以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1には、本実施形態の買付注文処理システム10の全体構成が示されている。図2には、手数料率テーブル記憶手段30の構成が示され、図3には、ファンド情報記憶手段31の構成が示され、図4には、注文データ記憶手段32の構成が示されている。また、図5には、買付注文処理システム10による買付注文の処理の流れがフローチャートで示されている。さらに、図6および図7には、買付注文入力時の画面遷移の例が示されている。
図1において、買付注文処理システム10は、金融商品(本実施形態では、一例として投資信託とする。)の買付の注文に関する各種処理を実行するとともに各種処理に必要なデータを記憶する買付注文処理サーバ20と、この買付注文処理サーバ20に通信回線であるネットワーク1を介して接続された顧客端末装置40と、買付注文処理サーバ20に通信回線である専用線2を介して接続されたファンド運用会社システム50とを備えている。
ネットワーク1は、例えば、インターネット、イントラネット、エクストラネット、LAN、MAN、WAN、あるいはこれらの組合せ等、様々な形態のものが含まれ、有線であるか無線であるか、さらには有線および無線の混在型であるかは問わず、要するに、複数地点(距離の長短は問わない。)間で、ある程度の速度をもって情報を伝送することができるものであればよい。
なお、買付注文処理サーバ20とファンド運用会社システム50とは、ネットワーク1で接続してもよい。買付注文処理サーバ20は、例えば金融機関に設置してもよく、一例として銀行や証券会社に設置してもよい。
買付注文処理サーバ20は、1台または複数台のコンピュータにより構成され、金融商品(本実施形態では、投資信託)の買付の注文に関する各種処理を実行する処理手段20Aと、この処理手段20Aに接続された手数料率テーブル記憶手段30、ファンド情報記憶手段31、注文データ記憶手段32、並びに不図示の顧客情報格納手段および目論見書格納手段を有する。
処理手段20Aは、ファンド情報取得処理手段21と、注文受付処理手段22と、支払金額算出処理手段23と、チェック用支払金額算出処理手段24と、不利益チェック処理手段25と、再入力案内表示処理手段26と、買付金額決定処理手段27と、注文内容送信処理手段28とを有する。
ファンド情報取得処理手段21は、ファンド運用会社システム50から、専用線2を介して銘柄識別情報(ファンドコード)、運用会社識別情報、買付単位、基準価額(投資信託の単位口数当たりの評価額)、価額日付(基準価額の算出日付)、注文締切時間等の投資信託(ファンド)に関する各種情報を取得し、取得した投資信託に関する各種情報をファンド情報記憶手段31(図3参照)に記憶させる処理を実行するものである。
注文受付処理手段22は、顧客端末装置40からネットワーク1を介して送信されてくる顧客による買付銘柄選択画面100(図6参照)の表示要求信号を受信し、買付銘柄選択画面100(図6参照)の表示用データをファンド情報記憶手段31(図3参照)に記憶されたデータを用いて作成し、作成した買付銘柄選択画面100(図6参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して顧客端末装置40へ送信するとともに、買付銘柄選択画面100(図6参照)で顧客により選択入力されて顧客端末装置40からネットワーク1を介して送信されてくる買付銘柄の選択情報(銘柄識別情報(ファンドコード)でもよい。)を受信し、さらに、目論見書電子交付の承諾画面200(図6参照)および目論見書電子交付の完了画面210(図6参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して顧客端末装置40へ送信した後に、受信した買付銘柄の選択情報に従って、買付銘柄についての買付注文入力画面300(図6参照)の表示用データをファンド情報記憶手段31(図3参照)に記憶されたデータを用いて作成し、作成した買付注文入力画面300(図6参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して顧客端末装置40へ送信するとともに、買付注文入力画面300(図6参照)で顧客により入力されて顧客端末装置40からネットワーク1を介して送信されてくる注文データ(買付銘柄の銘柄識別情報、買付金額または販売手数料を含めて入力された支払金額、収益分配方法選択情報を含む。)を受信する処理を実行するものであり、顧客端末装置40からの注文データを保持する機能を有する。なお、注文受付処理手段22は、買付金額に代えて買付口数を受け付ける構成としてもよい。
また、注文受付処理手段22は、受信した注文データに、販売手数料を含めた金額で入力することを選択する販売手数料込みの選択情報が含まれていない場合には、受信した注文データのうちの買付銘柄の銘柄識別情報(ファンドコード)および買付金額を、支払金額算出処理手段23およびチェック用支払金額算出処理手段24へ引き渡し、不利益チェック処理手段25による判断処理の結果が、顧客の不利益となる注文内容ではないという判断結果(支払金額がチェック用支払金額未満であるという判断結果)であった場合に、受信した注文データおよび支払金額算出処理手段23による算出処理で得られた支払金額等のデータを用いて、注文内容を確認するための確認画面500(図7参照)の表示用データを作成し、作成した確認画面500(図7参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して顧客端末装置40へ送信し、顧客端末装置40からの顧客による注文内容の確認信号をネットワーク1を介して受信した後に、受信した注文データに注文識別情報(注文番号)を自動付与し、注文データおよび支払金額算出処理手段23による算出処理で得られた支払金額等のデータを、注文識別情報(注文番号)および顧客識別情報(例えば口座番号等)と関連付けて注文データ記憶手段32(図4参照)に記憶させるとともに、完了画面600(図7参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して顧客端末装置40へ送信する処理を実行する。
一方、注文受付処理手段22は、受信した注文データに、販売手数料込みの選択情報が含まれている場合には、受信した注文データのうちの買付銘柄の銘柄識別情報(ファンドコード)および支払金額(販売手数料込みで入力された金額)を、買付金額決定処理手段27へ引き渡し、受信した注文データおよび買付金額決定処理手段27による処理で得られた買付金額等のデータを用いて、注文内容を確認するための確認画面500(図7参照)の表示用データを作成し、作成した確認画面500(図7参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して顧客端末装置40へ送信し、顧客端末装置40からの顧客による注文内容の確認信号をネットワーク1を介して受信した後に、受信した注文データに注文識別情報(注文番号)を自動付与し、注文データおよび買付金額決定処理手段27による処理で得られた買付金額等のデータを、注文識別情報(注文番号)および顧客識別情報(例えば口座番号等)と関連付けて注文データ記憶手段32(図4参照)に記憶させるとともに、完了画面600(図7参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して顧客端末装置40へ送信する処理を実行する。
さらに、注文受付処理手段22は、買付金額再入力案内画面400(図7参照)で顧客により入力されて顧客端末装置40からネットワーク1を介して送信されてくる買付注文入力画面300(図6参照)の再表示要求信号を受信したときにも、買付銘柄についての買付注文入力画面300(図6参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して顧客端末装置40へ送信するとともに、買付注文入力画面300(図6参照)で顧客により再入力されて顧客端末装置40からネットワーク1を介して送信されてくる注文データ(買付銘柄の銘柄識別情報、買付金額または販売手数料を含めて入力された支払金額、収益分配方法選択情報を含む。)を受信する処理を実行する。
支払金額算出処理手段23は、手数料率テーブル記憶手段30(図2参照)に記憶された手数料率テーブルを用いて、注文受付処理手段22により受け付けた買付金額に対応する手数料率を決定し、決定した手数料率を買付金額に乗じて販売手数料を算出し、この販売手数料を買付金額に加算して顧客の支払金額を算出する処理を実行するものである。この際、本実施形態では、販売手数料に消費税を課す課税方式の下で一例として、手数料率テーブルを用いて決定した手数料率(税抜)を買付金額に乗じることにより販売手数料(税抜)を算出して端数を切り捨て、端数切捨後の販売手数料(税抜)に消費税率を乗じることにより消費税額を算出して端数を切り捨て、買付金額に、端数切捨後の販売手数料(税抜)および端数切捨後の消費税額を加算することにより、顧客の支払金額を算出する処理を行う。
なお、支払金額算出処理手段23は、注文受付処理手段22により買付金額に代えて買付口数の入力を受け付ける構成とする場合には、注文受付処理手段22により受け付けた買付口数にファンド情報記憶手段31(図3参照)に記憶された買付銘柄の基準価額を乗じて買付金額を算出し、手数料率テーブル記憶手段30(図2参照)に記憶された手数料率テーブルを用いて、買付口数を換算して得られた買付金額に対応する手数料率を決定する構成とすればよい。例えば、顧客の入力した買付口数が2,000万口であり、基準価額が8,729円(1万口当たりの評価額)であれば、買付金額は、2,000万口×(8,729円/1万口)=1,745万8千円となるので、図2に例示する手数料率テーブル(手数料率種別識別情報=1)では、1,000万円以上で5億円未満の買付金額区分の手数料率(税込)から2.100%となる。
