以下、図面を用いて、本発明の実施例に係るパチンコ機(遊技台)について詳細に説明する。
本発明は、所定の入賞口を有する遊技盤をさらに備え、前記所定の入賞口に遊技球が入球することにより、所定の特典を与える構成としたパチンコ機に適用可能である。
<全体構成>
まず、図1を用いて、パチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
パチンコ機100は、遊技盤(盤面)102を前方から覆うものであって機器の前面を形成する前面枠としての、ガラス製または樹脂製の透明板部材151および透明部材保持枠155を有する扉部材156を有し、この扉部材156の奥側に透明板部材151を通して視認可能に遊技盤(盤面)102を配設している。
扉部材156の下方には、遊技球(以下、単に「球」と称する場合もある。)を発射する球発射手段(発射装置)として、後述する発射モータ602によって回動する発射杆138と、この発射杆138の先端部に取り付けられて球を後述する遊技領域104に向けて打ち出す発射槌140と、この発射槌140によって打ち出される球を後述する外レール106に導くための発射レール142とを配置している。
なお、射幸性を低減するという目的から、時間あたりの発射可能な球数を制限する(たとえば1分間に100発など)ことが望ましい。
扉部材156の下方には、さらに、球を一時的に貯留するとともに、貯留している球を順次、発射レール142に供給するための貯留皿144と、遊技者による押下操作が可能であり、所定の時期にその操作を検出した場合に後述する液晶表示装置110等による演出表示を変化させるためのチャンスボタン146とを配設している。
また、発射杆138および発射槌140の下方には、発射杆138を制御して遊技領域104に向けた球の発射強度の調節操作を行うための操作ハンドル148を配設しており、貯留皿144の下方には、貯留皿144に貯留できない溢れ球を貯留するための下皿150を設けている。
図2は、遊技盤102を正面から見た略示正面図である。
遊技盤102には、外レール106と内レール108とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域104を区画形成している。
遊技領域104の略中央には、演出装置200を配設している。この演出装置200には、略中央に横長の液晶表示装置110を配設している。
液晶表示装置110の周囲には、普通図柄表示装置112と、特別図柄表示装置114と、普通図柄保留ランプ116と、特別図柄保留ランプ118と、高確中ランプ120とを配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」と称する場合がある。
演出装置200は、可動部を動作させて演出を行うものであり、詳細については後述する。
液晶表示装置110は、装飾図柄(図4(b)参照)ならびに演出に用いる様々な画像を表示するための表示装置であり、ここでは液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。
この液晶表示装置110は、左図柄表示領域110a、中図柄表示領域110b、右図柄表示領域110cおよび演出表示領域110dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域110a、中図柄表示領域110bおよび左図柄表示領域110cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域110dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域110a、110b、110c、110dの位置や大きさは、液晶表示装置110の表示画面内で自由に変更することを可能としている。
なお、液晶表示装置110としては、液晶表示装置に代えて、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、EL(ElectroLuminescence)表示装置、ドラム式表示装置、リーフ式表示装置等他の表示デバイスを採用してもよい。
普図表示装置112は、普図(図4(c)参照)の表示を行うための表示装置であり、ここでは7セグメントLEDによって構成する。特図表示装置114は、特図(図4(a)参照)の表示を行うための表示装置であり、ここでは7セグメントLEDによって構成する。
普図保留ランプ116は、保留している普図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、ここでは、普図変動遊技を2つまで保留することを可能としている。特図保留ランプ118は、保留している特図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、ここでは、特図変動遊技を4つまで保留することを可能としている。高確中ランプ120は、遊技状態が高確率状態であること、または高確率状態になることを示すためのランプであり、遊技状態を低確率状態から高確率状態にする場合に点灯し、高確率状態から低確率状態にする場合に消灯する。
また、この演出装置200の周囲には、一般入賞口122と、普図始動口124と、第1特図始動口126と、第2特図始動口128と、可変入賞口130を配設している。
一般入賞口122は、ここでは遊技盤102に複数配設しており、この一般入賞口122への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口122に入賞した場合)、後述する払出装置552を駆動し、所定の個数(ここでは10個)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出する。貯留皿144に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。
なお、一般入賞口122に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
ここでは、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
普図始動口124は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、ここでは遊技盤102の左側に1つ配設している。普図始動口124を通過した球は一般入賞口122に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。
球が普図始動口124を通過したことを所定の玉検出センサが検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置112による普図変動遊技を開始する。
第1特図始動口126は、ここでは遊技盤102の中央に1つだけ配設している。この第1特図始動口126への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置552を駆動し、所定の個数(ここでは3個)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出するとともに、特図表示装置114による特図変動遊技を開始する。
なお、第1特図始動口126に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
第2特図始動口128は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、ここでは第1特図始動口126の真下に1つだけ配設している。この第2特図始動口128は、左右に開閉自在な羽根を備え、羽根の閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置112が当たり図柄を停止表示した場合に羽根が所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。
第2特図始動口128への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置552を駆動し、所定の個数(ここでは5個)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出するとともに、特図表示装置114による特図変動遊技を開始する。
なお、第2特図始動口128に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
可変入賞口130は、大入賞口またはアタッカーと呼ばれ、ここでは遊技盤102の中央部下方に1つだけ配設している。この可変入賞口130は、開閉自在な扉部材を備え、扉部材の閉鎖中は球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選し、特図表示装置114が大当たり図柄を停止表示した場合に扉部材が所定の時間間隔(たとえば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(たとえば15回)で開閉する。可変入賞口130への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置552を駆動し、所定の個数(ここでは15球)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出する。
なお、可変入賞口130に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、転動態様に変化を付与する手段として、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材132や、遊技釘134を複数個、配設しているとともに、内レール108の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口136を設けている。
このパチンコ機100は、遊技者が貯留皿144に貯留している球を発射レール142の発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドル148の操作量に応じた強度で発射モータ602を駆動し、発射杆138および発射槌140によって外レール106、内レール108を通過させて遊技領域104に打ち出す。遊技領域104の上部に到達した球は、打球方向変換部材132や遊技釘134等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口122、可変入賞口130)や始動口(第1特図始動口126、第2特図始動口128)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口124を通過するのみでアウト口136に到達する。
<演出装置>
次に、パチンコ機100の演出装置200について説明する。
この演出装置200の前面側には、ワープ装置230およびステージを配設し、演出装置200の背面側には、液晶表示装置110および遮蔽手段250を配設している。すなわち、演出装置200において、液晶表示装置110および遮蔽手段250は、ワープ装置230およびステージの後方に位置することとなる。
ワープ装置230は、演出装置200の左上方に設けた入球口232に入った遊技球を演出装置200の前面下方の前面ステージ234に排出し、さらに、前面ステージ234に排出された遊技球が前面ステージ234の中央部後方に設けた第2の入球口236に入った場合は、その遊技球を、第1特図始動口126の上方であって演出装置200の下部中央に設けた排出口238から第1特図始動口126に向けて排出する。この排出口238から排出した遊技球は特図始動口126に入球しやすくなっている。
遮蔽手段250は、格子状の左扉250aおよび右扉250bからなり、液晶表示装置110および前面ステージ234の間に配設される。
左扉250aおよび右扉250bの上部には、図示しない2つのプーリに巻き回したベルトをそれぞれ固定している。すなわち、左扉250aおよび右扉250bは、図示しないモータによりプーリを介して駆動するベルトの動作に伴って左右にそれぞれ移動する。
遮蔽手段250は、左右扉250a、250bを閉じた状態ではそれぞれの内側端部が重なり、遊技者が液晶表示装置110を視認し難いように遮蔽する。左右扉250a、250bを開いた状態ではそれぞれの内側端部が液晶表示装置110の表示画面の外側端部と若干重なるが、遊技者は液晶表示装置110の表示の全てを視認可能である。
また、左右扉250a、250bは、それぞれ任意の位置で停止可能であり、たとえば、表示した装飾図柄がどの装飾図柄であるかを遊技者が識別可能な程度に、装飾図柄の一部だけを遮蔽するようなことができる。
なお、左右扉250a、250bは、格子の孔から後方の液晶表示装置110の一部を視認可能にしてもよいし、格子の孔の障子部分を半透明のレンズ体で塞ぎ、後方の液晶表示装置110による表示を漠然と遊技者に視認させるようにしてもよいし、格子の孔の障子部分を完全に塞ぎ(遮蔽し)、後方の液晶表示装置110を全く視認不可にしてもよい。
図3は、パチンコ機100を背面側から見た外観斜視図である。
パチンコ機100の背面上部には、上方に開口した開口部を有し、球を一時的に貯留するための球タンク152と、この球タンク152の下方に位置し、球タンク152の底部に形成した連通孔を通過して落下する球を背面右側に位置する払出装置154(後述する払出装置552を構成するものである)に導くためのタンクレール153とを配設している。
払出装置154は、中空の部材からなり、その内部には、スプロケット157と払出センサ158とを備えている。
スプロケット157は、モータによって回転可能に構成されており、タンクレール153を通過して払出装置154内に落下した球を一時的に滞留させるとともに、モータを駆動して所定角度だけ回転することにより、一時的に滞留した球を払出装置154の下方へ1個ずつ送り出すように構成している。
払出センサ158は、スプロケット157が送り出した球の通過を検知するためのセンサであり、球が通過しているときにオンの信号を出力し、球が通過していないときはオフの信号を出力する。
払出センサ158を通過した球は、図示しない球レールを通過してパチンコ機100の表側に配設した貯留皿144に到達するように構成しており、パチンコ機100は、この構成により遊技者に対して球の払い出しを行う。
払出装置154の左側下部には、後述する主制御部300を構成する主制御基板161と、後述する副制御部400を構成する副制御基板164とを配設している。また、これら主制御基板161や副制御基板164の下方には、後述する発射制御部600を構成する発射基板166と、後述する電源管理部650を構成する電源基板162と、後述する払出制御部550を構成する払出基板165と、この払出基板165に接続したCRインタフェース部163とを配設している。
ところで、主制御基板161や副制御基板164等の各基板はケースに収容されており、詳しくは後述するように、不正行為を行おうとする者が基板を露出させた場合には、その痕跡が残るように構成されている。図3において、基板収容体700には主制御基板161が収容されている。
<図柄の種類>
次に、図4(a)〜(c)を用いて、パチンコ機100の特図表示装置114、液晶表示装置110、普図表示装置112が停止表示する特図および普図の種類について説明する。
図4(a)は特図の停止表示態様の一例を示したものである。
この例では、特図の停止表示態様には、大当たり図柄である「特図1」と、特別大当たり図柄である「特図2」と、外れ図柄である「特図3」の3種類がある。
第1特図始動口126または第2特図始動口128に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出したことを条件として特図変動遊技を開始した場合には、特図表示装置114は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図の変動表示」を行う。その後、特図の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、特図変動遊技の当選を報知する場合には「特図1」または「特図2」を停止表示し、特図変動遊技の外れを報知する場合には「特図3」を停止表示する。
なお、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
図4(b)は装飾図柄の一例を示したものである。
この例では、装飾図柄には、「装飾1」〜「装飾10」の10種類がある。
第1特図始動口126または第2特図始動口128に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出したことを条件にして、液晶表示装置110の左図柄表示領域110a、中図柄表示領域110b、右図柄表示領域110cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。その後、大当たりを報知する場合には、図柄表示領域110a〜110cに大当たりに対応する図柄組合せ(ここでは、同一の数字の装飾図柄の組合せ(たとえば、「装飾2−装飾2−装飾2」))を停止表示し、特別大当たりを報知する場合には、特別大当たりに対応する図柄組合せ(ここでは、同一の奇数番号数字の装飾図柄の組合せ(たとえば、「装飾1−装飾1−装飾1」))を停止表示する。
なお、大当たりに対応する図柄の組合せを停止表示した場合には、大当たり遊技または特別大当たり遊技を開始し、特別大当たりに対応する図柄の組合せを停止表示した場合には、特別大当たり遊技を開始する。また、外れを報知する場合には、図柄表示領域110a〜110cに大当たりに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せを停止表示した後で、保留している装飾図柄の変動表示があれば、その変動表示を開始する。
図4(c)は普図の停止表示態様の一例を示したものである。
