JP2010054466A - 診断薬用吸収体 - Google Patents

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Abstract

【課題】体外診断薬の吸収体であって、特に、フロースルー法の簡易検査薬に使用され、メンブレン膜の発色を阻害せず、短時間処理を可能にする診断薬用吸収体を提供する。
【解決手段】採取した検体に標識抗体を反応させた後の希釈検体液を注ぐディバイスであり、そのディバイス内部は検体を固定化するメンブレン膜と吸収体からなるディバイスにおいて、該吸収体が少なくとも2層以上の構造体であり、吸収体の厚みが10mm以上、密度が0.1g/cm以下、吸水倍率が8以上であって、かつ、該吸収体のメンブレン膜と接触する第1層が、厚み1mm以下、密度0.2g/cm以下、吸水倍率3〜10であることを特徴とする診断薬用吸収体。
【選択図】なし

Description

本発明は、体外診断薬の吸収体に関するもので、特に、フロースルー法の簡易検査薬に使用される吸収体で、メンブレン膜の発色を阻害せず、処理時間を短縮できる吸収体に関する。
体外診断薬、特に、簡易検査薬が使用される検査においては、抗原抗体反応を用いる免疫学的な検査が採られることが一般的である。
その具体的な方法としては、血液、尿、痰、鼻汁、細胞などの検体を、酵素、貴金属コロイド、着色ラテックス、色素などの呈色識別物質で抗体を標識した標識抗体液と接触させた後、ディバイス内にある抗原を捕捉する抗ウイルス抗体を保持したメンブレン膜に滴下する。次いで、該メンブレン膜を洗浄し、さらに必要に応じて呈色の感度を上げる処理液を滴下して、メンブレン膜に保持された呈色程度を目視あるいは光学的な変化として測定し、抗体中の抗原の定性測定または定量測定を行う。
上記の検査方法を応用することで、ウイルス感染の有無、妊娠の判定、疾病の確認などを簡易且つ迅速に検査・診断することができ、そのための器具及びさまざまな簡易体外診断薬が開発され市販されている。
このような検査・診断において、用いられる吸収体としての機能は、検体液および標準抗体液を吸収すること、洗浄液で標準抗体液を吸収体内部に吸収して浸み込ますこと、呈色感度向上液を含めたこれら液体を保持することである。
吸収体としては、従来、脱脂綿、吸水紙、ろ紙、フェルト状繊維体、不織布などが使用されている(例えば、特許文献1、特許文献2等参照)。しかし、これらは吸収体としての機能が十分とは言えず、さらに優れた機能を有する吸収体が求められている。
また近年、簡易な体外診断では検知することが難しかったウイルスやタンパク質などを、微量でも検知できる方法が提案されているが、現状の吸収体では、表層に微量な標識抗体が残留し、それが着色されるので、目視判定や光学的判定の際、メンブレン膜が着色していると判断され、偽陽性になるという問題が指摘されている。
この点を改良するために、吸収体の表層を疎水化すると、メンブレン膜の吸収性に影響がでてしまい、液の浸透に時間がかかり診断時間が延びてしまうだけでなく、液の拡散により標識抗体がメンブレン膜上に広がってしまい、呈色濃度も低下するという問題がある。
以上のように、現在、高感度な簡易診断薬用の吸収体として満足できるものは提案されていないのが現状である。
特開2004−245818号公報 国際公開WO2004/081568号公報
