JP2010057144A - 印刷装置および印刷制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】読取部を備えた印刷装置であって、不正値が書き込まれた状態で電源オフされることがないようにする。
【解決手段】ステッピングモータで駆動されて読取範囲を走査する読取部と、前記読取部で取得された読取データに基づいて印刷する印刷部と、前記ステッピングモータの駆動電流を示す情報を順次変更してメモリに記憶させる記憶手段と、前記情報に基づいて前記ステッピングモータを駆動し、前記ステッピングモータが脱調する脱調電流を探索する探索手段と、前記探索手段の探索中に電源オフを受付けると前記メモリに初期値を記憶してから電源オフする受付手段と、を印刷装置に備えさせる。
【選択図】図8

Description

本発明は、印刷装置および印刷制御方法に関する。
読取装置(スキャナ等)内のキャリッジ等の負荷の駆動には、駆動動力源としてDCモータやステッピングモータ等が使用される。特に、負荷を駆動させるモータとして、ステッピングモータは使用方法が簡略で高精度の制御駆動ができることから採用割合が増えている。しかしながら、ステッピングモータは負荷が大きくなりすぎると脱調してしまうため、負荷に合わせて脱調しないような駆動電流を設定する必要がある。これに対し、脱調することの無いDCモータで行われる駆動電流の調整処理は、機体間のキャリッジ移動速度むらを無くすために行われるものであり(例えば特許文献1参照)、ステッピングモータの駆動電流調整とはその目的が異なっている。
特開2008−109845号公報
脱調電流しないような駆動電流を探索して設定する処理は、キャリッジを複数回走査することから、時間がかかる。そのため、うっかり電源オフしたり、故障と勘違いして電源オフしたりすることがある。また、前記探索する処理においては、駆動電流を順次下げて動作させ、キャリッジの位置が制御どおりの位置にあるか否かを確認する作業を行っているため、途中で電源オフされるとそのときの駆動電流に対応する設定値がメモリに書き込まれた状態になってしまう。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、読取部を備えた印刷装置であって、脱調しない限界電流を示す値を記憶するメモリに対し、不正値が書き込まれた状態で電源オフされることがない印刷装置および該印刷装置の印刷制御方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1にかかる印刷装置では、ステッピングモータで駆動されて読取範囲を走査する読取部と、前記読取部で取得された読取データに基づいて印刷する印刷部と、前記ステッピングモータの駆動電流を示す情報を順次変更して記憶する記憶手段と、前記情報に基づいて前記ステッピングモータを駆動し、前記ステッピングモータが脱調する脱調電流を探索する探索手段と、前記探索手段による探索中に前記印刷装置の電源オフを受付けると前記記憶手段に前記駆動電流の初期値を記憶してから前記印刷装置の電源をオフする受付手段と、を備える構成としてある。
前記探索手段は、順次変更されてメモリに記憶される駆動電流を示す情報を順次取得して、該駆動電流を示す情報に基づいて前記ステッピングモータを駆動して該ステッピングモータの負荷としての読取部を走査し、該走査の結果、前記ステッピングモータが脱調すると、そのときの駆動電流を脱調電流として検出する処理を実行する。この処理の間に電源オフを示す操作入力が行われると、前記受付手段は前記メモリの駆動電流を示す情報を初期値に書き換えてから電源オフする。従って、前記探索手段の探索中に電源オフされても、脱調電流として不正な値がメモリに書き込まれた状態で前記探索手段の処理が終了することが無い。
本発明の選択的な一態様として、前記受付手段は、前記探索手段による探索中は、前記読取部の読取位置が所定の位置にある場合にのみ前記記憶手段に前記駆動電流の初期値を記憶してから前記印刷装置の電源をオフする構成としてもよい。前記読取部の読取位置が所定の待機位置にあれば、電源オフされた後に再度前記探索手段による処理を実行する場合や、そのまま読取範囲の走査を実行する場合等に、走査や探索がスムーズに開始できる。なお、前記待機位置としては、読取範囲から走査方向手前側の何れかの位置が好適であり、いわゆるホームポジション等が該当する。
本発明の選択的な一態様として、前記探索手段の探索結果に基づいて前記ステッピングモータが脱調しない最小の駆動電流を示す情報を前記記憶手段に記憶させて前記探索手段による探索を終了させる動作限界電流値設定手段を更に備える構成としてもよい。すなわち、前記探索の結果に基づいて、脱調しない最小の駆動電流を示す情報を前記メモリに記憶させると、以降の走査において、前記メモリを参照して駆動電流を決定すれば、ステッピングモータを脱調させずに読取部の走査を行うことができる。
上述した印刷装置は、他の機器に組み込まれた状態で実施されたり他の方法とともに実施されたりする等の各種の態様を含む。また、本発明は、前記印刷部を備えない読取装置、上記印刷装置を備える印刷システム、上述した装置の構成に対応した工程を有する印刷制御方法、上述した装置の構成に対応した機能をコンピュータに実現させるプログラム、該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、等としても実現可能である。これら印刷システム、印刷制御方法、印刷制御プログラム、該プログラムを記録した媒体、の発明も、上述した作用、効果を奏する。むろん、請求項2〜4に記載した構成も、前記システムや前記方法や前記プログラムや前記記録媒体に適用可能である。
以下、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
