JP2010058021A - 含窒素有機性排水の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】メタン発酵菌と脱窒細菌を同棲させた複機能グラニュールを用いたUASB方式による排水処理方法において、有機性成分と窒素成分を含有する排水からこれらを効率よく除去する排水処理方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、メタン生成菌、酸生成菌と脱窒細菌が同棲した複機能グラニュールを用いた上向流嫌気性汚泥処理床方式のメタン発酵槽とその下流に設けた硝化反応を行う硝化槽からなり、硝化槽において、硝化細菌による硝化反応によりメタン発酵槽から流入する被処理水中のアンモニア性窒素の大部分を亜硝酸性窒素に硝化するが、硝酸性窒素への硝化を抑制する条件で反応を行わせ、かつ硝化槽の被処理水の一部をメタン発酵槽に循環・返送する含窒素有機性排水の処理方法である。硝化反応は、硝化槽の曝気量、水温及び/又はpHをコントロールすることによって行い、循環流量比の範囲は3〜12が好ましい。
【選択図】図3

Description

本発明は、メタン生成菌と脱窒細菌の同棲した複機能グラニュールを利用した、窒素を含む有機性排水から有機成分とともに窒素成分を効率よく除去する含窒素有機性排水の処理方法に関する。
食品製造関係などの産業排水、家畜舎などから排出される畜産排水等は有機物濃度が非常に高く、また主としてアンモニア態として窒素成分も含有されている。このような排水を浄化する方法として活性汚泥法やメタン発酵法がある。また、窒素成分除去のためにストリッピング法や間欠曝気操作による回分式活性汚泥法、さらに、メタン発酵法と生物脱窒法あるいは活性汚泥法を組み合わせた組合せ処理法が行われている。
高濃度の有機成分除去に対して、メタン発酵処理法は適した処理法であるが、メタン発酵処理のみでは、対象となる排水中の窒素成分をほとんど除去できず、BOD濃度も高いため、そのままでは、水質汚濁防止法にかかる排水基準値を満足するような浄化された処理水とすることができない。このため、排水をより高度処理するためにメタン発酵処理後の処理水を好気性槽、脱窒槽に導入し、脱窒処理するメタン発酵―好気・無酸素の組合せプロセス、あるいはメタン発酵処理後の処理水を散水ろ床槽など槽内に好気性部分と無酸素部分の両部分のある処理槽に導入し脱窒処理する、メタン発酵―好気性処理の組合せプロセス、さらにメタン発酵と好気性処理と組み合わせ、好気性処理水の一部をメタン発酵槽に戻して循環させる循環脱窒法(以下「循環AOプロセス」という。)で窒素成分を除去し、浄化水として放流することなどが行われている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。
しかしながら、ストリッピング法(曝気処理法)は、処理操作が簡単であるが、高い窒素除去率を達成するために被処理液をアルカリ性(pH8以上)にし、さらに50〜80℃に加熱して、大量の空気を吹き込む曝気を行なう必要があるためエネルギー消費量が大きいという問題がある。また、循環AOプロセスでは十分な電子供与体が存在しないと高い脱窒率を達成することが困難である。
例えば、この循環AOプロセスで排水の高度処理を行う場合には、硝化槽において窒素化合物を硝化して硝酸性窒素や亜硝酸性窒素を含んだ処理水を得て、この一部をメタン発酵槽に返送・循環させ、メタン発酵槽にて、水中の有機物を分解すると共に、脱窒処理(硝酸性窒素除去)をも行っている。このような操作方法は、メタン発酵槽において、メタン生成菌と硝酸性窒素を電子受容体として増殖する脱窒細菌が、有機物や水素の利用に関して競合することとなる。さらに、メタンを生成するメタン生成菌と比較して脱窒細菌の増殖速度が大きいので、高窒素含有排水の処理では、メタン発酵槽の生物膜などのような固定された微生物集合体の中では脱窒細菌が優先して増殖し、メタン発酵が進行しなくなることがあるという問題がある。
また、メタン生成菌と脱窒細菌の最適な増殖環境は異なり、メタン生成菌は絶対嫌気性の環境で−300〜−400mVの低い酸化還元電位(ORP)を必要とすることが多いのに対して、脱窒細菌は、無酸素環境でよく、フロック状態であれば液本体に微量の酸素が存在していてもフロック内部は無酸素環境になり、脱窒機能は阻害されない。硝化槽からの循環水に溶存酸素が含有される場合、メタン発酵槽の中は微量の溶存酸素が存在する状態(高いORP値)から、溶存酸素の全くない絶対嫌気性状態(マイナスの低いORP値)までの分布ができる。このようなメタン発酵槽の中のORP分布は、高濃度の硝酸性窒素流入によっても形成され、メタン生成菌と脱窒細菌を安定して同棲させることはなかなか困難であった。