この例の場合、普図の停止表示態様には、当たり図柄である「普図1」と、外れ図柄である「普図2」の2種類がある。
普図始動口124を球が通過したことを所定の球検出センサが検出したことを条件として普図表示遊技を開始した場合には、普図表示装置112は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「普図の変動表示」を行う。その後、普図変動遊技の当選を報知する場合には「普図1」を停止表示し、普図変動遊技の外れを報知する場合には「普図2」を停止表示する。
<制御部>
次に、図5を用いて、このパチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
パチンコ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主に演出の制御を行う副制御部400と、主制御部300が送信するコマンドに応じて、主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部550と、遊技球の発射制御を行う発射制御部600と、パチンコ機100に供給される電源を制御する電源管理部650によって構成されている。
<主制御部>
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。
主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312を搭載している。
なお、ROM306やRAM308については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部400についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器314bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路302には、水晶発振器314aが出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用しているカウンタ回路316(この回路には2つのカウンタを内蔵しているものとする)と、各始動口124、126、128、入賞口122の入り口および可変入賞口130の内部に設けた球検出センサを含む各種センサ318が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果をカウンタ回路316および基本回路302に出力するためのセンサ回路320と、特図表示装置114の表示制御を行うための表示回路322と、普図表示装置112の表示制御を行うための表示回路324と、各種状態表示部326(普図保留ランプ116、特図保留ランプ118、高確中ランプ118等)の表示制御を行うための表示回路328と、第2特図始動口128や可変入賞口130等を開閉駆動する各種ソレノイド330を制御するためのソレノイド回路332とを接続している。
なお、第1特図始動口126に球が入賞したことを球検出センサ318が検出した場合には、センサ回路320は球を検出したことを示す信号をカウンタ回路316に出力する。
この信号を受信したカウンタ回路316は、第1特図始動口126に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第1特図始動口126に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
また、カウンタ回路316は、第2特図始動口128に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、第2特図始動口128に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第2特図始動口128に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
さらに、基本回路302には、情報出力回路334を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にパチンコ機100の遊技情報(たとえば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300には、電源管理部650から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路336を設けており、この電圧監視回路336は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
また、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部300は、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部550にコマンドを送信するための出力インタフェースをそれぞれ備えており、この構成により、副制御部400および払出制御部550との通信を可能としている。なお、主制御部300と副制御部400および払出制御部550との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は副制御部400および払出制御部550にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、副制御部400および払出制御部550からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
また、主制御部300は、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部550にコマンドを送信するための出力インタフェースをそれぞれ備えており、この構成により、副制御部400および払出制御部550との通信を可能としている。
なお、主制御部300と副制御部400および払出制御部550との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は副制御部400および払出制御部550にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、副制御部400および払出制御部550からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
また、主制御部300と払出制御部550との接続には、主制御部300から払出制御部550に対するコマンドを送信するもののほかに、主制御部300から払出制御部550に対してコマンドを出力可能か否かに関する信号を常に出力するものも設けられている。
<副制御部>
次に、パチンコ機100の副制御部400について説明する。
副制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402には、CPU404と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM406と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412とを搭載している。
この基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路402には、スピーカ416(およびアンプ)の制御を行うためのサウンド回路418と、各種ランプ420の制御を行うための表示回路422と、演出装置200の演出用可動体等を駆動する駆動装置であるソレノイドまたはモータ等が含まれる各種演出用駆動装置424の制御を行うための演出用駆動装置制御回路426と、液晶表示装置110および遮蔽手段250の制御を行うための液晶制御部500と、チャンスボタン146の押下を検出して信号を出力するチャンスボタン検出回路380とを接続している。
副制御部400は、液晶制御部500を介した液晶表示装置110、スピーカ416、各種ランプ420、各種演出用駆動装置424などを用いた遊技演出の制御(演出制御)を行う。
<払出制御部、発射制御部、電源管理部>
次に、パチンコ機100の払出制御部550、発射制御部600、電源管理部650について説明する。
払出制御部550は、主に主制御部300が送信したコマンド等の信号に基づいて払出装置552を制御するとともに、払出センサ554が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出するとともに、インタフェース部556を介して、パチンコ機100とは別体で設けられたカードユニット654との通信を行う。
発射制御部600は、払出制御部550が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、操作ハンドル148内に設けた発射強度出力回路(図示省略)が出力する、遊技者による発射ハンドル148の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、発射杆138および発射槌140を駆動する発射モータ602の制御や、貯留皿144から発射レール142に球を供給する球送り装置604の制御を行う。
電源管理部650は、パチンコ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300、副制御部400等の各制御部や払出装置552等の各装置に供給する。さらに、電源管理部650は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(たとえば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(たとえば10日間)電源を供給するための蓄電回路(たとえばコンデンサ)を備えている。
<主制御部のデータテーブル>
次に、図6を用いて、パチンコ機100の主制御部300のROM306が記憶しているデータテーブルについて説明する。なお、同図(a)は大当たり判定テーブルの一例を、同図(b)は高確率状態移行判定テーブルの一例を、同図(c)はタイマ番号決定テーブルの一例を、それぞれ示した図である。
図6(a)に示す大当たり判定テーブルは、RAM308に設けた遊技状態格納領域に記憶している情報(以下、単に「遊技情報」と称する。)の種類と、第1特図始動口126に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出した場合に使用する抽選データ(第1特図始動口用抽選データ)と、第2特図始動口128に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出した場合に使用する抽選データ(第2特図始動口用抽選データ)と、を対応付けて記憶したデータテーブルである。
主制御部300の基本回路302は、これらの情報を用いて特図変動遊技を当選(大当たり)とするか、不当選(外れ)とするかの決定、すなわち「大当たり判定」を行う。なお、「遊技情報」は、特図変動遊技を所定の低確率で当選と判定する低確率状態を示す情報、および低確率よりも高い高確率で特図変動遊技を当選と判定する高確率状態を示す情報等を含むが、以下、これらを単に「低確率状態」および「高確率状態」と称する。また、遊技状態格納領域に記憶する情報には別の情報もあるが、これらの情報については後述する。
第1特図始動口用抽選データは、第1特図始動口126に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出した場合に開始する特図変動遊技の結果を決定するために使用する抽選データである。
たとえば、遊技状態が低確率状態の場合、取得した特図当選乱数値(乱数値については後述する)が10001〜10187であるときは、特図変動遊技の当選と判定する。
一方、取得した特図当選乱数値が10001〜10187以外の数値である場合には、特図変動遊技の外れと判定する。
なお、本実施例では、特図当選乱数値の取り得る数値範囲は0〜65535(数値範囲の大きさは65536)、低確率状態における第1特図始動口用抽選データが示す数値範囲は10001〜10187(数値範囲の大きさは187)であるから、低確率状態の第1特図始動口126への球の入賞に基づく特図変動遊技の当選確率は、約1/350.4(=187/65536)である。
これに対して、高確率状態における第1特図始動口用抽選データが示す数値範囲は30001〜31310(数値範囲の大きさは1310)であるから、高確率状態の第1特図始動口126への球の入賞に基づく特図変動遊技の当選確率は約1/50.0(=1310/65536)であり、第1特図始動口126への球の入賞に基づく特図変動遊技の当選確率は、低確率状態よりも高確率状態の方が高くなるように設定している。
第2特図始動口用抽選データは、第2特図始動口128に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出した場合に開始する特図変動遊技の結果を決定するために使用する抽選データである。たとえば、遊技状態が低確率状態の場合、取得した特図当選乱数値が20001〜20187であるときには、特図変動遊技の当選と判定する。一方、取得した特図当選乱数値が20001〜20187以外の数値である場合には、特図変動遊技の外れと判定する。
なお、本実施例では、特図当選乱数値の取り得る数値範囲は0〜65535(数値範囲の大きさは65536)、低確率状態における第2特図始動口用抽選データが示す数値範囲は20001〜20187(数値範囲の大きさは187)であるから、低確率状態の第2特図始動口128への球の入賞に基づく特図変動遊技の当選確率は、約1/350.4(=187/65536)である。これに対して、高確率状態における第2特図始動口用抽選データが示す数値範囲は40001〜41310(数値範囲の大きさは1310)であるから、高確率状態の第2特図始動口128への球の入賞に基づく特図変動遊技の当選確率は約1/50.0(=1310/65536)であり、第2特図始動口128への球の入賞に基づく特図変動遊技の当選確率は、低確率状態よりも高確率状態の方が高くなるように設定している。
図6(b)に示す高確率状態移行判定テーブルは、上述の大当たり判定の結果、大当たりと判定した場合に使用する抽選データを記憶したデータテーブルである。
主制御部300の基本回路302は、この高確率状態移行判定テーブルを用いて、特図変動遊技の終了後に大当たり遊技を開始するか、または特別大当たり遊技を開始するかの判定、すなわち確変移行判定を行う。
たとえば、取得した特図乱数値(乱数値については後述する)が64〜127の数値である場合には、RAM308に設けた確変(確率変動)フラグの格納領域に、特図変動遊技の終了後に特別大当たり遊技を開始することを示す情報を設定する(ここで、確変フラグの格納領域に特別大当たり遊技開始の情報を設定することを「確変フラグをオンに設定する」という)。
一方、取得した特図乱数値が64〜127の数値以外である場合には、上述の確変フラグの格納領域に、大当たり遊技を開始することを示す情報を設定する(ここで、確変フラグの格納領域に大当たり遊技開始の情報を設定することを確変フラグをオフに設定するという)。
なお、本実施例では、特図乱数値の取り得る数値範囲は0〜127(数値範囲の大きさは128)、抽選データの移行判定乱数の範囲は64〜127(数値範囲の大きさは64)であるから、大当たり判定の結果が当選である場合に確変移行判定の結果を当選にする確率、すなわち特別大当たりを開始する確率は1/2(=64/128)である。
図6(c)に示すタイマ番号決定テーブルは、特図表示装置114による特図の変動表示を開始してから停止表示をするまでの変動時間を示すタイマ番号を決定するための抽選に使用する抽選データを記憶したデータテーブルである。
主制御部300の基本回路302は、これらの情報と、上記の大当たり判定結果(後述する大当たりフラグの値)および後述するタイマ乱数の値に基づいて、タイマ番号を決定する。
なお、本実施例では、特図タイマ乱数値(乱数値については後述する)の取り得る数値範囲は0〜65535(数値範囲の大きさは65536)、上記の大当たり判定結果が不当選の場合は、タイマ1のタイマ乱数の範囲は0〜60235(数値範囲の大きさは60236)であるから、タイマ番号としてタイマ1(変動時間5秒、リーチなし)を選択する確率は60236/65536である。また、タイマ番号として、タイマ2(変動時間10秒、ノーマルリーチ)を選択する確率は4250/65536、タイマ3(変動時間20秒、ロングリーチ)を選択する確率は800/65536、タイマ3(変動時間40秒、マルチラインリーチ)を選択する確率は250/65536である。
一方、大当たり判定結果が当選の場合は、タイマ2のタイマ乱数の範囲は0〜15535(数値範囲の大きさは15536)であるから、タイマ番号としてタイマ2(変動時間10秒、ノーマルリーチ)を選択する確率は15535/65536である。また、タイマ番号として、タイマ3(変動時間20秒、ロングリーチ、ノーマルリーチ(再変動))を選択する確率は9000/65536、タイマ4(変動時間40秒、マルチラインリーチ)を選択する確率は38000/65536、タイマ5(変動時間50秒、全回転リーチ)を選択する確率は3000/65536である。
<副制御部のデータテーブル>
次に、図7〜図9を用いて、パチンコ機100の副制御部400のROM406が記憶しているデータテーブルについて説明する。
図7(a)は上記の大当たり判定の結果が不当選(後述する大当たりフラグがオフ)の場合に使用する変動番号選択テーブルの一例を示したものであり、同図(b)は上記の大当たり判定の結果が当選(後述する大当たりフラグがオン)の場合に使用する変動番号選択テーブルの一例を示したものである。