(1)印刷装置の構成:
(2)印刷部の印刷処理:
(3)読取部の読取処理:
(4)動作限界電流値設定処理:
(5)脱調確認処理:
(6)まとめ:
(1)印刷装置の構成:
図1は、本実施形態に係る印刷装置としての複合機100の外観斜視図である。同図において、複合機100は、略矩形の筐体45で装置全体を覆われており、筐体45の上部に蓋46が開閉自在に取付けられている。蓋46を開けると、透明なガラス製の原稿載置台21が現れる。原稿載置台21の内側には長手方向に延びる案内部22が設けられている。案内部22には、キャリッジ23が係合されており、配向方向を維持しつつ案内部22に沿って移動可能になっている。キャリッジ23は案内部の延びる方向と直交する方向に配向された棒状の部材であり、キャリッジ23の上面には複数の撮像手段23aが取付けられている。従って、原稿載置台に載置された原稿から反射する光を受光しつつキャリッジ23を案内部22に沿って移動すると、原稿面の画像情報を得ることができる。
図2は、複合機100のブロック構成図である。同図において、複合機100は、印刷部10と読取部20とこれらを制御する制御部30とが一体化されており、印刷機能とスキャナ機能とコピー機能とを実現する、いわゆる複合型の印刷装置である。すなわち、複合機100は、不揮発性メモリ(例えば、EEPROM(登録商標)等)49に記憶された設定値を参照しつつ実行される制御部30の制御に従って、接続されたコンピュータに読取部20で読取った画像データを出力したり、接続されたコンピュータ等から入力された画像データに基づく印刷を印刷部10で実行したり、読取部20で読取った画像データを直接或いはコンピュータを介して印刷部10へ送って印刷させることによりコピー機能を実現したりする。複合機100は、コンピュータのI/Fに接続されたインターフェース(I/F)45を備えており、印刷部10への印刷データの入力や読取部20の読取データの出力等がこのI/F40を介して行われる。
なお、以下の説明において、印刷部10としてインクジェット式プリンタを例に取って説明するが、無論、レーザ式プリンタ、熱昇華式プリンタ、等様々なものが採用可能である。また、以下の説明において、読取部20としてラインセンサ(1次元センサ)を走査して面情報を取得するスキャナを例に取り説明するが、点センサ(0次元センサ)を走査して線情報や面情報を取得するスキャナや、面センサ(2次元センサ)を走査して面情報を取得するスキャナであってもよい。
筐体45の前面上部には、表示部41と操作入力部42とが配置される。表示部41は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)で構成することができる。表示部41には、複合機100の設定画面や動作内容(印刷、読取、コピー等)や動作状況等が表示される。操作入力部42は、例えばボタンやダイヤルやスライダ等で構成することが出来る。ユーザは、操作入力部42を操作することにより、複合機100の設定画面を呼び出して設定入力を行ったり、動作選択画面を呼び出して動作内容を指示したりすることが出来る。
筐体45の前面下部には、印刷用紙を供給する給紙部43と印刷用紙を排出する排紙部44とが設けられており、給紙部43は複数の印刷用紙をストックすると共に、制御部30の要求に応じて複合機100内部の印刷部10に印刷用紙を一枚ずつ供給し、印刷部10が印刷した用紙は排紙部44から複合機100の外部に排出される。
《読取部》
図3は、読取部20の詳細な構成を示す図である。読取部20において、キャリッジ23が移動可能な走査空間Sは、上が開口した平らな浅底の箱形状に対して該箱形状の上面を透明なガラス板(原稿載置台21)で閉塞して形成される。走査空間Sは、A4原稿等のように縦横比が異なる原稿を効率よく走査するために、縦が長く横に短く形成される。読取部20は、このように形成された走査空間に、概略、キャリッジ23と、キャリッジ移動手段24と、キャリッジ移動量検出手段26と、FFC(Flexible Flat Cable)27と、を備えている。
キャリッジ移動手段24は、キャリッジ23の配向方向を保ちつつ走査空間Sの走査方向において一端から他端までキャリッジ23を搬送する。具体的には、キャリッジ移動手段24は、例えば、ステッピングモータ24e、該ステッピングモータ24eの出力軸に接合されたウォームギア24d、ウォームギア24dとかみ合って所定の回転比で回転する平歯車24f、走査区間Sの一端に配置されて平歯車24fに接合されたプーリ24c、走査区間Sの他端に配置されたプーリ24a、プーリ24cとプーリ24aの間に張設されたタイミングベルト24b、走査空間Sの左右略中央を走査方向の一方から他方へと延びたガイドレール(案内部)22、で構成できる。
キャリッジ23は、案内部22に対し、長手方向をガイドレール22と略垂直方向に配向させつつ摺動可能に固定され、さらにガイドレール22と並行して配置されるタイミングベルト24bに固定されている。ステッピングモータ24eが駆動されると、ウォームギア24d、平歯車24f、プーリ24cを介してタイミングベルトが周回し、キャリッジ23は、プーリ24a,24cに対して周回するタイミングベルトの周回量に応じてレールと係合しながら走査空間Sを移動する。
キャリッジ23に取付けられる撮像手段23aとしては、例えば、光学縮小方式や密着センサ(Contact Image Sensor)方式が採用できる。光学縮小方式であれば、光源(白色光ランプ等)の光束を原稿面に照射し、原稿面から反射した光を鏡やレンズで反射・集約してレンズで縮小した光を撮像素子(CCD(Charge Coupled Devices)等)に導いて受光量に応じた電気信号に変換する。密着センサ方式であれば、RGB各色の光源(LED等)の光を順に切換えて原稿に照射し、反射光を撮像素子(例えば、LED,レンズ,センサが一体化して同じ長さの棒状にまとめて密着しているロッドレンズアレイ等)で順次受光して受光量に応じた電気信号に変換する。