即ち、従来の循環AOプロセスでは、メタン発酵槽において、絶対嫌気性菌であるメタン生成菌による有機物分解・メタン生成と通性嫌気性菌である脱窒細菌による脱窒という異なった微生物反応を、有機物や水素の利用について競合関係にありながら行うものである上に、互いに異なる反応をそれぞれ最適環境でない条件で行わざるを得ないため、メタン生成菌と脱窒細菌を同棲させ、十分に効率よく働かせ、高効率で処理することはなかなか困難であった。
このメタン発酵槽として、これらの微生物を生物膜として接触担体に付着させた生物膜付着接触担体、あるいはこれらの微生物を自己造粒させた小さい粒(以下「グラニュール」という)を用いて、これを反応槽内に充填し、反応槽の底部から被処理水を上向きに流して微生物反応を行わせる、いわゆる上向流嫌気性汚泥床処理方式(以下「UASB」又は「UASB方式」という)などの微生物膜法が種々検討されている(例えば、非特許文献2、3、4参照)。
特に、メタン生成菌と酸生成菌に加えて脱窒細菌がバランスよく生息する生物膜やグラニュール(以下、「複機能グラニュール」という)とし、それぞれの細菌の特性を十分に生かすことができれば、従来の方法に比べてさらに高効率で排水を処理することができると期待できる。
図1に示すように、UASB方式のメタン発酵槽を用いて、適切な排水処理の操作条件、例えばC/N比を大きくし、プロセスを流通系とすることなどによって、メタン生成菌、酸生成菌とともに脱窒細菌を同棲させて、これらの微生物をグラニュールとして安定して固定化すること(複機能グラニュール化)ができ、排水中の有機物と硝酸性或いは亜硝酸性窒素同時に除去する方法が提案されている(例えば、非特許文献3,4参照)。
上述の図1に示すUASB方式のメタン発酵槽を用いる方法(CGプロセス)では、メタン発酵槽内の複機能グラニュールによって、排水中の有機物と硝酸性あるいは亜硝酸性窒素を同時に除去できるが、被処理水に有機性窒素やアンモニア性窒素を含む場合には、有機性窒素やアンモニア性窒素は除去できない。このため処理水中にアンモニア性窒素が残留し、排水の浄化目的を達成することができない。アンモニア性窒素を除去するためには、例えば生物学的にアンモニアを硝化して硝酸性窒素あるいは亜硝酸性窒素に変えることが必要である。
このため図2に示すように、複機能グラニュールを充填したメタン発酵槽とアンモニアを硝化する硝化槽とを組み合わせて、排水中の有機物を除去すると同時に、排水中のアンモニア或いは有機物の分解によって生ずるアンモニアを硝化して脱窒する方法も提案されている(例えば、非特許文献5、6参照)
図2に示すように、この方法では硝化槽を出た処理水の一部を複機能グラニュールが充填されたメタン発酵槽に返送・循環しなければならない(循環CG−ASプロセス)。しかし、メタン生成菌と酸生成菌に加えて脱窒細菌がバランスよく同棲した複機能グラニュールを安定して形成させようとする場合、各微生物の環境特性の違いのほかに、脱窒反応過程で生成されるNO によるメタン生成菌の活性阻害、有機物利用に対するメタン生成菌と脱窒細菌の競合および増殖速度の相対的な相違によるメタン生成菌の消失などの問題が発生する。さらに、高濃度の硝酸性窒素を含有する排水の処理において、高い窒素除去率を達成するには硝化槽からメタン発酵槽への循環流量を大きくすることが必要であるが、硝化槽からの循環液には溶存酸素が含有されるので、このような硝化槽の処理水をメタン発酵槽(複機能グラニュール槽)へそのまま返送・循環するとメタン生成菌の活性の低下や消失という問題が生ずる。その結果、メタン生成菌の自己造粒によって形成されているグラニュールが崩壊してしまい、UASB方式での安定な排水の処理が保証されなくなるという問題があった。
即ち、複機能グラニュールを用いたUASB方式のメタン発酵槽の下流に硝化プロセスを組み合わせ、硝化槽から循環させ窒素を除去する方法が既に具体的に提案されている(例えば、非特許文献6、7参照)。
これらの文献に記載されている方法は、複機能グラニュールを使用するメタン発酵槽と硝化槽を組合せ、硝化槽ではアンモニア性窒素を硝酸性窒素とするものである。しかし、これらの文献に具体的に示されている内容は、COD負荷が0.3〜3.2(kg−COD/(m・日))、流入COD/N比が6〜20であり、COD負荷が比較的小さく、COD/N比の大きい処理条件のものである。また、硝化槽から循環させる処理水の溶存酸素濃度(DO)は5.5〜8mg/L、pHは7〜7.5、循環流量比(R/Q)は1〜4と低い循環流量比とすることにより、高いCOD除去と窒素除去率を得ている。即ち、これらの方法では、処理する排水としてCOD負荷が小さく、窒素濃度も低い排水は処理することができるが、COD負荷が大きく、窒素濃度も高い排水の処理には不十分であった。