同図(a)および(b)に示す変動番号選択テーブルは、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)110における演出表示態様を決定するためのデータテーブルであり、タイマ番号、上記の確変移行判定の結果(後述する確変フラグの値)、および後述する変動決定用乱数の値に基づいた変動番号の決定に使用する。なお、変動番号選択テーブルの「変動態様」の項目に対応する列には、変動番号に対応する変動態様を参考までに記載しており、たとえば、変動番号の変動11を選択した場合には、後述する変動態様「ロングリーチ」で装飾図柄表示装置110の表示制御を行い、変動番号の変動19を選択した場合には、後述する変動態様「全回転リーチ」で装飾図柄表示装置110の表示制御を行うことを示している。
たとえば、上記の大当たり判定の結果が不当選、タイマ番号がタイマ1、確変フラグがオン(またはオフ)の場合には、図7(a)に示す、大当たりフラグがオフの場合の変動番号選択テーブルを参照する。この場合、タイマ番号=タイマ1に対応する変動決定用乱数値の数値範囲は0〜127(数値範囲の大きさは128)であるから、変動番号として、100%(=128/128)の確率で、すなわち取得した変動決定用乱数値に関わらず変動1を選択し、RAM408に設けている変動番号記憶領域に、選択結果が変動1であることを示す情報を記憶する。また、大当たり判定の結果に当選し、タイマ番号がタイマ2、確変フラグがオフの場合には、図7(b)に示す、大当たりフラグがオンの場合の変動番号選択テーブルを参照する。この場合、タイマ番号=タイマ2、確変フラグ=オフに対応する変動決定用乱数値の数値範囲は0〜47(数値範囲の大きさは48)と48〜127(数値範囲の大きさは80)の2種類があるから、変動番号として、48/128の確率で変動6を選択し、80/128の確率で変動7を選択する。
図8(a)〜(d)および図9(a)〜(d)は、図7(a)(b)を用いて決定した変動番号、後述する図柄決定用乱数の値に基づいて装飾図柄表示装置110に仮停止させる仮停止図柄の組合せ、および停止表示させる停止図柄の組合せを決定するための図柄決定テーブルの一例を示した図である。
図8(a)は変動番号が変動1である場合に使用し、仮停止および停止させる装飾図柄の組合せの種類を決定するための図柄決定テーブルの一例を、同図(b)は変動2〜変動5に対応する図柄決定テーブルの一例を、同図(c)は変動6、10、13、14、18に対応する図柄決定テーブルの一例を、同図(d)は変動7に対応する図柄決定テーブルの一例を示したものである。
また、図9(a)は変動9に対応する図柄決定テーブルの一例を、同図(b)は変動11、15、16、19に対応する図柄決定テーブルの一例を、同図(c)は変動8、17、20に対応する図柄決定テーブルの一例を、同図(d)は変動12に対応する図柄決定テーブルの一例を、それぞれ示したものである。なお、仮停止図柄の組合せは、図柄が停止図柄の組合せとなる前に一時的に停止する仮の停止図柄の組合せを示しており、停止図柄の組合せは、最終的に停止する停止図柄の組合せを示している。
また、図8(a)および(b)に示す、変動1〜変動5に対応する図柄決定テーブルは、大当たり判定が不当選の場合(外れの場合)に選択するテーブルであり、図8(c)および(d)に示す、変動6、10、13、14、18、7に対応する図柄決定テーブルは、大当たり判定が当選で確変移行判定が不当選の場合(大当たりの場合)に選択するテーブルであり、図9(a)〜(d)に示す、変動9、11、15、16、19、8、17、20、12に対応する図柄決定テーブルは、大当たり判定が当選で確変移行判定も当選の場合(特別大当たりの場合)に選択するテーブルである。
ここで、図9(a)〜(d)に示すテーブルは特別大当たりの場合にのみ選択するように構成しているが、このテーブルを用いて停止図柄の組合せを選択した場合には、図柄表示領域110a〜110cに特別大当たりに対応する図柄組合せではなく、大当たりに対応する図柄組合せを停止表示する場合を含んでいる。もちろん停止表示後には特別大当たり遊技を開始し、大当たり動作の終了後には高確率状態に設定する。
副制御部400は、たとえば、変動番号が変動6である場合には、図8(c)に示す図柄決定テーブルを参照する。この場合、変動6に対応する図柄決定用乱数値(乱数値については後述する)の数値範囲は、0〜25(数値範囲の大きさは26)、26〜51(数値範囲の大きさは26)、52〜77(数値範囲の大きさは26)、78〜102(数値範囲の大きさは25)、103〜127(数値範囲の大きさは25)の5種類があるから、停止図柄の組合せとして、それぞれ約1/5の確率で、「装飾2−装飾2−装飾2」、「装飾4−装飾4−装飾4」、「装飾6−装飾6−装飾6」、「装飾8−装飾8−装飾8」、または「装飾10−装飾10−装飾10」のいずれかを選択する。
<主制御部メイン処理>
次に、図10を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)(図示省略)を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割り込みによりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って処理を実行する。
ステップS101では、初期設定1を行う。この初期設定1では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割り込みマスクの設定、I/Oポート310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT(ウオッチドッグタイマ)への初期値の設定等を行う。なお、本実施例では、WDTに、初期値として32.8msに相当する数値を設定する。
ステップS102では、WDTのリセットを行い、WDTによる時間計測を再始動する。
ステップS103では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、電圧監視回路(図示省略)が、電源管理部650から主制御部300に供給している電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU304が電源の遮断を検知した場合)にはステップS102に戻り、低電圧信号がオフの場合(CPU304が電源の遮断を検知していない場合)にはステップS104に進む。
ステップS104では、初期設定2を行う。この初期設定2では、後述する主制御部タイマ割り込み処理を定期ごとに実行するための周期を決める数値をカウンタタイマ312に設定する処理、I/O310の所定のポート(たとえば試験用出力ポート、副制御部400への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM308への書き込みを許可する設定等を行う。
ステップS105では、電源の遮断前(電断前)の状態に復帰するか否かの判定を行い、電断前の状態に復帰しない場合(主制御部300の基本回路302を初期状態にする場合)にはステップS107に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップS107に進む。
具体的には、最初に、電源基板162に設けた操作部を遊技店の店員などが操作した場合に送信されるRAMクリア信号がオン(操作があったことを示す)であるか否か、すなわちRAMクリアが必要であるか否かを判定し、RAMクリア信号がオンの場合(RAMクリアが必要な場合)には、基本回路302を初期状態にすべくステップS107に進む。
一方、RAMクリア信号がオフの場合(RAMクリアが必要でない場合)は、RAM308に設けた電源ステータス記憶領域に記憶した電源ステータスの情報を読み出し、この電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報であるか否かを判定する。
この判定の結果、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報でない場合には、基本回路302を初期状態にすべくステップS107に進み、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報である場合には、RAM308の所定の領域(たとえばすべての領域)に記憶している1バイトデータを初期値が0である1バイト構成のレジスタにすべて加算することによりチェックサムを算出し、算出したチェックサムの結果が特定の値(たとえば0)であるか否か(チェックサムの結果が正常であるか否か)を判定する。
チェックサムの結果が特定の値(たとえば0)の場合(チェックサムの結果が正常である場合)には電断前の状態に復帰すべくステップS106に進み、チェックサムの結果が特定の値(たとえば0)以外である場合(チェックサムの結果が異常である場合)には、パチンコ機100を初期状態にすべくステップS107に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップS107に進む。
ステップS106では、復電時処理を行う。この復電時処理では、電断時にRAM308に設けられたスタックポインタ退避領域に記憶しておいたスタックポインタを読み出し、スタックポインタに再設定する。また、電断時にRAM308に設けられたレジスタ退避領域に記憶しておいた各レジスタの値を読み出し、各レジスタに再設定した後、割り込み許可の設定を行う。以降、CPU304が、再設定後のスタックポインタやレジスタに基づいて制御プログラムを実行する結果、パチンコ機100は電源断時の状態に復帰する。すなわち、電断直前に主制御部タイマ割り込み処理に分岐する直前に行った(ステップS108、ステップS109内の所定の)命令の次の命令から処理を再開する。
ステップS107では、初期化処理を行う。この初期化処理では、割り込み禁止の設定、スタックポインタへのスタック初期値の設定、RAM308のすべての記憶領域の初期化などを行う。
ステップS108では、割り込み禁止の設定を行った後、基本乱数初期値更新処理を行う。この基本乱数初期値更新処理では、普図当選乱数カウンタ、および特図乱数値カウンタの初期値をそれぞれ生成するための2つの初期値生成用乱数カウンタと、普図タイマ乱数値、特図タイマ乱数値をそれぞれ生成するための2つの乱数カウンタを更新する。
たとえば、普図タイマ乱数値として取り得る数値範囲が0〜20とすると、RAM308に設けた普図タイマ乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が21であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。他の初期値生成用乱数カウンタ、乱数カウンタもそれぞれ同様に更新する。
この基本乱数初期値更新処理の終了後に、割り込み許可の設定を行ってステップS109に進む。
ステップS109では演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。
主制御部300は、所定の周期ごとに開始する主制御部タイマ割り込み処理を行っている間を除いて、ステップS108およびS109の処理を繰り返し実行する。
<主制御部タイマ割り込み処理>
次に、図11を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割り込み処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300は、所定の周期(本実施例では約2msに1回)でタイマ割り込み信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割り込み信号を契機として主制御部タイマ割り込み処理を所定の周期で開始する。
ステップS201では、タイマ割り込みスタート処理を行う。このタイマ割り込みスタート処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップS202では、WDTのカウント値が初期設定値(本実施例では32.8ms)を超えてWDT割り込みが発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDTを定期的に(本実施例では、主制御部タイマ割り込みの周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS203では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、ガラス枠開放センサ、前枠開放センサ、下皿満タンセンサ、複数の球検出センサなどを含む各種センサ318の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。
本実施例では、前々回のタイマ割り込み処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサ318の検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM308に各々の球検出センサ318ごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割り込み処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサ318の検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサ318ごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサ318の検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
また、ステップS203では、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記憶領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサ318の検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサ318における過去3回分の検出信号の有無の情報が一致するか否かを判定する。
そして、各々の球検出センサ318において過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(本実施例では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、入賞口(一般入賞口122、可変入賞口130)や始動口(第1特図始動口126、第2特図始動口128)への入球、または普図始動口124の通過があったと判定する。
たとえば、一般入賞口122への入球を検出する球検出センサ318において過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、一般入賞口122へ入球したと判定し、以降の一般入賞口122への入球に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の一般入賞口122への入球に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。
ステップS204およびステップS205では、基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理を行う。
これらの基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理では、上記ステップS108で行った初期値生成用乱数カウンタの値の更新を行い、次に主制御部300で使用する普図当選乱数値および特図乱数値をそれぞれ生成するための2つの乱数カウンタを更新する。
たとえば、普図当選乱数値として取り得る数値範囲が0〜100とすると、RAM308に設けた普図当選乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が101であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。
また、取得した値に1を加算した結果、乱数カウンタが一周していると判定した場合にはそれぞれの乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタの値を取得し、乱数カウンタの記憶領域にセットする。
たとえば、0〜100の数値範囲で変動する普図当選乱数値生成用の乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算した結果が、RAM308に設けた所定の初期値記憶領域に記憶している前回設定した初期値と等しい値(たとえば7)である場合に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタから値を初期値として取得し、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタにセットするとともに、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するために、今回設定した初期値を上述の初期値記憶領域に記憶しておく。
なお、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するための上述の初期値記憶領域とは別に、特図乱数生成用の乱数カウンタが1周したことを判定するための初期値記憶領域をRAM308に設けている。
ステップS206では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。
ステップS207では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、普通図柄表示装置112に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、特別図柄表示装置114に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