チェック用支払金額算出処理手段24は、注文受付処理手段22により受け付けた買付金額が属する区分よりも高額側に1つ上の区分の買付金額の範囲における最低買付金額およびこの最低買付金額に対応するチェック用手数料率すなわち当該1つ上の区分に対応する手数料率を手数料率テーブルから取得し、取得した最低買付金額にチェック用手数料率を乗じてチェック用販売手数料を算出し、このチェック用販売手数料を最低買付金額に加算してチェック用支払金額を算出する処理を実行するものであり、チェック用支払金額は当該1つ上の区分における最低支払金額に相当するものである。この際、本実施形態では、販売手数料に消費税を課す課税方式の下で一例として、手数料率テーブルから取得した1つ上の区分の最低買付金額にこの最低買付金額に対応するチェック用手数料率(税抜)を乗じることによりチェック用販売手数料(税抜)を算出して端数処理し、端数処理後のチェック用販売手数料(税抜)に消費税率を乗じることにより消費税額を算出して端数処理し、1つ上の区分の最低買付金額に端数処理後のチェック用販売手数料(税抜)および端数処理後の消費税額を加算することにより、チェック用支払金額を算出する処理を行う。端数処理は、数値に小数がある場合は当該数値から小数を切り捨てた値を出力し、数値に小数がない場合は当該数値をそのまま出力する周知の処理であり、例えば手数料率を乗算して算出されたチェック用販売手数料に小数がある場合は当該チェック用販売手数料から小数を切り捨て、手数料率を乗算して算出されたチェック用販売手数料に小数がない場合は当該チェック用販売手数料はそのままとするものであり、例えば消費税率を乗算して算出された消費税額に小数がある場合は当該消費税額から小数を切り捨て、消費税率を乗算して算出された消費税額に小数がない場合は当該消費税額はそのままとするものである。
なお、チェック用支払金額算出処理手段24は、注文受付処理手段22により買付金額に代えて買付口数の入力を受け付ける構成とする場合には、注文受付処理手段22により受け付けた買付口数を換算して得られた買付金額が属する区分よりも1つ上の区分の買付金額の範囲における最低買付金額およびこの最低買付金額に対応するチェック用手数料率すなわち当該1つ上の区分に対応する手数料率を手数料率テーブルから取得する構成とすればよい。
不利益チェック処理手段25は、チェック用支払金額算出処理手段24により算出したチェック用支払金額と、支払金額算出処理手段23により算出した支払金額とを比較し、支払金額がチェック用支払金額以上であるか否か(すなわち、顧客が不利益となる状態であるか否か)を判断する処理を実行するものである。
再入力案内表示処理手段26は、不利益チェック処理手段25により支払金額がチェック用支払金額以上であると判断した場合(すなわち、顧客が不利益となる状態であると判断した場合)に、顧客の入力した注文データ(注文受付処理手段22により受信した注文データ)、支払金額算出処理手段23およびチェック用支払金額算出処理手段24による算出処理結果、および不利益チェック処理手段25による判断処理結果を用いて、買付金額の再入力を促すための買付金額再入力案内画面400(図7参照)の表示用データを作成し、作成した買付金額再入力案内画面400(図7参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して顧客端末装置40へ送信する処理を実行するものである。
買付金額決定処理手段27は、注文受付処理手段22により受け付けた支払金額(販売手数料を含めて入力された金額)を、手数料率テーブル記憶手段30(図2参照)に記憶された手数料率テーブルの各段階の手数料率に1を加算した数値で除して複数のチェック用買付金額を算出し、手数料率テーブルを用いて、これらのチェック用買付金額がこれらのチェック用買付金額の算出に用いた手数料率に対応する買付金額の区分に属しているか否かを判断し、属していると判断したチェック用買付金額のうち最も低い手数料率を用いて算出したチェック用買付金額を、金融商品(本実施形態では、投資信託)の買付金額として決定する処理を実行するものである。
例えば買付金額決定処理手段27はチェック用買付金額記憶手段を備え、注文受付処理手段22により受け付けた支払金額を、手数料率テーブルの区分の各々に対応する手数料率に1を加算した数値で除して各区分のチェック用買付金額を算出し、各区分のチェック用買付金額を当該金額の算出に用いた当該手数料率に対応付けてチェック用買付金額記憶手段に記憶する。そして、手数料率テーブルを用いて、チェック用買付金額記憶手段に記憶された各チェック用買付金額が当該チェック用買付金額の算出に用いた手数料率に対して手数料率テーブルで対応する買付金額の区分の金額範囲に属しているか否かを判断し、属していると判断したチェック用買付金額の各々に対してチェック用買付金額記憶手段で対応付けされた手数料率のうち最も低い手数料率を用いて算出したチェック用買付金額を、金融商品の買付金額として決定する処理を実行してもよい。
本実施形態では、販売手数料に消費税を課す課税方式の下で一例として、注文受付処理手段22により受け付けた支払金額(販売手数料を含めて入力された金額)を、手数料率テーブルの各段階の手数料率(税込)に1を加算した数値で除して複数のチェック用買付金額を算出し、これらのチェック用買付金額の中から、手数料率テーブルと整合し、かつ、顧客に最も有利となるチェック用買付金額を決定するとともに、このチェック用買付金額の算出に用いた手数料率を、適用する手数料率として決定した後、このチェック用買付金額を端数処理して買付金額の候補金額とし、この買付金額の候補金額に、適用する手数料率を乗じることにより、販売手数料を算出して端数処理し、端数処理後の販売手数料に消費税率を乗じることにより、消費税額を算出して端数処理し、買付金額の候補金額に、端数処理後の販売手数料および端数処理後の消費税額を加算することにより、支払金額の候補金額を算出する。さらに、買付金額の候補金額を1円ずつ加算して大きくしていくことにより、同様な処理を行って、徐々に大きくなっていく支払金額の候補金額を算出していき、注文受付処理手段22により受け付けた支払金額(販売手数料を含めて入力された金額)以下に収まる支払金額の候補金額のうち最大のものを支払金額として決定するとともに、その支払金額の候補金額に対応する買付金額の候補金額を、金融商品の買付金額として決定する処理を行ってもよい。
なお、買付金額決定処理手段27は、手数料率テーブル記憶手段30(図2参照)に記憶された手数料率テーブルを用いて、買付金額の各区分の金額範囲における最低買付金額にこれらの最低買付金額に対応する手数料率を乗じて各区分の最低販売手数料を算出し、これらの最低販売手数料を対応する各区分の最低買付金額に加算して各区分の最低支払金額を算出し、算出された各区分の最低支払金額のうち注文受付処理手段22により受け付けた支払金額(販売手数料を含めて入力された金額)以下であって最も高額の最低支払金額の算出で用いられた手数料率を適用する手数料率として決定し、適用する手数料率に1を加算した数値で注文受付処理手段22により受け付けた支払金額を除した金額を、金融商品(本実施形態では、投資信託)の買付金額として決定する処理を実行する構成としてもよい。
例えば、買付金額決定処理手段27は最低支払金額記憶手段を備え、手数料率テーブルを用いて、買付金額の各区分の金額範囲における最低買付金額に当該区分に対応する手数料率を乗じた販売手数料を加算して各区分の最低支払金額を算出し、算出した各区分の最低支払金額を当該金額の算出に用いた当該手数料率に対応付けて最低支払金額記憶手段に記憶する。そして、最低支払金額記憶手段に記憶された最低支払金額のうち注文受付処理手段22により受け付けた支払金額以下で最も高額の最低支払金額の算出に用いた手数料率に1を加算した数値で注文受付処理手段22により受け付けた支払金額を除した金額を、金融商品の買付金額として決定する処理を実行してもよい。
本実施形態では、販売手数料に消費税を課す課税方式の下で一例として、買付金額の各区分の金額範囲における最低買付金額にこれらの最低買付金額に対応する手数料率(税抜)を乗じて複数の販売手数料を算出して端数処理し、これらの端数処理後の販売手数料に消費税率を乗じることにより消費税額を算出して端数処理し、各区分の最低買付金額に端数処理後の販売手数料および端数処理後の消費税額を加算することにより各区分の最低支払金額を算出し、算出された各区分の最低支払金額のうち注文受付処理手段22により受け付けた支払金額(販売手数料を含めて入力された金額)以下であって最も高額の最低支払金額の算出で用いられた手数料率を適用する手数料率として決定し、注文受付処理手段22により受け付けた支払金額を、適用する手数料率(税込)に1を加算した数値で除して端数処理して買付金額の候補金額を算出し、この買付金額の候補金額に、適用する手数料率(税抜)を乗じることにより販売手数料を算出して端数処理し、端数処理後の販売手数料に消費税率を乗じることにより消費税額を算出して端数処理し、買付金額の候補金額に、端数処理後の販売手数料および端数処理後の消費税額を加算することにより、支払金額の候補金額を算出してもよい。さらに、買付金額の候補金額を1円ずつ加算して大きくしてことにより、同様な処理を行って、徐々に大きくなっていく支払金額の候補金額を算出していき、注文受付処理手段22により受け付けた支払金額(販売手数料を含めて入力された金額)以下に収まる支払金額の候補金額のうち最大のものを支払金額として決定するとともに、その支払金額の候補金額に対応する買付金額の候補金額を、買付金額として決定する処理を行ってもよい。