特開2001−212593号公報 田中康男、鈴木一好、福永栄、永田龍三郎:水環境学会誌、Vol.29 No.2、107〜113(2006) 黒田正和、島秀有、榊原豊「メタン発酵菌及び脱窒菌固着微生物による有機物・硝酸性窒素同時除去に関する基礎的研究」衛生工学研究論文集、231-238 (1988) H.V.Hendriksen and B.K.Ahring, "Integratedremoval of nitrate and carbon in an upflow anaerobic sludge blanket(UASB) reactor: operating performance", Wat. Res. Vol.30, 1451-1458 (1996) A.Mosquera-Corral, M.Sanchez, J.L.Campos,R.Mendez and J.M.Lema,"Simultaneousmethanogenesis and denitrification of pretreated effluents from a fish canningindustry", Wat. Res. Vol.35, 411-418(2001) J.S.Haung, C.S.Wu and C.M.Chen, "Microbial activity in acombined UASB-activated sludge reactor system", J. Chemosophere Vol.611032-1041 (2005) C.S.Tai, K.S.Singh and S.R.Grant,"Combined Removal of Carbon and Nitrogen in anIntegrated UASB-Jet Loop Reactor Bioreactor System",J. of Environmental Engineering ASCE, 624‐637 (2006) J.S.Huang, H.H.Chou, C.M.Chen and CM.Chiang:"Effect of recycle to influent ratio on activities of nitrifiers anddenitrifiers in a combined UASB-activated sludge reactor system", J.Chemosophere Vol.68 382-388 (2007)
本発明は、以上のような従来のメタン発酵菌と脱窒細菌を同棲させた複機能グラニュールを用いたUASB方式による排水処理方法の問題点を解決して、有機性成分とともに窒素成分を含有する排水からこれらを効率よく除去する排水処理方法を提供することを目的とするものである。
即ち、本発明は、以下の内容をその要旨とする発明である。
(1)メタン生成菌、酸生成菌と脱窒細菌が同棲した複機能グラニュールを用いた上向流嫌気性汚泥床処理方式のメタン発酵槽とその下流に設けた硝化反応を行う硝化槽からなり、硝化槽において、硝化細菌による硝化反応によりメタン発酵槽から流入する被処理水中のアンモニア性窒素の大部分を亜硝酸性窒素に硝化するが、硝酸性窒素への硝化を抑制する条件で反応を行わせ、かつ硝化槽の被処理水の一部をメタン発酵槽に循環・返送することを特徴とする、含窒素有機性排水の処理方法。
(2)硝化槽における曝気量、水温及び/又はpHをコントロールすることによって、流入する被処理水中のアンモニア性窒素の大部分を亜硝酸性窒素に硝化するが、硝酸性窒素への硝化を抑制する条件を満たすことを特徴とする、前記(1)に記載の含窒素有機性排水の処理方法。
(3)硝化槽で処理した被処理水の溶存酸素量が1.5〜4.0mg/Lであることを特徴とする、前記(1)又は(2)に記載の含窒素有機性排水の処理方法。
(4)メタン発酵槽への原水供給量Qに対する硝化槽からメタン発酵槽への循環・返送量Rの容積基準の循環流量比(R/Q)が、3〜12であることを特徴とする、前記(1)ないし(3)のいずれかに記載の含窒素有機性排水の処理方法。
(5)メタン発酵槽における原水の流入COD負荷(CODcr)が、グラニュール見かけ容積当たり3〜30(kg−COD/(m・日))であることを特徴とする、前記(1)ないし(4)のいずれかに記載の含窒素有機性排水の処理方法。
(6)メタン発酵槽における原水の流入窒素負荷が、グラニュール見かけ容積当たり1〜10(kg―N/(m・日))であることを特徴とする、前記(1)ないし(5)のいずれかに記載の含窒素有機性排水の処理方法。
(7)原水の有機物と窒素成分の比であるCOD/Nの値が3〜15であることを特徴とする、前記(1)ないし(6)のいずれかに記載の含窒素有機性排水の処理方法。
