JP2010055125A - 永久レジスト用感光性樹脂組成物、永久レジスト用感光性フィルム、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板 - Google Patents

永久レジスト用感光性樹脂組成物、永久レジスト用感光性フィルム、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板 Download PDF

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Abstract

【課題】保存安定性及び高温耐湿性に優れる永久レジスト用感光性樹脂組成物、永久レジスト用感光性フィルム、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板を提供すること。
【解決手段】(A)カルボキシル基を有するポリマと、(B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物と、(C)光重合開始剤と、を含み、(A)成分及び(B)成分の合計量100g当り、(A)成分及び(B)成分中の炭素−炭素二重結合の総モル数が0.05〜0.3モルであり、(B)成分が、ウレタン結合又はイソシアヌレート環を有する化合物であることを特徴とする永久レジスト用感光性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、永久レジスト用感光性樹脂組成物、永久レジスト用感光性フィルム、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板に関する。
電気および電子部品の小型化、軽量化、多機能化に伴い、回路形成用のドライフィルム、ソルダレジストをはじめとする感光性樹脂(感光性材料)にはプリント配線板上の高密度化に対応するための高解像度化が要求されている。これらの感光性材料は、原料となる感光性樹脂組成物を露光後、現像し画像形成することによって作製される。
感光性樹脂組成物は露光により光硬化するが、高解像度化するためには、未露光部の溶解性を高めること、即ち、コントラストを上げることが必要である。未露光部の溶解性を高めるためには、感光性樹脂組成物中に親水性基を導入する方法がある。このような親水性基としてカルボキシル基を適用した場合は親水性の高さは酸価によって表され、高酸価の樹脂であるほど溶解性が高くなる。
近年、環境問題への配慮から、現像液として希アルカリ水溶液を用いるアルカリ現像タイプが主流となってきている。このアルカリ現像を行うには、現像液として有機溶剤添加系のものを用いる場合よりもさらにポリマの酸価を高める必要がある。しかし、ソルダーレジストのような永久レジストの場合、高酸価のポリマであるほど吸水率が高くなるため、高温高湿条件下での絶縁抵抗、耐熱性の低下、すなわち、高温耐湿性の低下が起こりやすい。そこで、高温耐湿性を確保するため、活性エネルギー線硬化性樹脂にノボラック型エポキシ化合物と不飽和カルボン酸との反応物を用いた液状レジストインキ組成物が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
なお、永久レジスト分野では、高温耐湿性を評価するためにPCT(「プレッシャークッカーテスト」の略称)試験が行われる。これは、配線板上に形成されたレジストを高温高湿下に一定時間置いた後、レジストの変色及び配線板上の銅とレジストとの界面での膨れの程度を評価するものである。
ところで、ソルダーレジスト用の感光性樹脂組成物は通常液状であり、カルボキシル基はエポキシ基と反応しやすいため、製品は2液(エポキシ基含有溶液とカルボキシル基含有溶液の2液型)に分けて販売されることが多い。しかしながら、2液を混合した場合のポットライフは数時間から一日と短いため、使用条件に制限が生じたり、予め2液を混合してフィルム化した場合、フィルム状態での保管が困難であった。
このような問題が生じ難い一液型の感光性樹脂組成物としては、ノボラック型エポキシ化合物と不飽和一塩基酸との反応物に脂環族二塩基酸無水物とを反応して得られる光硬化樹脂、光重合開始剤、希釈剤及びビニルトリアジン系化合物等の熱硬化促進剤からなる一液型液状フォトソルダーレジストインキ組成物が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開昭61−243869号公報 特開平4−281454号公報
しかしながら、上記特許文献1のインキ組成物を用いて作製したプリント配線板は、高温高湿下において配線板上の銅とレジストとの界面で膨れが発生する問題がある。この問題は、配線板上の銅とレジストとの界面での密着性不足、光硬化反応又は熱硬化反応で発生した応力が高温高湿下において解放されたことに起因すると考えられる。ここで上記熱硬化反応は、エポキシ化合物と不飽和カルボン酸との開環反応である。
また、特許文献2のインキ組成物を用いて作製したプリント配線板も、高温高湿下において配線板上の銅とレジストとの界面での膨れが発生する問題がある。これも上述した理由と同様であると考えられる。ここでの熱硬化反応は、熱硬化剤による反応である。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、保存安定性及び高温耐湿性に優れる永久レジスト用感光性樹脂組成物、永久レジスト用感光性フィルム、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、(A)カルボキシル基を有するポリマと、(B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物と、(C)光重合開始剤と、を含み、上記(A)成分及び(B)成分の合計量100重量部当り、上記(A)成分及び(B)成分中の炭素−炭素二重結合の総モル数が0.05〜0.3モルであることを特徴とする永久レジスト用感光性樹脂組成物を提供する。
本発明の永久レジスト用感光性樹脂組成物は、フィルム状態又は一液型ワニスにした時の保存安定性に優れる。これは永久レジスト用感光性樹脂組成物が、室温でカルボキシル基と反応する成分を含有していないことによると本発明者らは推察する。