注文内容送信処理手段28は、注文データ記憶手段32(図4参照)に記憶された注文内容を示すデータ(買付銘柄の銘柄識別情報および買付金額を含む。)を、金融商品の注文の約定処理を行う売買システムへ送信する処理を実行するものであり、本実施形態では一例として注文内容を示すデータを専用線2を介して買付銘柄の投資信託(ファンド)を運用する運用会社のファンド運用会社システム50へ送信する処理を実行するものである。
手数料率テーブル記憶手段30は、図2に示すように、買付金額と買付金額の区分に対応した段階的な手数料率との関係を定める手数料率テーブルを、手数料率テーブルの種別を識別する手数料率種別識別情報と関連付けて記憶するものである。手数料率テーブル記憶手段30の手数料率テーブルでは、買付金額の増大に対して段階的に低下する手数料率となっている。本実施形態では、販売手数料に消費税を課す課税方式の下で一例として、手数料率テーブルの構成要素として、手数料率(税込)を記憶するとともに、支払金額の算出時に販売手数料や消費税額について端数処理を行うこと等から手数料率(税抜)も記憶している。但し、買付金額に代えて買付口数を注文受付処理手段22で受け付ける場合には、手数料率テーブル記憶手段30は、買付口数と買付口数の区分に対応した段階的な手数料率との関係を定める手数料率テーブルを、手数料率テーブルの種別を識別する手数料率種別識別情報と関連付けて記憶し、買付口数の増大に対して段階的に低下する手数料率を定めた手数料率テーブルとすればよい。
なお、手数料率テーブルを1種類しか設けない場合には、手数料率種別識別情報を設けなくてもよい。また、本実施形態では、手数料率(税込)を記憶しているが、販売手数料に対して消費税またはその他の税金が課されない法制下においては、手数料率(税込)は必要ないため、記憶しておく必要はない。さらに、本実施形態では、前述したように、手数料率(税込)および手数料率(税抜)の双方を記憶しているが、消費税等の税率S(例えば、S=5%=0.05)をプログラム内に記述するか、または外部の税率記憶手段に記憶しておけば、手数料率(税抜)Nから手数料率(税込)Kを、K=N×(1+S)という式により算出することができ、逆に、手数料率(税込)Kから手数料率(税抜)Nを、N=K/(1+S)という式により算出することができるので、手数料率(税込)と手数料率(税抜)とのうち、いずれか一方を記憶するようにしてもよい。そして、買付金額については、手数料率テーブルの構成要素として、各区分の下限金額(L円以上またはL円超えのときのL円)および上限金額(U円未満またはU円以下のときのU円)の双方を記憶してもよく、あるいは、ある区分の上限金額とその1ランク上の区分の下限金額とは等しいということを前提に、各区分について上限金額または下限金額のいずれか一方を記憶するようにしてもよい。
ファンド情報記憶手段31は、図3に示すように、金融商品(本実施形態では、一例として投資信託とする。)の銘柄を識別する銘柄識別情報(ファンドコード)、金融商品(本実施形態では、投資信託)を運用する運用会社を識別する運用会社識別情報、買付単位(何円以上から購入可能なのか/何円単位で購入可能なのか)、単位口数当たりの金融商品(本実施形態では、投資信託)の直近の評価額を示す基準価額、基準価額を算出した価額日付、注文締切時間、手数料率種別識別情報等を記憶するものである。なお、より一般には、金融商品に関する情報を記憶する金融商品情報記憶手段である。また、基準価額を記憶する部分により基準価額記憶手段が構成されており、金融商品の銘柄を示す銘柄識別情報とその基準価額が関連付けて記憶されている。さらに、注文受付処理手段22により買付金額に代えて買付口数の入力を受け付ける構成とする場合には、買付単位は、何口以上から購入可能なのか/何口単位で購入可能なのかを示すデータとすればよい。
注文データ記憶手段32は、図4に示すように、買付銘柄の銘柄識別情報(ファンドコード)、買付金額、販売手数料、消費税額、適用手数料率(税込)、支払金額、約定日、受渡日等の注文内容を示すデータを、注文識別情報および顧客識別情報と関連付けて記憶するものである。なお、買付注文処理サーバ20の不図示の顧客情報格納手段には、顧客を識別するための顧客識別情報と当該顧客の暗証番号と口座番号等が対応付けて格納されており、買付注文処理サーバ20の不図示の目論見書格納手段には、投資信託等の金融商品の銘柄識別情報と当該金融商品の目論見書の内容データが対応付けて格納されている。
そして、以上において、買付注文処理サーバ20は、1台のコンピュータあるいは1つのCPUにより実現されるものに限定されず、複数のコンピュータあるいは複数のCPUで分散処理を行うことにより実現されるものであってもよい。
また、買付注文処理サーバ20の処理手段20Aに含まれる各処理手段21〜28は、買付注文処理サーバ20を構成するコンピュータ本体の内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定する1つまたは複数のプログラムにより実現される。
さらに、買付注文処理サーバ20に設けられた各記憶手段30,31,32並びに不図示の顧客情報格納手段及び目論見書格納手段は、例えばハードディスク等により好適に実現されるが、記憶容量やアクセス速度等に問題が生じない範囲であれば、ROM、EEPROM、フラッシュ・メモリ、RAM、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、FD、磁気テープ、あるいはこれらの組合せ等を採用してもよい。
顧客端末装置40は、顧客が操作する端末装置であり、コンピュータにより構成され、例えばマウスやキーボード等の入力装置と、例えば液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等の表示装置とを備えており、さらに印刷装置を備えてもよい。顧客はマウスを用いて表示画面上の表示ボタンをクリックすることができるようになっており、キーボードを用いて表示画面上の入力ボックスに文字や数字をキー入力することができるようになっている。
ファンド運用会社システム50は、投資信託(ファンド)を運用する運用会社のコンピュータにより構成されたシステムであり、投資信託の構成銘柄の時価データ(例えば直近の終値)等を用いて投資信託の基準価額を算出するとともに、運用する投資信託に関する情報を管理するためのデータの入力受付・更新・保存等の処理を実行するものであり、また注文内容送信処理手段28により買付注文処理サーバ20から送信されてくる注文内容を示すデータに基づいて当該注文の約定処理を実行するものである。なお、本実施形態では、投資信託の買付の注文を受け付けるので、買付注文処理サーバ20をファンド運用会社システム50に接続しているが(図1参照)、他の種類の金融商品を取り扱うシステムに接続してもよく、あるいは金融商品の種類によっては金融商品の取引市場システムに接続してもよい。
このような本実施形態においては、以下のようにして買付注文処理システム10により金融商品(本実施形態では、一例として投資信託とする。)の買付の注文を受け付ける。
図5において、買付注文処理サーバ20で買付注文に関する処理を開始し(ステップS1)、先ず、ファンド情報取得処理手段21により、ファンド運用会社システム50から、専用線2を介して銘柄識別情報(ファンドコード)、運用会社識別情報、買付単位、基準価額(投資信託の単位口数当たりの評価額)、価額日付(基準価額の算出日付)、注文締切時間等の投資信託(ファンド)に関する各種情報を取得し、取得した投資信託に関する各種情報をファンド情報記憶手段31(図3参照)に記憶させる(ステップS2)。また、ファンド情報記憶手段31には、証券会社等の金融機関の担当者が、買付注文処理サーバ20に社内ネットワークで接続された図示されない担当者端末装置から入力したデータ(例えば手数料率種別識別情報等)も記憶させる。
次に、注文受付処理手段22により、顧客端末装置40からネットワーク1を介して送信されてくる顧客による買付銘柄選択画面100(図6参照)の表示要求信号を受信すると、ファンド情報記憶手段31(図3参照)に記憶されたデータを用いて、買付銘柄選択画面100(図6参照)の表示用データを作成し、作成した買付銘柄選択画面100(図6参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して顧客端末装置40へ送信する(ステップS3)。すると、顧客端末装置40の表示画面には、図6に示すような買付銘柄選択画面100が表示される。
図6において、買付銘柄選択画面100には、各投資信託について、ファンド名、運用会社、買付単位(何円以上から購入可能なのか/何円単位で購入可能なのか)、基準価額、価額日付、注文締切時間が表示されるとともに当該銘柄の投資信託を買い付けるための「買付」ボタン110が設けられている。なお、ファンド名に代えてまたはファンド名とともにファンドコードを表示してもよい。注文受付処理手段22が買付金額に代えて買付口数を受け付ける場合には、買付単位として、何口以上から購入可能なのか/何口単位で購入可能なのかを表示すればよい。
図6の買付銘柄選択画面100において、顧客が買付銘柄を選択し、選択した買付銘柄の「買付」ボタン110をクリックすると、買付銘柄の選択情報(買付銘柄の銘柄識別情報(ファンドコード)でもよい。)がネットワーク1を介して買付注文処理サーバ20に送信される。買付注文処理サーバ20では、注文受付処理手段22により、顧客端末装置40からの買付銘柄の選択情報を受信し(ステップS3)、目論見書電子交付の承諾画面200(図6参照)および目論見書電子交付の完了画面210(図6参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して顧客端末装置40へ送信する。例えば、顧客端末装置40からの買付銘柄の銘柄識別情報を表示する目論見書電子交付の承諾画面200を顧客端末装置40に表示して顧客が承諾画面200で入力した電子交付を承諾する情報と買付銘柄の銘柄識別情報を受けて目論見書格納手段から買付銘柄の銘柄識別情報の目論見書の内容データを顧客端末装置40に送信して目論見書電子交付の完了画面210を顧客端末装置40に表示するようにしてもよい。