キャリッジ移動量検出手段26は、走査空間Sにおけるキャリッジ23の移動量を検出する。より具体的には、キャリッジ移動量検出手段26は、例えば、円盤26aと該円盤面を挟んで発光部と受光部が対向配置されたフォトインタラプタ26bとを備えるロータリーエンコーダで構成できる。
円盤26aは、中心がステッピングモータ24eの出力軸に接合されており、円周方向に所定間隔でスリットが刻まれている。円盤26aは、ステッピングモータ24eの回転と共に回転し、スリット部分ではフォトインタラプタの発光部の光を通過させ、スリット以外の部分では遮光する。すなわちフォトインタラプタの受光部は、ステッピングモータ24eの回転数に応じた数のパルス光を受光し、パルス光に対応した電気信号を生成する。なお、フォトインタラプタを2組用意し、円盤26aに対して所定角ずらして配置すると、ステッピングモータ24eの回転方向が検出できるようになるし、2組のフォトインタラプタの利用によって円盤26aの回転量の計測精度が向上する。
キャリッジに搭載した撮像手段23aで取得した読取映像信号は、FFC(Flexible Flat Cable)27を介して制御部30へ伝送される。
《印刷部》
図4は、印刷部10の詳細な構成を示す図である。印刷部10は、概略、色インクを吐出する印刷ヘッドユニット11と、印刷ヘッドユニット11を印刷用紙の紙送り方向と直行する主走査方向に往復動させるキャリッジユニット12と、印刷用紙を紙送り方向である副走査方向に搬送する紙送りユニット13と、制御部30の制御に従って各ユニット11〜13を駆動するユニット制御回路14と、を備えている。
印刷部10がコンピュータから印刷データを受信すると、制御部30が各ユニット(印刷ヘッドユニット、キャリッジユニット、紙送りユニット)を制御して印刷データに基づく印刷を行わせる。印刷ヘッドユニット11は、複数のノズルから成る印刷ヘッド11aを備える。印刷ヘッドユニット11は、ユニット制御回路14から印刷データに対応する印加電圧データを入力されて、ピエゾ素子への印加電圧パターンを生成し、ピエゾ素子を駆動して各ノズルのインクチャンバーを圧縮・伸張し、ノズルからインク滴を吐出させる。
キャリッジユニット12は、モータにより印刷ヘッドユニット11を主走査方向に往復動させるものである。このキャリッジユニット12は、ユニット制御回路14の制御により、印刷ヘッド11aから吐出される色インクのドットが印刷用紙上における主走査方向の所定位置に付着されるように吐出タイミングと同期して往復動する。
紙送りユニット13は、紙を副走査方向に搬送するものである。この紙送りユニット13は搬送ローラを備えており、印刷ヘッドユニットの往復動にタイミングを合わせて所定量の紙送りを行う。
《制御部》
制御部30は、CPU31やROM32やRAM33を備えており、ROM32に格納された制御プログラムをRAM33に適宜展開しつつRAM33をワークエリアとしてCPU31で演算処理を実行し、制御プログラムに従って読取部20や印刷部10を制御し、複合機100にスキャナ機能とプリンタ機能とコピー機能とを実現させる。さらに、制御部30は、制御プログラムに従って制御回路25を制御することにより、以下の機能を実現する。
すなわち、キャリッジ移動量検出手段26の出力する移動量データに基づいてステッピングモータ24eの回転数(回転速度)や回転方向やステップ数を制御する信号を生成するモータ制御機能、キャリッジ移動量検出手段26の出力する移動量データに基づいてキャリッジ23の位置を特定するキャリッジ位置特定機能、撮像手段23aに対してLEDの点灯および撮像素子による受光電荷の蓄積を指示する撮像指示信号を生成する撮像指示機能、撮像手段23aに対し撮像素子に蓄積された受光電荷に相当する電圧信号を色毎にRAM32の所定の領域(バッファ)への転送を指示する転送指示機能、撮像手段23aから転送された電圧信号を階調値(画像データ)に変換する画像信号処理機能、を実現する。
また、制御回路25は、整流回路25bから出力される直流電流をステッピングモータ24eに供給すると共に、ステッピングモータ24eに印加する駆動電流を制御することにより、ステッピングモータ24eの回転速度を制御する。無論、制御部30で実現される機能は、制御回路25内の専用IC回路等にて実現されてもよいし、外部コンピュータにて実行される制御プログラムで実現されても構わない
(2)印刷部の印刷処理:
図5は制御部30の制御に従って印刷部10にて実行される印刷処理のフローチャートである。印刷部においては、前記読取部にて取得された読取データに基づく印刷処理や、I/F40を介してコンピュータ等から入力された印刷データに基づく印刷処理が実行される。
処理が開始されると、S200では、制御部が、I/F40を介して接続されたコンピュータもしくは読取部20から画像データDataを取得する。画像データDataはR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の各要素色を階調表現して各画素の色を規定したドットマトリクス状のデータであり、sRGB規格に従った表色系を採用している。むろん、YCbCr表色系を採用したJPEG画像データやCMYK表色系を採用した画像データ等、種々のデータも採用可能である。また、コンピュータに限らず、複合機100に対して接続されたデジタルスチルカメラ(不図示)やメモリカード等から画像データを入力してもよい。なお、S200では、必要に応じて画像データDataに対し、印刷部の出力解像度に合わせた所定の解像度変換処理を行う。
