本発明によるカメラの一実施の形態を図1〜図7を参照して説明する。電子カメラ1の正面図である図1(a)および背面図である図1(b)に示すように、カメラボディ10は、液晶モニタ205、再生ボタン100、メニューボタン101、縮小ボタン102、拡大ボタン103、サブコマンドダイヤル104、コマンドダイヤル105、操作部材106、OKボタン107、プロテクトボタン108および削除ボタン109を備える。
図2は、実施の形態による電子カメラ1の要部構成を説明する図である。カメラボディ10には、撮影レンズ120を備えるレンズ鏡筒110が交換可能に装着されている。レンズ鏡筒110内には、レンズ群120a〜120cから成る撮影レンズ120、絞り140が設けられている。カメラボディ10には、撮像素子20、ペンタプリズム30、測光センサ40、接眼レンズ50、焦点検出用センサ60、クイックリターンミラー70およびフォーカシングスクリーン90が設けられている。
図3は電子カメラ1の制御系のブロック図である。図3において、図2に示した構成要素には同一の符号を付して説明する。電子カメラ1の制御系は、撮像素子20、測光センサ40、焦点検出用センサ60、制御回路200、A/D変換回路201、画像処理回路202、A/D変換回路203、圧縮/伸張回路204、液晶モニタ205、バッファメモリ206、記録媒体207を備えている。
図2を参照して説明すると、撮影レンズ120を通過して電子カメラ1に入射した被写体光は、シャッタレリーズ前は図2において実線で示すように位置するクイックリターンミラー70で上方へ導かれてフォーカシングスクリーン90に結像する。フォーカシングスクリーン90上に結像された被写体像は、ペンタプリズム30により接眼レンズ50に導かれて撮影者に観察されるとともに、測光センサ40にも導かれ、測光センサ40の受光面に被写体像が再結像される。被写体光の一部はクイックリターンミラー70の半透過領域を透過し、サブミラー70aにて下方に反射され、焦点検出用センサ60へ入射される。
撮影の際(レリーズ後)には、クイックリターンミラー70が被写体光の光路上から光路外(図2の破線部)へと移動し、被写体光が撮像素子20へ導かれ、撮像素子20上に被写体像が結像する。撮像素子20は、受光した被写体光をその強度に応じた画像信号に変換するCCDやCMOSなどの光電変換素子である。
図3を参照して制御系について詳細に説明する。
撮像素子20は、制御回路200が出力するタイミング信号に応じて、撮像面に結像された被写体像に対応する信号電荷の蓄積および蓄積電荷の掃き出しを行い、アナログ画像信号を出力する。A/D変換回路201は、撮像素子20から出力されたアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換して、画像処理回路202へ出力する。画像処理回路202では、入力されたデジタル画像信号に対して、ホワイトバランス調整、シャープネス調整、ガンマ補正、階調調整などの画像処理が施され、被写体像が撮像された画像データ(被写体画像データ)として制御回路200へ出力される。
測光センサ40は、撮像面に結像された被写体像に対応する信号電荷の蓄積および蓄積電荷の掃き出しを行い、アナログ画像信号(測光信号)を出力する。A/D変換回路203は、測光センサ40により得られて出力されたアナログ測光信号は、A/D変換回路203によりデジタル測光信号に変換されて制御回路200へ出力される。
焦点検出用センサ60は、たとえば、焦点検出光束を一対の焦点検出用光像に分割して結像する焦点検出光学系と、分割された一対の光像が入射し、それに応じた焦点検出信号を出力する一対のCCDラインセンサとを備える。CCDラインセンサから出力される焦点検出信号は制御回路200に入力される。
制御回路200はCPU、ROM、RAMおよび各種周辺回路から構成され、電子カメラの制御を行なうマイクロコンピュータである。制御回路200は、前述した焦点検出用センサ60から出力された焦点検出信号に基づいて、デフォーカス量などの焦点調節状態の演算を行う。さらに、制御回路200は、入力された測光信号に基づいて算出された被写体の輝度および撮像感度(ISO感度)に基づいてシャッタスピードと絞り値を演算する。制御回路200は、画像処理回路202から入力された画像データから、公知の顔検出処理を用いて、撮像した被写体像から顔領域を抽出する。また、画像処理回路202から制御回路200へ入力された画像データは、圧縮/伸張回路204に送出されJPEG形式などの方式により圧縮される。そして、制御回路200は、合焦位置情報、顔位置情報および表示中心情報を含む画像データに関連する情報を、たとえばEXIF形式等の付加情報として上記の画像データに付加して、画像ファイルとしてバッファメモリ206または記録媒体207に記録する。なお、顔位置情報は抽出された顔領域の中心座標(顔位置座標)、合焦位置情報は焦点調節を行った位置を示す座標(合焦位置座標)、表示中心情報は液晶モニタ205に表示する表示用画像の表示中心の位置を示す座標(中心座標)である。
