JP2010059159A - 2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニル配位子及びその合成方法 - Google Patents

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万斌 張
Fang Xie
芳 謝
Fang Fang
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Abstract

【課題】製造方法が簡単で、且つ最終的に外部からキラルを導入することで単一構造の二元金属軸不斉化合物を得ることができ、さらに、複数種の不斉触媒反応に用いることができ、高い反応活性及び立体選択性を有する新規な配位子及びその合成方法を提供する。
【解決手段】下式(1)で表される2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニル配位子、及びSuzukiカップリングまたはUllmannカップリング反応を用いて合成したエーテル基含有ビフェニル誘導体と脱アルキル化剤を反応させることによる該2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニル配位子の製造方法。
Figure 2010059159

(式中、Rはアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アラルキル基又はハロゲン原子を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は新規な配位子及びその合成方法に関し、具体的には不斉触媒反応に用いる2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニル配位子及びその合成方法に関するものである。
キラル薬物製造業の急速な成長は、主に不斉合成に関する研究の大きな発展に繋がっている。不斉触媒反応は単一光学異性体のキラルな薬物を得る最も理想的な手法であり、少量の不斉触媒から大量のキラル化合物が得られ、廃棄物の発生を低減ないし回避でき、環境調和性に優れている上に、原子効率が高く、更にラセミ体の煩雑な分割を避けることができる。
高選択性及び高触媒活性の不斉触媒の設計及び合成は不斉触媒合成の重要なキーとなる。遷移金属触媒による不斉反応において、金属に配位したキラルな配位子は反応活性及びエナンチオ選択性にとって決定的な役割を果たしている。
軸不斉配位子のBINAPが開発されて以来、ビフェニル又はビナフチル骨格を有する配位子が人々に注目されるようになり、それから誘導された触媒系もこの分野でかなりよい効果を得られた。
多くの不斉触媒反応系はただ1つの触媒中心を持ち、基質及び試薬との配位結合により活性化され、配位子の不斉環境の影響で、熱力学的に安定な遷移状態を形成し、最終的に不斉誘導を達成する。最近、二元金属配位子も大きな注目を集めている。二元金属配位子は有機金属の新しい骨格として、2つの金属の調整により役割を果たすことができ、多くの反応に対して良好な化学選択性及びエナンチオ選択性を提供している。従って、二元金属軸不斉配位子の開発は学術界及び産業界が関心を寄せている重要な研究領域になっている。
本発明はこのような二元金属配位子に関するものであり、他の二金属配位子とは異なるのは、この配位子自体がアキラル化合物であり、製造方法が簡単で、且つ最終的に外部からキラルを導入することで単一構造の二元金属軸不斉化合物を得ることができる。従来技術の文献を検索した結果、現時点では本発明の主旨と同一又は類似のものは一報もなかった。
本発明は2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニル配位子及びその合成方法を提出し、この配位子は複数種の金属触媒による不斉反応に用いることができ、高い反応活性及び立体選択性を有し、他の二元金属配位子とは異なるのは、この配位子自体がアキラル化合物であり、製造方法が簡単で、且つ最終的に外部からキラルを導入することで単一構造の二元金属軸不斉化合物を得ることができる。
本発明は、前記知見に基づきなされたものであり、下記一般式(1)で表されることを特徴とする新規な2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニル配位子を提供するものである。
Figure 2010059159
(式中、Rはアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アラルキル基又はハロゲン原子を示す。)
また本発明は、2,2’,6,6’−テトラアルコキシビフェニルを出発原料とし、ハロゲンと反応させて2,2’,6,6’−テトラアルコキシ−3,3’,5,5’−テトラハロゲン化ビフェニルを得る工程(A1)と、2,2’,6,6’−テトラアルコキシ−3,3’,5,5’−テトラハロゲン化ビフェニルと、一般式R−B(OH)(Rは前記と同義。)で表されるホウ酸化合物とをSuzukiカップリング反応させて、2,2’,6,6’−テトラアルコキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニルを得る工程(A2)と、2,2’,6,6’−テトラアルコキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニルを脱アルキル化剤と反応させて脱アルキル化し、前記一般式(1)で表される2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニルを得る工程(A3)と、を含むことを特徴とする前記一般式(1)で表される新規な2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニル配位子の合成方法を提供するものである。
