JP2010050379A - 電磁波遮蔽フィルタ、多機能フィルタ及び画像表示装置 - Google Patents

電磁波遮蔽フィルタ、多機能フィルタ及び画像表示装置 Download PDF

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英司 大石
Takeaki Imaizumi
武章 今泉
Setsuko Akai
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Abstract

【課題】 金属パターンの材質を銅から安価なアルミニウムに代えると生じる、ケミカルエッチング形成したパターンの輪郭の平滑性を改善し、アルミニウム製で安価な電磁波遮蔽フィルタを提供する。また、この電磁波遮蔽フィルタを用いて、多機能フィルタ、画像表示装置を低コスト化可能とする。
【解決手段】 電磁波遮蔽フィルタは、透明基材上の金属パターンがアルミニウムパターン2であり、その少なくとも上面(透明基材に対してパターン2が形成された側)のアルミニウムの酸化皮膜の厚みtが0Å≦t≦13Åとし、且つパターン2のライン幅の平均値LとバラツキΔL(3σ)とを(ΔL/L)×100≦50%とした。また、この電磁波遮蔽フィルタと光学フィルタとを積層して多機能フィルタとし、この電磁波遮蔽フィルタ又は多機能フィルタを前面に配置して画像表示装置とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は画像表示装置(ディスプレイ)の前面に配置するのに好適な、電磁波遮蔽フィルタと、それを用いた多機能フィルタ及び画像表示装置に関する。
現在、電磁波遮蔽フィルタは、ディスプレイの前面に配置する用途などで使用されており、そのなかでも代表的にはプラズマディスプレイ(PDPともいう)用途がある。プラズマディスプレイ用の電磁波遮蔽フィルタにおいて、電磁波遮蔽性能と光透過性とを両立させた金属パターンとしてはメッシュ状のパターンが多く用いられている。金属パターン(電磁障害(EMI)遮蔽用メッシュ、EMIメッシュとも略称する)は、透明基材に金属箔を透明接着剤で貼り合せた後、フォトリソグラフィー法により金属箔をメッシュ状にケミカルエッチングして作ることができる(特許文献1、特許文献2)。
金属箔の金属の材質としては、特許文献などでは特に限定しない文献が多い(特許文献1、特許文献2)。例示される金属としては銅の他、アルミニウム(特許文献2)等の高電導率のものが挙げられている。しかし、事実上、市場に流通している電磁波遮蔽フィルタのEMIメッシュは、銅、具体的には銅箔しか用いられておらず、アルミニウム箔を用いたものはなく実用化されていない。
特開2003−318596号公報 特許第3388682号公報
近年、画像表示装置の普及促進において、高価な電磁波遮蔽フィルタはその妨げとなっており、電磁波遮蔽フィルタの低コスト化の為には、銅箔よりも安価なアルミニウム箔の採用が考えられる。
そこで、我々は、低コスト化を狙い、金属パターン(EMIメッシュ)の金属材料として、銅箔よりも安いアルミニウム箔を用いた電磁波遮蔽フィルタの検討を行ったが、その結果、実用化するには、実は、次の解決すべき課題があることがわかった。尚、以下の課題は、パターンの線幅及び厚みの寸法が100μm程度以上の場合は目立たい。高品質の画像表示装置用途の為に透視性を追及すべく、パターンの線幅及び厚みの寸法が10〜20μm程度以下に微細化した場合に於いて、特に顕在化して来るものであることも判明した。
(a)アルミニウム自体が活性が高く、表面にアルミニウムの酸化皮膜が存在し、これが耐腐食膜となってケミカルエッチングを阻害する。
(b)エッチング液に接触した領域の酸化皮膜が一部除去されると、除去された部分がまだ除去されていない部分に対して急速にエッチングが進んでしまい、均一な安定したエッチングが困難である。
(c)上記(a)及び(b)の結果として、金属パターンのライン部の輪郭に、ギザ(zigzag状のこと。ラインの輪郭に凹凸があって直線性つまり平滑性が悪くギザギザしている形態をこのように呼称する。)や断線が発生し、ラインのパターン精度が、銅箔の場合に比べてアルミニウムは劣る。
以上の結果、銅箔と比べて画像表示装置で要求される微細なパターン(例えばライン幅10〜20μm、パターンの厚み10〜20μm程度)が得られない。そして、ギザは光透過性を実現する開口部の面積率のムラとなって表示画面の面ムラに繋がり、断線は電磁波遮蔽性能の低下に繋がる。
すなわち、本発明の課題は、金属パターンの材質を銅から安価なアルミニウムに代えると生じる、ケミカルエッチングで形成したアルミニウムパターンの輪郭の平滑性を改善して目視外観の均一性を向上させて、アルミニウムを用いた安価でしかも実用可能な電磁波遮蔽フィルタを提供することである。
