JP2010047803A - 電着塗装前処理用組成物および電着塗装方法 - Google Patents

電着塗装前処理用組成物および電着塗装方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010047803A
JP2010047803A JP2008213338A JP2008213338A JP2010047803A JP 2010047803 A JP2010047803 A JP 2010047803A JP 2008213338 A JP2008213338 A JP 2008213338A JP 2008213338 A JP2008213338 A JP 2008213338A JP 2010047803 A JP2010047803 A JP 2010047803A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrodeposition coating
composition
pretreatment
coating film
electrodeposition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008213338A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5512940B2 (ja
Inventor
Tomoaki Ota
智章 太田
Takeshi Shimizu
剛 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimizu Co Ltd
Original Assignee
Shimizu Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimizu Co Ltd filed Critical Shimizu Co Ltd
Priority to JP2008213338A priority Critical patent/JP5512940B2/ja
Publication of JP2010047803A publication Critical patent/JP2010047803A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5512940B2 publication Critical patent/JP5512940B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Abstract

【課題】紫外線の照射によって塗膜を硬化させる電着塗装方法において、金属表面と電着塗膜との密着性の低下を実用上問題ない程度に抑えながら、優れた耐磨耗性を示し、多彩な色を呈する電着塗膜を形成する方法を提供する。
【解決手段】脱脂工程a1と、酸洗工程a2と、化成処理工程a3と、電着塗装工程a5と、塗膜硬化工程a6とを含む電着塗装方法において、化成処理工程a3と電着塗装工程a5との間に前処理工程a4を設け、少なくともシランカップリング剤を含む電着塗装前処理用組成物によって、被処理品の金属表面を電着塗装前処理する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電着塗装前処理用組成物および電着塗装方法に関する。
従来から、家電機器、音響機器、電子機器、通信機器、精密機器、光学機器、輸送機器、レジャー・スポーツ用品、装飾品、家具、建材などの広範な工業製品において、部品の保護、装飾などを目的として部品表面に金属めっきを施すことが一般的に行われる。また、金属めっきは、大気中の酸素、硫黄酸化物、雨水、海水などによって腐蝕する場合があるので、その耐食性を向上させて腐蝕を防止するために、金属表面に保護用塗膜が形成される。保護用塗膜の形成には、一般に、電着塗装法が利用される。電着塗装によれば、電荷を付与した塗膜形成成分を含む浴中に、保護用塗膜を形成しようとする金属めっきを施した被処理品を浸漬させ、浴内において通電し、該被処理品の金属めっき表面に塗膜成形成分を析出さ、焼付け処理を施して保護用塗膜を形成する。このとき、塗膜形成成分に顔料などの着色剤を含有させておけば、被処理品の多色化も容易である。また、金属めっきとともに金属めっき表面に電着塗装塗膜を形成することによって、被処理品の耐久性、表面平滑性、質感などが向上し、該被処理品の商品価値を大幅に増加させる。また、被処理品の形状に左右されず均一な膜厚に塗装でき、定量的に膜厚を管理でき、塗料損失が少なく、限外ろ過により塗料を容易に回収ができる。さらに火災の心配がなく衛生的である。したがって、現在において電着塗装は重要な塗装技術の1つに数えられる。
電着塗装の塗膜形成成分には、表面硬度、機械的強度などを考慮して熱硬化性樹脂が用いられるけれども、熱硬化性樹脂は100℃以上の非常に高い温度で硬化させるのが一般的である。このような高温での硬化は、工程管理を複雑化し、作業者の安全性の面からも対策を講じる必要がある。このため、電荷を付与した紫外線硬化性塗膜形成成分を用い、加熱ではなくて紫外線照射によって塗膜を硬化させるUV電着塗装法が開発されている。UV電着塗装法においても、種々の改良が要求され、特に、UV電着塗装法によって形成される塗膜は充分な耐磨耗性を有しないという点が重要な解決課題になる。たとえば、塗膜形成成分に官能基数の多い多官能(メタ)アクリレートを含有させれば、形成される電着塗装塗膜の硬度、耐磨耗性などは向上するものの、金属めっきと電着塗装塗膜との密着性が低下し、該塗膜の脆性破壊が起こり易くなるという欠点がある。
従来のUV電着塗装法としては、たとえば、1分子中に3個以上のアクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートの10重量部以上、70重量部未満と、3級アミノ基を含有し、平均分子量2000〜30000のカチオン電着性樹脂の30重量部以上、90重量部未満とからなる塗膜形成成分を含む紫外線硬化性カチオン電着塗料を用いる方法が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。そして、カチオン電着性樹脂としては、3級アミノ基含有ビニルモノマーと、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸ヒドロキシエステル、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸アルキルエステルおよびα,β−エチレン性不飽和化合物から選ばれる1種または2種以上のモノマーとの共重合体が用いられる。この電着塗料によって形成される塗膜は、耐磨耗性に優れ、高い表面硬度を有するだけでなく、金属めっきに対して良好な密着性を示し、脆性破壊も起こり難い。しかしながら、各種製品に対するさらなる高性能化が要求される現状にあっては、UV電着塗装法によって形成される塗膜にも一層の性能向上が求められる。