本発明によれば、製造方法が簡単で、且つ最終的に外部からキラルを導入することで単一構造の二元金属軸不斉化合物を得ることができる。そして、複数種の不斉触媒反応に用いることができ、高い反応活性及び立体選択性を有する配位子を得ることができる。
本発明は以下の技術案により達成されている。本発明による2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニル配位子は、下記一般式(1)で表される。
Figure 2010059159
式(1)中のRは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基を示す。この中、Rは好ましくはフェニル基、p−トリフルオロメチルフェニル基、p−t−ブチルフェニル基、メチル基又はハロゲン原子である。
本発明の前記一般式(1)で表される2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニル配位子は、一般式(2)で表される2,2’,6,6’−テトラアルコキシ−3,3’,5,5’− 四置換ビフェニルと脱アルキル化剤とを反応させて得ることができる。
Figure 2010059159
(式中、R’はアルキル基を示す。Rは前記と同義。)
なお、本発明で使用する脱アルキル化剤は、前記一般式(2)中の−OR’のR’を脱離させて−OHにするものである。このような脱アルキル化剤としては、例えば、濃硫酸、濃塩酸、濃硝酸、臭化水素酸(HBr)水溶液、ヨウ化水素酸(HI)水溶液、三臭化ホウ素(BBr3)、三塩化ホウ素(BCl3)、水酸化ナトリウムなどが挙げられる。
前記一般式(2)中のアルキル基は、好ましくは炭素数1〜7、より好ましくは1〜5のアルキル基である。
前記一般式(2)で表される2,2’,6,6’−テトラアルコキシ−3,3’,5,5’− 四置換ビフェニルは、以下の方法により製造されるものが好ましい。
方法(A):下記一般式(3)で表される2,2’,6,6’−テトラアルコキシ−3,3’,5,5’−テトラハロゲン化ビフェニルと、一般式:R−B(OH)で表されるホウ酸化合物とをSuzukiカップリング反応させて、前記一般式(2)で表される2,2’,6,6’−テトラアルコキシ−3,3’,5,5’− 四置換ビフェニルを得る。
Figure 2010059159
(一般式(3)中、Xはハロゲン原子を示す。R’及びRは前記と同義。一般式:R−B(OH)で表されるホウ酸化合物のRは前記と同義。)
方法(B):一般式(4)で表される2−ヨード−4,6−二置換−1,3−ジフェニルアルキルエーテルをUIImannカップリング反応させて前記一般式(2)で表される2,2’,6,6’−テトラアルコキシ−3,3’,5,5’− 四置換ビフェニルを得る。
方法(C):2,2’,6,6’−テトラアルコキシビフェニルをクロロメチル化反応を経由して、前記一般式(2)で表される2,2’,6,6’−テトラアルコキシ−3,3’,5,5’− 四置換ビフェニルを得る。
方法(A)で使用する一般式(3)で表される2,2’,6,6’−テトラアルコキシ−3,3’,5,5’−テトラハロゲン化ビフェニルにおいて、Xで表されるハロゲン原子は、臭素が好ましい。
前記方法(A)は、以下の工程(A1)、(A2)を有することが好ましい。工程(A3)を更に有することにより一般式(1)で表される2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニル配位子を製造することができる。
工程(A1):好ましくは2,2’,6,6’−テトラアルコキシビフェニルを出発原料とし、好ましくは酢酸の触媒作用で、好ましくはハロゲンと反応させて2,2’,6,6’−テトラアルコキシ−3,3’,5,5’−テトラハロゲン化ビフェニルを得る。
工程(A2):2,2’,6,6’−テトラアルコキシ−3,3’,5,5’−テトラハロゲン化ビフェニルと、一般式R−B(OH)(Rは前記一般式(1)と同義。Rは好ましくはフェニル基、p−トリフルオロメチルフェニル基、p−t−ブチルフェニル基である。)で表されるホウ酸化合物とをSuzukiカップリング反応させて、2,2’,6,6’−テトラアルコキシ−3,3’,5,5’− 四置換ビフェニルを得る。
工程(A3):好ましくは2,2’,6,6’−テトラアルコキシ−3,3’,5,5’− 四置換ビフェニルを脱アルキル化剤と反応させて脱アルキル化し、前記一般式(1)(ただし、Rは好ましくはフェニル基、p−トリフルオロメチルフェニル基、p−t−ブチルフェニル基である。)で表される2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニルを得る。
前記方法(B)は、以下の工程(B1)〜(B3)を有することが好ましい。工程(B4)を更に有することにより一般式(1)で表される2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニル配位子を製造することができる。一般式(1)、(2)及び(4)中のRは好ましくはフェニル基、p−トリフルオロメチルフェニル基又はp−t−ブチルフェニル基、より好ましくはp−トリフルオロメチルフェニル基又はp−t−ブチルフェニル基である。
工程(B1):好ましくは4,6−ジハロゲン化−1,3−ジアルコキシベンゼンを出発原料とし、一般式R−B(OH)(Rは好ましくは、p−トリフルオロメチルフェニル基又はp−t−ブチルフェニル基である。)で表されるホウ酸化合物とのSuzukiカップリング反応により、4,6−二置換−1,3−ジアルコキシベンゼンを得る。
