JP2010051531A - 内視鏡システム - Google Patents

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Abstract

【課題】不意の出血が生じた場合でも血液で覆われた部位の観察を容易にする。
【解決手段】プロセッサ装置11の画像データ処理回路35は、画像データメモリ28に格納されたRAWデータに基づいて画像処理を行う。標準の画像処理によって生成された通常画像の画像データは通常画像データメモリ36に格納される。これと並行して色調調整データメモリ37に格納された色調調整データが参照され、色調調整画像の画像データは色調調整画像データメモリ38に格納される。オペレータの操作により表示切替え信号がモニタ制御回路40に入力されると、通常画像のほかに、血液を目立たなくする特定波長域の色情報を欠落させた色調調整画像がモニタ16に表示される。
【選択図】図2

Description

本発明は、特定の波長域の光の影響を抑えることにより観察しやすい画像が得られるようにした内視鏡システムに関するものである。
最近の医療現場で使用されている内視鏡は先端部にCCD型あるいはCMOS型のイメージセンサを内蔵し、画像処理プロセッサ、光源装置、モニタ装置などと組み合わされた内視鏡システムとして用いられる。光源装置からの照明光は内視鏡に組み込まれたライトガイドにより先端部まで導光され、先端部の照明窓から出射して体腔内の観察部位を照明する。イメージセンサからの撮像信号は、画像処理プロセッサにより適宜の信号処理が施された後に液晶表示パネルなどのモニタ装置に画像信号として入力され、観察部位の画像表示が行われる。
内視鏡による通常観察時には、光源装置に組み込まれているハロゲンランプなどの高輝度光源からの白色光で観察部位の照明が行われ、イメージセンサからの撮像信号に対しては画像処理プロセッサによりガンマ処理や通常の色信号処理が行われ、可視光域のほぼ全域にわたって観察しやすい画像がモニタ装置に表示される。
一方、特許文献1などで知られるように、例えば400〜450nmあるいは530〜550nmなどのように狭い波長帯域の照明光で観察部位を照明し、観察部位の中の特定部分からの画像を強調して表示することが行われ、また特許文献2で知られるように、通常の白色光で観察部位を照明しながらも、画像処理プロセッサで信号処理を行う際に、色信号に対して電気的なフィルタリング処理を加えることによって特定部分の画像を強調して表示することも行われている。これらの手法は、いずれも観察部位の中の特定部分の画像を強調表示して病変部分などの識別が容易になる利点があり、特に特許文献2の手法では電気的なフィルタリング処理を用いているので、従前の光源装置がそのまま使用することができ、また画像処理プロセッサについても格別のハード構成を付加することなく任意のスペクトル画像を得ることも可能となっている。
特許第3228627号公報 特開2006−239203号公報
ところがこれらの手法は、観察部位の中の予め想定される特定部分の画像を強調表示して画像観察時の利便性を高める上では効果的であるが、内視鏡で画像観察しながら例えば止血や病変部の組織採取などの様々な処置を行おうとしたときに、観察部位あるいはその周囲の病変部から急に血液などの体液や膿が流出したような場合には、迅速な対応をとることが困難である。例えば、観察部位の広範囲にわたって血液が広がると、止血処置や組織採取を行う部位が血液等で覆われてその識別が難しくなり、処置に手間取ってしまうことにもなりかねない。
本発明は以上の背景を考慮してなされたもので、特に、内視鏡による画像観察と並行して治療用の処置を行おうとしたときに、内視鏡の観察部位あるいはその周辺で体液などの影響で患部あるいは処置対象となる部位の観察が困難になることを防ぎ、適切な処置を継続して行うことができるようにした内視鏡システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の内視鏡システムは、先端部に照明窓と撮影窓を備え、前記照明窓を通して体腔内の観察部位に白色の照明光を照射し、前記撮影窓を通してイメージセンサにより撮像を行う内視鏡と、前記イメージセンサからの撮像信号に基づき、通常画像表示用の通常処理と特定波長域の情報を欠落または低減させた色調調整画像表示用の色調調整処理とを行い、前記通常画像表示用及び色調調整画像表示用の画像信号を出力する画像処理プロセッサと、前記通常画像表示用及び色調調整画像表示用の画像信号が入力され、通常画像及び色調調整画像の少なくとも一方を表示するモニタ装置とから構成される。