ステップS208では、入賞口カウンタ更新処理を行う。この入賞口カウンタ更新処理では、入賞口(一般入賞口122、第1、第2特図始動口126、128、および可変入賞口130)に入賞(入球)があった場合に、RAM308に各入賞口ごとに設けた賞球数記憶領域の値を読み出し、1を加算して、元の賞球数記憶領域に設定する。
ステップS209では、入賞受付処理を行う。この入賞受付処理では、第1、第2特図始動口126、128に入賞があり、且つ、保留している特図変動遊技の数が4未満である場合には、入賞した始動口に対応するカウンタ回路316のカウンタ値記憶用レジスタから値を特図当選乱数値として取得する。
また、上述の特図乱数値生成用の乱数カウンタから値を特図乱数値として取得し、RAM308に設けた乱数値記憶領域に特図当選乱数値とともに記憶する。
また、普図始動口124を球が通過したことを検出し、且つ、保留している普図変動遊技の数が2未満の場合には、そのタイミングにおける普図当選乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図当選乱数値として取得し、RAM308に設けた上述の特図用とは別の乱数値記憶領域に記憶する。
また、この入賞受付処理では、所定の球検出センサ318により第1、第2特図始動口126、128、普図始動口124、または可変入賞口の入賞(入球)を検出した場合に、副制御部350に送信すべき送信情報に、第1、第2特図始動口126、128、普図始動口124、および可変入賞口の入賞(入球)の有無を示す入賞受付情報を設定する。
ステップS210では、払出要求数送信処理を行う。なお、払出制御部550に出力する出力予定情報および払出要求情報は1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4〜5に今回加工種別(0〜3)、およびビット0〜3に加工後の払出要求数を示すようにしている。
ステップS211では、普図状態更新処理を行う。この普図状態更新処理は、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。たとえば、普図変動中(後述する普図汎用タイマの値が1以上)における普図状態更新処理では、普図表示装置112を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、図4(c)に示す普図1の態様となるように普図表示装置112を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、当りフラグがオフの場合には、図4(c)に示す普図2の態様となるように普図表示装置112を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行うとともに、その後、所定の停止表示期間(たとえば500m秒間)その表示を維持するためにRAM308に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により普図の停止表示を行い、普図変動遊技の結果を遊技者に報知するようにしている。
また、所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、所定の開放期間(たとえば2秒間)、第2特図始動口128の羽根部材の開閉駆動用のソレノイド330に、羽根部材を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(たとえば500m秒間)、羽根部材の開閉駆動用のソレノイド330に、羽根部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
また、所定の閉鎖期間を経過したタイミング(羽根閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、普図の状態を非作動中に設定する。普図の状態が非作動中の場合における普図状態更新処理では、何もせずに次のステップS212に移行するようにしている。
ステップS212では、普図関連抽選処理を行う。この普図関連抽選処理では、普図変動遊技および第2特図始動口128の開閉制御を行っておらず(普図の状態が非作動中)、且つ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の乱数値記憶領域に記憶している普図当選乱数値に基づいた乱数抽選により普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定を行い、当選とする場合にはRAM308に設けた当りフラグにオンを設定する。不当選の場合には、当りフラグにオフを設定する。
また、当り判定の結果に関わらず、次に上述の普図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得し、取得した普図タイマ乱数値に基づいて複数の変動時間のうちから普図表示装置112に普図を変動表示する時間を1つ選択し、この変動表示時間を、普図変動表示時間として、RAM308に設けた普図変動時間記憶領域に記憶する。
なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM308に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また当り判定に使用した乱数値を消去する。
ステップS213では、特図状態更新処理を行う。この特図状態更新処理は、特図の状態に応じて、次の8つの処理のうちの1つの処理を行う。たとえば、特図変動中(後述する特図汎用タイマの値が1以上)における特図状態更新処理では、特図表示装置112を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。
また、特図変動表示時間が経過したタイミング(特図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、大当たりフラグがオンで確変フラグがオフの場合には特図表示装置114に図4(a)に示す特図1、大当たりフラグがオンで確変フラグがオンの場合には特図表示装置114に図4(a)に示す特図2、大当たりフラグがオフの場合には、図4(a)に示す特図3の態様となるように特図表示装置112を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行うとともに、その後、所定の停止表示期間(たとえば500m秒間)その表示を維持するためにRAM308に設けた特図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。
この設定により特図の停止表示を行い、特図変動遊技の結果を遊技者に報知するようにしている。また、後述するコマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド回転停止設定送信処理を実行させるために送信情報記憶領域に02Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、大当たりフラグがオンの場合には、所定の入賞演出期間(たとえば3秒間)すなわち液晶表示装置110による大当たりを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM308に設けた特図待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。
また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド入賞演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に04Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、所定の開放期間(たとえば29秒間、または可変入賞口130に所定球数(たとえば10球)の遊技球の入賞を検出するまで)可変入賞口130の扉部材の開閉駆動用のソレノイド330に、扉部材を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。
また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド大入賞口開放設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に10Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(たとえば1.5秒間)可変入賞口130の扉部材の開閉駆動用のソレノイド330に、扉部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に20Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、この扉部材の開放・閉鎖制御を所定回数(たとえば15ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図状態更新処理では、所定の終了演出期間(たとえば3秒間)すなわち液晶表示装置110による大当たりを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するためにRAM308に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。
また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド終了演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に08Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、特図の状態を非作動中に設定する。特図の状態が非作動中の場合における特図状態更新処理では、何もせずに次のステップS214に移行するようにしている。
ステップS214では、特図関連抽選処理を行う。この特図関連抽選処理では、特図変動遊技および可変入賞口130の開閉制御を行っておらず(特図の状態が非作動中)、且つ、保留している特図変動遊技の数が1以上である場合に、図示しない大当たり判定テーブル、図示しない高確率状態移行判定テーブル、図示しないタイマ番号決定テーブルなどの乱数の数値範囲を規定したテーブルを使用した各種抽選のうち、最初に大当たり判定を行う。
具体的には、ステップS203で乱数値記憶領域に記憶した特図当選乱数値が、大当たり判定テーブルの第1特図始動口用抽選データの数値範囲であるか否かを判定し、特図当選乱数値が第1特図始動口用抽選データの数値範囲である場合には、特図変動遊技の当選と判定してRAM308に設けた大当たりフラグの格納領域に大当たりとなることを示す情報を設定する(ここで、大当たりの情報をRAM308に設定することを、大当たりフラグをオンに設定するという)。
一方、特図当選乱数値が第1特図始動口用抽選データの数値範囲以外である場合には、特図変動遊技の外れと判定してRAM308に設けた大当たりフラグの格納領域に外れとなることを示す情報を設定する(ここで、外れの情報をRAM308に設定することを、大当たりフラグをオフに設定するという)。
なお、保留している特図変動遊技の数は、RAM308に設けた特図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している特図変動遊技の数から1を減算した値を、この特図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また、当り判定に使用した乱数値を消去する。
具体例としては、遊技状態が低確率状態であり、第1特図始動口126への球入賞の検出に基づいて取得した特図当選乱数値が10100の場合は大当たりフラグをオンに設定し、特図当選乱数値が10200の場合は大当たりフラグをオフに設定する。
また、第2特図始動口128への球入賞の検出に基づいて取得した特図当選乱数値が20100の場合は大当たりフラグをオンに設定し、特図当選乱数値が20200の場合は大当たりフラグをオフに設定する。
大当たりフラグにオンを設定した場合には、次に確変移行判定を行う。
具体的には、ステップS209で乱数値記憶領域に記憶した特図乱数値が、高確率状態移行判定テーブルの移行判定乱数の数値範囲であるか否かを判定し、特図乱数値が抽選データの数値範囲である場合には、RAM308に設けた確変(確率変動)フラグの格納領域に、特別大当たり遊技を開始することを示す情報を設定する(ここで、特別大当たり遊技開始の情報をRAM308に設定することを確変フラグをオンに設定するという)。
一方、特図乱数値が抽選データの数値範囲以外である場合には、上述の確変フラグの格納領域に、大当たり遊技を開始することを示す情報を設定する(ここで、大当たり遊技開始の情報をRAM308に設定することを確変フラグをオフに設定するという)。
たとえば、取得した特図乱数値が20の場合には確変フラグをオフに設定する。
一方、取得した特図乱数値が80の場合には確変フラグをオンに設定する。
大当たり判定の結果に関わらず、次にタイマ番号を決定する処理を行う。
具体的には、上述の特図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を特図タイマ乱数値として取得する。大当たりフラグの値、および取得した特図タイマ乱数値を含む、タイマ番号決定テーブルのタイマ乱数の数値範囲に対応するタイマ番号を選択し、RAM308に設けた所定のタイマ番号格納領域に記憶する。
さらに、そのタイマ番号に対応する変動時間を、特図変動表示時間として、上述の特図表示図柄更新タイマに記憶し、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド回転開始設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に01Hを送信情報(一般情報)として追加記憶してから処理を終了する。
たとえば、大当たりフラグがオフで、取得した特図タイマ乱数値が50000の場合には、特図タイマ乱数値は0〜60235の範囲であることから、タイマ番号決定テーブルのそれらの条件に対応する1行目に記憶しているタイマ番号を示すタイマ1、および変動時間を示す5を選択し、RAM308に設けたそれぞれの記憶領域に記憶する。
一方、大当たりフラグがオンで、取得した特図タイマ乱数値が64000の場合には、特図タイマ乱数値は0〜15535の範囲ではないことからタイマ2は選択せず、15536〜24535ではないことからタイマ3は選択せず、24536〜62535ではないことからタイマ4は選択しないが、62536〜65535の範囲内であることから、タイマ番号決定テーブルのそれらの条件に対応する8行目に記憶しているタイマ番号を示すタイマ5、および変動時間を示す50を選択し、RAM308に設けたそれぞれの記憶領域に記憶する。なお、割り込み処理の開始周期である2msを考慮して、選択した変動時間の値に500(1000ms/2ms)を掛けた値を変動時間記憶領域にセットする。
たとえば、変動時間が5秒の場合には、変動時間記憶領域には2500の値を初期値としてセットし、ステップS207のタイマ更新処理を実行する度に、この変動時間記憶領域の値を1だけ減算するようにすることで、割り込み処理の実行回数により時間の経過を計測できるようにしている。また、複数回(たとえば5回)のタイマ割込処理の実行ごと(たとえば2ms周期)に変動時間記憶領域の値を減算する場合には、変動時間が10秒の場合であれば、10秒が10000msであることから周期(2ms×5)で割り算して1000を変動時間記憶領域に設定する。
ステップS215では、コマンド設定送信処理を行う。なお、副制御部400に送信する出力予定情報は16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(00Hの場合は基本コマンド、01Hの場合は図柄変動開始コマンド、04Hの場合は図柄変動停止コマンド、05Hの場合は入賞演出開始コマンド、06Hの場合は終了演出開始コマンド、07Hの場合は大当たりラウンド数指定コマンド、0EHの場合は復電コマンド、0FHの場合はRAMクリアコマンドをそれぞれ示すなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオン、オフするようにしている。また、コマンド種別が図柄変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、大当たりフラグの値、確変フラグの値、特図関連抽選処理で選択したタイマ番号などを示す情報を含み、図柄変動停止コマンドの場合であれば、大当たりフラグの値、確変フラグの値などを含み、入賞演出コマンドおよび終了演出開始コマンドの場合であれば、確変フラグの値などを含み、大当たりラウンド数指定コマンドの場合であれば確変フラグの値、大当たりラウンド数などを含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、第1特図始動口126への入賞の有無、第2特図始動口128への入賞の有無、可変入賞口130への入賞の有無などを含む。
また、上述の一般コマンド回転開始設定送信処理では、コマンド種別に01H、コマンドデータにRAM308に記憶している大当たりフラグの値、確変フラグの値、特図関連抽選処理で選択したタイマ番号、保留している特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。
上述の一般コマンド回転停止設定送信処理では、コマンド種別に04H、コマンドデータにRAM308に記憶している大当たりフラグの値、確変フラグの値などを示す情報を設定する。
上述の一般コマンド入賞演出設定送信処理では、コマンド種別に05H、コマンドデータにRAM308に記憶している入賞演出期間中に液晶表示装置110・各種ランプ370・スピーカ366に出力する演出制御情報、確変フラグの値、保留している特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。