また、該電磁波遮蔽フィルタを用いた多機能フィルタ、これらフィルタを用いた画像表示装置を提供することである。
そこで、本発明の電磁波遮蔽フィルタでは、透明基材上に金属パターンが形成された電磁波遮蔽フィルタにおいて、金属パターンがアルミニウムパターンであり、アルミニウムパターンの少なくとも上面(透明基材に対してアルミニウムパターンが形成された側と同じ向きとなる面)のアルミニウムの酸化皮膜の厚みtが0Å≦t≦13Åであり、且つアルミニウムパターンのライン幅の平均値Lと該ライン幅の分布の3σ(σは標準偏差)であるバラツキΔLとが、(ΔL/L)×100≦50%である、電磁波遮蔽フィルタとした。
このように、少なくとも上面側のアルミニウムの酸化皮膜の厚みを薄く規定することで、アルミニウムパターンをケミカルエッチングで形成する際に安定したエッチングが可能でエッチング品質が改善する為に、ライン輪郭部のギザや断線となる不良が解消してパターン精度が向上する。更に上記酸化皮膜の厚みを薄くすることで、ライン幅のバラツキΔLを抑えることが出来、その結果、ライン幅のバラツキΔLと平均値Lとを上記の様に規定することで、パターンの輪郭の平滑性改善により目視外観の均一性が向上する。また該酸化皮膜の厚みを薄くすることで、電磁波遮蔽性(表面抵抗値)のバラツキやヘーズ(曇価)の上昇を避けられる。この結果、銅よりも安価なアルミニウムを利用して、材料的に安価な電磁波遮蔽フィルタを実用化できる。
また、製造面でも、アルミニウムの酸化皮膜はそのままでケミカルエッチングできるのでその除去工程が不要で、製造工程の複雑化やコストアップを避けられる。
また、本発明の多機能フィルタは、上記電磁波遮蔽フィルタと、光学フィルタとを積層した多機能フィルタとした。
この構成によって、電磁波遮蔽機能と共に光学フィルタ機能も備えた多機能化がなされ、透明基材の共通化、フィルタの薄型化が可能となり、ひいては低コスト化も可能となる。
また、本発明の画像表示装置は、上記電磁波遮蔽フィルタ又は多機能フィルタを、前面に配置した画像表示装置とした。
この構成によって、低コスト化が可能となり、画像表示装置の普及促進を図れる。
(1)本発明の電磁波遮蔽フィルタによれば、金属パターンに銅よりも安価なアルミニウムを用いても、ケミカルエッチング形成時のライン輪郭のギザ(zigzag)や断線が解消してラインの輪郭の平滑性が向上してパターン精度が向上し目視外観の均一性が向上し、また、電磁波遮蔽性(表面抵抗値)のバラツキ、ヘーズの上昇を避けられ、安価な電磁波遮蔽フィルタを実用できる。
しかも、製造面でも、アルミニウムの酸化皮膜はそのままでケミカルエッチングできるので、酸化皮膜の追加的な除去工程が不要で、製造工程の複雑化やコストアップも避けられる。
(2)本発明の多機能フィルタによれば、低コスト化など、上記電磁波遮蔽フィルタによる効果が得られる多機能フィルタとなる。
(3)本発明の画像表示装置によれば、低コスト化など上記電磁波遮蔽フィルタ乃至は上記多機能フィルタの効果が得られる画像表示装置となり、その普及促進が図れる。
以下、本発明について、実施の形態を図面を参照しながら説明する。
先ず、図1の断面図で例示する電磁波遮蔽フィルタ10は、本発明の電磁波遮蔽フィルタの一形態を示し、同図の場合では、アルミニウムパターン2はその上面及び下面の表面にはアルミニウムの酸化皮膜3を有し、少なくとも上面の酸化皮膜の厚みtが0Å≦t≦13Åの範囲となっている。しかも、アルミニウムパターン2は、そのラインの輪郭の平滑性について、該ラインのライン幅の平均値Lと、該ラインのライン幅の分布の3σであるバラツキΔLとの関係が、(ΔL/L)×100≦50%となっている。なお、σは標準偏差である。
そして、同図の形態例では、このアルミニウムパターン2は、その下面側の酸化皮膜3の下面で透明接着剤層4によって透明基材1に接着固定され積層されている構成のものである。透明接着剤層4はアルミニウムパターンの開口部も含めて透明基材1の全面に形成されている。
なお、本発明にて「上面」とは、透明基材に対してアルミニウムパターンが形成された側と同じ向きとなる面(図面では上方を向く面でもある)を言い、「下面」とは「上面」と逆向きの面(図面では下方を向く面でもある)を言う。
[透明基材]
透明基材1は、可視領域での透明性(光透過性)、耐熱性、機械的強度等の要求物性を考慮して、公知の材料及び厚みを適宜選択すればよく、ガラス、セラミックス等の透明無機物の板、或いは樹脂板など板状体の剛直物でも良い。ただし、生産性に優れるロール・トゥ・ロールでの連続加工適性を考慮すると、フレキシブルな樹脂フィルム(乃至シート)が好ましい。尚、ロール・トゥ・ロールとは、巻取(ロール)から巻き出して供給し、適宜加工を施し、その後、巻取に巻き取って保管する加工方式をいう。
