JP2010060247A - 地中熱利用ヒートポンプシステムの地中熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、ソイルセメント連続壁構築工法で構築された連続土留め壁10内に建て込まれるH形鋼12に設置される地中熱利用ヒートポンプシステムの地中熱交換器20である。H形鋼12の溝空間の少なくとも一方に設けられ、地中と熱交換を行うための循環流体が循環する地中熱交換用チューブ23と、H形鋼12のフランジ部またはウェブ部に設けられ、地中熱交換用チューブ23を保持する保持部を有するチューブ取付部材21,24と、H形鋼12の下端または下端近傍に、地中熱交換用チューブが設けられた溝空間の下方側を覆うように設けられ、固化前のソイルセメントにH形鋼及び地中熱交換用チューブを挿入する際、地中熱交換用チューブの保護を行う保護部材25とを備えている。
【選択図】図4
Description
しかしながら、地中熱交換井の設置場所の確保、地中熱交換井等の多額な施工費用等の問題もあり、どのように普及拡大させていくのかが課題の一つとなっている。
すなわち、土留め用、止水用の連続したソイルセメントからなる地中壁内に、地中熱交換器を埋設する施工方法であって、チェーン式カッターで一定幅の溝を掘削し、溝内に注入したソイルセメントが固化する前に地中熱交換器を挿入、配置する方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。
そこで、H形鋼にUチューブを取り付けることができる取り付け構造を備え、SMW工法に構築されるソイルセメント連続壁に好適な地中熱交換器の開発が要望されている。
本発明1の地中熱利用ヒートポンプシステムの地中熱交換器は、
地中に所定深さまでソイルセメント連続壁構築工法で掘削された連続土留め壁内に芯材として建て込まれるH形鋼に設置される地中熱利用ヒートポンプシステムの地中熱交換器であって、前記H形鋼のフランジ部及びウェブ部で形成される溝空間の少なくとも一方に設けられ、前記地中と熱交換を行うための循環流体が循環する地中熱交換用チューブと、前記H形鋼のフランジ部及び/または前記ウェブ部に取り付けられ、前記地中熱交換用チューブを保持する保持部を有するチューブ取付部材と、前記H形鋼を建て込む姿勢における前記H形鋼の下端または下端近傍に、少なくとも前記地中熱交換用チューブが設けられた前記溝空間の下方側を覆うように設けられ、固化前の前記ソイルセメントに前記H形鋼及び前記地中熱交換用チューブを挿入する際、前記地中熱交換用チューブの保護を行う保護部材とを備えていることを特徴とする。
前記保護部材は、両方の前記溝空間の下方側を覆う、側面視略V字状のものであることを特徴とする。
前記チューブ取付部材は、前記H形鋼の両方の前記フランジ部間、または、一方の前記フランジ部と前記ウェブ部との間に跨るように設けられる取付板部と、この取付板部から前記溝空間内に突出し、前記地中熱交換用チューブを保持可能な凸状の保持部とからなっているものであることを特徴とする。
前記チューブ取付部材は、前記H形鋼のウェブ部に取り付けられる取付板部と、この取付板部から前記溝空間内に突出し、前記地中熱交換用チューブを保持するためのC字形状またはU字形状の部位が形成された保持部とからなっているものであることを特徴とする。
前記チューブ取付部材は、前記H形鋼のフランジ部及び/または前記ウェブ部に取り付けられ、前記フランジ部及び/または前記ウェブ部との間に形成された保持用空間に、前記地中熱交換用チューブを保持可能なものであることを特徴とする。
前記地中熱交換用チューブは、下端側がU字状に曲げられたU状部と、このU状部の下端側に被取付部が一体に形成されたものであり、最下方に位置する前記チューブ取付部材には、前記被取付部に形成された連結孔に係脱可能に係合されるUチューブ連結ピンが設けられていることを特徴とする。
図1は、ソイルミキシングウォール(登録商標)工法で、ソイルセメント連続壁を構築している状態を模式的に示した構成図、図2は、図1の平面図であり、(a)は隔孔設置、(b)は全孔設置を示した図である。図3は、地中熱利用ヒートポンプシステムを模式的に示した説明図である。