本発明は、メタン発酵槽における原水の流入COD負荷(CODcr)がグラニュール見かけ容積当たり3〜30(kg−COD/(m・日))、流入窒素負荷がグラニュール見かけ容積当たり1〜10(kg―N/(m・日))という高い流入負荷であっても、複機能グラニュール槽であるメタン発酵槽の上部(メタン発酵槽出口)で、複機能グラニュールが安定してしっかりとした形状を維持しており、かつ含まれるアンモニア性窒素を硝化槽で亜硝酸に変換して、この一部を複機能グラニュール槽に返送・循環しているので、COD/Nの値が3〜15という比較的小さい有機物/窒素比においても、循環流量比を適切に選ぶことにより高いCOD 除去率に併せて高い窒素除去率を達成することができる。
次に、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明は、含窒素有機性排水を処理するに際して、メタン生成菌、酸生成菌と脱窒細菌の同棲した複機能グラニュールを用いた上向流嫌気性汚泥床処理方式(UASB方式)の反応槽を用い、かつその下流に設けた硝化槽の反応条件を制御すること(本発明の循環CG−ASプロセス)によって、互いに同棲が困難で不安定なメタン生成菌、酸生成菌と脱窒細菌が同棲したグラニュール(複機能グラニュール)を安定して形成し維持して、効率よく有機物と窒素成分を除去することができる操作条件を見出し、本発明を完成したものである。
図3は、本発明の循環CG−ASプロセスによる排水処理方法の工程を示す説明図である。
具体的には、本発明は、図3に示すように、含窒素有機性排水をまずUASB方式の複機能グラニュール槽であるメタン発酵槽にその底部から導入し、この流出水を次の硝化槽に導入して処理し、硝化槽の被処理水の一部をメタン発酵槽に戻し、かつ、硝化槽においては流入するアンモニア性窒素の大部分を亜硝酸性窒素に変換するが、硝酸性窒素への変換を抑制するように、硝化細菌による硝化反応をコントロールすることを特徴とする、含窒素有機性排水の処理方法である。
本発明の方法では、有機物と窒素成分の同時的除去のために、メタン生成菌、酸生成菌とともに脱窒細菌とが同棲した複機能グラニュールを充填したUASB方式の反応槽(メタン発酵槽)を用いる。
ここで使用するメタン生成菌、酸生成菌と脱窒細菌の同棲グラニュールとは、大きさが数100〜数1000μm程度の粒状であり、表面近傍の外殻領域に主として通性嫌気性細菌である酸生成菌及び脱窒細菌を含む細菌で構成された層を有し、その内側の領域に主として絶対嫌気性細菌であるメタン生成菌が主体で酸生成菌も存在する層を有しており、これらの微生物の自己造粒によって粒状に成形されたものである。
処理すべき排水中に溶存酸素(DO)や硝酸性窒素(NO )、亜硝酸性窒素(NO )が含まれている場合には、まずこの排水が複機能グラニュールの外殻部分と接触することとなり、ここで高分子の有機物の加水分解、酸発酵およびその生成物を電子供与体として用いた脱窒細菌による亜硝酸性窒素や硝酸性窒素の窒素ガスへの変換(脱窒)で窒素成分が除去されるとともに、溶存酸素は、最外殻領域の細菌層内で消費される。従って、かかる排水成分がグラニュールの内部に拡散してゆくに従って、溶存酸素の濃度が低下するとともに、硝酸性窒素や亜硝酸性窒素も減少する。
複機能グラニュールの内部の領域に存在するメタン生成菌や酸生成菌は、絶対嫌気性細菌であり、酸素が存在するとその活性が低下したり、菌自体が死滅してしまうおそれがある。しかし、本発明の方法においては、処理される排水中に酸素や硝酸性窒素、亜硝酸性窒素がある程度存在していても、この複機能グラニュールでは、これらがその深部に到達する前にその外殻部分に存在している微生物群に消費されるため、メタン生成菌は保護される。複機能グラニュールの深部へと有機成分が移動する過程で酸生成菌による酸生成とメタン生成菌によるメタン生成が行われる。
即ち、酸生成菌によって、排水中に含まれる炭水化物や脂質は低分子量のアルコールや脂肪酸に、タンパク質はアミノ酸、アンモニアなどに分解され、さらには酢酸、プロピオン酸、酪酸などの揮発性有機酸と水素に分解される。その一方で、有機性窒素からアンモニアが生成される。また、プロピオン酸、酪酸はさらに酢酸及び水素に分解され、メタン生成菌の作用によってメタンに変換され、ガス化して除去される。なお、未分解の有機物やアンモニアは水中に残留する。
ここでメタン生成菌、酸生成菌と脱窒細菌とは、その生育する好ましい環境条件が異なり、単純に混合しても安定に同棲した複機能グラニュールは形成されない。例えば、メタン生成菌は絶対嫌気性細菌であり酸素が存在すると活性が低下したり死滅する恐れがあり、硝酸性窒素、亜硝酸性窒素が存在すると液の酸化還元電位(ORP)が上昇し活性が低下するが、脱窒細菌ではそのような問題はない。また、メタン生成菌はpHが6.5以下になると活性が非常に低下する。従って、両者を単純に一緒にしても安定な同棲した複機能グラニュールを得ることはできず、両者が安定して成育する環境条件をうまく調整してやる必要がある。