本発明は、種々の標識抗体が吸収体の表層に残留せず、かつ、十分な浸透速度および保液性を有する診断薬用吸収体を提供することを目的とする。さらに詳しくは、特定の厚みおよび密度を有し、吸収体の表層における適度な保液性とともに、吸収体全体の液浸透性および保液性を確保することにより、標識抗体の表層吸着を抑制し、かつ、洗浄液による洗浄効率的を高めた診断薬用吸水体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために検討した結果、異なる吸液性、保液性を有する層からなる層状構造の吸収体とすることにより、表層に吸着が起こりにくく、かつ、十分な吸収性が得られ、その結果、吸収体の表層(第1層)の呈色が抑制され、かつ、メンブレン膜の吸収が阻害されないため、正確かつ短時間の検査が可能となることを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は下記の通りである。
1.採取した検体に標識抗体を反応させた後の希釈検体液を注ぐディバイスであり、そのディバイス内部は検体を固定化するメンブレン膜と吸収体からなるディバイスにおいて、該吸収体が少なくとも2層以上の構造体であり、吸収体の厚みが10mm以上、密度が0.1g/cm以下、吸水倍率が8以上であって、かつ、該吸収体のメンブレン膜と接触する第1層が、厚み1mm以下、密度0.2g/cm以下、吸水倍率3〜10であることを特徴とする診断薬用吸収体。
2.前記吸収体のメンブレン膜と接触する第1層が、セルロース繊維および疎水性繊維を含有する不織布であって、セルロース繊維比率が50〜90wt%であり、通液性が3〜15秒の範囲であることを特徴とする上記1に記載の診断薬吸収体。
3.前記吸収体が、第1層、第2層及び第3層からなる3層構造であって、第2層の吸水倍率が5〜10未満、第3層の吸水倍率が10以上であって、吸水倍率が第1層<第2層<第3層であることを特徴とする上記1または2に記載の診断薬吸収体。
以下、本発明について詳述する。
診断薬用吸収体において、メンブレン膜と接触する表層(第1層)に標識抗体が吸着すると、呈色時に吸収体で発色してしまうため、メンブレン膜の呈色と区別しにくい。また、吸収体の親水性が少ないと、メンブレン膜からの吸水力が低下してしまい液抜けが悪く、呈色不良や液の浸透が遅くなり、検査時間が長くなるという問題がある。
上記のような問題に鑑み、本発明の吸収体は、特定の厚み、密度、吸収倍率を有する。
本発明において、吸収体の厚みは、荷重を加えない状態で10mm以上である。吸収体の厚みは、ディバイスの大きさや吸収される薬剤の量により適宜変えることができるが、好ましくは15〜30mmである。
吸収体の密度は、繊維の充填度合いを表すもので、本発明においては0.1g/cm以下であり、好ましくは0.05〜0.08g/cmである。密度が0.1g/cmを越えると、繊維が密の状態であるため、検査液や洗浄液が下層(厚み方向)に流れにくくなって横方向に広がり、標準抗体が表層に残留しやすく、また、洗浄液による洗い流し効果も悪くなって呈色不良を生じる。
吸収体の吸水倍率は8以上であり、好ましくは9〜20である。吸収体の吸水倍率が8未満の場合は、メンブレン膜からの吸水性が不十分となり、陰性時に洗い流されるべき標準抗体がメンブレン膜に残り、誤った呈色(偽陽性)を生じたり、検査時間が長くなってしまう。
本発明の吸収体において、メンブレン膜と接触する第1層(表層)は、親水性能と厚みのバランスに従ってメンブレン膜から液を吸収し、かつ、標準抗体を保持しにくいことが好ましいので、このような観点から、前記第1層の吸水倍率は3〜10であり、好ましくは4〜8である。吸水倍率が10を超えると、吸液時に液が繊維内部にまで取り込まれるので、標準抗体が表層に残留しやすく、呈色不良になるだけでなく、メンブレン膜にぬれ戻りを生じ、液抜け性が不良になる。吸水倍率が3未満であると、メンブレン膜からの液の浸み込みが阻害されるため、吸液性が不良となり使用できない。
前記第1層の密度は0.2g/cm以下であり、好ましくは0.05〜0.15g/cmである。第1層の密度が0.2g/cmを越えると、通液性が低下し、保液量が増大するという問題が生じる。また、前記第1層の厚みは、第2層(内部層)に液を浸透しやすくするために、1mm以下であり、好ましくは0.2〜0.5mmである。
