JP2010058603A - 倒立車輪型移動体、及びその制御方法 - Google Patents

倒立車輪型移動体、及びその制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】制御性及び走行性に優れた制御コントローラを有する倒立車輪型移動体、及びその制御方法を提供すること。
【解決手段】本発明に係る倒立車輪型移動体100の制御部80は、取得した傾斜角度及び傾斜角速度と目標傾斜角度及び目標傾斜角速度との姿勢偏差、第1の測定部により取得した駆動量と目標駆動量との車輪偏差、第2の測定部により取得した駆動量と目標駆動量とのスライダ偏差、及び第3の測定部により取得した駆動量と目標駆動量とのアーム偏差を算出し、当該算出した4つの偏差に所定のゲインを乗じて、車輪を駆動する車輪トルク指令、スライダ機構を駆動するスライダ力指令、及びアーム機構を駆動するアームトルク指令を算出する。
【選択図】図5

Description

本発明は倒立車輪型移動体、及びその制御方法に関する。
倒立二輪車両などの倒立車輪型移動体は、通常、左右の駆動輪を駆動して安定状態を維持するように重心位置を修正しつつ、移動を行なうように制御している。さらに、倒立状態を安定させるため、車輪上方に設けられた慣性体を駆動する構成が開示されている(特許文献1)。この倒立車輪型移動体では、走行中に、慣性体をスライド移動させている。これにより、重心位置が車軸の鉛直線上に速やかに移動するため、倒立を安定させることができる。
特開2006−205839号公報
しかしながら、従来技術では、このような多自由度を有する倒立車輪型移動体の制御コントローラの設計は、各事由度の動作に着目して制御コントローラを設計し、設計したそれら複数の制御コントローラを結合することにより行われるものであった。このため、従来の制御コントローラでは、各自由度の動作が干渉しあい、動作計画を適切に調整しないと、良好な動作制御を実現することができないという問題があった。また、各自由度の干渉を意識しすぎることで、各制御コントローラの制御性能を十分に発揮することができなくなるという問題があった。
特許文献1記載の倒立車輪型移動体では、台車並進方向に関する車輪の制御を行う制御コントローラと、台車並進方向にスライド可能な制御アームの制御を行う制御コントローラとを有している。例えば、特許文献1記載の倒立車輪型移動体が加減速を行う場合には、加減速を行うための車輪のトルク指令値に合わせて制御アームの動作を適切に制御する必要がある。しかし、特許文献1記載の倒立車輪型移動体では、各制御コントローラは互いに独立しているため、車輪と制御アームとの制御を協調させて行わせるためのさらに他の演算器(CPUなど)が必要となる。
本発明は、多自由度を有する制御対象に対して良好な動作制御を実現可能な制御コントローラを設計し、制御性及び走行性に優れた当該制御コントローラを有する倒立車輪型移動体、及びその制御方法を提供することを目的とする。
本発明に係る倒立車輪型移動体は、車輪を回転可能に支持する車台と、前記車輪を回転駆動する第1の駆動部と、支持部材を介して前記車台に対して回動可能に支持された車体部と、前記車体部を駆動する第2の駆動部と、前記車体部の高さを変化させる第3の駆動部と、前記第1の駆動部、前記第2の駆動部、及び第3の駆動部を制御する制御部と、前記車体部の鉛直方向に対する傾斜角度及び傾斜角速度を取得する姿勢傾斜測定部と、前記第1の駆動部の駆動量を取得する第1の測定部と、前記第2の駆動部の駆動量を取得する第2の測定部と、前記第3の駆動部の駆動量を取得する第3の測定部と、を備える倒立車輪型移動体であって、前記制御部が、前記姿勢傾斜測定部により取得した前記傾斜角度及び傾斜角速度と目標傾斜角度及び目標傾斜角速度との姿勢偏差、前記第1の測定部により取得した駆動量と目標駆動量との第1の偏差、前記第2の測定部により取得した駆動量と目標駆動量との第2の偏差、及び前記第3の測定部により取得した駆動量と目標駆動量との第3の偏差を算出し、当該算出した4つの偏差に所定のゲインを乗じて、前記第1の駆動部を駆動する第1の制御量、前記第2の駆動部を駆動する第2の制御量、及び前記第3の駆動部を駆動する第3の制御量を算出するものである。
このように、第1の駆動部、第2の駆動部、及び第3の駆動部に関する制御を一つの制御コントローラにより実現することで、多自由度を有する倒立車輪型移動体に対して良好な動作制御を実現することができる。
また、前記第3の偏差に積分演算値を含むことで、第3の駆動部に関する重力補償を行うことができる。さらに、前記姿勢偏差に積分演算値を含むことで、姿勢偏差に関する定常偏差を解消することができる。また、前記制御部は、重力を含む加速度による非線形負荷を補償するフィードフォワード量を算出し、当該算出したフィードフォワード量を前記第1の制御量、前記第2の制御量、及び前記第3の制御量に加算することで、重力を含む非線形項の補償を行うことができる。
さらにまた、前記ゲインのゲインパターンを予め複数設定し、前記第3の測定部により取得した前記第3の駆動部の駆動量に応じて、前記ゲインパターンを切替えるようにしてもよい。このように、単一の制御コントローラであっても、影響度の大きな駆動量に応じてゲインのゲインパターンを切替えることで、制御性能の低下を抑制することができる。
また、前記第3の駆動部が前記車体部を支持しながら鉛直方向に伸縮するアーム機構を有しており、前記第3の測定部は、前記アーム機構の変化量を前記第3の駆動部の駆動量として取得すると好適である。
さらにまた、前記第2の駆動部が前記車体部を前後にスライドさせるスライド機構を有し、前記第3の駆動部が前記車体部を支持しながら鉛直方向に伸縮するアーム機構を有し、前記制御部は、前記算出した第1の制御量としての車輪トルク指令を前記車輪に出力し、前記算出した第2の制御量としてのスライド力指令を前記スライド機構に出力し、前記算出した第3の制御量としてのアームトルク指令を前記アーム機構に出力すると好適である。