一方、鋼板表面に、エポキシ樹脂、ポリウレタンなどのマトリックス樹脂とともにシランカップリング剤を含む樹脂被膜を形成し、電着塗装性の良好な樹脂塗装鋼板が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。すなわちこの特許文献には、鋼板に電着塗装を施すに先立ち、前記マトリックス樹脂とシランカップリング剤とを含む組成物によって鋼板表面を前処理する技術が記載されると言い換えることができる。そして、この樹脂塗装鋼板に電着塗装を行えば、優れた外観を有する電着塗膜が得られ、樹脂被膜を介して鋼板と電着塗膜との密着性が向上することが、たとえば特許文献2の段落[0011]および[0012]に記載される。しかしながら、この特許文献には、金属表面をシランカップリング剤のみを用いて前処理した後に電着塗装を行うこと、およびシランカップリング剤による前処理を施すことによって、耐磨耗性に優れる電着塗膜が得られることについては記載がない。さらに、この特許文献には、樹脂塗装鋼板に電着塗装を行う際に、電着塗膜を紫外線によって硬化させるとの記載はない。また、自動車車体に電着塗装を施す前に、ノニオン性界面活性剤を含む水によって自動車車体を処理することが提案されている(たとえば、特許文献3)。特許文献3に記載の技術は、塗膜焼付け後に硬化塗膜表面にすじむらが発生するのを防止するものである。しかしながら、特許文献3には、シランカップリング剤とノニオン性界面活性剤とを併用すること、およびその併用によって得られる効果について一切記載がない。
特開平5−263026号公報 特開平9−169078号公報 特開平10−046393号公報
本発明の目的は、紫外線による塗膜硬化を利用する電着塗装において、金属表面との密着性が実用上問題ない程度であり、優れた耐磨耗性を示し、多彩な色を呈する電着塗膜を形成するための電着塗装前処理用組成物および該組成物を用いる電着塗装方法を提供することである。
本発明は、シランカップリング剤を含むことを特徴とする電着塗装前処理用組成物である。
さらに本発明の電着塗装前処理用組成物は、シランカップリング剤とともに界面活性剤を含むことを特徴とする。
さらに本発明の電着塗装前処理用組成物は、シランカップリング剤1〜20重量%と、界面活性剤0.1〜2.0重量%とを含み、残部が水であることを特徴とする。
また本発明の電着塗装前処理用組成物は、シランカップリング剤がアルコキシシラン化合物から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする。
さらに本発明の電着塗装前処理用組成物は、アルコキシシラン化合物がグリシジル基含有アルコキシシラン化合物およびアミノ基含有アルコキシシラン化合物から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする。
さらに本発明の電着塗装前処理用組成物は、界面活性剤がノニオン系界面活性剤であることを特徴とする。
また本発明は、少なくとも表面の一部または全面が金属からなる被処理品の金属表面に電着塗装によって塗膜を形成し、この塗膜に紫外線を照射して硬化させる電着塗装方法において、該被処理品の金属表面を前述のいずれか1つの電着塗装前処理用組成物によって前処理した後に、電着塗装によって金属表面に塗膜を形成することを特徴とする。
さらに本発明の電着塗装方法は、少なくとも表面の一部または全面が金属からなる被処理品を電着塗装前処理用組成物中に浸漬することによって、金属表面に前処理を施すことを特徴とする。
さらに本発明の電着塗装方法は、少なくとも表面の一部または全面が金属からなる被処理品を、液温25〜60℃の電着塗装前処理用組成物に10〜180秒間浸漬することを特徴とする。
本発明によれば、電着塗装方法において金属表面に電着塗膜を形成するに先立ち、シランカップリング剤を含む電着塗装前処理用組成物にて金属表面を処理することによって、電着塗膜と金属表面との密着性の低下を実用上問題ない程度に抑制しつつ、電着塗膜の耐磨耗性を向上させることができる。したがって、本発明の電着塗装前処理用組成物を用いて前処理を行えば、電着塗膜と金属表面との密着性および電着塗膜の耐磨耗性という、従来は相反すると考えられてきた2つの特性を高水準で併せ持つ電着塗装体が得られる。さらに、本発明の電着塗装処理用組成物は安全性が高いので、作業者にとって好適である。
本発明によれば、シランカップリング剤とともに界面活性剤を含む電着塗装前処理用組成物を用いることによって、シランカップリング剤による処理効果が金属表面全域にわたって均一に発揮されるとともに、前処理後の電着塗装によって形成される電着塗膜の耐磨耗性が一層向上する。
本発明によれば、本発明の電着塗装前処理用組成物の好ましい一形態として、シランカップリング剤1〜20重量%および界面活性剤0.1〜2.0重量%を含み、残部が水である組成物が挙げられる。このような組成物を用いれば、電着塗膜と金属表面との密着性の低下防止および電着塗膜の耐磨耗性の向上という効果が得られる。また、このような組成の電着塗装前処理用組成物を用いれば、少なくとも表面が金属からなる被処理品を該電着塗装前処理用組成物に浸漬するだけで前処理できるので、金属表面の前処理を円滑にかつ効率良く実施できる。また、該電着塗装前処理用組成物中におけるシランカップリング剤の分散性が非常に良好であり、長期保存してもシランカップリング剤の良好な分散性が安定的に保持され、成分の沈降、変質などを生じない。
本発明によれば、シランカップリング剤としては、アルコキシシラン化合物が好ましく、グリシジル基含有アルコキシシラン化合物およびアミノ基含有アルコキシシラン化合物が特に好ましい。このようなアルコキシシラン化合物を用いることによって、密着性の低下防止および耐磨耗性の向上という2つの効果が一層顕著になる。
