JP2010052981A - 光学素子成形型の製造方法、光学素子成形型および光学素子 - Google Patents

光学素子成形型の製造方法、光学素子成形型および光学素子 Download PDF

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Abstract

【課題】少ない回数の型修正により最適な成形型が得られる光学素子成形型の製造方法を提供する。
【解決手段】所定形状の光学素子を成形するための光学素子成形型の製造方法であって、所定形状に対応するベース成形面を有するベース型を用いて成形した成形品の光学面の形状を測定する工程と、ベース成形面の形状を入力側形状とし、ベース型により成形された成形品の光学面の形状を出力側形状とした場合において、入力側形状および出力側形状の形状差に基づく伝達関数を算出する工程と、伝達関数と所定の形状とに基づいて本型用成形面の形状を決定する工程とを備えて構成される。
【選択図】図2

Description

本発明は、光学用レンズ等の光学素子の成形に用いられる光学素子成形型の製造方法、および光学素子成形型に関する。さらに、この光学素子成形型を用いて成形された光学素子に関する。
従来は、成形用金型(以下、成形型と称する)を利用して光学素子を製造する場合、成形型を所望の形状に作成しても、この成形型から転写される成形品は成形の際に生じる熱収縮などによって変形するため、設計された成形型から所望の光学面形状を有する光学素子を得ることが困難であった。このため、成形型のベースとなるベース型を用い成形して得られる成形品の形状を所望の光学素子の形状(設計形状)に近づけるために、光学素子の光学面全体を一律の収縮率であると仮定した収縮率から成形型の修正形状を予測することにより、最適な成形型を得ることが行われていた(例えば、特許文献1を参照)。
特開2006−96566号公報
しかしながら、上記従来の方法では、成形型の修正形状を正確に決定することが難しく、ベース型により成形された成形品と、所望の光学素子の形状とを比較して得られる形状誤差をもとに、ベース型の修正を繰り返し行って成形型の修正形状とする必要があり、少ない修正回数で所望の形状の光学素子を成形可能な成形型を得ることができなかった。このため、ベース型の修正回数が多くなると光学素子の量産にあたり、開発期間の増大による量産開始時期の遅延や、成形型の製造コストアップに繋がってしまうという問題があった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、少ない回数の型修正により最適な成形型が得られる光学素子成形型の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る光学素子成形型の製造方法は、所定形状の光学素子を成形するための光学素子成形型の製造方法であって、所定形状に対応する第1成形面を有する仮型を用いて成形した成形品の光学面の形状を測定する工程と、第1成形面の形状を入力側形状とし、仮型により成形された成形品の光学面の形状を出力側形状とした場合において、入力側形状および出力側形状の形状差に基づく伝達関数を算出する工程と、伝達関数と所定の形状とに基づいて第2成形面の形状を決定する工程とを備えて構成される。
なお、上述の発明において、伝達関数は、第1成形面の形状を表す方程式と成形品の光学面の形状を表す方程式とをそれぞれラプラス変換することにより求められることが好ましい。
また、上述の発明において、方程式は、第1成形面の形状と成形品の光学面の形状とを所定の多項式にそれぞれカーブフィッティングすることにより求められることが好ましい。
さらに、上述の発明において、第2成形面の形状は、所定の形状を表す方程式をラプラス変換して得られた第1の変換式と伝達関数とに基づいて算出された第2の変換式を逆ラプラス変換することにより求められることが好ましい。
また、上述の発明において、第2成形面の形状に基づいて、仮型の第1成形面を修正加工することにより本型を製造することが好ましい。
さらに、上述の発明において、成形品の光学面の形状は、仮型を用いて成形を繰り返し行って得られた複数の成形品における光学面の形状ばらつきが、予め定められた許容範囲内のときは複数の成形品のうちのいずれか1つの成形品の光学面の形状が用いられ、許容範囲外のときには複数の成形品の光学面の形状を平均化して得られた形状が用いられることが好ましい。
また、上述の発明において、光学素子は、直径が30mm以上50mm以下の断面円形状であることが好ましい。
さらに、上述の発明において、成形品の成形は加熱と加圧により行われ、形状差は熱収縮と除圧によるものを含むことが好ましい。
また、上述の発明において、光学素子は、光軸を中心とする半径方向に軸対称な形状であることが好ましい。
また、本発明に係る光学素子成形型は、上記構成の光学素子成形型の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする。
さらに、本発明に係る光学素子は、上記構成の光学素子成形型を用いて成形されたことを特徴とする。
