JP2010059140A - 経皮免疫製剤及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、アジュバントを含まなくても免疫活性の高い経皮免疫製剤及びその製造方法を提供する。
【解決手段】
アクリル酸エステル60〜85重量%とアクリル酸及び/又はジアセトンアクリルアミド40〜15重量%よりなる共重合体100重量部、親水化剤5〜20重量部及び化学的吸収促進剤としてのポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−アルキルエーテル3〜40重量部よりなる親水性基剤表面に抗原層が積層されており、無傷の皮膚への製剤の適用によって抗原に特異的な免疫応答を誘導することを特徴とする経皮免疫製剤であり、化学的吸収促進剤としては、ポリオキシエチレン(20)−ポリオキシプロピレン(8)−セチルエーテルが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、抗原特異的免疫応答を誘導するための、経皮的免疫に有用な経皮免疫製剤及びその製造方法に関する。
経皮的免疫を成立させるには、抗原が皮膚(皮膚は通常抗原を通さない)を通過することと、抗原に対する免疫応答の両方が必要である。抗原は通常1,000ダルトンよりも大きい高分子物質であり、皮膚を通過することは極めて困難である。そのため、経皮免疫を行うためには、皮膚から角質層を剥離し、角質層を剥離した皮膚に抗原を含んだ製剤を貼付することが行われていた(例えば、特許文献1参照。)。しかし、皮膚から角質層を剥離することは抗原投与の手間がかかるばかりでなく剥離部位からの細菌感染などの恐れがあるなどの欠点を有していた。
特開平10−316585号公報
そのため、皮膚から角質層を剥離することなく無傷の皮膚へ貼付し、経皮的免疫が成立する経皮免疫製剤の研究が盛んに行われており、例えば、「1つ以上の抗原とアジュバント成分を含む経皮的免疫のための製剤であって、該成分の少なくとも1つは乾燥型であり、それにより無傷の皮膚への製剤の適用が、抗原に特異的な免疫応答を誘導する製剤及び経皮的免疫のための乾燥製剤の製造であって、(a)少なくとも1つの免疫活性成分を提供する工程(ここで製剤は、抗原活性を有する少なくとも1つの免疫活性成分を含有する);(b)免疫活性成分の少なくとも1つを溶解して、免疫活性液体を作成する工程;(c)包帯等の固体基質上の色疫活性液体を乾燥する工程;そして(d)免疫活性成分を一緒にして製剤を製造する工程を任意の順序で含み、ここで、少なくとも免疫すべき被験体の皮膚に製剤が適用されるまでは、免疫活性成分の少なくとも1つは乾燥型である、上記製造」(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。
特表2003−523937号公報
アジュバントは、免疫系の抗原提示細胞(例えば、表皮のランゲルハンス細胞、皮膚樹状細胞、樹状細胞、マクロファージ、Bリンパ球)を活性化するか、及び/又は抗原提示細胞を誘導して、抗原を貧食させると記載されている。しかしながら、アジュバンドはそれ自身、起炎性物質であり、皮膚に炎症を起こすのみならず免疫系のバランスを崩す作用もあり、人体への投与が好ましいものではない。又、上記製剤では抗原は包帯、ガーゼ等のマトリックスに分散付着されていたり、液体に溶解されているので、皮膚に接触する抗原濃度は薄く免疫活性が低かった。
本発明の目的は、上記欠点に鑑み、アジュバントを含まなくても免疫活性の高い経皮免疫製剤及びその製造方法を提供することにある。
本発明の経皮免疫製剤は、アクリル酸エステル60〜85重量%とアクリル酸及び/又はジアセトンアクリルアミド40〜15重量%よりなる共重合体100重量部、親水化剤5〜20重量部及び化学的吸収促進剤としてのポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−アルキルエーテル3〜40重量部よりなる親水性基剤表面に抗原層が積層されており、無傷の皮膚への製剤の適用によって抗原に特異的な免疫応答を誘導することを特徴とする。
本発明で使用される親水性基剤は、アクリル酸エステル60〜85重量%とアクリル酸及び/又はジアセトンアクリルアミド40〜15重量%よりなる共重合体100重量部、親水化剤5〜20重量部及び化学的吸収促進剤としてのポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−アルキルエーテル3〜40重量部よりなる。
上記共重合体は、アクリル酸エステル60〜85重量%とアクリル酸及び/又はジアセトンアクリルアミド40〜15重量%が共重合された粘着性共重合体である。