前記第1層は、セルロース繊維および疎水繊維を含有する不織布であることが好ましく、セルロース繊維比率が50〜90wt%であることが好ましい。また、前記第1層の通液性は3〜15秒であることが好ましい。通液性が3〜15秒であれば、実質希釈検体液の通過性がメンブレン膜により支配されるので好ましい。ただし、3秒未満であると、第1層から第2層への液浸透が早くなりすぎる傾向がある。
セルロース繊維としては、例えば、綿、パルプ、麻、キュプラ、ビスコースレーヨン、ポリノジックレーヨン、ライオセル(LYOCELL;例えば、繊維学会誌(繊維と工業)48、〔11〕、第584−591頁(1992)に記載されているコートルズ社の商品名「テンセル」)などが挙げられ、これらの一種又は二種以上を用いてもよい。また、疎水性繊維としては、例えば、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、アクリル系等の合成繊維が挙げられ、これらの一種又は二種以上を用いてもよい。
上記のセルロース繊維と疎水繊維を混合する方法は特に限定されないが、例えば、両者を予め混合し、ニードルパンチ法、ウォーターパンチ法、エアーレイド法、抄造法、バインダー法など公知の方法でシート化することができる。あるいは、セルロース繊維不織布および疎水性繊維不織布を使用し、ウォーターパンチ法、ニードルパンチ法等で張り合わせる方法、または、接着樹脂や熱融着樹脂等で張り合わせてシート化する方法が挙げられる。
また、前記第1層の表層部に、特定物質が吸着するのを防止するための薬剤を含有させてもよく、あるいは、親水性のコントロールやメンブレン膜の視認性向上のため、界面活性剤、繊維固定用樹脂、顔料、染料などを含有させてもよい。
本発明の吸収体は、3層構造であることが好ましい。3層構造の場合は、内部層(第2層および第3層)は表層(第1層)より速やかに吸液するとともに、下層に液を送るため、親水性と嵩高性が必要になる。したがって、第2層の吸水倍率が5〜10未満、第3層の吸水倍率が10以上であって、吸水倍率が第1層<第2層<第3層であることが好ましい。
吸水倍率が第1層<第2層<第3層であると、第3層が保液性及び拡散性が大であるため、液が第1層から第2層へ引き込まれ、更に第3層に移行するため、標準抗体が第1層や第2層に残りにくく、液の浸透速度が早くなるので好ましい。
3層構造の吸収体において、内部層(第2層および第3層)に使用されるシートは、親水性繊維、疎水性繊維あるいは熱融着性繊維等を混合したシート等が挙げられる。
親水性繊維としては、例えば、綿、パルプ、麻、キュプラ、ビスコースレーヨン、ポリノジックレーヨン、ライオセルあるいは、ポリオレフィン繊維やポリエステル繊維を親水化処理したものなどが挙げられ、これらの一種又は二種以上を用いてもよい。また、疎水性繊維としては、例えば、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、アクリル系等の合成繊維が挙げられ、これらの一種又は二種以上を用いてもよい。
用いる繊維の長さ、太さ(繊維径)、形状は特に限定されないが、ニードルパンチ法やウォーターパンチ法で製造する場合は、長さは20〜100mm程度が好ましく、あるいは連続長繊維であることが好ましく、繊維直径は2〜30μm程度が好ましい。
シートの製造方法は特に限定されないが、ニードルパンチ法、ウォーターパンチ(水交絡)法、エアーレイド法、抄造法、バインダー法など公知の方法で製造することができる。特に好ましい製造方法としては、嵩高に製造できるニーパン不織布やエアースルー不織布などが挙げられる。
また、前記内部層には、親水性のコントロール、保液性向上のため、各種薬剤や粉体を含有させても良い。例えば、界面活性剤、繊維を固定するための樹脂、抗菌剤、防腐剤、酸化防止剤などを含有させることができる。