樹脂フィルム、樹脂板の樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、シクロオレフィン重合体などのポリオレフィン系樹脂、トリアセチルセルロースなどのセルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリイミド系樹脂等である。なかでも、ポリエチレンテレフタレートはその2軸延伸フィルムが耐熱性、機械的強度、光透過性、コスト等の点で好ましい透明基材である。
透明基材の厚みは基本的には特に制限はなく用途等に応じ適宜選択し、フレキシブルな樹脂フィルムを利用する場合、例えば12〜500μm、好ましくは25〜200μm程度である。
なお、透明基材の樹脂中には、必要に応じて適宜、紫外線吸収剤、着色剤、充填剤、可塑剤、帯電防止剤などの公知の添加剤を添加できる。
また、透明基材は、その表面に、コロナ放電処理、プライマー処理、下地処理などの公知の易接着処理を行ったものでも良い。
[アルミニウムパターン]
アルミニウムパターン2はアルミニウムで形成したパターン層であり、該層自体は不透明だが、開口部など該層の非形成部を設けたパターンとすることによって、電磁波遮蔽性能と光透過性とを両立させた層である。しかも、本発明のアルミニウムパターン2は少なくともその上面に特定の厚み範囲0〜13Åのアルミニウムの酸化皮膜3を有する。尚、1Å=0.1nmである。
アルミニウムパターンのアルミニウムは、アルミニウムを主成分とし、アルミニウム純金属の他にアルミニウム合金でもよくこれらを纏めて本発明ではアルミニウムというが、アルミニウムの純度が低いと導電性が低下するので、純度は電磁波遮蔽性能の点では高い方が好ましく、純度が99.0%以上のアルミニウムが好ましい。このような純度が99.0%以上のアルミニウムを利用したアルミニウムパターンは、JIS H4160(アルミニウム及びアルミニウム合金はく)、JIS H4170(高純度アルミニウムはく)で規定されるアルミニウム箔に準じた箔を利用することで形成できる。
なお、アルミニウムパターンはアルミニウム箔から形成するのではなく、透明基材上にアルミニウムを気相成長法、例えば真空蒸着法で形成したアルミニウム蒸着膜から形成したものを利用しても良い。
アルミニウムパターンの厚みは、電磁波遮蔽性能、加工適性、機械的強度などの点から適宜選択すればよく、具体的には1〜100μm、好ましくは5〜20μm、より好ましくは8〜15μmである。厚みが薄いと電磁波遮蔽性能、機械的強度などが低下し、厚みが厚いと加工適性が低下する。
アルミニウムパターンの平面視のパターンの形状は、例えばメッシュ形状、ストライプ形状などの電磁波遮蔽性能と光透過性とを両立させた公知のパターンである。なかでもメッシュ形状、それも正方格子形状が代表的であり、この他、格子形状で言えば例えば長方形格子、菱形格子、六角格子、三角格子などがある。メッシュはこれら形状からなる複数の開口部を有し、開口部間は開口部を区画するライン部(線部又は線条部)となる。ライン部は通常幅均一でライン状のものであり、また通常は開口部及び開口部間は、全て各々同一形状で同一サイズとなる。
なお、上記パターンは、ディスプレイ用途では、電磁波遮蔽フィルタの画像表示に影響しない四辺周辺部には、接地用導通の為に開口部を設けないベタパターンか、在っても占有面積比率が小さい接地領域を、開口部を有する内部の画像表示領域の周囲に有することがある。
パターンのライン部のライン幅は例えば5〜50μm、本発明の効果がより際立つ点ではより細い5〜30μmであり、ラインの繰り返し周期であるライン間隔(ピッチ)は例えば100〜500μmである。
また、パターンのライン部その輪郭がなるべくキザが小さく平滑であるのが、電磁波遮蔽フィルタを目視で見たときの外観の均一性の点で好ましい。そのためには、アルミニウムパターンのライン幅について、ライン幅のバラツキΔLとライン幅の平均値Lとの関係について、(ΔL/L)×100を50%以下とするのが好ましい。言い換えると、ライン幅のバラツキΔLをライン幅の平均値Lの50%以下に抑えるのが好ましい。
ここで、図2は、ライン幅の平均値L及びバラツキΔLを、概念的に説明する平面図であり、図2(a)で示すライン2の図面右側の輪郭の一部を部分的に拡大して示した部分拡大図が、図2(b)である。また、図2は、平均値LとバラツキΔL、L−ΔL、L+ΔLなどの意味を概念的に説明するためのものであり、図面縦横比、ライン幅とバラツキの大小関係、ライン輪郭の凹凸具合、などは、この限りではない。また、L−ΔL、L+ΔL、及びLの関係を、ラインの片側輪郭のギザ形状によるライン幅で代表して概念的に示してある。