本発明に係る倒立車輪型移動体の制御方法は、車輪を回転可能に支持する車台と、前記車輪を回転駆動する第1の駆動部と、支持部材を介して前記車台に対して回動可能に支持された車体部と、前記車体部を駆動する第2の駆動部と、前記車体部の高さを変化させる第3の駆動部と、を備える倒立車輪型移動体の制御方法であって、前記車体部の鉛直方向に対する傾斜角度及び傾斜角速度を取得し、前記第1の駆動部の駆動量、前記第2の駆動部の駆動量、及び前記第3の駆動部の駆動量を取得し、前記取得した前記傾斜角度及び傾斜角速度と目標傾斜角度及び目標傾斜角速度との姿勢偏差、前記取得した駆動量と目標駆動量との第1の偏差、前記取得した駆動量と目標駆動量との第2の偏差、及び前記取得した駆動量と目標駆動量との第3の偏差を算出し、当該算出した4つの偏差に所定のゲインを乗じて、前記第1の駆動部を駆動する第1の制御量、前記第2の駆動部を駆動する第2の制御量、及び前記第3の駆動部を駆動する第3の制御量を算出するものである。
このように、第1の駆動部、第2の駆動部、及び第3の駆動部に関する制御を一つの制御コントローラにより実現することで、多自由度を有する倒立車輪型移動体に対して良好な動作制御を実現することができる。
本発明によれば、多自由度を有する制御対象に対して良好な動作制御を実現可能な倒立車輪型移動体、及びその制御方法を提供することができる。
発明の実施の形態1.
本実施の形態にかかる移動体は倒立振子制御によって移動する倒立車輪型移動体である。移動体は、地面に接地した車輪を駆動することによって、所定の位置まで移動する。さらに、ジャイロセンサ等からの出力に応じて車輪を駆動することによって、倒立状態を維持することができる。また、移動体は、倒立状態を維持したまま、操作者が操作する操作量に応じて移動する。
図1及び図2を用いて、本実施の形態にかかる移動体100の構成について説明する。図1は移動体100の構成を模式的に示す側面図であり、図2は移動体100の構成を模式的に示す正面図である。
図2に示されるように、移動体100は、倒立車輪型の移動体(走行体)であり、右駆動輪18と、左駆動輪20と、右スイングアーム17と、左スイングアーム19と、車体12と、を備えている。車体12は、右駆動輪18、及び左駆動輪20の上方に配置された移動体100の上体部の一部である。ここで、移動体100の進行方向(図2の紙面と垂直方向)を前後方向とし、水平面において前後方向に垂直な方向を左右方向(横方向)とする。よって、図2は、進行方向前側から移動体100を見た図であり、図1は、左側から移動体100を見た図である。
走行時において、右スイングアーム17、及び左スイングアーム19は、車高を調整する。さらに、一方、又は両方のスイングアームを駆動して、車体12の地面に対する左右の傾斜角度を調整する。例えば、水平な地面を走行中に、右駆動輪18のみが段差に乗り上げたり、地面が右上がりの傾斜面に変わったりしたとする。この場合、右駆動輪18が左駆動輪20よりも高くなる。このため、右スイングアーム17の関節を駆動して右駆動輪18を車体12の方向により近づけるようにする。これにより、右駆動輪18が高くなった分を吸収でき、横方向(左右方向)において車体12を水平にすることができる。即ち、右スイングアーム17及び左スイングアーム19が、第3の駆動部に相当する。
右スイングアーム17側端側には右マウント26が固定され、車軸30を介して右駆動輪18を回転可能に支持する。右駆動輪18は、車軸30を介して右輪駆動モータ34の回転軸C1に固定されている。右輪駆動モータ34は、右マウント26内に固定され、車輪用駆動部(アクチュエータ)として機能する。
左スイングアーム19の側端側には左マウント28が固定され、車軸32を介して左駆動輪20を回転可能に支持する。左駆動輪20は、車軸32を介して左輪駆動モータ36の回転軸C2に固定されている。左輪駆動モータ36は、左マウント28内に固定され、車輪用駆動部(アクチュエータ)として機能する。右駆動輪18と左駆動輪20は、地面と接地し、略同軸上で回転する一対の車輪である。
右駆動輪18と左駆動輪20が、回転することによって、移動体100が移動する。また、右輪駆動モータ34と左輪駆動モータ36が、車輪を駆動させる駆動輪モータとなる。即ち、右輪駆動モータ34と左輪駆動モータ36が、第1の駆動部に相当する。右マウント26と左マウント28が、左右の駆動輪を回転可能に支持する車台となる。
右輪駆動モータ34及び左輪駆動モータ36(以下、モータ34、36と称することもある。)は例えば、サーボモータである。尚、車輪用アクチュエータは、電気的なモータに限らず、空圧、油圧を使用したアクチュエータでもよい。なお、以下の説明において、右駆動輪18と左駆動輪20をまとめて、駆動輪と呼ぶこともある。
また、右マウント26は、右輪エンコーダ52を備えている。右輪エンコーダ52は、右駆動輪18の回転量としての回転角を検出する。左マウント28は、左輪エンコーダ54を備えている。左輪エンコーダ54は、左駆動輪20の回転量としての回転角を検出する。
右スイングアーム17は、右上リンク21と、右スイング軸62と、右スイングアーム駆動モータ60を有している。左スイングアーム19は、左上リンク22と、左スイング軸66と、左スイングアーム駆動モータ64を有している。車体12の下部には、右上リンク21及び左上リンク22が固定されている。右上リンク21には、右スイングアーム駆動モータ60が固定され、右スイング軸62を介して、回転軸C4回りに、右スイングアーム17を駆動する。左スイング軸66には、左スイングアーム駆動モータ64が固定され、左スイング軸66を介して、回転軸C5周りに左スイングアーム19を駆動する。このように、右スイングアーム17には、回転軸C4回りに回転する回転関節が設けられ、左スイングアーム19には、回転軸C5回りに回転する回転関節が設けられている。右スイングアーム17及び左スイングアーム19(以下、スイングアーム17、19と称することもある。)に設けられた関節をスイングアーム関節とする。