本発明では、少ない回数の型修正で設計値に近い光学面形状を有する成形品を成形できる成形型が得られるため、成形型の製作までの時間やコストを従来に比べ大幅に低減することが可能となる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。図1には、本実施形態の光学素子成形型の製造方法によって製造される成形型が示されている。この成形型は、光軸を中心とする半径方向に軸対象な光学機能面(以下、光学面と称する)を有するガラスレンズ17の成形用金型であり、スリーブ11、第1の型部材(上型)13および第2の型部材(下型)15を有している。これらスリーブ11、第1の型部材13および第2の型部材15は、セラミック、金属等の材料からなる。
スリーブ11は、上下方向に延びる中心軸CLを中心にして回転対称形状を有する円筒状に形成されている。ここで回転対称形状とは中心軸CLを中心にしてスリーブ11を回転したときに任意の角の回転に対して不変であることをいう。スリーブ11の中心には、上下に面取部11b,11cを有する円柱状の貫通穴11aが上下方向に延びて形成されている。
第1の型部材13は横断面円形状の基部13aと成形部13bとを有している。第1の型部材13は中心軸CLを中心にして回転対称形状を有している。ここで回転対称形状とは中心軸CLを中心にして第1の型部材13を回転したときに任意の角の回転に対して不変であることをいう。この実施形態では、基部13aと成形部13bとが一体的に形成されている。
成形部13bの先端はスリーブ11の貫通穴11aの上部に嵌挿されており、基部13aの下端とスリーブ11との間には所定の間隙Cが形成されている。成形部13bの先端にはガラスレンズ17を成形するため非球面形状の成形面13cが形成されている。基部13aの上部には円環状のフランジ部13dが形成されており、成形装置の支持部材19に固定される。
第2の型部材15は横断面円形状の基部15aと成形部15bとを有している。第2の型部材15は中心軸CLを中心にして回転対称形状を有している。ここで回転対称形状とは中心軸CLを中心にして第2の型部材15を回転したときときに任意の角の回転に対して不変であることをいう。この実施形態では、基部15aと成形部15bとが一体的に形成されている。
成形部15bの先端はスリーブ11の貫通穴11aの下部に嵌挿されており、基部15aの上端はスリーブ11の下端に当接されている。成形部15bの先端にはガラスレンズ17を成形する非球面形状の成形面15cが形成されている。基部15aの下部には円環状のフランジ部15dが形成されており、成形装置の押圧部材21に固定される。
このように構成された成形型は、押圧部材21を下方に移動しスリーブ11および第2の型部材15を、第1の型部材13から離反させた状態でスリーブ11内にガラスレンズ17を収容する。このガラスレンズ17は予め球面状に成形され室温もしくは所定温度に維持されている。
そして、押圧部材21を上方に移動し、例えば図1に示したような状態で、ヒータ(図示しない)によりスリーブ11、ガラスレンズ17、第1の型部材13および第2の型部材15が、例えば600℃程度の所定温度(例えば、ガラスレンズの場合は500〜700℃程度、プラスチックレンズの場合は100〜200℃程度)になったところで、押圧部材21により第2の型部材15を介してガラスレンズ17を所定の圧力で加圧する。これにより、ガラスレンズ17が非球面形状に成形される。なお、ガラスレンズ17に印加する所定の圧力(プレス圧)は、成形する光学素子の形状、大きさ、材質などに応じて任意に設定することができる。
この後、押圧部材21による加圧力と型温度を制御しながら約550℃まで温度を下げた後に、例えば押圧部材21に形成される貫通穴21aから冷却空気または窒素等のガスGを供給することによりスリーブ11、ガラスレンズ17、第1の型部材13および第2の型部材15を冷却する。そして、成形されたガラスレンズ17が例えば200℃程度の所定温度になったところで、押圧部材21を下方に移動しガラスレンズ17を取り出し成形を終了する。
これにより、ガラスレンズ17には、その上面に第1の型部材13の成形面13cの表面形状(非球面形状)が転写されて上面側の光学面が形成され、また、ガラスレンズ17の下面に第2の型部材15の成形面15cの表面形状(非球面形状)が転写されて下面側の光学面が形成される。
このとき一般に、成形面13c,15cの表面形状が転写された成形品(ガラスレンズ17)の光学面形状は、成形収縮(冷却による成形体の体積収縮に基づく表面形状の変化)によって、ほぼ正確に転写されたはずの成形面13c,15cの表面形状とは異なる形状に変形してしまう。すなわち、成形型の成形面13c,15cを所望の光学面形状(設計形状)と同一形状に形成したとしても、この成形型によって成形した成形品の光学面形状は成形収縮による影響を受けて所望の光学面形状とは異なる形状に変形する結果となる。そこで、成形収縮による変形の有無に拘らず、所望の光学面形状(設計形状)を成形するのに最適な成形型の成形面形状を得ることができるように構成されたのが、詳細は次述する本実施形態の光学素子成形型の製造方法である。