その後、注文受付処理手段22により、ステップS3で受信した買付銘柄の選択情報に従って、買付銘柄についての買付注文入力画面300(図6参照)の表示用データを、ファンド情報記憶手段31(図3参照)に記憶されたデータおよび手数料率テーブル記憶手段30(図2参照)に記憶された買付銘柄の手数料率テーブルを用いて作成し、作成した買付注文入力画面300(図6参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して顧客端末装置40へ送信する(ステップS4)。この際、買付銘柄に適用する手数料率テーブルの種別は、注文受付処理手段22により、ファンド情報記憶手段31(図3参照)に記憶された手数料率種別識別情報を参照することにより決定されるが、手数料率テーブルが1種類しかない場合には、このような手数料率種別識別情報の参照処理を行う必要はない。すると、顧客端末装置40の表示画面には、図6に示すような買付注文入力画面300が表示される。
図6において、買付注文入力画面300には、買付銘柄についてのファンド名、買付単位が表示されるとともに、買付金額を入力する買付金額入力部310と、買付金額入力部310に販売手数料を含めた金額を入力することを選択する販売手数料込みの選択部311とが設けられている。買付注文入力画面300において買付金額入力部310は入力ボックスとなっており、選択部311はチェックボックスとなっている。ここで、販売手数料込みの選択部311にチェックを入れた状態で買付金額入力部310に入力した金額は、買付金額に販売手数料および消費税額を加算した支払金額となる。なお、ファンド名に代えてまたはファンド名とともにファンドコードを表示してもよい。注文受付処理手段22で買付金額に代えて買付口数を受け付ける場合には、買付金額入力部310に代えて買付口数入力部を設けておけばよい。
また、買付注文入力画面300には、収益分配方法として分配金再投資コースを選択する選択部320と、分配金支払いコースを選択する選択部321とが設けられるとともに、約定日、受渡日、その他の説明事項や注意事項が表示されている。買付注文入力画面300の選択部320,321はラジオボタンとなっている。さらに、買付注文入力画面300には、買付銘柄(図6の例では、ファンドA)についての手数料率テーブルを表示する手数料率テーブル表示部330と、買付注文入力画面300で入力したデータをネットワーク1を介して買付注文処理サーバ20へ送信するための「注文内容を確認」ボタン340とが設けられている。
図6の買付注文入力画面300において、顧客が、販売手数料込みの選択部311にチェックを入れない状態で買付金額入力部310に買付金額を入力し、「注文内容を確認」ボタン340をクリックすると、買付銘柄の銘柄識別情報(ファンドコード)、買付金額、販売手数料込みの金額としないという選択情報(但し、販売手数料込みの金額を入力するという選択情報が送信されてこないときは、販売手数料込みの金額としないことが選択されたと判断することができるようにしておけば、販売手数料込みの金額としないという選択情報の送信は不要である。)、および収益分配方法の選択情報を含む注文データが、顧客端末装置40からネットワーク1を介して買付注文処理サーバ20へ送信される。買付注文処理サーバ20では、注文受付処理手段22により、顧客端末装置40からの注文データを受信する(ステップS4)。なお、顧客識別情報は注文データとともに受信するようにしてもよく、あるいはこれ以前の適宜な段階で顧客に入力させて受信するようにしてもよく、一例として買付注文処理サーバ40が顧客端末装置40から顧客識別情報を受け取ると顧客端末装置40に顧客識別情報を送って保存させ、クッキーの機能を用いて顧客端末装置40から買付注文処理サーバ40への送信情報に顧客識別情報が自動的に含まれるようにしてもよい。
それから、注文受付処理手段22により、受信した注文データに、販売手数料を含めた金額で入力することを選択する販売手数料込みの選択情報が含まれているか判断し(ステップS5)、含まれていないと判断した場合には(ステップS5;NO)、受信した注文データのうちの買付銘柄の銘柄識別情報(ファンドコード)および買付金額を、支払金額算出処理手段23およびチェック用支払金額算出処理手段24へ引き渡す。
続いて、支払金額算出処理手段23により、手数料率テーブル記憶手段30(図2参照)に記憶された手数料率テーブルを用いて、注文受付処理手段22により受け付けた買付金額に対応する手数料率(税込)を決定し、決定した手数料率(税込)を買付金額に乗じて販売手数料(税込)を算出し、この販売手数料(税込)を買付金額に加算して顧客の支払金額を算出する(ステップS6)。但し、端数処理があるため、一例として次のように処理を行ってもよい。
具体的には、支払金額算出処理手段23により、先ず、手数料率テーブルを用いて手数料率(税抜)を決定し、顧客の入力した買付金額に、決定した手数料率(税抜)を乗じることにより販売手数料(税抜)を算出して端数処理し、端数が発生した場合には端数を切り捨てるようにする。例えば、顧客の入力した買付金額が9,898,206円であれば、図2の手数料率テーブルで1000万円未満の買付金額の手数料率(税抜)から3.000%と決定し、販売手数料(税抜)は、9,898,206円×3.000%=296,946.18円となるので、端数処理で端数を切り捨てると、販売手数料(税抜)は、296,946円となる。
次に、端数切捨後の販売手数料(税抜)に消費税率を乗じることにより消費税額を算出して端数処理し、端数が発生した場合には端数を切り捨てるようにする。例えば、上記の例のように、販売手数料(税抜)が296,946円と算出されたとすると、これに消費税の5%(この消費税率は、プログラム内に記述されているか、または図示されない外部の消費税率記憶手段に記憶されている。)を乗じることにより、296,946円×5%=14,847.3円となるので、端数処理で端数を切り捨てると、消費税額は、14,847円となる。
そして、顧客の入力した買付金額に、端数処理後の販売手数料(税抜)および端数処理後の消費税額を加算することにより、顧客の支払金額を算出する。例えば、上記の例のように、販売手数料(税抜)が296,946円と算出され、消費税額が14,847円となったとすると、支払金額は、9,898,206円+296,946円+14,847円=10,209,999円となる。
さらに、チェック用支払金額算出処理手段24により、注文受付処理手段22により受け付けた買付金額が属する区分よりも高額側に1ランク上の区分の買付金額の範囲における最低買付金額およびこの最低買付金額に対応するチェック用手数料率(税込)すなわち当該1ランク上の区分に対応する手数料率を図2の手数料率テーブルから取得し、取得した最低買付金額にチェック用手数料率(税込)を乗じてチェック用販売手数料(税込)を算出し、このチェック用販売手数料(税込)を最低買付金額に加算してチェック用支払金額を算出する(ステップS7)。但し、端数処理があるため、一例として次のように処理を行ってもよい。
具体的には、チェック用支払金額算出処理手段24により、先ず、図2の手数料率テーブルから、顧客の入力した買付金額が属する区分よりも1ランク上の区分の買付金額の範囲における最低買付金額およびこの最低買付金額に対応するチェック用手数料率(税抜)を取得し、取得した1ランク上の区分の最低買付金額にこの最低買付金額に対応するチェック用手数料率(税抜)を乗じることによりチェック用販売手数料(税抜)を算出して端数処理し、端数が発生した場合には端数を切り捨てるようにする。例えば、顧客の入力した買付金額が9,898,206円であれば、図2の手数料率テーブルから、この9,898,206円が属する買付金額の区分(1,000万円未満の区分)よりも1ランク上の区分(1,000万円以上で5億円未満の区分)の最低買付金額は、1,000万円であり、この最低買付金額の1,000万円に対応するチェック用手数料率(税抜)は、2.000%であるため、チェック用販売手数料(税抜)は、1,000万円×2.000%=20万円となる。なお、この例の場合、端数は発生していないので端数の切捨は不要である。
次に、端数処理後のチェック用販売手数料(税抜)に消費税率を乗じることにより消費税額を算出して端数処理し、端数が発生した場合には端数を切り捨てるようにする。例えば、上記の例のように、チェック用販売手数料(税抜)が20万円と算出決定されたとすると、これに消費税の5%(この消費税率は、プログラム内に記述されているか、または図示されない外部の消費税率記憶手段に記憶されている。)を乗じることにより、消費税額は、20万円×5%=1万円となる。なお、この例の場合、端数は発生していないので端数の切捨は不要である。
そして、1ランク上の区分の最低買付金額に、端数処理後のチェック用販売手数料(税抜)および端数処理後の消費税額を加算することにより、チェック用支払金額を算出する。例えば、上記の例のように、チェック用販売手数料(税抜)が20万円と算出され、消費税額が1万円となったとすると、チェック用支払金額は、1,000万円+20万円+1万円=1,021万円となる。