本発明によれば、界面活性剤としてノニオン系界面活性剤を用いることによって、本発明の電着塗装前処理用組成物による耐磨耗性向上効果が特に顕著になるとともに、シランカップリング剤の分散安定性がさらに向上する。
本発明によれば、少なくとも表面の一部または全面が金属からなる被処理品を本発明の電着塗装前処理用組成物によって前処理した後に、電着塗装によって金属表面に塗膜を形成し、この塗膜に紫外線を照射して硬化させることによって、金属表面に対して実用上問題ない程度の密着性を有し、耐磨耗性に優れる電着塗膜が形成される。
本発明によれば、少なくとも表面の一部または全面が金属からなる被処理品を電着塗装前処理用組成物中に浸漬するという簡易な操作によって金属表面に前処理を施すことが可能である。このため、余分な作業負荷を掛けることなく前処理を施せるので、一般的な電着塗装工程とほとんど変わらない作業効率で本発明の電着塗装方法を実施できる。
本発明によれば、少なくとも表面の一部または全面が金属からなる被処理品を液温25〜60℃の電着塗装前処理用組成物に10〜180秒間浸漬することによって、電着塗装前処理用組成物による効果が一層効率良く発揮されるとともに、短時間の浸漬で済むので、作業効率を向上させることができる。
本発明の電着塗装前処理用組成物は、シランカップリング剤を含む。シランカップリング剤としては公知のものを使用でき、たとえば、アルコキシシラン化合物が挙げられる。アルコキシシラン化合物の中でも、グリシジル基含有アルコキシシラン化合物、アミノ基含有アルコキシシラン化合物などが好ましく、グリシジル基含有アルコキシシラン化合物が特に好ましい。グリシジル基含有アルコキシシラン化合物としては、たとえば、一般式
Figure 2010047803
〔式中、Rはアルキル基を示す。Aはアルキレン基を示す。mは0、1または2を示す。nは0または1を示す。〕
で表されるグリシジル基含有アルコキシシランが挙げられる。一般式(1)において、符号Rで示されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基などの炭素数1〜4の直鎖状または分岐鎖状アルキル基が挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜4の直鎖状アルキル基が好ましく、炭素数1〜2の直鎖状アルキル基がさらに好ましい。符号Aで示されるアルキレン基としては、たとえば、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレンなどの炭素数1〜4の直鎖状アルキレン基が挙げられる。これらの中でも、トリメチレンが好ましい。グリシジル基含有アルコキシシランの具体例としては、たとえば、グリシジルオキシメチルトリメトキシシラン、2−グリシジルオキシエチルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、4−グリシジルオキシブチルトリメトキシシラン、グリシジルメチルトリメトキシシラン、2−グリシジルエチルトリメトキシシラン、3−グリシジルトリメトキシシラン、4−グリシジルブチルトリメトキシシランなどが挙げられる。これらの中でも、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシランなどが好ましく、電着塗膜と金属表面との密着性の低下抑制および電着塗膜の耐磨耗性向上という観点から、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシランなどが好ましい。アミノ基含有アルコキシシラン化合物としては、たとえば、一般式
(RN−A−SiR(OR)(3−m) …(2)
〔式中、R、Aおよびmは上記に同じ。3つのRは同一または異なって水素原子またはアルキル基を示す。〕
で表されるアミノ基含有アルコキシシランが挙げられる。一般式(2)において、符号Rで示されるアルキル基は、一般式(1)において符号Rで示されるアルキル基と同様である。アミノ基含有アルコキシシランの具体例としては、たとえば、アミノメチルトリメトキシシラン、2−アミノエチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、4−アミノブチルトリメトキシシランなどが挙げられる。これらの中でも、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシランが好ましく、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシランがさらに好ましい。シランカップリング剤は市販品をも使用でき、たとえば、サイラエース330、510(商品名、チッソ(株)製)などが挙げられる。
シランカップリング剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。本発明の電着塗装前処理用組成物におけるシランカップリング剤の含有量は特に制限されないけれども、好ましくは電着塗装前処理用組成物全量の1〜20重量%、さらに好ましくは3〜8重量%である。シランカップリング剤の含有量が1重量%未満では、シランカップリング剤の添加効果が不充分になり、電着塗装によって形成される硬化後の塗膜の耐磨耗性が不充分になるおそれがある。20重量%を超えると、電着塗装によって形成される硬化後の塗膜の密着性が低下するおそれがある。また、塗膜を塗装できないおそれがある。