工程(B2):4,6−二置換−1,3−ジアルコキシベンゼンをリチオ化してヨード化し、2−ヨード−4,6−二置換−1,3−ジアルコキシベンゼンを得る。
工程(B3):2−ヨード−4,6−二置換−1,3−ジアルコキシベンゼンをUIImannカップリング反応させて、2,2’,6,6’−テトラアルコキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニルを得る。
工程(B4):好ましくは2,2’,6,6’−テトラアルコキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニルと脱アルキル化剤とを反応させて、2,2’,6,6’−テトラアルコキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニルを脱アルキル化し、2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニル配位子を得る。
前記方法(C)は、以下の工程(C1)〜(C2)を有することが好ましい。工程(C3)を更に有することにより一般式(1)で表される2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニル配位子を製造することができる。一般式(1)、(2)中のRはメチル基である。
方法(C1):2,2’,6,6’−テトラアルコキシビフェニルをクロロメチル化反応させて、2,2’,6,6’−テトラアルコキシ−3,3’,5,5’−テトラクロロメチルビフェニルを得る。
方法(C2):2,2’,6,6’−テトラアルコキシ−3,3’,5,5’−テトラクロロメチルビフェニルを還元反応させて、2,2’,6,6’−テトラアルコキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルを得る。
方法(C3):2,2’,6,6’−テトラアルコキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルを脱アルキル化反応させて、2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルを得る。
本発明の方法(A)、方法(B)又は方法(C)の反応式の一例は、それぞれ以下の通りである。
Figure 2010059159
方法(A)による工程(A1)は具体的には、好ましくは、ジクロロメタンを溶媒とし、2,2’,6,6’−テトラメトキシビフェニルに、2〜10当量、好ましくは3〜5当量の液体臭素を入れて、酢酸の触媒作用で反応させ、2,2’,6,6’−テトラメトキシ−3,3’,5,5’−テトラブロムビフェニルを得る。
方法(A)による工程(A2)は、Rがフェニルの場合に、具体的には、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミドを溶媒とし、炭酸カリウムを塩基とし、2,2’,6,6’−テトラメトキシ−3,3’,5,5’−テトラブロムビフェニルを、トリフェニルホスフィン、酢酸パラジウムの触媒作用で、4〜20当量、好ましく6〜10当量のRがフェニルである前記ホウ酸化合物(フェニルボロン酸)とSuzukiカップリング反応を行い、50〜150℃、好ましくは80〜120℃で1時間以上、好ましくは3〜30時間反応させて、2,2’,6,6’−テトラメトキシ−3,3’,5,5’−テトラフェニルビフェニルを得る。
Rがp−トリフルオロメチルフェニル基又はp−t−ブチルフェノール基の場合に、工程(A2)の反応は好ましくは、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を塩基とし、トルエンを溶媒とし、2,2’,6,6’−テトラメトキシ−3,3’,5,5’−テトラブロムビフェニルを、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウムの触媒作用で、10〜30当量、好ましくは12〜18当量のp−トリフルオロメチルフェニルボロン酸又は10〜30当量、好ましくは12〜18当量のp−t−ブチルフェニルボロン酸とSuzukiカップリング反応を行い、1時間以上、好ましくは16〜30時間還流撹拌して、2,2’,6,6’−テトラメトキシ−3,3’,5,5’−テトラ−p−トリフルオロメチルフェニルビフェニル又は2,2’,6,6’−テトラメトキシ−3,3’,5,5’−テトラ−p−t−ブチルフェニルビフェニルを得る。
方法(A)により、目的生成物である一般式(1)で表される2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニル配位子を製造する工程(A3)は具体的には、好ましくは、ジクロロメタンを溶媒とし、2,2’,6,6’−テトラメトキシ−3,3’,5,5’−テトラアリールビフェニルを三臭化ホウ素の作用で反応させ、2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラアリールビフェニル(ただし、Rはフェニル基、p−トリフルオロメチルフェニル基又はp−t−ブチルフェニル基である)を得る。
方法(B)による工程(B1)は具体的には、好ましくは4,6−ジブロモ−1,3−ジメトキシベンゼンを出発原料とし、N,N−ジメチルホルムアミドを溶媒とし、トリフェニルホスフィン、酢酸パラジウムの触媒作用で、1〜10当量、好ましくは3〜8当量のp−トリフルオロメチルフェニルボロン酸又はp−t−ブチルフェニルボロン酸とSuzukiカップリング反応を行い、50〜150℃、好ましくは80〜120℃で、1時間以上、好ましくは3〜30時間反応させて、4,6−二置換−1,3−ジメトキシベンゼン(ただし、一般式中のRは好ましくは、p−トリフルオロメチルフェニル基又はp−t−ブチルフェニル基である)を得る。