制御回路200は、再生ボタン100に対応する再生スイッチ100aからの操作信号を入力すると、電子カメラの動作モードを、たとえば再生モードと撮影モードとの間で切り換える。再生モードには、1画像再生モード、拡大再生モード等がある。後述するように、1画像再生モードは表示する画像データの画像の領域全体を液晶モニタ205に表示するモードである。拡大再生モードは、後述する縮小ボタン102または拡大ボタン103の操作に応じて拡大率の変更された、画像データの画像の領域全体のうちの一部の領域を表す拡大再生画像を液晶モニタ205に表示するモードである。
メニューボタン101に対応するメニュースイッチ101aからの操作信号を入力すると、制御回路200はカメラの各種動作を設定するためのメニュー画面を液晶モニタ205に表示する。液晶モニタ205は、液晶パネルおよびバックライト、表示制御部、表示用メモリ(VRAM)等を有する。液晶モニタ205には、制御回路200の指令により画像処理回路202等で作成された画像データや、記録媒体207に記録された画像ファイルの画像データに対応する表示用画像が再生画像として表示される。
1画像再生モードにおいて画像データの画像全体を表す再生画像を表示中に縮小ボタン102が操作され、縮小スイッチ102aから縮小指示信号が出力されると、制御回路200は再生画像をサムネイル再生表示する。すなわち、制御回路200は、それぞれの画像のサイズが、たとえば120ドット×160ドットにリサイズされたサムネイル画像を液晶モニタ205に一覧表示する。
拡大再生モードにおいて拡大ボタン103の操作により拡大率が変更された拡大再生画像が表示されている際には、縮小ボタン102が押下操作され縮小スイッチ102aから縮小指示信号が出力されるたびに、制御回路200は、表示中の再生画像を所定の縮小率ずつ縮小して液晶モニタ205に表示する。反対に、拡大ボタン103が押下操作され拡大スイッチ103aから拡大指示信号が出力されるたびに、制御回路200は、表示中の再生画像を所定の拡大率ずつ拡大して液晶モニタ205に表示する。
1画像再生モードにおいては、サブコマンドダイヤル104は、再生画像の情報表示パターンを選択する際に操作される。情報表示パターンには、再生画像のハイライト表示、RGBヒストグラム表示、撮影情報表示等が含まれる。拡大再生モードにおいては、サブコマンドダイヤル104が操作され、スイッチ104aから右方向操作信号または左方向操作信号が出力されると、制御回路200は、後述するように、拡大再生画像の表示中心位置の切り換えを行う。
撮影モードにおいてコマンドダイヤル105が操作されると、制御回路200は、撮像感度や露出モードなどを設定する。また、再生画像表示中においては、コマンドダイヤル105の右方向操作に応じてスイッチ105aから出力された右方向操作信号が入力されると、制御回路200は次画像を液晶モニタ205に表示する。スイッチ105aから左方向操作信号が入力されると、制御回路200は液晶モニタ205に前画像を表示する。すなわち、コマンドダイヤル105が右方向に操作されると再生画像がコマ送りされ、左方向に操作されると再生画像がコマ戻しされる。
操作部材106は、たとえば十字キーなどで構成される。操作部材106の操作により、ユーザはメニュー画面上の各種メニューを選択できる。操作部材106の操作に応じてスイッチ106aから上方向操作信号、下方向操作信号、右方向操作信号、左方向操作信号が出力される。1画像再生モードにおいては、操作部材106の左右方向操作により、コマンドダイヤル105と同様に再生画像のコマ送りもしくはコマ戻しを行なうことができる。操作部材106が上下方向操作により、サブコマンドダイヤル104が操作された場合と同様に、情報表示パターンの選択を行うことができる。また、拡大再生モードにおいては、操作部材106の操作により拡大再生画像の中心位置が変位される。
OKボタン107の操作に応じてOKスイッチ107aから操作信号を入力すると、制御回路200は、拡大再生モードによる拡大再生画像の表示を終了して、電子カメラ1の動作を1画像再生モードに戻す。プロテクトボタン108は、表示中の再生画像の画像データを保護するためのプロテクト処理を行う際に用いられる。削除ボタン109は、制御回路200がプロテクト処理のかけられていない画像データをバッファメモリ206および記録媒体207から削除するときに用いられる。
次に、画像の再生表示について説明する。上述したように、この実施の形態の電子カメラ1では、再生モードとして、1画像再生モードおよび拡大再生モードが設けられ、いずれか一方の再生モードにより、制御回路200により画像が再生表示される。1画像再生モードは、制御回路200により、表示する画像データの画像の領域全体を液晶モニタ205に表示するモードである。拡大再生モードは、液晶モニタ205上に1画像再生モードにおいて再生表示された画像の表示倍率に対して表示倍率を拡大し、表示する画像データの画像の領域全体のうちの一部の領域、すなわち表示中の画像の拡大率や中心座標を変更された拡大再生画像を表示するモードである。
−1画像再生モード−
再生ボタン100の操作により設定された1画像再生モードにおいて、制御回路200は、バッファメモリ206もしくは記録媒体207に記録された画像ファイルのファイル情報を取得し、その画像ファイルの画像データを読み出す。読み出された画像データは、圧縮/伸張回路204により原画像データに伸張されて、必要に応じて液晶モニタ205の表示解像度にリサイズされて作成された画像全体を表す再生画像が液晶モニタ205に表示される。なお、伸張された原画像データはバッファメモリ206に展開される。