先端部に照明窓と撮影窓を備え、前記照明窓を通して体腔内の観察部位に狭い波長域の照明光を照射し、前記撮影窓を通してイメージセンサにより撮像を行う内視鏡と、前記イメージセンサからの撮像信号に基づき、通常画像表示用の通常処理と特定波長域の情報を欠落または低減させた色調調整画像表示用の色調調整処理とを行い、前記通常画像表示用及び色調調整画像表示用の画像信号を出力する画像処理プロセッサと、前記通常画像表示用及び色調調整画像表示用の画像信号が入力され、通常画像及び色調調整画像の少なくとも一方を表示するモニタ装置とから構成される。
前記通常画像及び色調調整画像のいずれかあるいは両方を、簡単な切替え操作で任意にモニタ表示することができるように表示切替え操作手段を用いるのが好ましく、例えばこの表示切替え操作手段を内視鏡の手元操作部に設けておくのが簡便である。前記特定波長域としては、観察部位あるいはその近傍に不意に広がることが想定されるような体液の吸収スペクトルに応じて設定され、例えば血液の吸収スペクトルを考慮し、600nm以上の波長域に設定しておくことが実用上特に効果的である。
本発明によれば、内視鏡観察と並行して治療などの処置を行っているようなときに、不意の出血などが生じて観察部位に血液が広がってゆくようなことがあっても、血液に邪魔されずに観察を続けることができ、止血その他の治療、処置も継続することができるようになる。
図1において、本発明の内視鏡システム2は、内視鏡10、画像処理用のプロセッサ装置11、画像表示用のモニタ16とから構成される。モニタ16には例えば液晶表示パネルが利用され、好ましくはデジタル化された画像データの入力を受けて画像表示する機能をもつものが用いられる。内視鏡10は、体腔内に挿入される挿入部12と、挿入部12の基端部分に連設された操作部13とを備えている。
挿入部12の先端部12aには、図2に示すように、体腔内の観察部位から反射された像光を取り込むための対物光学系20と、対物光学系20で結像された画像を撮像するイメージセンサとなるCCD21、そして観察部位に照明光を照射する照明窓22が設けられている。なお、イメージセンサは、CCD21の代わりにCMOS型のものを用いてもよい。また、先端部12aには、鉗子口14と連通した鉗子出口、送気・送水ボタン13aを操作したときに、対物光学系20の表面に付着した汚れを落とすための洗浄水やエアーを噴射するノズルなどが設けられている。
照明窓22から照明光を照射するために内視鏡10には光ファイババンドルからなる柔軟なライトガイド23が内蔵されている。図1に示すように、内視鏡10の操作部13から延長されたコード15を介して内視鏡10は光源装置24とプロセッサ装置11に接続される。光源装置24には高輝度ハロゲンランプなどが光源として内蔵され、そこから放射される白色光は、コード15内のライトガイド及び前記ライトガイド23を通して照明窓22から出射する。
先端部12aの後方には、周知のように複数の湾曲駒を連結した湾曲部12bが設けられ、操作部13に設けられたアングルノブ13bの操作により上下左右方向に湾曲動作する。これにより、内視鏡10の先端部12aを任意の方向に向けることが可能で、これにより体腔内の観察部位を自在に変えることができるようになる。湾曲部12bの後方には可撓性を有する軟性部12cが設けられている。軟性部12cは、先端部12aが体腔内の観察部位に到達可能なように、且つ術者が操作部13を把持して操作する際に患者に接近し過ぎないような長さになっている。また、内視鏡10の手元側の操作部13には、アングルノブ13bや、送気・送水ボタン、内視鏡画像を静止画記録するためのレリーズボタン等の他、モニタ16に表示される画像の表示切替えをする際に操作される表示切替え用の操作部材として表示切替えボタン13cが設けられている。