方法(B)による工程(B2)は具体的には、好ましくは、テトラヒドロフランを溶媒とし、1.0〜2.0当量、好ましくは1.0〜1.3当量のn−ブチルリチウムを塩基とし、0℃以下、好ましくは−20〜−100℃にて、m−4,6−二置換−1,3−ジメトキシベンゼンをリチオ化し、次いで、1.0〜2.0当量、好ましくは1.0〜1.3当量のヨウ素のテトラヒドロフラン溶液を添加して、0〜40℃で一晩反応させ、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液を入れて余分なヨウ素を除去し、回転蒸発してテトラヒドロフランを除去し、ジクロロメタンを用いて3回抽出し、有機層を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過、回転蒸発し、2−ヨード−4,6−二置換−1,3−ジメトキシベンゼン(ただし、一般式中のRは好ましくはp−トリフルオロメチルフェニル基又はp−t−ブチルフェニル基である)を得る。
方法(B)による工程(B3)は具体的には、好ましくは、固相反応法により、2−ヨード−4,6−二置換−1,3−ジメトキシベンゼンと1〜10当量、好ましくは2〜8当量の銅粉とを混合し、100〜300℃、好ましくは150〜230℃で1時間以上、好ましくは3〜20時間反応させ、得られた固体をジクロロメタンで洗浄し、ろ液を回転乾燥させ、ジクロロメタン:石油エーテル=1:2の混合溶媒で再結晶させ、2,2’,6,6’−テトラメトキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニル(ただし、一般式中のRは好ましくはp−トリフルオロメチルフェニル基又はp−t−ブチルフェニル基である)を得る。
方法(B)により、目的生成物である一般式(1)で表される2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニル配位子を製造する工程(B4)は具体的には、好ましくは、ジクロロメタンを溶媒とし、2,2’,6,6’−テトラメトキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニルを三臭化ホウ素の作用で反応させ、2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニル(ただし、一般式中のRはp−トリフルオロメチルフェニル基又はp−t−ブチルフェニル基である)を得る。
方法(C)による工程(C1)は具体的には、濃塩酸、濃リン酸、硫酸の体積比1:1:1の混合液を溶媒(0.1M)とし、1〜30当量、好ましくは20〜30当量のパラホルムアルデヒドと混合し、50〜100℃、好ましくは80〜100℃で1時間以上、好ましくは3〜10時間反応させて、得られた生成物をジクロロメタン、水で抽出し、酢酸エチル/石油エーテル=1:10でカラムクロマトグラフィーを行い、2,2’,6,6’−テトラメトキシ−3,3’,5,5’−テトラクロロメチルビフェニルを得る。ただし、一般式中のRはメチル基である。
方法(C)による工程(C2)は具体的には、ジメチルスルホキシド(DMSO)を溶媒とし、2,2’,6,6’−テトラメトキシ−3,3’,5,5’−テトラクロロメチルビフェニルを、1〜30当量、好ましく10〜20当量の水素化ホウ素ナトリウムと混合し、反応終了後、水を入れて、エーテルで抽出し、2,2’,6,6’−テトラメトキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルを得る。ただし、一般式中のRはメチル基である。
方法(C)による工程(C3)は具体的には、ジクロロメタンを溶媒とし、2,2’,6,6’−テトラメトキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルを三臭化ホウ素の作用で反応させて、2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルを得る。ただし、一般式中のRはメチル基である。
本発明による2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニルは4つの配位中心を含む。この種の配位子は、ヘテロDiels-Alder反応、carbonylene反応などの各種の金属触媒による不斉反応に用いることができ、高い反応活性及び立体選択性を有し、良好な応用価値がある。
以下、本発明の技術内容に合わせて実施例を提供する。
〔実施例1〕
(1)2,2’,6,6’−テトラメトキシ−3,3’,5,5’−テトラブロムビフェニルの製造
250mlの二口フラスコに、テトラメトキシビフェニル(2.74g、10mmol)、100mlのジクロロメタン、酢酸(0.18ml、3mmol)、液体臭素(2.3ml、44mmol)を順次入れて、2時間撹拌して、反応を終了した。100mlの飽和亜硫酸ナトリウム水溶液を入れて、20分間撹拌して、分液を行い、水層をジクロロメタンで抽出し、有機層を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過、回転蒸発し、薄い赤橙色の固体を得て、収率が97%であった。
H NMR(400 MHz, CDCl): δ 7.84(s, 2H, ArH), 3.64(s, 12H, OCH)。
(2)2,2’,6,6’−テトラメトキシ−3,3’,5,5’−テトラフェニルビフェニルの製造