次に、本実施形態の光学素子成形型の製造方法について図2〜4を用いて説明する。図2は本実施形態の光学素子成形型の製造方法を説明するフローチャートを示し、図3は本実施形態に適用される製造システムのブロック図を示し、図4は演算処理装置におけるカーブフィッティングや逆ラプラス変換の処理を説明するための模式図を示す。なお、図2のフローチャートでは、成形型のうち第1および第2の型部材13,15を製造する方法について示している。
成形型を製造するための製造システム30は、図3に示すように、成形型の成形面や成形品の光学面形状などの表面形状を測定する形状測定装置40、この形状測定装置40に電気的に接続されデータの送受信可能な演算処理装置50、および演算処理装置50に電気的に接続され演算処理装置50からの指令によって成形型を加工する数値制御加工機(NC加工機)60などを備えて構成される。また、演算処理装置50は、第1〜第5演算部51〜55を有しており、各演算部51〜55により所望の成形面形状を導出するための各種演算処理が行われる。
また、一般に光学用レンズ等の軸対象な光学面形状は、光軸を中心とする半径方向(レンズ半径方向)にx軸を、光軸方向(レンズ厚さ方向)にy軸を設定すると、光軸からの距離がxのとき光学面上のy座標は、多項式として、
y=A+A+・・・・・+A …(a)
で表すことができ、本製造システム30では成形型の成形面および成形品の光学面の表面形状をこの多項式(a)を用いて処理するようにしている。なお、ここでAは各次数項での係数、nはxの次数である。それでは、本実施形態の製造方法を図2のフローチャートに沿って説明する。
まず、所望のレンズの設計形状(光学面形状)に対応する成形面形状を有するベース型(仮型)を用意し、このベース型の成形面(以下、ベース成形面と称する)の表面形状を形状測定装置40により測定し、ベース成形面の表面形状を表す500〜600点の点列データを生成する(ステップS1)。測定が行われると、演算処理装置50の第1演算部51がこの点列データを形状測定装置40から受信し、図4(A)に示すように、ベース成形面の表面形状を表す点列データを上記の多項式(a)にカーブフィッティングする処理を行うことにより、ベース成形面の表面形状が次式で表されるようになる(ステップS2)。
y=B+B+・・・・・+B =mold(x)
すなわち、各次数項での係数がB,B,…,Bとして求められることとなる。
そして、第2演算部52による演算処理によって、この多項式mold(x)がラプラス変換され、次式で表現されるs平面上の式に変換される(ステップS3)。
mold(s)=B×2!/s+B×3!/s+・・・・・+B×n!/sn+1
ここで、sはラプラス変換の演算子である。
次いで、成形装置によりベース型を用いて成形を行った後、このベース型による成形品の表面形状を形状測定装置40で測定して、成形品の光学面形状を表す点列データを生成する(ステップS4)。そして、演算処理装置50の第1演算部51がこの点列データを形状測定装置40から受信して、図4(B)に示すように、ベース型による成形品の光学面形状を表す点列データを多項式(a)にカーブフィッティングする処理を行うことにより、この光学面形状が次式で表されるようになる(ステップS5)。
y=C+C+・・・・・+C =lens(x)
すなわち、各次数項での係数がC,C,…,Cとして求められることとなる。
そして、第2演算部52による演算処理によって、この多項式lens(x)がラプラス変換され、次式で表現されるs平面上の式に変換される(ステップS6)。
lens(s)=C×2!/s+C×3!/s+・・・・・+C×n!/sn+1
ここで、sはラプラス変換の演算子である。
次いで、ステップS3,S6においてそれぞれ算出されたラプラス変換式mold(s)およびlens(s)のうち、ベース成形面の表面形状を表す変換式mold(s)を入力側の式とし、ベース型により成形された成形品の光学面の表面形状を表す変換式lens(s)を出力側の式として、第3演算部53による演算処理によって、これら入出力の関係を表現する伝達関数G(s)を求める(ステップS7)。伝達関数G(s)は、mold(s),lens(s)の比として次式(b)のように定義される。
G(s)=lens(s)/mold(s) …(b)
このため、ステップS3,S6においてそれぞれ求められた変換式mold(s)およびlens(s)を伝達関数を定義する上式(b)に代入することにより、伝達関数G(s)を得ることができる。
このとき、成形において、成形圧力、成形温度、成形時間、冷却速度などの成形条件等の再現性が確保されているならば、成形面形状とこれが転写された光学面形状との間の入出力の関係を表現する伝達関数G(s)は不変であるといえる。すなわち、所望のレンズの設計形状(光学面形状)を表す多項式をラプラス変換した式をtarget(s)とし、この所望のレンズを成形するための本型(本成形型)の成形面形状を表す多項式をラプラス変換した式をnewmold(s)とした場合に、ベース型による成形の成形条件等と本型による成形の成形条件等との間の成形における再現性が確保されていれば、上記入出力の関係が維持されこの伝達関数G(s)はnewmold(s),target(s)の比として、前述した式(b)と同様にして次式(c)で定義することができる。