また、本発明の永久レジスト用感光性樹脂組成物は、高温耐湿性に優れる。これは、感光性樹脂組成物中の(A)成分及び(B)成分中の炭素−炭素二重結合の総モル数を所定の範囲とすることで、光硬化反応による架橋密度を調節することが可能となり、光硬化時に配線板上の銅とレジスト界面で発生する応力を低減することができたことによると本発明者らは推察する。
上記(A)成分としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び共重合ビニルモノマ−の共重合体、又は、該共重合体の側鎖及び/又は末端にエチレン性不飽和結合を導入した共重合体が好ましく、(A)成分の酸価は90mgKOH/g以上であることが好ましい。(A)成分として、上記化合物を用いた場合には、解像度に優れた永久レジストを得ることが可能となる。また、(A)成分として、エチレン性不飽和結合を導入した共重合体を用いた場合は、炭素−炭素二重結合のモル数によって光硬化の程度を調整できる。
上記(B)成分としては、ウレタン結合又はイソシアヌレート環を有する化合物であることが好ましく、分子量(数平均分子量をいう)が200〜5000である化合物が好ましい。このような化合物を用いることにより、高温耐湿性がより向上する。また、(B)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の合計量100重量部に対して10〜80重量部であることが好ましい。
本発明の永久レジスト用感光性樹脂組成物は、硬化後のガラス転移温度が90℃以上であることが好ましい。
また、本発明は、支持体と、該支持体上に形成された上記永久レジスト用感光性樹脂組成物からなる永久レジスト用感光性樹脂組成物層と、を備えることを特徴とする永久レジスト用感光性フィルムを提供する。この永久レジスト用感光性フィルムは、永久レジスト用感光性樹脂組成物層上に、剥離可能なカバーフィルムを更に備えていてもよい。
また、本発明は、絶縁基板と該絶縁基板上に形成された回路パターンを有する導体層とを備える積層基板の上記絶縁基板上に、上記導体層を覆うように上記永久レジスト用感光性樹脂組成物からなる永久レジスト用感光性樹脂組成物層を形成し、該永久レジスト用感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射して露光部を形成し、次いで、該露光部以外を除去することを特徴とするレジストパターンの形成方法を提供する。
また、本発明は、絶縁基板と該絶縁基板上に形成された回路パターンを有する導体層と、上記導体層を覆うように上記絶縁基板上に形成された永久レジスト層と、を備えるプリント配線板であって、上記永久レジスト層が、上記永久レジスト用感光性樹脂組成物の硬化物からなるものであり、上記永久レジスト層は、上記導体層の一部が露出するように開口部を有することを特徴とするプリント配線板を提供する。
以上説明したように本発明によれば、保存安定性及び高温耐湿性に優れる永久レジスト用感光性樹脂組成物を提供することが可能となる。また、この永久レジスト用感光性樹脂組成物はフィルム化が可能である。従って、工程の短縮化及び絶縁層の両面形成が可能なことから、プリント配線板の生産性の向上を可能とする。
永久レジスト用感光性フィルムの一実施形態を示す断面図である。 プリント配線板の一実施形態を示す模式断面図である。 (a)〜(d)は、図2に示したプリント配線板2の製造方法を示す工程図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、同一要素には同一符号を用いるものとし、重複する説明は省略する。
(永久レジスト用感光性樹脂組成物)
永久レジスト用感光性樹脂組成物は、(A)カルボキシル基を有するポリマと、(B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物と、(C)光重合開始剤と、を含み、(A)成分及び(B)成分の合計量100重量部当り、(A)成分及び(B)成分中の炭素−炭素二重結合の総モル数が0.05〜0.3モル(より好ましくは0.07〜0.23モル、更に好ましくは0.16〜0.23)である。
ここで、炭素−炭素二重結合の総モル数は、(A)成分及び(B)成分の単位重量当りの炭素−炭素二重結合のモル数(mol/g)と重量部数の積の合計量により求められる。
この炭素−炭素二重結合の総モル数が0.05モル未満では、光感度が低くなり、露光後の架橋密度が低くなるため、高温高湿下において塗膜表面が白化する。また、架橋密度が低すぎるために、高温高湿下においてレジストが膨潤して、膨れが発生しやすくなる。他方、0.3モルを超えると、光硬化時に配線板上の銅とレジストとの界面で発生する応力が大きくなり、高温高湿下で応力が解放された時に、銅とレジストとの界面において膨れが発生しやすくなる。
(A)成分であるカルボキシル基を有するポリマとしては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び共重合ビニルモノマの共重合体、又は、該共重合体の側鎖及び/又は末端にエチレン性不飽和結合を導入した共重合体が好適である。また、(メタ)アクリル酸、及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体も好適である。なお、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸又はメタクリル酸を示し、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等においても同様である。
(メタ)アクリル酸アリキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。
共重合ビニルモノマーとは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び(メタ)アクリル酸と共重合し得るビニルモノマーをいい、例えば、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、メタクリル酸グリシジルエステル、2,2,2―トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3―テトラフルオロプロピルメタアクリレート、アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。