CCD21の撮像面を覆うように、赤色(R),緑色(G),青色(B)の微小なマイクロカラーフィルターをマトリクス状に配列したフィルタシートが設けられ、CCD21からの撮像信号には画素ごとの色信号が含まれている。図2に示すように、CCD21は内視鏡10のCPU25で管制されるドライバ26で駆動され、クロックパルスに同期して一定のフレームレートで撮像信号を出力する。こうして得られる撮像信号は、順次にアナログ信号処理回路(以下、AFE)27によって画素ごとにデジタル化された画像データに変換され、フレーム単位のRAWデータとして画像データメモリ28に格納される。
CPU25は、プロセッサ装置11内のCPU30との間で通信を行い、操作部13からの操作情報などに基づき内視鏡10内の各部の制御を行う。CPU30は、プロセッサ装置11の全体の動作を統括的に制御する。CPU30には、この内視鏡システムの使用に先立って予め設定される各種設定データを入力操作するための操作卓32が接続されている。CPU30は、操作卓32から入力される各種設定データや、内視鏡10の操作部13からの操作入力信号に応じて、各部を動作させる。
画像データ処理回路35は、画像データメモリ28から読み出した画像データにマトリクス演算処理、階調補正処理、輪郭強調処理、ガンマ補正処理などのデジタル画像処理を施して表示画像データを生成する。そして、標準的なデジタル画像処理が行われたときには特別な色調調整は行われず、白色光で照明された観察部位からの反射光に基づいて、通常の色再現による表示画像データを生成する。この通常の表示画像データは、フレームごとに通常画像データメモリ36に格納される。
一方、CPU30から色調調整コマンドが入力されている場合には、画像データ処理回路35は、画像データメモリ28から読み出した画像データに基づいて表示画像データを生成する際に、標準の画像処理のほかに色調補正処理を実行する。この色調補正処理が実行されると、標準の表示画像データと比較したとき、予め色調調整データメモリ37に書き込まれている特定波長域の色情報を欠落させた表示画像データが生成される。なお、特定波長域の色情報を完全に欠落させる代わりに適宜の比率まで低減させるような処理を行うことも可能で、この場合にはどの程度まで低減させるかという情報も併せて色調調整データメモリ37に書き込んでおけばよい。
例えば、この色調調整データメモリ37に血液を観察しにくくするデータが書き込まれている。血液の赤い色はヘモグロビンの吸光スペクトルによって特徴づけられ、一般にヘモグロビンの吸光スペクトルは図3に示す傾向をもつ。吸光度Aは、入射光強度をI0、透過光強度をIとしたとき、「A=log10(I0/I)」で表されるが、図3に示すように、オキシヘモグロビン(実線図示)あるいはデオキシヘモグロビン(破線図示)のいずれも600nmよりも短波長側の光を大きく吸収する。
したがって白色光照明下であっても、観察される色調としては、吸光度Aが相対的に小さい600nmよりも長波長側の色調が支配的となり、結果的に強い赤色光が観察されることになる。そこで、血液の赤い色が目立たない表示画像データを得るには、色調調整データメモリ37に、600nmよりも長波長側の色情報を欠落させ、あるいは数%程度まで大幅に低減させる色調調整データを書き込んでおけばよい。色調調整された表示画像データは、通常画像データメモリ36とは別に設けられた色調調整画像データメモリ38にフレームごとに格納される。
モニタ制御回路40は、通常画像データメモリ36及び色調調整画像データメモリ38のそれぞれから表示画像データを読み出し、モニタ16にそのいずれかあるいは両方の表示画像データによる画像表示を行う。その表示切替えは、CPU25,30からのコマンドとして送られてくる表示切替え信号に応答して行われ、操作卓32からの入力操作あるいは内視鏡10の操作部13に設けられた表示切替えボタン13cの操作で適宜に行うことができる。なお、モニタ16がアナログ表示用のものである場合には、モニタ制御回路40にDA変換機能をもたせておけばよく、例えば従来のビデオコンポジット信号に変換して出力させることも可能である。
以下、上記構成による作用について説明する。上記内視鏡システムを通常に使用しているときには、CCD21からフレームごとに出力される撮像信号はRAWデータとして画像データメモリ28に格納される。そして、画像データ処理回路35は標準の画像処理のもとで表示画像データを生成し、通常画像データメモリ36に格納する。モニタ制御回路40は、通常画像データメモリ36から読み出される通常画像の表示画像データに基づいて画像表示を行い、モニタ16には白色光で照明された体腔内の観察部位の画像が通常のフルカラーで表示される。