−拡大再生モード−
1画像再生モードにて画像データの画像の領域全体を表す再生画像が表示されているときに拡大ボタン103が操作された場合に、拡大再生モードが設定される。このとき、制御回路200は、画像ファイルの付加情報から、抽出された顔領域の中心座標を示す顔位置情報と、焦点調節の演算を行った位置を示す合焦位置情報と、表示中心情報とを読み出す。そして、制御回路200は、読み出した顔位置情報、合焦位置情報および表示中心情報を拡大位置リストに登録する。
1画像再生モードで再生画像が液晶モニタ205に表示されているとき、拡大ボタン103が操作されたものとする。このとき、制御回路200はバッファメモリ206に展開されている原画像データに対して、その再生画像の表示中心位置(中心座標)を拡大のための中心(拡大中心位置)として、拡大ボタン103の操作により設定された拡大率に応じた領域をトリミングする。そして、制御回路200は、トリミングした領域を液晶モニタ205の表示解像度に合わせてリサイズして拡大画像データを生成する。そして、制御回路200は、生成した拡大画像データに対応する再生画像(拡大再生画像)を液晶モニタ205に表示する。その結果、図4(a)に示す中心座標をXとする再生画像B1が、中心座標Xを拡大中心位置として拡大率が一段引上げられ、図4(b)に示す拡大再生画像B2が表示される。さらに拡大ボタン103が操作されると、制御回路200は、原画像データの中心座標Xを拡大中心位置Xとして、拡大率が一段引き上げられた拡大画像データを生成し、拡大再生画像を液晶モニタ205に表示する。さらに、制御回路200は、この時の拡大率と拡大中心位置Xの座標とをバッファメモリ206に画像データと対応付けて記録する。
拡大再生画像の表示中に縮小ボタン102が操作されると、制御回路200は、原画像データの中心座標Xを拡大中心位置とし、拡大率が一段引き下げられた拡大画像データを作成し、液晶モニタ205に拡大再生画像として表示する。この場合も、制御回路200は、この時の拡大率と拡大中心位置Xの座標とをバッファメモリ206に画像データと対応付けて記録する。
次に、拡大中心位置の変位について説明する。
拡大再生画像が表示されている時に、操作部材106の操作により拡大再生画像の中心、すなわち拡大中心位置Xが変位されると、制御回路200は次のようにして拡大画像データを生成する。操作部材106が操作され、スイッチ106aから入力した上下左右方向の操作信号に応じて、制御回路200は、拡大画像データ上のV方向とH方向に対する拡大中心位置の移動量を算出する。そして、制御回路200は、算出した移動量と表示中の拡大再生画像の拡大中心位置Xの座標とに基づいて、新たに拡大中心位置の座標を算出する。制御回路200は、バッファメモリ206に記録されている原画像データを用いて、上記のようにして算出した座標を変移後の拡大中心位置として現在の拡大率で拡大した拡大画像データを生成する。そして、制御回路200は、液晶モニタ205に拡大中心位置が変位された拡大再生画像を表示する。図4(c)に示す拡大再生画像B3は、上記のようにして図4(b)の拡大再生画像B2の拡大中心位置XをYに変位した場合の一例である。この時、制御回路200は、更新後の拡大中心位置Yの座標を拡大率とともにバッファメモリ206に画像データと対応付けて記録する。
以後、縮小ボタン102または拡大ボタン103の操作により、拡大再生画像が縮小もしくは拡大される場合には、更新された拡大中心位置Yを中心として表示される画像データの拡大率が変更される。そして、制御回路200は、拡大率もしくは拡大中心位置が更新されるごとに、画像データの拡大率と拡大中心位置の座標とを画像データに対応付けてバッファメモリ206に記録する。
拡大再生モードで拡大再生画像が表示されている場合に、縮小ボタン102、拡大ボタン103による縮小、拡大操作、または操作部材106による液晶モニタ205上の再生画像に対する上下左右方向への移動操作が行われると、制御回路200はナビ画面300を表示する。さらに、後述するようにサブコマンドダイヤル104が左右方向へ操作された場合にも、ナビ画面300が表示される。図4(b)、(c)に示すように、ナビ画面300は再生画像の全体を表す縮小画像であり、液晶モニタ205の所定の小領域に、拡大表示中の再生画像に半透過もしくは透過状態で重畳して表示される。ナビ画面300内の枠301は、拡大表示中の再生画像が、再生画像全体に対して占有する位置を示すものである。なお、ナビ画面300は縮小ボタン102、拡大ボタン103および操作部材106の操作後、所定時間、たとえば2秒間だけ表示される。
次に、拡大中心位置の切り換えについて説明する。
拡大再生モードにおいて、拡大再生画像が液晶モニタ205に表示されているときに、サブコマンドダイヤル104が操作されると、制御回路200は、拡大中心位置の切り換えのための制御を行う。制御回路200が、サブコマンドダイヤル104の操作に応じてスイッチ104aから右方向操作信号、もしくは左方向操作信号を入力すると、拡大位置リストに登録された顔位置情報、合焦位置情報および表示中心情報を参照する。そして、制御回路200は、顔位置座標、合焦位置座標および原画像データの中心座標のうち、液晶モニタ205に表示中の拡大再生画像の拡大中心位置に最も近い座標を拡大中心位置として新たな拡大再生画像データを生成し、拡大再生画像を表示する。