上記アクリル酸エステルは、アクリル系粘着剤の原料として一般に使用されている脂肪族アルコールとアクリル酸のエステルであり、炭素数4〜18の脂肪族アルコールとアクリル酸のエステルが好ましく、例えば、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル等が挙げられ、粘着性の観点からアクリル酸2−エチルヘキシルが好ましい。
上記共重合体は、アクリル酸エステルとアクリル酸及び/又はジアセトンアクリルアミドが共重合されてなるが、アクリル酸とジアセトンアクリルアミドは単独で共重合されてもよいし、併用して共重合されてもよい。アクリル酸及びジアセトンアクリルアミドの共重合比率は少なくなると、得られた親水性基剤の凝集力及び親水性が低下する傾向があり、多くなると、皮膚に貼付するのに適当な粘着性が得られなくなる傾向があるので、アクリル酸エステル60〜85重量%とアクリル酸及び/又はジアセトンアクリルアミド40〜15重量%が共重合されてなり、好ましくは、アクリル酸エステル70〜85重量%とアクリル酸及び/又はジアセトンアクリルアミド30〜15重量%が共重合されてなる。尚、アクリル酸単独で共重合する場合は15〜25重量%が望ましく、ジアセトンアクリルアミド単独で共重合する場合は25〜40重量%が望ましい。
上記共重合体は架橋していると、水及び/又は含水アルコールの吸収によって膨潤しても共重合体の強度の低下は全くないか、あっても少ないので架橋されているのが好ましい。
架橋方法は、従来公知の任意の方法が採用されればよく、例えば、公知の多官能性イソシアネート、アルミニウムアセチルアセトネートなどの金属錯体を架橋剤として共重合体に添加すればよい。
尚、上記共重合体に、アクリル酸及びジアセトンアクリルアミド以外のN−ビニル−2−ピロリドン、(メタ)アクリル酸、アクリル酸2−ヒドロキシエチル等の極性モノマーを物性が低下しない範囲で共重合することは可能であるが、共重合しないほうが好ましい。
上記親水化剤は、上記共重合体の水又は含水アルコールの吸収性を向上させるためのものであって、上記共重合体と相溶する親水性液体可塑剤及び親水性高分子が好ましい。親水性液体可塑剤としては、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコールソルビタンモノオレート、ソルビタントリオレート、ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート等が挙げられ、グリセリン及びソルビタントリオレートが好ましい。親水性高分子としては、例えば、ヒアルロン酸、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等が挙げられ、ヒアルロン酸及びポリエチレングリコールが好ましい。
親水化剤の添加量は、少なくなると共重合体の水又は含水アルコールの吸収性が低下し、多くなると共重合体がべたつくようになるので、共重合体100重量部に対し5〜20重量部である。尚、グリセリンの添加量は2〜10重量部が好ましく、ヒアルロン酸の添加量は0.01〜0.1重量部が好ましい。
上記化学的吸収促進剤は、抗原の経皮吸収を促進させるためのものであり、抗原の経皮吸収性を高めることと共重合体の親水性を高め抗原水溶液の表面塗布を好適にするとの2つの作用を有するポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−アルキルエーテルが使用され、ポリオキシエチレン(20)−ポリオキシプロピレン(8)−セチルエーテルが好ましい。尚、括弧内の数字は重合度を示す。
又、従来公知の任意の化学的吸収促進剤が併用されてもよい。従来公知の化学的吸収促進剤としては、例えば、メンソール、カンフル、セチルアルコール等のアルコール類;パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル等の脂肪酸エステル;モノラウリン酸グリセリン、モノオレイン酸グリセリン等のグリセリンエステル;ラウリン酸ジエタノールアミド等の酸アミド;ポリエチレングリコールジラウリルエーテル等の中性界面活性剤等が挙げられる。
化学的経皮吸収促進剤の添加量は、少なすぎると経皮吸収効果が向上せず、多すぎると親水性基剤の粘着性が低下するので、共重合体100重量部に対して3〜40重量部であり、好ましくは5〜20重量部である。
従って、好ましい親水性基剤は、アクリル酸2−エチルヘキシル75〜85重量%とアクリル酸25〜15重量%の共重合体100重量部、グリセリン2〜10重量部、ヒアルロン酸0.01〜0.1重量部及びポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−アルキルエーテル(特に、ポリオキシエチレン(20)−ポリオキシプロピレン(8)−セチルエーテル)5〜20重量部からなる親水性基剤である。