また、通性嫌気性で従属栄養細菌である脱窒細菌は、絶対嫌気性であるメタン生成菌に比べて非常に大きい増殖速度を有するため、両者の生育環境を微妙に調整してバランスを取ることが必要である。このバランスが取れていないと脱窒細菌の増殖が進行して、メタン生成菌が減少あるいは消滅し、安定な同棲状態の複機能グラニュールを維持することができず、自己造粒によって形成されたグラニュールが崩壊してしまう。
このようなメタン生成菌、酸生成菌と脱窒細菌とが同棲した複機能グラニュールは、次のようにして入手することができる。
(i)メタン発酵槽(メタン発酵菌のグラニュール槽)に、硝酸ナトリウムなどの硝酸性窒素、グルコース、ペプトン、酵母エキス等の有機物及び塩化カルシウム、リン酸水素カリウムなどの無機塩を適当量含む人工排水を連続して供給し、これを2〜3ヶ月程度培養する。
(ii)メタン発酵槽(メタン発酵菌のグラニュール槽)の下流に硝化槽を組み合わせ、これに炭酸アンモニウムなどのアンモニア性窒素、グルコース、ペプトン、酵母エキス等の有機物及び塩化カルシウム、リン酸水素カリウムなどの無機塩を適当量含む人工排水を連続して供給し、硝化槽溢流水の一部をメタン発酵槽に返送・循環させ、2〜3ヶ月程度培養する。
(iii)メタン発酵槽(メタン発酵菌のグラニュール槽)に脱窒細菌を植種し、これに硝酸ナトリウムなどの硝酸性窒素、しょ糖、ペプトン、酵母エキス等の有機物及び塩化カルシウム、リン酸水素カリウムなどの無機塩を適当量含む人工排水を半回分的あるいは連続的に供給し、1〜2ヶ月程度培養する。
UASB方式のメタン発酵槽で、有機物の分解と分解有機物などを利用して亜硝酸性窒素や硝酸性窒素が除去された排水は、次の硝化槽に導入される。この排水には、原水由来のアンモニア性窒素とメタン発酵槽で発生したアンモニア性窒素が含まれているので、硝化槽では、硝化細菌によってこれらのアンモニア性窒素を亜硝酸性窒素にまで硝化するとともに、メタン発酵槽で分解されなかった有機物が好気的に二酸化炭素と水に分解される。硝化細菌は、一般に絶対好気性の独立栄養細菌で、増殖速度が従属栄養細菌に比べて小さい。また、活性の高い化学的環境は、中性から弱アルカリ性の領域である。
硝化槽では、一般に20℃以上、好ましくは25〜35℃程度の中温領域において空気で曝気して酸素を溶存させて供給し、硝化細菌によって流入水中に含まれるアンモニアを亜硝酸に硝化する。一般に硝化細菌による硝化反応では、アンモニアの亜硝酸性窒素への酸化とその硝酸性窒素への酸化の逐次反応であり、条件によって両者が混合あるいは硝酸性窒素を主とした状態となる。本発明の方法においては、この硝化槽での硝化細菌による反応をコントロールして、アンモニアを亜硝酸(NO )にまで硝化させ、それ以上の反応が進行してさら硝酸(NO )にまで変換されることをできるだけ抑制することが重要である。
硝化槽でアンモニアの硝化を亜硝酸(NO )で停止させるためには、例えば曝気量や反応温度、pHをコントロールして、硝化反応が硝酸(NO )の生成まで進行することを抑制する。具体的には、反応温度が20℃以上、好ましくは25〜35℃程度の中温領域において硝化槽内を曝気しながら、液のpHを中性から弱アルカリ性にコントロールして、大きなアンモニア性窒素流入負荷となるように高濃度かつ短い液の水理学的滞留時間(HRT)で連続通水し、アンモニア性窒素が槽内に残留する状態を維持していくことにより、亜硝酸性窒素が蓄積し硝酸性窒素がその約1/10以下となって安定する。
例えば、硝化槽の反応温度は20℃以上であり、25℃以上であることが好ましく、20℃以下に反応温度が低下すると硝化反応の速度が低下するだけでなく、硝酸性窒素の生成割合が増加する。また、pHは7.0から7.6の中性から弱アルカリ性の状態が好ましい。硝化槽の温度とpHをこのような条件に維持しながら、硝化槽への曝気量を調節して、硝化槽で処理された排水中の溶存酸素(DO)が1.5〜4.0mg/L、好ましくは1.0〜3.0mg/Lとなるようにする。このような条件で硝化反応を行うことによって、処理する排水中のアンモニア性窒素の大部分が硝化槽で亜硝酸性窒素に硝化されるが、硝酸性窒素への硝化は抑制され、処理水中の亜硝酸性窒素を60%以上、好ましくは80〜90%とすることができる。