これらのモノマから得られる共重合体は、ラジカル重合法等の公知の重合法により得られるものであり、これらの共重合体としては、SD−600及びSD−900(日立化成工業株式会社製、商品名)等が挙げられる。
また、共重合体は側鎖及び/又は末端にエチレン性不飽和結合を有していてもよく、係る結合は、エステル結合、ウレタン結合等を介して側鎖へ導入できる。このような側鎖に二重結合を導入する方法としては、上記の(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び共重合ビニルモノマーの共重合体中のカルボキシル基にグリシジル基含有エチレン性不飽和単量体を反応させ、エステル結合を形成する方法が挙げられる。
(A)成分の酸価は、90mgKOH/g以上であることが好ましく、90〜180mgKOH/gであることがより好ましく、100〜150mgKOH/gであることが更に好ましい。酸価が90mgKOH/g未満であると解像度が不十分となる傾向があり、他方、180mgKOH/gを超えるとレジストの高温耐湿性が不十分となる傾向がある。
(A)成分の配合量は(A)成分及び(B)成分の合計量を100重量部とした場合、20〜90重量部とすることが好ましく、30〜80重量部とすることがより好ましい。この配合量が20重量部未満では、塗膜形成時の表面のタック性、塗膜の割れ、現像性、はんだ耐熱性が不良となる傾向がある。他方、90重量部を超えると十分な感度を得られない傾向がある。
(B)成分であるエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物は、光又は光重合開始剤によって架橋可能な官能基を有する共重合体、あるいは単量体であり、分子内に重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であればよい。構造としては、脂肪族、芳香族、脂環式、複素環等特に制限が無く、分子内にエステル結合、ウレタン結合、アミド結合等を含有していても良い。中でも、ウレタン結合又はイソシアヌレート環を有する化合物が好ましい。このようなイソシアヌレート環を有する化合物は、耐熱性が高く、得られるレジストの高温耐湿性を向上させることが可能となる。
エチレン性不飽和基としては、アクリロイル基やメタクリロイル基が好ましい。エチレン性不飽和結合であるアクリロイル基を持つ化合物としては、アクリル酸をはじめ、ヒドロキシルエチルアクリレート、ヒドロキシルプロピルアクリレート等の水酸基を持つアクリル酸エステル、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル等の脂肪族アルコールとアクリル酸からなるアクリル酸エステル、イソシアヌレート環等の複素環を含有するアルコールとアクリル酸からなるアクリル酸エステル、グリシジルアクリレート等のエポキシ基を持つアクリル酸エステル、エチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート等の多価アルコールのアクリル酸エステル、テトラヒドロフルフリールアクリレート等の環状エーテルを含む構造のアクリル酸エステル、ビスフェノール類のジグリシジルエーテル化物にアクリル酸が付加したエポキシアクリレート、ノボラック型エポキシ樹脂にアクリル酸が付加したアクリル変性ノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
エチレン性不飽和結合であるメタクリロイル基を有する化合物としては、メタクリル酸をはじめ、ヒドロキシルエチルメタクリレート、ヒドロキシルプロピルメタクリレート等の水酸基を持つメタクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル等の脂肪族アルコールとメタクリル酸からなるメタクリル酸エステル、イソシアヌレート環等の複素環を含有するアルコールとメタクリル酸からなるメタクリル酸エステル、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基を持つメタクリル酸エステル、エチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリメタクリレート等の多価アルコールのメタクリル酸エステル、テトラヒドロフルフリールメタクリレート等の環状エーテルを含む構造のメタクリル酸エステル、ビスフェノール類のジグリシジルエーテル化物にメタクリル酸が付加したエポキシメタクリレート、ノボラック型エポキシ樹脂にメタクリル酸が付加したメタクリル変性ノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
(B)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の合計量を100重量部とした場合、10〜80重量部とすることが好ましく、20〜70重量部とすることがより好ましい。(B)成分の配合量が10重量部未満では、光感度が低下する傾向にあり、他方、80重量部を越えると塗膜形成時の表面のタック性、塗膜の割れ、現像性、はんだ耐熱性が不十分となる傾向がある。また、(B)成分とのエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物の分子量は、200〜5000であることが好ましく、300〜2000であることがより好ましい。分子量が200未満であると永久レジスト用感光性樹脂組成物のタック性が強くなる傾向があり、他方、5000を超えると炭素−炭素二重結合の総モル数が低下し、光感度が低くなる傾向にある。