図1に示すように、SMW工法は、地盤5を所定の深さまで掘削するとともにセメントスラリーを注入し、原位置土とセメントスラリーとを混合・攪拌してソイルセメント壁11を形成し、これらソイルセメント壁11を連続させてソイルセメント連続壁10を構築する工法である。ソイルセメント連続壁10は、建造物Bを建造する際の土留め用、止水用等の用途のために構築されるものである。ソイルセメント壁11内には、ソイルセメント固化前に芯材としてのH形鋼12が建て込まれている。H形鋼12は、隔孔設置(図2(a)参照)、全孔設置(図2(b)参照)、隔孔設置と全孔設置との組み合わせ(図示せず)のように設置されるものであり、地盤5の状態等により適宜所望の間隔で建て込まれるものである。
地中熱利用ヒートポンプシステム1は、周知な技術であるが、本実施の形態の理解を容易にするために、その概略を図3に基づいて説明する。
なお、ソイルセメント連続壁10には、H形鋼12A、12B・・12N、12が複数本建て込まれているものとする。また、H形鋼12A、12B・・12N、12に沿って、熱交換パイプとしてポリエチレン製パイプをU字状に曲げて構成されたU字状の管、すなわち地中熱交換用Uチューブ(以下、Uチューブと記載する)23A、23B・・23N、23が設けられている。そして、Uチューブ23A、23B・・23N、23は、内部に形成された管路が、順次、連続するように接続され、循環路を形成している。
地中熱利用ヒートポンプ60は、第1熱交換部(凝縮器)62、第2熱交換部(蒸発器)64、圧縮部(圧縮機)61、膨張部(膨張弁)63、熱媒体循環路65等から構成されている。暖房用の熱源とする場合、熱媒体〔例えば、冷媒番号(ISO817):R404A、R407C、R410A等〕が、熱媒体循環路65内を、実線で示した矢印方向に循環する。第1熱交換部62は、第1循環流体73と熱媒体との間で熱交換を行なう部位である。すなわち、第1循環路71を循環する第1循環流体73の熱量を熱媒体に熱移動させる。第2熱交換部64は、熱媒体と第2循環流体83との間で熱交換を行なう部位である。すなわち、熱媒体の熱量を第2循環流体83に熱移動させる。熱移動された第2循環流体83は、第2循環路81を循環し、負荷側熱交換部(例えば、床暖房、ファンコイルユニット等)84aで熱源として利用される。
地中熱交換器20の実施の形態1について図4〜6に従って説明を行う。
実施の形態1の地中熱交換器20は、図4に示すように前述したH形鋼12に設けられている。H形鋼12は、図6に示すように、「H」の縦2本の部位であるフランジ部12bと、中央の横1本の部位であるウェブ部12aとからなっている。フランジ部12bとウェブ部12a間に溝空間18が形成されている。
Uチューブ23の下端側には、U字状のU状部と、U状部の下方側の被取付部23aとが一体に形成されている。被取付部23aには、Uチューブ側連結孔23bが形成されている。
なお、Uチューブ取付部材は、取付板部が、一方のフランジ部の端部とウェブ部との間に、跨るように設けられているものであってもよい。
また、H形鋼の一方の溝空間にUチューブを設けた場合、保護部材は、Uチューブ側のみに設けられたものであってもよい。すなわち、ソイルセメントに挿入する姿勢において、フランジ部端部と、フランジ部端部より下方に位置するウェブ部との間に、平面または曲面状の保護部材が、Uチューブを設けた側(一方の側)にのみ設けられたものであってもよい。例えば、保護部材は、片矢印のような形状のものが、H形鋼に設けられたものであってもよい。
図7〜9に従って、地中熱交換器20の実施の形態2の説明を行う。なお、実施の形態2におけるUチューブ23、H形鋼12等の構成は、前述した実施の形態1のものとほぼ同一であり、実施の形態1と同一の部位には同一の符号を付与し、詳細な説明を省略する。言い換えると、Uチューブ23を保持するためのUチューブ取付部材(取付板部、保持部)の形状等が異なるのみであるので、その異なる部分についてのみ説明を行う。
図10、11に従って、地中熱交換器20の実施の形態3の説明を行う。
図10は、地中熱交換器20の実施の形態3を示す断面図であって、実施の形態1の図6に相当する図である。なお、実施の形態3におけるUチューブ23、H形鋼12等の構成は、前述した実施の形態1のものとほぼ同一であり、実施の形態1と同一の部位には同一の符号を付与し、詳細な説明を省略する。言い換えると、Uチューブ23を保持するためのUチューブ取付部材(取付板部、保持部)の形状等が異なるのみであるので、その異なる部分についてのみ説明を行う。