上述の一般コマンド終了演出設定送信処理では、コマンド種別に06H、コマンドデータにRAM308に記憶している演出待機期間中に液晶表示装置110・各種ランプ370・スピーカ366に出力する演出制御情報、確変フラグの値、保留している特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。
上述の一般コマンド大入賞口開放設定送信処理では、コマンド種別に07H、コマンドデータにRAM308に記憶している大当たりラウンド数、確変フラグの値、保留している特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。
上述の一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理では、コマンド種別に08H、コマンドデータにRAM308に記憶している大当たりラウンド数、確変フラグの値、保留している特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。
副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
また、ステップS215のコマンド設定送信処理では、ステップS210の払出要求数送処理で送信した情報が安定するのを待った後、払出制御部550に遊技球の検知情報を出力可能か否かに関する出力可否信号であるストローブ信号を、払出制御部550に対して出力する。払出制御部550では、このストローブ信号の受信を契機に、後述する払出制御部コマンド受信割り込み処理(払出制御部ストローブ割り込み処理)を行う。
ステップS216では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してパチンコ機100とは別体の情報入力回路652に出力する。
ステップS217では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、ステップ203において信号状態記憶領域に記憶した各種センサ318の信号状態を読み出して、ガラス枠開放エラーの有無、前枠開放エラーの有無、または下皿満タンエラーの有無などを監視し、ガラス枠開放エラー、前枠開放エラー、または下皿満タンエラーを検出した場合に、副制御部400に送信すべき送信情報に、ガラス枠開放エラーの有無、前枠開放エラーの有無、下皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定する。
また、各種ソレノイド330を駆動して第2特図始動口128や可変入賞口130の開閉を制御し、また、表示回路322、324、328を介して特図表示装置114、普図表示装置112、各種状態表示部326などに出力する表示データを、I/O310の出力ポートに設定する。
また、払出要求数送信処理(ステップS210)で設定した出力予定情報を、出力ポート310を介して副制御部400に出力する。
ステップS218では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS219に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS220に進む。
ステップS219では、タイマ割り込みエンド処理を行う。このタイマ割り込みエンド処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割り込み許可の設定などを行う。
ステップS220では、電源管理部650から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路336が、所定の値以下である場合に電圧が低下したことを示す電圧低下信号を出力しているか否か、すなわち電源の遮断を検知したか否かを監視し、電源の遮断を検知した場合には、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行う。
<副制御部メイン処理>
次に、図12(a)を用いて、副制御部400のCPU404が実行する副制御部メイン処理について説明する。なお、同図は副制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
副制御部400には、電源が投入されるとリセット信号を出力するリセット信号出力回路を設けている。このリセット信号を入力した基本回路402のCPU404は、リセット割り込みによりリセットスタートしてROM406に予め記憶した制御プログラムに従って処理を実行し、まず、ステップS301で各種の初期設定を行う。この初期設定では、入出力ポートの初期設定や、各種変数の初期化等を行う。
ステップS302では、コマンド入力処理(詳細は後述)を行う。
ステップS303では、I/O410の出力ポートを介して液晶制御部500の液晶制御回路にコマンドを出力する。
ステップS304では、後述するタイマ変数記憶領域の値が10以上であるか否かを判定する。タイマ変数記憶領域の値が10以上である場合はステップS305に進み、タイマ変数記憶領域の値が10未満である場合にはステップS302に進む。
ステップS305では、タイマ変数記憶領域に0を格納する。
ステップS306では、演出データ更新処理を行う。この演出データ更新処理では、後述する変動パターン選択処理で記憶する変動番号、仮停止図柄の組合せ、および停止図柄の組合せの種別の更新を行うと共に、装飾図柄の変動表示を開始してからの経過時間に基づいて装飾図柄表示装置110、遮蔽手段250、スピーカ416、各種ランプ420および演出装置200の演出用可動体等による演出を制御するための動作制御データの更新を行う。
ステップS306では、決定された演出情報が示している態様で装飾図柄変動表示を行うように次回実行する上記ステップS303の処理で副制御部400に出力するコマンド(たとえば左に装飾7を停止することを指示するコマンドや遮蔽手段250を動作させるコマンド等)をRAM408に設けた液晶コマンド格納領域に格納する等、後述するステップS305、306、307によるスピーカ416、各種ランプ420、および演出用可動体を制御する準備を行う。また、所定の条件が成立している場合には所定の演出を実行するか否か、たとえばチャンスボタンを用いた演出を行うか否か等の抽選を行う。
ステップS307では、音出力処理を行う。この音出力処理では、上記ステップS304で取得したスピーカ制御用の情報に含まれるスピーカ416に出力する音声データをI/O410の出力ポートに設定し、スピーカ416の出力制御をサウンド回路418に行わせる。
ステップS308では、ランプ制御処理を行う。このランプ制御処理では、上記ステップS304で取得した各種ランプ制御用の情報に含まれる各種ランプ420に出力するランプの点灯・消灯を示すデータ等をI/O410の出力ポートに設定し、各種ランプ420の点灯や消灯の制御を表示回路422に行わせる。
ステップS309では、演出用駆動装置制御処理を行う。この演出用駆動装置制御処理では、上記ステップS304で取得した演出用可動体の制御用の情報に含まれる動作タイミングを示すデータ等をI/O410の出力ポートに設定し、演出用可動体等を駆動する各種演出用駆動装置424の制御を演出用駆動回路376に行わせる。
副制御部400は、後述するストローブ処理、チャンスボタン処理、または副制御部タイマ割り込み処理による中断を除いて、以降、ステップS302〜S304の処理を繰り返し実行する。
<コマンド入力処理>
次に、図12(b)を用いて、上記副制御部メイン処理におけるコマンド入力処理(ステップS302)について説明する。同図はコマンド入力処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS401では、後述するコマンド記憶領域の内容を確認し、未処理のコマンドが残っているか否かを判断する。そして、コマンド記憶領域に未処理のコマンドが残っている場合にはステップS402に進み、コマンド記憶領域に未処理のコマンドが残っていない場合には処理を終了して副制御部メイン処理に復帰する。
<変動パターン選択処理>
図12(c)は変動パターン選択処理の流れを示すフローチャートであり、同図(d)は図柄停止処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS402では、コマンド記憶領域に記憶している未処理コマンドのうちの次に処理するべき未処理コマンドの種類に基づいて、図12(c)に示す変動パターン選択処理(たとえば未処理コマンドが上記変動開始コマンドに基づいて実行する)や、同図(d)に示す図柄停止処理等を行う。未処理コマンドに基づく処理は他にも備えている。たとえば、大当たり中に可変入賞口130の開放制御を開始するたびに主制御部300が出力し、大当たり開始後の可変入賞口130の開放回数を示す情報を含むラウンド開始コマンドが未処理コマンドである場合に行うラウンド開始処理等である。その他の処理は、ここでは割愛する。
変動パターン選択処理のステップS501では、未処理コマンドに含まれている上記大当たりフラグの値、確変フラグの値、およびタイマ番号を抽出し、RAM408のそれぞれの記憶領域に記憶する。また、上記図7(a)または(b)の変動番号選択テーブル、図8〜図9に示す図柄決定テーブルを参照して演出データ(本実施例では変動番号、仮停止図柄・停止図柄の組合せ等)を選択し、これをRAM408に設けた記憶領域に記憶した後、処理を終了する。
図柄停止処理のステップS601では、上記図柄記憶領域に記憶している停止図柄の組合せを構成する3つの装飾図柄を装飾図柄表示装置110の左、中、右図柄表示領域110a〜110cの3つの表示領域に表示するように設定して処理を終了する。また、上記ラウンド開始処理では未処理コマンドに含まれている上記大当たり開始後の可変入賞口130の開放回数を示す情報を抽出し、RAM408の記憶領域に記憶する。
<ストローブ割り込み処理>
次に、図12(e)を用いて、副制御部400のストローブ割り込み処理について説明する。なお、同図はストローブ割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
このストローブ割り込み処理は、副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。ストローブ割り込み処理のステップS701では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けた上記コマンド記憶領域に記憶する。
<チャンスボタン割り込み処理>
次に、図12(f)を用いて、副制御部400のチャンスボタン割り込み処理について説明する。なお、同図はチャンスボタン割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
このチャンスボタン割り込み処理は、副制御部400がチャンスボタン検出回路364によってチャンスボタン146の操作を検出した場合に実行する処理である。
チャンスボタン割り込み処理のステップS801では、RAM408の検知カウンタ記憶領域に記憶している、チャンスボタン146の押下回数を計測するための検知カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算してから元の検知カウンタ記憶領域に記憶する。
<変数更新割り込み処理>
次に、図12(g)を用いて、副制御部400のCPU404によって実行する副制御部変数更新割り込み処理について説明する。なお、同図は副制御部変数更新割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
副制御部400は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割り込みを発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割り込みを契機として、副制御部タイマ割り込み処理を所定の周期で実行する。
副制御部変数更新割り込み処理のステップS901では、RAM408のタイマ変数記憶領域の値に1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS304において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
<<第1実施例>>
<基板ケース>
次に、パチンコ機100における主制御基板161を収容する構成の第1実施例について説明する。なお、以下では基板を収容する基板ケースに係るものについて説明するが、本発明はこの基板ケースに係るものに限られず、ROMを収容するROMケースに係るものであってもよい。
図13は、本発明の第1実施例に係る、主制御基板161を収容する基板ケースを基板ケースベース部材に組み付けた状態の斜視図である。
基板ケース701は上基板ケース702と下基板ケース703とからなり、上基板ケース702と下基板ケース703との間に主制御基板161が収容される。この基板ケース701の下基板ケース703側には、基板ケースベース部材704が組み付けられる。基板ケースベース部材704は、後述する基板ケース保持部材705に枢支される枢軸部704aを有する。上基板ケース702や下基板ケース703は収容物が目視可能なように、透明の合成樹脂等によって形成されている。
上基板ケース702と下基板ケース703とは、後述のかしめピン711によるかしめ構造により固着され、収容物の主制御基板161に触れることができなくされている。また、このかしめ構造はカバー部材706によって覆われ、後述のかしめ構造の破壊部に触れることができなくされている。カバー部材706には貫通孔706aが設けられ、この貫通孔706aを貫通したネジ707が下基板ケース703に設けられたネジ受け部703aに螺合し、カバー部材706は下基板ケース703に固着される。
図14は、図13に示した構成とともに基板ケース保持部材を示す斜視図である。
本実施例では、基板ケース701と基板ケースベース部材704と基板ケース保持部材705とを組み付けた部材を基板収容体700と呼ぶ。
基板ケース保持部材705は、基板ケースベース部材704の枢軸部704aが挿入されることによって基板ケースベース部材704を枢支する枢軸受け部705aと、枢軸部704aと枢軸受け部705aとで枢支した状態において基板ケースベース部材704の締結部704bと着脱可能に締結する締結部705bと、カバー部材706を固着したネジ707の取り外し操作を遮断する遮断部705cとを有して構成される。
主制御基板161は、基板ケース701に収容され、さらに基板ケースベース部材704に組み付けられ、その上で基板ケース保持部材705に枢支、締結された状態において、パチンコ機100に組み込まれる(図3参照)。
ここで、上基板ケース702と下基板ケース703とのかしめ構造について詳しく説明する。
図15は、上基板ケース702と下基板ケース703とのかしめ構造を説明する斜視図である。
上基板ケース702は2つの係止部702aを有し、下基板ケース703は、2つの係止部702aのそれぞれに対応する2つの被係止部703bを有する。
また、上基板ケース702には4つの被係止部保持部進入部708が設けられ、下基板ケース703には、4つの被係止部保持部進入部708のそれぞれに対応する4つの被係止部保持部709が設けられている。本実施例のかしめ構造では、4つの被係止部保持部進入部708および被係止部保持部709のうちのいずれか1つを用いてかしめを行う。
このかしめの手順を説明すると、まず、被係止部保持部709内にかしめ受け部710を載置する。続いて、下基板ケース703に上基板ケース702を係合させ被係止部703bと係止部702aとによって係止する。このとき、かしめ受け部710は、被係止部保持部進入部708と被係止部保持部709とによって覆われ、外部に取り出し不可能な状態になる。この状態で、被係止部保持部進入部708からたとえば金属製のかしめピン711を挿入すると、かしめ受け部710がかしめピン711の係止部711に係止される。かしめピン711はかしめ受け部710にはめ殺し構造で係止され、退出不能になり、上基板ケース702と下基板ケース703との係合解除が不可能になる。被係止部保持部進入部708、被係止部保持部709およびかしめ受け部710の詳細については後述する。
ところで、本実施例では、被係止部保持部進入部708および被係止部保持部709の組合せを4組用意しているが、これは必要に応じて、かしめと、後述の破壊部を破壊することによるかしめの解除とを行えるようにするものである。たとえば、パチンコ機100において正規のROMを使用していることなどの不正がないことを確認するため、必要に応じてたとえば警察による検査が行われる。一例として、出荷前に正規の主制御基板161を基板ケース701に収容して、第1の被係止部保持部進入部708および被係止部保持部709によってかしめ、出荷してホールに設置後に破壊部を破壊することによって第1のかしめ構造を解除して主制御基盤161を基板ケース701から取り出して警察が検査し、その後、第2の被係止部保持部進入部708および被係止部保持部709によってかしめ、遊技者に提供する。
このように警察による検査などの必要時には、破壊部を破壊することによってかしめ構造を解除するが、不正遊技者も同様に破壊部を破壊して不正を行う虞がある。そこで本実施例では、まず、かしめ構造をカバー部材706によって覆い、かしめ構造の破壊部に触れることができなくしている。
図16は、上基板ケース702と下基板ケース703とからなる基板ケース701に主制御基板161を収容する様子を説明する斜視図である。
主制御基板161は、ネジ720およびワッシャ721を用いて、下基板ケース703にネジ止めされる。主制御基板161にはROM161a(たとえば上述のROM306に相当)が配設されているが、主制御基板161はROM161aの配設方向からネジ止めされる。また、基板ケース701をパチンコ機100に組み込んだ状態(図3参照)において、主制御基板161の面の、上基板ケース702を介して見える側には、ROMやコネクタ等の電子部品が搭載され、見えない側すなわち裏面には配線パターンが設けられている。