S210では、画像データDataの表色系を印刷部が使用するインク色の表色系に色変換する。具体的には、制御部は、ROM32等に予め保存された不図示の色変換ルックアップテーブル(LUT)を参照して、画像データDataの各画素のRGBデータを、CMYK毎の階調値(CMYKデータ)に変換する。色変換LUTは、sRGB色空間における所定の参照点(RGBデータ)に対して、CMYKデータを一義的に対応付けて記録したテーブルであり、色変換LUTを参照して適宜補間演算等を行うことにより、任意のRGBデータをCMYKデータに変換することが可能である。色変換前後のCMYKの各値は、本実施形態では256階調で表現されるものとする。
S220では、CMYKデータに対して各ドットのCMYK階調値を変換してインク滴のドットの分布で表現するためのハーフトーン処理を実行する。その結果、CMYKデータの各画素について各インク色のドットのオン/オフを規定したハーフトーンデータが得られる。
S230では、ハーフトーンデータを、印刷ヘッドのノズルを駆動するためのラスタデータに変換し印刷部10に逐次出力する。印刷部10においては印刷ヘッドにインク吐出デバイスとして図示しない吐出ノズルアレイが搭載されており、当該ノズルアレイでは副走査方向に複数の吐出ノズルが並設されるため、副走査方向に数ドット分間離れたデータが同時に使用される。そこで、主走査方向に並ぶヘッド駆動データのうち同時に使用されるべきものが印刷部10にて同時にバッファリングされるように順番に並べ替えるラスタライズを行う。ここで主走査方向とは印刷ヘッドが往復動する方向であり、紙送り方向が副走査方向である。ラスタライズ処理の後、画像の解像度などの所定の情報を付加した印刷データを生成し、I/F40を介して印刷部10に出力し、印刷を行わせる。
そして、ラスタデータを受け取ったユニット制御回路が、キャリッジを主走査方向に往復動させつつ、副走査方向に印刷用紙を所定量ずつ間欠移動させつつ印刷ヘッドユニットにインク吐出させて、印刷が実行され、一枚の印刷画像が完成する。
(3)読取部の読取処理:
まず、読取部20の走査空間Sにおける、キャリッジ23の取り得る位置について説明する。なお、本実施形態において、キャリッジ23の位置とはキャリッジ23の撮像手段23aが撮像する位置を示すものとする。
図6は、読取部20を走査方向に上下に切断した断面図である。同図に示すように、キャリッジ23は、走査空間Sの原点位置G1から反原点位置G2までの走査可能範囲Aを走査可能である。原点位置Gには、走査空間Sの上面にパターンが配置されており、任意の位置で撮像した読取データを解析することによりキャリッジ23位置が原点位置Gであるか否かを判断できる。
走査可能範囲Aの中で、原稿載置台に載置された原稿を撮像手段23aにて撮像可能な範囲を読取範囲B、読取走査を行う際に読取区間の手前側近傍から開始される範囲であり予備加速(助走)を行う範囲を予備加速範囲C、読取走査を行う際に読取区間の後でキャリッジ23の減速を行う範囲を減速範囲Dとそれぞれ呼ぶ。なお、同図に示してある予備加速範囲Cと減速範囲Dは、読取範囲Bを走査する場合のものであり、例えば、読取範囲Bの途中位置から読取開始する場合や、途中位置までで読取終了する場合は、読取開始位置や読取終了位置に合わせてシフトすることになる。
また、読取範囲Bを走査する場合の予備加速範囲Cにおいて予備加速を開始する位置を読取待機位置(ホームポジション)HPと呼ばれ、読取走査を終了するとキャリッジ23はこの位置に戻って、次の読取走査指令の入力があるまで待機することになる。ホームポジションHPよりも原点位置G寄りには、折返し位置Eが設定されており、読取走査を終了した後でホームポジションに戻る前にいったん折返し位置Eまで戻ってからホームポジションHPへと移動することで、キャリッジ移動手段の駆動機構におけるバックラッシュを解消できる。
なお、読取開始位置Fについては、ホームポジションHPから走査が開始される場合は原稿載置台21のガラス面領域の先頭位置であり、一旦走査が中断された後の走査再開であれば直前の読取中断位置であり、走査領域の途中から走査を行う場合はその途中位置である。従って、この読取開始位置Fに合わせて予備加速範囲Cもシフトする。同様に、読取終了位置Gも原稿サイズや読取指定された範囲に応じてシフトすることになる。
図7は、制御部30の制御下で、原稿の走査を行う際に実行される読取走査処理のフローチャートである。読取走査処理は、ユーザが原稿を原稿載置台21に載置する等して、操作入力部42の操作ボタンを操作したりI/F40を介して接続されたコンピュータから読取走査指令が入力されたりすると開始される。ユーザが行う操作やコンピュータが入力する読取走査指令には、主走査方向(キャリッジの長手方向)と副走査方向(キャリッジの移動方向)の解像度、色数や階調数、走査範囲を指定する情報が含まれている。
処理が開始されると、ステップS100において、各種較正を行う。各種較正とは、白基準補正(輝度ムラ補正、光量補正等)や黒基準補正であり、ホームポジションHPと読取開始位置Fの間にある白基準板を利用して行われる。まず、制御部30は、撮像手段23aの光源を消灯したまま撮像し、撮像した結果に基づいて黒基準補正を行う。そしてキャリッジ23を読取開始位置F方向へ移動させつつ、読取開始位置FとホームポジションHPとの間にある白基準板の撮像を行う。白基準板は、反射率が既知であり、走査空間Sの上面内側に白色面を下に向けて取付けられている。このように制御部30は、原稿読取前に撮像手段23aによって黒色と白色とを撮像し、各撮像素子で得た画像に基づいて同一の光量を受光したときの感度のばらつきを補正する。以上の較正が完了すると、一旦、キャリッジ23の移動を停止する。
