JP2010050769A - 半導体スイッチ回路 - Google Patents

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Maki Mori
真希 森
Hiroyuki Yoshinaga
浩之 吉永
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Abstract

【課題】大電力送信時において、高温時のゲートリーク電流が増加しても、それに起因する高調波歪み特性の悪化を抑圧可能とする。
【解決手段】
第1及び第2のスイッチ素子31,32と、第1のDCカットキャパシタ41を介してのアンテナ端子11との接続点Aは、高周波信号通過経路のバイアス電圧供給点であって、かかる接続点Aには、昇圧回路21の昇圧電圧を降圧して出力するレベルシフト回路23から電圧供給が行われるため、雰囲気温度が高温状態の際に大電力送信が行われても、従来と異なり、非導通状態にある電界効果トランジスタにおけるリーク電流増加に起因する通過経路のバイアス電圧の低下が最小限に抑制され、それと共に高調波歪み特性の悪化が抑圧されるようになっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、移動体通信機器や高周波機器における高周波信号の伝送経路の切り替えに用いられる半導体スイッチ回路に係り、特に、高出力化、低歪化等を図ったものに関する。
携帯電話などの無線を用いた機器においては、送受信の切り替えや、周波数帯の切替、さらには、アンテナ切替などに半導体スイッチが多く用いられている。
特に、最近、携帯電話において、GSM方式、WCDMA方式、CDMA方式などの多モード、多バンド化が促進され、これに対応するよう多数の経路間の切替を低損失で行うことができるスイッチが必要となってきている。
このような用途に用いられる半導体スイッチに要求される重要な特性の1つとして、送信動作時における高調波ひずみ特性がある。かかる高調波ひずみ特性は、半導体スイッチに大電力の送信信号を入力した際に、送信入力信号周波数の整数倍の周波数において発生する歪み成分を示すものである。
この歪み成分である高調波ひずみは、その周波数を使用する他のアプリケーションへの妨害波となるため、その発生量については法的な規制が設けられている。
ところで、高調波歪み電力は、一般に、入力電力の増加に対して2倍高調波では入力電力の2乗、3倍高調波では入力電力の3乗に比例して増大する。このため、特に、GSM方式のように最大で35dBmもの大電力信号を半導体スイッチに入力する場合に、歪み成分を抑圧することは、難易度の高い技術が要求される。
このような大電力の送信機と受信機を切り替えるスイッチは、特に、アンテナスイッチと称される。
図4には、アンテナスイッチとして機能する半導体スイッチ回路の構成例が示されており、以下、同図を参照しつつ従来のアンテナスイッチについて説明する。
このアンテナスイッチとしての半導体スイッチ回路は、一つのアンテナ端子に対して、送信端子と受信端子のいずれかを、外部からの制御信号によって択一的に選択、接続するための最も簡単な構成例であり、SPDT(Single Pole Double Through:単極双投)と称される構成を有するものである。なお、送信端子には送信機が、受信端子には受信機が、それぞれ接続される。
具体的には、この半導体スイッチ回路は、昇圧回路(図4においては「BOOST」と表記)21Aと、デコーダ回路(図4においては「DEC」と表記)22Aと、スイッチ回路20Aとに大別されて構成されたものとなっている。
この構成例において、アンテナ端子11Aと送信端子12Aとの間には、ディプレッション型FET(以下「DFET」と称する)31Aが設けられ、アンテナ端子11Aと送信端子12A間の通過、非通過を切り替えるスイッチ素子として機能するものとなっている。
また、アンテナ端子11Aと受信端子13Aとの間には、DFET32Aが設けられ、アンテナ端子11Aと受信端子13A間の通過、非通過を切り替えるスイッチ素子として機能するものとなっている。
そして、これらスイッチ素子であるDFET31A,32Aを動作せしめる電源として、電源電圧供給端子14Aから電源電圧VDDが供給されると共に、スイッチ経路切替信号入力端子15Aには、送信経路と受信経路切り替えのための外部制御信号が供給されるものとなっている。
また、この半導体スイッチ回路には、昇圧回路21Aが組み込まれており、電源電圧VDDよりも高い電圧V1(V1>VDD)が発生、出力されるようになっている。この高い電圧V1によって、スイッチ素子を駆動する。