本発明の吸収体は、採取した検体に標識抗体を反応させた後の希釈検体液を注ぐディバイスの内部に固定されて、検体を固定化するメンブレン膜と接触して使用されるもので、ディバイスに検体液が注ぎ込まれる上部より、メンブレン膜、吸収体(第1層、第2層、第3層)の順に接触して配置されている。吸収体の各層は、予め接着あるいは積層されていることが作業性の点では好ましいが、ディバイス内で積み上げて積層しても構わない。
接着する方法は特に限定されないが、通液性や吸収性を阻害しない方法で行う必要があり、例えば、ポリエチレンやエチレン酢ビ系などのホットメルトパウダー、ネット状シートを用いて熱接着する方法、アクリル系樹脂やPVA樹脂等を接着剤として部分的に接着する方法、ニードルパンチやウォーターパンチ等によって物理的に交絡一体化する方法などが挙げられる。
本発明において、使用される希釈検体液、ディバイス形状、メンブレン膜、標準抗体は、公知のものが使用でき、限定されるものでない。また、希釈検体液は、標識抗体の他に、薄め液、各種界面活性剤、塩分等を添加する場合もあり、滴下前に、検体採取時の固形物や標準抗体に含まれるコンタミ成分等を除去するため、ガラス繊維や濾紙フィルターなどで濾過して使用しても良い。
本発明の吸収体は、異なる吸液性、保液性を有する層からなる層状構造体とすることで、吸収体として十分な吸収力を有すると同時に、表層(第1層)には吸着が起こりにくい。そのため、本発明の吸収体を体外診断薬用吸収体として用いることにより、メンブレン膜の吸収が阻害されず、吸液不良および吸収体表層の呈色に起因する偽陽性や偽陰性が起こりにくく、正確かつ短時間の検査が可能となる。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。なお、測定方法、評価方法等は下記の通りである。
(1)厚み(mm)
ノギスを用いて、接圧がほぼ0の条件で測定を実施した。
(2)目付け(g/m
0.05m以上の面積の不織布を、105℃で一定重量になるまで乾燥後、20℃、65%RHの恒温室に16時間以上放置してその重量を測定し、不織布の単位面積当たりの重量(g/m)を求めた。
(3)密度(g/cm
上記(1)および(2)で測定した、厚みおよび目付けより算出した。
(4)吸水倍率
吸収体を、20℃65%RHに制御された室内に15時間放置して調湿し、10cm角に切断したサンプルを秤量した(W(g)とする)。
線径0.5mm、10メッシュの金網上にサンプルを置き、金網ごと20℃の水中へ30秒浸漬する。その後、サンプルを金網上で水平に保ったまま空中で10分間放置して水切りを行い、再度、秤量し(W(g)とする)、次式で吸水倍率を求めた。
吸水倍率=(W−W)/W
(5)通液性
長さ200mm、内径6mmφのガラス管の下部に50mm高さに純水を入れ、ガラス管上部を気密にすることで水を固定し、軽く吸収体表面(第1層側)に接触させ後、ガラス管上部の気密を解除し、水の高さが0になる時間(秒)で表示した。
ただし、水が吸収体内部に浸透しにくい場合は、第1層の上部を伝って流れてしまわないように、ガラス管を吸収体第1層に食い込ますようにして測定した。
次に、本発明の実施例の評価に使用される部材、検査液について説明する。
(a)抗体固定化メンブレン膜
ニトロセルロースメンブレン膜(ポアサイズ60μm)上に、マウス抗インフルエンザA型ウィルス抗体液を、直径4mmの点状になるように塗布して乾燥を行い、マリアリムAFB−1521およびトリス塩酸緩衝液によりブロッキングし、抗体固定化メンブレン膜を得た。得られた抗体固定化メンブレン膜を、塗布場所が中点になるように、15mm角の正方形になるようにサンプリングした。
(b)標識抗体