そして、上記(ΔL/L)×100で規定される、ΔLとLの関係が、50%を超えるとライン輪郭の平滑性低下により目視外観での均一性が低下する。なお、ΔLとLの関係式(ΔL/L)×100の下限は0%、つまりバラツキΔLが無くゼロが平滑性の点で好ましく理想的でもあるが、50%以下とすれば目視外観での均一性が得られる。なお、上記関係式の値は50%以下で良いが、より好ましくは15%以下が良い。
ところで、本発明にてライン幅の平均値L及びバラツキΔLは、アルミニウムパターンのライン幅を、同一製造ロット内で多数の測定位置で多数測定し(測定数は最低限、測定数n≧3、好ましくは、測定数n≧10)、個々のライン幅の測定結果を統計処理して得られる、ライン幅の平均値がL、ライン幅の分布に対する標準偏差σの3倍である3σがバラツキΔLである。
これにより、ライン幅の分布は、(L−ΔL)から(L+ΔL)の範囲内に大多数(分布が正規分布であると仮定すると99.7%)が収まる。また、本発明では(ΔL/L)×100は、最大の50%のときΔLは0.5Lとなるから、個々のライン幅は、0.5L≦個々のライン幅≦1.5Lとなる。
なお、前記、ライン幅の多数測定の対象は、同一製造ロット内ではなく、複数の異なる製造ロットについて測定できる場合は、多数の測定位置が複数の異なる製造ロットに分散する様にして多数測定することもできるが、ライン輪郭の平滑性の観点から見た、平均値L及びバラツキΔLの意味合いは特定の製品を評価した際の透過画像の外観(ムラ、コントラスト等)及び電磁波遮蔽性能の良否に対応する指標である為、本来、同一ロット内の1製品単位(画像表示装置1画面分)の中に於いてL及びΔLを測定し、(ΔL/L)×100を算出する必要がある。但し、同一ロット内に於ける各製品の(ΔL/L)×100の分布状況を評価する場合には、同一ロット内に於ける異なった複数の製品毎に当該数値の差異を比較評価する意義は有る。又、各製造ロット毎に当該数値の差異を比較測定する場合には、複数ロット内の製品の当該数値を比較測定する意義は有る。
尚、アルミニウムパターンの線条部(ライン部)の幅について、(ΔL/L)×100≦50%となる様にするためには、アルミニウムの酸化皮膜の厚みを13Å以下に設定すると共に、エッチング加工条件(腐蝕液の組成、濃度、液温、或いは循環等)を制御して、(ΔL/L)×100の値が所定の範囲に収束するようにする。
(パターン形成)
アルミニウムパターンのパターンを形成するには、透明基材上にアルミニウム箔などパターン形成前のアルミニウム層を積層した後、ケミカルエッチングによって形成できる。ケミカルエッチング時のレジストパターンのパターン形成はフォトリソグラフィー法(感光性レジスト膜上へのパターン露光法)、感光性レジスト膜の印刷法などの公知のパターン形成法を適宜選択すればよい。なかでも、フォトリソグラフィー法は印刷法に比べて、電磁波遮蔽フィルタに要求されるライン幅やその輪郭の平滑性も含めたライン幅の均一性など高精度のパターンを安定的に形成できる点で好ましい方法である。
アルミニウムパターンをケミカルエッチングする際のエッチング液としては、公知のエッチング液を適宜選択使用すれば良い。例えば、塩化第二鉄を含む酸性のエッチング液である。
エッチングは、アルミニウム層の上面のレジストパターン非形成部に於けるアルミニウムの酸化皮膜も含めて行われる。エッチングの前処理として、該上面のアルミニウムの酸化皮膜の除去は特に必要ない。
そして、レジストパターン形成部に対応した、上面や下面のアルミニウムの酸化皮膜3は、アルミニウムパターン2の上面や下面の酸化皮膜3となって残る。
[アルミニウムの酸化皮膜]
アルミニウムの酸化皮膜はアルミニウム酸化物を含む層であり、アルミニウムパターンをアルミニウム箔を利用して形成する場合、アルミニウムの酸化皮膜は箔の上面及び下面の表裏両面に存在するが、本発明ではケミカルエッチングでパターン形成する際に、エッチングされる側、つまり上面側について、その厚みを規定する。アルミニウムパターンの少なくとも上面のアルミニウムの酸化皮膜の厚みについて、その上限を13Å、好ましくは12Å、より好ましくは10Å、更に好ましくは8Åとする。
少なくとも上面のアルミニウムの酸化皮膜の厚みについて、その上限を上記のようにすることで、該酸化皮膜がたとえ存在したままでも、安定したケミカルエッチングが可能となり、銅を安価なアルミニウムに変更したが故のパターン精度不良を回避できる。