さらに本発明の電着塗装用前処理液は、界面活性剤を含むことができる。界面活性剤としては特に制限はなく、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、中性界面活性剤、非イオン性界面活性剤などをいずれも使用できるけれども、電着塗装によって形成される硬化後の塗膜が均一に付着することなどを考慮すると、ノニオン性界面活性剤が好ましい。ノニオン性界面活性剤としては、たとえば、ポリオキシエチレンラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンステアリン酸エステル、ポリオキシエチレングリコールステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンミリスチン酸エステル、ポリオキシエチレンパルミチン酸エステル、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレングリコールオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンヒドロキシステアリン酸エステル、ポリオキシエチレン9,10−ジヒドロキシステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンフェニルステアリン酸エステル、ポリオキシエチレン−o−キシリルステアリン酸エステルなどのポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミンなどのポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンラウリルアマイドなどのポリオキシエチレンアルキルアマイド、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルアルコール、ポリオキシエチレンオレイルアルコールなどのポリオキシエチレン高級アルコール、ポリオキシエチレンオクチルフェノール、ポリオキシエチレンノニルフェノールなどのポリオキシエチレンアルキルフェノール、ポリオキシエチレンオクチルクレゾール、ポリオキシエチレンベンジルクレゾール、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンオクタデカノールエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシエチレン9,10−オクタデカンジオール、ポリオキシエチレン9,10−ジヒドロオキシステアロニトリルなどのポリオキシエチレン系ノニオン界面活性剤、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンセスキオレエート、グリセロールソルビタンラウレート、グリセロールマンニタンラウレートなどのソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールラウレート、ポリエチレングリコールステアレート、ポリエチレングリコールオレエート、ポリエチレングリコールトール油誘導体、ポリエチレングリコールソルビタンラウレート、ポリエチレングリコールソルビタンステアレート、ポリエチレングリコールソルビタンオレエート、ポリエチレングリコールラウリルエーテル、ポリエチレングリコールオレイルエーテル、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールウラリルアミン、ポリエチレングリコールステアリルアミンなどのポリエチレングリコールアルキルアミン、ポリエチレングリコールと酸化エチレンの付加物、ノニルフェノール、オクチルフェノール、モノグリセライド、ジグリセライド、グリセリンモノラウレート、グリセリンエステル、グリコールエステル、ラノリンおよびラノリンアルコールのエチレンオキサイド付加物、直鎖2級アルコールのエチレンオキサイド付加物、分枝鎖ノニルフェノールのエチレンオキサイド付加物、直鎖アルキルフェノールのエチレンオキサイド付加物、オキソアルコールのエチレンオキサイド付加物、チグラーアルコールのエチレンオキサイド付加物、ポリ(アルキレンオキシド)ブロック共重合物、アルキロールアミド、ショ糖脂肪酸エステルなどのほかジエタノールアミン縮合物、モノカノールアミン縮合物、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドなどの脂肪酸とヒドロキシアルキルアミンの縮合生成物であるカルボン酸アミド系ノニオン界面活性剤、ポリアルキレンオキシド系ノニオン界面活性剤などが挙げられる。ノニオン性界面活性剤は各種のものが市販されており、たとえば、Tween(商品名、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アルタスパウダー(Atlas Powder)社製)、プルロニックまたはプロノン(商品名、ポリエチレングリコールと酸化エチレンとの付加物、Wyandotte Chemical社製)などが挙げられる。界面活性剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
本発明の電着塗装前処理用組成物における界面活性剤の含有量は特に制限されないけれども、好ましくは電着塗装前処理用組成物全量の0.1〜2.0重量%、さらに好ましくは0.1〜0.5重量%である。界面活性剤の含有量が0.1重量%未満では、電着塗装によって形成される硬化後の塗膜を被塗装体に均一にかつ密着性良く塗装できないおそれがある。2.0重量%を超えても、やはり、電着塗装によって形成される硬化後の塗膜を被塗装体に均一にかつ密着性良く塗装できないおそれがある。
本発明の電着塗装前処理用組成物は、たとえば、シランカップリング剤の適量および必要に応じて界面活性剤の適量を水に溶解または分散させることによって製造できる。ここで使用する水には特に制限はないけれども、蒸留水、イオン交換水、活性炭処理水などが好ましい。
本発明の電着塗装前処理用組成物は、少なくとも表面の一部または全面が金属からなる被処理品(以後特に断らない限り単に「被処理品」と称す)の金属表面に電着塗装を施すに際し、前処理剤として好適に使用できる。少なくとも表面が金属からなる被処理品としては、たとえば、めっき素材の表面に各種めっきを施して金属層を形成した被処理品、ダイカストなどが挙げられる。めっき素材としてはこの分野で常用されるものをいずれも使用でき、たとえば、純鉄、炭素鋼、高抗張力鋼(低合金鋼、マルエージング鋼)、磁性鋼、非磁性鋼、高マンガン鋼、ステンレス鋼(マルテンサイト系ステンレス、フェライト系ステンレス、オーステナイト系ステンレス、オーステナイト・フェライト系ステンレス、析出硬化型ステンレスなど)、超合金鋼などの鉄系金属、銅および銅合金(無酸素銅、りん青銅、タフピッチ銅、アルミ青銅、ベリリウム銅、高力黄銅、丹銅、洋白、黄銅、快削黄銅、ネバール黄銅など)、鉄・ニッケル合金、ニッケル・クロム合金、ニッケル、クロム、アルミニウムおよびアルミニウム合金、マグネシウムおよびマグネシウム合金、チタン、ジルコニウム、ハフニウムおよびこれらの合金、モリブデン、タングステンおよびこれらの合金、ニオブ、タンタルおよびこれらの合金、合成樹脂類(繊維強化プラスチック(FRP)、繊維強化金属(FRM)、エンジニアリングプラスチックなど)、セラミックス類(アルミナ、ジルコア、ガラス、ソーダガラス、石英ガラス、硼ケイ酸ガラスなど)などが挙げられる。