次に、図17乃至図22を参照して、本実施例のかしめ構造の詳細について説明する。
図17は、第1実施例のかしめ構造の近傍を上基板ケース702の側から見た斜視図である。
図18は、第1実施例のかしめ構造の近傍を下基板ケース703の側から見た斜視図である。
図19は、第1実施例のかしめ構造のみを抜き出して拡大し、下基板ケース703の側から見た斜視図であり、(a)および(b)はそれぞれ異なる向きから見た斜視図である。
図20は、第1実施例のかしめ構造の近傍を上基板ケース702の側から見た側面図である。
図21は、図20のC−C断面図であり、かしめピン711を挿入する前の状態を示す図である。
図22は、図20のC−C断面図であり、かしめピン711を挿入した後の状態を示す図である。
図17乃至図20を参照して分かるように、上基板ケース702の被係止部保持部進入部708は、かしめピン711が進入する第1のかしめピン進入開口部708aと、その下方に設けた、かしめピン711が進入する第2のかしめピン進入開口部708cと、を有し、さらに、破壊されることによって被係止部保持部進入部708と上基板ケース702とを分断する第1の破壊部708bとを有する。
また、下基板ケース703の被係止部保持部709は、差し込まれたかしめ受け部710が上下方向に抜けないように奥側で押さえる2つの奥側かしめ受け部押さえ部709aと、差し込まれたかしめ受け部710が上下方向に抜けないように手前側で押さえるとともに差し込まれた方向に戻らないようにストッパ710cの戻りを阻害する2つの手前側かしめ受け部押さえ部709eと、かしめピン711が進入してかしめピン711の位置決めがされる開口であるかしめピン位置決め部709bと、を有し、さらに、破壊されることによって被係止部保持部709と下基板ケース703とを分断する第2の破壊部709cおよび第3の破壊部709dを有する。
かしめ受け部710は中央にかしめピン711が進入する開口部710aを有し、開口部710aの周囲には4つの被係止片からなる被係止部710bが設けられ、また開口部710aの両側には、被係止部保持部709に挿入されたかしめ受け部710の抜けを防止する板バネ状のストッパ710cが設けられている。
かしめピン711の係止部711aは、たとえば図21に示すように、上下部分よりも小径の溝形状をしている。被係止部710bはかしめピン711の開口部710aへの進入を許容するが、係止部711aが被係止部710bの先端に達すると、係止部711aの溝に被係止部710bの先端が引っ掛かってかしめピン711が上方向に抜けなくなる。
図21および図22を参照して、かしめピン711の被係止部保持部進入部708および被係止部保持部709への挿入について説明する。
まず、被係止部保持部709の、手前側かしめ受け部押さえ部709eおよび奥側かしめ受け部押さえ部709aの下側にかしめ受け部710を挿入する。このとき、ストッパ710cは手前側かしめ受け部押さえ部709eによって下に押さえ付けられてこの挿入を阻害することはない。ストッパ710cは、手前側かしめ受け部押さえ部709eを越えると、バネ力によって上を向き、その先端が手前側かしめ受け部押さえ部709ebの奥側面に引っ掛かり、かしめ受け部710の被係止部保持部709からの抜けを防止する。
被係止部保持部709にかしめ受け部710を挿入したならば、この被係止部保持部709に被係止部保持部進入部708を、図21に示すように組み合わせ、その状態で、第1のかしめピン進入開口部708aからかしめピン711を挿入する。かしめピン711は、第1のかしめピン進入開口部708aから、開口部710a、第2のかしめピン進入開口部708c、かしめピン位置決め部709bを順に貫通し、図22に示す状態になる。
この図22に示す状態では、かしめピン711の係止部711aの溝に被係止部710bの先端が引っ掛かってかしめピン711が抜けなくなっている。また、かしめピン711によって、被係止部保持部709と被係止部保持部進入部708との組み合わせが外れず、したがって、下基板ケース703と上基板ケース702とが外れない状態になっている。これを外すためには、第1の破壊部708b、第2の破壊部709cおよび第3の破壊部709dを破壊することが必要となる。
次に、上述のかしめ構造を覆うカバー部材706についてさらに説明する。
図23は、カバー部材706を下基板ケース703に固着するネジ707の取り外し操作の可否について説明する図であり、(a)は、図13に示した、主制御基板161を収容する基板ケース701を基板ケースベース部材704に組み付けた状態を、基板ケースベース部材704の側から見た側面図であり、(b)は、(a)を基板ケース保持部材705に組み付けた状態すなわち基板収容体700を示す側面図である。
図23(a)を参照すると、この状態ではネジ707のネジ頭は露出しており、カバー部材706を固着したネジ707の取り外し操作が可能となっている。
これに対して、図23(b)に示す状態では、基板ケース保持部材705の遮断部705cによってネジ707のネジ頭は隠され、ネジ707の取り外し操作は不可能な状態となっている。このネジ707の取り外し操作が不可能な状態を、上基板ケース702側から見た斜視図を図24に示す。図24に示すように、ドライバ750によってネジ707を取り外そうとしても、遮断部705cによってネジ707のネジ頭が隠されているので操作不可能である。
図25は、図24に示した状態から、締結部704bと締結部705bとの締結を解除し、枢軸部704aおよび枢軸受け部705aによる枢支で軸回転し、基板ケースベース部材704と基板ケース保持部材705との角度を15°程度開いた状態を示す斜視図である。
図26は、図24に示した状態から、締結部704bと締結部705bとの締結を解除し、枢軸部704aおよび枢軸受け部705aによる枢支で軸回転し、基板ケースベース部材704と基板ケース保持部材705との角度を90°程度開いた状態を示す斜視図である。
図25を参照して分かるように、基板ケースベース部材704と基板ケース保持部材705との角度が15°程度のときには、外側で開きが大きい側のネジ707に対しては取り外し操作が可能であるが、内側で開きが小さい側のネジ707に対しては取り外し操作が不可能なままである。
図26に示すように、さらに開いて基板ケースベース部材704と基板ケース保持部材705との角度が90°程度になれば、カバー部材706の両側のネジ707に対して取り外し操作が可能となる。なお、図3に示したように基板収容体700をパチンコ機100に収容した状態においては、図26のように開くことによって、遊技盤102の背面を見ることができる。この遊技盤102の背面においては、上述した各入賞口や各始動口への入球を検出するセンサのためのハーネス等の取り付け状況を視認可能となっている。
なお、基板ケース701や基板ケースベース部材704を透明部材にして、図23に示すように開いた状態で、主制御基板161の裏面(配線パターンが設けられている面)が見えるようにしてもよい。
この第1実施例によれば、かしめ構造をカバー部材で覆い、基板ケース保持部材705に組み付けた状態では、カバー部材を取り外すためのネジを取り外し不可能にしたので、不正行為を行い難く、不正行為を手間取らせることができるという効果を奏する。
<<第2実施例>>
次に、パチンコ機100における主制御基板161を収容する構成の第2実施例について説明する。
図27は、本発明の第2実施例に係るかしめ構造の近傍を下基板ケース763の側から見た斜視図である。
この第2実施例では、第1実施例の下基板ケース703の代わりに下基板ケース763を用いる。この下基板ケース763が下基板ケース703と異なる点は、この図27と図18とを比較して分かるように、被係止部保持部769が第4の破壊部769fを有している点にあり、他の構成は第1実施例と同様である。
この下基板ケース763を用いると、カバー部材706を設けずとも同じ効果を奏することができる。すなわち、下基板ケース763を用いて、基板ベース部材704および基板ケース保持部材705に組み付けると、基板ケース保持部材705の遮断部705cが第4の破壊部769fへの破壊操作を遮断するため、破壊部769fの破壊が極めて困難となる。
これにより、この第2実施例によれば、基板ケース保持部材705に組み付けた状態では、かしめ構造の破壊を不可能にしたので、不正操作を行うことができないという効果を奏する。
なお、第4の破壊部769fは、第4の破壊部を破壊しない限り封止の解除が不能または困難にするものであればいずれのものであってもよい。
また、第4の破壊部769fは、基板ベース部材704および基板ケース保持部材705に組み付けた場合に、基板ケース保持部材のいずれかの面に当接するようにしてもよい。このようにすることで、組み付け位置(第1の相対位置)ではニッパー等の破壊部を破壊するための工具により破壊しにくくするようにすることができる。なお、当接しなくても、ニッパー等の工具が進入できないまたは著しく困難な程度に接近していてもよい。
<<第3実施例>>
次に、パチンコ機100における主制御基板161を収容する構成の第3実施例について説明する。
図28は、本発明の第3実施例に係る、主制御基板161を収容する基板ケース701を基板ケースベース部材764に組み付けた状態の斜視図であり、(a)は基板ケース701の基板ケースベース部材764への組み付けが完了した状態を示す斜視図であり、(b)は基板ケース701と基板ケースベース部材764とを相対的にスライドさせた状態を示す斜視図である。
この第3実施例では、第1実施例の基板ケースベース部材704の代わりに基板ケースベース部材764を用いる。この基板ケースベース部材764が基板ケースベース部材704と異なる点は、基板ケースベース部材764がネジ707の取り外し操作を遮断する遮断部764cを有している点、および基板ケース701と基板ケースベース部材764とを相対的にスライドさせることにより、基板ケースベース部材764から基板ケース701を取り外すことを可能としている点にあり、他の構成は第1実施例と同様である。
本実施例では、図28(a)の状態から、図28(b)の矢印方向に基板ケース701と基板ケースベース部材764とを相対的にスライドさせることにより、基板ケース701と基板ケースベース部材764との係合が解除され、基板ケースベース部材764から基板ケース701を取り外すことを可能としている。
図29は、基板ケース701を基板ケースベース部材764から取り外した状態を示す斜視図である。
図29に示すように、基板ケースベース部材764の上部には、基板ケース701のネジ707に対応する位置に遮断部764cを有する。また、基板ケース701の下基板ケース703に設けられた被係止部(図示せず)と係合する係止部764dを有する。
この第3実施例によれば、図26のように開いた状態においてもネジ707を露出させず、遮断部764cによってネジ707の取り外し操作を遮断することができる。
<<第4実施例>>
<コネクタカバー>
この第4実施例ではコネクタを覆うコネクタカバーに係る実施例について説明する。本実施例ではコネクタに接続されたケーブルの取り外しを防止するコネクタカバーを設け、そのコネクタカバーを取り付けるかしめ構造において、そのかしめ構造を破壊する破壊部を覆うかしめカバーを設けた。
上述の各制御部は基板に実装される種々の電子部品によって構成される。また、各制御部どうしの間や、各制御部と種々の装置等との間は、フラットケーブル等の配線材によって電気的に互いに接続される。あるいは、これらの接続を、中継基板を介して行うこともある。なお、以下では、主制御基板161と他とをフラットケーブルで接続する際の、主制御基板161におけるフラットケーブル用コネクタについて説明するが、他の基板についても本実施例を適用できることは言うまでもない。
図30は、本発明の第4実施例に係るコネクタカバーを示す斜視図である。
図31は、図30に示したコネクタカバーのかしめ構造を覆うかしめカバーを取り付けた状態を示す斜視図である。かしめ構造はかしめカバー810によって覆われ、後述のかしめ構造の破壊部に触れることができなくされている。かしめカバー810は、主制御基板161のネジ穴161bを介し、ネジ812によって主制御基板161に固定される。
図32は、図31に示した構成の分解斜視図である。
図33は、コネクタ800にコネクタカバー850を装着した状態の説明図であり、(a)は平面図であり、(b)は正面図であり、(c)は左側面図であり、(d)は右側面図である。
主制御基板161には、種々の電子部品を実装するとともに、配線材すなわちフラットケーブル804を接続するためのコネクタ800が実装されている。このコネクタ800は、たとえば、ヘッダ830とソケット840を含んで構成される。ソケット840は、主制御基板161に実装されるピンソケットであり、ヘッダ830は、配線材、たとえばフラットケーブル804の先端部分、或いは中間部分に設けられている。なお、コネクタ800の形式や配線材の形状は、これらに限ることなく適宜に適用可能である。
たとえば、主制御部300を構成する主制御基板161においては、この主制御基板161と、副制御部400を構成する副制御基板164とが、たとえばフラットケーブル804によって接続され、両制御基板の間で、遊技に関する重要なコマンドや情報が授受されている。フラットケーブル804は、コネクタ800を介して各制御基板と接続される。
また、コネクタ800は、主制御基板161に実装されるものばかりではない。図示は省略するが、たとえば、電源基板を内部に収納する電源ケースのケース背面には、上記の主制御部300との間で信号の送受信を行なうために接続するケーブルのコネクタが設けられている。さらに、ケーブルの長さが不足するなどして、元のケーブルに新たなケーブルを継ぎ足してケーブルの長さを延長させるような場合もあるが、両ケーブルの間もまたコネクタによって接続されている。
しかしながら、コネクタ800は、容易に着脱可能であって、簡単に接続を変更できてしまう。そこで、不正な機器を、コネクタ800を介して取り付けることにより、不正に制御することや、重要な情報を抜き出すといった不正行為が可能になってしまう。
そこで、この実施例では、一旦接続したコネクタ800を容易に取り外せないようにするコネクタカバー850をコネクタ800に装着している。すなわち、接続状態にあるコネクタ800に、コネクタカバー850を装着し、コネクタカバー850を装着したのちは、当該コネクタカバー850の後述する破壊部802aを破壊しなければ、コネクタ800の接続を解除できないように構成してある。
たとえば、図32に示すように、第1カバー部材801と第2カバー部材802の2つの部品を相互に組み合わせてなるコネクタカバー850を、かしめピン803によって分離不能にかしめる(かしめにより封止作業を行うこと)ことにより、コネクタ800に装着するのである。
具体的には、コネクタカバー850は、コネクタ800を内部に収納可能なように、コネクタ収納部801bを有する第1カバー部材801と、第1カバー部材801に組み合わされ、コネクタ収納部802bを有する第2カバー部材802とからなる。コネクタ収納部801bの左右には、かしめピン803によってかしめるためのかしめピン収納部801cが形成され、また、コネクタ収納部802bの左右には、かしめピン803によってかしめるためのかしめピン収納部802cが形成されている。
なお、コネクタカバー850を構成する第1カバー部材801や第2カバー部材802は、内部に収納したコネクタ800を視認可能なように、透明な合成樹脂により一体成形されている。
まず、コネクタ800について説明する。この実施例で用いるコネクタ800は、たとえば、図32に示すような構成になっている。すなわち、コネクタ800は、図32では図示していないフラットケーブル804に接続したヘッダ830と、主制御基板161に固定したソケット840を含んで構成される。また、図示の実施例においては、ソケット840は、当該ソケット840に嵌合させた左右一対のレバー850を備えている。すなわち、各レバー850は、ソケット840に設けた支点850aを軸として、外向きに回動可能に構成してある。なお、このレバー850には、図示していないが、ソケット840の間にクリック手段が設けてあり、起立状態にあるレバー850が勝手に回動しないようにすると共に、レバー850を操作したときに、適宜な抵抗感が加わるように構成してある。
各レバー850の内向きの先端には、後述するヘッダ830の左右の角部に形成した爪受け溝830aに、係合する係合爪850bが形成してある。また、レバー850の側面には、嵌合凹部850cが形成してあり、この嵌合凹部850cには、コネクタカバー850が有する嵌合凸部(図示せず)が嵌合する。このため、コネクタ800に対してコネクタカバー850が係合して当該コネクタカバー850が脱落しないようになる。
一方、コネクタ800に嵌合されるヘッダ830は、ほぼ長柱状の部材であって、上述したように、左右の端部には、ソケット840のレバー850に設けた係合爪850bが係合する爪受け溝830aが形成してある。すなわち、爪受け溝830aは、谷状に凹陥する部分であって、この凹陥部分に、起立状態にあるレバー850の係合爪850bが嵌入する。このとき、ヘッダ830の外壁面と、レバー850の内壁面とが互いに当接する位置にある。また、レバー850は、前記したようにある程度の抵抗に打ち勝たないと、回動させることはきないので、ソケット840に嵌合させたヘッダ830をロックすることができる。従って、レバー850が、起立状態にあるときは、ヘッダ830が抜けることがない。
なお、図示していないが、ヘッダ830には、配線材としてたとえばフラットケーブル804を接続する。すなわち、分離可能に構成してあるヘッダ830を、一旦分離して一対のスリット830bの間に、フラットケーブル804を折り返し状に挟み込むことにより、ヘッダ830内部の各ピンとフラットケーブル804の各芯線との電気的接続を得ると共に、フラットケーブル804の引き抜けを防止するのである。