ところで、普通に製造されるアルミニウム箔は圧延法で製造され、アルミニウム塊の圧延工程、焼鈍工程を経る箔製造工程、その後の空気中保管など、常温(20℃、50%RH前後)で製造保管することによって、活性なアルミニウムは表面に不可逆的にアルミニウムの酸化皮膜が形成されるが、本発明の様に薄い酸化皮膜とはならずに、より厚みの厚い15Å以上、通常20〜100Å程度の酸化皮膜となる。
また、アルミニウムパターン上面のアルミニウムの酸化皮膜の厚みの下限は、ケミカルエッチングを阻害しない観点からは、0(零)Å、つまり酸化皮膜が存在しなくても良い。
ただ、アルミニウムの酸化皮膜は、不動態膜と言われており、アルミニウム箔を加工、搬送、保管する過程中に於いて、アルミニウム箔の内部に(不用意な、望まれない)酸化乃至は腐食が進行することを防止する機能を有するので、この点では2〜3Å程度の、緻密なアルミニウム不動態膜としての酸化皮膜を形成しておいてもよい。
なお、上面にアルミニウムの酸化皮膜が存在しないアルミニウムパターンは、真空中、不活性気体中でパターン形成前のアルミニウム層を透明基材上に形成し、酸化皮膜生成前にアルミニウム層の上面を樹脂被覆し酸化反応を遮断するなどすれば可能である。その後、ケミカルエッチングで所定のパターンを形成すれば、上面にアルミニウムの酸化皮膜が存在しないアルミニウムパターンとなる。
アルミニウムの酸化皮膜の厚みを上記のような薄い所定の厚みにするには、各種あるが、アルミニウムパターンにアルミニウム箔を利用する場合、アルミニウム箔は圧延法によって作られ、その後、焼鈍して製造されているが、圧延条件や焼鈍条件を調整することで、目的とする厚みに調整できる。
例えば、圧延後のアルミニウム箔の表面に付着している圧延油を焼鈍時に除去する際に、表面が酸化しないように、焼鈍雰囲気のガス組成を制御したり(酸素濃度を低めにする)、アルミニウム箔表面のアルミニウムの酸化皮膜を薬品で除去したりする、といった方法などがある。焼鈍しないという方法もあるが、圧延油は、フォトリソグラフィー法に悪影響を及ぼすため好ましくない。
なお、アルミニウムの酸化皮膜の厚みは、ハンターホール法、蛍光X線分析法の一種であるX線光電子分光法(XPS)で測定する。
アルミニウムの酸化皮膜は、その箔製造工程からして、箔の表裏両面、つまり上面及び下面の両面に通常形成されている。このうち、アルミニウムパターンのパターン形成のためのケミカルエッチングに影響するのは上面の酸化皮膜であるので、本発明では少なくともこの上面のアルミニウムの酸化皮膜について特定の厚み(薄さ)を規定する。尚、下面のアルミニウムの酸化皮膜については、通常は、上面のアルミニウム酸化皮膜に比べてケミカルエッチング時のメッシュ形状ギザ発生への寄与は無視出来る為、パターン精度の点からは特に規定する必要はない。但し、該膜厚が厚すぎると、開口部に残留したアルミニウム酸化皮膜によるメッシュ形状への悪影響も起こり得るし、又開口部の透明性を低下させることも有り得る。この為、下面のアルミニウム酸化皮膜は、好ましくは、可視光線の最小波長380nm未満、更に好ましくは200nm以下とすることが推奨される。例えば、下面のアルミニウム酸化皮膜の膜厚も上面と同様に0〜13Åとする。尚、本発明の1形態として、ケミカルエッチング前の下面のアルミニウム酸化皮膜の膜厚、及びケミカルエッチングの加工条件を調整することにより、パターン開口部に可視光線の最小波長380nm未満(例えば3〜13Å)の膜厚の透明なアルミニウム酸化皮膜を残留させ、ケミカルエッチング時に開口部に露出する透明接着剤層又は透明基材を腐食液による着色から保護することも出来る。
ただ、下面のアルミニウムの酸化皮膜も上面の酸化皮膜と同程度の厚みで存在するとすれば、下面のアルミニウムの酸化皮膜の厚みについても、上記した上面のアルミニウムの酸化皮膜の厚みと同じ規定をすることができる。
(黒化処理層)
なお、アルミニウムパターンはその表面に黒化処理層を形成してもよい。
黒化処理層は、アルミニウムパターンやその表面の酸化皮膜による光反射を抑制することで、外光吸収、画像のコントラスト向上を図る層である。黒化処理層は外光吸収、画像のコントラスト向上が必要な場合に設ける。黒化処理層はアルミニウムパターンの表面、表面に酸化皮膜がある場合はその皮膜表面に設けて、その光反射率を低下させる層である。
ここで表面は上面、下面、側面などの面をいう。黒化処理して黒化処理層を形成する表面としては、上面のみ、上面と両側側面、下面のみ、上面と両側側面と下面の全ての表面など、要求に応じた面とすれば良いのは公知の黒化処理と同じである。このうち、透明接着剤層存在下で透明接着剤に接する面が下面である。また、電磁波遮蔽フィルタをその上面側を観察者側にして使用するには、少なくとも上面については黒化処理層を形成するのが好ましく、更に好ましくは両側側面、後述画像表示素子側となる下面についても黒化処理層を形成するのがよい。