めっき素材は、複数の材質(金属、プラスチック、セラミックス)の部品が組合わされて形成される組成品であってもよい。めっき素材表面に施されるめっきの種類も特に制限されず、この分野で常用されるめっきをいずれも採用できる。たとえば、銅・ニッケル・クロムめっき、ニッケル・ボロン・タングステンめっき、ニッケル・ボロンめっき、黄銅めっき、ブロンズめっき、銅・錫めっきなどの各種合金めっき、金めっき、銀めっき、銅めっき、錫めっき、ロジウムめっき、パラジウムめっき、白金めっき、カドミウムめっき、ニッケルめっき、クロムめっき(特に三価クロムめっき)、黒色クロムめっき、亜鉛めっき、黒色ニッケルめっき、黒色ロジウムめっき、亜鉛めっき、工業用(硬質)クロムめっきなどが挙げられる。また、ダイカストとしては、亜鉛ダイカスト、アルミニウムダイカスト、マグネシウムダイカスト、焼結合金ダイカストなどが挙げられる。
本発明の電着塗装前処理用組成物を用いる本発明の電着塗装方法は、一般的な電着塗装方法において、化成処理工程と電着塗装工程との間に、電着塗装前処理用組成物による前処理工程を施す以外は従来の電着塗装方法と同様に実施できる。図1は、本発明電着塗装方法の一実施形態を概略的に示すフローチャートである。たとえば、本発明の電着塗装方法は、脱脂工程a1、酸中和工程a2、化成処理工程a3、電着塗装前処理用組成物による前処理工程a4、電着塗装工程a5および塗膜硬化工程a6を含む。
ステップa1の脱脂工程では、ステップa0で用意される電着塗装の対象になる被処理品を脱脂する。脱脂は公知の方法に従って実施できる。たとえば、被処理品の表面とアルカリ水溶液とを接触させることによって実施できる。アルカリ水溶液の接触とは、具体的には、被処理品へのアルカリ水溶液の噴霧、被処理品のアルカリ水溶液への浸漬などである。アルカリとしては金属の脱脂に常用されるものを使用でき、たとえば、リン酸ナトリウム、リン酸カリウムなどのアルカリ金属のリン酸塩などが挙げられる。アルカリ水溶液中のアルカリ濃度は、たとえば、処理する金属の種類、被処理金属の汚れの度合いなどに応じて適宜決定される。さらにアルカリ水溶液には、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤などの界面活性剤の適量が含まれていてもよい。脱脂は、20〜50℃程度の温度(アルカリ水溶液の液温)下に行われ、1〜5分程度で終了する。脱脂後、被処理品は水洗され、次の酸洗工程に供される。その他、酸性浴に浸漬する脱脂、気泡性浸漬脱脂、電解脱脂などを適宜組み合わせて実施することもできる。
ステップa2の酸洗工程では、ステップa1で脱脂を施した被処理品を酸洗する。酸洗は公知の方法に従って実施できる。たとえば、被処理品の表面と酸水溶液とを接触させることによって実施できる。酸水溶液の接触とは、脱脂工程におけるアルカリ水溶液の接触と同様であり、被処理品への酸水溶液の噴霧、被処理品の酸水溶液への浸漬などである。酸としては金属の酸洗に常用されるものを使用でき、たとえば、硫酸、硝酸、リン酸などが挙げられる。酸水溶液中の酸濃度は、たとえば、被処理金属の種類などに応じて適宜決定される。酸洗は、20〜30℃程度の温度下(酸水溶液の液温)に行われ、15〜60秒程度で終了する。酸洗後に、スケール除去などを施してもよい。
ステップa3の化成処理工程では、ステップa2で酸洗を施した被処理品を化成処理する。化成処理は公知の方法に従って実施できる。たとえば、被処理品の表面と化成処理液とを接触させることによって実施できる。化成処理液の接触とは、たとえば、被処理品への化成処理液の噴霧、被処理品の該処理液への浸漬などである。また、噴霧と浸漬とを組み合わせても良い。化成処理液としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、リン酸亜鉛系化成処理液、リン酸鉄系化成処理液、クロメート系化成処理液、有機酸系化成処理液などが挙げられる。化成処理は、化成処理液の液温を好ましくは25〜40℃程度に維持しながら、好ましくは10秒〜3分程度、さらに好ましくは20秒〜2分程度で終了する。さらに化成処理は通電下に行うのが好ましい。通電条件は特に制限されないけれども、好ましくは0.3〜1.5A程度、さらに好ましくは0.5〜1A程度の電流を流せばよい。
ステップa4の前処理工程では、ステップa3で化成処理を施した被処理品に、本発明の電着塗装前処理用組成物によって電着塗装前処理を施す。電着塗装前処理は、たとえば、被処理品の表面と本発明の電着塗装前処理用組成物とを接触させることによって実施できる。電着塗装前処理用組成物の接触とは、たとえば、被処理品への電着塗装前処理用組成物の噴霧、被処理品の電着塗装前処理用組成物への浸漬などである。また、噴霧と浸漬とを組み合わせても良い。前処理は、電着塗装前処理用組成物の液温を好ましくは30〜50℃程度、さらに好ましくは35〜45℃程度に維持しながら、好ましくは5秒〜3分程度、さらに好ましくは10秒〜2分程度で終了する。前処理終了後の被処理品には乾燥および/または純水洗浄を施しても良い。乾燥は70〜80℃の温度下に実施され、15〜60分程度で終了する。純水洗浄は、たとえば、被処理品を純水に10秒〜2分程度浸漬することによって実施できる。
ステップa5の電着塗装工程では、ステップa4で電着塗装前処理を施した被処理品に、電着塗装を施す。電着塗装は、公知の方法に従い、たとえば、電着塗装用塗料を満たした通電槽中に被処理品を完全にまたは部分的に浸漬し、通電することにより実施される。電着塗装に用いられる塗料は、紫外線硬化型の塗膜形成成分を含むものであれば、公知のカチオン型およびアニオン型の電着塗料を使用できる。紫外線硬化型の塗膜形成成分としては、たとえば、エチレン性不飽和結合基である(メタ)アクリロイル基を有するアクリル樹脂、スルホニウム基およびプロパルギル基を有するエポキシ樹脂などが挙げられ、(メタ)アクリレート化合物、イソシアネート化合物などの光重合性モノマーが含まれてもよい。電着塗装塗料は光重合開始剤を含んでも良い。光重合開始剤としては公知のものを使用でき、たとえば、ベンゾイン類、アセトフェノン類、アミノアセトフェノン類、アントラキノン類、チオキサントン類、ケタール類、ベンゾフェノン類、芳香族のヨードニウム塩、スルホニウム塩およびジアゾニウム塩、ポリシラン化合物、α−アルキルフェノン類などが挙げられる。