一般に、半導体スイッチ回路の高調波ひずみ特性は、スイッチ素子の駆動電圧が高いほど向上する。一方、スイッチ素子をOFF状態(非導通状態)に保つには、適宜なDCバイアス電圧を印加するが、大電力信号は電圧振幅が大きいために、DCバイアス電圧を上回る電圧振幅ではOFF状態が保てなくなる。この場合、スイッチ素子の伝達特性上は、非線形特性として現れ、入力された大電力信号はひずみを受けてしまう。非常に低いひずみ特性を議論する場合には、スイッチ素子の動作状態は、OFF状態が保てなくなるほどに悪化するものではないが、単純にバックオフを取ったものとして説明することができる。
ここで、図4に示された半導体スイッチ回路における主要部の電圧の関係について説明すれば、まず、最も高い電位は、昇圧回路21Aの出力電圧V1である。この昇圧電圧V1を用いて駆動されるデコーダ回路22Aの論理値Highの出力電圧は、昇圧電圧V1とほぼ同程度となる。実際には、デコーダ回路22Aにおけるロスにより、僅かに電圧降下するが、以下の回路動作の説明においては、かかる電圧降下は無いものとして説明することとする。
まず、送信端子12Aとアンテナ端子11Aとの間を通過経路として選択する場合の回路動作について説明すれば、この場合、DFET31AをON状態(導通状態)とする必要がある。そのため、DFET31Aのゲートには、デコーダ回路22Aから、論理値Highに相当する出力電圧V1が出力される。DFET31Aは、ゲート電位がV1になると、ソース・ドレイン間が順方向バイアス状態となる。順方向バイアス状態においては、ゲート・ソース間及びゲート・ドレイン間には、多少の電位差Vfが生じ、結局、DFET31Aのソース、ドレインは、ゲートよりも低い電圧VT=V1−Vfにそれぞれバイアスされることとなる。
この電圧VTは、端子の選択、非選択に関わらず高周波信号の通過経路となり得る全ての端子、すなわち、ドレイン、ソースのバイアス電位となるものである。
したがって、図4に示された回路構成におけるスイッチ素子であるDFET31A、DFET32Aのそれぞれのソース、ドレインは、全てVTにバイアスされる。
かかる前提の下、送信端子12Aとアンテナ端子11Aとの間を通過経路として選択する場合、DFET31AをON状態とすると同時に、非通過経路である受信端子13Aとアンテナ端子11A間に設けられたDFET32AをOFF状態とする必要があるため、デコーダ回路22Aからは、DFET32Aのゲートに対して論理値Lowに相当する0Vが印加されるようになっている。このとき、DFET32Aのゲートは、ドレイン、ソースに対して逆バイアス状態となる。
このようにして逆バイアスされたDFET32Aは、OFF状態に設定される結果、この半導体スイッチ回路は、送信端子12Aとアンテナ端子11Aとが通過状態となる一方、受信端子13Aとアンテナ端子11A間は、非通過状態となる。
なお、このような半導体スイッチ回路は、例えば、特許文献1等に開示されている。
特開2005−354279号公報(第4−7頁、図1−図3)
ここで、上述のようにOFF状態となったDFET32Aのゲートは、接地電位となるのに対し、そのソース及びドレインは高電位となるので、ゲートリーク電流が発生する。
ところで、通常、ゲートリーク電流が微少な電流となるよう素子設計されるものとなっているが、一般論として、半導体におけるリーク電流は、電圧、温度の増大に対して指数関数的に増加する。
上述の従来回路の場合、電源電圧VDDより高い昇圧電圧V1によってスイッチ素子を駆動しているため、ゲートリーク電流は比較的多く、温度が高温になるとより顕著になる。
ここで、上述の従来回路にあっては、DFET32AのOFF状態を低ひずみ特性を含めて維持するには、端子電圧VTが低下しないことが必要である。
端子電圧VTは、ON状態のDFET31Aのゲートから供給されるので、昇圧電圧に対して、ゲート抵抗器33A、DFET31Aのゲート・ドレイン、及び、ゲート・ソース間電位差だけ低下した電圧として現れる。
上述のようにOFF状態のDFET32Aのゲートリーク電流が増加すると、特に、ゲート抵抗器33Aでの電圧降下が増大するため、端子電圧VTは低下してしまう。したがって、従来の回路にあっては、OFF状態のDFET32Aのゲートリーク電流が増加する高温では端子電圧VTが低下し、それに伴ってひずみ特性が悪化するという問題があった。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、大電力送信時において、高温時のゲートリーク電流が増加しても、それに起因する高調波歪み特性の悪化を招くことのない半導体スイッチ回路を提供するものである。