250mlの二口フラスコに、2,2’,6,6’−テトラメトキシ−3,3’,5,5’−テトラブロムビフェニル(14.64g、25mmol)、フェニルボロン酸(24.39g、200mmol)、トリフェニルホスフィン(5.25g、20mmol)、酢酸パラジウム(1mg、5mmol)、無水炭酸カリウム(34.53g、250mmol)を順次入れてから、150mlのN,N−ジメチルホルムアミドを入れて、窒素ガス雰囲気中にて、100℃で16時間撹拌して、反応を終了した。収率が86%であった。
H NMR(400 MHz, CDCl): δ 7.63−7.65(m, 8H, ArH), 7.39−7.43(m, 10H, ArH), 7.31−7.35(m, 4H, ArH),3.39(s, 12H, OCH)。
(3)2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラフェニルビフェニルの製造
250mlの二口フラスコに、2,2’,6,6’−テトラメトキシ−3,3’,5,5’−テトラフェニルビフェニル(16.77g、29mmol)を添加し、窒素ガス雰囲気中にて、150mlの精製ジクロロメタンを入れて、12mlの三臭化ホウ素を30mlの精製ジクロロメタンで希釈し、−78℃にて前記溶液に一滴ずつ滴加し、徐々に室温まで昇温し、一晩撹拌し、反応を終了した。氷浴下で100mlの水を一滴ずつ滴加し、酸含有水層をエーテルで3回抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過、回転蒸発し、収率が95%であった。
H NMR(400 MHz, CDCl): δ 7.57−7.59(m, 8H, ArH), 7.44−7.48(m, 8H, ArH), 7.43(s, 2H, ArH), 7.34−7.36(m, 4H, ArH),5.52(s, 4H, OH)。
〔実施例2〕
(1)2,2’,6,6’−テトラメトキシ−3,3’,5,5’−テトラブロムビフェニルの製造(実施例1と同じである)
(2)2,2’,6,6’−テトラメトキシ−3,3’,5,5’−テトラ−p−トリフルオロメチルフェニルビフェニルの製造
250mlの二口フラスコに、テトラブロモテトラメトキシビフェニル(2.34g、4mmol)、p−トリフルオロメチルフェニルボロン酸(11.4g、60mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(2.31g、2mmol)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液60ml、トルエン60mlを順次入れて、液体窒素で冷凍して酸素を除去し、16時間還流撹拌して、反応を終了し、水洗し、石油エーテルでカラムクロマトグラフィーを行い、収率が74.9%であった。
H NMR(400 MHz, CDCl): δ 7.72(dd, 16H, J=8.0Hz,J=14Hz, ArH), 7.43(s, 2H, ArH), 3.39(s, 12H, OCH)。
(3)2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラ−p−トリフルオロメチルフェニルビフェニルの製造
250mlの二口フラスコに、2,2’,6,6’−テトラメトキシ−3,3’,5,5’−テトラ−p−トリフルオロメチルフェニルビフェニル(852mg、1mmol)を入れて、窒素ガス雰囲気中にて、50mlの精製ジクロロメタンを入れて、三臭化ホウ素(0.41ml、4.4mmol)を20mlの精製ジクロロメタンで希釈し、−78℃にて前記溶液に一滴ずつ滴加し、徐々に室温まで昇温し、一晩撹拌し、反応を終了した。氷浴下で100mlの水を一滴ずつ滴加し、酸含有水層をエーテルで3回抽出し、有機層を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過、回転蒸発し、収率が97%であった。
H NMR(400 MHz, CDCl): δ 7.72(s, 16H, ArH), 7.49(s, 2H, ArH), 5.45(s, 4H, OH)。
〔実施例3〕
(1)2,2’,6,6’−テトラメトキシ−3,3’,5,5’−テトラブロムビフェニルの製造(実施例1と同じである)
(2)2,2’,6,6’−テトラメトキシ−3,3’,5,5’−テトラ−p−t−ブチルフェニルビフェニルの製造
250mlの二口フラスコに、テトラブロモテトラメトキシビフェニル(2.34g、4mmol)、p−t−ブチルフェニルボロン酸(10.69g、60mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(2.31g、2mmol)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液60ml、トルエン60mlを順次入れて、液体窒素で冷凍して酸素を除去し、16時間還流撹拌して、反応を終了した。石油エーテルでカラムクロマトグラフィーを行い、収率が69.9%であった。
H NMR(400 MHz, CDCl): δ 7.56(d, 8H, J=8.4Hz, ArH), 7.42(s, 2H, ArH), 7.41(d, 8H, J=8.4Hz, ArH), 3.37(s, 12H, OCH)。
(3)2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラ−p−t−ブチルフェニルビフェニルの製造