電着塗装塗料は着色剤を含んでも良い。着色剤としては、たとえば、無機顔料、有機顔料などがある。無機顔料の具体例としては、たとえば、チタンホワイト(酸化チタン)、カーボンブラック、ベンガラなどの着色顔料、カオリン、タルク、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、マイカ、クレー、シリカなどの体質顔料、リン酸亜鉛、リン酸鉄、リン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、亜リン酸亜鉛、シアン化亜鉛、酸化亜鉛、トリポリリン酸アルミニウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸アルミニウム、モリブデン酸カルシウム、リンモリブデン酸アルミニウム、リンモリブデン酸アルミニウム亜鉛などの防錆顔料などが挙げられる。さらに電着塗装塗料は、たとえば、顔料分散剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの一般的な添加剤を含んでいても良い。電着塗料は前述の各成分の1種または2種以上を水に分散させたものであることが好ましい。電着塗装条件も特に制限されず、被処理品である金属の種類、電着塗装塗料の種類、通電槽の大きさおよび形状、得られる塗装物品の用途などの各種条件に応じて広い範囲から適宜選択できるけれども、通常は、浴温度(電着塗料温度)10〜50℃程度、印加電圧10〜250V程度、電圧印加時間1〜10分程度とすればよい。塗装が施された被処理品は、通電槽から取り出され、水洗される。電着塗装後の被処理品には乾燥を施しても良い。乾燥は70〜80℃の温度下に実施され、15〜60分程度で終了する。
ステップa6の塗膜硬化工程では、ステップa5において被処理品の金属表面に形成される塗膜を硬化させる。塗膜は紫外線の照射によって硬化される。紫外線の照射量は特に制限されず、塗膜形成成分の種類に応じて広い範囲から適宜選択できるけれども、好ましくは4000〜5000mJ/cmである。照射量は、照射強度(mJ/cm・s)と照射時間(s)との積であるから、照射強度と照射時間とを適宜選択することによって、所望の照射量を選択できる。紫外線源としては、たとえば、高圧水銀灯、ケミカルランプ、メタルハライドランプなどの一般的な紫外線源を使用できる。このようにして、被処理品の表面に硬化した電着塗膜が形成される。
次いで、ステップa6のエンドに進み、金属表面に電着塗膜が形成された物品が得られる。
以下に実施例、比較例および試験例を挙げ、本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:サイラエース510、シランカップリング剤、チッソ(株)製)50gおよびアセチレンジオール混合物(商品名:オルフィンPD001、ノニオン系界面活性剤、日信化学工業(株)製)1gに全量が1000gになるようにイオン交換水を加えて混合し、本発明の電着塗装前処理用組成物を製造した。
寸法100×70×0.3mmの鋼板を、ニッケルめっき浴(商品名:ラスター1,2、(株)シミズ製)を用い、浴温50℃、めっき時間10分でめっきを施し、表面に膜厚15μmのニッケルめっき皮膜が形成された試料板を作製した。この試料板にリン酸ナトリウム水溶液による脱脂および硫酸による酸洗を施した後、クロム系化成処理液(商品名:エレコートコネクター、(株)シミズ製)に浸漬して通電下に化成処理を施した。化成処理条件は、電流1.6A、浴温40℃および浸漬時間30秒であった。化成処理を施した試験板を上記で得られた電着塗装前処理用組成物に浸漬し、電着塗装前処理を施した。電着塗装前処理条件は、浴温40℃および浸漬時間30秒であった。電着塗装前処理後の試験板を70〜80℃の温度下で30分間乾燥し、さらにイオン交換水に30秒間浸漬して純水洗浄を行った。この試験板に、アクリル系カチオン電着塗料(商品名:エレコートUC−2000、(株)シミズ製)を用い、液温30℃、塗装時間2分、通電方式:全没通電、電圧60V、塗料撹拌:1サイクル/時間の条件下に電着塗装を行った後、試料板を通電槽から取り出し、水洗し、80℃で30分間乾燥した。さらに、この試験板に、紫外線照射機(80W2灯、メタルハライドランプ、アイグラフィックス(株)製)を20cmの間隔で設置し、4分間紫外線を照射した。紫外線照射量はおおよそ5000mJ/cmであった。このようにして、表面に電着塗膜を形成した塗装試料板を作製した。
(実施例2)
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランに代えて3−アミノプロピルトリメトキシシラン(商品名:サイラエース330、シランカップリング剤、チッソ(株)製)を使用する以外は実施例1と同様にして、本発明の電着塗装前処理用組成物を製造した。この電着塗装前処理用組成物を用いる以外は、実施例1と同様にして、塗装試料板を作製した。
(比較例1)
電着塗装前処理を行わない以外は、実施例1と同様にして、塗装試料板を作製した。
(試験例1)
実施例1、2および比較例1で得られた塗装試料板を下記の性能試験に供した。結果を表1に示す。
[外観]
テストピースの外観を目視により観察し、硬化被膜表面にピンホール、傷などがないものを「○」と評価した。
[密着性試験]
ASTM D3359−93に準拠し、碁盤目クロスカットテープ剥離を行い、その剥離残渣面積から5B〜0Bの評価を行った。
[耐摩耗性(RCA磨耗)]
RCA摩耗試験機(Norman Tool社製)を使用し、温度25℃、湿度60%で試験を行い、素地面が露出するまでの回数を求めた。
Figure 2010047803
表1から、本発明の電着塗装前処理用組成物を用いて電着塗装前処理を施すことによって、電着塗膜と金属表面との密着性の低下を実用上問題のない程度に抑制しながら、効果後の電着塗膜の耐磨耗性を顕著に向上させ得ることが明らかである。なお、実施例2では外観にムラが発生するが、実用上全く問題がなく、実施例1に比べると相対的にはムラがあるというひとである。したがって、本発明の電着塗装前処理用組成物による前処理を施した後に電着塗装を施して得られる塗装品は、たとえば、携帯電話、デジタルカメラなどの金属筺体、プラスチックめっき品などの用途に好適に使用できる。
本発明の電着塗装方法の一実施形態を概略的に示すフローチャートである。

