JP4928882B2 - 半導体スイッチ回路 - Google Patents
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Description
以下、図7を参照しつつ、この従来回路について説明する。
この従来回路は、デコーダ回路(図7においては「DEC」と表記)24Aを有してなるスイッチ回路21Aと、昇圧回路(図7においては「BOOST」と表記)22Aとを主たる構成要素として構成されたものとなっている。
スイッチ回路21Aは、切替信号入力端子15Aを介して外部から入力される切替信号に応じてデコーダ回路24Aによって信号経路が切替られることで、送信回路(図示せず)が接続される送信回路接続端子11Aと、受信回路(図示せず)が接続される受信回路接続端子12Aが、選択的にアンテナ13Aに接続されるよう構成されたものとなっている。
すなわち、このような高周波、歪み成分の発生を抑圧するには、電源電圧供給端子14Aを介してスイッチ回路21Aへ供給される電源電圧を高くし、スイッチ回路21A内部に用いられているスイッチFET(図示せず)の切替電圧を上げることが有効であることが従来から知られている。
また、昇圧回路22Aは、上述のように受信時にOFF状態とされるため、消費電流を低減することができ、低消費電力化が実現できるという利点がある。
なお、このような従来回路としては、例えば、特許文献1などに開示されたものがある。
以下、かかるIIP3について説明すれば、まず、同レベルの2つの信号を同時に半導体スイッチ回路に入力した場合、この入力された周波数に隣接した周波数の信号が出力信号として発生する。この周波数の隣接した信号は、デバイスの歪みに起因するもので、3次相互変調歪み(以下「IM3」と称する)と称される。
したがって、IM3が小さく、IIP3の値が大きいほど、低歪みの回路となる。
その一方、受信時には、昇圧回路をOFFとすることで、電源電圧をスイッチFETの切替電圧として供給するようにしている。
図7に示された従来回路においては、アンテナ13Aとグランドの間に、挿入損失改善のための抵抗器33Aが設けられているが、これによってアンテナ13Aの基部における端子電圧が下がり、スイッチFET(図示せず)の切替電圧は、さらに電源電圧よりも低くなるため、IIP3は、送信時と比較して極端に悪化するが、受信時においては問題とはならない。
かかる要求値は、昇圧回路を備えない半導体スイッチ回路において、スイッチFETの切替電圧を電源電圧と同一とすることで可能であるが、昇圧回路を備えないため、最初に述べたように、送信の際におけるスイッチFETの切替電圧を高くすることができなくなる。
高周波信号の伝送経路を切り替えるスイッチ回路と、ON/OFF機能を有する昇圧回路と、外部からの制御に応じて前記スイッチ回路に接続されたアンテナ端子に所定電圧を供給するバイアス回路とを具備してなる半導体スイッチ回路であって、
前記昇圧回路及びバイアス回路は、外部から入力される昇圧ON/OFF切替信号に応じて動作するよう構成されてなり、前記昇圧ON/OFF切替信号が論理値Highに相当する状態である場合には、前記昇圧回路は動作状態とされて、電源電圧よりも高い電圧を前記スイッチ回路における経路切替の切替電圧として供給すると共に、前記バイアス回路は非動作状態とされる一方、前記昇圧ON/OFF切替信号が論理値Lowに相当する状態である場合には、前記昇圧回路は非動作状態とされると共に、前記バイアス回路は動作状態とされて、電源電圧に等しい電圧をバイアス抵抗器を介して前記スイッチ回路に接続されたアンテナ端子に供給するよう構成されてなり、
前記バイアス回路は、デプレッション型電界効果トランジスタを有し、当該デプレッション型電界効果トランジスタは、一端がアンテナ端子に接続されたバイアス抵抗器と、電源端子との間に直列接続されると共に、前記デプレッション型電界効果トランジスタと前記バイアス抵抗器との接続点とグランドとの間には、バイパスキャパシタが設けられる一方、
前記電源端子と前記デプレッション型電界効果トランジスタのゲートとの間には抵抗器が接続され、当該抵抗器と前記デプレッション型電界効果トランジスタのゲートとの接続点には、インバータの出力端子が接続され、当該インバータには、昇圧ON/OFF切替信号が入力されるよう構成されてなるものである。