(C)成分である光重合開始剤は、使用する露光機の光波長にあわせたものであればよく、公知のものを利用することができる。例えば、ラジカル系光開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、4,4−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−ジメトキシ−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン、アゾビスイソブチルニトリル、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジメチルチオキサントン、メチルベンゾイルフォーメート、3,3,4,4−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、1,2−ジ−9−アクリジニルエタン、1,3−ジ−9−アクリジニルプロパン、1,4−ジ−9−アクリジニルブタン、1,7−ジ−9−アクリジニルヘプタン、1,8−ジ−9−アクリジニルオクタン等が挙げられる。
光重合開始剤としては、光照射でルイス酸が発生する光重合開始剤を用いることもできる。かかる光重合開始剤は、通常、知られているものであり、カチオン型光反応開始剤として、例えば、トリフェニルスルフォンヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルフォンヘキサフルオロフォスフェート、p−メトキシベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロフォスフェート、p−クロロベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロフォスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、4,4−ジ−t−ブチルフェニルヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、(1−6−n−クメン)(n−ジクロペンタジニエル)鉄6フッ化リン酸等が挙げられる。
(C)成分の配合量は、永久レジスト用感光性樹脂組成物中の各成分の全固形分に対して、0.1〜10重量%とすることが好ましく、0.5〜5.0重量%とすることが特に好ましい。
永久レジスト用感光性樹脂組成物には、本発明により得られる効果を阻害しない範囲で、熱硬化剤を添加しても良い。このような熱硬化剤としては、特に、制限はないが、例えば、加熱によりそれ自体が架橋する熱硬化剤、即ち、熱を加えることにより、高分子網目を形成する硬化剤や加熱により(A)成分のカルボキシル基と反応し3次元構造を形成する硬化剤等が挙げられる。
加熱によりそれ自体が架橋する熱硬化剤としては、ビスマレイミド化合物が挙げられる。ビスマレイミド化合物はm−ジ−N−マレイミジルベンゼン、ビス(4−N−マレイミジルフェニル)メタン、2,2−ビス(4−N−マレイミジルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−N−マレイミジル2,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス〔(4−N−マレイミジルフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔(4−N−マレイミジル−2−メチル−5−エチルフェニル)プロパン等の各種ビスマレイミド化合物がそのままもしくは混合物として用いられる。これらのビスマレイミド化合物は単体としても各種樹脂との変性物でもどちらも用いることが可能である。
加熱により(A)成分のカルボキシル基と反応し、3次元構造を形成する硬化剤としては、ブロックイソシアネート化合物が挙げられる。ブロックイソシアネート化合物としては、アルコール化合物、フェノール化合物、ε−カプロラクタム、オキシム化合物、活性メチレン化合物等のブロック剤によりブロック化されたポリイソシアネート化合物が挙げられる。ブロック化されるポリイソシアネート化合物としては、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ナフタレン1,5−ジイソシアネート、o−キシレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、2,4−トリレンダイマー等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネートが挙げられ、耐熱性の観点からは芳香族ポリイソシアネートが、着色防止の観点からは脂肪族ポリイソシアネート又は脂環式ポリイソシアネートが、好ましい。
また、永久レジスト用感光性樹脂組成物には本発明により得られる効果を阻害しない範囲で、熱で硬化する樹脂等を添加しても良い。また、不飽和ポリエステル樹脂や上記のラジカル性光開始剤によって架橋可能な官能基を有した共重合体あるいは単量体と同等の化合物等が例示される。また、熱又は熱重合開始剤で重合する樹脂を用いることもできる。
熱重合開始剤としては公知のものを利用することができ、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、ターシャリーブチルパーオキサイド等のアルキルパーオキサイド類、パーオキシジカーボネート類、パーオキシケタール類、パーオキシエステル類、アルキルパーエステル類等を用いることができる。熱重合開始剤の配合量は永久レジスト用感光性樹脂組成物中の各成分の全固形分に対して0.1〜10重量%とすることが好ましく、0.5〜5.0重量%とすることが特に好ましい。
永久レジスト用感光性樹脂組成物にはフィラーを配合してもよく、コストを低減することができる点で好ましい。フィラーとしてはシリカ、溶融シリカ、タルク、アルミナ、水和アルミナ、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、エーロジル、炭酸カルシウム等の無機微粒子、粉末状エポキシ樹脂、粉末状ポリイミド粒子等の有機微粒子、粉末状テフロン(登録商標)粒子等が挙げられる。これらのフィラーには予めカップリング処理を施してあってもよい。これらの分散はニーダー、ボールミル、ビーズミル、3本ロール等既知の混練方法によって達成される。これらのフィラーの配合量は、永久レジスト用感光性樹脂組成物中の各成分の全固形分に対して、2〜20重量%とすることが好ましく、5〜15重量%とすることが特に好ましい。