上記本発明の目的を達成するため、本発明に係る半導体スイッチ回路は、
複数の個別高周波入出力端子と、少なくとも1つの共通高周波入出力端子とを有し、前記複数の個別高周波入出力端子のいずれか1つと、前記共通高周波入出力端子との接続を選択的に切り替えて、所望する通過経路が形成可能に構成されてなる半導体スイッチ回路であって、
回路外部から入力された電圧をレベルシフトして前記通過経路に対するバイアス電圧として出力するよう構成されてなるレベルシフト回路を具備してなるものである。
かかる構成において、前記複数の個別高周波入出力端子と前記共通高周波入出力端子との間に、それぞれ配されてその導通・非導通が外部から制御可能な複数のスイッチ素子を有してなるスイッチ回路と、
外部からの制御信号に応じて、所望する通過経路の形成に必要な前記スイッチ素子を導通状態とするデコーダ回路と、
外部から供給される電源電圧を昇圧し、前記デコーダ回路へ供給する昇圧回路とを有し、
前記レベルシフト回路は、前記昇圧回路の昇圧電圧を降圧して前記通過経路のバイアス電圧として出力するよう構成されてなるものが好適である。
さらに、上述の構成において、前記レベルシフト回路は、前記通過経路のバイアス電圧供給点と前記昇圧回路との間において直列接続されたダイオードあるいは電界効果トランジスタ及び抵抗器と、前記ダイオードあるいは電界効果トランジスタと抵抗器の接続点とグランドとの間に接続されたキャパシタとを有してなり、前記ダイオードは、前記昇圧回路から前記通過経路のバイアス電圧供給点へ順方向となるように設けられてなるものが好適である。
本発明によれば、高周波信号の通過経路の直流バイアス電圧を、ON状態のスイッチ素子を介して供給される従来のルートに加えて、別個にバイアス電圧を供給できるよう構成したので、雰囲気温度が高温状態の際に大電力送信が行われても、従来と異なり、非導通状態にある個別高周波入出力端子と共通高周波入出力端子間に設けられたスイッチ素子としての電界効果トランジスタにおけるリーク電流増加に起因する通過経路のバイアス電圧の低下を、最小限に抑制できると共に、高調波歪み特性の悪化を最小限に抑圧することができ、良好な高調波歪み特性の半導体スイッチ回路を提供することができるという効果を奏するものである。
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図3を参照しつつ説明する。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態における半導体スイッチ回路の構成例について、図1を参照しつつ説明する。
本発明の実施の形態における半導体スイッチ回路は、共通高周波入出力端子としてのアンテナ端子11、個別高周波入出力端子としての送信端子12、及び、受信端子13を有するスイッチ回路20と、デコーダ回路(図1においては「DEC」と表記)22と、昇圧回路(図1においては「BOOST」と表記)21と、レベルシフト回路23とを主たる構成要素として構成されてなるものである。
なお、本発明の実施の形態において、説明の便宜上、送信端子12は送信のための端子、受信端子13は受信のための端子と、それぞれ区別しているが、特に、送信、受信に限定される必要はなく、高周波信号が通過する端子であれば良いものである。
スイッチ回路20は、第1及び第2のスイッチ素子31,32を主たる構成要素として、SPDT(Single Pole Double Through:単極双投)スイッチが構成されたものとなっている。
この構成例においては、第1及び第2のスイッチ素子31,32は、具体的には、ディプレッション型電界効果トランジスタ(DFET)を用いたものとなっている。
以下、具体的に回路構成を説明すると、第1のスイッチ素子31のドレイン(又はソース)は、第2のDCカットキャパシタ42を介して送信端子12に接続される一方、ソース(又はドレイン)は、第1のDCカットキャパシタ41を介してアンテナ端子11に接続されている。
そして、第1のスイッチ素子31のゲートは、第1のゲート抵抗器33を介してデコーダ回路22の第1の出力段24に接続されており、後述するように選択される高周波信号の通過経路に応じて、所定のスイッチ制御電圧が印加されるようになっている。
なお、第1のスイッチ素子31のドレインとソースの間には、第1のドレイン・ソース間抵抗器35が接続されている。