ステップS102においては、原稿の読取走査、すなわち読取開始位置Fから読取終了位置Gまでの読取走査を実行する。具体的には、制御部30が、ステッピングモータ24eを制御して読取開始位置Fまで加速させつつ移動させる。この間、キャリッジ23の移動速度が所定速度に達するまではオープンループ制御で加速し、所定速度に近付くとフィードバンク制御(例えば、PID(比例・積分・微分)制御等)に移行して所定速度まで加速し、所定速度でキャリッジ移動方向へ移動させる。所定速度は、主走査方向の解像度に応じた速度である。読取開始位置Fに達すると、キャリッジ23を移動させつつ、撮像手段23aを制御して所定の時間間隔で読取データを取得する。取得した読取データは、RAM33の所定の格納領域に一時格納する。格納されたデータは、単位量毎(例えば、数ライン分のデータ毎、原稿1枚分のデータ毎、格納領域に記憶可能な最大データ毎、等)にコンピュータ等へ出力される。
ステップS104においては、RAM33の所定の格納領域(記憶部)が一杯になっている(記憶部の記憶量を超えている)か否かを判断する。すなわち、メモリフルか否かを判断する。メモリフルであるか否かは、メモリの出力するメモリフル信号によって判断できる。メモリフルの場合は、ステップS106に進み、メモリフルでなければステップS110に進む。
ステップS106においては、制御部30は、原稿の読取走査を一時中断させる。すなわち、撮像手段23aからの読取データの取得を一時停止し、ステッピングモータ24eを停止してキャリッジ23の移動を停止させる。このとき、制御部30は読取走査を一時中断した読取中断位置に関する情報をRAM33に一時記憶しておく。なお、ステッピングモータ24eの停止はステッピングモータ24eへの直流電力供給を停止することにより行うが、直流電力供給を停止してもステッピングモータ24eは慣性である程度回転し、摩擦で停止する。そのため実際のキャリッジ23の停止位置は、読取中断位置からいくぶん超過した位置となる。この停止位置は、フォトインタラプタ26bの出力するパルス数のカウントによって制御回路25を介して制御部30にて把握されている。ステップS106においては、制御部30は、RAM33の画像データが所定量よりも少なくなるまで、RAM33の画像データをコンピュータ等(他の記憶領域)へ出力(転送)させる。そして、RAM33の画像データが所定量より少なくなるとステップS110に進んで読取再開する。
ステップS110においては、読取中断位置から読取走査を再開する。このときの読取再開における読取開始位置Fは、前記読取中断位置であり、その手前側近傍にキャリッジ23を移動させ、そこから予備加速を行って読取中断位置に到達するまでに所定速度に加速し、所定速度にて読取中断位置から読取再開することになる。このときキャリッジ23を戻す距離は、読取中断位置と停止位置の差分に加えて予備加速に必要な距離をあわせた距離となる。
ステップS112においては、読取終了したか否かを判断する。この判断は、フォトインタラプタ26bの出力するパルス数のカウントに基づいて行われる。パルス数のカウントに基づいて求められた現在位置が、読取終了位置Gを超えれば読取終了としてステップS114に進んでキャリッジ23を減速停止する。一方、読取終了位置Gを越えていなければ読取未完了として、ステップS106からの処理を繰り返す。
ステップS116においては、移動方向を反転してキャリッジ23を折返し位置に移動させる。この移動においても、所定速度に近付くまではオープンループ制御により加速し、所定速度に近付くとフィードバック制御(PID制御等)に移行してキャリッジ23を所定速度まで加速し、その後、所定速度で移動させる。そして折返し位置に近付いたところでオープンループ制御に切換えて所定速度まで減速する。そして再度、フィードバック制御に切換えてキャリッジ23を折返し位置に停止させる。
折返し位置にキャリッジ23を停止後、ステッピングモータ24eを反転駆動することにより、バックラッシュが解消され、以降のキャリッジ移動において実際の移動量とフォトインタラプタの出力に基づいて把握される移動量との間にズレを発生しにくくなる。折返し位置は、ステッピングモータ24eの駆動力をキャリッジ23に伝達するキャリッジ移動手段24における駆動部分に存在するバックラッシュを解消するために必要な距離だけホームポジションHPよりも手前側に設定される。
ステップS118においては、制御部30は、キャリッジをホームポジションHPに移動させる。よって次の読取走査の準備が整うことになる。
(4)動作限界電流値設定処理:
ところで、ステッピングモータ24eは、駆動電流が負荷の駆動に不十分(トルク不足)であると1パルス=1ステップという関係を維持することが出来なくなり、位置決め制御が不能となる。この現象を脱調と言う。脱調する駆動電流は個体によって異なるので、製造工程において、駆動電流を段階的に徐々に下げていき、フォトインタラプタの出力が変化しなくなるとステッピングモータ24eが脱調したと判断し、このときの駆動電流を脱調電流とする。すなわち、キャリッジ23を駆動したときに脱調する最大の駆動電流を探索し、脱調せずにキャリッジ23を駆動可能な最小の駆動電流(以下、動作限界電流と記載する。)を機体毎に求めて、求めた動作限界電流を示す情報を各機体の不揮発性メモリ49に設定する。
なお、実際にキャリッジ23を走査して読取対象を読取るときには、動作限界電流に、所定のマージン(以下、追加電流と記載する)を加えた駆動電流でキャリッジ23を駆動する。また、動作限界電流は経時変化等に起因する負荷変動により変化するため、この動作限界電流値設定処理は、ユーザの使用下で実行される後述の脱調確認処理等で脱調が発見されたときの修理工程としても実行される。
図8は、動作限界電流設定処理の流れを示すフローチャートである。同図に示す処理は、隠しコマンド等の所定の操作入力が行われたときに実行される。ユーザ使用状況下で、意図せず偶然に実行されたりしないようにするためである。処理が開始されると、不揮発性メモリ49から、動作限界電流を示す情報(以下、動作限界値Nと記載する。)を取得して、動作限界値Nが未設定(N=0)であるか否かを判断する(S100)。設定済みの機体に、再度、動作限界電流設定処理を実行しないようにするためである。N=0であればステップS102に進み、N≠0であれば処理を終了する。なお、後述の脱調確認処理で脱調が確認されると、動作限界値Nは0で上書きされるため、動作限界電流設定処理を実行できるようになっている。