永久レジスト用感光性樹脂組成物は、永久レジスト用感光性樹脂組成物層を形成させる場合に溶剤に希釈して用いることができる。この溶剤には、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン等のケトン化合物、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素化合物、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド化合物等を使用できる。これらの溶剤は、単独あるいは混合系で用いてもよい。永久レジスト用感光性樹脂組成物を効率よく溶解させるためには、当該組成物の溶解性にあわせてエチレングリコールモノエチルエーテル、エチルエトキシプロピオネート等を溶剤に用いてもよく、他の溶剤に加えてもよい。
溶剤の配合量は、好ましくは永久レジスト用感光性樹脂組成物中の溶剤以外の成分100重量部に対して10〜200重量部であり、30〜100重量部であることが特に好ましい。溶剤の配合量が、10重量部未満の場合は永久レジスト用感光性樹脂組成物の粘度が高くなる傾向があり、均一に混合することが困難となる傾向がある。他方、溶剤が100重量部を越える場合は粘度の低下により、永久レジスト用感光性樹脂組成物層を形成した際の層の厚さを制御することが困難となる傾向があり、また、溶剤の使用量が多いことから、コスト高となる傾向がある。
永久レジスト用感光性樹脂組成物には、重合安定剤、レベリング剤、顔料、染料、密着性向上剤を添加しても良い。これらの選択は、通常の永久レジスト用感光性樹脂組成物と同様の考慮のもとで行われる。添加量は、永久レジスト用感光性樹脂組成物の特性を損なわれない程度で、各々、樹脂組成中に0.01〜10重量%添加することが好ましい。
また、永久レジスト用感光性樹脂組成物は、後述する露光工程及び/又は後加熱工程による硬化後のガラス転移温度が、90℃以上であることが好ましく、100〜180℃であることがより好ましく、100〜150℃であることが更に好ましい。
また、永久レジスト用感光性樹脂組成物は、配線板用接着剤とすることもできる。
(永久レジスト用感光性フィルム)
図1は、永久レジスト用感光性フィルムの一実施形態を示す断面図である。図1に示す永久レジスト用感光性フィルム1は、支持体11と、該支持体上に形成された上記永久レジスト用感光性樹脂組成物からなる永久レジスト用感光性樹脂組成物層12と、永久レジスト用感光性樹脂組成物層12上に積層されたカバーフィルム13と、を備えるものである。
支持体11としては、プラスチックフィルムが用いられ、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等のプラスチックフィルムを用いることが好ましい。ここで、支持体の厚さについては、10〜150μmの範囲で適宜選択される。
永久レジスト用感光性樹脂組成物層12は、上記感光性樹脂組成物からなるものである。その厚さについては特に制限はなく、10〜150μmの範囲で適宜選択される。永久レジスト用感光性樹脂組成物層12は、永久レジスト用感光性樹脂組成物をコンマコータ、ブレードコータ、リップコータ、ロッドコータ、スクイズコータ、リバースコータ、トランスファロールコータ等で支持体11上に均一な厚さに塗布し、加熱・乾燥して溶剤を揮発させて形成することができる。
カバーフィルム13としては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、テフロン(登録商標)フィルム、表面処理した紙等がある。カバーフィルム13としては、永久レジスト用感光性樹脂組成物層12と支持体11との接着力よりも永久レジスト用感光性樹脂組成物層12とカバーフィルム13との接着力が小さいものであればよい。
上記永久レジスト用感光性フィルムを保管する際には、接着剤表面を保護するための剥離可能なカバーフィルム13を重ねて巻き取ることが好ましい。
上記永久レジスト用感光性樹脂組成物層12を基板又はプリント配線板に重ね、ホットロールラミネーター等を用いて張り合わせることで、基板又は配線板上に永久レジスト用感光性樹脂組成物層を容易に形成することができる。この永久レジスト用感光性樹脂組成物層の厚さについては特に制限はなく、通常10〜150μmの範囲で適宜選択される。
形成された永久レジスト用感光性樹脂組成物層の露光及び現像は常法により行うことができる。例えば、光源として超高圧水銀灯や高圧水銀灯等を用い、永久レジスト用感光性樹脂組成物層上に直接、又はポリエチレンテレフタレートフィルム等の透明フィルムを介し、ネガマスクを通して像的に露光することができる。露光後透明フィルムが残っている場合には、これを剥離した後現像するとよい。
また、永久レジスト用感光性樹脂組成物層は、印刷法、炭酸ガスレーザ、YΑGレーザ、エキシマレーザ等を用いたレーザ穴明け法等で像的樹脂膜を形成することも可能である。
上述した永久レジスト用樹脂組成物及び永久レジスト用感光性フィルムは、一液型又はフィルム状態での保存安定性に優れ、高温高湿性に優れるレジストを形成可能である。
(レジストパターンの形成方法)
本実施形態のレジストパターンの形成方法は、絶縁基板と該絶縁基板上に形成された回路パターンを有する導体層とを有する積層基板の絶縁基板上に、導体層を覆うように、上記永久レジスト用感光性樹脂組成物からなる永久レジスト用感光性樹脂組成物層を形成し、該永久レジスト用感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射して露光部を形成し、次いで、該露光部以外の部分を除去することを特徴とするものである。
永久レジスト用感光性樹脂組成物層の形成方法としては、上記本発明の永久レジスト用感光性樹脂組成物を直接塗工するか、上記永久レジスト用感光性フィルムにおける永久レジスト用感光性樹脂組成物層を加熱しながら絶縁基板に圧着して積層する形成方法が例示できる。従って、基板上に形成された永久レジスト用感光性樹脂組成物層は、永久レジスト用感光性樹脂組成物が溶剤等の揮発成分を含む場合は、溶剤の大部分が除去された後の成分が主成分となる。
この後、永久レジスト用感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射して露光部を形成する。露光部を形成する方法としては、アートワークと呼ばれるネガ又はポジマスクパターンを通して活性光線を画像上に照射する方法が挙げられる。この際、マスクは永久レジスト用感光性樹脂組成物上に直接接触させてもよく、透明なフィルムを介して接触させても良い。