一方、第2のスイッチ素子32は、そのドレイン(又はソース)が、第3のDCカットキャパシタ43を介して受信端子13に接続される一方、ソース(又はドレイン)は、第1のDCカットキャパシタ41を介してアンテナ端子11に接続されている。
そして、第2のスイッチ素子32のゲートは、第2のゲート抵抗器34を介してデコーダ回路22の第2の出力段25に接続されており、後述するように選択される高周波信号の通過経路に応じて、所定のスイッチ制御電圧が印加されるようになっている。なお、第2のスイッチ素子32のドレインとソースの間には、第2のドレイン・ソース間抵抗器36が接続されている。
また、第1のスイッチ素子31のソース(又はドレイン)と第2のスイッチ素子32のソース(又はドレイン)との接続点Aと、グランドとの間には抵抗器44が接続されている。
デコーダ回路22は、スイッチ経路切替信号入力端子15を介して入力される制御信号に応じて、第1のスイッチ素子31と第2のスイッチ素子32のいずれか一方を、択一的に導通状態とすべく、それぞれに所定のゲート電圧を出力するよう構成されてなるものである。すなわち、デコーダ回路22は、第1のスイッチ素子31を導通状態とする一方、第2のスイッチ素子32を非導通状態とすべく所定の制御信号が入力された場合には、第1のスイッチ素子31のゲートに、次述する昇圧回路21により供給される電圧V1、又は、電圧V1に対してデコーダ回路22内における微少な電圧降下ΔVdcだけ低い出力電圧VC1(=V1−ΔVdc)を出力する一方、スイッチ素子32のゲートには、0Vを出力するようになっている。
また、デコーダ回路22は、第1のスイッチ素子31を非導通状態とする一方、第2のスイッチ素子32を導通状態とすべく所定の制御信号が入力された場合には、上述の場合とは逆に、第1のスイッチ素子31のゲートに、0Vを出力する一方、第2のスイッチ素子32のゲートには、昇圧回路21から供給される電圧V1、又は、電圧VC1(=V1−ΔVdc)を出力するようになっている。
なお、デコーダ回路22には、電源電圧供給端子14及び逆電圧防止用ダイオード48を介して外部から印加される電源電圧VDDが供給されるようになっていると共に、次述する昇圧回路21からの昇圧電圧も供給されるようになっている。
昇圧回路21は、電源電圧供給端子14を介して印加された電源電圧VDDを、所定の電圧V1(V1>VDD)に昇圧し、出力するよう構成されたもので、その構成自体は従来から良く知られたものである。
この昇圧回路21の出力電圧は、デコーダ回路22の駆動電源として用いられると共に、後述するレベルシフト回路23にも印加されるものとなっっている。
なお、この昇圧回路21には、デコーダ回路22と共にスイッチ経路切替信号入力端子15へ印加される制御信号が入力されて、昇圧動作の制御に供されるようになっている。
レベルシフト回路23は、第1のスイッチ素子31のソース(又はドレイン)と第2のスイッチ素子32のソース(又はドレイン)との接続点Aと昇圧回路21の出力段26との間に設けられており、後述するように昇圧回路21の出力電圧をレベルシフトするものとなっている。
本発明の実施の形態におけるレベルシフト回路23は、レベルシフト用ダイオード46と抵抗器45とバイパスキャパシタ47とを有して構成されたものとなっている。
具体的には、抵抗器45の一端がバイアス電圧供給点としての接続点A、すなわち、第1のスイッチ素子31のソース(又はドレイン)と第2のスイッチ素子32のソース(又はドレイン)との接続点に接続され、抵抗器45の他端は、レベルシフト用ダイオード46のカソードに接続されて、レベルシフト用ダイオード46のアノードが昇圧回路21の出力段26に接続されるようにして、抵抗器45とレベルシフト用ダイオード46が直列接続されて設けられている。
そして、抵抗器45とレベルシフト用ダイオード46のカソードとの接続点とグランドとの間には、バイパスキャパシタ47が直列接続されて設けられている。
次に、上記構成における動作について説明する。
最初に、送信状態、すなわち、送信端子12とアンテナ端子11間を通過経路とすべく、スイッチ経路切替信号入力端子15に、所定の制御電圧が入力された場合について説明する。
この場合、デコーダ回路22により第1のスイッチ素子31のゲートに、スイッチ制御電圧として論理値Highに相当する電圧VC1が印加される一方、第2のスイッチ素子32のゲートには、スイッチ制御電圧として論理値Lowに相当する電圧0Vが印加される。
図2には、この時の回路の主要部における電位関係を、高い電位から接地電位に至るまで示した説明図が示されており、以下、同図を参照しつつ回路動作を説明する。まず、最も高い電位となるのは、昇圧回路21の出力電圧V1(出力点26)であり、デコーダ回路22内での電圧降下ΔVdc分だけ低下して、デコーダ回路22の出力電圧VC1(出力点24)となる。