図4(c)に示す拡大中心位置をYとする拡大再生画像B3の拡大中心位置が変位される場合について説明する。なお、図4(d)に示すように、原画像データ上において、拡大位置リストに登録された顔位置情報が示す顔位置座標をXF1〜XF4とし、合焦位置情報が示す合焦位置座標をXAとして説明する。また、原画像データの中心座標は上述したようにXである。図4(c)に示す拡大再生画像B3が表示されている場合に、サブコマンドダイヤル104が左方向に操作されたとする。このとき、制御回路200は、拡大位置リストを参照し、拡大中心位置Yの左方向に位置し、拡大中心位置Xに最も近い顔位置座標XF2を選択する。その後、縮小ボタン102または拡大ボタン103の操作により、拡大再生画像B3が縮小もしくは拡大されると、制御回路200は、顔位置座標XF2を拡大中心位置として拡大率を変更した拡大画像データを生成する。その結果、図4(e)に示すように、拡大率が変更され、拡大中心位置Yの座標が顔位置座標XF2に切り換えられた拡大再生画像B4と、ナビ画面300とが液晶モニタ205に表示される。なお、図4(e)の拡大再生画像B4は、図4(c)の拡大再生画像B3の拡大率が一段引上げられた場合を示している。このとき、制御回路200は、上述したように、拡大率と拡大中心位置の顔位置座標XF2とをバッファメモリ206に記録する。
以後、サブコマンドダイヤル104が左方向へ操作されるごとに、制御回路200は、座標XF1→XF4→XF3→XA→X→XF2の順序で拡大中心位置を選択する。また、サブコマンドダイヤル104が右方向へ操作されるごとに、制御回路200は、座標X→XF3→XA→XF4→XF1→XF2の順序で拡大中心位置を選択する。すなわち、サブコマンドダイヤル104が左方向へ操作されると、制御回路200は、図4(f)の矢印で示す順序で拡大中心位置を選択し、サブコマンドダイヤル104が右方向へ操作されると、破線矢印で示す順序で拡大中心位置を選択する。なお、異なる中心座標において、H座標が等しい場合はV座標の小さいものが選択され、V座標が等しい場合はH座標の小さいものが選択される。なお、上述したように、拡大中心位置が切り換えられた後に、操作部材106が操作された場合、制御回路200は、操作部材106の操作に応じて拡大再生画像の中心、すなわち拡大中心位置を変位する。
図4(g)は、図4(e)で示したナビ画面300を拡大した図である。ナビ画面300においては、顔位置座標XF1〜XF4、合焦位置座標XA、および中心座標Xを表す指標S1〜S7が、ナビ画面300上においてそれぞれの座標に対応する位置に表示される。制御回路200は、選択した顔位置座標XF2に対応する指標S2を、たとえば赤色表示し、選択されていない顔位置座標XF1、XF3、XF4に対応する指標S1、S4、S6を、たとえば緑色表示する。また、制御回路200は、合焦位置座標XAに対応する指標S5を、たとえば黄色表示し、画像の中心座標Xに対応する指標S3を、たとえば橙色表示する。その結果、ユーザは、いずれの座標が選択されているかを把握できる。
上述したように、拡大再生モードにおいて、再生画像の拡大中心位置が変位もしくは切り換えられた状態で、縮小ボタン102の操作により拡大率が1倍、すなわち1画像再生モードに戻った場合は、制御回路200は、拡大中心位置を保持したまま拡大位置フラグを設定する。拡大位置フラグが設定されている状態で拡大ボタン103が操作されると、バッファメモリ206に記録されている拡大中心位置を中心として原画像データの拡大率が変更される。すなわち、図4(c)の拡大再生画像B3から再生画像B1に戻った状態で拡大ボタン103が操作されると、拡大再生画像B3が液晶モニタ205に表示される。また、図4(e)の拡大再生画像B4から再生画像B1に戻った状態で拡大ボタン103が操作されると、拡大再生画像B4が液晶モニタ205に表示される。なお、拡大位置フラグは、OKボタン107の操作により拡大再生モードから1画像再生モードに切り換わった場合、もしくは1画像再生モードにおいてコマンドダイヤル105や操作部材106によりコマ送りまたはコマ戻しされない限り保持される。
次に、図5〜図7に示すフローチャートを用いて、実施の形態よるカメラの再生画像表示の動作における各処理について説明する。なお、このフローチャートに示す各処理は、制御回路200によりプログラムを実行して行われる。また、このフローチャートは再生スイッチ100aから操作信号が入力されると開始される。
ステップS101において、画像ファイルのファイル情報を取得してステップS102へ進む。ステップS102においては、ステップS101で取得した画像ファイルの画像データをバッファメモリ206または記録媒体207から読み出してステップS103へ進む。
ステップS103において、圧縮/伸張回路204により、ステップS102で読み出した画像データを原画像データに伸張し、バッファメモリ206に展開してステップS104へ進む。ステップS104では、選択されている情報表示パターンを確認してステップS105へ進む。