活性光線の光源としては、公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線を有効に放射するものが用いられる。また、写真用フラッド電球、太陽ランプ等の可視光を有効に放射するものも用いられる。
露光後、アルカリ性水溶液を用い、例えば、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法により露光部分以外の部分を除去して現像を行い、レジストパターンを形成する。なお、レジストパターン形成後に、1〜5J/cmの露光又は/及び100〜200℃、30分〜12時間の加熱(後加熱工程)による後硬化を更に行っても良い。
現像処理に用いられる現像液は、アルカリ現像液を標準としたが、露光部にダメージを与えず、未露光部を選択的に溶出するものであれば、その種類については特に制限はなく、樹脂組成物の現像タイプによって決定され、準水系現像液、溶剤現像液等一般的なものを用いることができる。例えば、特開平7−234524号公報に記載されるような水と有機溶剤とを含むエマルジョン現像液を使用することができる。特に有用なエマルジョン現像液としては、例えば、有機溶剤成分としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、2,2−ブトキシエトキシエタノール、乳酸ブチル、乳酸シクロヘキシル、安息香酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート等の有機溶剤を10〜40重量%含有するエマルジョン現像液を挙げることができる。また、アルカリ現像液を用いる場合には、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、燐酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、4―ホウ酸ナトリウム、アンモニア、アミン類等のアルカリ水溶液と前記有機溶剤とのエマルジョン現像液を用いることもできる。
上述の方法によって、回路パターンが形成された導体層上に積層された永久レジスト用感光性樹脂組成物層に、レジストパターンの形成を行うことができる。レジストパターンの形成された永久レジスト用感光性樹脂組成物層は、実装部品の接合時に、導体層上の不必要な部分へのはんだの付着を防ぐソルダーレジストとして用いることができる。
上記ソルダーレジストは、上記本発明の永久レジスト用感光性樹脂組成物又は感光性フィルムを用いたものであるため、PCT試験におけるレジストの変色及び膨れを抑制でき、高温耐湿性に優れたものとなる。
(プリント配線板)
図2は、本発明のプリント配線板の実施形態を示す模式断面図である。図2に示すプリント配線板2は、絶縁基板22と、絶縁基板22の一方面上に形成された回路パターンを有する導体層23と、絶縁基板22の他方面上に形成された回路パターンを有しない導体層21と、回路パターンを有する導体層23を覆うように絶縁基板22上に形成された永久レジスト層24と、を備えている。また、永久レジスト層24は、上記永久レジスト用感光性樹脂組成物の硬化物からなり、永久レジスト層24は、回路パターンを有する導体層23の少なくとも一部が露出するように開口部26を有している。
プリント配線板2は、開口部26を有しているため、CSPやBGA等の実装部品を、回路パターンを有する導体層23にはんだ等により接合することができ、いわゆる表面実装が可能となる。永久レジスト層24は、接合のためのはんだ付けの際に、導体層の不必要な部分にはんだが付着することを防ぐためのソルダーレジストとしての役割を有しており、また、実装部品接合後においては、導体層23を保護するための永久マスクとして機能する。
次に、プリント配線板2の製造方法の一例について、概略的に説明する。図3は、図2に示したプリント配線板2の製造方法について模式的に示す工程図である。なお、図3(a)は一方面に回路パターンを有する導体層23と他方面に回路パターンを有しない導体層21とを備える絶縁基板22であり、図3(b)、図3(c)及び(d)は、それぞれ絶縁基板22上へ永久レジスト用感光性樹脂組成物24の積層した後のプリント配線板4、永久レジスト用感光性樹脂組成物層24へ活性光線を照射している様子及び現像後のプリント配線板2を示す。
まず、両面金属積層板(例えば、両面銅張積層板等)の片面をエッチングする公知の方法等により、図3(a)に示すように絶縁基板22上に導体層23のパターンを形成させ、導体層23が形成されたプリント配線板3を得る。次に、図3(b)に示すように導体層23が形成された両面金属張積層板3上に、導体層23を覆うようにして本発明の感光性フィルムの永久レジスト用感光性樹脂組成物からなる永久レジスト用感光性樹脂組成物層24を形成し、永久レジスト用感光性樹脂組成物層24が形成されたプリント配線板4を得る。次に、図3(c)に示すように積層された永久レジスト用感光性樹脂組成物層24に所定のパターンを有するマスク5を介して活性光線を照射することにより永久レジスト用感光性樹脂組成物層24の所定部分を硬化させる。最後に、未露光部を除去(例えばアルカリ現像等)することによって、図3(d)に示すように開口部26を有する永久レジスト層24を形成させることでプリント配線板2を得る。なお、永久レジスト層24は、永久レジスト用感光性樹脂組成物が溶剤等の揮発成分を含有している場合は、かかる揮発成分の大部分が除去された後の永久レジスト用感光性樹脂組成物の硬化物である。
なお、絶縁基板22上への永久レジスト用感光性樹脂組成物層24の積層、活性光線の照射及び未露光部の除去は、上述のレジストパターンの形成方法における場合と同様の方法により行うことができる。
このようにして得られたプリント配線板2における永久レジスト層24は、上記本発明の永久レジスト用感光性樹脂組成物の硬化物からなるものであり、高温耐湿性に優れたものである。
以下、本発明の好適な実施例について更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1においては、本発明の永久レジスト用感光性樹脂組成物を用いて永久レジスト用感光性樹脂組成物層を基板に形成後、その永久レジスト用感光性樹脂組成物層の高温耐湿性についてPCT試験を行った。以下、評価基板の作製方法を記載する。