N=0のときは、脱調電流探索の準備を行う(S102)。具体的には、追加電流の値を示す情報(以下、マージンMと記載する。)を初期化し(M=0にする)、キャリッジ23の油慣らし動作を行い、キャリッジ23をホームポジションHPへ移動させ、動作限界値Nに所定の値を設定する(N=N−4)。以下、動作限界値が確定するまでは、Nに設定された値が駆動電流を示す情報として利用される。油慣らし動作とは、キャリッジ23の駆動機構に潤滑剤を行き渡らせて負荷を安定させるための慣らし走査であり、例えば、7020Step,2500ppsでステッピングモータ24eを正転方向へ回転させてキャリッジ23を走査方向へ移動させた後、2500ppsで反転方向へ回転させてキャリッジ23をホームポジションHPへ回帰させる。動作限界値Nに設定される所定の値は、動作限界値Nとして予測される値である。
ここで言う動作限界値NやマージンMは、単位量やテーブル化された電流値に対するインデクスを示しており、例えば、NやMが1増加する毎に駆動電流は5mA増加する等である。
脱調電流探索の準備が整うと、所定条件で走査をする(S104)。所定条件とは、例えば、実際にキャリッジ23で行われる読取走査と同一又は類似の条件であり、750Step,651pps(96Step×減速比7)でステッピングモータ24eを正転方向へ回転させてキャリッジ23を反原点方向へ移動させた後、2500ppsで反転方向へ回転させてキャリッジ23を原点Gへと移動させる。そして、動作限界値Nを1単位増加させる(N=N+1)(S106)。仮にステップS102で設定された条件でステッピングモータ24eが脱調していれば正常なキャリッジ23駆動が出来ないが、ステップS106の直後に実行されるパターン検出処理においては、脱調せずにキャリッジ23を正常駆動する必要があるからである。
動作限界値Nを変更すると、パターン検出処理が実行される(S108)。原点Gから所定範囲には、原点Gであることを示す特徴的なパターンが設けられている。そこで、撮像手段23aを用いて、キャリッジ23の停止位置から反原点方向へ所定範囲を読取走査し、読取データを取得する。ステップS104において、脱調せずにステッピングモータ24eが駆動されていれば、キャリッジ23は原点Gに位置しており、ステップS108で取得された読取データの解析結果にはパターンが検出されるはずである。なお、本実施形態では、キャリッジ23を原点Gへ移動させてパターン検出できるか否かを判定してステッピングモータ24eが脱調したか否かを判断しているが、脱調確認はこれに限るものではなく、例えば、キャリッジ移動量検出手段の移動量に基づいて判断することも考えられる。すなわち、ステッピングモータ24eの駆動継続中に、キャリッジ移動量検出手段の出力が変化しなくなると脱調していると判断できる。
ステップS108が終了すると、電源オフが指示されたか否かを判断する(図8の割込み処理X。)。電源オフが指示されている場合は、動作限界値NとマージンMとを初期化して(N=0、M=0)から、電源オフを受付ける。ここで、このAの割込み処理の意義について説明する。
動作限界電流値設定処理は処理に時間がかかるため、処理途中で誤って電源オフされたりする虞がある。途中で処理が終了されると、その時点での設定値が不揮発性メモリ49に記憶された上で電源オフされる。従って、動作限界値Nとして不適切な値が不揮発性メモリ49に記憶されてしまう。記憶された値は不適切ではあるが、値が設定されていると、動作限界電流値設定処理のS100で動作限界値Nが設定済みと判断されてしまい、動作限界電流設定処理での動作限界値Nの再設定が出来なくなる。そこで、動作限界電流値設定処理を再実行するために好適な処理位置でのみ、電源オフを受付けるようにしたのである。なお、好適な処理位置としては、キャリッジ23がホームポジションHP付近にある位置が挙げられる。
ステップS108の読取走査を終了すると、動作限界値Nに対し、ステップS106で行われた変更を解消するように動作限界値Nを変更する(N=N−1)(S110)。パターン検出処理終了後は、脱調電流の探索を継続するからである。
動作限界値Nの変更か終了すると、ステップS108のパターン検出が成功したか否かを判断する(S112)。パターン検出成功であれば、ステッピングモータ24eは脱調せずに原点Gへ到達しているのでステップS124に進み、動作限界値Nを1単位減少させ(S124)、動作限界値Nの設定可能範囲の下限であるか否かを判断し(S126)、下限であればステップS114へ進み、加減で無い場合はステップS104に戻って脱調電流の探索を継続する。一方、パターン検出不成功であれば、ステッピングモータ24eは脱調して原点G以外の何れかの場所で停止していると考えられ、ステップS114に進む。
ステップS114においては、ステップS104における読取走査条件よりも安定動作可能な条件、例えば766Step,500ppsで正転方向にステッピングモータ24eを回転させ、度あて(原点や反原点におけるキャリッジ23位置を規定する突き当て用の壁)から脱出させてホームポジションHPへ移動させる。ステップS114のホームポジションHPへの移動が完了すると、電源オフが指示されたか否かを判断する(図8の割込み処理X。)電源オフが指示されている場合は、動作限界値NとマージンMとを初期化して(N=0、M=0)から、電源オフを受付ける。