なお、各区分の最低買付金額が、これらの最低買付金額を用いて算出するチェック用販売手数料(税抜)および消費税額に端数が生じないような切りのよい金額である場合には、チェック用手数料率(税込)を用いてチェック用支払金額を算出してもよい。例えば、上記の例のように、顧客の入力した買付金額が9,898,206円であれば、図2の手数料率テーブルから、1ランク上の区分の最低買付金額である1,000万円、およびこれに対応するチェック用手数料率(税込)である2.100%を取得し、チェック用販売手数料(税込)を、1,000万円×2.100%=21万円と算出し、チェック用支払金額を、1,000万円+21万円=1,021万円と算出してもよい。
続いて、不利益チェック処理手段25により、チェック用支払金額算出処理手段23により算出したチェック用支払金額と、支払金額算出処理手段23により算出した支払金額とを比較し、支払金額がチェック用支払金額以上であるか否か(すなわち、顧客が不利益となる状態であるか否か)を判断する(ステップS8)。
例えば、買付金額が9,898,206円の場合には、手数料率は、税込で3.150%、税抜で3.000%となるので、販売手数料(税抜)が296,946円、消費税額が14,847円、支払金額が10,209,999円となる。これに対し、1ランク上の区分の最低買付金額は1,000万円であり、チェック用手数料率は、税込で2.100%、税抜で2.000%となるので、チェック用販売手数料(税抜)が20万円、消費税額が1万円、チェック用支払金額が1,021万円となる。従って、支払金額の10,209,999円は、チェック用支払金額の1,021万円未満であるから、1円差というギリギリのところであるが、顧客が不利益となる状態ではないと判断される。
ところが、買付金額が上記の例よりも1円多い9,898,207円の場合には、手数料率は、税込で3.150%、税抜で3.000%となるので、販売手数料(税抜)が296,946円、消費税額が14,847円、支払金額が1,021万円となる(図7の買付金額再入力案内画面400の支払金額等表示部420参照)。これに対し、1ランク上の区分の最低買付金額は1,000万円であり、チェック用手数料率は、税込で2.100%、税抜で2.000%となるので、チェック用販売手数料(税抜)が20万円、消費税額が1万円、チェック用支払金額が1,021万円となる(図7の買付金額再入力案内画面400のチェック用支払金額等表示部430参照)。従って、支払金額の1,021万円は、チェック用支払金額の1,021万円と同額であるから、チェック用支払金額の1,021万円以上という条件を満たすので、顧客が不利益となる状態であると判断される。
また、買付金額が上記の例よりも、さらに1円多くなり、9,898,208円の場合には、手数料率は、税込で3.150%、税抜で3.000%となるので、販売手数料(税抜)が296,946円、消費税額が14,847円、支払金額が10,210,001円となる。これに対し、1ランク上の区分の最低買付金額は1,000万円であり、チェック用手数料率は、税込で2.100%、税抜で2.000%となるので、チェック用販売手数料(税抜)が20万円、消費税額が1万円、チェック用支払金額が1,021万円となり、上記の例と変わらない。従って、支払金額の10,210,001円は、チェック用支払金額の1,021万円以上であるから、顧客が不利益となる状態であると判断される。つまり、買付金額が(1,000万円より)小さいのに、支払金額が(買付金額1,000万円のときの支払金額1,021万円よりも)大きい状態となる。
また、買付金額が9,999,999円の場合には、手数料率は、税込で3.150%、税抜で3.000%となるので、販売手数料(税抜)が299,999円、消費税額が14,999円、支払金額が10,314,997円となる。これに対し、1ランク上の区分の最低買付金額は1,000万円であり、チェック用手数料率は、税込で2.100%、税抜で2.000%となるので、チェック用販売手数料(税抜)が20万円、消費税額が1万円、チェック用支払金額が1,021万円となり、上記の例と変わらない。従って、支払金額の10,314,997円は、チェック用支払金額の1,021万円以上であるから、顧客が不利益となる状態であると判断される。つまり、買付金額が(1,000万円より)小さいのに、支払金額が(買付金額1,000万円のときの支払金額1,021万円よりも)大きい状態となる。このような買付金額の大小と支払金額の大小との逆転は、第1番目の区分と第2番目の区分の境界である1000万円の付近では、買付金額が、9,898,208円〜9,999,999円の範囲の場合に生じ、1000万円付近であって1000万円未満の買付金額で生じることになる。
第2番目の区分と第3番目の区分の境界である5億円の付近でも同様であり、例えば、買付金額が494,857,984円の場合には2番目の区分に属するため、手数料率は、税込で2.100%、税抜で2.000%となるので、販売手数料(税抜)が9,897,159円、消費税額が494,857円、支払金額が505,250,000円となる。これに対し、1ランク上の区分である3番目の区分の最低買付金額は5億円であり、チェック用手数料率は、税込で1.050%、税抜で1.000%となるので、チェック用販売手数料(税抜)が500万円、消費税額が25万円、チェック用支払金額が5億525万円となる。従って、支払金額の505,250,000円は、チェック用支払金額の5億525万円と同額であるから、チェック用支払金額の5億525万円以上という条件を満たすので、顧客が不利益となる状態であると判断される。
また、買付金額が499,999,999円の場合には2番目の区分に属しており、手数料率は、税込で2.100%、税抜で2.000%となるので、販売手数料(税抜)が9,999,999円、消費税額が499,999円、支払金額が510,499,997円となる。これに対し、1ランク上の区分である3番目の区分の最低買付金額は5億円であり、チェック用手数料率は、税込で1.050%、税抜で1.000%となるので、チェック用販売手数料(税抜)が500万円、消費税額が25万円、チェック用支払金額が5億525万円となり、上記の例と変わらない。従って、支払金額の510,499,997円は、チェック用支払金額の5億525万円以上であるから、顧客が不利益となる状態であると判断される。つまり、買付金額が(5億円よりも)小さいのに、支払金額が(買付金額5億円のときの支払金額5億525万円よりも)大きい状態となる。このような買付金額の大小と支払金額の大小との逆転は、第2番目の区分と第3番目の区分の境界である5億円の付近では、買付金額が、494,857,985円〜499,999,999円の範囲の場合に生じ、5億円付近であって5億円未満の買付金額で生じることになる。
さらに、具体的な例示は省略するが、買付金額の大小と支払金額の大小との逆転は、第3番目の区分と第4番目の区分の境界である10億円の付近であって10億円未満の買付金額でも同様に生じることになる。
そして、ステップS8で、不利益チェック処理手段25により支払金額がチェック用支払金額以上であると判断した場合(すなわち、顧客が不利益となる状態であると判断した場合)には、再入力案内表示処理手段26により、顧客の入力した注文データ(注文受付処理手段22により受信した注文データ)、支払金額算出処理手段23およびチェック用支払金額算出処理手段24による算出処理結果、および不利益チェック処理手段25による判断処理結果を用いて、買付金額の再入力を促すための買付金額再入力案内画面400(図7参照)の表示用データを作成し、作成した買付金額再入力案内画面400(図7参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して顧客端末装置40へ送信する(ステップS9)。すると、顧客端末装置40の表示画面には、図7に示すような買付金額再入力案内画面400が表示される。
図7において、買付金額再入力案内画面400には、顧客に買付金額を再入力することを促す文章を表示する再入力案内表示部410と、支払金額算出処理手段23により算出された支払金額等を表示する支払金額等表示部420と、チェック用支払金額算出処理手段24により算出されたチェック用支払金額等を表示するチェック用支払金額等表示部430と、買付銘柄(図7の例では、ファンドA)についての手数料率テーブルを表示する手数料率テーブル表示部440と、買付注文入力画面300(図6参照)に戻るための「買付注文入力画面に戻る」ボタン450とが設けられている。
支払金額等表示部420には、顧客の入力した買付金額と、この買付金額に対する販売手数料(税抜)と、消費税額と、手数料率(税込)と、支払金額とが表示されている。また、チェック用支払金額等表示部430には、顧客の入力した買付金額が属する区分よりも1ランク上の区分の最低買付金額と、この最低買付金額に対するチェック用販売手数料(税抜)と、消費税額と、チェック用手数料率(税込)と、チェック用支払金額とが表示されている。なお、買付金額に代えて買付口数を受け付ける場合には、買付金額再入力案内画面400(図7参照)に代えて、顧客に買付口数を再入力することを促す文章を表示する再入力案内表示部が設けられた不図示の買付口数再入力案内画面を表示すればよい。
図7の買付金額再入力案内画面400において、顧客が、画面の表示内容を確認し、「買付注文入力画面に戻る」ボタン450をクリックすると、買付注文入力画面300(図6参照)の再表示要求信号が、ネットワーク1を介して買付注文処理サーバ20へ送信される(ステップS9)。買付注文処理サーバ20では、注文受付処理手段22により、顧客端末装置40からの買付注文入力画面300(図6参照)の再表示要求信号を受信すると、再び、ステップS4の処理を行い、以降、ステップS8で不利益チェック処理手段25により支払金額がチェック用支払金額未満である(すなわち、顧客が不利益となる状態ではない。)と判断されるまで、ステップS4〜S9の処理が繰り返される。