(1)ガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板[銅箔の厚さ18μm、両面粗化箔を両面に有する日立化成工業株式会社製商品名MCL−E−67(商品名)]にエッチングを施して片面に導体層(以下、回路層という)を有するプリント配線板(回路板)を作製した。
(2)表1に示した各成分を混合し、(A)成分及び(B)成分の合計量100重量部当り炭素−炭素二重結合の総モル数が0.09モルの永久レジスト用感光性樹脂組成物を得た。得られた永久レジスト用感光性樹脂組成物を上記回路板の片面に塗工し、80℃で20分間乾燥して30μmの永久レジスト用感光性樹脂組成物層を形成した。
Figure 2010055125

なお、表2中、*1は新中村化学工業株式会社製商品名、*2はチバガイギー株式会社製商品名、をそれぞれ示す。なお、*1はウレタン結合含有モノマであり、分子量が692である。
(3)開口部(バイアホール)となる部分に遮蔽部を形成したフォトマスクを介して、露光量200mJ/cm2の紫外線を照射した。さらに、未露光部分を1重量%の炭酸ナトリウムを含んだ現像液を用いて30℃で1分間スプレー処理をし、評価基板を作製した。
(4)次に、基板上のレジスト(ソルダマスク)に対して、メタルハライドランプ型コンベア式露光機(ランプ出力80W/cm、ランプ高さ80cm、コールドミラーなし、コンベア速度1.5m/min)を用いて紫外線1000mJ/cmを照射して後露光を行った。
(5)更に、160℃で1hの後加熱を行うことによりネガマスクに相応するソルダマスク及びソルダマスクの形成された評価基板を得た。
(実施例2)
実施例1における永久レジスト用感光性樹脂組成物の(B)成分をイソシアヌレート環含有モノマ−(東亞合成株式会社製商品名M−315)とした以外は、実施例1と同様に評価基板を作製した。永久レジスト用感光性樹脂組成物の(A)成分及び(B)成分の合計量100重量部当り炭素−炭素二重結合の総モル数は、0.21モルであった。
(実施例3)
実施例1における永久レジスト用感光性樹脂組成物の(A)成分を、下記のように合成した側鎖にエチレン性不飽和基を有するポリマを用いたこと以外は、実施例1と同様に評価基板を作製した。永久レジスト用感光性樹脂組成物の(A)成分及び(B)成分の合計量100重量部当り炭素−炭素二重結合の総モル数は、0.17モルであった。
(側鎖にエチレン性不飽和基を有するポリマ)
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート120重量部を1L四つ口フラスコに配合し、窒素封入しながら75℃に昇温し、温度を安定化させた。メチルメタクリレート80重量部、アクリル酸50重量部、ベンジルメタクリレート80重量部、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート120重量部及びアゾビスイソブチロニトリル1.5重量部の混合液をあらかじめ27〜30℃にして相溶させておき、これを3時間で上記四つ口フラスコに攪拌しながら滴下し、さらに攪拌を75℃で7時間続けた。その後、重合禁止剤としてメチルヒドロキノン2重量部添加し窒素封入を止め、重合を完結させた。
この後、ただちに、グリシジルアクリレート35重量部を添加し、さらに5時間反応させて、重量平均分子量70,000、酸価100mgKOH/g、単位重量当たりの炭素−炭素二重結合のモル数が、0.0011mol/gの側鎖にエチレン性不飽和基を有するポリマを得た。
(実施例4)
実施例4においては、本発明の永久レジスト用感光性フィルムを作製し、それを用いて永久レジスト用感光性樹脂組成物層を基板に形成後、その永久レジスト用感光性樹脂組成物層の高温耐湿性についてのPCT試験を行った。なお、感光性フィルムは、実施例1における永久レジスト用感光性樹脂組成物を用いて作製した。
(1)ガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板[銅箔の厚さ18μm、両面粗化箔を両面に有する日立化成工業株式会社製MCL−E−67(商品名)]にエッチングを施して片面に回路層を有するプリント配線板(回路板)を作製した。
(2)実施例1と同様の永久レジスト用感光性樹脂組成物をPETフィルム上に塗布し、80℃で20分乾燥し感光性フィルムを作製した。この感光性フィルムを、永久レジスト用感光性樹脂組成物層と回路板の回路層とが接するようにラミネータを用いて積層し、膜厚30μmの永久レジスト用感光性樹脂組成物層を形成した。
(3)永久レジスト用感光性樹脂組成物層にフォトマスクを介して、露光量200mJ/cm2の紫外線を照射した。さらに未露光部分を1重量%の炭酸ナトリウムを含んだ現像液を用いて30℃で1分間スプレー処理をし、評価基板を作製した。
(4)次に、基板上のレジスト(ソルダマスク)に対して、メタルハライドランプ型コンベア式露光機(ランプ出力80W/cm、ランプ高さ80cm、コールドミラーなし、コンベア速度1.5m/min)を用いて紫外線1000mJ/cmを照射して後露光を行った。
(5)更に、160℃で1hの後加熱を行うことによりネガマスクに相応するソルダマスク及びソルダマスクの形成された評価基板を得た。
(実施例5)
実施例1における永久レジスト用感光性樹脂組成物の(B)成分をイソシアヌレート環含有モノマ−(東亞合成株式会社製商品名M−215)とした以外は、実施例1と同様に評価基板を作製した。永久レジスト用感光性樹脂組成物の(A)成分及び(B)成分の合計量100重量部当り炭素−炭素二重結合の総モル数は、0.16モルであった。
(比較例1)
実施例1における永久レジスト用感光性樹脂組成物の(B)成分をエリトルトール系アクリレートモノマとした以外は、実施例1と同様に評価基板を作製した。永久レジスト用感光性樹脂組成物の(A)成分及び(B)成分の合計量100重量部当り炭素−炭素二重結合の総モル数は、0.31モルであった。
(比較例2)
実施例1における永久レジスト用感光性樹脂組成物の(A)成分の添加量を92重量部とし、(B)成分の添加量を8重量部とした以外は、実施例1と同様に評価基板を作製した。また、永久レジスト用感光性樹脂組成物の(A)成分及び(B)成分の合計量100重量部当り炭素−炭素二重結合の総モル数は、0.02モルであった。