色調調整データメモリ37に色調調整データ、例えば600nm以上の長波長域の色情報を欠落させる色調調整データが書き込まれている場合には、画像データ処理回路35は上記のように通常画像の表示画像データを通常画像データメモリ36に書き込む処理と並行し、600nmより長波長の色情報を欠落させる色調調整を行った後の表示画像データを色調調整画像データメモリ38に書き込む。
なお、上記処理は画像データメモリ28から読み出した1フレーム分の共通の画像データに基づき、双方の表示画像データを生成してそれぞれのデータメモリ36,38に書き込んでもよく、また画像データメモリ28上で1フレームごとに更新される画像データを1フレームごとに交互に画像データ処理回路35で読み込み、通常画像の表示画像データと色調調整を施した表示画像データとを交互にそれぞれの通常画像データメモリ36と色調調整画像データメモリ38に書き込むようにしてもよい。
内視鏡10の操作部13に設けられている表示切替えボタン13cが押圧操作されず、また操作卓32から表示切替えコマンドが入力されない状態では、通常画像データメモリ36の通常の表示画像データだけがモニタ16に表示されているが、色調調整画像データメモリ38でも逐次に表示画像データの更新が行われている。
例えば観察部位の一部にわずかな出血が認められ、その部位に止血処置を行う場合には止血処置用の鉗子が鉗子口14から挿入され、モニタ16上で画像観察しながら必要な処置を行うことができる。ところが、処置を行う過程で同じ個所あるいはその近傍にあった病変部などから不意に多量の出血が生じたような場合には、流出した血液が周囲に広がって適切な画像観察が困難になる。
図4にモニタ16による表示画面の一例を示す。通常画像の表示エリア51の中に、観察部位の通常画像53が円形に表示されているが、血液が通常画像53のほぼ全域にまで広がって止血処置を行うべき特定部位54が血液で覆われ、画像としては観察困難な状態となっている。なお、符号50はデータ表示エリアを示し、検査日、患者番号、施設名、オペレータの氏名などが表示されている。
モニタ16に表示される通常画像53だけでは、出血によって画像の視認が困難になったときには、オペレータが内視鏡10の操作部13に設けられた表示切替えボタン13cを押圧操作する。この操作信号は、内視鏡10側のCPU25、プロセッサ装置11のCPU30を経て、モニタ制御回路40に表示切替え信号として入力される。この表示切替え信号の入力を受けて、モニタ制御回路40は通常画像53の表示と並行して色調調整画像データメモリ38から600nm以上の波長域の色情報が欠落した画像データを読み出し、その色調調整画像55を調整画像表示エリア52に表示する。
こうして表示された色調調整画像55は、白色照明下の標準的な色再現処理のもとで表示されている通常画像53と比較して600nm以上の波長域の色調が欠落しており、したがって血液の赤色はほとんど表示されず、また体腔内壁からの赤色の反射光もそのほとんどが失われシアン系の色調をもった画像となる。しかし、色調調整画像55には色調が変わっているとは言え、止血処置の対象となっている特定部位54の観察が可能となり止血処置を継続して行うことができるようになる。このとき、モニタ16には通常画像53も同時に表示されているから、部分的に血液で覆われていない観察部位が残っているような場合には、通常画像53を補助的に参照しながら処置を行うこともできる。
なお、600nm以上の波長域の色情報を完全に除去すると、体腔内の画像としては大きな違和感が生じるが、これを軽減するためには600nm以上の波長域の色情報を欠落させた後に、画像全体に赤の色情報を加える処理を施したり、また600nm以上の色情報を完全に欠落させるのではなく例えば20%程度まで低減させたりするような処理を加えることも可能である。
また、体腔内壁からの反射光も多く600nm以上の波長域の画像光を含むが、ヘモグロビンとは異なるスペクトル特性をもつ。図5は、体腔内壁の一例である大腸粘膜の一般的な分光反射特性の傾向を示すものであるが、大腸粘膜は600nm以上の波長域で強い反射を示すものの、450nm〜500nmの波長域においてもある程度の反射率をもっている。これに対し、ヘモグロビンは図3に示すように400nm〜600nmの波長域で大きな吸光性をもっている。したがって、大腸内壁が部分的に血液で覆われている状態では、血液で覆われていない部分に対して血液で覆われている部分は黒くなり、色調調整画像55を観察するだけでもどの部分までが血液で覆われているかを特定することも可能である。