Claims (9)

  1. シランカップリング剤を含むことを特徴とする電着塗装前処理用組成物。
  2. シランカップリング剤とともに界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1記載の電着塗装前処理用組成物。
  3. シランカップリング剤1〜20重量%と、界面活性剤0.1〜2.0重量%とを含み、残部が水であることを特徴とする請求項2記載の電着塗装前処理用組成物。
  4. シランカップリング剤がアルコキシシラン化合物から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の電着塗装前処理用組成物。
  5. アルコキシシラン化合物がグリシジル基含有アルコキシシラン化合物およびアミノ基含有アルコキシシラン化合物から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の電着塗装前処理用組成物。
  6. 界面活性剤がノニオン系界面活性剤であることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1つに記載の電着塗装前処理用組成物。
  7. 少なくとも表面の一部または全面が金属からなる被処理品の金属表面に電着塗装によって塗膜を形成し、この塗膜に紫外線を照射して硬化させる電着塗装方法において、該被処理品の金属表面を請求項1〜6のいずれか1つの電着塗装前処理用組成物によって前処理した後に、電着塗装によって金属表面に塗膜を形成することを特徴とする電着塗装方法。
  8. 少なくとも表面の一部または全面が金属からなる被処理品を電着塗装前処理用組成物中に浸漬することによって、金属表面に前処理を施すことを特徴とする請求項7記載の電着塗装方法。
  9. 少なくとも表面の一部または全面が金属からなる被処理品を、液温25〜60℃の電着塗装前処理用組成物に10〜180秒間浸漬することを特徴とする請求項7または8記載の電着塗装方法。
JP2008213338A 2008-08-21 2008-08-21 電着塗装前処理用組成物および電着塗装方法 Expired - Fee Related JP5512940B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008213338A JP5512940B2 (ja) 2008-08-21 2008-08-21 電着塗装前処理用組成物および電着塗装方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008213338A JP5512940B2 (ja) 2008-08-21 2008-08-21 電着塗装前処理用組成物および電着塗装方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010047803A true JP2010047803A (ja) 2010-03-04
JP5512940B2 JP5512940B2 (ja) 2014-06-04