かかる構成において、前記アンテナ端子とグランドとの間に設けられた抵抗器とグランドとの間に、スイッチ素子を直列接続して設けても好適である。
さらに、前記昇圧ON/OFF切替信号と、前記スイッチ回路に外部から入力されて、当該スイッチ回路の動作を制御する信号とは、それぞれ別個に設けられた端子を介して入力されると共に、前記昇圧ON/OFF切替信号は、前記スイッチ回路へ入力される信号とは別個に前記昇圧回路の動作を制御するものであるとさらに好適である。
このため、本発明に係る半導体スイッチ回路は、IIP3=68dBm(typ.)という入力3次インターセプトポイントが要求される通信方式と、IIP3=60dBm(typ.)という入力3次インターセプトポイントが要求される通信方式のいずれにも用いることができ、部品の共用化が可能となり、より安価な装置の提供に寄与することができる。
さらに、昇圧ON/OFF切替信号を入力するための端子を新たに設けることで、従来と異なり、送受信経路の選択と関係なく昇圧回路の動作の選択が可能となるので、より汎用性の高い半導体スイッチ回路を提供することができる。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態における半導体スイッチ回路の基本構成例について、図1を参照しつつ説明する。
本発明の実施の形態における半導体スイッチ回路は、スイッチ回路21と、昇圧回路(図1においては「BOOST」と表記)22と、バイアス回路(図1においては「BIAS」と表記)23とを主たる構成要素として構成されてなるものである。
かかるスイッチ回路21は、例えば、SPDTスイッチが構成されてなるもので、高周波入出力端子11,12を、選択的にアンテナ端子13Bに接続できるよう動作するものとなっている。なお、アンテナ端子13Bには、アンテナ13が接続されるものとなっている。
この昇圧回路22から出力された電圧は、デコーダ24を介してスイッチFETの切替電圧として印加されることとなる。
バイアス回路23は、昇圧回路22がオフ、すなわち、非動作状態の場合に、アンテナ端子13Bに電源電圧を印加するように構成されたものとなっている。
なお、図1に示された構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略し、以下、異なる点を中心に説明する。
最初に、スイッチ回路21は、第1及び第2のスイッチ素子31,32を中心にSPDTスイッチが構成されたものとなっている。
この構成例においては、第1及び第2のスイッチ素子31,32は、デプレッション型電界効果トランジスタを用いたものとなっている。
また、第1のスイッチ素子31のソース(又はドレイン)と第2のスイッチ素子32のソース(又はドレイン)は、相互に接続されて第3のDCカットキャパシタ36を介してアンテナ端子13Bに接続されている。
そして、第1及び第2のスイッチ素子31,32のソース(又はドレイン)と第3のDCカットキャパシタ36との接続点とグランドとの間には、抵抗器33と第3のスイッチ素子38が直列接続されて設けられている。
そして、第1のスイッチ素子31のゲートは、第1のゲート抵抗器48を介してデコーダ24の第1の出力端子52に、また、第2のスイッチ素子32のゲートは、第2のゲート抵抗器49を介してデコーダ24の第2の出力端子53に、それぞれ接続されている。
バイアス回路用半導体素子41のソースは、ダイオード37のアノードに接続されると共に、抵抗器42を介してゲート及びインバータ43の出力端子に接続されたものとなっている。
そして、インバータ43には、昇圧ON/OFF切替端子16を介して昇圧ON/OFF切替信号が入力されるようになっている。
まず、高周波入出力端子11とアンテナ端子13Bが接続される一方、高周波入出力端子12とアンテナ端子13Bが遮断されるべく所定のスイッチ経路切替信号がスイッチ経路切替信号入力端子15に印加されると共に、昇圧ON/OFF切替端子16には、論理値Highに相当する信号が印加されたとする。
この場合、昇圧回路22は、動作状態となるため、ダイオード37のカソードに接続された昇圧回路22の出力端には、電源電圧供給端子14に印加される所定の電源電圧よりも高い電圧V1が出力されることとなる。