また、本発明の方法では硝化槽で処理された排水の一部をメタン発酵槽に返送する。メタン発酵は絶対嫌気性菌が関与する反応であるため、メタン発酵槽に返送する硝化槽で処理された排水中の溶存酸素(DO)をできるだけ低くすることが好ましい。一方、硝化槽では、その溶存酸素濃度の上昇とともに硝化速度は大きくなる。これらを勘案し、硝化槽で処理された排水中の溶存酸素濃度は1.5〜4.0mg/Lの範囲、好ましくは1.0〜3.0mg/Lの範囲にコントロールすれば問題は特に生じない。
図2に示すような従来の方法では、硝化槽からの循環水は溶存酸素濃度が高く、これを脱窒目的でUASBメタン発酵槽に返送すると、返送量が多いほど脱窒率は上昇するが、その量が多いとメタン発酵槽の酸化還元電位が上昇し、時には微好気性になり、絶対嫌気性菌であるメタン生成菌の活性低下による水素や揮発性有機酸の生成効率が低下し、脱窒に必要な電子供与体が不足してしまう。更には、脱窒細菌の増殖が優勢となり、メタン生成菌が減少又は死滅してしまうこととなり、グラニュールが崩壊し、安定した反応を行うことが困難となる。
また、本発明の方法では、硝化槽からメタン発酵槽への返送量をR(m/日)、メタン発酵槽への原水の供給量をQ(m/日)とすると、その容積基準の循環流量比(R/Q)が3〜12で操作可能である。更に、この循環流量比(R/Q)は、5〜8であることがより好ましい。この循環水の量が多すぎると窒素成分の除去率の低下、返送のための循環動力の過大な増加となり好ましくなく、また少なすぎると原水からの十分な窒素成分の除去を行うことができない。
更に、本発明の方法においては、高い窒素除去率を達成するとともに、メタンを発生させてこれを効率よく回収するために、流入する被処理排水の有機物負荷と窒素負荷とがある程度大きい状態で操作することが好ましい。
具体的には、有機物負荷は、CODcrで、グラニュール見かけ容積あたり3〜30(kg−COD/(m・日))の範囲で、窒素負荷は、グラニュール見かけ容積あたり1〜10(kg―N/(m・日))の範囲である。
更に、有機物負荷(COD)と窒素負荷の比も一定の範囲にあることが好ましく、具体的には、好ましいCOD負荷および窒素負荷の範囲で、COD/Nの値として、3〜15であることが好ましい。
本発明の方法においては、以上のような硝化槽でアンモニア性窒素の亜硝酸性窒素への硝化の促進と硝酸性窒素への硝化の抑制という硝化反応の適切な制御を行なうことと、前記容積基準の循環流量比(R/Q)を3〜12とすることにより、曝気動力を削減し、返送する排水中の脱窒反応に必要な電子供与体量を削減するとともに、硝化槽からメタン発酵槽へ返送する排水中の溶存酸素濃度を比較的低い水準に維持することができ、メタン発酵槽においてメタン生成菌がグラニュール内に保持されながら、同時に脱窒細菌も共存する状態、即ち複機能グラニュールを形成することができる。その結果、有機物濃度負荷と窒素負荷の比較的大きい排水や、COD/N比が大きな排水においてもメタン生成による良好な有機物除去と窒素成分の除去が達成できる。
即ち、このような条件で図3に示した排水処理プロセスを操作することによって、メタン生成菌、酸生成菌と脱窒細菌の同棲した複機能グラニュールを用いたUASB方式の反応槽であるメタン発酵槽で、メタン生成菌、酸生成菌と脱窒細菌とがバランスよく増殖し、かつそれぞれが良好な活性を示すため、安定したこれらの微生物の複機能グラニュールが形成・維持され、良好な脱窒処理と有機物の分解を行うことができる。
このようにして硝化槽で処理された亜硝酸性窒素を含む排水の一部がメタン発酵槽に返送される。メタン発酵槽に戻された排水中に含まれる亜硝酸性窒素がメタン発酵槽中の脱窒細菌により還元されて窒素ガスとなり、最終的に排水から分離・除去される。メタン発酵槽への返送量以外の硝化槽からの残部の排水が最終的な処理水として放流される。
メタン発酵槽としてこの複機能グラニュールを用いたUASB形式のものを採用することによって、反応槽内に微生物を高密度に保持することができるので、反応槽単位容積当たりの処理速度を非常に大きくすることができ、反応槽容積を小さくすることができる。また、温度低下などにより微生物の活性が低下する場合も、処理速度の低下を低減できるという利点がある。
本発明の排水処理方法では、主として酸生成菌、メタン生成菌、脱窒細菌、硝化細菌と呼ばれる微生物を利用した微生物反応である。これらの工程で使用する微生物は、酸生成菌としては、絶対嫌気性のバクテロイド属(Bacteroides)、クロストリディア属(Clostridia)、ビフィドバクテリア属(Bifidobacteria)などが挙げられ、通性嫌気性細菌として、バチルス属(Bucillus)、シュードモナス属(Pseudomonas)などの種々の細菌が挙げられる。脱窒細菌としては、アクロモバクター属(Achromobacter)、アエロバクター属(Aerobacter)、アルカリゲネス属(Alcaligenes)、シュードモナス属(Pseudomonas)、タウエラ属(Thauera)などの種々の細菌があり、また、メタン生成菌は、メタノスリックス属(Methanothrix)、メタノサエタ属(Methanosaeta)メタノバクテリア属(Methanobacteriales)などの種々の古細菌があり、硝化細菌としては、ニトロソモナス属(Nitrosomonas)、ニトロスピラ属(Nitrispira)、ニトロバクター属(Nitrobacter)、などの種々の細菌が挙げられる。これらの細菌は、汚水などの嫌気性処理や活性汚泥処理している施設から排出される汚泥に含まれ、容易に導入することができる。
