mL三口フラスコに1−メトキシ−2−プロパノール159gを入れ、窒素気流下、85℃まで加熱した。これに、ベンジルメタクリレート63.4g、メタクリル酸72.3g、V−601(和光純薬製)4.15gの1−メトキシ−2−プロパノール159g溶液を、2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に5時間加熱して反応させた。次いで、加熱を止め、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(30/70mol%比)の共重合体を得た。
次に、前記共重合体溶液の内、120.0gを300mL三口フラスコに移し、グリシジルメタクリレート16.6g、p−メトキシフェノール0.16gを加え、撹拌し溶解させた。溶解後、トリフェニルホスフィン3.0gを加え、100℃に加熱し、付加反応を行った。グリシジルメタクリレートが消失したことを、ガスクロマトグラフィーで確認し、加熱を止めた。質量平均分子量30,000、固形分45質量%のバインダー1の溶液を調製した。
出来上がったバインダー1について、ヨウ素滴定により求めた固形分当りのエチレン性不飽和結合の含有量(C=C価)は、2.1meq/gであった。また、出来上がったバインダー1の、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メタクリル酸のGMA付加物のモル比は30:33:37であった。
〔分散物の調製〕
(分散物1)
下記添加量にて、シリカ、バインダー、ジシアンジアミド、着色顔料、酢酸 n−プロピルを予め混合した後、モーターミルM−250(アイガー社製)で、直径1.0mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sにて3時間分散して調製した。
シリカ(アドマファイン SO−C2、アドマテックス社製)
・・・・・・・・・・ 77.3部
バインダー1 ・・・・・・・・・・ 124.2部
ジシアンジアミド(DICY7、ジャパンエポキシレジン社製)
・・・・・・・・・・ 0.9部
酢酸 n−プロピル ・・・・・・・・・・ 151.7部
合計 ・・・・・・・・・・ 354.1部
〔電子供与性無色染料を内包したマイクロカプセルの調製〕
(マイクロカプセル1)
2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン(フルオラン系電子供与性無色染料) 20gを酢酸エチル 25gに溶解し、カプセル壁剤(タケネートD110N、武田薬品工業(株)製)を16.0g添加し、混合した。
前記混合した溶液を水 65gに加えた後、エースホモジナイザー(日本精機(株)製)を用いて、回転数 15,000rpmで5分、乳化を行った。
得られた乳化液に、更に水 110g、及びテトラエチレンペンタミン 1.0gを添加した後、60℃で4時間、カプセル化反応を行った。
前記カプセル化反応により得られた液を乾燥機で水分を蒸発させ、トルエン中で再分散を行い、電子供与性無色染料を内包したマイクロカプセル1を得た。
得られたマイクロカプセルの粒径は、0.9μmであり、固形分濃度は、50%であった。
〔実施例1〕
<感光性組成物溶液の調製>
(感光性組成物溶液1)
下記組成の溶液1に、上述のマイクロカプセル1を48gと、フェノール性電子受容性化合物として、4−ジヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンを45gとを添加して、感光性組成物溶液1を調製した。
−溶液1−
分散物1 ・・・・・・・・・・ 354.1部
バインダー1 ・・・・・・・・・・ 375.8部
モノマー(DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)、日本化薬社製)
・・・・・・・・・・ 90.6部
エポキシ化合物(YDF−170、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、東都化成工業(株)社製) ・・・・・・・・・・ 49.8部
フッ素系界面活性剤(メガファックF780F、大日本インキ社製)
・・・・・・・・・・ 1.3部
光重合開始剤(下記構造式(K−1)で表される化合物)
・・・・・・・・・・ 3.8部
ジエチルチオキサントン(カヤキュア DETX−S、日本化薬社製)
・・・・・・・・・・ 4.0部
メチルエチルケトン ・・・・・・・・・・ 118.9部
合計 ・・・・・・・・・・ 998.3部
<感光性フィルムの製造>
得られた感光性組成物溶液1を、支持体として、厚み16μm、幅300mm、長さ200mのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(東レ(株)製、16FB50)上に、バーコーターで塗布し、80℃熱風循環式乾燥機中で乾燥して、厚み30μmの感光層を形成した。次いで、該感光層の上に、保護フィルムとして、膜厚20μm、幅290mm、長さ210mのポリプロピレンフイルム(王子特殊紙(株)製、E−200)をラミネーションにより積層し、支持体と、感光層と、保護フィルム(保護層)とからなる感光性フィルムを製造した。