250mlの二口フラスコに、2,2’,6,6’−テトラメトキシ−3,3’,5,5’−テトラ−p−t−ブチルフェニルビフェニル(805mg、1mmol)を入れて、窒素ガス雰囲気中にて、50mlの精製ジクロロメタンを入れて、三臭化ホウ素(0.41ml、4.4mmol)を20mlの精製ジクロロメタンで希釈し、−78℃にて前記溶液に一滴ずつ滴加し、徐々に室温まで昇温し、一晩撹拌し、反応を終了した。氷浴下で100mlの水を一滴ずつ滴加し、酸含有水層をエーテルで3回抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過、回転蒸発し、収率が98%であった。
H NMR(400 MHz, CDCl): δ 7.50(dd, 16H, J=8.4Hz, J=16.4Hz ArH), 7.44(s, 2H, ArH), 5.52(s, 4H, OH),1.37(s, 36H, CH3)。
〔実施例4〕
(1)4,6−ジ−p−トリフルオロメチルフェニル−1,3−ジメトキシベンゼンの製造
250mlの二口フラスコに、4,6−ジブロモ−1,3−ジメトキシベンゼン(592mg、2mmol)、p−トリフルオロメチルフェニルボロン酸(1.93g、10mmol)、トリフェニルホスフィン(420mg、1.6mmol)、酢酸パラジウム(90mg、0.4mmol)、無水炭酸カリウム(2.76g、20mmol)を順次添加し、150mlのN,N−ジメチルホルムアミドを入れて、窒素ガス雰囲気中にて、100℃で16時間撹拌して、反応を終了した。ろ過し、石油エーテルでカラムクロマトグラフィーを行い、収率が86%であった。
H NMR(400 MHz, CDCl): δ 7.66(s, 8H, ArH), 7.32(s, 1H, ArH), 6.69(s, 1H, ArH),3.92(s, 6H, OCH)。
(2)2−ヨード−4,6−ジ−p−トリフルオロメチルフェニル−1,3−ジメトキシベンゼンの製造
25mlの二口丸底フラスコに、窒素ガス雰囲気中にて、4,6−ジ−p−トリフルオロメチルフェニル−1,3−ジメトキシベンゼン(426mg、1mmol)を6mlの新たに蒸留したテトラヒドロフランに溶解して、−78℃にてn−ブチルリチウム(0.80ml、2.5M)を一滴ずつ滴加し、徐々に室温まで昇温し、更に2時間反応させ、ヨウ素(279mg、1.1mmol)を20mlの新たに蒸留したテトラヒドロフランに溶解して、−78℃にて前記溶液に一滴ずつ滴加し、滴加終了後、徐々に室温まで昇温し、室温で一晩反応させた。飽和亜硫酸ナトリウム水溶液を入れて余分なヨウ素を除去し、回転蒸発してテトラヒドロフランを除去し、ジクロロメタンで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、回転蒸発し、固体をアセトンで再結晶させ、収率が85%であった。
H NMR(400 MHz, CDCl): δ 7.70(s, 8H, ArH), 7.32(s, 1H, ArH),3.46(s, 6H, OCH)。
(3)2,2’,6,6’−テトラメトキシ−3,3’,5,5’−テトラ−p−トリフルオロメチルフェニルビフェニルの製造
50mlの二口フラスコに、2−ヨード−4,6−ジ−p−トリフルオロメチルフェニル−1,3−ジメトキシベンゼン(276mg、0.5mmol)と銅粉(640mg、5mmol)を均一に混合し、窒素ガス雰囲気中にて、油浴で180℃に加熱して5時間撹拌した。反応終了後、フラスコ内の固体を粉砕し、20mlのジクロロメタンで溶解させ、固体をろ過し、ろ液を収集し、回転蒸発した。ジクロロメタン:石油エーテル=1:3の混合溶媒で再結晶させ、白色の針状固体を析出させ、ろ過し、固体を収集し、生成物を得たが、収率が83%であった。
H NMR(400 MHz, CDCl): δ 7.72(dd, 16H, J=8.0Hz, J=22Hz, ArH), 7.43(s, 2H, ArH), 3.39(s, 12H, OCH)。
(4)2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラ−p−トリフルオロメチルフェニルビフェニルの製造(実施例2と同じである)
〔実施例5〕
(1)4,6−ジ−p−t−ブチルフェニル−1,3−ジメトキシベンゼンの製造
250mlの二口フラスコに、4,6−ジブロモ−1,3−ジメトキシベンゼン(592mg、2mmol)、p−t−ブチルフェニルボロン酸(1.82g、10mmol)、トリフェニルホスフィン(420mg、1.6mmol)、酢酸パラジウム(90mg、0.4mmol)、無水炭酸カリウム(2.76g,20mmol)を順次添加し、150mlのN,N−ジメチルホルムアミドを入れて、窒素ガス雰囲気中にて、100℃で16時間撹拌して、反応を終了した。ろ過し、石油エーテルでカラムクロマトグラフィーを行い、収率が86%であった。
H NMR(400 MHz, CDCl): δ 7.51(d, 4H, J=8Hz, ArH), 7.44(d, 4H, J=8Hz, ArH), 7.38(s, 1H, ArH), 6.67(s, 1H, ArH),3.90(s, 6H, OCH), 1.38(s, 18H, CH)。
(2)2−ヨード−4,6−ジ−p−t−ブチルフェニル−1,3−ジメトキシベンゼンの製造
25mlの二口丸底フラスコに、窒素ガス雰囲気中にて、4,6−ジ−p−t−ブチルフェニル−1,3−ジメトキシベンゼン(403mg、1mmol)を6mlの新たに蒸留したテトラヒドロフランに溶解して、−78℃にてn−ブチルリチウム(0.80ml、2.5M)を一滴ずつ滴加し、徐々に室温まで昇温し、更に2時間反応させ、ヨウ素(279mg、1.1mmol)を20mlの新たに蒸留したテトラヒドロフランに溶解して、−78℃にて前記溶液に一滴ずつ滴加し、滴加終了後、徐々に室温まで昇温し、室温で一晩反応させた。飽和亜硫酸ナトリウム水溶液を入れて余分なヨウ素を除去し、回転蒸発してテトラヒドロフランを除去し、ジクロロメタンで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、回転蒸発し、固体をアセトンで再結晶させ、収率が79%であった。