車体12には、搭乗席駆動モータ70、ラックアンドピニオン72、ジャイロセンサ48、及び搭乗席74が取り付けられている。また、車体12には、対向して、右上リンク21及び左上リンク22が取り付けられている。
車体12の中央近傍には、ラックアンドピニオン72が設けられている。ラックアンドピニオンのラックは、前後方向に沿って設けられている。ラックアンドピニオン72によって、搭乗席74が支持されている。即ち、搭乗席74は、ラックアンドピニオン72を介して車体12に取り付けられている。搭乗席74は、搭乗者が座ることができる椅子の形状を有する。なお、ラックアンドピニオン72の代わりにボールネジなどを用いてスライドさせてもよい。
車体12の上部には、搭乗席駆動モータ70が固定されている。搭乗席74と搭乗席駆動モータ70は、ラックアンドピニオン72によって連結されている。搭乗席駆動モータ70は、回転軸C3回りに回転する。これにより、ラックアンドピニオン72のピニオンに回転力が加えられる。搭乗席駆動モータ70の回転運動は、ラックアンドピニオン72によって、直線運動に変換される。すなわち、搭乗席駆動モータ70を駆動すると、車体12に対する搭乗席74の位置が前後にスライドする。即ち、搭乗席駆動モータ70が第2の駆動部に相当する。このとき、搭乗席74と搭乗者又は搭乗物との合成重心位置が、車体12に対して前後に変化する。なお、車体12に対して、搭乗席74と搭乗者又は搭乗物との合成重心位置を変化させる手段としては、スライド機構の他に、回転軸機構、旋回機構などで実現することも可能である。また、搭乗席駆動モータ70の動力をギアやベルトやプーリなどを介して、搭乗席74に伝達してもよい。ここで、搭乗席駆動モータ70によって前後に移動する構成全体を車体部77とする。車体部77には、搭乗席74や操作モジュール46等が含まれる。もちろん、車体12を駆動するアクチュエータを備える場合は、車体部77に車体12も含まれる。また、搭乗席駆動モータ70には、スライド位置を計測するためのエンコーダ(図示せず)が設けられている。
回転軸C3は回転軸C1及びC2と平行であり、回転軸C1及びC2の上方に位置する。回転軸C3と回転軸C1との間に右スイングアーム17が設けられ、回転軸C3と回転軸C2との間に左スイングアーム19が設けられている。右スイングアーム駆動モータ60は、右スイングアーム17を回転軸C4回りに回転させ、左スイングアーム駆動モータ64は、左スイングアーム19を回転軸C5回りに回転させる。通常の走行時には、回転軸C1〜回転軸C5は水平になっている。
さらに、移動体100には、転倒を防止するために、2つの補助輪51が設けられている。補助輪51は、補助輪支持ブロック55に対して回転可能に支持されている。そして、補助輪支持ブロック55は車体12に取り付けられている。ここでは、一方の補助輪51は、駆動輪の前方側に配置され、他方の補助輪51は駆動輪の後方側に配置されている。補助輪51は、従動輪であり、移動体100の移動にしたがって回転する。
一方の補助輪51の回転軸は、回転軸C1、C2よりも前側上方にあり、他方の補助輪51の回転軸は、回転軸C1,C2よりも後側上方にある。すなわち、補助輪51の一方は、駆動輪の車軸よりも前方に配置され、他方は、駆動輪の車軸よりも後方に配置される。これにより、移動体100が前後に転倒するのを防止することができる。なお、補助輪以外の転倒防止部材によって、転倒を防止してもよい。例えば、前後方向に突出したストッパなどで転倒を防止することができる。
車体12には、バッテリーモジュール44と、センサ58が収納されている。センサ58は、例えば、光学式の障害物検知センサであり、移動体100の前方に障害物を検知すると、検知信号を出力する。また、センサ58は、障害物センサ以外のセンサであってもよい。例えば、センサ58として、加速度センサを用いることも可能である。もちろん、センサ58として、2以上のセンサが用いられていてもよい。センサ58は移動体100の状態に応じて変化する変化量を検出する。バッテリーモジュール44は、センサ58、ジャイロセンサ48、右輪駆動モータ34、左輪駆動モータ36、右スイングアーム駆動モータ60、左スイングアーム駆動モータ64、搭乗席駆動モータ70、及び制御部80等に対して電力を供給する。
車体12上には、ジャイロセンサ48が設けられている。ジャイロセンサ48は、車体12の傾斜角に対する角速度を検出する。ここで、車体12の傾斜角は、移動体100の重心位置が車軸30、32の鉛直上方に伸びる軸からの傾斜度合いであり、例えば移動体100の進行方向前方に車体12が傾斜している場合を「正」とし、移動体100の進行方向後方に車体12が傾斜している場合を「負」として表わす。したがって、車体12が水平になっている状態では、傾斜角度が0°になる。そして、通常の走行時には、傾斜角度の制御目標値が0°なっている。この制御目標値に追従するように、フィードバック制御されている。また、前後方向における傾斜角度を移動体100の姿勢の傾斜角度とする。
また、進行方向の前後方向に加えて、左右方向の傾斜角速度はロール、ピッチ、ヨーの3軸のジャイロセンサ48を用いて測定される。このように、ジャイロセンサ48は、車体12の傾斜角の変化を、車体12の傾斜角速度として測定する。もちろん、ジャイロセンサ48は他の箇所に取り付けられていてもよい。ジャイロセンサ48で測定された傾斜角速度は、移動体100の姿勢の変化に応じて変化する。即ち、傾斜角速度は、車軸の位置に対する車体12の重心位置に応じて変化する変化量である。従って、外乱などによって、姿勢の傾斜角度が急激に変化すると、傾斜角速度の値が大きくなる。