黒化処理層としては、電磁波遮蔽フィルタにおいて、公知のものを適宜採用すれば良い。例えば、黒化処理層としては、金属などの無機材料、黒色樹脂などの有機材料などを使用できる。無機材料としては、例えば金属乃至は合金、金属酸化物、金属硫化物などの金属化合物であり、めっき法など公知の黒化処理にて形成することができる。また、黒色樹脂としては例えば黒色の着色剤を樹脂中に含有させた層として形成できる。
[透明接着剤層]
透明接着剤層4は、アルミニウムパターンを透明基材に固定するための層であり、例えば、アルミニウムパターンをアルミニウム箔から形成する場合に、アルミニウム箔を透明基材に接着固定するために使用される。なお、透明接着剤層は、アルミニウムパターンをアルミニウム蒸着で透明基材上に直接積層したアルミニウム層から形成する場合では省略できる。
透明接着剤層としては、アルミニウムパターンの開口部による光透過性を阻害しないように、透明な接着剤であればよく、公知の透明な接着剤を適宜使用すればよい。例えば、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ゴム系接着剤などである。なかでも、ウレタン系接着剤、例えば2液硬化型ウレタン系接着剤は、接着力などの点で好ましい。2液硬化型ウレタン系接着剤としては、ポリオールを主剤とし、これに硬化剤としてポリイソシアネート化合物を用いた接着剤を使用できる。ポリオールは、例えば、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリウレタンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリウレタンポリオールなどである。また、ポリイソシアネート化合物は、例えば、トリレンジイソシアネート系、キシリレンジイソシアネート系、ヘキサメチレンジイソシアネート系などである。ポリオール、ポリイソシアネートは、各々複数種使用してもよい。
透明接着剤層は、透明な接着剤をアルミニウム箔、透明基材のいずれか又は両方に公知の形成法によって施した後、これらを接着剤を介する様に積層することで形成できる。該形成法は、塗工法、印刷法などである。
[多機能フィルタ]
多機能フィルタ20は、上記した電磁波遮蔽フィルタに更に光学フィルタを積層し、電磁波遮蔽機能と共に光学フィルタ機能を備えたフィルタである。図3はこのような、多機能フィルタ20の一形態を示す断面図であり、電磁波遮蔽フィルタ10の片面に光学フィルタ5が直接積層された構成のフィルタである。
積層面は電磁波遮蔽フィルタ10の何れかの片面の他、両面でもよい。なお、積層面が片面の場合、透明基材の下面側の面、アルミニウムパターンの上面側の面、いずれでもよい。
電磁波遮蔽フィルタに更に光学フィルタを積層した多機能フィルタとすることによって、電磁波遮蔽機能と共に光学フィルタ機能も備えた多機能化がなされ、透明基材の共通化、フィルタの薄型化が可能となり、ひいては低コスト化も可能となる。
(光学フィルタ)
光学フィルタ5としては、光学フィルタ機能を有する公知の光学フィルタを適宜選択すればよい。光学フィルタ機能としては、例えば、近赤外線を吸収する近赤外線吸収機能、紫外線を吸収する紫外線吸収機能、PDPディスプレイのネオン光を吸収するネオン光吸収機能、表示画像を好みの色調に補正する色補正機能などの特定光透過機能、反射防止機能(防眩、反射防止、防眩及び反射防止のいずれか)、或いは特開2007−272161号公報に記載の外光反射防止によるコントラスト向上機能を有する薄膜微小ルーバなどである。
光学フィルタ5は、上記した、近赤外線吸収機能、反射防止機能、コントラスト向上機能などの各種光学フィルタ機能のうち1機能或いは2機能以上を備える。
これら各種の光学フィルタ機能は、例えば、近赤外線吸収機能、ネオン光吸収機能、色補正機能などは、これら機能に応じた色素(近赤外線吸収色素、ネオン光吸収色素、色補正色素)を用い、紫外線吸収機能は紫外線吸収剤を用いるなど、公知の材料・方法で実現できる。例えば、これら材料を樹脂中に分散させた樹脂層を光学フィルタ層として、公知の塗工法、押出法などで形成することができる。また、樹脂層は単層又は多層構成によって、複数機能を兼用することができる。
また、反射防止機能なども含めて光学フィルタ機能を担う光学フィルタ層は、適宜透明基材に積層して光学フィルタとすることもある。なお、ここでの透明基材としては、前述電磁波遮蔽フィルタの透明基材で列記した材料を使用できる。
[その他の層]