割込み処理の判断が終了すると、動作限界値Nを1単位増加し(N=N+1)、脱調電流にならない最小の駆動電流を動作限界値Nとして設定し、この値を不揮発性メモリ49に記憶させる(S115)。ステップS115で設定される動作限界値Nは、この後実行される実際の走査条件での走査が成功すると、実際の読取走査としてそのまま利用される。
動作限界値Nが設定されると、実際の走査条件で走査成功するか最終確認する(S116)。実際の走査条件は、例えば、マージンMとしてM=1として不揮発性メモリ49に記憶させ、750Step,651pps(96Step×減速比7)等である。その後、ステップS108と同様のパターン検出処理を実行し(S118)、パターン検出成功したか否かを判断する(S120)。ステップS120において、パターン検出成功と判断すると、ホームポジションHPへキャリッジ23を移動させて(S122)処理を終了する。一方、パターン検出失敗と判断した場合は、何らかの致命的なエラーがあるものと判断して異常終了する。
以上説明した動作限界電流値設定処理によれば、脱調を防止可能な動作限界電流を適切に設定し、処理中に電源オフがあった場合は特定の処理タイミングのみでこれを受付け、再度、動作限界電流値設定処理の実行が容易な状況にした上で電源オフ可能としてある。
(5)脱調確認処理:
前述したように、動作限界電流は経時変化等に起因する負荷変動により変化するため、ユーザの使用下では、現在の設定値で脱調するか否かを判断して、脱調するようであればマージンMを増加する脱調確認処理が実行される。
図9は、脱調確認処理のフローチャートである。この処理は、電源オン(P−on)された直後や、省電力状態(S−by)へ移行したときに実行される。処理が開始されると、脱調確認の準備が行われる(S200)。脱調確認の準備としては、キャリッジ23をホームポジションHPに移動させ、N+Mが、前記動作限界値設定処理において動作限界値として確定されたNそのものやM=1を加えた値等と等しくなるように動作限界値Nを変更して(例えば、N=N−5等)、不揮発性メモリ49に記憶させる。
脱調確認の準備が完了すると、所定条件での走査を実行する(S202)。ここでいう所定条件とは、動作限界値設定処理における所定条件と同一であり、例えば、750Step,651pps(96Step×減速比7)等である。所定条件での走査が完了すると、ホームポジションHPへキャリッジ23を移動させる。
キャリッジ23がホームポジションHPへ戻ると、ステップS100における動作限界値Nの変更を解消するように動作限界値Nを変更し(例えば、N=N+5等)、不揮発性メモリ49に記憶させる(S204)。すなわち、動作限界値Nを脱調確認処理実行前に戻す。
動作限界値Nの変更が終了すると、現在の状態を判断する(S206)。ステップS200〜S204の間に、状態が変わっている可能性があるからである。電源オンであればステップS208に進み、スタンバイ状態であればステップS220に進んで引き続き状態の判断を継続する。ただし、ステップS220において電源オフ(P−off)に状態が変更されたことを検知した場合は、処理を終了する。ステップS220においては、動作限界値Nが処理開始前の値に戻されているので、電源オフされても読取走査や本脱調確認処理の再実行時に問題が起こらない。
状態が電源オンであると判断されると、パターン検出処理を実行する(S208)。パターン検出処理を実行した後、動作限界値NをステップS204の実行前の値に戻す。この動作限界値Nの変更は、次のステップS212パターン検出失敗したときにステップS222〜S226へ進み、マージンMを変更してから脱調確認が再実行されるのに備えるために行われる。
動作限界値Nの変更が終了すると、ステップS208におけるパターン検出処理でパターン検出成功したか否かを判断する。パターン検出成功していればステップS214に進み、動作限界値NをステップS210の実行前の値に戻し(S214)、キャリッジ23をホームポジションに戻し(S216)、N+Mで設定される実際の読取走査時の駆動電流の値が、発熱上限よりも小さいか否かを判断する(S218)。発熱上限よりも小さい場合は処理を正常終了し、発熱上限を超えている場合は致命的エラーとして処理を終了する。ここで言う発熱上限とは、ステッピングモータ24eの駆動による発熱であり、例えばN+Mに対応する電流値が177mAを発熱上限とすることができる。
さらに、ステップS218において、致命的エラーとはんだんされて処理が終了されるときは、電源オフを受付け可能とする(図9の割込み処理Z)。この処理ポイントで電源オフ要求を受付けると、動作限界値NをN=0に変更して不揮発性メモリ49に記憶させてから処理を終了する。つまり、割込み処理Zにおいて電源オフを受付けてから、動作限界電流設定処理を実行すると、動作限界値Nの再設定が可能になる。
一方、ステップS212において、パターン検出失敗していれば、マージンMを1単位量増加する(M=M+1)(S222)。動作限界値Nは脱調確認処理では変更しないので、マージンMを調整して、ステッピングモータ24eが脱調しない駆動電流とするのである。ただし、マージンMにも設定可能な上限があり、マージンMが上限に達しているこれ以上の駆動電流の調整は不可能である。
そこで、ステップS222でマージンMを変更できたか否か、すなわちマージンMが上限に達していたか否かを判断する(S224)。マージンMが上限に達している場合は、致命的エラーとして処理を終了することになるが、前記ステップS218と同様に、ここでも割込み処理Zを実行可能とする。一方、マージンMが上限に達していなかった場合は、キャリッジ23をホームポジションHPに移動させた上で、ステップS202に戻ってS202以降の処理を繰り返す。このように、脱調確認処理においては、マージンMを増加させつつ脱調電流を探索し、最適なマージンMを設定することが可能となる。