次に、本発明を実施例によって更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例1:
図3に示すようなメタン発酵槽と硝化槽を直列につなぎ、硝化槽の処理水の一部をメタン発酵槽の下部に返送するように構成された実験装置を用いて、模擬人工排水による排水処理実験を行なった。
メタン発酵槽は、内径8cm、高さ90cm、内容積5Lの円筒形の反応槽であり、この中に容積基準で約30%となるように、嫌気性グラニュールを充填した。次に、この嫌気性グラニュール層に、硝酸ナトリウムなどの硝酸性窒素、グルコース、ペプトン、酵母エキス等の有機物(COD/N比=5〜10)及び塩化カルシウム、リン酸水素カリウムなどの無機塩を適当量含む人工排水を連続して供給し、これを2〜3ヶ月程度培養することにより複機能グラニュールとした。
硝化槽は、同じく内径12cm、高さ35cm、内容積4Lの円筒形の反応槽であり、下水処理施設より採取した硝化細菌を含む培養槽に担体を浸漬し、硝化細菌を担体に固定化して硝化細菌固定化担体を得て、これをこの硝化槽に充填した。
また、原水としては、COD濃度15000mg/L、アンモニア性窒素濃度5000mg/Lで無機栄養塩類を含む模擬排水を用いた。
原水として上記模擬排水を毎時0.03Lでメタン発酵槽の底部に連続的に供給し(Q)、メタン発酵槽からの流出水を次の硝化槽に導入して、底部から曝気用の空気を吹き込んで硝化反応を行なわせ、硝化槽からの処理水の一部(毎時0.18L)を、循環水としてメタン発酵槽に返送しつつ(R)、実験装置全体を安定した連続状態として運転を行なった。このときのメタン発酵槽内部の液の上昇速度は毎分0.14cmであり、充填された複機能グラニュールが浮遊・流動した状態となり、いわゆるUASB方式の反応形式をとっていた。
この定常状態での流入COD負荷は、グラニュール見かけ容積基準で7.7(kg−COD/(m・日))であり、流入全窒素(TN)負荷は、グラニュール見かけ容積基準で2.57(kg−N/(m・日))であった。また、このときの循環流量比(R/Q)は6.0であった。
硝化槽は、温度30℃、pH約7.5であり、流出する処理水の溶存酸素濃度(DO)の値が約3.0mg/Lとなるように、硝化槽への曝気用空気の導入量を調節した。このように硝化槽から流出する処理水の溶存酸素濃度(DO)を3.0mg/L前後となるように調節することによって、流入アンモニアの凡そ80〜90%以上が亜硝酸となり、硝化槽での排水の亜硝酸への酸化の促進と硝酸への酸化の抑制が達成された。その結果、流出する処理水中の硝酸性窒素濃度が約6mg/L以下となっていた。
この状態で360時間連続して模擬排水の処理を行った。その結果、上記の操作条件での平均COD除去率は94.3%、平均TN除去率は83.0%であった。この模擬排水で、かつR/Qが6.0の場合の理論TN除去率は85.7%であり、理論除去率に近い大きなTN除去率が得られた。
また、この時のシステム全体の平均COD除去率は約94%で、そのほぼ全てが複機能グラニュール充填槽であるメタン発酵槽で起こっており、このメタン発酵槽から発生するガス中には脱窒による窒素ガスに加えて、濃度約30%のメタンガスが含有されていた。つまり硝化と脱窒、脱CODがそれぞれの反応槽で良好に行なわれ、比較的大きな流入COD負荷と流入TN負荷の排水であっても、優れたCODと窒素成分の除去とメタン回収ができることがわかった。
実施例2:
実施例1と同一の装置と模擬排水を用いて、硝化槽からメタン発酵槽へ返送する循環量を増やして、循環流量比(R/Q)を8.3とし、硝化槽を流出する処理水の溶存酸素濃度の値が約3.0mg/Lとなるように硝化槽の曝気用空気量を調節した以外は実施例1と同一の操作条件で、360時間連続してこの模擬排水の処理を行った。
その結果、上記の操作条件での平均COD除去率は96.1%、平均TN除去率は87.0%であった。この模擬排水で、かつR/Qが8.3の場合の理論TN除去率は89.0%であり、理論除去率に近い大きなTN除去率が得られた。