ステップS105では、ステップS103で伸張された画像データに対応する再生画像を液晶モニタ205に表示してステップS106へ進む。ステップS106において、再生ボタン100が操作されたか否かを判定する。再生スイッチ100aから操作信号を入力した場合は、ステップS106が肯定判定されてステップS107へ進む。ステップS107では、1画像再生モードを終了し、さらに液晶モニタ205をオフして一連の処理を終了する。再生スイッチ100aから操作信号を入力しない場合は、ステップS106が否定判定されてステップS108へ進む。
ステップS108においては、メニューボタン101が操作されたか否かを判定する。メニュースイッチ101aから操作信号を入力した場合は、ステップS108が肯定判定されてステップS109へ進む。ステップS109においては、1画像再生モードを終了するとともに、液晶モニタ205に各種設定を行なうためのメニュー画面を表示して一連の処理を終了する。メニュースイッチ101aから操作信号を入力しない場合は、ステップS108が否定判定されてステップS110へ進む。
ステップS110においては、拡大ボタン103が操作されたか否かを判定する。拡大スイッチ103aから拡大指示信号を入力した場合は、ステップS110が肯定判定されてステップS111へ進む。ステップS111においては、後述の拡大再生のサブルーチンを呼び出し、拡大再生処理を行う。拡大スイッチ103aから拡大指示信号を入力しない場合は、ステップS110が否定判定されてステップS112へ進む。
ステップS112では、縮小ボタン102が操作されたか否かを判定する。縮小スイッチ102aから縮小指示信号を入力した場合は、ステップS112が肯定判定されてステップS113へ進む。ステップS113においては、液晶モニタ205に再生画像をサムネイル表示する。縮小スイッチ102aから縮小指示信号を入力しない場合は、ステップS112が否定判定されてステップS114へ進む。
ステップS114では、削除ボタン109が操作されたか否かを判定する。削除スイッチ109aから操作信号を入力した場合は、ステップS114が肯定判定されてステップS115へ進み、表示中の再生画像の画像データをバッファメモリ206もしくは記録媒体207から削除するための処理を行なう。削除スイッチ109aから操作信号を入力しない場合は、ステップS114が否定判定されてステップS116へ進む。
ステップS116においては、プロテクトボタン108が操作されたか否かを判定する。プロテクトスイッチ108aから操作信号を入力した場合は、ステップS116が肯定判定されてステップS117へ進み、表示中の再生画像の画像データを保護するためのプロテクト処理を行う。プロテクトスイッチ108aから操作信号を入力しない場合は、ステップS116が否定判定されてステップS118へ進む。
ステップS118においては、コマンドダイヤル105の右方向操作もしくは操作部材106の右ボタンが操作されたか否かを判定する。スイッチ105aもしくはスイッチ106aから右方向操作信号を入力した場合は、ステップS118が肯定判定されてステップS119へ進む。ステップS119では、液晶モニタ205に表示中の再生画像の次コマの画像ファイルの情報を取得してステップS122へ進む。スイッチ105aもしくはスイッチ106aから右方向操作信号を入力しない場合は、ステップS118が否定判定されてステップS120へ進む。
ステップS120においては、コマンドダイヤル105の左方向操作もしくは操作部材106の左ボタンが操作されたか否かを判定する。スイッチ105aもしくはスイッチ106aから左方向操作信号を入力した場合は、ステップS120が肯定判定されてステップS121へ進む。
ステップS121では、液晶モニタ205に表示中の再生画像の前コマの画像ファイルの情報を取得してステップS122へ進む。ステップS122では、現在表示中の再生画像に対応する画像データに対して、拡大位置フラグiが1に設定されているか否かを判定する。拡大位置フラグiが1の場合は、ステップS122が肯定判定されてステップS123へ進み、拡大位置フラグiを0にリセットしてステップS102へ戻る。拡大位置フラグiが0の場合は、ステップS122が否定判定されてステップS102へ戻る。
スイッチ105aもしくはスイッチ106aから左方向操作信号を入力しない場合は、ステップS120が否定判定されてステップS124へ進む。ステップS124では、サブコマンドダイヤル104の操作もしくは操作部材106の上下方向操作が行われたか否かを判定する。スイッチ104aからの操作信号もしくはスイッチ106aからの上方向操作信号または下方向操作信号を入力した場合は、ステップS124が肯定判定されてステップS125へ進む。ステップS125においては、情報表示パターンの設定を切り換えてステップS104へ戻る。スイッチ104aからの操作信号もしくはスイッチ106aからの上方向操作信号または下方向操作信号を入力しない場合は、ステップS124が否定判定されてステップS104へ戻る。
図5のステップS111における拡大再生のサブルーチンについて、図6に示すフローチャートを用いて説明する。
ステップS201において、付加情報部に顔位置情報が記録されているか否かを判定する。顔位置情報が記録されている場合、ステップS201が肯定判定されてステップS202へ進む。ステップS202では、顔位置情報を読み出して拡大位置リストに登録してステップS203へ進む。顔位置情報が付加情報部に記録されていない場合、ステップS201が否定判定されてステップS203へ進む。