一方、ステップS8で、不利益チェック処理手段25により、支払金額がチェック用支払金額未満である(すなわち、顧客が不利益となる状態ではない。)と判断された場合には、次のステップS11の処理に移行する。
また、ステップS5で、注文受付処理手段22により、受信した注文データに、販売手数料を含めた金額で入力することを選択する販売手数料込みの選択情報が含まれていると判断した場合には(ステップS5;YES)、受信した注文データのうちの買付銘柄の銘柄識別情報(ファンドコード)および支払金額(販売手数料込みで入力された金額)を、買付金額決定処理手段27へ引き渡す。
続いて、買付金額決定処理手段27により、注文受付処理手段22により受け付けた支払金額(販売手数料を含めて入力された金額)を、手数料率テーブル記憶手段30(図2参照)に記憶された手数料率テーブルの各段階の手数料率(税込)に1を加算した数値で除して複数のチェック用買付金額を算出し、手数料率テーブルを用いて、これらのチェック用買付金額がこれらのチェック用買付金額の算出に用いた手数料率(税込)に対応する買付金額の区分に属しているか否かを判断し、属していると判断したチェック用買付金額のうち最も低い手数料率(税込)を用いて算出したチェック用買付金額を、金融商品(本実施形態では、投資信託)の買付金額として決定する(ステップS10)。
例えば買付金額決定処理手段27は、注文受付処理手段22により受け付けた受付支払金額を、手数料率テーブルの区分の各々に対応する手数料率に1を加算した数値で除して各区分のチェック用買付金額を算出し、各区分のチェック用買付金額を当該金額の算出に用いた当該手数料率に対応付けてチェック用買付金額記憶手段に記憶する。一例として手数料率テーブルの買付金額の区分に対して買付金額が小さいほうから順に区分識別番号を予め付しておき、手数料率テーブルで区分識別番号の区分に対応する手数料率に1を加算した数値で受付支払金額を除して当該区分のチェック用買付金額を算出して当該手数料率及び区分識別番号に対応付けてチェック用買付金額記憶手段に記憶する処理を区分識別番号を昇順に選択して実行する。そして、手数料率テーブルを用いて、チェック用買付金額記憶手段に記憶された各チェック用買付金額が当該チェック用買付金額の算出に用いた手数料率に対して手数料率テーブルで対応する買付金額の区分の金額範囲に属しているか否かを判断し、属していると判断したチェック用買付金額の各々に対してチェック用買付金額記憶手段で対応付けされた手数料率のうち最も低い手数料率を用いて算出したチェック用買付金額を、金融商品の買付金額として決定する処理を実行してもよい。一例として、チェック用買付金額記憶手段に区分識別番号に対応付けて記憶されたチェック用買付金額が当該チェック用買付金額に対応する区分識別番号の区分の買付金額の範囲に属しているか否かを判断し、属していると判断したチェック用買付金額の各々に対してチェック用買付金額記憶手段で対応付けされた手数料率のうち最も低い手数料率を用いて算出したチェック用買付金額を、金融商品の買付金額として決定する処理を実行してもよい。なお、端数処理があるため、次のように処理を行ってもよい。
具体的には、買付金額決定処理手段27により、先ず、注文受付処理手段22により受け付けた受付支払金額(販売手数料を含めて入力された金額)を、手数料率テーブルの区分の各々に対応する手数料率(税込)に1を加算した数値で除して算出した当該区分のチェック用買付金額を当該金額の算出に用いた当該手数料率に対応付けてチェック用買付金額記憶手段に記憶し、手数料率テーブルを用いて、チェック用買付金額記憶手段に記憶された各チェック用買付金額が当該チェック用買付金額の算出に用いた手数料率(税込)に対応する区分の買付金額範囲に属しているか否かを判断する。
例えば、支払金額が10,210,000円の場合には、1番目のチェック用買付金額は、10,210,000円÷(1+0.03150)=9898206.495…円であるから、この1番目のチェック用買付金額の算出に用いた1番目の区分の手数料率(税込)の3.150%(=0.03150)に対応する1番目の区分の買付金額範囲(1,000万円未満)に属しており、手数料率テーブルでの1番目の区分の関係を満たしていて整合している。
2番目のチェック用買付金額は、10,210,000円÷(1+0.02100)=1,000万円であるから、この2番目のチェック用買付金額の算出に用いた2番目の区分の手数料率(税込)の2.100%(=0.02100)に対応する2番目の区分の買付金額範囲(1,000万円以上で5億円未満)に属しており、手数料率テーブルでの2番目の区分の関係を満たしており整合している。
3番目のチェック用買付金額は、10,210,000円÷(1+0.01050)=10103908.96…円であるから、この3番目のチェック用買付金額の算出に用いた3番目の区分の手数料率(税込)の1.050%(=0.01050)に対応する3番目の区分の買付金額範囲(5億円以上で10億円未満)に属しておらず、手数料率テーブルでの3番目の区分の関係を満たしておらず整合していない。
4番目のチェック用買付金額は、10,210,000円÷(1+0.00525)=10156677.44…円であるから、この4番目のチェック用買付金額の算出に用いた4番目の区分の手数料率(税込)の0.525%(=0.00525)に対応する4番目の区分の買付金額範囲(10億円以上)に属しておらず、手数料率テーブルでの4番目の区分の関係を満たしておらず整合していない。
次に、算出した複数のチェック用買付金額の中から、手数料率テーブルと整合し(つまり、算出したチェック用買付金額がその算出に用いた手数料率に対応する買付金額の区分に属し)、かつ、顧客に最も有利となるチェック用買付金額を決定するとともに、このチェック用買付金額の算出に用いた手数料率を、適用する手数料率として決定する。例えば、上記の支払金額が10,210,000円の場合には、1番目の区分の手数料率3.150%を用いて算出した1番目のチェック用買付金額の9898206.495…円と、2番目の区分の手数料率2.100%を用いて算出した2番目のチェック用買付金額の1,000万円とが、手数料率テーブルと整合しており(つまり、手数料率に対応する買付金額の区分に属しており)、これらのうち、顧客に有利となるのは、より多くの受益証券を取得することができる2番目のチェック用買付金額の1,000万円であるから、これに対応する2番目の区分の手数料率2.100%を、適用手数料率(税込)として決定する。この場合、第1の区分の手数料率よりも2番目の区分の手数料率が低くて顧客に有利となるので2番目の区分の手数料率を適用手数料率として選択するようにしてもよい。
同様にして、例えば、支払金額が505,250,000円の場合には、1番目の区分の手数料率3.150%を用いて算出した1番目のチェック用買付金額の489820649.5…円と、4番目の区分の手数料率0.525%を用いて算出した4番目のチェック用買付金額の502611290.7…円とは、手数料率テーブルと整合していないが、2番目の区分の手数料率2.100%を用いて算出した2番目のチェック用買付金額の494857982.4…円と、3番目の区分の手数料率1.050%を用いて算出した3番目のチェック用買付金額の5億円とが、手数料率テーブルと整合しており、これらのうち、顧客に有利となるのは、3番目のチェック用買付金額の5億円であるから、これに対応する3番目の区分の手数料率1.050%を、適用手数料率(税込)として決定する。この場合、第2の区分の手数料率よりも3番目の区分の手数料率が低くて顧客に有利となるので3番目の区分の手数料率を適用手数料率として選択するようにしてもよい。
続いて、上記のように顧客に最も有利となるチェック用買付金額を決定した後、そのチェック用買付金額を端数処理して買付金額の候補金額とし、この買付金額の候補金額に、適用する手数料率(税抜)を乗じることにより、販売手数料(税抜)を算出して端数処理し、端数処理後の販売手数料(税抜)に消費税率を乗じることにより、消費税額を算出して端数処理し、買付金額の候補金額に、端数処理後の販売手数料(税抜)および端数処理後の消費税額を加算することにより、支払金額の候補金額を算出する。さらに、買付金額の候補金額を1円ずつ加算して大きくしていくことにより、同様な処理を行って、徐々に大きくなっていく支払金額の候補金額を算出していき、注文受付処理手段22により受け付けた受付支払金額(販売手数料を含めて入力された金額)以下に収まる支払金額の候補金額のうち最大のものを支払金額として決定するとともに、その支払金額の候補金額に対応する買付金額の候補金額を、買付金額として決定する。但し、上記の支払金額が10,210,000円や505,250,000円の場合の例では、決定した顧客に最も有利なチェック用買付金額が1,000万円や5億円であり、端数が生じていないので、これらの1,000万円や5億円をそのまま買付金額として決定し、また、顧客が入力した支払金額の10,210,000円や505,250,000円を、そのまま支払金額として決定するようにしてもよい。