また、図示していないが、一対のレバー850が開放状態にあるときに、ヘッダ830をソケット840に嵌合させるために押し込むと、ヘッダ830の下面がレバー850の下端部分を押して当該レバー850を起立させるため、係合爪850bが爪受け溝830aに係合する。一方、一対のレバー850を外方向に回動させると、係合爪850bと爪受け溝830aとの係合が解かれるとともに、レバー850の下端がヘッダ830を押し上げる構造になっている。
コネクタ800の接続が完了したならば、そのコネクタ800の両側から第1カバー部材801および第2カバー部材802を被せ、第1カバー部材801と第2カバー部材802とを相互に組み合わせてコネクタカバー850とし、これをかしめピン803によって分離不能にかしめる。かしめピン803には、一対の係止片803aが設けてあり、この係止片803aが、かしめピン収納部801c、802c内にて係止することにより、当該かしめピン803が抜けなくなってかしめるものである。
コネクタカバー850を構成する複数の部品には、これらの部品を互いに組み合わせてかしめることによってコネクタ800に装着した当該コネクタカバー850を分離可能に破壊するための破壊部802aが、各部品の所定位置に設けてある。これは、一旦、組み合わせて装着したコネクタカバー850を取り外す必要が生じた場合への配慮である。すなわち、コネクタカバー850は、かしめピン803によってかしめられているので、このかしめピン803を除去しない限り、コネクタカバー850を取り外すことができない。そこで、この実施例においては、かしめピン803をそのまま放置し、コネクタカバー850を構成する部品の一部を破壊することにより、かしめピン803の影響を受けることなく、コネクタカバー850の取り外しを可能にする配慮である。
かしめ作業が完了すると、図30に示す状態になる。この状態では、かしめピン803を外すか、コネクタカバー850の一部を破壊しなければ、コネクタカバー850を取り外すことができない。すなわち、痕跡を残すことなくコネクタカバー850を取り外すことができないので、不正行為を行い難く、かつ不正行為を発見し易いコネクタカバー850となる。
また、第1カバー部材801と第2カバー部材802とは、コネクタ800の側方から互いに組み合わされる部品であり、かつ、組み合わさった状態が、コネクタ800とほぼ同形状になる。従って、コネクタ800の周囲に隙間ができ難いため、不正行為を行なうことが困難であり、この点からも安全性が高いものとなる。
この実施例においては、コネクタカバー850を、第1カバー部材801と第2カバー部材802との、2部品によって構成するとともに、両部品をかしめるための2本のかしめピン803を用いているが、他の例とすることもできる。たとえば、第1カバー部材801と第2カバー部材802の一端を、ヒンジ状に回動可能に連結し、他端をかしめピン803でかしめるようにしてもよい。この例によれば、取付作業が簡単になる。
また、この実施例においては、第1カバー部材801と第2カバー部材802とを、コネクタ800の側方から装着しているが、この装着方向は側方ばかりではなく、たとえば、上方から装着するようにすることも可能である。
次に、コネクタカバー850の取り外しを説明する。前記したような構成を有するコネクタカバー850は、コネクタ800に一旦装着したのちは、コネクタカバー850を破壊しなければ、コネクタカバー850を外すことができない。そこで、この実施例によるコネクタカバー850には、破壊を容易にする破壊部802aが設けてある。従って、この破壊部802aを破壊することにより、容易にコネクタカバー850を取り外すことができるようになる。すなわち、第2カバー部材802において、破壊部802aとして残る細くなった部分を、ニッパー等の切断工具によって、切断、破壊する。これによってコネクタカバー850を撤去することが可能になる。
さらに本実施例では、上述のようなコネクタカバー850のかしめ構造において、かしめ構造を解除する破壊部802aに対する破壊操作を遮断するかしめカバー810を設けた。図33(a)、(b)、(c)および(d)を参照して、かしめカバー810の取り付けについて説明する。なお、図33(b)、(c)および(d)は、ネジ812の位置における断面図である。
本実施例では、図30の状態にかしめカバー810を被せ、かしめカバー810によって覆って、かしめピン803が挿入されたかしめピン収納部801cおよびかしめピン収納部802cや破壊部802aに外部からの操作を遮断するようにしている。なお、かしめカバー810の主制御基板161と接する面にはネジ挿通孔810aが設けられている。
かしめカバー810を取り付ける際には、主制御基板161の裏面側にネジ受け部材811をあてがう。ネジ受け部材811は、貫通孔811aを有する平板状の部材である。このネジ受け部材811を設けたことにより、ネジ812が螺合したときに、主制御基板161表面側からかしめカバー810が外れないようにすることができる。主制御基板161の裏面側から、ネジ受け部材811の貫通孔811a、主制御基板161のネジ穴161b順でネジ812を貫通させ、このネジ812をかしめカバー810のネジ挿通孔810aに螺合させる。
かしめカバー810の取り付けが完了すると、図31に示す状態になる。この状態では、かしめカバー810を取り外さなければ、破壊部を含むかしめ構造に対する操作を行うことができない。これによって、不正行為を行い難く、かつ不正行為を手間取らせることができる。
なお、本発明は、所定の破壊部を破壊しない限りROMを制御基板から取り外すことができないように係合解除不能に封止する封止手段を設けるものであってもよい。
なお、本発明は、所定の破壊部を破壊しない限り基板ケースを遊技台から取り外すことができないように係合解除不能に封止する封止手段であってもよい。
なお、本発明は上述の各実施例のかしめ構造に限られるものではなく、すなわちロックピン形状のかしめに限られるものではなく、一方向にしか回らないワンウェイネジを用いてかしめを行ってもよい。
なお、本発明において、請求の範囲でいう第1の相対位置としては、基板ケースを遊技盤に直接取り付けた状態、基板ケースベース部材に取り付けた状態、基板ケース保持部材に取り付けた状態、他の基板ケースに取り付けた状態などが挙げられる。
なお、本発明において、請求の範囲でいう第2の相対位置としては、第1の取り付けた位置から移動させた位置であって、係合をすべて解除して(取り外して)移動させた位置や係合を一部解除して移動させた位置が挙げられ、また、一部解除の場合、係合している部分を軸に軸回転して移動するものやスライドして移動するものが挙げられる。
なお、本発明において、請求の範囲でいう第1の相対位置にある場合は、該第1の相対位置と異なる所定の第2の相対位置にある場合よりも破壊が困難にするために、第1の相対位置ではかしめ構造を覆うカバーを取り外すためのネジ頭が支持部材と近接することでネジ頭に工具がアクセスできないように設け、第2の相対位置では支持部材と離れることでネジ頭に工具がアクセス可能に設けた。ほかにも、第1の相対位置では破壊部(たとえば図27の破壊部769e)を支持部材と近接することで露出させず工具がアクセスできないように設け、第2の相対位置では破壊部が支持部材と離れることで破壊部に工具がアクセスすることができるように設けた。なお、かしめ構造を覆うカバーに施錠機構を設け、第1の相対位置ではカバーを取り外すための鍵穴に対向して支持部材を位置するように設け鍵を挿入困難ないし不能にし、第2の相対位置では支持部材と離れることで鍵穴に鍵を挿入可能に設けてもよい。また、かしめ構造を覆うカバーにシール等の接着部材を設け、第1の相対位置では支持部材が近接するためにシールを剥がすことが困難ないし不能に設け、第2の相対位置では支持部材が離れることでシールを剥がすことができるように設けてもよい。
なお、本発明において、請求の範囲でいう支持部材としては、直接支持するものであってもよく、間接的に支持するものであってもよい。
なお、請求の範囲でいう不正の対象になりやすい部品とは、たとえばROM306などである。ROM306の中身に抽選データ等のプログラムが含まれているため、不正行為者による不正交換が行われると最も不利益を被る可能性が高く、また、不正行為者に最も狙われやすい部品といえる。したがって、第1の可視部は制御基板のうちROM306が載置された制御基板の面であってもよい。また、この場合に第2の可視部は制御基板のうちROM306が載置された面の反対面であってもよく、また、基板ベース保持部材705から基板ベース部材704を相対移動させた場合に始動口の接続コネクタ等が露出する場合は、始動口および該接続コネクタ等であってもよい。接続コネクタ等とは、始動口と主制御基板を接続する部品であればよく、たとえば中継基板などであってもよい。始動口と接続コネクタの間に不正部品(いわゆる「ぶらさがり基板」)を接続されることで任意に大当たりを取得されるなどの可能性があるため、ROM306ほどではないが不正の対象となる可能性が高い。
なお、本発明において、請求の範囲でいう第2の相対位置にあっては、基板ケースの裏面が見えるため、不正部品が取り付けられていないかを目視、確認することができる。基板ケースを開放することにより基板ケースが邪魔で見えなかった奥の部分を目視、確認することができる。この奥の部分には他の制御基板や、入賞口、始動口等のセンサのハーネス等がある。
なお、本発明では図示していないが、主制御基板161と副制御基板164とを接続するハーネス、主制御基板161と払出制御基板165を接続するハーネスなど、主制御基板161は他の制御基板と種々のハーネスで接続されている。特に、上記副制御基板164および払出制御基板165と接続されているハーネスに対応するコネクタは、開放する主制御基板161の他端側に設けられているため、該ハーネスを抜き取らない限り回転させて開放することが困難または不能になるように設けられている。このようにすることで、破壊部を破壊することがより困難になるように設けられている。なお、たとえば副制御基板と電源基板を接続するハーネスが主制御基板の軸回転の移動方向上に移動を規制するように設けることにより、該ハーネスを副制御基板のコネクタまたは電源基板のコネクタから外さない限り主制御基板の移動を行うことができないようにしてもよい。このようにすることで、より破壊部を破壊することが困難にすることができる。なお、副制御基板または電源制御基板の接続を断つことにより、液晶表示部500の表示が消えるなどして、不正行為であることが見た目で認識することができるようになるといった効果もある。
本発明によれば、基板ケースを移動することにより、不可視な部分が目視可能になり、その部分が遊技店の確認ポイントの1つである場合、基板ケースを開放して不正な電子部品を取り付けようとするものは、基板ケースを移動させることが手間となる。一方、遊技店側は、不可視な部分に不正な電子部品が取り付けられていないかを確認しつつ、開放することができるので、それほど手間とならない。特に、不可視部が基板ケースの裏側(制御基板の裏面)に搭載されていた場合、確認してからそのまま基板ケースを開放することができるので、手間がかからないため、不正行為者だけに手間をかけさせることが可能となるという優れた効果を奏し得る。
なお、本発明における各種記憶領域は必ずしもRAMに設ける必要はなく、たとえば、情報を一時的に記憶すれば足りるような場合には各制御部のCPUのレジスタなどに記憶してもよい。
また、遊技状態格納領域には、単一の情報を記憶可能なだけではなく、複数の遊技状態に関する情報を並列的に記憶可能に構成してもよい。すなわち、複数単位の記憶領域により構成してもよい。
また、処理は1つの命令、複数の一連の命令、および一連ではない複数の命令などを示し、サブルーチン全体、分岐から復帰までの一連の命令に限定しているものではない。
また、本実施例における入賞には、遊技盤102に設けた入賞口や始動口に球が入球した場合のほか、遊技盤102に設けた通過領域を球が通過した場合(たとえば、普図始動口124を球が通過した場合)も含まれる。また、始動口は、必ずしも本実施例で示される位置に設ける必要はなく、たとえば、特定の入賞口内の特定の領域を始動口として機能させてもよい。
また、可変入賞口130は、球が入賞不可能な閉状態と、入賞可能な開状態の2種類の開閉状態に変化するものに限定されず、球が入賞可能な第1の開状態と、第1の開状態よりも入賞が容易な第2の開状態の2種類の開状態に変化するものも含まれる。
また、本実施例では、大当たりに対応する図柄組合せ(大当たり図柄組合せ)を液晶表示装置110に停止表示した場合に大当たり遊技の開始となるが、大当たり遊技の開始条件はこれに限定されるものではない。したがって、たとえば、大当たり図柄組合せを停止表示した後で、盤面の特定のゲートを遊技球が通過した場合、大当たり図柄組合せを停止表示した後で、盤面の特定の入賞口に遊技球が通過した場合、大当たり図柄組合せを停止表示した後で、大入賞口(可変入賞口)以外の入賞口内の特定の領域を遊技球が通過した場合、特定の入賞口に遊技球が入賞したことを条件に開放した大入賞口(可変入賞口)内の特定の領域を遊技球が通過した場合、などを大当たり遊技の開始条件としてもよい。
また、本実施例における特図は、特図表示装置114が変動表示および停止表示する図柄すべてを示しており、変動表示する図柄のみ、または、停止表示する図柄のみを示すものではない。さらに、本実施例における普図や装飾図柄も同様に、普図表示装置112や液晶表示装置110が変動表示および停止表示する図柄すべてを示しており、変動表示する図柄のみ、または、停止表示する図柄のみを示すものではない。
また、上記実施例においては、所定の入賞口を有する遊技盤をさらに備え、前記所定の入賞口に遊技球が入球することにより、所定の特典を与える構成としたパチンコ機の例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば、メダル(コイン)を遊技媒体としたスロットマシンなどであって、複数種類の図柄が施された複数のリールと、複数のリールの回転を開始させるスタートスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられ、複数のリールの回転を個別に停止させるストップスイッチと、予め定められた複数種類の入賞役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段と、この抽選手段の判定結果とストップスイッチの操作に基づいて、リールを停止させるリール停止制御手段と、停止時の複数のリールにより表示された図柄の組合せが抽選手段により内部当選した入賞役の図柄組合せであるか否かによって、当該入賞役への入賞を判定する判定手段と、を備えるスロットマシンにも適用可能である。以下、スロットマシンの一例について説明する。
<全体構成>
まず、図34を用いて、スロットマシン1100の全体構成について説明する。なお、同図はスロットマシン1100の外観斜視図を示したものである。
スロットマシン1100は、略箱状の本体1101と、この本体1101の前面開口部に取り付けられた前面扉1102とを有して構成されている。スロットマシン1100の本体1101の中央内部には、外周面に複数種類の図柄が所定コマ数だけ配置されたリールが3個(左リール1110、中リール1111、右リール1112)収納され、スロットマシン1100の内部で回転できるように構成されている。各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形枠材に貼り付けられて各リール1110乃至1112が構成されている。リール1110乃至1112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓1113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール1110乃至1112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。
また、図柄表示窓1113の外枠には、点滅や点灯などの点灯制御によって、後述する有効ラインや入賞ラインを報知するためのライン表示LED(図示省略)が配置されている。
さらに、スロットマシン1100内部において各々のリール1110乃至1112の近傍には、投光部と受光部からなる光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間を、リールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン1114上に表示されるようにリール1110乃至1112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ1120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、スロットマシン1100に投入されたメダルの数によって予め定まっている。5本の入賞ライン1114のうち、たとえば、メダルが1枚投入された場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚投入された場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚投入された場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5本が入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン1114の数については5本に限定されるものではない。