搭乗席74の側面には、操作モジュール46が設けられている。操作モジュール46には、操作レバー(図示せず)及びブレーキレバー(図示せず)が設けられている。操作レバーは、搭乗者が移動体100の走行速度や走行方向を調整するための操作部材である、搭乗者は、操作レバーの操作量を調整することによって移動体100の移動速度を調整することができる。また、搭乗者は、操作レバーの操作方向を調整することによって移動体100の移動方向を指定することができる。移動体100は、操作レバーに加えられた操作に応じて、前進、停止、後退、左折、右折、左旋回、右旋回することができる。搭乗者がブレーキレバーを倒すことによって、移動体100を制動することができる。移動体100の進行方向は、水平面内において、車軸30、32と垂直な方向になる。また、操作モジュール46には、制御モードを切換えるスイッチが設けられている。
さらに、搭乗席74の背もたれ部分には、制御部80が実装されている。制御部80は、搭乗者が操作モジュール46に対して行なった操作に追従して、右輪駆動モータ34及び左輪駆動モータ36を制御し、移動体100の走行(移動)を制御する。制御部80は、操作モジュールでの操作に応じて、右輪駆動モータ34及び左輪駆動モータ36を制御する。これにより、操作モジュール46での操作に応じた加速度、速度指令値で右輪駆動モータ34及び左輪駆動モータ36が駆動する。
制御部80は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、通信用のインターフェースなどを有し、移動体100の各種動作を制御する。そして、この制御部80は、例えばROMに格納された制御プログラムに従って各種の制御を実行する。制御部80は、操作モジュール46での操作に応じて、所望の加速度、及び目標速度になるように、また、移動体100が倒立を維持するように、ロバスト制御、状態フィードバック制御、PID制御などの周知のフィードバック制御により、右輪駆動モータ34及び左輪駆動モータ36を制御する。これにより、移動体100が、操作モジュール46での操作に応じて加減速しながら走行する。
すなわち、操作モジュール46は、搭乗者の操作によって与えられた操作量を取得し、この操作量を操作信号として、制御部80に出力する。そして、制御部80は、操作信号に基づいて、移動体100の目標加速度や、目標速度を算出し、これに追従するように、移動体100をフィードバック制御する。これにより、移動体100を倒立させつつ、移動させることができる。
また、制御部80は、右輪駆動モータ34、左輪駆動モータ36、右スイングアーム駆動モータ60、左スイングアーム駆動モータ64、及び搭乗席駆動モータ70を制御する。ここで、搭乗席駆動モータ70が右輪駆動モータ34及び左輪駆動モータ36と協調して動作するよう、制御部80が制御を行う。すなわち、倒立を安定させるように、駆動輪を回転駆動するとともに搭乗席74をスライド移動させる。これにより、車体12の傾斜角度が小さくなり、倒立を安定させることができる。このようにして、搭乗席駆動モータ70が右スイングアーム駆動モータ60、左スイングアーム駆動モータ64、及び搭乗席駆動モータ70と協調して動作する。
以下、制御部80による制御目標値の算出方法について具体的に説明する。図3は、以下の説明において使用する変数の定義を表す図である。図3Aは、本実施の形態にかかる移動体の構成を概念的に示す図であり、長さに関する変数の定義を表す図である。図3Bは、本実施の形態にかかる移動体の構成を概念的に示す図であり、角度に関する変数の定義を表す図である。
図3Aに示すように、搭乗席駆動モータ70によりスライドする搭乗席74に関して、搭乗席74の重心をmとし、車体12に設けた原点Oからの重心mの位置を、x軸方向のスライダ位置Pgx、y軸方向のスライダ位置Pgy、z軸方向のスライダ位置Pgzとして示す。また、右スイングアーム17及び左スイングアーム19を原点Oからの距離lに設け、その重心mは、スイングアームの端部から距離lに位置するものとする。また、車体12の重心をmとし、原点Oからのその重心mの位置をx軸方向の距離Bgx、y軸方向の距離Bgy、z軸方向の距離Bgzとして示す。また、右駆動輪18及び左駆動輪20の半径をRとし、その重心mを、スイングアームの重心mから距離lに設ける。
図3Bに示すように、鉛直方向に対する車体12の傾斜角をθby、水平方向に対する右スイングアーム17及び左スイングアーム19の回転角度をそれぞれθar及びθal、右駆動輪18及び左駆動輪20の回転角度をそれぞれθtr及びθtlとして示す。
図3に示した移動体は、右駆動輪18及び左駆動輪20の2軸、右スイングアーム17及び左スイングアーム19の2軸、及び搭乗席駆動モータ70のスライド機構の1軸からなる合計で5軸の自由度を有する、3次元5軸モデルである。図3に示したモデルについて、以下の数1に示す5つの釣り合いの式を得ることができる。数1は、図3のモデルに関する逆動力学を示す。尚、τtrは右駆動輪18のトルク、τtlは左駆動輪20のトルク、τarは右スイングアーム17のトルク、τalは左スイングアーム19のトルク、Fは搭乗席駆動モータ70のスライド機構に作用するスライダ力を示す。変数上のドット(・)は、時間に関する一階微分であることを示し、ダブルドット(・・)は、時間に関する二階微分であることを示す。即ち、θby (・)は車体12の傾斜角速度、θar (・)は右スイングアーム17の回転角速度、θal (・)は左スイングアーム19の回転角速度、θtr (・)は右駆動輪18の回転角速度、θtl (・)は左駆動輪20の回転角速度、Pgx (・)はスライダの移動速度を示す。θby (・・)は車体12の傾斜角加速度、θar (・・)は右スイングアーム17の回転角加速度、θal (・・)は左スイングアーム19の回転角加速度、θtr (・・)は右駆動輪18の回転角加速度、θtl (・・)は左駆動輪20の回転角加速度、Pgx (・・)はスライダの移動加速度を示す。