又、異なる好ましい親水性基剤は、アクリル酸2−エチルヘキシル60〜75重量%とジアセトンアクリルアミド40〜25重量%の共重合体100重量部、グリセリン2〜10重量部、ヒアルロン酸0.01〜0.1部及びポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−アルキルエーテル(特に、ポリオキシエチレン(20)−ポリオキシプロピレン(8)−セチルエーテル)5〜20重量部からなる親水性基剤である。
上記抗原は、生物の免疫細胞に提示された時、特異的免疫応答を誘導する物質を意味する。抗原は、単一の免疫原性エピトープ又はB細胞受容体(即ち、B細胞の膜上の抗体)若しくはT細胞受容体により認識される複数の免疫原性エピトープを含んでよい。
上記抗原としては、細菌、ウイルス、真菌及び寄生体よりなる群から選択される生物を感染することができる病原体由来の抗原、細胞(例えば、腫瘍細胞又は正常細胞)を感染することができる病原体由来の抗原があげられる。
抗原の分子量が1,000ダルトン以下であると親水性基剤上に溶液状態で滴下した時内部に吸収されがちであり、抗原が親水性基剤の表面上に充分濃縮されないので抗原の分子量は、1000ダルトンより大きいことが好ましい。
本発明の経皮免疫製剤は親水性基剤表面に抗原層が積層されている。親水性基剤の厚さは特に限定されるものではいが、薄すぎると抗原の水又は含水アルコール水溶液又は懸濁液の水又は含水アルコールを充分に吸収できなくなり、厚すぎると柔軟性が失われて皮膚への接触性が低下するので20〜5,000μmが好ましく、より好ましくは50〜2,000μmである。親水性基剤の形状は特に限定されるものではないが、パッチ状であるのが好ましい。又、基剤及び抗原層の表面には、離型シートやポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ウレタンフィルム等の支持フィルムが積層されていてもよい。
本発明の経皮免疫製剤はアジュバンドを含有する必要はないが、抗原層又は親水性基剤がアジュバンドを含有していてもよい。アジュバントとは、抗原に対する免疫応答の誘導を助ける物質であり、ある物質が、免疫刺激及び特異的抗体応答またはT細胞応答を誘導することにより、アジュバント及び抗原の両方として作用することがある。
上記アジュバントとしては、例えば、油エマルジョン(例えば、完全または不完全フロイントアジュバント)、リーシュマニアメージャー(Leishmania major)LeIFの誘導体、コレラ毒素又はコレラ毒素B、細菌性ADP−リボシル化外毒素及びそのサブユニット、コレラ毒素、コレラ毒素B等があげられる。
請求項4記載の経皮免疫製剤の製造方法は、抗原を水又は含水アルコールに溶解又は懸濁させた水溶液又は懸濁液を、アクリル酸エステル60〜85重量%とアクリル酸及び/又はジアセトンアクリルアミド40〜15重量%よりなる共重合体100重量部、親水化剤5〜20重量部及び化学的吸収促進剤としてのポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−アルキルエーテル3〜40重量部よりなる親水性基剤表面に滴下し、水又は含水アルコールを基剤中に吸収させることにより、抗原が濃縮された抗原層を親水性基剤表面に積層することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の経皮免疫製剤の製造方法である。
本発明においては、先ず、抗原を水又は含水アルコールに溶解又は懸濁させて水溶液又は懸濁液を作成する。水又は含水アルコールとしては、水、水を含有するメタノール、エタノール等のアルコールがあげられ、これらの緩衝液が好適に用いられる。緩衝液としては、例えば、Ca++/Mg++の無いリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)、正常な食塩水(150mMNaCl水溶液)、トリス緩衝液等があげられる。
抗原は、一般に水又は含水アルコール及びその緩衝液に溶解するが、溶解しない抗原は、10mMの酢酸で可溶化し、次に中性の水、含水アルコール、緩衝液で所望の容量に希釈すればよい。又、酸性pHでのみ溶解する抗原の場合は、希酢酸で可溶化した後、酸性pHで酢酸−PBSを希釈剤として希釈すればよい。抗原がそれ自体が不溶性である疎水性抗原(例えば、A型肝炎ウイルス、膜を横切るドメインを含有するポリペプチド等)は界面活性剤で懸濁化してもよい。
次に、得られた水溶液若しくは懸濁液を、前記親水性基剤表面に滴下し、水又は含水アルコールを基剤中に吸収させる。上記親水性基剤は水又は含水アルコールを吸収し膨潤する性質を有しているので、水溶液又は懸濁液中の水又は含水アルコールは容易に親水性基剤に吸収され、親水性基剤表面に抗原が取り残され濃縮した抗原層が形成される。