一方、端数が生じる場合の例を挙げると、顧客の入力した支払金額(販売手数料を含めて入力された金額)が10,200,000円の場合には、1番目のチェック用買付金額の9888511.876…円が、手数料率テーブルと整合し、かつ、顧客に最も有利となるチェック用買付金額であるから、これに対応する1番目の区分の手数料率(税込)の3.150%を、適用手数料率(税込)として決定する。そして、1番目のチェック用買付金額を端数処理して9,888,511円を買付金額の候補金額とし、これに1番目の区分の手数料率(税抜)の3.000%を乗じて販売手数料(税抜)を算出して端数処理すると296,655円となり、これに消費税率の5%を乗じて消費税額を算出して端数処理すると14,832円となるので、支払金額の候補金額は、これらを合計して、10,199,998円となる。さらに、1円加算して買付金額の候補金額を9,888,512円とすると、販売手数料(税抜)が296,655円となり、消費税額が14,832円となるので、支払金額の候補金額は、10,199,999円となる。これでも顧客の入力した支払金額に達していないので、さらに、1円加算して買付金額の候補金額を9,888,513円とすると、販売手数料(税抜)が296,655円となり、消費税額が14,832円となるので、支払金額の候補金額は、10,200,000円となり、顧客の入力した支払金額に達するため、このときの買付金額の候補金額の9,888,513円を、金融商品の買付金額として決定する。
なお、買付金額決定処理手段27により、手数料率テーブル記憶手段30(図2参照)に記憶された手数料率テーブルを用いて、買付金額の各区分の金額範囲における最低買付金額に当該区分に対応する手数料率(税込)を乗じた販売手数料(税込)を加算して算出した当該区分の最低支払金額を当該金額の算出に用いた当該手数料率に対応付けて最低支払金額記憶手段に記憶する。一例として手数料率テーブルの買付金額の区分に対して買付金額が小さいほうから順に区分識別番号を予め付しておくとともに区分識別番号に当該区分の最低買付金額を予め対応付けておき、手数料率テーブルで区分識別番号の区分の最低買付金額に当該区分の手数料率(税込)を乗じた販売手数料(税込)を加算して当該区分の最低支払金額を算出し、当該区分の最低支払金額を当該区分の手数料率と区分識別番号に対応付けて最低支払金額記憶手段に記憶する処理を区分識別番号を昇順に選択して実行する。そして、最低支払金額記憶手段に記憶された最低支払金額のうち受付支払金額以下であって最も高額の最低支払金額の算出に用いた手数料率(税込)に1を加算した数値で受付支払金額を除した金額を、金融商品(本実施形態では、投資信託)の買付金額として決定する(ステップS10)。一例として、最低支払金額記憶手段に手数料率(税込)に対応付けて記憶された最低支払金額のうち受付支払金額以下であって最も高額の最低支払金額を選択し、選択した最低支払金額に対応付けされた手数料率(税込)に1を加算した数値で受付支払金額を除した金額を、金融商品(本実施形態では、投資信託)の買付金額として決定する。但し、端数処理があるため、次のように処理を行ってもよい。
具体的には、買付金額決定処理手段27により、先ず、買付金額の区分の金額範囲における最低買付金額に当該区分に対応する手数料率(税抜)を乗じた販売手数料(税抜)を算出して端数処理し、端数処理後の販売手数料(税抜)に消費税率を乗じることにより消費税額を算出して端数処理し、当該区分の最低買付金額に端数処理後の販売手数料(税抜)および端数処理後の消費税額を加算することにより当該区分の最低支払金額を算出し、当該区分の手数料率(税抜)に対応付けて最低支払金額記憶手段に記憶する処理を買付金額の各区分について実行する。図2の例では、1番目の区分の最低買付金額は0円であり、1番目の区分の最低支払金額は0円であり、1番目の区分の手数料率は3.000%である。2番目の区分の最低買付金額は1,000万円であり、2番目の区分の手数料率(税抜)は2.000%であるから、販売手数料(税抜)は20万円となり、消費税額は1万円となるので、2番目の区分の最低支払金額は1,021万円となる。3番目の区分の最低買付金額は5億円であり、3番目の区分の手数料率(税抜)は1.000%であるから、販売手数料(税抜)は500万円となり、消費税額は25万円となるので、3番目の区分の最低支払金額は5億525万円となる。4番目の区分の最低買付金額は10億円であり、4番目の区分の手数料率(税抜)は0.500%であるから、販売手数料(税抜)は500万円となり、消費税額は25万円となるので、4番目の区分の最低支払金額は10億525万円となる。従って、最低支払金額の区分は、1番目の区分の最低支払金額が0円であり(1番目の区分の手数料率が、税込で3.150%、税抜で3.000%)、2番目の区分の最低支払金額が1,021万円であり(2番目の区分の手数料率が、税込で2.100%、税抜で2.000%)、3番目の区分の最低支払金額が5億525万円であり(3番目の区分の手数料率が、税込で1.050%、税抜で1.000%)、4番目の区分の最低支払金額が10億525万円である(4番目の区分の手数料率が、税込で0.525%、税抜で0.500%)。
次に、注文受付処理手段22により受け付けた受付支払金額(販売手数料を含めて入力された金額)が、最低支払金額で分けられる区分のいずれに属するかを判断し、属すると判断された区分に対応する手数料率を、適用する手数料率として決定する。例えば、顧客の入力した支払金額(受付支払金額)が1,021万円の場合には、当該受付支払金額以下となるのは1番目の区分の最低支払金額0円と2番目の区分の最低支払金額1,021万円であり、このうち高額のほうである1,021万円の2番目の区分に属することになるので、適用手数料率は、2番目の区分の手数料率により、税込で2.100%、税抜で2.000%となる。また、顧客の入力した支払金額(受付支払金額)が1,020万円の場合には、当該受付支払金額以下となるのは1番目の区分の最低支払金額0円であり、1番目の区分に属することになるので、適用手数料率は、1番目の区分の手数料率により、税込で3.150%、税抜で3.000%となる。
続いて、注文受付処理手段22により受け付けた受付支払金額を、適用する手数料率(税込)に1を加算した数値で除して端数処理して買付金額の候補金額を算出し、この買付金額の候補金額に、適用する手数料率(税抜)を乗じることにより販売手数料(税抜)を算出して端数処理し、端数処理後の販売手数料(税抜)に消費税率を乗じることにより消費税額を算出して端数処理し、買付金額の候補金額に端数処理後の販売手数料(税抜)および端数処理後の消費税額を加算することにより支払金額の候補金額を算出する。さらに、買付金額の候補金額を1円ずつ加算して大きくしていくことにより、同様な処理を行って、徐々に大きくなっていく支払金額の候補金額を算出していき、注文受付処理手段22により受け付けた受付支払金額(販売手数料を含めて入力された金額)以下に収まる支払金額の候補金額のうち最大のものを支払金額として決定するとともに、その支払金額の候補金額に対応する買付金額の候補金額を、金融商品の買付金額として決定してもよい。但し、上記の支払金額が1,021万円の場合の例では、1,021万円÷(1+0.0210)=1,000万円であり、端数が生じないので、この1,000万円をそのまま買付金額として決定し、また、顧客が入力した支払金額の1,021万円を、そのまま支払金額として決定してもよい。
一方、端数が生じる場合の例を挙げると、顧客の入力した支払金額(受付支払金額)が10,200,000円である場合には、10,200,000円÷(1+0.0315)=9888511.876…円であるから端数処理して9,888,511円を買付金額の候補金額とし、これに手数料率(税抜)の3.000%を乗じて販売手数料(税抜)を算出して端数処理すると296,655円となり、これに消費税率の5%を乗じて消費税額を算出して端数処理すると14,832円となるので、支払金額の候補金額は、これらを合計して、10,199,998円となる。さらに、1円加算して買付金額の候補金額を9,888,512円とすると、販売手数料(税抜)が296,655円となり、消費税額が14,832円となるので、支払金額の候補金額は10,199,999円となる。これでも顧客の入力した支払金額(受付支払金額)に達していないので、さらに、1円加算して買付金額の候補金額を9,888,513円とすると、販売手数料(税抜)が296,655円となり、消費税額が14,832円となるので、支払金額の候補金額は10,200,000円となり、顧客の入力した支払金額に達するため、このときの買付金額の候補金額の9,888,513円を、金融商品の買付金額として決定する。
その後、ステップS8で、不利益チェック処理手段25により、支払金額がチェック用支払金額未満である(すなわち、顧客が不利益となる状態ではない。)と判断されるか、あるいは、ステップS10で、買付金額決定処理手段27による処理を経た後に、注文受付処理手段22により、受信した注文データおよび支払金額算出処理手段23による算出処理で得られた支払金額等のデータを用いるか、あるいは、受信した注文データおよび買付金額決定処理手段27による処理で得られた買付金額等のデータを用いて、注文内容を確認するための確認画面500(図7参照)の表示用データを作成し、作成した確認画面500(図7参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して顧客端末装置40へ送信する(図5のステップS11)。すると、顧客端末装置40の表示画面には、図7に示すような確認画面500が表示される。
図7において、確認画面500には、ファンド名、収益分配方法、買付金額、販売手数料(税抜)、消費税額、手数料率(税込)、支払金額、約定日、および受渡日が表示されるとともに、暗証番号を入力する暗証番号入力部510と、注文を確定させるための「注文する」ボタン520とが設けられている。なお、確認画面500において、ファンド名に代えてまたはファンド名とともにファンドコードを表示してもよい。