このデコーダ出力電圧VC1は、第1のスイッチ素子31のゲート抵抗器33によって電圧降下せしめられ、それによって生ずる電位差は、このゲート抵抗器33の抵抗値Rg1と流れる電流Ig1の積によって求められるVg1(=Rg1×Ig1)となる。
さらに、第1のスイッチ素子31のゲート・ソース間は、ショットキー接合の順方向バイアスとなるため、順方向電位Vfの電位差が生ずる。したがって、高周波信号が伝達される信号経路の直流電位である端子電圧VT、すなわち、第1のスイッチ素子31のドレイン、ソース電位は、下記する式で表されるものとなる。
VT(V)=VC1−Vg1−Vf=V1−ΔVdc−Rg1×Ig1−Vf
一方、レベルシフト回路23を経て接続点Aに至る経路も端子電圧VTの供給源となっており、その大きさは、下記する式によって表される。
VT(V)=V1−VL−Rpu×Ipu
ここで、VLは、レベルシフト用ダイオード46の順方向電位、Rpuは、抵抗器45の抵抗値、Ipuは、抵抗器45に流れる電流である。
本発明の実施の形態において、端子電圧VTから接地電位0Vへ至る経路には、OFF状態の第2のスイッチ素子32を経由する電流ルートと、抵抗器44を経由するルートとがあり、これらのルート間には、下記する関係がある。
VT=Rdr×Idr−Vg2=Rdr×Idr−Rg2×Ig2
ここで、Rdrは、抵抗器44の抵抗値であり、Idrは、抵抗器44を流れる電流であり、Vg2は、第2のスイッチ素子32のゲート電位、Rg2は、第2のゲート抵抗器34の抵抗値である。また、Ig2は、抵抗器45に流れる電流、すなわち、換言すれば、第2のスイッチ素子32のゲートリーク電流である。
ところで、通常の動作では、第2のスイッチ素子32のゲートリーク電流Ig2は極めて小さく、Idr≫Ig2となるように素子設計がなされるものとなっている。
一方、本発明の実施の形態におけるレベルシフト回路23も、通常動作において、電流供給を制限するように設計することにより、結局、端子電圧VTは、従来回路同様に、第1のスイッチ素子31を経由するルートと、抵抗器44を経由するルートによって決定される。
これに対して、動作状態が高温の場合には、第2のスイッチ素子32のゲートリーク電流Ig2が大幅に増加すると、IdrとIg2の大きさが無視できないか、同程度となる。第1のスイッチ素子31を経由するルートから電流供給されると、電流が増加した分だけIg1も増加するため、第1のゲート抵抗器33において電圧降下を生じてしまうこととなる。
レベルシフト回路23は、かかる状態において、主たる電流供給源となるよう設計されるものとなっている。
すなわち、接続点Aの端子電圧VTは、主としてレベルシフト回路23からの電圧供給で決定され、端子電圧VTの低下が防がれ、端子電圧VTの大幅な低下が確実に回避されるため、良好な低歪み特性が実現されるものとなっている。
なお、図2においては、本発明の実施の形態の半導体スイッチ回路における端子電圧VTが、雰囲気温度が室温時と高温時のそれぞれについて示されると共に、従来回路(図4参照)についても同様に示されている。
次に、本発明の実施の形態における半導体スイッチ回路における雰囲気温度変化に対する高調波特性及び送信端子12における端子電圧の変化例について、図3を参照しつつ説明する。
まず、同図において、温度変化を表す軸を横軸としてこれを正面に見て、左側の縦軸はアンテナ端子11における高調波のレベルを、右側の縦軸は図1に示された回路構成における接続点A、又は、図4に示された従来回路における接続点A´の端子電圧をそれぞれ示している。
同図において、符号aが付された実線の特性線は、本発明の実施の形態における半導体スイッチ回路の雰囲気温度変化に対する接続点Aにおける端子電圧の変化を示し、符号cが付された点線の特性線は、従来回路(図4参照)の雰囲気温度変化に対する接続点A´における端子電圧の変化を示している。
これらを比較すると、従来回路の場合、雰囲気温度が上昇するに従い、端子電圧が6Vから徐々に低下してゆくのに対して、本発明の実施の形態における半導体スイッチ回路にあっては、6Vから5.6Vまでは下がるが、35℃以上においては5.6Vで一定となっており、格段の特性改善がなされていることが確認できるものとなっている。
次に、図3において、符号bが付された実線の特性線は、本発明の実施の形態の半導体スイッチ回路における雰囲気温度変化に対する高調波レベルの変化を、符号dが付された点線の特性線は、従来回路における雰囲気温度変化に対する高調波レベルの変化を示している。