また、この時のシステム全体の平均COD除去率は約96%で、そのほぼ全てが複機能グラニュール充填槽であるメタン発酵槽で起こっており、このメタン発酵槽から発生するガス中には脱窒による窒素ガスに加えて、濃度約30%のメタンガスが含有されていた。
実施例3:
実施例1と同型の装置(ただし、メタン発酵槽のグラニュール容積は実施例1の凡そ60%としたもの)と同一の模擬排水を用いて、模擬排水の供給量(Q)を毎時0.0625Lに増加して、流入COD負荷がグラニュール見かけ溶液基準で25.0(kg−COD/(m・日))、流入全窒素(TN)負荷が、同じくグラニュール見かけ溶液基準で8.3(kg−N/(m・日))、循環流量比(R/Q)を4.5となる条件とし、硝化槽の処理水の溶存酸素濃度の値が約3.0mg/Lとなるように硝化槽の曝気用空気量を調節した以外は実施例1と同一の操作条件で、360時間連続してこの模擬排水の処理を行った。
その結果、上記の操作条件での平均COD除去率は68.0%、平均TN除去率は62.0%であった。即ち、原水からの流入COD負荷や流入全窒素負荷が実施例1の3倍以上に大きくなってもかなり効率よくCODおよび窒素成分の除去ができる。
比較例1:
実施例1と同一の装置と模擬排水を用い、かつ、硝化槽出口の処理水の溶存酸素濃度(DO)が4.0mg/Lを大幅に超えるように硝化槽の曝気用空気量を多くして、それ以外は実施例1と同一の操作条件で、360時間連続してこの模擬排水の処理を行った。
その結果、硝化槽出口の処理水中の硝酸性窒素濃度が高くなり、COD除去率はほぼ実施例1と同程度であったが、硝酸性窒素の除去に必要なCOD量が亜硝酸性窒素の除去に必要なCOD量の比べて多くなった。その結果、全窒素(TN)除去率は、亜硝酸性窒素の除去に必要なCODの量の低下に連動して低下し、メタン発生量も減少した。従って、このような方法では模擬排水中の窒素成分の十分な除去ができなかった。
本発明の方法によれば、有機物質とともに窒素成分を多く含む産業排水や畜産排水を処理して、有機物質とともに窒素成分をも効率よく除去することができ、このような排水の処理に有用である。
従来の同棲グラニュールを用いるメタン発酵槽による方法の説明図である。 従来の循環CG−ASプロセスの説明図である。 本発明の排水処理方法を示す説明図である。

Claims (7)

  1. メタン生成菌、酸生成菌と脱窒細菌が同棲した複機能グラニュールを用いた上向流嫌気性汚泥床処理方式のメタン発酵槽とその下流に設けた硝化反応を行う硝化槽からなり、硝化槽において、硝化細菌による硝化反応によりメタン発酵槽から流入する被処理水中のアンモニア性窒素の大部分を亜硝酸性窒素に硝化するが、硝酸性窒素への硝化を抑制する条件で反応を行わせ、かつ硝化槽の被処理水の一部をメタン発酵槽に循環・返送することを特徴とする、含窒素有機性排水の処理方法。
  2. 硝化槽での曝気量、水温及び/又はpHをコントロールすることによって、流入する被処理水中のアンモニア性窒素の大部分を亜硝酸性窒素に硝化するが、硝酸性窒素への硝化を抑制する条件を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の含窒素有機性排水の処理方法。
  3. 硝化槽で処理した被処理水の溶存酸素量が1.5〜4.0mg/Lであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の含窒素有機性排水の処理方法。
  4. メタン発酵槽への原水供給量Qに対する硝化槽の被処理水のメタン発酵槽への循環・返送量Rの容積基準の循環流量比(R/Q)が、3〜12であることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の含窒素有機性排水の処理方法。
  5. メタン発酵槽における原水の流入COD負荷(CODcr)が、グラニュール見かけ容積当たり3〜30(kg−COD/(m・日))であることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の含窒素有機性排水の処理方法。
  6. メタン発酵槽における原水の流入窒素負荷が、グラニュール見かけ容積当たり1〜10(kg―N/(m・日))であることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の含窒素有機性排水の処理方法。
  7. 原水の有機物と窒素成分の負荷の比であるCOD/Nの値が3〜15であることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の含窒素有機性排水の処理方法。


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