<感光性積層体の作製>
基体として、プリント基板、すなわち配線形成済みの銅張積層板(銅厚み12μm)の表面にバフ研磨処理を施して調製した。該銅張積層板上に、前記支持体と、感光層と、保護フィルムとからなる感光性フィルムの感光層が、前記銅張積層板に接するようにして前記感光性フィルムにおける保護フィルムを剥がしながら、真空ラミネーター(ニチゴーモートン(株)製、VP130)を用いて積層させ、前記銅張積層板(基体)と、前記感光層と、前記ポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)とがこの順に積層された感光性積層体を調製した。
圧着条件は、真空引きの時間40秒、圧着温度70℃、圧着圧力0.2MPa、加圧時間10秒とした。
<パターン形成>
前記感光性積層体を、室温(23℃、55%RH)にて10分間静置した。得られた前記感光性積層体の感光層表面に、INPREX IP−3000(富士フイルム社製、ピクセルピッチ=1.0μm)を用いて、L/S(ライン/スペース)比=1/5で、ライン幅が20μmから100μmまで2μm刻みのパターンを露光した。室温にて10分間静置した後、前記感光性積層体から前記支持体を剥がし取り、銅張積層板上の感光層の全面に、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.15MPaにて最短現像時間の3倍〜5倍の時間(または30秒〜50秒)スプレー現像し、未硬化の領域を溶解除去した。
<永久パターンの作製>
パターン形成後、超高圧水銀灯により200mJ/cmで全面露光を行い、さらに170℃で1時間加熱処理(ポストベーク)をしてソルダーレジストパターン(永久パターン)を得た。
前記永久パターンを作製したサンプルを用いて、以下の永久パターンの色味(黒色)、パターンの密着度の評価を行った。結果を表1に示す。
<永久パターンの色味(黒色)の評価>
サンプルのVisual濃度を、マクベス反射濃度計RD−918(マクベス社製)で測定し、以下の評価基準で評価した。
○ : Visual濃度が、2より大きく、4以下。
△ : Visual濃度が、1より大きく、2以下。
× : Visual濃度が、0より大きく、1以下。
<パターン密着度の評価>
サンプルの硬化樹脂パターンの表面を光学顕微鏡で観察し、硬化樹脂パターンにハガレ等の異常のない最小の線幅を測定し、これをパターン密着度とした。該パターン密着度は、数値が小さいほど良好である。
〔実施例2〕
実施例1の感光性組成物溶液1におけるマイクロカプセル1において、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン(フルオラン系電子供与性無色染料)を3−メチル−スピロ−ジナフトピラン(スピロピラン系電子供与性無色染料)に変更した以外は、実施例1と同様にしてサンプルを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
〔実施例3〕
実施例1の感光性組成物溶液1において、4−ジヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンを4−ペンタデシルサリチル酸(サリチル酸系電子受容性化合物)に変更した以外は、実施例1と同様にしてサンプルを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
〔実施例4〕
実施例1の感光性組成物溶液1において、マイクロカプセル1を48gに代えて、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオランを29g添加した以外は、実施例1と同様にしてサンプルを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
〔実施例5〕
実施例1の感光性組成物溶液1における溶液1において、エポキシ化合物(YDF−170)を使用しなかった以外は、実施例1と同様にしてサンプルを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
〔実施例6〕
実施例1の感光性組成物溶液1におけるマイクロカプセル1において、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン(フルオラン系電子供与性無色染料)を3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(フタリド系電子供与性無色染料)に変更した以外は、実施例1と同様にしてサンプルを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
〔実施例7〕
実施例1の感光性組成物溶液1におけるマイクロカプセル1において、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン(フルオラン系電子供与性無色染料)をp−ニトロベンジルロイコメチレンブルー(フェノチアジン系電子供与性無色染料)に変更した以外は、実施例1と同様にしてサンプルを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