(比較例3)
実施例3における永久レジスト用感光性樹脂組成物の(B)成分をエリトルトール系アクリレートモノマとした以外は、実施例1と同様に評価基板を作製した。また、永久レジスト用感光性樹脂組成物の(A)成分及び(B)成分の合計量100重量部当り炭素−炭素二重結合の総モル数は、0.31モルであった。
(比較例4)
実施例3における永久レジスト用感光性樹脂組成物の(B)成分の添加量を8重量部とした以外は、実施例1と同様に評価基板を作製した。また、永久レジスト用感光性樹脂組成物の(A)成分及び(B)成分の合計量100重量部当り炭素−炭素二重結合の総モル数は、0.02モルであった。
(比較例5)
実施例4において、用いた永久レジスト用感光性樹脂組成物の(B)成分をエリトルトール系アクリレートモノマとしたこと以外は、実施例4と同様に評価基板を作製した。また、永久レジスト用感光性樹脂組成物の(A)成分及び(B)成分の合計量100重量部当り炭素−炭素二重結合の総モル数は、0.31モルであった。
(比較例6)
実施例4において、用いた永久レジスト用感光性樹脂組成物の(B)成分の添加量を8重量部としたこと以外は、実施例4と同様に評価基板を作製した。また、永久レジスト用感光性樹脂組成物の(A)成分及び(B)成分の合計量100重量部当り炭素−炭素二重結合の総モル数は、0.02モルであった。
(高温耐湿性(耐PCT性))
得られた実施例1〜5及び比較例1〜6の評価基板を105℃、85%RHの高温高湿下に放置し、48時間後のレジストの変色及び界面での膨れの発生の有無について評価するPCT試験を行った。レジストの変色は外観を目視観察し、界面における膨れは実体顕微鏡(×40)にて観察し、それぞれ下記の基準で評価した。得られた結果を表2及び3に示す。
(レジストの変色)
○:塗膜表面に白化無し
×:塗膜表面に白化有り
(界面での膨れ)
○:界面での膨れ無し
×:界面での膨れ有り
(フィルム性)
実施例4、比較例5及び6において、実施例4の(2)に相当する工程において、フィルムが形成可能かどうか目視で確認した。得られた結果を表2及び3に示す。
Figure 2010055125
Figure 2010055125

表2及び3に示したように、実施例1〜5の永久レジスト用感光性樹脂組成物及び永久レジスト用感光性フィルムは各々比較例1〜6に比べて、耐PCT性(高温耐湿性)に優れていることが分かった。また、実施例4ではフィルム性に問題がなく、30μmの均一な感光性フィルムが得られることが確認された。
1・・・永久レジスト用感光性フィルム、2,3,4・・・プリント配線板、5・・・フォトマスク、11・・・支持体、12・・・永久レジスト用感光性樹脂組成物層、13・・・カバーフィルム、21・・・回路パターンを有しない導体層、22・・・絶縁基板、23・・・回路パターンを有する導体層、24・・・永久レジスト層、26・・・開口部。

Claims (10)

  1. (A)カルボキシル基を有するポリマと、(B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物と、(C)光重合開始剤と、を含み、
    前記(A)成分及び(B)成分の合計量100g当り、前記(A)成分及び(B)成分中の炭素−炭素二重結合の総モル数が0.05〜0.3モルであり、
    前記(B)成分が、ウレタン結合又はイソシアヌレート環を有する化合物であることを特徴とする永久レジスト用感光性樹脂組成物。
  2. 前記(B)成分が、イソシアヌレート環を有する化合物であることを特徴とする請求項1記載の永久レジスト用感光性樹脂組成物。
  3. 前記(A)成分が、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び共重合ビニルモノマ−の共重合体、又は、該共重合体の側鎖及び/又は末端にエチレン性不飽和結合を導入した共重合体であることを特徴とする請求項1又は2記載の永久レジスト用感光性樹脂組成物。
  4. 前記(B)成分の配合量が、前記(A)成分及び(B)成分の合計量100重量部に対して10〜80重量部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の永久レジスト用感光性樹脂組成物。
  5. 前記(B)成分の分子量が、200〜5000であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の永久レジスト用感光性樹脂組成物。
  6. 硬化後のガラス転移温度が、90℃以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の永久レジスト用感光性樹脂組成物。
  7. 支持体と、該支持体上に形成された請求項1〜6のいずれか一項に記載の永久レジスト用感光性樹脂組成物からなる永久レジスト用感光性樹脂組成物層と、を備えることを特徴とする永久レジスト用感光性フィルム。
  8. 前記永久レジスト用感光性樹脂組成物層上に、剥離可能なカバーフィルムを更に備えることを特徴とする請求項7記載の永久レジスト用感光性フィルム。
  9. 絶縁基板と該絶縁基板上に形成された回路パターンを有する導体層とを備える積層基板の前記絶縁基板上に、前記導体層を覆うように請求項1〜6のいずれか一項に記載の永久レジスト用感光性樹脂組成物からなる永久レジスト用感光性樹脂組成物層を形成し、該永久レジスト用感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射して露光部を形成し、次いで、該露光部以外を除去することを特徴とするレジストパターンの形成方法。
  10. 絶縁基板と該絶縁基板上に形成された回路パターンを有する導体層と、前記導体層を覆うように前記絶縁基板上に形成された永久レジスト層と、を備えるプリント配線板であって、
    前記永久レジスト層が、請求項1〜6のいずれか一項に記載の永久レジスト用感光性樹脂組成物の硬化物からなるものであり、前記永久レジスト層は、前記導体層の一部が露出するように開口部を有することを特徴とするプリント配線板。
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