Figure 2010058603

尚、数1におけるfij及びgは、以下の数2により示される関数f及びgを用いて計算される。関数fは、状態量に基づいて、係数fijを計算する。関数gは、状態量に基づいて、重力を含めた各非線形項gを計算する。
Figure 2010058603
数1に示す車体12の傾斜角θby、とスライダ位置Pgxを線形化し、擬似逆行列H及び行列Hを用いることで、数1を以下の数3に示す行列形式により表現することができる。
Figure 2010058603

ここで、g´を関数gに線形化する。以下の数4から、θbyとPx0の比例項を含めた関数とする(θby0とPx0は、それぞれ線形化原点を示す)。また、擬似逆行列H及び行列Hは以下の数5により示され、行列中の各要素hijは、数1を変形することにより計算することができる。
Figure 2010058603

Figure 2010058603
図4に示した移動体のモデルを、以下の数6の状態方程式により表す。
Figure 2010058603

ここで、状態変数x、制御入力u、行列A、及び行列Bを、以下の数7に示す。尚、Iθalは左スイングアーム19の回転角度θalの時間積分値、Iθarは右スイングアーム17の回転角度θarの時間積分値、Iθbyは車体12の傾斜角θbyの時間積分値をそれぞれ示す。また、行列A及び行列Bの要素のうち、値を表示していない要素の値は0である。
Figure 2010058603

本実施の形態では、13個の状態量(Iθal、Iθar、Iθby、θal、θar、θby、Pgx、θtl (・)、θtr (・)、θal (・)、θar (・)、θby (・)、Pgx (・))を用いて、多自由度を有する移動体の制御系であって、その拡大系を生成する。ここで、状態量に積分値を追加することで、以下のような効果を得ることができる。即ち、スイングアームの回転角度に関する時間積分値Iθal及びIθarを追加することで、スイングアームの重力補償が可能になる。また、車体12の傾斜角に関する時間積分値Iθbyを追加することで、傾斜角について生じる定常偏差を解消することができる。尚、ここでは、傾斜角の時間積分値Iθbyを0に収束させやすくするために、スライダ位置に関する時間積分値を設けていない。
次いで、数6及び数7に示したシステムの状態方程式に基づいて、その制御系を設計する。ここでは、以下の数8に示すように、関数lqrを用いて、線形フィードバックコントローラのフィードバックゲインKを設計する。フィードバックゲインKは5×13の行列であり、上述した13個の状態量に対してゲイン行列Kを乗算することで、制御入力uを算出する。制御入力uは、右駆動輪18のトルク、左駆動輪20のトルク、右スイングアーム17のトルク、左スイングアーム19のトルク、搭乗席駆動モータ70のスライド機構に作用するスライダ力から構成される。尚、関数lqrは、最適レギュレータによるフィードバックゲインKを設計する関数である。即ち、最適レギュレータは、2次形式の評価関数を最小にする状態フィードバックゲイン行列Kを定める方法である。A及びBは数7に示した行列である。Q及びRは評価関数に用いられる正定行列であり、シミュレーションにより定める。また、状態フィードバックゲインKの設計方法は最適レギュレータに限定されず、極配置法などの公知の制御理論により設計するものとしてもよい。
Figure 2010058603
さらに、本実施の形態に係る制御系では、以下の数9に示すように、制御入力uに対して非線形補償項g´を追加することで、重力を含む加速度による非線形負荷を補償する。即ち、フィードフォワード的にgを与えることで、移動体の動作を滑らかにすることができる。尚、xrefは状態変数xの目標値、xnowは状態変数xの測定値を示す。eは状態量の偏差を示す。
Figure 2010058603
また、本実施の形態に係る制御系では、フィードバックゲインのゲインパターンを予め複数設定し、影響度の大きな駆動量に応じてフィードバックゲインを切替えることで、制御性能の低下を抑制することができる。これにより、単一の制御コントローラであっても、影響度の大きな駆動量に応じてゲインのゲインパターンを切替えることで、制御性能の低下を抑制することができる。
上述した3次元モデルにおいて、上下移動(スイングアームによる車体の高さの変化)による影響と、前後移動(スライド機構の移動による、搭乗席のスライド変化)による影響を、姿勢加速度のグラフから判断する。本実施の形態に係る移動体では、上下移動による影響度が特に大きなものであるため、以下では、スイングアームのアーム角度に応じて制御コントローラのフィードバックゲインを切替える構成について説明する。
図4は、駆動輪に対して一定の車輪トルクが与えられている場合に、スイングアームの回転角度の変化が車体の傾斜角加速度に与える影響を示す概念図である。図4に示すように、スイングアームのアーム角度が小さな場合には車体の重心位置が低くなるため、移動体の重心周りの慣性モーメントが小さいものとなる。このため、同一の車輪トルクによりその移動を制御しようとすると応答性は高くなる。即ち、移動体の姿勢を所定の状態へと維持するために必要な車輪トルクは、スイングアームのアーム角度が大きな場合に比べて減少する。一方で、スイングアームのアーム角度が大きな場合には車体の重心位置が高くなるため、移動体の重心周りの慣性モーメントが大きい。このため、同一の車輪トルクに対して応答性は低くなる。従って、スイングアームの回転角度の増加に伴って車体の重心位置が変化し、これにより、姿勢制御に関する車輪トルクの影響が無視できなくなる。このため、姿勢制御をスイングアームの回転角度に応じて変更する。