H NMR(400 MHz, CDCl): δ 7.51(d, 4H, J=8Hz, ArH), 7.42(d, 4H, J=8Hz, ArH), 7.35(s, 1H, ArH),3.45(s, 6H, OCH), 1.36(s, 18H, CH)。
(3)2,2’,6,6’−テトラメトキシ−3,3’,5,5’−テトラ−p−t−ブチルフェニルビフェニルの製造
50mlの二口フラスコに、2−ヨード−4,6−ジ−p−t−ブチルフェニル−1,3−ジメトキシベンゼン(264mg、0.5mmol)と銅粉(640mg、5mmol)を均一に混合し、窒素ガス雰囲気中にて、油浴で180℃に加熱して5時間撹拌した。反応終了後、フラスコ内の固体を粉砕し、20mlのジクロロメタンで溶解させ、固体をろ過し、ろ液を収集し、回転蒸発した。ジクロロメタン:石油エーテル=1:3で再結晶させ、白色の針状固体を析出させ、ろ過し、固体を収集し、生成物を得たが、収率が75%であった。
H NMR(400 MHz, CDCl): δ 7.56(d, 8H, J=8.4Hz,ArH), 7.42(s, 2H, ArH), 7.41(d, 8H, J=8.4Hz,ArH), 3.37(s, 12H, OCH)。
(4)2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラ−p−t−ブチルフェニルビフェニルの製造(実施例3と同じである)。
〔実施例6〕
(1)2,2’,6,6’−テトラメトキシ−3,3’,5,5’−テトラクロロメチルビフェニルの製造
50mlの二口フラスコに、テトラメトキシビフェニル(0.50g、1.8mmol)を入れて、室温で精製パラホルムアルデヒド1g、濃塩酸15ml、濃リン酸7ml、酢酸6mlを添加した。100℃で10時間撹拌し、水を入れて、ジクロロメタンで抽出し、酢酸エチル/石油エーテル=1:10でカラムクロマトグラフィーを行い、収率が94%であった。1H NMR(400MHz,CDCl3):7.57(s,2H,ArH),4.67(s,8H,CH),3.61(s,12H,OCH3)。
(2)2,2’,6,6’−テトラメトキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルの製造
50mlの二口フラスコに、2,2’,6,6’−テトラメトキシ−3,3’,5,5’−テトラクロロメチルビフェニル(2.32g、5mmol)、水素化ホウ素ナトリウム(1.95g、50mmol)を入れ、N2雰囲気にて、DMSO20mlを添加して室温で10時間撹拌し、TLCでモニタリングし、反応終了後、水を入れて、エーテルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、収率が99%であった。1H NMR(400MHz,CDCl3):7.03(s,2H,ArH),3.49(s,12H,OCH3),2.27(s,8H,CH)。
(3)2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルの製造
250mlの二口フラスコに、2,2’,6,6’−テトラメトキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル(330mg、1mmol)を入れ、窒素ガス雰囲気にて、50mlの精製ジクロロメタンを添加し、三臭化ホウ素(0.41ml、4.4mmol)を20mlの精製ジクロロメタンで希釈し、−78℃にて前記溶液に一滴ずつ滴加し、徐々に室温まで昇温し、一晩撹拌し、反応を終了した。氷浴下で水100mlを一滴ずつ滴加し、酸含有水層をエーテルで3回抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過、回転蒸発し、収率が100%であった。
白色固体で、収率が100%であった。1H NMR(400MHz,CDCl3): 7.04(s,2H,ArH),4.71(s,4H,OH),2.21(s,12H, CH3)。

Claims (9)

  1. 下記一般式(1)で表されることを特徴とする新規な2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニル配位子。
    Figure 2010059159
    (式中、Rはアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アラルキル基又はハロゲン原子を示す。)
  2. 前記一般式(1)中のRがフェニル基、p−トリフルオロメチルフェニル基、p−t−ブチルフェニル基、メチル基又は臭素を示すことを特徴とする請求項1記載の2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニル配位子。
  3. 前記2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニル配位子が、一般式(2)で表される2,2’,6,6’−テトラアルコキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニルと脱アルキル化剤とを反応させて得るものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニル配位子。
    Figure 2010059159
    (式中、R’はアルキル基を示す。Rは前記と同義。)