およそ60nmの金コロイドと、上記抗体固定化メンブレン膜に使用した抗体とは別のエピトープを認識する抗体を、ホウ酸緩衝液(PH9.0)中で混合した後、BSA10%水溶液を添加してブロッキングを行った後、遠心分離により標識抗体を得た。
(c)発色用希釈検査液
上記標識抗体を、0.2%Tween20、1%スクロースおよび0.2BSAを含むPBSに混合し、A型インフルエンザ精製抗原(Kitakyusyu/159/93株由来)を含む希釈検体液(ウィルスをTCID50/test単位で1×10〜1×10の濃度)を添加し、調整した。
(d)洗浄液
ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル0.1%液を含む洗浄液を使用した。
(e)ディバイス
図1に示すような、ディバイス筐体上部及びディバイス筐体下部からなるディバイスを用いた。吸収体の収納スペースは、縦2cm、横2.5cm、深さ10mmのサイズとした。その際、吸収体の上に上記(a)の抗体固定化メンブレン膜を配置し、抗体固定化メンブレン膜に希釈検査液が流れるように、ディバイス上面に直径10mmの検査液の注ぎ口を設けた。注ぎ口は、検査液が溜められるように開口部が狭くなりながら筐体上部を貫通しており、筐体下部と接触する面における開口部は4mm四方の正方形であった。
上記の部材および検査液を使用し、発色性の指標を以下の方法で確認した。
上記(a)の抗体固定化メンブレン膜に、上記(c)の発色用希釈検査液(抗原:なし、1×10、1×10)を抗体液塗布面に3滴(90μl相当)滴下し、5分間放置後、塗布面以外が目視で着色がなくなるまで洗浄液で洗った。
その際、塗布面での発色状態を目視で判断し、以下の指標(着色レベル:0〜4の5段階)を設けた。
抗原なし …着色レベル:0
1×10…着色レベル:2
1×10…着色レベル:4
(6)ディバイスを用いた性能試験(検査液吸収性、発色性、汚染性)
上記(e)のディバイス内に、吸収体および抗体固定化メンブレン膜を設置し、ディバイス上面のカバーを取り付けた。
次に、ディバイス上面の注ぎ口に、各濃度の抗原を入れた発色用希釈検査液(上記(c))100μlを、ビューレットで一気に注ぎ、その際の吸収性を目視評価した。
(イ)検査液吸収性
約1分後、ディバイスのカバーを外し、検査液が15mm角の抗体固定化メンブレン膜を通過せずこぼれた跡(着色が端面に付着)がある場合や吸収体の表層に検査液が吸収されていない場合を(×)と判定した。(それ以外の場合を(○)と判定した。)
次に、洗浄液300μlを3回に分けて1分毎に注ぎ、5分後、ディバイス上部の注ぎ口カバーを外し、抗原濃度毎の発色性および耐汚染性を確認した。
(ロ)発色性
抗体固定化メンブレン膜の抗体塗布面について、上記の着色指標に基づき判定した。
抗原なしの検査液では着色レベル0となり、1×10の検査液では着色レベル2となり、1×10の検査液では着色レベル4になるのが正常状態として、着色程度を指標に照らし判断した。正常状態と2ランク違う場合は、偽陽性や偽陰性の評価となるため不合格(×)とした。
(ハ)汚染性
抗体固定化メンブレン膜の抗体塗布面以外で発色している箇所を調べた。
発色箇所がない場合は0、発色があれば、着色箇所について上記の着色指標に基づき判定し、2以上の場合は不合格と評価した。
[実施例1〜3]
表1−1〜1−3に示す各種材料シートを用いて層状構造の吸収体を作成した。各層は、接着剤を使用せず、重ねあわせとした。
表中のニーパン不織布は、レーヨン、PP(ポリプロピレン)は2.2dtex、長さ51mm長の繊維を使用し、カーディングおよびニードルパンチ法によりシートを得た。各種材料シートの性能を表1−1〜1−3に示す。
次に、ディバイスを用いて性能評価を実施した。その結果を表2に示す。
本発明の吸収体(実施例1〜3)は、適正な検査薬の吸収性を示し、且つ、メンブレン膜での発色を阻害せず、予期した通りの発色を示し、メンブレン膜の汚染も起こさなかった。