上記した電磁波遮蔽フィルタ、多機能フィルタには、更にその他の層、例えば、アルミニウムパターンの上面側の凹凸を平坦化する平坦化樹脂層、表面を保護する表面保護層、ハードコート層、汚染防止機能層、帯電防止機能層、粘着剤層などの、これらのフィルタにおいて公知の層を積層することができる。これらの層は、兼用することができる。
[画像表示装置]
本発明の画像表示装置は、上記した電磁波遮蔽フィルタ又は多機能フィルタを前面に配置した画像表示装置であり、より具体的には上記した電磁波遮蔽フィルタ又は多機能フィルタを画像表示素子の観察者側に配置した表示装置である。なお、前面とは画像表示装置の観察者側面である。また、配置は公知の形態によればよい。
このような画像表示装置とすることによって、その低コスト化が可能となり、画像表示装置の普及促進を図れる。
(画像表示素子)
該画像表示素子としては、プラズマディスプレイパネル(PDPともいう)、陰極線管(CRTともいう)、液晶表示素子(LCDともいう)、電界発光素子(ELともいう)などで、電磁波が発生する素子である。例えば、PDPでは、30MHz〜1GHzの帯域の不要な電磁波が発生する。
(配置の形態)
電磁波遮蔽フィルタ又は多機能フィルタを、画像表示素子の観察者側に配置する配置形態には、大別して、電磁波遮蔽フィルタ又は多機能フィルタを画像表示素子の観察者側の面に空間を介さず、但し通常は接着剤層を介して、直接積層して配置する形態〔図4(a)〕と、電磁波遮蔽フィルタ又は多機能フィルタを空間を介して画像表示素子の観察者側に配置する形態〔図4(b)〕とがある。
図4(a)に示す直接積層して配置する形態の画像表示装置40は、電磁波遮蔽フィルタ10又は多機能フィルタ20を、画像表示素子30の観察者側の面に空隙を空けずに直接に積層した表示装置となっている。電磁波遮蔽フィルタ10又は多機能フィルタ20を画像表示素子30の観察者側の面に直貼りすることによって得ることができる。その際、必要に応じて透明な接着剤を介して積層する。接着剤(含む粘着剤)は電磁波遮蔽フィルタ10又は多機能フィルタ20の一部として備えられた接着剤層、或いは積層時にこれらの間に適用したものなど公知のもので良い。透明な接着剤には、上記した透明接着剤層で列記した接着剤などを使用できる。
一方、図4(b)に示す空間を介して配置する形態の画像表示装置40の場合は、一旦、電磁波遮蔽フィルタ10又は多機能フィルタ20を透明基板6の面に直接積層した板状積層体21としたものを、画像表示素子20の観察者側に空間を空けて配置したものである。
なお、図4(b)の様に、電磁波遮蔽フィルタ10又は多機能フィルタ20を空間を空けて配置する形態では、これら電磁波遮蔽フィルタ10又は多機能フィルタ20が剛直な板状体ではなくシート又はフィルム状でフレキシブルで形状維持ができないときに、透明基板6と積層した板状積層体21とすることで、形状維持ができるようになる点で好適である。
また、板状積層体21において、図4(b)に例示の形態では、電磁波遮蔽フィルタ10又は多機能フィルタ20は透明基板6に対して観察者側の面に積層してあるが、この逆に、画像表示素子側の面に積層したものでもよい。
(透明基板)
なお、透明基板6としては、形状維持可能な板状体、例えば、ガラス、セラミックスなどの無機板、樹脂板などが使用できる。樹脂板の樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、シクロオレフィン重合体などのポリオレフィン系樹脂、トリアセチルセルロースなどのセルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリイミド系樹脂等である。
透明基板の樹脂中には、必要に応じて適宜、紫外線吸収剤、着色剤、充填剤、可塑剤、帯電防止剤などの公知の添加剤を添加できる。
[実施例1]
先ず、アルミニウムパターンとする金属箔として、厚み12μmの連続帯状の圧延アルミニウム箔(IN30;JIS H4160準拠)を用意した。このアルミニウム箔の表面の酸化皮膜の厚みを測定したところ、上面下面とも8Åだった。
また、透明基材として、両面にポリエステル樹脂系プライマー層が形成された、連続帯状の無着色透明な厚み100μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用意した。
次いで、上記透明基材の一方のプライマー層面と、上記アルミニウム箔の光沢面とを、透明な2液硬化型ウレタン樹脂系接着剤(主剤として平均分子量3万のポリエステルポリウレタンポリオール12質量部に対して、硬化剤としてキシリレンジイソシアネート系プレポリマー1質量部を含む)を介してドライラミネートした後、加熱エージングして接着剤を硬化させ、アルミニウム箔と透明基材間に厚み3μmの透明接着剤層を有する連続帯状のアルミニウム箔積層シートを得た。
次いで、上記アルミニウム箔積層シートのアルミニウム箔に対して、フォトリソグラフィー法を利用したケミカルエッチング処理を行い、開口部及びライン部とから成るメッシュ状領域、及びメッシュ状領域を囲繞する外縁部に額縁状で開口部を形成しない接地用領域(額縁領域)を有するアルミニウムパターンを形成した。
上記エッチングは、具体的には、カラーTVシャドウマスク用の製造ラインを利用して、連続帯状の上記積層シートに対して、マスキングからエッチングまでを一貫して行った。すなわち、上記積層シートのアルミニウム箔面全面に感光性のエッチングレジストを塗布後、所望のメッシュパターンを密着露光し、現像、硬膜処理、ベーキングして、メッシュの開口部に相当する領域上にレジスト層が非形成となったレジストパターンを形成した後、レジスト層非形成部のアルミニウム箔を、塩化第二鉄を含む酸性水溶液のエッチング液でエッチングして除去して、メッシュ状の開口部を有したアルミニウムパターンを形成し、次いで、水洗、レジスト剥離、洗浄、乾燥を順次行った。
メッシュ状領域(画像表示領域)のメッシュの形状は、その開口部が正方形で非開口部となる線状のライン部のライン幅(平均値)は20μm、そのライン間隔(ピッチ)は300μm、ライン部の高さは12μm、長方形の枚葉シートに切断した場合に、該ライン部と該長方形の長辺とが構成する劣角として定義されるバイアス角度は49度であった。このようにして、幅寸法605mmの電磁波遮蔽フィルタの中間体を得て、ロール状に巻き取った。
得られたロール状の、電磁波遮蔽フィルタの中間体を、ロール・トウ・ロールで連続的に黒化処理装置に供給し、中間体のアルミニウムパターン面に対してニッケル化合物の黒化処理層を形成し、巻き取って電磁波遮蔽フィルタを得た。
得られたアルミニウムパターンのパターン精度は、メッシュのライン幅は平均値L20μmに対して±2.3μmのバラツキがあり、その平均値LとバラツキΔLとの関係が(ΔL/L)×100=12%である。ラインの輪郭の平滑性に関して、目視で非常に均一性が高く、欠陥が無いように見え、表面抵抗値も均一である。
[実施例2]
実施例1において、アルミニウム箔の表面酸化皮膜の厚みが13Åのものを使用した以外は同様にして電磁波遮蔽フィルタを得た。
得られたアルミニウムパターンのパターン精度は、メッシュのライン幅は平均値L20μmに対して±9.5μmのバラツキがあり、その平均値LとバラツキΔLとの関係が(ΔL/L)×100=48%である。ラインの輪郭の平滑性に関して、目視で非常に均一性が高く、欠陥が無いように見え、表面抵抗値も均一である。
[比較例1]
実施例1において、アルミニウム箔の表面酸化皮膜の厚みが20Åのものを使用した以外は同様にして電磁波遮蔽フィルタを得た。
得られたアルミニウムパターンのパターン精度は、メッシュのライン幅は平均値L20μmだが断線が在り、ライン幅の平均値LとバラツキΔLとの関係が(ΔL/L)×100=100%である。ラインの輪郭の平滑性に関して、ラインの輪郭が不均一であり、断線部分等の欠陥が見え、表面抵抗値が不均一である。
本発明による電磁波遮蔽フィルタの一形態を示す断面図。 アルミニウムパターンのライン輪郭の平滑性を、ライン幅の平均値Lとライン幅のバラツキΔLで概念的に説明する平面図。 本発明による多機能フィルタの一形態を示す断面図。 本発明による画像表示装置の形態例を示す断面図。
符号の説明
1 透明基材
2 アルミニウムパターン
3 酸化皮膜
4 透明接着剤層
5 光学フィルタ
6 透明基板
10 電磁波遮蔽フィルタ
20 多機能フィルタ
21 板状積層体
30 画像表示素子
40 画像表示装置

Claims (3)

  1. 透明基材上に金属パターンが形成された電磁波遮蔽フィルタにおいて、
    金属パターンがアルミニウムパターンであり、アルミニウムパターンの少なくとも上面(透明基材に対してアルミニウムパターンが形成された側と同じ向きとなる面)のアルミニウムの酸化皮膜の厚みtが0Å≦t≦13Åであり、且つアルミニウムパターンのライン幅の平均値Lと該ライン幅の分布の3σ(σは標準偏差)であるバラツキΔLとが、
    (ΔL/L)×100≦50%である、電磁波遮蔽フィルタ。
  2. 請求項1記載の電磁波遮蔽フィルタと、光学フィルタとを積層した多機能フィルタ。
  3. 請求項1記載の電磁波遮蔽フィルタ又は請求項2記載の多機能フィルタを、前面に配置した画像表示装置。
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