  4. 前記一般式(2)で表される2,2’,6,6’−テトラアルコキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニルが、下記一般式(3)で表される2,2’,6,6’−テトラアルコキシ−3,3’,5,5’−テトラハロゲン化ビフェニルと、一般式:R−B(OH)で表されるホウ酸化合物とを反応させて得るものであることを特徴とする請求項3記載の2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニル配位子。
    Figure 2010059159
    (式中、Xはハロゲン原子を示す。R’は前記と同義。前記一般式:R−B(OH)で表されるホウ酸化合物のRは前記と同義。)
  5. 下記一般式(1)で表される新規な2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニル配位子の合成方法であって、
    Figure 2010059159
    (式中、Rはアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アラルキル基又はハロゲン原子を示す。)
    2,2’,6,6’−テトラアルコキシビフェニルを出発原料とし、ハロゲンと反応させて2,2’,6,6’−テトラアルコキシ−3,3’,5,5’−テトラハロゲン化ビフェニルを得る工程(A1)と、
    2,2’,6,6’−テトラアルコキシ−3,3’,5,5’−テトラハロゲン化ビフェニルと、一般式R−B(OH)(Rは前記と同義。)で表されるホウ酸化合物とをSuzukiカップリング反応させて、2,2’,6,6’−テトラアルコキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニルを得る工程(A2)と、
    2,2’,6,6’−テトラアルコキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニルを脱アルキル化剤と反応させて脱アルキル化し、前記一般式(1)で表される2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニルを得る工程(A3)と、
    を含むことを特徴とする新規な2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニル配位子の合成方法。
  6. 前記Rがフェニル基、p−トリフルオロメチルフェニル基又はp−t−ブチルフェニル基を示すことを特徴とする請求項5記載の2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニル配位子の合成方法。
  7. 4,6−ジハロゲン化−1,3−ジアルコキシベンゼンを出発原料とし、一般式R−B(OH)(Rは前記と同義。)で表されるホウ酸化合物とのSuzukiカップリング反応により、4,6−二置換−1,3−ジアルコキシベンゼンを得る工程(B1)と、
    4,6−二置換−1,3−ジアルコキシベンゼンをリチオ化してヨード化し、一般式(4)で表される2−ヨード−4,6−二置換−1,3−ジアルコキシベンゼンを得る工程(B2)と、
    Figure 2010059159
    (式中、R’及びRは前記と同義。)
    2−ヨード−4,6−二置換−1,3−ジアルコキシベンゼンをUllmannカップリング反応させて、2,2’,6,6’−テトラアルコキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニルを得る工程(B3)と、
    2,2’,6,6’−テトラアルコキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニルと脱アルキル化剤とを反応させて脱アルキル化し、2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニル配位子を得る工程(B4)と、
    を含むことを特徴とする請求項6記載の2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニル配位子の合成方法。
  8. 前記一般式Rがメチル基を示すことを特徴とする請求項5記載の2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニル配位子の合成方法。
  9. 2,2’,6,6’−テトラアルコキシビフェニルをクロロメチル化反応させて、2,2’,6,6’−テトラアルコキシ−3,3’,5,5’−テトラクロロメチルビフェニルを得る工程(C1)と、
    2,2’,6,6’−テトラアルコキシ−3,3’,5,5’−テトラクロロメチルビフェニルを還元反応させて、2,2’,6,6’−テトラアルコキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルを得る工程(C2)と、
    2,2’,6,6’−テトラアルコキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルを脱アルキル化反応させて、2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルを得る工程(3)と、
    を含むことを特徴とする請求項8記載の2,2’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3’,5,5’−四置換ビフェニル配位子の合成方法。
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