スタートランプ1121は、リール1110乃至1112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ1122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。告知ランプ1123は、内部抽選において、特定の入賞役(たとえば、BB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)等のボーナス)に内部当選していることを遊技者に知らせるランプである。メダル投入ランプ1124は、メダルの投入が可能であることを知らせるランプである。払出枚数表示器1125は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技回数表示器1126は、メダル投入時のエラー表示や、ビッグボーナスゲーム中(BBゲーム中)の遊技回数、所定の入賞役の入賞回数等を表示するための表示器である。貯留枚数表示器1127は、スロットマシン1100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。リールパネルランプ1128は、演出用のランプである。
メダル投入ボタン1130、1131は、スロットマシン1100に電子的に貯留されているメダルを所定の枚数分投入するためのボタンである。この例では、メダル投入ボタン1130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン1131が押下されると3枚投入されるようになっている。メダル投入口1134は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン1130又は1131により電子的に投入することもできるし、メダル投入口1134から実際のメダルを投入することもできる。精算ボタン1132は、スロットマシン1100に電子的に貯留されたメダルおよびベットされたメダルを精算し、メダル払出口1155よりメダル受皿1156に排出するためのボタンである。メダル返却ボタン1133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。
スタートレバー1135は、遊技の開始操作を行うためのレバー型のスイッチである。すなわち、メダル投入口1134に所望する枚数のメダルを投入して、スタートレバー1135を操作すると、これを契機としてリール1110乃至1112が回転し、遊技が開始される。ストップボタン1137乃至1139は、スタートレバー1135の操作によって回転を開始したリール1110乃至1112に対する停止操作を行うためのボタンであり、各リール1110乃至1112に対応して設けられている。そして、いずれかのストップボタン1137乃至1139を操作すると対応するいずれかのリール1110乃至1112が停止することになる。
ドアキー孔1140は、スロットマシン1100の前面扉1102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口1155は、メダルを払出すための払出口である。メダル受皿1156は、メダル払出口1155から払出されたメダルを溜めるための器である。なお、メダル受皿1156は、本実施例1では発光可能な受皿を採用している。
上部ランプ1150、サイドランプ1151、中央ランプ1152、腰部ランプ1153、下部ランプ1154は、遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。演出装置1190は、たとえば開閉自在な扉装置(シャッター)1163が前面に取り付けられた液晶表示装置を含み、この演出装置1190には、たとえば小役告知等の各種の情報が表示される。音孔1160は、スロットマシン1100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。タイトルパネル1162には、スロットマシン1100を装飾するための図柄が描かれる。
図35は、前面扉を外した状態のスロットマシン1100を示す正面図である。
筐体1101は、上面板1261、左側の側面板1260、右側の側面板1260、下面板1264および背面板1242で囲われ、前面に開口する箱体である。筐体1101の内部には、背面板1242の上部に設けた通風口1249と重ならない位置に、内部に主制御基板を収納した主制御基板収納ケース1210が配置され、この主制御基板収納ケース1210の下方に、3つのリール1110乃至1112が配置されている。主制御基板収納ケース1210およびリール1110乃至1112の側方、即ち向って左側の側面板1260には、内部に副制御基板を収納した副制御基板収納ケース1242が配設してある。また、向かって右側の側面板1260には、主制御基板に接続されて、スロットマシン1100の情報を外部装置に出力する外部集中端子板1248が取り付けられている。
そして、リール1110乃至1112の下方には、メダル払出装置1180が配設され、このメダル払出装置1180の後方、即ち背面板1242側には、電源基板1254を有する電源装置1252が配設される。また、電源装置1252の上方には、スピーカ1250が配設してある。更に、前記メダル払出装置1180の右側には、メダル補助収納庫1240が配設してある。なお、筐体1101の内部には、電源スイッチ1246および設定スイッチ1244が設けてある。
電源装置1252には、電源コードを接続する電源コード接続部1256が設けてある。この電源コード接続部1256は、電源コードの一端に設けたACコネクタに対応するコネクタ受である。このコネクタ受は、使用する電源コードに対応して設ければよく、電源コードのコード本体にアース線を含む三極コードを使用しているので、3つの刃部を有している。また、上記電源コード接続部1256の下方には、他の装置のアース線を接続するためのアース部1258が設けてある。
スロットマシン1100では、電源装置1252に接続された電源コードが、筐体1101の背面板1242に開設した電源コード用穴262を通して外部に延出している。
<主制御部>
次に、図36および図37を用いて、このスロットマシン1100の制御部の回路構成について詳細に説明する。
スロットマシン1100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部1300と、主制御部1300より送信されたコマンドに応じて各種機器を制御する副制御部1400と、によって構成されている。
まず、図36を用いて、スロットマシン1100の主制御部1300について説明する。なお、同図は主制御部1300の回路ブロック図を示したものである。
主制御部1300は、主制御部1300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU1310や、CPU1310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバスおよびアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路1314は、水晶発振器1311から発振されたクロックを分周してCPU1310に供給する回路である。例えば、水晶発振器1311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU1310は、クロック補正回路1314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
また、CPU1310には、センサやスイッチの状態を常時監視するためのタイマ割り込み処理の周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路1315がバスを介して接続されている。CPU1310は、電源が投入されると、データバスを介してROM1312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路1315に送信する。タイマ回路1315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU1310に送信する。CPU1310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU1310のシステムクロックを6MHz、タイマ回路1315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる。
さらに、CPU1310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等の各種データを記憶しているROM1312や、一時的なデータを保存するためのRAM1313が接続されている。これらのROM1312やRAM1313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部1400においても同様である。また、CPU1310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース1360が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース1360を介して、スタートレバーセンサ1321、ストップボタンセンサ1322、メダル投入ボタンセンサ1323、精算スイッチセンサ1324、メダル払い出しセンサ1326、電源判定回路1327の状態を検出し、各センサを監視している。
メダル投入センサ1320は、メダル投入口1134に投入されたメダルを検出するためのセンサである。スタートレバーセンサ1321はスタートレバー1135の操作を検出するためのセンサである。ストップボタンセンサ1322はストップボタン1137乃至1139のいずれかが押された場合、どのストップボタンが押されたかを検出するためのセンサである。メダル投入ボタンセンサ1323はメダル投入ボタン1130、1131のいずれかが押下された場合、どのメダル投入ボタンが押されたかを検出するためのセンサである。精算スイッチセンサ1324は、精算ボタン1132に設けられており、精算ボタン1132が一回押されると、貯留されているメダルおよびベットされているメダルが精算されて払い出されることになる。メダル払い出しセンサ1326は、払い出されるメダルを検出するためのセンサである。電源判定回路1327は、スロットマシン1100に供給される電源の遮断を検出するための回路である。
CPU1310には、更に、入力インタフェース1361、出力インタフェース1370、1371がアドレスデコード回路1350を介してアドレスバスに接続されている。CPU1310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。入力インタフェース1361には、インデックスセンサ1325が接続されている。インデックスセンサ1325は、各リール1110乃至1112の取付台の所定位置に設置されており、リール1110乃至1112に設けた遮光片がこのインデックスセンサ1325を通過するたびにハイレベルになる。CPU1310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。出力インタフェース1370には、リールを駆動させるためのモータを制御するリールモータ駆動部1330と、ホッパー(バケットにたまっているメダルをメダル払出口1155から払出すための装置。)のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部1331と、遊技ランプ1340(具体的には、入賞ライン表示ランプ1120、スタートランプ1121、再遊技ランプ1122、告知ランプ1123、メダル投入ランプ1124等)と、7セグメント(SEG)表示器1341(払出枚数表示器1125、遊技情報表示器1126、貯留枚数表示器1127等)が接続されている。
また、CPU1310には、乱数発生回路1317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路1317は、水晶発振器1311および水晶発振器1316から発振されるクロックに基づいて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU1310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、後述する入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。CPU1310のデータバスには、副制御部1400にコマンドを送信するための出力インタフェース1371が接続されている。主制御部1300と副制御部1400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部1300は副制御部1400へコマンドを送信するが、副制御部1400から主制御部1300へ何らかのコマンド等を送信することはできない。
<副制御部>
次に、図37を用いて、スロットマシン1100の副制御部1400について説明する。なお、同図は副制御部1400の回路ブロック図を示したものである。
副制御部1400は、主制御部1300より送信された主制御コマンド等に基づいて副制御部1400の全体を制御する演算処理装置であるCPU1410や、CPU1410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバスおよびアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路1414は、水晶発振器1411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU1410に供給する回路である。
また、CPU1410にはタイマ回路1415がバスを介して接続されている。CPU1410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM1412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路1415に送信する。タイマ回路1415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU1410に送信する。CPU1410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、CPU1410には、副制御部1400の全体を制御するための命令およびデータ、ライン表示LEDの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM1412や、データ等を一時的に保存するためのRAM1413が各バスを介して接続されている。
さらに、CPU1410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース1460が接続されており、入出力インタフェース1460には、図柄表示窓1113の外枠に配設され、点滅や点灯などの点灯制御によって有効ラインや入賞ラインを報知するためのライン表示LED1420、前面扉102の開閉を検出するための扉センサ421、RAM413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ1422が接続されている。
CPU1410には、データバスを介して主制御部1300から主制御コマンドを受信するための入力インタフェース1461が接続されており、入力インタフェース1461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等が実行される。また、CPU1410のデータバスとアドレスバスには、音源IC1480が接続されている。音源IC1480は、CPU1410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC1480には、音声データが記憶されたROM1481が接続されており、音源IC1480は、ROM1481から取得した音声データをアンプ1482で増幅させてスピーカ1483から出力する。CPU1410には、主制御部1300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路1450が接続されており、アドレスデコード回路1450には、主制御部1300からのコマンドを受信するための入力インタフェース1461、時計IC1423、7セグメント表示器1440への信号を出力するための出力インタフェース1472等が接続されている。
時計IC1423が接続されていることで、CPU1410は、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器1440は、スロットマシン1100の内部に設けられており、たとえば副制御部1400に設定された所定の情報を遊技店の係員等が確認できるようになっている。更に、出力インタフェース1470には、デマルチプレクサ1419が接続されている。デマルチプレクサ1419は、出力インタフェース1470から送信された信号を各表示部等に分配する。即ち、デマルチプレクサ1419は、CPU1410から受信されたデータに応じて上部ランプ1150、サイドランプ1151、中央ランプ1152、腰部ランプ1153、下部ランプ1154、リールパネルランプ1128、タイトルパネルランプ1170、払出口ストロボ1171を制御する。タイトルパネルランプ1170は、タイトルパネル1162を照明するランプであり、払出口ストロボ1171は、メダル払い出し口1155の内側に設置されたストロボタイプのランプである。なお、CPU1410は、扉・液晶画面制御部1490への信号送信は、デマルチプレクサ1419を介して実施する。扉・液晶画面制御部1490は、液晶表示装置1157および扉装置1163を制御する制御部である。
すなわち、スロットマシン1100においては、主制御基板収納ケース1210やその他の基板のかしめ構造やコネクタ、ICソケット等に本発明を適用することができる。
以上、本発明の実施例を説明したが、発明の実施の形態に記載された、作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。