ステップS203においては、画像ファイルの付加情報から合焦位置情報および表示中心情報を読み出し、拡大位置リストに登録してステップS204へ進む。ステップS204においては、拡大位置フラグiが1であるか否かを判定する。拡大位置フラグiが1の場合は、ステップS204が肯定判定されてステップS205へ進む。拡大位置フラグiが0の場合は、ステップS204が否定判定されてステップS206へ進む。
ステップS205において、拡大再生画像データの拡大中心位置を保持したまま、拡大率を初期化してステップS207へ進む。ステップS206においては、再生用画像データの拡大率を初期化し、原画像データの中心座標Xを拡大中心位置としてステップS207へ進む。ステップS207では、バッファメモリ206に記録されている拡大中心位置もしくはステップS206において初期化された拡大中心位置、すなわち原画像データの中心座標Xを中心として拡大率を一段引上げた拡大再生画像を液晶モニタ205に表示してステップS208へ進む。
ステップS208においては、後述するように、液晶モニタ208の所定の小範囲に、ナビ画面300を再生画像に重畳表示してステップS209へ進む。ステップS209(再生ボタン操作判定)においては、ステップS106(再生ボタン操作判定)と同様の判定処理を行う。ステップS209が肯定判定されるとステップS210へ進み、拡大位置フラグiを0に設定してステップS212へ進む。ステップS212では、ステップS107と同様に再生モードを終了し、液晶モニタ205をオフして処理を終了する。
ステップS209が否定判定されるとステップS211へ進み、ステップS108と同様にメニューボタン101の操作の有無を判定する。メニューボタン101が操作された場合は、ステップS211が肯定判定されてステップS213へ進む。ステップS213では、ステップS210と同様に拡大位置フラグiを0に設定してステップS214へ進む。ステップS214では、ステップS109と同様に再生モードを終了し、液晶モニタ205にメニュー画面を表示させて処理を終了する。メニューボタン112が操作されない場合は、ステップS211が否定判定されてステップS215へ進む。
ステップS215において、拡大ボタン103が操作されたか否かを判定する。拡大スイッチ103aから拡大指示信号を入力した場合は、ステップS215が肯定判定されてステップS216へ進む。ステップS216では、拡大再生画像データの拡大率を一段引き上げてステップS222へ進む。拡大スイッチ103aから拡大指示信号を入力しない場合は、ステップS215が否定判定されてステップS217へ進む。
ステップS217においては、縮小ボタン102が操作されたか否かを判定する。縮小スイッチ102aから縮小指示信号を入力した場合は、ステップS217が肯定判定されてステップS218へ進む。縮小スイッチ102aから縮小指示信号を入力しない場合は、ステップS217が否定判定されてステップS219へ進む。
ステップS218では、バッファメモリ206に記録された拡大率を参照して、表示用画像の倍率が等倍、すなわち1画像再生か否かを判定する。等倍の場合はステップS218が肯定判定されてステップS220へ進む。等倍ではない場合は、ステップS218が否定判定されてステップS221へ進む。
ステップS220においては、拡大再生画像データに対して拡大位置フラグiを1に設定して、図5のステップS105へ戻る。ステップS221では、拡大再生画像データの拡大率を一段引き下げてステップS222へ進む。ステップS222では、拡大再生画像データの拡大率をバッファメモリ206に記録してステップS207へ戻る。
ステップS219においては、OKボタン107が操作されたか否かを判定する。OKスイッチ107aから操作信号を入力した場合は、ステップS219が肯定判定されてステップS223へ進む。ステップS223では、拡大再生画像データに対する拡大位置フラグiを0に設定して、図5のステップS105に戻る。OKスイッチ107aから操作信号を入力しない場合は、ステップS219が否定判定されてステップS224へ進む。
ステップS224では、ステップS114と同様に削除ボタン109の操作の有無を判定する。削除ボタン109が操作された場合は、ステップS224が肯定判定されてステップS225へ進む。ステップS225では拡大位置フラグiを0に設定してステップS226へ進み、ステップS115と同様に削除処理を行う。削除ボタン109が操作されない場合は、ステップS224が否定判定されてステップS227へ進む。ステップS227(プロテクトボタン操作判定)およびステップS228(画像プロテクト処理)の各処理は、ステップS116(プロテクトボタン操作判定)およびステップS117(画像プロテクト処理)の各処理と同様の処理を行う。ステップS229においては、操作部材106が操作されたか否かを判定する。スイッチ106aから操作信号を入力した場合は、ステップS229が肯定判定されてステップS230へ進む。スイッチ106aから操作信号を入力しない場合は、ステップS229が否定判定されてステップS231へ進む。
ステップS230では、操作部材106の操作方向に応じて拡大再生画像データの拡大中心位置を移動してステップS232へ進む。ステップS232においては、ステップS230で移動した拡大中心位置をバッファメモリ206に記録してステップS207へ戻る。