これらを比較すると、従来回路の場合、雰囲気温度の上昇に伴う上述の端子電圧の低下によって、高周波レベルは比例的に増大し、最大時には、約−67dBc付近に至っているのに対して、本発明の実施の形態における半導体スイッチ回路にあっては、35℃以上において雰囲気温度の上昇に伴う高調波レベルの若干の上昇はあるものの、最大でも約−71dBcであり、確実に高調波特性の改善がなされたものであることが確認できるものとなっている。
このような本発明の実施の形態における半導体スイッチ回路の特性改善は、接続点Aに昇圧回路21から直列接続されたレベルシフト回路23を通して電圧VTを安定的に供給することにより、高温時において電圧VTの変化量が従来に比して格段に抑制され、アンテナ端子11の電圧の変化が抑制されて高調波特性の悪化が抑圧されたことによるものである。
本発明の実施の形態においては、単純なSPDTスイッチを例として説明したが、高周波入力出力端子を複数有するnPmT(n Pole m Through:n極m投、n、mは自然数)スイッチにおいても同様に適用することができるものである。
特に、高周波入出力端子が多い場合には、OFF状態のスイッチ数が多くなるため、スイッチ数に比例して増加するゲートリーク電流に対して本発明の効果はより顕著になる。
また、本発明の実施の形態においてスイッチ素子として例示した第1のスイッチ素子31や第2のスイッチ素子32は、単独のFETを用いて説明したが、それぞれ複数直列接続された構成としても同様に適用できるものである。
またさらに、本発明の実施の形態におけるレベルシフト回路23においては、レベルシフト用ダイオード46を単独で用いるようにしたが、複数直列接続して用いるようにしても良い。また、ダイオードに代えて、電界効果トランジスタを用いるようにしても良い。
さらに、本発明は、昇圧回路21、デコーダ回路22,スイッチ回路20、及び、レベルシフト回路23を集積回路化して、1チップ集積回路で実現する場合のみならず、それぞれ別個に集積回路化し、マルチチップ集積回路で構成するなど、いずれの場合にも同様に適用できるものである。
本発明の実施の形態における半導体スイッチ回路の構成例を示す構成図である。 本発明の実施の形態における半導体スイッチ回路及び従来回路の主要部における電位関係を説明する説明図。 本発明の実施の形態における半導体スイッチ回路及び従来回路の雰囲気温度変化に対する高調波特性及び送信端子における端子電圧の変化例を示す特性線図である。 従来回路の回路構成例を示す回路図である。
符号の説明
11…アンテナ端子
12…送信端子
13…受信端子
20…スイッチ回路
21…昇圧回路
22…デコーダ回路
23…レベルシフト回路

Claims (3)

  1. 複数の個別高周波入出力端子と、少なくとも1つの共通高周波入出力端子とを有し、前記複数の個別高周波入出力端子のいずれか1つと、前記共通高周波入出力端子との接続を選択的に切り替えて、所望する通過経路が形成可能に構成されてなる半導体スイッチ回路であって、
    回路外部から入力された電圧をレベルシフトして前記通過経路に対するバイアス電圧として出力するよう構成されてなるレベルシフト回路を具備してなることを特徴とする半導体スイッチ回路。
  2. 前記複数の個別高周波入出力端子と前記共通高周波入出力端子との間に、それぞれ配されてその導通・非導通が外部から制御可能な複数のスイッチ素子を有してなるスイッチ回路と、
    外部からの制御信号に応じて、所望する通過経路の形成に必要な前記スイッチ素子を導通状態とするデコーダ回路と、
    外部から供給される電源電圧を昇圧し、前記デコーダ回路へ供給する昇圧回路とを有し、
    前記レベルシフト回路は、前記昇圧回路の昇圧電圧を降圧して前記通過経路のバイアス電圧として出力するよう構成されてなることを特徴とする請求項1記載の半導体スイッチ回路。
  3. 前記レベルシフト回路は、前記通過経路のバイアス電圧供給点と前記昇圧回路との間において直列接続されたダイオードあるいは電界効果トランジスタ及び抵抗器と、前記ダイオードあるいは電界効果トランジスタと抵抗器の接続点とグランドとの間に接続されたキャパシタとを有してなり、前記ダイオードは、前記昇圧回路から前記通過経路のバイアス電圧供給点へ順方向となるように設けられてなることを特徴とする請求項2記載の半導体スイッチ回路。
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