必要な処置を終えた後は、止血鉗子を引き抜いて送水チューブを鉗子口14からに挿入し、給水を行って止血処置部位の洗浄を行う。この時点では色調調整画像55は不要になるから、再度、表示切替えボタン13cを押圧操作して色調調整画像55の表示を中止し、通常画像51により処置した部位の確認を行えばよい。このように、表示切替えボタン13cを押圧操作するごとに、色調調整画像55の表示を交互にオン/オフ切替えするのが簡便である。なお、表示切替えボタン13cを押圧操作するごとにいずれか一方の画像だけが表示されるように切り替えることも可能で、さらには表示切替えボタン13cの代わりに表示切替えレバーを設け、そのセット位置に応じて画像表示の切替えを行うようにしてもよい。
また、操作卓32からの入力操作により表示切替え信号の入力も可能であるから、色調調整画像55の表示が必要になった時点でオペレータがその旨を声で指示し、サブオペレータが操作卓32を操作して対応することもできる。さらに、オペレータの音声指示をマイクロフォンで受けて表示切替え信号を出力させたり、オペレータが足で操作するフットスイッチから表示切替え信号を出力させたりすることも可能である。
以上のように、色調調整データメモリ37に血液を消すための色調調整データを書き込んでおくことによって、通常画像53では観察が困難となる血液で覆われた部位についての視認性が向上し、画像観察と並行して止血処置を行おうとする場合には特に効果的であり、処置時間を短縮することができるようになる。また、リンパ液、胃液、胆汁など血液以外の体液の流入によって適切な内視鏡による画像観察ができなくなることを考慮し、それぞれの体液がもつスペクトル特性に応じた特定波長域データを色調調整データメモリ37に書き込んでおけば、これらの体液で観察部位が覆われたときにこれを目立たせずに観察しやすい画像表示を行うこともできるようになる。
上記実施形態では、適切な色調調整画像を得るために、予め色調調整データメモリ37に色調調整データを書き込んでおく必要があるが、この色調調整データメモリ37の代わりに分光推定回路を用い、欠落あるいは低減が必要となる特定波長域を自動的に決めることも可能である。分光推定回路は、画像データメモリ28に格納されたRAWデータに基づいて画像データ処理回路35が色調調整画像の画像データを生成するときに、例えばウィナー(Wiener)推定による分光推定処理を行って色調調整データを自動的に作成するために用いられるものである。
例えば、白色光照明下における正常な体腔内壁の通常画像に基づいてその分光反射率データを求めておけば、血液などの体液が観察部位に流入してきたときに分光推定処理を行うことによって、元の通常画像に近似した画像表示に必要な画像データを得るために、どの波長域領域の色情報を欠落させ、あるいはどの程度低減させればよいかが推定できる。したがって、通常画像のままでは観察が困難になった時点で表示切替えボタン13cを押圧操作して分光推定回路を作動させれば、色調調整画像の表示に必要な画像データが画像データ処理回路35によって自動的に生成され、この画像データが色調調整画像データメモリ38に書き込まれる。以後は、モニタ制御回路40が表示切替え信号を受けて通常画像データメモリ36と色調調整画像データメモリ38からそれぞれの画像データに基づいて表示制御を行うことにより、モニタ16には同様に通常画像と色調調整画像とが表示されるようになる。
上記実施形態では、600nm以上の長波長域の色情報を欠落させて色調調整画像の画像データを生成したが、R(赤)色のマイクロカラーフィルターから出力される撮像信号を欠落させて色調調整画像の画像データを生成するようにしても血液で覆われた観察部位の観察が容易になる。