G(s)=target(s)/newmold(s) …(c)
したがって、伝達関数G(s)およびtarget(s)が求められれば上式(c)に代入して演算処理をすることにより、本型の成形面形状を表す変換式newmold(s)を導出することができることになる。
このことから、次に、所望のレンズの設計形状(光学面形状)を表す既知の多項式target(x)のデータを演算処理装置50に入力し、この多項式target(x)を第2演算部52による演算処理によってラプラス変換してs平面上の式で表現した変換式target(s)を算出する(ステップS8)。なお、このとき、多項式target(x),target(s)は、例えば、次式のような多項式で表される。
target(x)=D+D+・・・+D
target(s)=D×2!/s+D×3!/s+・・・+D×n!/sn+1
なお、ここで、Dは各次数項での係数である。
そして、第4演算部54における演算処理によってステップS7で算出された伝達関数G(s)と、ステップS8において算出された所望のレンズの設計形状(光学面形状)を表す変換式target(s)とが上式(c)に代入されることにより、本型の成形面形状を表す多項式のラプラス変換式が得られる(ステップS9)。
newmold(s)=target(s)/G(s)
続いて、この変換式newmold(s)を第5演算部55により逆ラプラス変換する処理を行うことにより、図4(C)に示すように、目的とする本型の成形面形状を表す(xy座標系における)多項式を最終的に導き出すことができる(ステップS10)。
そして、このようにして求められた本型の成形面形状を表す多項式(形状データ)に基づいて、数値制御加工機60を用いて本型を実際に加工する(ステップS11)ことにより、所望の光学面形状を形成可能な成形面を有する本型を得ることができる。また、この本型を用いて、上述したような成形装置により成形を行うことで所望の光学面を有するガラスレンズ17を得ることができる。
ここで、従来技術においても述べたような型修正を複数回行って得られた本型の成形面形状と、本実施形態の製造方法により1回の型修正で得られた本型の成形面形状との差を測定した結果のグラフを図5に示す。この図5に示すように、両形状の差は0.1μm以下の微差であり、本型を製造する過程において型修正回数を1回に低減可能なことが確認できる。
なお、上述した実施形態において、本型はベース型を利用してベース成形面を修正加工することにより得るものでもよく、また、新しい型材料を用いて成形面形状を加工して得るようにしてもよい。
また、上述した実施形態におけるステップS4において、ベース型により成形された成形品(光学面)のサンプリングは、例えば、以下のようにして行われることが好ましい。まず、ベース型による成形を繰り返し行って複数個の成形品を用意し、これら複数の成形品の光学面形状を形状測定装置40によりそれぞれ測定する。そして、測定された各成形品の光学面形状のばらつきが、過去の成形データ等の蓄積などから得られた成形精度のばらつきの許容範囲を超えるか否かを基準として成形条件等の再現性が確保されているか否かを判定する。この結果、ばらつきが許容範囲内であれば成形における再現性が良好に確保されているものとみなし複数の成形品のうちのいずれか(任意の)1個の光学面形状を多項式にカーブフィッティングしてlens(x)を算出する。一方、ばらつきが許容範囲外であった場合には、成形における再現性の程度が低いとみなして、これら複数の成形品の光学面形状を平均化して多項式にカーブフィッティングしたlens(x)を算出する。このようなサンプリングの方法を用いることによって、成形における再現性の程度が低い場合でも、平均化されたデータに基づいて精度の良い伝達関数G(s)を得ることができる。
なお、上述した実施形態では、非球面レンズの成形型に適用した例について説明したが、本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、各種光学素子の成形型に広く適用することができる。
また、上述した実施形態では、ガラスレンズ17の成形型に適用した例について説明したが、これに限定されるものではなく、例えばプラスチックレンズ等の成形型にも広く適用することができる。
さらに、上述した実施形態では、光学面形状および成形面形状を多項式(a)にカーブフィッティングした場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、球面、非球面、平面などを表現する種々の方程式(多項式)に適用されるものである。
また、上述した実施形態では、ベース成形面の表面形状は形状測定装置40により測定された点列データ(測定データ)に基づいて多項式(a)にカーブフィッティングして求められる例を挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、ベース成形面の加工に用いられる設計式(ベース成形面の設計形状)をそのまま用いてベース成形面の表面形状を表す多項式を特定してもよい。特に、高精度な加工機などを用いて設計式通りの加工面(成形面)を形成することが可能な場合には、点列データ(測定データ)を採取する必要がないため効果的である。