本実施の形態に係る移動体では、特に、左右のスイングアームの回転角度の差(ロール方向の姿勢のずれ)が、倒立制御に影響を与える。このため、制御部80は、各スイングアームの回転角度に応じて、フィードバックゲインを切替えることにより、倒立制御の制御性能の低下を抑制する。図5は、各スイングアームの回転角度と、制御コントローラのフィードバックゲインとの関係を示すゲインマップである。各スイングアームの回転角度の可動範囲を例えば0degから70degとした場合に、各スイングアームの回転角度を所定の単位で複数段階の領域に分割する。そして、分割した各スイングアームの回転角度の各段階に対して、上述した手法によりフィードバックゲインKを算出する。図においては、10deg単位でスイングアームの回転角度を分割し、8段階のスイングアームの回転角度に対するフィードバックゲインKを算出している。さらに、各段階の間のフィードバックゲインKを、算出した各段階に対するフィードバックゲインKの値から線形補間することにより算出している。即ち、ゲインマップは、このようにして算出した複数のフィードバックゲインのゲインパターンから構成される。制御部80は、検出した各スイングアームの回転角度の組合せに応じてフィードバックゲインを切替え、切替えたフィードバックゲインを用いて制御量を算出する。
尚、ゲインマップを参照して、フィードバックゲインを切替える実施例としては、スイングアームの回転角度に応じて切替える場合に限定されない。図6は、スイングアームの回転角度以外の駆動量に応じてフィードバックゲインを切替える実施例を示す図である。図6Aは及び図6Bは進行方向前方から移動体を示す概念図であり、図6Cは進行方向側方から移動体を示す概念図である。例えば、図6Aに示すように、駆動輪の幅の変化に応じて、フィードバックゲインを切替えるようにしてもよい。また、図6Bに示すように、例えば搭乗席を上下に変化させる上下移動機構の変化に応じて、フィードバックゲインを切替えるようにしてもよい。また、図6Cに示すように、前後移動機構(スライド機構)の変化に応じて、フィードバックゲインを切替えるようにしてもよい。
次に、上記の制御を行う移動体の制御系の構成について図7を用いて説明する。図7は、制御部80を含む制御系の構成を示すブロック図である。制御部80は、上述したようにして設計した制御コントローラとしての協調制御部91、指令値生成部92、及び非線形補償部93を備えている。移動体100には、各モータを駆動制御するアンプが設けられている。ここで、右輪駆動モータ34、左輪駆動モータ36、右スイングアーム駆動モータ60、左スイングアーム駆動モータ64、搭乗席駆動モータ70に設けられているアンプをそれぞれ、アンプ34a、アンプ36a、アンプ60a、アンプ64a、アンプ70aとする。各アンプは、協調制御部91からの制御信号に基づいて動作する。
センサ類83は、移動体100に設けられている各種センサを示すものであり、例えば、ジャイロセンサ48、右輪エンコーダ52、左輪エンコーダ54、センサ58等を含んでいる。即ち、センサ類83は、姿勢傾斜測定部、第1の測定部、第2の測定部、及び第3の測定部を含む。
指令値生成部92は、倒立制御計算を行い、各駆動部を駆動する制御目標値を算出する。そして、減算器により制御目標値と現在値との偏差が求められる。尚、現在値は、例えば、センサ類83からの出力に基づいて算出することができる。そして、協調制御部92は、この偏差に上述したフィードバックゲインKを乗じて、フィードバック制御を行う。倒立制御計算では、例えば、車体12の傾斜角度及び傾斜角速度などを制御目標値として算出する。車体12の傾斜角速度は、ジャイロセンサ48で測定される。そして、傾斜角速度を積分することによって、車体12の傾斜角度が求まる。例えば、倒立走行時には、姿勢の目標傾斜角度が0°になるようにフィードバック制御する。また、その場で停止させる場合は、目標傾斜角速度が0になるようにフィードバック制御する。
より具体的には、指令値生成部92は、目標傾斜角度及び目標傾斜角速度、目標車輪回転角度及び目標車輪回転角速度、目標スライド位置及び目標スライド速度、目標スイングアーム角度及び目標スイングアーム速度を生成する。減算器を用いて、センサ類83の検出値から取得した傾斜角度及び傾斜角速度と目標傾斜角度及び目標傾斜角速度との姿勢偏差、センサ類83の検出値から取得した車輪回転角度及び車輪回転角速度と目標車輪回転角度及び目標車輪回転角速度との第1の偏差、センサ類83の検出値から取得したスライド位置及びスライド速度と目標スライド位置及び目標スライド速度との第2の偏差、センサ類83の検出値から取得したスイングアーム角度及びスイングアーム速度と目標スイングアーム角度及び目標スイングアーム速度との第3の偏差を算出する。
尚、スイングアームに関する制御量を算出するための偏差には、積分演算値を含むものとしてもよい。即ち、センサ類83の検出値から取得したスイングアーム角度と目標スイングアーム角度との偏差を積分して算出する積分値を、協調制御部92に対して更に入力するものとしてもよい。これにより、スイングアームに関する重力補償を行うことができる。また、姿勢偏差には、積分演算値を含むものとしてもよい。即ち、センサ類83の検出値から取得した傾斜角と目標傾斜角との偏差を積分して算出する積分値を、協調制御部92に対して更に入力するものとしてもよい。これにより、スイングアームに関する重力補償を行うことができる。これにより、姿勢偏差に関する定常偏差を解消することができる。