なお、ステップS226が終了した後S202へ進むまでの間にも、電源オフを受付け可能としてある(図9の割込み処理Y)。割込み処理Yで電源オフする場合は、動作限界値NとしてN=N+5を不揮発性メモリ49に記憶させてから電源オフを受付ける。従って、動作限界値Nが脱調確認処理の実行前に戻っており、且つ、キャリッジ23がホームポジションへ戻っているため、電源オフした後の脱調確認処理の再実行が可能であるとともにスムーズに行える。
以上説明した脱調確認処理によれば、脱調を防止可能な追加電流を適切に設定し、処理中に電源オフがあった場合は特定の処理タイミングのみでこれを受付け、再度、脱調確認処理の実行が容易な状況にした上で電源オフ可能としたり、調整が出来ない場合は動作限界電流値設定処理を再実行可能な状態にした上で電源オフしたりすることができるようになっている。
(6)まとめ:
以上説明したように、本実施形態の複合機100としての印刷装置によれば、ステッピングモータで駆動されて読取範囲を走査する読取部と、前記読取部で取得された読取データに基づいて印刷する印刷部と、前記ステッピングモータの駆動電流を示す情報を順次変更してメモリに記憶させる記憶手段と、前記情報に基づいて前記ステッピングモータを駆動し、前記ステッピングモータが脱調する脱調電流を探索する探索手段と、前記探索手段の探索中に電源オフを受付けると前記メモリに初期値を記憶してから電源オフする受付手段と、を備えることにより、不正値が書き込まれた状態で電源オフされることがなくなる。
以上説明した実施形態においては、読取部20のキャリッジ23を駆動するステッピングモータ42eを例にとって説明を行ったが、ステッピングモータで負荷を駆動する装置であれば様々なものに本発明を適用可能である。例えば、本実施形態の印刷部10のキャリッジユニット12を駆動する駆動源としてステッピングモータを採用すれば本発明を適用可能であることはいうまでも無い。
なお、本発明は上述した実施形態や変形例に限られず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで、すなわち上述した実施形態および変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態および変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等にまで及ぶものとする。
複合機の外観斜視図である。 複合機のブロック構成図である。 読取部の詳細な構成を示す図である。 印刷部の詳細な構成を示す図である。 印刷処理のフローチャートである。 読取部を走査方向に上下に切断した断面図である。 読取走査処理のフローチャートである。 動作限界電流設定処理の流れを示すフローチャートである。 脱調確認処理のフローチャートである。
符号の説明
10…印刷部、11…印刷ヘッドユニット、12…キャリッジユニット、13…紙送りユニット、14…ユニット制御回路、20…読取部、21…原稿載置台、22…案内部、23…キャリッジ、23a…撮像手段、24…キャリッジ移動手段、24a…プーリ、24b…タイミングベルト、24c…プーリ、24d…ウォームギア、24e…ステッピングモータ、24f…平歯車、25…制御回路、26…キャリッジ移動量検出手段、26a…円盤、26b…フォトインタラプタ、27…FFC、30…制御部、31…CPU、41…表示部、42…操作入力部、43…給紙部、44…排紙部、45…筐体、46…蓋、49…不揮発性メモリ、100…複合機

Claims (4)

  1. 印刷装置であって、
    ステッピングモータで駆動されて読取範囲を走査する読取部と、
    前記読取部で取得された読取データに基づいて印刷する印刷部と、
    前記ステッピングモータの駆動電流を示す情報を順次変更して記憶する記憶手段と、
    前記情報に基づいて前記ステッピングモータを駆動し、前記ステッピングモータが脱調する脱調電流を探索する探索手段と、
    前記探索手段による探索中に前記印刷装置の電源オフを受付けると前記記憶手段に前記駆動電流の初期値を記憶してから前記印刷装置の電源をオフする受付手段と、
    を備えることを特徴とする印刷装置。
  2. 前記受付手段は、前記探索手段による探索中は、前記読取部の読取位置が所定の位置にある場合にのみ前記記憶手段に前記駆動電流の初期値を記憶してから前記印刷装置の電源をオフする請求項1記載の印刷装置。
  3. 前記探索手段の探索結果に基づいて前記ステッピングモータが脱調しない最小の駆動電流を示す情報を前記記憶手段に記憶させて前記探索手段による探索を終了させる動作限界電流値設定手段を更に備える請求項1または請求項2に記載の印刷装置。
  4. ステッピングモータで駆動されて読取範囲を走査する読取部と、
    前記読取部で取得された読取データに基づいて印刷する印刷部と、
    を備えた印刷装置を制御する印刷制御方法であって、
    前記ステッピングモータの駆動電流を示す情報を順次変更して記憶手段に記憶する記憶工程と、
    前記情報に基づいて前記ステッピングモータを駆動し、前記ステッピングモータが脱調する脱調電流を探索する探索工程と、
    前記探索手段による探索中に前記印刷装置の電源オフを受付けると前記記憶手段に前記駆動電流の初期値を記憶してから前記印刷装置の電源をオフする受付工程と、
    を備えることを特徴とする印刷制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015111229A (ja) * 2013-10-31 2015-06-18 株式会社リコー 読取装置および画像形成装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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