この場合、第1のスイッチ素子31のゲートには、上述の場合とは逆に、V(L)≒0が、第2のスイッチ素子32のゲートには、V(H)≒VDDが、それぞれ印加されて、高周波入出力端子11とアンテナ端子13B間が遮断される一方、高周波入出力端子12とアンテナ端子13Bが接続されることとなる。
その結果、バイアス回路用半導体素子41のソース電位である電源電圧VDDがドレインに出力され、バイアス抵抗器44を介して接続点54に印加されることとなる。
そして、昇圧回路22はOFF状態のため、その消費電流がON状態と比較して大幅に減少し、低消費電力化が実現されることとなる。
同図によれば、本発明の実施の形態におけるようなバイアス回路23を有さない従来回路(図7参照)においては、昇圧回路22AのOFF時にダイオード37Aを介して電源電圧が供給され、アンテナ13Aとグランドとの間に設けられた抵抗器33Aにより、スイッチFETと抵抗器33Aとアンテナ13Aとの接続点54Aの電圧は、電源電圧VDDよりも低くなるため、スイッチFETの切替電圧は電源電圧VDDよりも小さくなる(図3参照)。
最初に、図4においては、本発明の実施の形態における半導体スイッチ回路と従来回路の各々のIM3と出力電力特性は同一であるため、従来回路の特性は、本発明の実施の形態における半導体スイッチ回路の特性を示す実線の特性線に重なったものとなっている。
そして、いずれの回路も、IIP3は同一となっている。
11A…送信回路接続端子
12A…受信回路接続端子
13…アンテナ
13B…アンテナ端子
14…電源電圧供給端子
15…スイッチ経路切替信号端子
16…昇圧ON/OFF切替端子
21…スイッチ回路
22…昇圧回路
23…バイアス回路
24…デコーダ
Claims (3)
- 高周波信号の伝送経路を切り替えるスイッチ回路と、ON/OFF機能を有する昇圧回路と、外部からの制御に応じて前記スイッチ回路に接続されたアンテナ端子に所定電圧を供給するバイアス回路とを具備してなる半導体スイッチ回路であって、
前記昇圧回路及びバイアス回路は、外部から入力される昇圧ON/OFF切替信号に応じて動作するよう構成されてなり、前記昇圧ON/OFF切替信号が論理値Highに相当する状態である場合には、前記昇圧回路は動作状態とされて、電源電圧よりも高い電圧を前記スイッチ回路における経路切替の切替電圧として供給すると共に、前記バイアス回路は非動作状態とされる一方、前記昇圧ON/OFF切替信号が論理値Lowに相当する状態である場合には、前記昇圧回路は非動作状態とされると共に、前記バイアス回路は動作状態とされて、電源電圧に等しい電圧をバイアス抵抗器を介して前記スイッチ回路に接続されたアンテナ端子に供給するよう構成されてなり、
前記バイアス回路は、デプレッション型電界効果トランジスタを有し、当該デプレッション型電界効果トランジスタは、一端がアンテナ端子に接続されたバイアス抵抗器と、電源端子との間に直列接続されると共に、前記デプレッション型電界効果トランジスタと前記バイアス抵抗器との接続点とグランドとの間には、バイパスキャパシタが設けられる一方、
前記電源端子と前記デプレッション型電界効果トランジスタのゲートとの間には抵抗器が接続され、当該抵抗器と前記デプレッション型電界効果トランジスタのゲートとの接続点には、インバータの出力端子が接続され、当該インバータには、昇圧ON/OFF切替信号が入力されるよう構成されてなることを特徴とする半導体スイッチ回路。 - 前記アンテナ端子とグランドとの間に設けられた抵抗器とグランドとの間に、スイッチ素子が直列接続されて設けられてなることを特徴とする請求項1記載の半導体スイッチ回路。
- 前記昇圧ON/OFF切替信号と、前記スイッチ回路に外部から入力されて、当該スイッチ回路の動作を制御する信号とは、それぞれ別個に設けられた端子を介して入力されると共に、前記昇圧ON/OFF切替信号は、前記スイッチ回路へ入力される信号とは別個に前記昇圧回路の動作を制御するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体スイッチ回路。
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