協調制御部92は、上述したようにして算出した各偏差にフィードバックゲインを乗じて、各駆動部を駆動する制御量としてのスライド力、右スイングアームトルク、左スイングアームトルク、右車輪トルク、左車輪トルクを算出する。協調制御部92は、算出したこれらの制御量を制御信号として出力し、右輪駆動モータ34、左輪駆動モータ36、右スイングアーム駆動モータ60、左スイングアーム駆動モータ64、及び搭乗席駆動モータ70を協調して制御する。
より具体的には、協調制御部92は制御信号を出力して、倒立状態を維持して安定して走行するように右輪駆動モータ34及び左輪駆動モータ36を駆動する。協調制御部92は、右輪駆動モータ34及び左輪駆動モータ36に対する車輪トルクを指令値として出力する。即ち、モータ34、36のアンプ34a、36aに車輪トルクに応じた制御信号を出力する。制御部80からの制御信号は、アンプ34a、36aを介して、右輪駆動モータ34及び左輪駆動モータ36に入力され、右輪駆動モータ34及び左輪駆動モータ36が駆動する。
また、協調制御部92は制御信号を出力して、スイングアームが車体部を支持しながら鉛直方向に伸縮するようにスイングアーム関節67を駆動する。協調制御部92は、右輪駆動モータ34及び左輪駆動モータ36に対する右スイングアームトルク及び左スイングアームトルクを指令値として出力する。これにより、補助輪51が接地している接地状態と、離地している離地状態とを切換えることができる。また、傾斜面を走行するときは、ジャイロセンサ48などの出力に基づいて、制御信号を出力する。これにより、傾斜面の角度が吸収され、車体12が水平になる。制御部80からの制御信号は、アンプ60a、64aを介して、右スイングアーム駆動モータ60、左スイングアーム駆動モータ64に入力され、右スイングアーム駆動モータ60、左スイングアーム駆動モータ64が駆動する。
また、協調制御部92は制御信号を出力して、スライドが車体部を前後にスライドさせるように搭乗席駆動モータ70を駆動する。協調制御部92は、搭乗席駆動モータ70のアンプ70aに対する力を指令値として出力する。制御部80からの制御信号は、アンプ70aを介して、搭乗席駆動モータ70に入力され、搭乗席駆動モータ70が駆動する。
尚、駆動輪78の回転速度は、右輪エンコーダ52、及び左輪エンコーダ54の出力によって、求めることができる。スイングアームの位置、スイングアームの速度は、スイングアームの各関節に設けられているエンコーダの出力によって求めることができる。搭乗席74のスライドの位置、スライダの速度は、搭乗席駆動モータ70に設けられているエンコーダの出力により求めることができる。また、スライド機構68のスライド力は、搭乗席駆動モータ70の回転トルクにより求めることができる。
また、協調制御部92は、予め複数設定したフィードバックゲインのゲインパターンから、センサ類83の検出値から取得したスイングアーム角度に応じて、ゲインパターンを切替える。これにより、単一の制御コントローラであっても、影響度の大きな駆動量に応じてゲインのゲインパターンを切替えることで、制御性能の低下を抑制することができる。
非線形補償部93は、重力を含む加速度による非線形負荷を補償するフィードフォワード量を算出する。算出したフィードフォワード量を、加算器により、協調制御部92で算出した制御量に加算する。これにより、摩擦を含む非線形項の補償を行うことができる。
以上説明したように、協調制御部92により車輪とスイングアームとスライドに関する制御を実現することで、多自由度を有する倒立車輪型移動体に対しても良好な動作制御を実現することができる。
尚、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、既に述べた本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
本発明の実施の形態にかかる移動体の構成を示す側面図である。 本発明の実施の形態にかかる移動体の構成を示す正面図である。 本発明の実施の形態にかかる移動体による制御目標値の算出方法について説明するための図である。 本発明の実施の形態にかかる移動体のモデルを示す図である。 本発明の実施の形態にかかるゲインマップの一例を示す図である。 スイングアームの回転角度以外の駆動量に応じてフィードバックゲインを切替える実施例を示す図である。 本発明の実施の形態にかかる移動体の制御系の構成を示すブロック図である。
符号の説明
12 車体、17 右スイングアーム、19 左スイングアーム、
18 右駆動輪、20 左駆動輪、21 右上リンク、22 左上リンク、
26 右マウント、28 左マウント、
30 車軸、32 車軸、34 右輪駆動モータ、36 左輪駆動モータ、
41 本体部、42 操作レバー、43 操作角センサ、44 バッテリーモジュール、
46 操作モジュール、48 ジャイロセンサ、51 補助輪、
52 右輪エンコーダ、54 左輪エンコーダ、55 補助輪支持ブロック、
58 センサ、60 右スイングアーム駆動モータ、62 右スイング軸
64 左スイングアーム駆動モータ、66 左スイング軸
67 スイングアーム関節、68 スライド機構、
70 搭乗席駆動モータ、72 ラックアンドピニオン、74 搭乗席、
76 上体部、77 車体部、78 駆動輪、
80 制御部、83 センサ類、
91 協調制御部、92 指令値生成部、93 非線形補償部、
100 移動体、

Claims (14)

  1. 車輪を回転可能に支持する車台と、
    前記車輪を回転駆動する第1の駆動部と、
    支持部材を介して前記車台に対して回動可能に支持された車体部と、
    前記車体部を駆動する第2の駆動部と、
    前記車体部の高さを変化させる第3の駆動部と、