以上、本実施形態に係る光学素子成形型の製造方法では、光学素子の成形における成形型の成形面形状(入力側形状)と、この成形型による成形品の光学面形状(出力側形状)との(形状差に基づく)入出力の関係を表現する伝達関数を利用することにより、所望の光学素子の光学面形状が成形可能な本型を少ない回数の型修正で得ることができるため、本型製作までの時間やコストを大幅に低減することができる。
なお、本実施形態に係る光学素子成形型の製造方法は、冷却により成形体内の温度分布にばらつきが生じ易く成形収縮量の大きい大口径レンズ(例えば、φ30〜φ50)を成形する場合に、特に効果的である。
本実施形態により製造される光学素子成形型を示す縦断面図である。 本実施形態である光学素子成形型の製造方法のフローチャートである。 本実施形態に適用される製造システムを示すブロック図である。 (A)はベース成形面の成形面形状と多項式との関係を示す模式図であり、(B)は成形品の光学面形状と多項式との関係を示す模式図であり、(C)は変換式と本型の成形面形状との関係を示す模式図である。 本実施形態により製造された光学素子成形型の成形面形状と、従来技術により製造された光学素子成形型の成形面形状との比較結果を示すグラフである。
符号の説明
11 スリーブ(成形型、本型) 13 第1の型部材(成形型、本型)
13c 成形面 15 第2の型部材(成形型、本型)
15c 成形面 17 ガラスレンズ(光学素子)
40 形状測定装置 50 演算処理装置
60 数値制御加工機 G(s) 伝達関数

Claims (11)

  1. 所定形状の光学素子を成形するための光学素子成形型の製造方法であって、
    前記所定形状に対応する第1成形面を有する仮型を用いて成形した成形品の光学面の形状を測定する工程と、
    前記第1成形面の形状を入力側形状とし、前記仮型により成形された前記成形品の光学面の形状を出力側形状とした場合において、前記入力側形状および前記出力側形状の形状差に基づく伝達関数を算出する工程と、
    前記伝達関数と前記所定の形状とに基づいて第2成形面の形状を決定する工程とを備えて構成されることを特徴とする光学素子成形型の製造方法。
  2. 前記伝達関数は、前記第1成形面の形状を表す方程式と前記成形品の光学面の形状を表す方程式とをそれぞれラプラス変換することにより求められることを特徴とする請求項1に記載の光学素子成形型の製造方法。
  3. 前記方程式は、前記第1成形面の形状と前記成形品の光学面の形状とを所定の多項式にそれぞれカーブフィッティングすることにより求められることを特徴とする請求項2に記載の光学素子成形型の製造方法。
  4. 前記第2成形面の形状は、前記所定の形状を表す方程式をラプラス変換して得られた第1の変換式と前記伝達関数とに基づいて算出された第2の変換式を逆ラプラス変換することにより求められることを特徴とする請求項2または3に記載の光学素子成形型の製造方法。
  5. 前記第2成形面の形状に基づいて、前記仮型の前記第1成形面を修正加工することにより本型を製造することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学素子成形型の製造方法。
  6. 前記成形品の光学面の形状は、
    前記仮型を用いて成形を繰り返し行って得られた複数の成形品における光学面の形状ばらつきが、予め定められた許容範囲内のときは前記複数の成形品のうちのいずれか1つの成形品の光学面の形状が用いられ、前記許容範囲外のときには前記複数の成形品の光学面の形状を平均化して得られた形状が用いられることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光学素子成形型の製造方法。
  7. 前記光学素子は、直径が30mm以上50mm以下の断面円形状であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光学素子成形型の製造方法。
  8. 前記成形品の成形は加熱と加圧により行われ、前記形状差は熱収縮と除圧によるものを含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光学素子成形型の製造方法。
  9. 前記光学素子は、光軸を中心とする半径方向に軸対称な形状であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の光学素子成形型の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の光学素子成形型の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする光学素子成形型。
  11. 請求項10に記載の光学素子成形型を用いて成形されたことを特徴とする光学素子。
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