[比較例1〜4]
表1−4〜1−7に示す各種材料シートを用いて層状構造の吸収体を作成した。各層は、接着剤を使用せず、重ねあわせとした。
表中のニーパン不織布は、レーヨン、PP(ポリプロピレン)は2.2dtex、長さ51mm長の繊維を使用し、カーディングおよびニードルパンチ法によりシートを得た。また、熱圧着不織布は、PET(ポリエステル)・PE(ポリエチレン)の2.2dtex、長さ38mmの2成分繊維および上記レーヨン繊維を使用し、カーディングおよび熱圧着によりシートを得た。各種材料シートの性能を表1−4〜1−7に示す。
次に、ディバイスを用いた性能評価を実施した。その結果を表2に示す。
その結果、比較例1については、吸収体を単層で使用したが、液の浸透が不十分となり、発色性の点でも不合格となることが判った。
比較例2については、第1層にセルロース100%を使用したため、標識抗体の吸着およびメンブレン膜への濡れ戻りが生じ、発色性や耐汚染性の点で不合格になった。
比較例3については、第1層の吸液性が不十分のため、標識抗体が吸収層に浸透せず、発色、耐汚染性とも不合格の結果となった。
比較例4については、第2層の吸収倍率が低く、全体の吸収倍率が低く、検査液の吸収性は合格レベルであったが、第2層の上部に標準抗体が留まり、発色してしまう点およびぬれ戻りによって第1層およびメンブレン膜が汚染しているため、発色性、耐汚染性で不合格の結果となった。
本発明の吸収体は、異なる吸液性、保液性を有する層からなる層状構造体とすることで、吸収体として十分な吸収力を有すると同時に、表層(第1層)には吸着が起こりにくい。そのため、本発明の吸収体を体外診断薬用吸収体として用いることにより、メンブレン膜の吸収が阻害されず、吸液不良および吸収体表層の呈色に起因する偽陽性や偽陰性が起こりにくく、正確かつ短時間の検査が可能となる。
Figure 2010054466
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診断薬用吸収体の性能試験をするために用いるディバイスの一例を概略的に示す図である。
符号の説明
1 メンブレン膜
2 診断薬用吸収体
3 ディバイス筐体上部
4 ディバイス筐体下部
5 検査液の注ぎ口

Claims (3)

  1. 採取した検体に標識抗体を反応させた後の希釈検体液を注ぐディバイスであり、そのディバイス内部は検体を固定化するメンブレン膜と吸収体からなるディバイスにおいて、該吸収体が少なくとも2層以上の構造体であり、吸収体の厚みが10mm以上、密度が0.1g/cm以下、吸水倍率が8以上であって、かつ、該吸収体のメンブレン膜と接触する第1層が、厚み1mm以下、密度0.2g/cm以下、吸水倍率3〜10であることを特徴とする診断薬用吸収体。
  2. 前記吸収体のメンブレン膜と接触する第1層が、セルロース繊維および疎水性繊維を含有する不織布であって、セルロース繊維比率が50〜90wt%であり、通液性が3〜15秒の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の診断薬吸収体。
  3. 前記吸収体が、第1層、第2層及び第3層からなる3層構造であって、第2層の吸水倍率が5〜10未満、第3層の吸水倍率が10以上であって、吸水倍率が第1層<第2層<第3層であることを特徴とする請求項1または2に記載の診断薬吸収体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020030178A (ja) * 2018-08-24 2020-02-27 国立大学法人 東京大学 対象の皮膚情報を検査するための検査キット

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