    前記第1の駆動部、前記第2の駆動部、及び第3の駆動部を制御する制御部と、
    前記車体部の鉛直方向に対する傾斜角度及び傾斜角速度を取得する姿勢傾斜測定部と、
    前記第1の駆動部の駆動量を取得する第1の測定部と、
    前記第2の駆動部の駆動量を取得する第2の測定部と、
    前記第3の駆動部の駆動量を取得する第3の測定部と、を備える倒立車輪型移動体であって、
    前記制御部が、
    前記姿勢傾斜測定部により取得した前記傾斜角度及び傾斜角速度と目標傾斜角度及び目標傾斜角速度との姿勢偏差、前記第1の測定部により取得した駆動量と目標駆動量との第1の偏差、前記第2の測定部により取得した駆動量と目標駆動量との第2の偏差、及び前記第3の測定部により取得した駆動量と目標駆動量との第3の偏差を算出し、
    当該算出した4つの偏差に所定のゲインを乗じて、前記第1の駆動部を駆動する第1の制御量、前記第2の駆動部を駆動する第2の制御量、及び前記第3の駆動部を駆動する第3の制御量を算出する
    倒立車輪型移動体。
  2. 前記第3の偏差に積分演算値を含む
    ことを特徴とする請求項1記載の倒立車輪型移動体。
  3. 前記姿勢偏差に積分演算値を含む
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の倒立車輪型移動体。
  4. 前記制御部は、
    重力を含む加速度による非線形負荷を補償するフィードフォワード量を算出し、当該算出したフィードフォワード量を前記第1の制御量、前記第2の制御量、及び前記第3の制御量に加算する
    ことを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の倒立車輪型移動体。
  5. 前記ゲインのゲインパターンを予め複数設定し、
    前記第3の測定部により取得した前記第3の駆動部の駆動量に応じて、前記ゲインパターンを切替える
    ことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の倒立車輪型移動体。
  6. 前記第3の駆動部が前記車体部を支持しながら鉛直方向に伸縮するアーム機構を有しており、
    前記第3の測定部は、前記アーム機構の変化量を前記第3の駆動部の駆動量として取得する
    ことを特徴とする請求項1記載の倒立車輪型移動体。
  7. 前記第2の駆動部が前記車体部を前後にスライドさせるスライド機構を有し、
    前記第3の駆動部が前記車体部を支持しながら鉛直方向に伸縮するアーム機構を有し、
    前記制御部は、
    前記算出した第1の制御量としての車輪トルク指令を前記車輪に出力し、
    前記算出した第2の制御量としてのスライド力指令を前記スライド機構に出力し、
    前記算出した第3の制御量としてのアームトルク指令を前記アーム機構に出力する
    ことを特徴とする請求項1記載の倒立車輪型移動体。
  8. 車輪を回転可能に支持する車台と、
    前記車輪を回転駆動する第1の駆動部と、
    支持部材を介して前記車台に対して回動可能に支持された車体部と、
    前記車体部を駆動する第2の駆動部と、
    前記車体部の高さを変化させる第3の駆動部と、を備える倒立車輪型移動体の制御方法であって、
    前記車体部の鉛直方向に対する傾斜角度及び傾斜角速度を取得し、
    前記第1の駆動部の駆動量、前記第2の駆動部の駆動量、及び前記第3の駆動部の駆動量を取得し、
    前記取得した前記傾斜角度及び傾斜角速度と目標傾斜角度及び目標傾斜角速度との姿勢偏差、前記取得した駆動量と目標駆動量との第1の偏差、前記取得した駆動量と目標駆動量との第2の偏差、及び前記取得した駆動量と目標駆動量との第3の偏差を算出し、
    当該算出した4つの偏差に所定のゲインを乗じて、前記第1の駆動部を駆動する第1の制御量、前記第2の駆動部を駆動する第2の制御量、及び前記第3の駆動部を駆動する第3の制御量を算出する倒立車輪型移動体の制御方法。
  9. 前記第3の偏差に積分演算値を含む
    ことを特徴とする請求項8記載の倒立車輪型移動体の制御方法。
  10. 前記姿勢偏差に積分演算値を含む
    ことを特徴とする請求項8又は9記載の倒立車輪型移動体の制御方法。
  11. 重力を含む加速度による非線形負荷を補償するフィードフォワード量を算出し、当該算出したフィードフォワード量を前記第1の制御量、前記第2の制御量、及び前記第3の制御量に加算する
    ことを特徴とする請求項8乃至10いずれか1項記載の倒立車輪型移動体の制御方法。
  12. 前記ゲインのゲインパターンを予め複数設定し、
    前記取得した前記第3の駆動部の駆動量に応じて、前記ゲインパターンを切替える
    ことを特徴とする請求項8乃至11いずれか1項記載の倒立車輪型移動体の制御方法。
  13. 前記第3の駆動部が前記車体部を支持しながら鉛直方向に伸縮するアーム機構を有しており、
    前記アーム機構の変化量を前記第3の駆動部の駆動量として取得する
    ことを特徴とする請求項8記載の倒立車輪型移動体の制御方法。
  14. 前記第2の駆動部が前記車体部を前後にスライドさせるスライド機構を有し、
    前記第3の駆動部が前記車体部を支持しながら鉛直方向に伸縮するアーム機構を有し、
    前記算出した第1の制御量としての車輪トルク指令を前記車輪に出力し、
    前記算出した第2の制御量としてのスライド力指令を前記スライド機構に出力し、
    前記算出した第3の制御量としてのアームトルク指令を前記アーム機構に出力する
    ことを特徴とする請求項8記載の倒立車輪型移動体の制御方法。
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