Family

ID=42065116

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008213338A Expired - Fee Related JP5512940B2 (ja) 2008-08-21 2008-08-21 電着塗装前処理用組成物および電着塗装方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5512940B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013253306A (ja) * 2012-06-08 2013-12-19 Dipsol Chemicals Co Ltd 塗装ステンレス鋼部材
JP2015040306A (ja) * 2013-08-22 2015-03-02 エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッドAir Products And Chemicals Incorporated 組成物とこれを使用する流動性を有する酸化物堆積のための方法
WO2016052146A1 (ja) * 2014-09-29 2016-04-07 豊田合成 株式会社 装飾めっき製品、取付構造、製造方法、及び取り付け方法
KR101801331B1 (ko) * 2017-09-06 2017-11-24 대양프라텍 주식회사 전착 도장 방법
KR102431734B1 (ko) * 2022-03-10 2022-08-10 김태환 전착도장 시스템 및 이를 이용한 전착도장방법
JP7495704B2 (ja) 2021-02-12 2024-06-05 トヨタ車体株式会社 めっき部品の製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04143296A (ja) * 1990-10-03 1992-05-18 Kobe Steel Ltd 塗膜の鮮映性にすぐれる電着塗装鋼板及びその製造方法
JPH09169078A (ja) * 1995-12-19 1997-06-30 Kobe Steel Ltd 電着塗装性およびプレス成形性に優れた樹脂塗装鋼板
JPH1018093A (ja) * 1996-06-27 1998-01-20 Nippon Paint Co Ltd 皮膜形成方法及び皮膜形成金属素材
JP2007262577A (ja) * 2006-03-01 2007-10-11 Nippon Paint Co Ltd 金属表面処理用組成物、金属表面処理方法、及び金属材料

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04143296A (ja) * 1990-10-03 1992-05-18 Kobe Steel Ltd 塗膜の鮮映性にすぐれる電着塗装鋼板及びその製造方法
JPH09169078A (ja) * 1995-12-19 1997-06-30 Kobe Steel Ltd 電着塗装性およびプレス成形性に優れた樹脂塗装鋼板
JPH1018093A (ja) * 1996-06-27 1998-01-20 Nippon Paint Co Ltd 皮膜形成方法及び皮膜形成金属素材
JP2007262577A (ja) * 2006-03-01 2007-10-11 Nippon Paint Co Ltd 金属表面処理用組成物、金属表面処理方法、及び金属材料

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013253306A (ja) * 2012-06-08 2013-12-19 Dipsol Chemicals Co Ltd 塗装ステンレス鋼部材
JP2015040306A (ja) * 2013-08-22 2015-03-02 エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッドAir Products And Chemicals Incorporated 組成物とこれを使用する流動性を有する酸化物堆積のための方法
US10170297B2 (en) 2013-08-22 2019-01-01 Versum Materials Us, Llc Compositions and methods using same for flowable oxide deposition
WO2016052146A1 (ja) * 2014-09-29 2016-04-07 豊田合成 株式会社 装飾めっき製品、取付構造、製造方法、及び取り付け方法
KR101801331B1 (ko) * 2017-09-06 2017-11-24 대양프라텍 주식회사 전착 도장 방법
JP7495704B2 (ja) 2021-02-12 2024-06-05 トヨタ車体株式会社 めっき部品の製造方法
KR102431734B1 (ko) * 2022-03-10 2022-08-10 김태환 전착도장 시스템 및 이를 이용한 전착도장방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP5512940B2 (ja) 2014-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5322000B2 (ja) 亜鉛又は亜鉛合金めっきに耐食性皮膜を形成させるための表面処理水溶液及び処理方法
CN100584908C (zh) 环保型镀锌金属表面处理剂
KR101491459B1 (ko) 친환경 중방식 강재도료 조성물 및 이를 이용한 부식방지 및 내구성 향상을 위한 강재도장 시공방법
EP2329058B1 (en) Process and composition for treating metal surfaces using trivalent chromium compounds
JP5512940B2 (ja) 電着塗装前処理用組成物および電着塗装方法
US20090065101A1 (en) Corrosion Resistant Conversion Coatings
KR101619099B1 (ko) 친환경 중방식 도료 조성물을 이용한 강재도장 시공공법
TW200417420A (en) Chemical conversion coating agent and surface-treated metal
EP2772568B1 (en) Coated steel sheet having superior welding, scratch-resistance, and corrosion-resistance properties
DE502004011004D1 (de) Im wesentlichen chrom-freies verfahren zum passivirungen, al oder al-legierungen
JP5571881B2 (ja) 金属材料の自己析出被膜処理用表面処理液、および自己析出被膜処理方法
JPH05214266A (ja) 自己析出型水性コーティング組成物
JP6915699B2 (ja) プレコート鋼板
CN108588696B (zh) 一种不含铬和镍重金属的有机钝化剂
JPWO2005056884A1 (ja) 有機高分子複合電気亜鉛合金めっき液組成物及び該組成物を用いためっき金属材
CN111655901B (zh) 防锈处理过的金属构件和涂敷涂料
JP2010065169A (ja) 熱硬化型アニオン電着塗料組成物および水性電着塗料組成物
JP5220515B2 (ja) 電着塗料組成物および水性電着塗料組成物
JPS6147181B2 (ja)
JPWO2005056883A1 (ja) 耐食性に優れた亜鉛系合金電気めっき皮膜およびこれを用いためっき金属材
JP6132078B1 (ja) 黒色塗装鋼板
Yasuda et al. “Barrier-Adhesion” Principle for Corrosion Protection
CN110257830A (zh) 镀锌板处理剂
JP3056372B2 (ja) 超塗装耐久性鋼材及びその塗装方法
JP5657870B2 (ja) 均一電着性に優れた電着塗料組成物、水性電着塗料、電着塗装方法および電着塗装製品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110517

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130306

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130416

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130617

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140225

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140327

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5512940

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees