以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態の室内ユニット(1)は、空気調和装置の一部を構成し、室内空間の天井に設置される。空気調和装置は、室外ユニットに設けられる圧縮機、室外熱交換器および膨張弁と、上記室内ユニット(1)に設けられる室内熱交換器(22)とが配管接続されて成る冷媒回路(図示省略)を備えている。冷媒回路は、冷媒が可逆に循環して、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う。空気調和装置では、冷媒回路において室内熱交換器(22)が蒸発器として機能する冷房運転と、冷媒回路において室内熱交換器(22)が凝縮器として機能する暖房運転とが行われる。
〈室内ユニットの構成〉
図1および図2に示すように、上記室内ユニット(1)は、ケーシング(10)と化粧パネル(11)とを備えている。ケーシング(10)内には、室内ファン(21)、室内熱交換器(22)、ドレンパン(23)、エアフィルタ(30)、フィルタ駆動手段(40)、塵埃除去手段(50)、塵埃貯留容器(60)、塵埃搬送手段(80)および塵埃捕集箱(90)が設けられている。
上記ケーシング(10)は、下側が開放された略直方体の箱状に形成され、その下側に化粧パネル(11)が取り付けられている。ケーシング(10)は、図3(A)および(B)にも示すように、上側ケーシング(10a)と、該上側ケーシング(10a)の下部に一体で取り付けられる下側ケーシング(10b)とで構成されている。上側ケーシング(10a)および下側ケーシング(10b)は、何れも下側が開放された略直方体の箱状に形成されている。
上記上側ケーシング(10a)の内面には、断熱材(17)が積層されている。上側ケーシング(10a)の下端面には、ベルマウス(24)が形成され、後述する下側ケーシング(10b)の通気孔(26)に連通している。上側ケーシング(10a)の内部には、図1に示すように、室内ファン(21)、室内熱交換器(22)およびドレンパン(23)が配置されているなお、ケーシング(10)は、下部が天井板の開口に挿通する状態で設置される。
上記化粧パネル(11)は、矩形の板状に形成されている。化粧パネル(11)の平面視形状は、ケーシング(10)の平面視形状よりも一回り大きくなっている。化粧パネル(11)は、シール部材(16)を間に挟んだ状態で下側ケーシング(10b)の下側を覆うように取り付けられる。化粧パネル(11)がケーシング(10)に取り付けられた状態では、化粧パネル(11)が室内に露出する。
上記化粧パネル(11)には、1つの吸込口(13)および4つの吹出口(14)と、掃除機挿入口(18)とが形成されている。吸込口(13)は、矩形状に形成され、化粧パネル(11)の中央部に形成されている。吸込口(13)には、スリット状に形成された吸込グリル(12)が嵌め込まれている。各吹出口(14)は、細長い矩形状に形成されている。各吹出口(14)は、化粧パネル(11)の各辺に沿うように形成されている。そして、各吹出口(14)には、風向調整板(15)が設けられている。この風向調整板(15)は、回動して風向(吹出方向)を調整するものである。掃除機挿入口(18)は、矩形状に形成され、吸込口(13)の側方に形成されている(図3(C)参照。)。
上記室内ファン(21)は、いわゆるターボファンである。室内ファン(21)は、ケーシング(10)の中央付近に配置され、吸込口(13)の上側に位置している。室内ファン(21)は、ファンモータ(21a)と羽根車(21b)とを備えている。ファンモータ(21a)は、ケーシング(10)の天板に固定されている。羽根車(21b)は、ファンモータ(21a)の回転軸に連結されている。室内ファン(21)の下側には、吸込口(13)に連通するベルマウス(24)が設けられている。このベルマウス(24)は、ケーシング(10)内において、室内熱交換器(22)の上流側の空間を室内ファン(21)側と吸込グリル(12)側とに区画している。室内ファン(21)は、ベルマウス(24)を介して下側から吸い込んだ空気を周方向へ吹き出すように構成されている。
上記室内熱交換器(22)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器で構成されている。室内熱交換器(22)は、平面視でロ字状に形成され、室内ファン(21)の周囲を囲むように配置されている。室内熱交換器(22)では、冷媒と室内ファン(21)によって送られる室内空気(吹出空気)との間で熱交換が行われる。
上記ドレンパン(23)は、室内熱交換器(22)の下側に設けられている。ドレンパン(23)は、室内熱交換器(22)において空気中の水分が凝縮して生じるドレン水を受けるためのものである。ドレンパン(23)には、ドレン水を排水するためのドレンポンプが設けられている(図示省略)。ドレンパン(23)は、ドレンポンプを設置した箇所にドレン水が集まるように勾配がつけられている。
上記下側ケーシング(10b)の上端面は、仕切板(25)を構成している。この仕切板(25)は、ベルマウス(24)と吸込グリル(12)との間の空間を上下に仕切っている。つまり、仕切板(25)は、室内熱交換器(22)の上流側空間をベルマウス(24)を含む室内熱交換器(22)側と吸込グリル(12)側とに区画している。下側ケーシング(10b)の内部には、図1に示すように、エアフィルタ(30)、フィルタ駆動手段(40)、塵埃除去手段(50)、塵埃貯留容器(60)、塵埃搬送手段(80)および塵埃捕集箱(90)が配置されている。
上記仕切板(25)の中央には、吸込口(13)から吸い込まれた空気がベルマウス(24)へ流入するための通気孔(26)が形成されている。図4に示すように、この通気孔(26)は、円形孔がその径方向に延びる4つの径方向部材(27)によって扇形に仕切られている。各径方向部材(27)は、互いに円中心で繋がっており、その部分に円筒状のフィルタ回転軸(28)が下方に突出している。フィルタ回転軸(28)は、上記エアフィルタ(30)が回転するための回転軸である。また、1つの径方向部材(27)には、フィルタ押さえ(29)が2つ設けられている。
図4に示すように、上記エアフィルタ(30)は、仕切板(25)の下方に配置され、ベルマウス(24)の入口を覆う大きさの円板状に形成されている。具体的に、エアフィルタ(30)は、環状のフィルタ本体(31)とメッシュ部材(37)とを備えている。フィルタ本体(31)の外周面には、ギア部(32)が設けられている。フィルタ本体(31)の環状中心部には、6つの径方向リブ(34)によって支持される円筒状の軸挿通部(33)が設けられている。つまり、各径方向リブ(34)は、軸挿通部(33)から放射状に延びている。また、フィルタ本体(31)の内円部には、該フィルタ本体(31)と同心の環状に形成された内側周方向リブ(35)および外側周方向リブ(36)が設けられている。外側周方向リブ(36)は、内側周方向リブ(35)よりも大径に形成されている。メッシュ部材(37)は、フィルタ本体(31)の内円部全体に張られている。吸込口(13)から吸い込まれた空気は、エアフィルタ(30)のメッシュ部材(37)を通過してベルマウス(24)へ流入する。その際、空気中の塵埃がメッシュ部材(37)に捕捉される。
また、上記エアフィルタ(30)は、上述したフィルタ押さえ(29)が各周方向リブ(35,36)に当接することによって下方へ付勢される。これにより、エアフィルタ(30)が後述する塵埃除去手段(50)の回転ブラシ(51)に押さえ付けられる。したがって、塵埃除去手段(50)による除去効率が向上する。
図5にも示すように、上記エアフィルタ(30)は、軸挿通部(33)が仕切板(25)のフィルタ回転軸(28)に嵌め込まれて取り付けられる。エアフィルタ(30)は、フィルタ回転軸(28)を中心として回転自在になっている。エアフィルタ(30)の下方には、上記塵埃貯留容器(60)が配置されている。そして、エアフィルタ(30)が軸挿通部(33)に嵌め込まれた状態で、上記塵埃貯留容器(60)のフィルタ取付部(68)が仕切板(25)の軸挿通部(33)に止めネジ(28a)によって固定される。これにより、仕切板(25)と塵埃貯留容器(60)との間にエアフィルタ(30)が保持される。
上記エアフィルタ(30)の近傍には、エアフィルタ(30)を回転駆動するためのフィルタ駆動手段(40)が設けられている(図2参照。)。つまり、このフィルタ駆動手段(40)は、エアフィルタ(30)と回転ブラシ(51)とを相対的に移動させる移動手段を構成している。
具体的に、フィルタ駆動手段(40)は、図6に示すように、フィルタ駆動モータ(41)とリミットスイッチ(44)を備えている。フィルタ駆動モータ(41)の駆動軸には、駆動ギア(42)が設けられ、該駆動ギア(42)がフィルタ本体(31)のギア部(32)と噛み合っている。駆動ギア(42)の一端面には、突片であるスイッチ作動部(43)が設けられている。このスイッチ作動部(43)は、駆動ギア(42)の回転によりリミットスイッチ(44)のレバー(44a)に作用するようになっている。スイッチ作動部(43)がレバー(44a)に作用すると、リミットスイッチ(44)が検知する。つまり、スイッチ作動部(43)およびリミットスイッチ(44)は、駆動ギア(42)の回転位置を検出するものである。
次に、上記塵埃除去手段(50)、塵埃貯留容器(60)および塵埃搬送手段(80)について、図7〜図11を参照しながら説明する。これら塵埃除去手段(50)等は、仕切板(25)やエアフィルタ(30)の下方に配置されている(図1や図2を参照。)。
上記塵埃除去手段(50)は、エアフィルタ(30)に捕捉された塵埃を除去するためのものである。塵埃除去手段(50)は、回転ブラシ(51)および清掃用ブラシ(52)と、ブラシ駆動手段(53)とを備えている。
図9に示すように、上記回転ブラシ(51)および清掃用ブラシ(52)は、後述する塵埃貯留容器(60)のブラシ用開口(63)に設けられている。
上記回転ブラシ(51)は、細長い円柱状のシャフト(51a)と、該シャフト(51a)の外周面に設けられたブラシ(51b)とを備えている。ブラシ(51b)は、複数の植毛で構成されている。そして、ブラシ(51b)は、シャフト(51a)の周方向における一部分に設けられると共に、シャフト(51a)の長さ方向に亘って設けられている。清掃用ブラシ(52)は、回転ブラシ(51)の後方側に配置されている。
上記清掃用ブラシ(52)は、本体部(52a)と、ブラシ(52b)と、バネ部(52c)とを備えている。本体部(52a)は、板状部材であり、回転ブラシ(51)のシャフト(51a)と同じ長さに形成されている。本体部(52a)は、その板面が回転ブラシ(51)の外周面に対面して設けられている。また、本体部(52a)の上部は、回転ブラシ(51)のシャフト(51a)の外周面に対応する円弧部となっている。この本体部(52a)の円弧部には、本体部(52a)の長さ方向に亘ってブラシ(52b)が設けられている。バネ部(52c)は、本体部(52a)の下端に設けられて、塵埃貯留容器(60)の内壁に取り付けられている。つまり、本体部(52a)は、バネ部(52c)によって支持されている。
上記回転ブラシ(51)および清掃用ブラシ(52)は、エアフィルタ(30)の半径と同等以上の長さに形成されている。また、回転ブラシ(51)および清掃用ブラシ(52)は、エアフィルタ(30)の円中心から径方向外方へ延びるように配置されている。
上記回転ブラシ(51)は、回転するエアフィルタ(30)のメッシュ部材(37)にブラシ(51b)が接触することでメッシュ部材(37)から塵埃を除去するように構成されている。また、回転ブラシ(51)は、上記ブラシ駆動手段(53)によって可逆に回転駆動される。図7および図8に示すように、ブラシ駆動手段(53)は、ブラシ駆動モータ(54)と、互いに噛み合う駆動ギア(55)および従動ギア(56)とを備えている。駆動ギア(55)はブラシ駆動モータ(54)の駆動軸に設けられ、従動ギア(56)は回転ブラシ(51)のシャフト(51a)の端部に設けられている。この構成により、回転ブラシ(51)が回転駆動される。そして、詳細については後述するが、ブラシ駆動手段(53)は、回転ブラシ(51)を回転させてそのブラシ(51b)がエアフィルタ(30)に接触する状態とエアフィルタ(30)から離隔する状態とに切り換えるように構成されている。
上記清掃用ブラシ(52)のブラシ(52b)は、回転ブラシ(51)がブラシ駆動手段(53)によって回転すると、回転ブラシ(51)のブラシ(51b)と接触するように構成されている。その接触により、回転ブラシ(51)のブラシ(51b)から塵埃が除去される。つまり、清掃用ブラシ(52)は、回転ブラシ(51)から塵埃を除去して該回転ブラシ(51)を清掃するものである。これら回転ブラシ(51)および清掃用ブラシ(52)の塵埃除去作用については、後で詳述する。
また、上記回転ブラシ(51)および清掃用ブラシ(52)の各ブラシ(51b,52b)は、いわゆるパイル織物で構成されている。このパイル織物は、基布に毛(パイル糸)が織り込まれて成る有毛繊維であり、毛足が比較的短い。そして、このパイル織物は、毛並みが一定方向に傾斜する傾斜パイルである。
具体的に、上記回転ブラシ(51)におけるブラシ(51b)の毛並みは、図9においてシャフト(51a)から左側に向かって傾斜している。つまり、このブラシ(51b)の毛並みは、エアフィルタ(30)の回転方向に対して対向するように傾斜している。このように、エアフィルタ(30)がブラシ(51b)の毛並みに対して対向するように回転すると、メッシュ部材(37)の塵埃が効率よく掻き出される。一方、ブラシ(51b)の毛並みに対してその傾斜方向にエアフィルタ(30)が回転すると、メッシュ部材(37)の塵埃は掻き出されず、逆にブラシ(51b)に捕捉されている塵埃が除去される。また、清掃用ブラシ(52)におけるブラシ(52b)の毛並みは、図9において本体部(52a)から下側に向かって傾斜している。つまり、このブラシ(52b)の毛並みは、回転ブラシ(51)が図9において時計回りに回転する際に、その回転方向に対して対向するように傾斜している。
上記塵埃貯留容器(60)は、清掃用ブラシ(52)によって回転ブラシ(51)から除去された塵埃が貯留されるもの、即ち塵埃除去手段(50)によって除去された塵埃を貯留するものである。塵埃貯留容器(60)は、側面視形状(図7において右側から視た形状)がやや逆くの字に屈曲している柱状の容器である。塵埃貯留容器(60)は、上側部分がエアフィルタ(30)の塵埃が除去される除去部(61)であり、下側部分がエアフィルタ(30)から除去された塵埃が貯留される貯留部(62)となっている。
上記除去部(61)の上板には、その長手方向に延びるブラシ用開口(63)が形成され、上述したようにそのブラシ用開口(63)に回転ブラシ(51)および清掃用ブラシ(52)が設けられている。なお、除去部(61)の一側面に上述したフィルタ取付部(68)が設けられている。また、ブラシ用開口(63)の後方側(即ち、清掃用ブラシ(52)側と反対側)の縁部(61a)は、回転ブラシ(51)に向かって漸次細くなる先細形状であり、端面が回転ブラシ(51)のブラシ(51b)に沿うように円弧状に形成されている。これにより、縁部(61a)と回転ブラシ(51)との隙間が限りなく小さくなる。したがって、万一回転ブラシ(51)によって除去されずに該回転ブラシ(51)を通過してしまったエアフィルタ(30)の塵埃は、直ぐ縁部(61a)に沿ってエアフィルタ(30)の移動方向へガイドされる。つまり、回転ブラシ(51)を通過した塵埃は、除去部(61)の上板に遮られることなくエアフィルタ(30)に付着した状態でスムーズに移動する。このように縁部(61a)を工夫することにより、回転ブラシ(51)と除去部(61)の上板との隙間において塵埃が停滞するのを防止することができる。停滞するとその塵埃が次第に成長して大きな固まりとなり、最終的にその隙間から弾き出されて室内等へ落下してしまうが、本実施形態ではそれが防止される。さらに、縁部(61a)と回転ブラシ(51)との隙間が小さくなるため、塵埃貯留容器(60)の密閉性(シール性)が高くなる。
上記貯留部(62)は、下端側(底部側)が円弧状に膨出している。そして、その貯留部(62)の円弧部には、清掃用ブラシ(52)によって回転ブラシ(51)から除去された塵埃が落下して貯留される。貯留部(62)は、長手方向における両端部(66,67)が開口している。その貯留部(62)の第1端部(66)には、後述する塵埃搬送手段(80)のダンパボックス(81)が接続され、第2端部(67)には、後述する塵埃搬送手段(80)の搬送用ダクト(88)が接続されている。
また、図9に示すように、上記塵埃貯留容器(60)には、貯留部(62)の塵埃量(塵埃貯留量)を検出するための貯留量検出手段(70)が設けられている。
上記貯留量検出手段(70)は、センサボックス(71)を備えている。このセンサボックス(71)は、塵埃貯留容器(60)の貯留部(62)の第2端部(67)寄りに設けられている(図7や図8を参照)。センサボックス(71)は、貯留部(62)の横断方向に延びてその底部を覆うように形成されている。一方、センサボックス(71)によって覆われる貯留部(62)の壁面(貯留壁)には、互いに対峙する第1開口(64)と第2開口(65)が形成されている。そして、貯留部(62)の壁面を覆うセンサボックス(71)の円弧部材(75)には、貯留部(62)の第1開口(64)および第2開口(65)を塞ぐ第1透明窓(76)および第2透明窓(77)が設けられている。
そして、上記センサボックス(71)内には、第1透明窓(76)および第1開口(64)に対応する位置に発光LED(72)が配置され、第2透明窓(77)および第2開口(65)に対応する位置にフォトトランジスタ(73)が配置されている。貯留量検出手段(70)では、発光LED(72)の光が第1透明窓(64)および第2透明窓(77)を順に透過しフォトトランジスタ(73)によって受光される。フォトトランジスタ(73)では受光した光の光度が検出され、その光度に応じて貯留部(62)における塵埃の貯留量(即ち、充填度)が検出される。例えば、塵埃の貯留量が少ないと、貯留部(62)において第1透明窓(64)から第2透明窓(65)への光の透過率(透過量)が高くなり、検出光度が高くなる。逆に、塵埃の貯留量が多いと、貯留部(62)において第1透明窓(64)から第2透明窓(65)への光の透過率(透過量)が低くなり、検出光度が低くなる。
上記塵埃搬送手段(80)は、図2、図7および図8に示すように、上述したダンパボックス(81)および搬送用ダクト(88)と、導入用ダクト(86)と、吸引用ダクト(87)とを備えている。
上記ダンパボックス(81)は、塵埃貯留容器(60)の貯留部(62)の長手方向に沿って延びる直方体状に形成されている。ダンパボックス(81)の長手方向における一端には、貯留部(62)の第1端部(66)が接続されている。図10および図11に示すように、ダンパボックス(81)内には、本発明に係る通路開閉手段であるダンパ(82)が1つ設けられている。このダンパ(82)が閉まると、ダンパボックス(81)の内部空間がその長手方向に仕切られる。つまり、ダンパボックス(81)の内部空間が第1室(81a)と第2室(81b)とに仕切られる。第2室(81b)には、上述したように貯留部(62)の第1端部(66)が接続されている。
図8や図11に示すように、上記塵埃搬送手段(80)は、ダンパ(82)を開閉駆動するためのダンパ駆動モータ(83)と駆動ギア(84)と従動ギア(85)とを備えている。駆動ギア(84)はダンパ駆動モータ(83)の駆動軸に設けられ、従動ギア(85)はダンパ(82)の回動軸に設けられている。駆動ギア(84)および従動ギア(85)は、互いに噛み合っている。この構成では、ダンパ駆動モータ(83)の回転が各ギア(84,85)を介してダンパ(82)の回動軸に伝達される。これにより、ダンパ(82)が回動軸を中心に回動し、開閉動作が行われる。
上記導入用ダクト(86)は、ダンパボックス(81)の上面に接続されて第1室(81a)に連通している。図10に示すように、導入用ダクト(86)は、ダンパボックス(81)から鉛直上方に延びており、仕切板(25)を貫通している。導入用ダクト(86)は、横断面が円形の上流側ダクト(86a)および下流側ダクト(86b)を備え、その2つの部材が止めネジ(86c)によって上下方向に連結されている。上流側ダクト(86a)の横断面積(流路面積)は、下流側ダクト(86b)の横断面積(流路面積)よりも大きい。下流側ダクト(86b)の下端(図10における下側)は、ダンパボックス(81)に接続されている。上流側ダクト(86a)の上端(図10における上側)は、ベルマウス(24)の水平に延びる部材にシール部材(86e)を介して当接している。このベルマウス(24)の水平部材には、貫通孔である導入口(86d)が形成されている。そして、この導入口(86d)を通じて、上流側ダクト(86a)が室内ファン(21)側の空間と連通している。つまり、この導入用ダクト(86)は、室内ファン(21)の吹出空気をダンパボックス(81)内へ導入するためのものである。
また、上記導入用ダクト(86)は、上流側ダクト(86a)と下流側ダクト(86b)との連結部分が仕切板(25)の貫通部に位置している。具体的に、上流側ダクト(86a)の底板と下流側ダクト(86b)の上端フランジとで仕切板(25)の貫通孔周縁を挟み込むように、両ダクト(86a,86b)が連結されている。そして、この連結部分およびシール部材(86e)の部分は、導入用ダクト(86)とダンパボックス(81)と塵埃貯留容器(60)とが一体で導入用ダクト(86)の軸心を中心にして回動するように構成されている。
上記吸引用ダクト(87)は、流入側である一端がダンパボックス(81)の下面に接続されて第2室(81b)に連通している。吸引用ダクト(87)の流出側である他端は、化粧パネル(11)の掃除機挿入口(18)に接続されている。掃除機挿入口(18)は、掃除機のホース等が挿入されて吸引するための開口である。
上記搬送用ダクト(88)は、図1〜図3に示すように、一端が塵埃貯留容器(60)における貯留部(62)の第2端部(67)に接続され、他端が後述する塵埃捕集箱(90)に接続されている。この搬送用ダクト(88)は、フレキシブルチューブで構成され、本発明に係る空気通路を構成している。
上記塵埃搬送手段(80)では、冷暖房を行う通常運転の場合、ダンパボックス(81)のダンパ(82)が閉じられる(図11(A)参照。)。これにより、室内ファン(21)の吹出空気はダンパボックス(81)へ導入されない。また、塵埃搬送手段(80)では、塵埃貯留容器(60)内の塵埃を塵埃捕集箱(90)に搬送する場合、ダンパボックス(81)のダンパ(82)が開く(図11(B)参照。)。これにより、室内ファン(21)の吹出空気が導入用ダクト(86)およびダンパボックス(81)を通じて塵埃貯留容器(60)へ導入される。その結果、塵埃貯留容器(60)内の塵埃は、空気と共に搬送用ダクト(88)を通じて塵埃捕集箱(90)へ搬送される。このように、塵埃搬送手段(80)は、室内ファン(21)の吹出空気を貯留部(62)に導入することによる送風作用によって、貯留部(62)の塵埃を塵埃捕集箱(90)に搬送するように構成されている。
さらに、上記塵埃搬送手段(80)では、塵埃捕集箱(90)の塵埃をケーシング(10)外へ排出する場合も、ダンパボックス(81)のダンパ(82)が閉じられる(図11(C)参照。)。この場合、掃除機によって掃除機挿入口(18)から吸引することで、塵埃捕集箱(90)内の塵埃が搬送用ダクト(88)、ダンパボックス(81)および吸引用ダクト(87)を通じて掃除機に吸引される。つまり、この塵埃搬送手段(80)は、室内ファン(21)の吹出空気を利用して塵埃貯留容器(60)の塵埃を所定位置まで搬送するように構成されている。
上記塵埃捕集箱(90)は、図1〜図3に示すように、上述したように塵埃貯留容器(60)内の塵埃が空気と共に搬送されて貯留されるものであり、塵埃貯留容器(60)よりも容積が大きい。塵埃捕集箱(90)は、水平に延びるやや細長い略矩形体状の箱本体(91)を備え、塵埃貯留容器(60)と同様に仕切板(25)の下方に配置されている。そして、塵埃捕集箱(90)は、平面的にエアフィルタ(30)に被らないように、仕切板(25)の一端辺に沿って配置されている。これにより、吸込グリル(12)から吸い込まれた空気の流通の邪魔にならない。また、箱本体(91)のエアフィルタ(30)側の側板は、エアフィルタ(30)の外周に対応して円弧状に形成されている。
上記箱本体(91)の一端側は、搬送用ダクト(88)が接続される接続側端部(92)を構成している。また、箱本体(91)の他端側には、排気口(93)が設けられている。
上記排気口(93)には、フィルタが設けられている。このフィルタは、搬送された塵埃が空気と共に排気口(93)から流出するのを阻止するための塵埃捕捉手段である。さらに、排気口(93)は、下側ケーシング(10b)内であってエアフィルタ(30)の上流側空間に向かって開口している。つまり、排気口(93)は、エアフィルタ(30)の吸い込み側に空気を排出し、その排出空気がエアフィルタ(30)を通過して室内ファン(21)に吸い込まれるように構成されている(図3(B)参照。)。
上記塵埃捕集箱(90)では、塵埃貯留容器(60)から塵埃が搬送される場合、内部の空気が排気口(93)から排出される。その際、フィルタが設けられているため、搬送された塵埃が空気と共に排気口(93)から流出することはない。また、掃除機による吸引によって塵埃捕集箱(90)から塵埃が排出される場合、エアフィルタ(30)の上流が和空間の空気が排気口(93)を通じて塵埃捕集箱(90)内に流入する。その際、流入する空気中の塵埃がフィルタによって捕捉される。このように、排気口(93)による給排気によって塵埃捕集箱(90)内の圧力バランスが適切になるため、塵埃捕集箱(90)に対する塵埃の搬送動作および排出動作が適切に行われる。
−運転動作−
次に、上記室内ユニット(1)における運転動作について説明する。室内ユニット(1)は、冷暖房を行う通常運転と、エアフィルタ(30)の清掃を行うフィルタ清掃運転とが切換可能に構成されている。
〈通常運転〉
通常運転では、回転ブラシ(51)を回転させてそのブラシ(51b)を清掃用ブラシ(52)側に位置させる。つまり、回転ブラシ(51)のブラシ(51b)がエアフィルタ(30)に接触しない位置まで回転ブラシ(51)を回転させて、回転ブラシ(51)の非ブラシ面(即ち、ブラシ(51b)が設けられていないシャフト(51a)の外周面)をエアフィルタ(30)に対面させる。また、ダンパボックス(81)のダンパ(82)が閉じられる(図11(A)の状態。)。なお、エアフィルタ(30)は停止状態である。
この状態において、室内ファン(21)が駆動される。そうすると、室内ユニット(1)では、吸込口(13)から吸い込まれた室内空気がエアフィルタ(30)を通過してベルマウス(24)へ流入する。空気がエアフィルタ(30)を通過する際、空気中の塵埃がエアフィルタ(30)のメッシュ部材(37)に捕捉される。ベルマウス(24)に流入した空気は室内ファン(21)から吹き出される。この吹出空気は、室内熱交換器(22)の冷媒と熱交換して冷却または加熱された後、各吹出口(14)から室内へ供給される。これにより、室内の冷房または暖房が行われる。
このように、通常運転では、ダンパボックス(81)のダンパ(82)が閉じられているため、室内ファン(21)の吹出空気が塵埃貯留容器(60)へ導入されることはない。また、この通常運転では、回転ブラシ(51)のブラシ(51b)とエアフィルタ(30)とが非接触状態となる。したがって、ブラシ(51b)のエアフィルタ(30)に接触し続けることによる劣化を防止することができる。これにより、回転ブラシ(51)の耐久性が向上する。
〈フィルタ清掃運転〉
フィルタ清掃運転では、冷媒回路において圧縮機が停止されて冷媒が循環しない状態となる。このフィルタ清掃運転では、「塵埃除去動作」と「ブラシ清掃動作」と「塵埃搬送動作」と「塵埃排出動作」とが切換可能に構成されている。
「塵埃除去動作」は、エアフィルタ(30)に捕捉された塵埃を除去する動作である。「ブラシ清掃動作」は、回転ブラシ(51)に捕捉された塵埃を除去する動作である。「塵埃搬送動作」は、塵埃貯留容器(60)から塵埃捕集箱(90)に塵埃を搬送する動作である。「塵埃排出動作」は、塵埃捕集箱(90)からケーシング(10)外へ塵埃を排出する動作である。
本実施形態では、「塵埃除去動作」と「ブラシ清掃動作」とが交互に行われる。先ず「塵埃除去動作」では、室内ファン(21)が停止される。そして、回転ブラシ(51)を回転させてそのブラシ(51b)をエアフィルタ(30)に接触させる。この状態において、エアフィルタ(30)は回転ブラシ(51)のブラシ(51b)の毛並みに対向するように回転(移動)する。なお、このとき回転ブラシ(51)は停止させたままである。
そうすると、エアフィルタ(30)の塵埃が回転ブラシ(51)のブラシ(51b)に捕捉される(図12(A)を参照。)。そして、フィルタ駆動手段(40)のリミットスイッチ(44)のレバー(44a)が作動すると、フィルタ駆動モータ(41)が停止されてエアフィルタ(30)が停止する。この動作では、ブラシ(51b)の毛並みがエアフィルタ(30)の回転方向(移動方向)に対向して傾斜しているため、エアフィルタ(30)の塵埃がブラシ(51b)によって容易に掻き取られる。よって、回転ブラシ(51)による塵埃の除去効率が向上する。エアフィルタ(30)が停止すると、「塵埃除去動作」から「ブラシ清掃動作」へ切り換えられる。
「ブラシ清掃動作」では、引き続き室内ファン(21)および回転ブラシ(51)が停止した状態で、先ず、エアフィルタ(30)が「塵埃除去動作」時とは逆方向(即ち、回転ブラシ(51)のブラシ(51b)の毛並みと同じ方向)に回転する。そうすると、エアフィルタ(30)とブラシ(51b)との間に溜まった塵埃、即ちエアフィルタ(30)から除去されかかった塵埃がブラシ(51b)に均一に付着する。そのため、エアフィルタ(30)の塵埃がブラシ(51b)に確実に捕捉され、回転ブラシ(51)による塵埃除去効率を向上させることができる。
続いて、「ブラシ清掃動作」では、室内ファン(21)が停止した状態で、回転ブラシ(51)が図12における左回り(反時計回り)に回転する。その際、回転ブラシ(51)は、ブラシ(51b)に塵埃を捕捉したまま回転する。また、回転ブラシ(51)および清掃用ブラシ(52)のブラシ(51b,52b)同士が接触しながら、回転ブラシ(51)が回転する(図12(B)を参照。)。そして、回転ブラシ(51)は、所定の回転角度だけ回転すると停止する。
続いて、回転ブラシ(51)は、上記とは逆回り(即ち、図12における右回り(時計回り))に回転する。そうすると、回転ブラシ(51)のブラシ(51b)に捕捉されていた塵埃が清掃用ブラシ(52)のブラシ(52b)によって除去される(図12(C)を参照。)。これは、清掃用ブラシ(52)のブラシ(52b)の毛並みが下向き、即ち毛並みが回転ブラシ(51)の回転方向に対向する向きに傾斜しているため、回転ブラシ(51)のブラシ(51b)から塵埃が掻き取られる。また、双方のブラシ(51b,52b)同士が接触することによって清掃用ブラシ(52)の本体部(52a)が後方へ押されるが、バネ部(52c)によって本体部(52a)が回転ブラシ(51)側へ付勢される。これにより、ブラシ(51b,52b)同士が離れることはなく、清掃用ブラシ(52)が適切に回転ブラシ(51)に押し付けられる。したがって、回転ブラシ(51)のブラシ(51b)から塵埃がより確実に除去される。以上により、清掃用ブラシ(52)のブラシ(52b)に塵埃が捕捉される。回転ブラシ(51)は、元の状態(図12(A)の状態)まで回転して停止する。
続いて、回転ブラシ(51)は、再び左回り(反時計回り)に所定の回転角度だけ回転する。そうすると、清掃用ブラシ(52)のブラシ(52b)に捕捉されていた塵埃が回転ブラシ(51)のブラシ(51b)によって掻き取られ、塵埃貯留容器(60)の貯留部(62)に落下する(図12(D)を参照。)。これは、回転ブラシ(51)のブラシ(51b)の毛並みが回転方向に向かって傾斜しているため、清掃用ブラシ(52)のブラシ(52b)から塵埃が確実に掻き取られる。その際も、上記と同様に、バネ部(52c)によって清掃用ブラシ(52)が回転ブラシ(51)に適切に押し付けられるため、清掃用ブラシ(52)から塵埃がより確実に除去される。以上により、回転ブラシ(51)に捕捉された塵埃が除去され、塵埃貯留容器(60)の貯留部(62)に貯留される。その後、回転ブラシ(51)は再び右回り(時計回り)に回転して元の状態(図12(A)の状態)に戻り、「ブラシ清掃動作」が一旦終了する。
「ブラシ清掃動作」が終了すると、再び上述した「塵埃除去動作」が行われる。つまり、再びエアフィルタ(30)が回転し、リミットスイッチ(44)のレバー(44a)が再び作動するとエアフィルタ(30)が停止する。これにより、エアフィルタ(30)において回転ブラシ(51)のブラシ(51b)を通過した領域の塵埃が回転ブラシ(51)のブラシ(51b)に捕捉される(図12(A)の状態)。このように、「塵埃除去動作」と「ブラシ清掃動作」とが交互に繰り返される。その結果、エアフィルタ(30)において所定の領域毎に塵埃が除去されていく。そして、エアフィルタ(30)の全領域において塵埃が除去されると、「塵埃除去動作」および「ブラシ清掃動作」が完全に終了する。例えば、リミットスイッチ(44)のレバー(44a)が所定回数作動すると、エアフィルタ(30)が1回転したと判断して上記動作が終了する。
ここで、上述した「塵埃除去動作」および「ブラシ清掃動作」時には、貯留量検出手段(70)によって塵埃貯留容器(60)における塵埃貯留量が検出される。フォトトランジスタ(73)の検出光度が設定値(下限値)以下になると、塵埃貯留容器(60)において塵埃が所定量まで貯留されたと判断して、「塵埃搬送動作」に切り換えられる。
「塵埃搬送動作」では、回転ブラシ(51)が図12(A)の状態で停止されると共に、エアフィルタ(30)が停止状態となる。また、ダンパボックス(81)のダンパ(82)が開状態(図11(B)の状態)になる。この状態において、室内ファン(21)が駆動される。室内ファン(21)の吹出空気は、導入用ダクト(86)およびダンパボックス(81)を順に介して塵埃貯留容器(60)へ導入される。これにより、塵埃貯留容器(60)の塵埃が空気と共に搬送用ダクト(88)を介して塵埃捕集箱(90)へ搬送される。そうすると、塵埃貯留容器(60)において塵埃の貯留量が減少し、それに伴いフォトトランジスタ(73)の検出光度が高くなる。そして、その検出光度が設定値(上限値)以上になると、塵埃貯留容器(60)において塵埃が殆ど搬送(排出)されたと判断して、「塵埃搬送動作」が終了する。その後、「塵埃除去動作」または「ブラシ清掃動作」が再開される。
「塵埃搬送動作」では、塵埃が空気と共に塵埃捕集箱(90)に搬送されると共に、塵埃捕集箱(90)の排気口(93)から空気がエアフィルタ(30)の上流側に排出される。この排出された空気は、室内ファン(21)によってエアフィルタ(30)を通過し吸引される(図3(B)参照。)。室内ファン(21)によって吸引された空気は、再び、塵埃貯留容器(60)へ導入されることとなる。
また、本実施形態のフィルタ清掃運転では、所定条件によって「塵埃排出動作」が行われる。例えば、「塵埃搬送動作」中においてフォトトランジスタ(73)の検出光度が上昇しない場合、塵埃捕集箱(90)および搬送用ダクト(88)において塵埃が満杯になったと判断して「塵埃排出動作」が行われる。それ以外にも、「塵埃搬送動作」が所定回数(所定時間)行われると「塵埃排出動作」を自動的に行うようにしてもよいし、ユーザーによるリモコン操作によって任意に行うようにしてもよい。
「塵埃排出動作」では、上述した「塵埃搬送動作」と同様に、回転ブラシ(51)が図12(A)の状態で停止されると共に、エアフィルタ(30)が停止状態になる。また、ダンパボックス(81)のダンパ(82)が閉状態(図11(C)の状態)になる。この状態において、掃除機のホースが化粧パネル(11)の掃除機挿入口(18)に挿入される。この吸引動作により、塵埃捕集箱(90)の塵埃が搬送用ダクト(88)、塵埃貯留容器(60)および吸引用ダクト(87)を順に介して掃除機へ吸い込まれる。その際、塵埃貯留容器(60)内の塵埃も吸引用ダクト(87)を介して掃除機へ吸い込まれる。その結果、塵埃捕集箱(90)および塵埃貯留容器(60)の塵埃がケーシング(10)外へ排出される。また、この「塵埃排出動作」では、塵埃捕集箱(90)から塵埃が排出されると共に、排気口(93)を通じて塵埃捕集箱(90)に空気が流入する。
−実施形態の効果−
本実施形態では、塵埃捕集箱(90)において空気がエアフィルタ(30)の上流側に排出されるように排気口(93)を構成するようにした。したがって、排出空気を室内ファン(21)によって吸引させることができる。これにより、塵埃捕集箱(90)から空気が直接室内へ排出されるのを防止することができる。また、排気口(93)が天井裏や室外に連通していないため、特に夏場において湿度の高い空気が塵埃捕集箱(90)に侵入するのを防止できる。よって、室内環境を不快にすることなく、塵埃捕集箱(90)や塵埃貯留容器(60)において結露発生を防止することができる。