ステップS231では、コマンドダイヤル105が右方向へ操作されたか否かを判定する。スイッチ105aから右方向操作信号を入力した場合は、ステップS231が肯定判定されてステップS233へ進み、液晶モニタ205に表示中の再生画像の次コマの画像ファイルの情報を取得してステップS201へ戻る。スイッチ105aから右方向操作信号を入力しない場合は、ステップS231が否定判定されてステップS234へ進む。
ステップS234においては、コマンドダイヤル105が左方向へ操作されたか否かを判定する。スイッチ105aから左方向操作信号を入力した場合は、ステップS234が肯定判定されてステップS235へ進み、液晶モニタ205に表示中の再生画像の前コマの画像ファイルの情報を取得してステップS201へ戻る。スイッチ105aから左方向操作信号を入力しない場合は、ステップS234が否定判定されてステップS236へ進む。
ステップS236においては、サブコマンドダイヤル104が操作されたか否かを判定する。スイッチ104aから操作信号を入力した場合は、ステップS236が肯定判定されてステップS237へ進む。ステップS237においては、上述したように、拡大位置リストに記録された顔位置情報もしくは合焦位置情報を参照して、サブコマンドダイヤル104の操作方向に応じて拡大中心位置を切り換えてステップS238へ進む。ステップS238においては、ステップS237で切り換えた拡大中心位置をバッファメモリ206に記録してステップS207へ戻る。スイッチ104aから操作信号を入力しない場合には、ステップS236が否定判定されてステップS201へ戻る。
図6のステップS208におけるナビ表示のサブルーチンについて、図7に示すフローチャートを用いて説明する。
ステップS301においては、図示しないタイマを起動してステップS302へ進む。ステップS302においては、ステップS106と同様にして再生ボタン100の操作の有無を判定する。再生ボタン100が操作された場合は、ステップS302が肯定判定されてナビ表示の処理を終了する。再生ボタン100が操作されない場合は、ステップS302が否定判定されてステップS303へ進む。ステップS303においては、ステップS108と同様にメニューボタン101の操作の有無を判定する。メニューボタン101が操作された場合は、ステップS303が肯定判定されて、ナビ表示処理を終了する。メニューボタン101が操作されない場合は、ステップS303が否定判定されてステップS304へ進む。
ステップS304においては、ステップS110と同様に拡大ボタン103の操作の有無を判定する。拡大ボタン103が操作された場合は、ステップS304が肯定判定されてステップS305へ進む。ステップS305においては、拡大再生画像の拡大率の変更に応じて枠301の表示を変更、すなわち枠301で囲まれる領域が小さくなるように変更してステップS301へ戻る。拡大ボタン103が操作されない場合は、ステップS304が否定判定されてステップS306へ進む。
ステップS306においては、ステップS112と同様に縮小ボタン102の操作の有無を判定する。縮小ボタン102が操作された場合は、ステップS306が肯定判定されてステップS307へ進む。ステップS307においては、ステップS218と同様にして再生画像が等倍か否かを判定する。再生画像が等倍の場合は、ステップS307が肯定判定されてナビ表示処理を終了する。再生画像が等倍ではない場合は、ステップS307が否定判定されてステップS308へ進む。ステップS308においては、拡大再生画像の拡大率の変更に応じて枠301の表示を変更、すなわち枠301で囲まれる領域が大きくなるように変更してステップS301へ戻る。
縮小ボタン102が操作されない場合は、ステップS306が否定判定されてステップS309へ進む。ステップS309においては、ステップS219と同様にしてOKボタン107が操作されたか否かを判定する。OKボタン107が操作された場合、ステップS309が肯定判定されてナビ表示処理を終了する。OKボタン107が操作されない場合は、ステップS309が否定判定されてステップS310へ進む。
ステップS310においては、ステップS114と同様に削除ボタン109が操作されたか否かを判定する。削除ボタン109が操作された場合は、ステップS310が肯定判定されてナビ表示処理を終了する。削除ボタン109が操作されない場合は、ステップS310が否定判定されてステップS311へ進む。
ステップS311においては、ステップS116と同様にプロテクトボタン108が操作されたか否かを判定する。プロテクトボタン108が操作された場合は、ステップS310が肯定判定されて、ナビ表示処理を終了する。プロテクトボタン108が操作されない場合は、ステップS311が否定判定されてステップS312へ進む。
ステップS312においては、ステップS229と同様に操作部材106が操作されたか否かを判定する。操作部材106が操作された場合は、ステップS312が肯定判定されてステップS313へ進む。ステップS313においては、操作部材106の操作に応じて枠301の表示位置を変更してステップS301へ戻る。操作部材106が操作されない場合は、ステップS312が否定判定されてステップS314へ進む。