上記実施形態では、体腔内の観察部位を照射する照明光は、高輝度ハロゲンランプなどから出射される白色光であったが、光源装置24に青色の狭帯域光(例えば、波長390〜445nm)や緑色の狭帯域光(例えば、波長530〜550nm)を出射する光源を設け、これらの光源から出射される狭い波長帯域の光を照明光として用いてもよい。上記の青色と緑色の狭帯域光を観察部位に照射すると、この狭帯域光の反射光に基づいた通常の色再現による表示画像データが生成され、この表示画像データは通常画像データメモリ36に格納された後、モニタ制御回路40によって通常画像データメモリ36から読みだされ、通常画像としてモニタ16に表示される。この通常画像は、観察部位が血液で覆われていない状態では、血管像が強調表示された画像である。しかし、観察部位が血液で覆われていると、モニタ16に表示される通常画像からは適切な画像観察が困難になるだけでなく、止血処置も難しい。このような場合に、表示切替ボタン13cを押圧操作して、通常画像と共に特定波長域(例えば、波長600nm以上)の情報を欠落または低減する色調調整が行われた表示画像データに基づく色調調整画像をモニタ16に表示させる。この色調低減画像は、血液で覆われていない部分に対して血液で覆われている部分が黒っぽく、特に血液が集中する部分が黒く表示される。血液が集中する部分が黒く表示されるので、色調調整画像から止血処置の対象となっている特定部位の観察が可能となり止血処置を行うことができるようになる。止血処理が終了して、色調調整画像が不要になったら、再度、表示切替えボタン13cを押圧操作して色調調整画像の表示を中止し、通常画像により処置した部位などの確認を行えばよい。観察部位に照射される狭帯域光は、上記の青色と緑色の狭帯域光に限らず、観察部位の中の特定部分が強調表示される画像をモニタに表示可能な波長域の光であればよい。なお、色調調整に用いられる色調調整データメモリ37に格納される色調調整データや分光反射率データは、照明光の波長域に応じたものを準備する必要がある。
内視鏡システムの構成を示す概略図である。 内視鏡システムの電気的構成を示すブロック図である。 ヘモグロビンの一般的な吸光スペクトルを表すグラフである。 モニタ表示画面の一例を示す説明図である。 大腸粘膜の一般的な分光反射特性を示すグラフである。
符号の説明
10 内視鏡
11 プロセッサ装置
16 モニタ
21 CCD
28 画像データメモリ
36 通常画像データメモリ
37 色調調整データメモリ
38 色調調整画像データメモリ
40 モニタ制御回路
53 通常画像
55 色調調整画像

Claims (5)

  1. 先端部に照明窓と撮影窓を備え、前記照明窓を通して体腔内の観察部位に白色の照明光を照射し、前記撮影窓を通してイメージセンサにより撮像を行う内視鏡と、
    前記イメージセンサからの撮像信号に基づき、通常画像表示用の通常処理と特定波長域の情報を欠落または低減させた色調調整画像表示用の色調調整処理とを行い、前記通常画像表示用及び色調調整画像表示用の画像信号を出力する画像処理プロセッサと、
    前記通常画像表示用及び色調調整画像表示用の画像信号が入力され、通常画像及び色調調整画像の少なくとも一方を表示するモニタ装置と、
    を備えたことを特徴とする内視鏡システム。
  2. 先端部に照明窓と撮影窓を備え、前記照明窓を通して体腔内の観察部位に狭い波長帯域の照明光を照射し、前記撮影窓を通してイメージセンサにより撮像を行う内視鏡と、
    前記イメージセンサからの撮像信号に基づき、通常画像表示用の通常処理と特定波長域の情報を欠落または低減させた色調調整画像表示用の色調調整処理とを行い、前記通常画像表示用及び色調調整画像表示用の画像信号を出力する画像処理プロセッサと、
    前記通常画像表示用及び色調調整画像表示用の画像信号が入力され、通常画像及び色調調整画像の少なくとも一方を表示するモニタ装置と、
    を備えたことを特徴とする内視鏡システム。
  3. 表示切替え操作手段を備え、この表示切替え操作手段の操作態様に応じて前記通常画像及び色調調整画像のいずれか一方または両方が前記モニタ装置に表示されることを特徴とする請求項1または2記載の内視鏡システム。
  4. 前記表示切替え操作手段が、前記内視鏡の手元操作部に設けられていることを特徴とする請求項3記載の内視鏡システム。
  5. 前記前記特定波長域が600nm以上の波長域であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の内視鏡システム。
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