この変形例に示すように、折り曲げた板状のUチューブ取付部材58は、次のように成形してもよい。すなわち、L字状の板材(想像線で記載)をウェブ12aに溶接等で固定しておき、Uチューブ23を挿入後折り曲げて、板状のUチューブ取付部材58にしてもよい。
さらに、図示はしていないが、H形鋼12のフランジ部、ウェブ部の両方に、折り曲げた板状のUチューブ取付部材を溶接等で固定し、保持用空間を形成してもよい。
10…ソイルセメント連続壁
11…ソイルセメント壁
12、12A、12B・・12N…H形鋼
20…地中熱交換器
21…Uチューブ取付部材
22…凸状保持部材
23、23A、23B・・23N…地中熱交換用Uチューブ
24…Uチューブ取付部材
25…保護部材
26…Uチューブ連結ピン
60…地中熱利用ヒートポンプ
65…熱媒体循環路
71…第1循環路
81…第2循環路
Claims (6)
- 地中に所定深さまでソイルセメント連続壁構築工法で構築された連続土留め壁内に芯材として建て込まれるH形鋼に設置される地中熱利用ヒートポンプシステムの地中熱交換器であって、
前記H形鋼のフランジ部及びウェブ部で形成される溝空間の少なくとも一方に設けられ、前記地中と熱交換を行うための循環流体が循環する地中熱交換用チュープと、
前記H形鋼の前記フランジ部及び/または前記ウェブ部に取り付けられ、前記地中熱交換用チューブを保持する保持部を有するチューブ取付部材と、
前記H形鋼を建て込む姿勢における前記H形鋼の下端または下端近傍に、少なくとも前記地中熱交換用チューブが設けられた前記溝空間の下方側を覆うように設けられ、固化前の前記ソイルセメントに前記H形鋼及び前記地中熱交換用チューブを挿入する際、前記地中熱交換用チューブの保護を行う保護部材とを備えている
ことを特徴とする地中熱利用ヒートポンプシステムの地中熱交換器。 - 請求項1に記載された地中熱利用ヒートポンプシステムの地中熱交換器において、
前記保護部材は、両方の前記溝空間の下方側を覆う、側面視略V字状のものである
ことを特徴とする地中熱利用ヒートポンプシステムの地中熱交換器。 - 請求項1または2に記載された地中熱利用ヒートポンプシステムの地中熱交換器において、
前記チューブ取付部材は、前記H形鋼の両方の前記フランジ部間、または、一方の前記フランジ部と前記ウェブ部との間に跨るように設けられる取付板部と、この取付板部から前記溝空間内に突出し、前記地中熱交換用チューブを保持可能な凸状の保持部とからなっているものである
ことを特徴とする地中熱利用ヒートポンプシステムの地中熱交換器。 - 請求項1または2に記載された地中熱利用ヒートポンプシステムの地中熱交換器において、
前記チューブ取付部材は、前記H形鋼のウェブ部に取り付けられる取付板部と、この取付板部から前記溝空間内に突出し、前記地中熱交換用チューブを保持するためのC字形状またはU字形状の部位が形成された保持部とからなっているものである
ことを特徴とする地中熱利用ヒートポンプシステムの地中熱交換器。 - 請求項1または2に記載の地中熱利用ヒートポンプシステムの地中熱交換器において、
前記チューブ取付部材は、前記H形鋼のフランジ部及び/または前記ウェブ部に取り付けられ、前記フランジ部及び/または前記ウェブ部との間に形成された保持用空間に、前記地中熱交換用チューブを保持可能なものである
ことを特徴とする地中熱利用ヒートポンプシステムの地中熱交換器。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載された地中熱利用ヒートポンプシステムの地中熱交換器において、
前記地中熱交換用チューブは、下端側がU字状に曲げられたU状部と、このU状部の下端側に被取付部が一体に形成されたものであり、
最下方に位置する前記チューブ取付部材には、前記被取付部に形成された連結孔に係脱可能に係合されるUチューブ連結ピンが設けられている
ことを特徴とする地中熱利用ヒートポンプシステムの地中熱交換器。
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