図7の確認画面500において、顧客が、注文内容を確認した後、暗証番号入力部510に暗証番号を入力し、「注文する」ボタン520をクリックすると、顧客識別情報及び暗証番号とともに注文内容の確認信号が、ネットワーク1を介して買付注文処理サーバ20へ送信される(図5のステップS11)。買付注文処理サーバ20では、顧客端末装置40からの顧客識別情報と暗証番号により不図示の顧客情報格納手段を参照して顧客認証ができるようになっている。
それから、買付注文処理サーバ20では、注文受付処理手段22により、顧客端末装置40からの顧客による注文内容の確認信号を受信すると、顧客の注文データに注文識別情報(注文番号)を自動付与し、注文データおよび支払金額算出処理手段23による算出処理で得られた支払金額等のデータ、あるいは注文データおよび買付金額決定処理手段27による処理で得られた買付金額等のデータを、注文識別情報および顧客識別情報と関連付けて注文データ記憶手段32(図4参照)に記憶させるとともに、完了画面600(図7参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して顧客端末装置40へ送信する(図5のステップS12)。すると、顧客端末装置40の表示画面には、完了画面600が表示される。この完了画面600には、確認画面500(図7参照)の場合と同様に、ファンド名、収益分配方法、買付金額、販売手数料(税抜)、消費税額、手数料率(税込)、支払金額、約定日、および受渡日が表示される。なお、完了画面600において、ファンド名に代えてまたはファンド名とともにファンドコードを表示してもよい。
続いて、注文内容送信処理手段28により、注文データ記憶手段32(図4参照)に記憶された注文内容を示すデータ(買付銘柄の銘柄識別情報および買付金額を含む。)を、専用線2を介して買付銘柄の投資信託(ファンド)を運用する運用会社のファンド運用会社システム50へ送信し(図5のステップS13)、買付注文に関する一連の処理を終了する(ステップS14)。
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。すなわち、買付注文処理システム10は、支払金額算出処理手段23、チェック用支払金額算出処理手段24、不利益チェック処理手段25、および再入力案内表示処理手段26を備えているので、顧客の入力した買付金額が属する区分よりも1ランク上の区分の最低買付金額およびこの最低買付金額に対応するチェック用手数料率を用いて、チェック用支払金額を算出し、支払金額がチェック用支払金額以上であるか否かを判断することができ、手数料率の関係により支払金額上で顧客に不利益が生じる状況であるか否かを確認することができる。このため、顧客に不利益が生じる状況であると判断した場合には、買付金額再入力案内画面400(図7参照)を表示することにより、顧客にそのような状況を知らせるとともに、顧客に買付金額の再入力を促すことができるので、顧客が不利益となる状態を回避することができる。
また、買付注文処理システム10は、買付金額決定処理手段27を備えているので、顧客が販売手数料込みの金額、すなわち買付時のトータルの支払金額を入力したときには、各段階の手数料率を用いて複数のチェック用買付金額を算出し、手数料率テーブル(図2参照)に定められた買付金額と手数料率との関係と整合するチェック用買付金額および手数料率の組合せのうち、顧客に有利となる最も低い手数料率の組合せを選択することにより買付金額を決定することができる。このため、顧客に不利益が生じないように買付金額を決定することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内での変形等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、買付金額再入力案内画面400(図7参照)が表示されると、顧客は、この画面の表示内容を確認した後、「買付注文入力画面に戻る」ボタン450をクリックして買付注文入力画面300(図6参照)へ戻ることしかできない構成とされていたが、顧客が自己の不利益になる入力をしたことを自身で認識しつつ、買付金額の再入力を行うことなく、当初の不利益な買付注文のまま注文を確定させることを選択することができる構成としてもよい。しかし、顧客の不利益を、より確実に回避できるようにするという観点から、前記実施形態のように買付金額を再入力することしか選択することができない構成とすることが望ましい。また、顧客に買付金額ではなく、買付口数を入力させる構成とする場合も同様であり、顧客が自己の不利益になる入力をしたことを自身で認識しつつ、買付口数の再入力を行うことなく、当初の不利益な買付注文のまま注文を確定させることを選択することができる構成としてもよいが、顧客の不利益を、より確実に回避できるようにするという観点から、買付口数再入力案内画面(不図示)が表示されると、買付口数の入力を受け付ける買付注文入力画面(不図示)に戻って、買付口数を再入力することしか選択することができない構成とすることが望ましい。
また、前記実施形態では、買付注文入力画面300(図6参照)で販売手数料込みの金額(支払金額)を入力した場合には、買付金額決定処理手段27により決定した買付金額およびその買付金額に対応する手数料率については、確認画面500(図7参照)に表示するが、買付金額決定処理手段27による買付金額の決定処理の過程で採用されなかったチェック用買付金額については、たとえ顧客により入力された金額(支払金額)に対し、整合するチェック用買付金額および手数料率の組合せがあったとしても、表示しない構成とされていた。しかし、整合するチェック用買付金額および手数料率の組合せが複数あった場合には、それらを全て表示したうえで、顧客に最も有利となるチェック用買付金額および手数料率の組合せをシステムで選択して買付金額を決定したことがわかるような表示を行う構成としてもよい。例えば、前記実施形態では、顧客の入力した支払金額が10,210,000円の場合には、1番目の区分の手数料率3.150%を用いて算出した1番目のチェック用買付金額の9898206.495…円と、2番目の区分の手数料率2.100%を用いて算出した2番目のチェック用買付金額の1,000万円とが、手数料率テーブルと整合しており(つまり、手数料率に対応する買付金額の区分に属しており)、これらのうち、顧客に有利となるのは、より多くの受益証券を取得することができる2番目のチェック用買付金額の1,000万円であるから、これに対応する2番目の区分の手数料率2.100%を、適用手数料率(税込)として決定し、確認画面500(図7参照)に表示していたが、採用しなかった方の1番目の区分の手数料率3.150%およびそれを用いて算出した1番目のチェック用買付金額の9898206.495…円も併せて表示し、2番目の区分の手数料率2.100%の方を採用した旨および/または1番目の区分の手数料率3.150%の方を採用しなかった旨の表示を行うようにしてもよい。
さらに、前記実施形態では、手数料率テーブルは、買付金額と手数料率との関係を定めるテーブルとされていたが(図2参照)、買付口数と手数料率との関係を定めるテーブルとしてもよく、この場合には、先ず、注文受付処理手段により、顧客により顧客端末装置40に入力された買付銘柄の銘柄識別情報および買付口数を受け付ける。次に、支払金額算出処理手段により、顧客の入力した買付口数に、ファンド情報記憶手段(基準価額記憶手段)に記憶された買付銘柄の基準価額を乗じることにより、買付金額を算出するとともに、手数料率テーブル記憶手段に記憶された手数料率テーブル(買付口数と買付口数の区分に対応した段階的な手数料率との関係を定める手数料率テーブルであって買付口数の増大に対して段階的に低下する手数料率を定める手数料率テーブル)を用いて、注文受付処理手段により受け付けた買付口数に対応する手数料率を決定し、決定した手数料率を、買付口数を換算して得られた買付金額に乗じることにより販売手数料を算出し、この販売手数料を買付金額に加算して顧客の支払金額を算出する。なお、端数処理(消費税額の算出処理を含む。)は、前記実施形態の支払金額算出処理手段23の場合と同様に行えばよい。続いて、チェック用支払金額算出処理手段により、注文受付処理手段により受け付けた買付口数が属する区分よりも大口側に1つ上の区分の買付口数範囲における最低買付口数およびこの最低買付口数に対応するチェック用手数料率すなわち当該1つ上の区分に対応する手数料率を手数料率テーブルから取得し、取得した最低買付口数に、ファンド情報記憶手段(基準価額記憶手段)に記憶された買付銘柄の基準価額を乗じることによりチェック用買付金額を算出し、このチェック用買付金額にチェック用手数料率を乗じることによりチェック用販売手数料を算出し、このチェック用販売手数料をチェック用買付金額に加算してチェック用支払金額を算出する。なお、端数処理(消費税額の算出処理を含む。)は、前記実施形態のチェック用支払金額算出処理手段24の場合と同様に行えばよい。それから、前記実施形態の不利益チェック処理手段25と同様にして比較判断処理を行い、支払金額がチェック用支払金額以上であると判断した場合に、再入力案内表示処理手段により、買付口数の再入力を促すための再入力案内画面を表示する。
このように買付口数と手数料率との関係を定める手数料率テーブルを用いる構成とした場合でも、顧客の入力した買付口数が属する区分よりも1つ上の区分における最低買付口数およびこの最低買付口数に対応するチェック用手数料率を用いて、チェック用支払金額を算出し、支払金額がチェック用支払金額以上であるか否かを判断することができるので、手数料率の関係により支払金額上で顧客に不利益が生じる状況であるか否かを確認することができる。このため、前記実施形態の場合と同様に、顧客に不利益が生じる状況であると判断した場合には、再入力案内画面を表示することにより、顧客にそのような状況を知らせるとともに、顧客に買付口数の再入力を促すことができるので、顧客が不利益となる状態を回避することができる。