皮膚を通過するか又は皮膚内に入った抗原は、免疫応答を直接誘導するか、又は表皮中の抗原提示細胞集団(例えば、マクロファージ、組織マクロファージ、ランゲルハンス細胞、樹状細胞、表皮の樹状細胞、B細胞、またはクプファー細胞)を通過し、リンパ球に移動する。場合により抗原は、毛包又は皮膚小器官(例えば、汗腺、脂線)を介して角質層を通過する。
抗原と接触後、一部のランゲルハンス細胞は活性化され、表皮を出て、局所的リンパ節のT細胞依存性領域に移動し、ここで成熟樹状細胞として局在化する。表皮を出てリンパ節に移動する過程で、抗原担持表皮ランゲルハンス細胞は、形態、表面表現型および機能の劇的な変化を示す。表皮ランゲルハンス細胞に比較して、リンパ系樹状細胞は基本的に非食作用性であり、タンパク質抗原の処理が非効率的であるが、高レベルのMHCクラスIとクラスII抗原および種々の同時刺激性分子を発現し、同定されている天然のT細胞の最も強力な刺激物質である。
表皮ランゲルハンス細胞の強力な抗原提示能力は、経皮的に送達されるワクチンに利用することができる。皮膚免疫系を使用する経皮的免疫応答は、例えば、受動的拡散と、次にランゲルハンス細胞を活性化して抗原を取り込ませ、これらの抗原をT細胞に提示するためにリンパ節に運ばれ、次にその抗原(例えば、BSA)に特異的な免疫応答を誘導する。
上記経皮免疫製剤の無傷の皮膚への適用する前に、抗原の経皮透過を促進するために無傷の皮膚を酵素処理するのが好ましい。酵素としては、前述のプロテアーゼ、エステラーゼ、リパーゼ等の酵素があげられる。酵素処理方法は、特に限定されるものではなく、例えば、酵素を適当なpHに調整した精製水等に溶解させた酵素水溶液を皮膚部位に適用する方法があげられる。その際、酵素水溶液をろ紙やその他多孔質単体にしみ込ませて適用すると実用上便利である。又、異なる酵素処理方法として、酵素を軟膏基剤に溶解させた酵素軟膏を皮膚に適用する方法、水性ゲル中に酵素を溶解させた酵素入り水性ゲルを皮膚に貼付する方法があげられる。
本発明の経皮免疫製剤の構成は上述の通りであるから、アジュバントを含まなくても免疫活性が高い。又、本発明の経皮免疫製剤の製造方法により、濃縮された抗原層を有する経皮免疫製剤を容易に製造方法することができ、皮膚が炎症を起こしたりすることなく免疫系のバランスを予防・治療に遊離なように偏向することができる。
次に実施例を説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜3、比較例1〜7)
共重合体の調製
(1)共重合体1
攪拌機付きの500ml反応容器に、酢酸エチル200g、アクリル酸2−エチルヘキシル100g、アクリル酸20g及びアゾビスイソブチロニトリル0.005gを仕込み、反応容器内を窒素置換した後、75℃で15時間重合を行って共重合体1溶液を得た。
(2)共重合体2
攪拌機付きの500ml反応容器に、酢酸エチル200g、アクリル酸2−エチルヘキシル100g、ジアセトンアクリルアミド35g及びアゾビスイソブチロニトリル0.005gを仕込み、反応容器内を窒素置換した後、75℃で15時間重合を行って共重合体2溶液を得た。
親水性基剤の調製
表1に示した所定量の、得られた共重合体1及び2溶液(固形分換算)、ソルビタントリオレート、グリセリン、ヒアルロン酸、ポリエチレングリコール600(ナカライテスク社製、試薬)(以上、親水化剤)及びポリオキシエチレン(20)−ポリオキシプロピレン(8)−セチルエーテル(日本油脂社製、商品名「ユニセーフ20P−8」)、メンソール、ミリスチン酸イソプロピル、ラウリン酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレン(5)−ポリオキシプロピレン(4)−セチルエーテル(日本油脂社製、商品名「ユニセーフ5P−4」)、ポリオキシエチレン(17)−ポリオキシプロピレン(17)−ブチルエーテル(日本油脂社製、商品名「ユニルーブ50MB−26」)(以上、化学的吸収促進剤)を良く混合し得られた溶液をポリエチレンテレフタレートフィルム上に、乾燥後の厚さが200μmになるよう設定したナイフコーターを使用して塗膜をつくり、温度50℃で24時間溶媒を乾燥させて親水性基剤シートを得た。得られたシートを直径1cmの円形に打ち抜いてパッチ状の親水性基剤を得た。
Figure 2010059140
親水化剤1:ソルビタントリオレート
親水化剤2:グリセリン
親水化剤3:ヒアルロン酸
親水化剤4:ポリエチレングリコール600
化学的吸収促進剤5:ポリオキシエチレン(20)−ポリオキシプロピレン(8)−セチルエーテル
化学的吸収促進剤6:メントール
化学的吸収促進剤7:ミリスチン酸イソプロピル