また、排気口(93)からの排出空気が室内ファン(21)によって積極的に吸引されるため、塵埃捕集箱(90)における排気作用が高められる。これに伴い、塵埃貯留容器(60)への空気の導入作用も高められ、塵埃貯留容器(60)から塵埃捕集箱(90)までの空気の流通速度が増大する。その結果、塵埃の搬送能力が向上し、フィルタ清掃運転に費やす時間を短縮できる。一方、この搬送能力の向上により、室内ファン(21)の吹出風量を低減することができる。即ち、塵埃搬送に必要な送風作用(送風能力)を低減できる。その結果、送風にかかる動力を軽減することができる。
また、水平に延びる略矩形体の塵埃捕集箱(90)において、一端側に搬送用ダクト(88)を接続し他端側に排気口(93)を設けるようにしたため、塵埃捕集箱(90)の全体において空気をスムーズに流通させることができる。そのため、塵埃の搬送動作を効果的に行うことができる。
また、本実施形態では、室内ファン(21)の吹出空気を塵埃貯留容器(60)に導入することによる送風作用によって塵埃貯留容器(60)の塵埃を搬送するようにした。つまり、本実施形態では、送風作用として室内ファン(21)の吹出空気を利用するようにした。したがって、吸引ファン等の送風手段を別途設けることなく、簡易に塵埃を搬送することができる。これにより、ユニットの大型化およびコスト高を防止することができる。
さらに、本実施形態では、室内ファン(21)の吹出空気であって室内熱交換器(22)に流れる前の空気を塵埃貯留容器(60)に導入するようにした。したがって、例えば冷房運転の場合、室内熱交換器(22)で冷却される前の空気を塵埃貯留容器(60)に導入するため、塵埃貯留容器(60)や塵埃捕集箱(90)において冷気による結露発生を一層防止することができる。その結果、信頼性の向上を図ることができると共に、結露防止手段を別途設ける必要がないため低コスト化および小型化を図ることができる。また、室内熱交換器(22)を通過させない分、吹出空気の流通抵抗が低減されるため、塵埃の搬送能力を増大させることができる。
また、塵埃捕集箱(90)の排気口(93)に塵埃捕捉手段としてのフィルタを設けるようにしたので、空気と共に塵埃が排気口(93)から流出するのを確実に防止することができる。そのため、塵埃捕集箱(90)に搬送された塵埃が流出して室内等へ落下するのを確実に回避できる。その結果、信頼性の高い室内ユニット(1)を提供することができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態は、以下のように構成してもよい。
例えば、上記実施形態では、送風作用として室内ファン(21)の吹出空気を利用して塵埃貯留容器(60)の塵埃を塵埃捕集箱(90)に搬送するようにしたが、別途送風ファンを設けてその吹出空気を塵埃貯留容器(60)に導入して塵埃を搬送するようにしてもよい。その場合、塵埃捕集箱(90)の排気口(93)からエアフィルタ(30)の上流側に排出された空気を同じ送風ファンによって吸引するように構成すれば、上記実施形態と同様に、塵埃の搬送能力を効果的に向上させることができ、また送風ファンの必要動力を軽減することができる。また、塵埃捕集箱(90)から排出された空気は送風ファンではなく室内ファン(21)によって吸引するようにしてもよい。なお、塵埃捕集箱(90)から排出された空気を室内ファン(21)や送風ファンで吸引しなくてもよい。その場合であっても、塵埃捕集箱(90)から空気が直接室内へは排出されないので、室内環境が不快となるのを防止できる。
また、上記実施形態では塵埃捕集箱(90)がケーシング(10)内に収納された室内ユニット(1)について説明したが、本発明は、塵埃捕集箱(90)をケーシング(10)外に配置した場合でも上記と同様の作用効果が得られる。その場合は、搬送用ダクト(88)がケーシング(10)外に延長されて塵埃捕集箱(90)に接続される。そして、塵埃捕集箱(90)の排気口(93)には、ケーシング(10)内へ延びる排気用ダクトが接続される。この排気用ダクトの出口端は、上記実施形態と同様に、エアフィルタ(30)の上流側空間に空気が排出されるように開口している。
また、上記実施形態では、室内熱交換器(22)を通過する前の室内ファン(21)の吹出空気を塵埃貯留容器(60)へ導入するようにしたが、本発明は、室内熱交換器(22)を通過した後の空気を導入するようにしても同様の塵埃搬送動作を行うことができる。なお、この場合、例えば冷房中であれば、室内熱交換器(22)で冷却された空気が塵埃貯留容器(60)や塵埃捕集箱(90)を流れるため、これら塵埃貯留容器(60)等に結露が生じる虞がある。したがって、この場合、結露を防止するために、塵埃貯留容器(60)や塵埃捕集箱(90)、各ダクト(86,88)を断熱材で覆うようにしてもよい。
また、上記実施形態では、室内天井に設置される室内ユニット(1)について説明したが、本発明はこれに限らず、室内の壁に設置されるいわゆる壁掛け式の室内ユニットであっても適用することができる。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。