〔実施例8〕
実施例1の感光性組成物溶液1において、4−ジヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンを3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸のZn塩に変更した以外は、実施例1と同様にしてサンプルを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
〔比較例1〕
実施例1の感光性組成物溶液1における溶液1において、カーボンブラック 7.3gを添加した点、及び実施例1の感光性組成物溶液1において、マイクロカプセル1と、4−ジヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンとを用いなかった点以外は、実施例1と同様にしてサンプルを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
〔比較例2〕
実施例1の感光性組成物溶液1におけるマイクロカプセル1において、水をトルエンに置換しなかった以外は、実施例1と同様にしてサンプルの作製を行った。
その結果、比較例2では、感光性組成物溶液が液分離してしまい、塗布することができず、サンプルを作成することができなかった。
以上より、本発明の感光性組成物からなる実施例1〜8は、色味、パターンの密着性に優れることが確かめられた。中でも、実施例1は、色味、及びパターン密着性において、特に優れていることが確かめられた。
本発明の感光性フィルムは、前記感光性組成物を用いるため、保護膜、層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターン等の永久パターン等の各種パターン形成、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁などの液晶構造部材の製造、ホログラム、マイクロマシン、プルーフの製造等に好適に用いることができ、特にプリント基板の永久パターン形成用に好適に用いることができる。
本発明のパターン形成方法は、前記感光性組成物を用いるため、保護膜、層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターン等の永久パターン等の各種パターン形成用、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁等の液晶構造部材の製造、ホログラム、マイクロマシン、プルーフの製造等に好適に用いることができ、特にプリント基板の永久パターン形成に好適に用いることができる。

Claims (12)

  1. バインダーと、光重合開始剤と、重合性化合物と、電子受容性化合物と、保管時には前記電子受容性化合物と反応して発色せず、かつ、熱が付与されると前記電子受容性化合物と反応して発色する電子供与性無色染料とを有することを特徴とする感光性組成物。
  2. 電子供与性無色染料が、フタリド系発色団、フルオラン系発色団、及びフェノチアジン系発色団の少なくともいずれかを有する請求項1に記載の感光性組成物。
  3. 電子受容性化合物が、フェノール性化合物、及び有機金属塩の少なくともいずれかである請求項1から2のいずれかに記載の感光性組成物。
  4. 電子供与性無色染料が、マイクロカプセルに内包される請求項1から3のいずれかに記載の感光性組成物。
  5. 更に、エポキシ化合物を有する請求項1から4のいずれかに記載の感光性組成物。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の感光性組成物を含む感光層を支持体上に有してなることを特徴とする感光性フィルム。
  7. 基体上に、請求項1から5のいずれかに記載の感光性組成物を含む感光層を有することを特徴とする感光性積層体。
  8. 請求項1から5のいずれかに記載の感光性組成物により形成された感光層に対して露光を行うことを少なくとも含むことを特徴とする永久パターン形成方法。
  9. 露光が、光変調手段により光を変調させた後、該光変調手段における描素部の出射面の歪みによる収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズを配列したマイクロレンズアレイを通して行われる請求項8に記載の永久パターン形成方法。
  10. 露光が行われた後、感光層の現像を行う請求項8から9のいずれかに記載の永久パターン形成方法。
  11. 現像が行われた後、感光層の硬化処理を行う請求項10に記載の永久パターン形成方法。
  12. 請求項8から11のいずれかに記載の永久パターン形成方法により永久パターンが形成されることを特徴とするプリント基板。
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