化学的吸収促進剤8:ラウリン酸ジエタノールアミド
化学的吸収促進剤9:ポリオキシエチレン(5)−ポリオキシプロピレン(4)−セチルエーテル
化学的吸収促進剤10:ポリオキシエチレン(17)−ポリオキシプロピレン(17)−ブチルエーテル
経皮免疫製剤の調製
分子量45,000の蛋白質であるオバルミン(シグマ社製、商品名「オバルミン(OVA)グレードV」)10mgをCa++/Mg++の無いリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)1mlに溶解した溶液10μlを得られた親水性基剤に滴下し、親水性基剤にPBSを吸収させ親水性基剤表面に100μgのOVA層が積層された経皮免疫製剤を得た。得られた経皮免疫製剤の粘着性を官能試験で測定し、結果を表2に示した。
OVA特異的抗体力価の測定
得られた経皮免疫製剤をBALB/cマウス(H−2d;7週齢、メス、エスエルエス社から購入)の耳介皮膚の両面に貼付して2週間第1回の免疫操作を行い、2週間後に貼付されていた経皮免疫製剤を剥離し、新しい経皮免疫製剤を貼付して更に2週間第2回の免疫操作を行った。第2回免疫操作後、マウスの眼窩よりヘマトクリット毛細管を用いて血液を採取した。
採取した血液の血清中のOVA特異的抗体力価を酵素免疫測定法により測定し、結果を表2に示した。抗体力価は抗体の検出レベルが50%未満まで減少する最高の希釈倍率をタイター値(Titer)として、Log2Titer値の逆数で示した。この値をOVA特異的抗体力価とした。
尚、酵素免疫測定法は以下の通りである。
OVAを固相化バッファーに100μg/mlの濃度に溶解し、エライザプレート(Nunc社製、商品名「96 well ELISA plate」)に50μl/wellずつ分注し、4℃で1夜放置してOVAを固相化した。固相化したプレートに2倍希釈したブロッキング剤(大日本住友製薬社製、商品名「Block Ace」)を200μl加え、37℃で2時間インキュベートしてブロッキングした。
次に、回収した血液から血清を分離し、ブロッキング剤を用いて2倍系列で段階希釈した。得られた希釈血清をブロッキングしたプレートに50μl/wellずつ添加し37℃で2時間インキュベートした。次に、プレートを緩衝液で3回洗浄し、ブロッキング剤で希釈したホースラディッシュパラオキシダーゼ(HRP)標識羊抗マウスIgG(5000倍希釈)を50μl/wellずつ添加した。次に、37℃で2時間インキュベートした後、緩衝液で3回洗浄し、HRP基質溶液を100μl/wellずつ添加した。更に、15分間インキュベートした後、2N HSOを100μl/well加えて反応を停止させ、吸光波長450nmにおける吸光度を測定し、OVA特異的抗体力価を評価した。
Figure 2010059140

Claims (4)

  1. アクリル酸エステル60〜85重量%とアクリル酸及び/又はジアセトンアクリルアミド40〜15重量%よりなる共重合体100重量部、親水化剤5〜20重量部及び化学的吸収促進剤としてのポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−アルキルエーテル3〜40重量部よりなる親水性基剤表面に抗原層が積層されており、無傷の皮膚への製剤の適用によって抗原に特異的な免疫応答を誘導することを特徴とする経皮免疫製剤。
  2. 親水化剤が、グリセリン、ポリエチレングリコール、ソルビタントリオレート及びヒアルロン酸よりなる群から選ばれた一種の親水化剤であることを特徴とする請求項1記載の経皮免疫製剤。
  3. ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−アルキルエーテルが、ポリオキシエチレン(20)−ポリオキシプロピレン(8)−セチルエーテルであることを特徴とする請求項1又は2記載の経皮免疫製剤。
  4. 抗原を水又は含水アルコールに溶解又は懸濁させた水溶液又は懸濁液を、アクリル酸エステル60〜85重量%とアクリル酸及び/又はジアセトンアクリルアミド40〜15重量%よりなる共重合体100重量部、親水化剤5〜20重量部及び化学的吸収促進剤としてのポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−アルキルエーテル3〜40重量部よりなる親水性基剤表面に滴下し、水又は含水アルコールを基剤中に吸収させることにより、抗原が濃縮された抗原層を親水性基剤表面に積層することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の経皮免疫製剤の製造方法。
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