ステップS314においては、ステップS231もしくはステップS234と同様にしてコマンドダイヤル105が操作されたか否かを判定する。コマンドダイヤル105が操作された場合は、ステップS314が肯定判定されてナビ表示処理を終了する。コマンドダイヤル105が操作されない場合は、ステップS315が否定判定されてステップS315へ進む。
ステップS315においては、ステップS236と同様に、サブコマンドダイヤル104の操作の有無を判定する。サブコマンドダイヤル104が操作された場合は、ステップS315が肯定判定されてステップS316へ進む。ステップS316においては、顔位置座標、合焦位置座標、および中心座標を表す指標を、ナビ画面300上のそれぞれの座標に対応する位置に表示してステップS301へ戻る。サブコマンドダイヤル104が操作されない場合は、ステップS315が否定判定されてステップS317へ進む。
ステップS317においては、ステップS301でタイマを起動してから所定時間である2秒が経過したか否かを判定する。2秒が経過した場合は、ステップS317が肯定判定されてナビ画面301の表示を終了する。2秒が経過していない場合は、ステップS317が否定判定されてステップS302へ戻る。
以上で説明した実施の形態における電子カメラによれば、以下の作用効果が得られる。
(1)拡大再生モードにおいて、制御回路200は、サブコマンドダイヤル104の操作に応じて複数の座標の中から選択した1つを拡大中心位置として拡大再生画像を液晶モニタ205に表示させる。さらに、制御回路200は、操作部材106の操作に応じて拡大再生画像の拡大中心位置を変位させるようにした。したがって、サブコマンドダイヤル104もしくは操作部材106を操作することにより、拡大再生画像の拡大中心位置をユーザが所望する位置へ容易に切り換え、もしくは変位できるので、再生画像を表示している際の操作性を向上できる。特に、サブコマンドダイヤル104を操作して拡大再生画像の拡大中心位置を大まかに選択し、操作部材106を操作しながら拡大中心位置を変位させて表示位置を微調整する際に好適である。
(2)制御回路200は、再生画像上における抽出された顔領域の位置を示す顔領域位置情報と、再生画像について焦点調節が行われた位置を示す合焦位置情報と、再生画像の中心座標を示す表示中心情報とを読み出す。そして、制御回路200は、顔位置情報、合焦位置情報および表示中心情報に基づいて拡大中心位置を切り換えて選択するようにした。したがって、人物の顔や合焦位置のように、ユーザが再生画像を拡大する際に中心位置として選択する可能性が高い位置が拡大中心位置として選択されるので、拡大中心位置の変位操作における煩雑さを低減できる。
(3)制御回路200は、サブコマンドダイヤル104からの操作を受け付けるごとに、図4(f)に示すように拡大中心位置を所定の順序で切り換えて選択するようにした。したがって、ユーザはサブコマンドダイヤル104をどのように操作すれば所望の位置を拡大中心位置として選択できるかを判断できるので、利便性が向上する。
(4)制御回路200は、拡大再生画像に重畳して、再生画像の全体をナビ画面300として縮小表示し、ナビ画面300上において、顔位置情報、合焦位置情報および中心座標に対応する位置に指標を表示するようにした。したがって、ユーザは、拡大中心位置として選択可能な位置を視認し、拡大中心位置の選択をする際に容易に判断できるので、利便性が向上する。
(5)制御回路200は、サブコマンドダイヤル104の操作により選択された拡大中心位置に対応する指標と、非選択の各座標に対応する指標とを異なる色で表示するようにした。したがって、ユーザは、選択されている拡大中心位置と非選択の座標との位置関係を容易に把握し、所望の拡大中心位置とは異なる方向にサブコマンドダイヤル104を誤操作するという事態を防げるので、操作性が向上する。
以上で説明した実施の形態の電子カメラを、以下のように変形できる。
(1)ナビ画面300上で、選択された指標と非選択の指標とで色を異ならせて表示するものに限定されず、選択された指標と非選択の指標との表示形態を異ならせるものでもよい。この場合、たとえば、制御回路200は、ナビ画面300上で選択された指標を丸で表示し、非選択の指標を矩形で表示してもよい。
(2)画像ファイルの付加情報から顔位置情報を読み出すものに代えて、制御回路200が、バッファメモリ206または記録媒体207から画像ファイルを読み出すごとに画像ファイルの画像データに対して顔検出処理を施してもよい。この場合、制御回路200は、画像データから検出した顔領域の中央位置を顔位置座標として設定すればよい。
(3)サブコマンドダイヤル104が1回操作されるごとに制御回路200が複数の座標の中から拡大中心位置を選択するものに代えて、一旦サブコマンドダイヤル104が操作されたら、制御回路200が複数の座標を所定時間ごとに切り換えて選択するようにしてもよい。
(4)制御回路200が、付加情報に含まれる顔位置情報、合焦位置情報および表示中心情報に基づいて拡大中心位置を選択するものに代えて、顔位置情報、合焦位置情報および表示中心情報の少なくとも一つに基づいて拡大中心位置を選択するものであってもよい。
また、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。