JP2010047368A - ターゲット整列装置、搬送装置及び記録装置 - Google Patents

ターゲット整列装置、搬送装置及び記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】載置部上のターゲットの積重厚が薄くても、ガイド手段によってターゲットを湾曲させることなく挟圧できるターゲット整列装置、搬送装置及び記録装置を提供する。
【解決手段】電動モータ45の動力で駆動シャフト50が正転すると、ウォーム62と一体回転する連結車67と摩擦クラッチを介して摩擦係合されたカムレバー68が同図の反時計方向に連れ回りを開始し、その後、軸部73がガイド面75Aに沿って下降することで、ロックピン71が連結車67と係止し、この係止によりカムレバー68は連結車67と連れ回りする。カムレバー68の先端部のカム軸68Aが上昇することで、捩りバネ35の付勢力で駆動バー34が上動し、押圧部33が用紙を押圧する位置まで紙押さえレバー31が回動する。遅延機構により押圧動作終了のタイミングでピニオン部材69の回転が開始され、ラック41,42を介してエッジガイド16,16の幅寄せが行われる。
【選択図】図2

Description

本発明は、載置部上に積重された用紙等のターゲットを幅方向に挟圧して幅方向両端を揃える整列を行うガイド手段を備えたターゲット整列装置、搬送装置及び記録装置に関する。
従来、記録装置としてのプリンタとして、記録ヘッドで印刷する対象である用紙(ターゲット)を給送する自動給紙装置(Auto Sheet Feeder)を備えたものがある。自動給紙装置には、複数枚の用紙を積重状態でセットできる給紙トレイと、積重状態の用紙群を給紙位置へ移動させるホッパーと、ホッパーにより給紙位置に配置された用紙群のうち最上位の一枚を給送する給紙ローラとを備えている。
また、自動給紙装置には、ホッパー上にセットされた用紙を給紙位置に位置きめするため紙幅方向に少なくとも一方が移動可能な一対のエッジガイド(ガイド部)を有するガイド装置(ガイド手段)が備えられている。従来は、ユーザが一対のエッジガイドのうち少なくとも一方を手操作でスライドさせることで一対のエッジガイドを用紙の紙幅に合わせた間隔に調整し、給紙すべき用紙の左右端を揃えつつ用紙を幅方向に位置決めするようになっている(例えば特許文献1、2)。
また、モータの動力でエッジガイドが移動してターゲット(シート)の幅寄せを行うエッジガイド装置も知られている(例えば特許文献2〜4)。例えば特許文献2には、給紙カセットタイプのシート積載装置が開示されている。この装置では、モータを回転駆動すると、ピニオン・ラック機構を介して一対の可動シート規制板が互いに接近してシートの幅寄せを行う。このとき一方の可動シート規制板に設けられた圧力検知手段がシートの幅方向端部に接触し、その検知圧がシートにループが生じる第一設定圧になるまで幅寄せし、次にモータを逆転させ、第二設定圧になるとモータの駆動を停止させる構成となっていた。
また、特許文献3にも同じく給紙カセットタイプのシート積載装置において、モータが正転駆動され、その動力により可動シート規制板と固定シート規制板間でシートを挟んで加圧して幅寄せすることで紙端を揃える構成が開示されている。幅寄せ時にはシートをループができる程度に加圧し、シートのループがループ検出手段により検知されると、モータが逆転駆動され、可動シート規制板が後退し、シートが平らとなってループが非検知になると、モータの逆転が停止される構成であった。
さらに特許文献4には、モータをポジションセンサがオンしたホームポジションから、把握した用紙の幅までの距離に相当するパルスステップ数だけ回転制御し、移動ガイドユニットを移動させることで用紙の幅寄せを行う用紙幅寄せガイド機構が開示されている。
特開2002−128286号公報(例えば図1、図4等) 特開平5−330669号公報(例えば段落[0019]、[0024]、図1〜図11等) 特開平6−24578号公報(例えば段落[0019]、図1〜図9等) 特開平10−139219号公報(例えば段落[0019]、図1、図2等)
ところで、特許文献2のように、圧力検知手段がシートの幅方向端部に接触したときの検知圧がシートにループが生じる第一設定圧になるまで幅寄せする構成の場合、例えば一枚や少数枚のシートの幅寄せであればループを形成できる。しかし、この装置を、給紙トレイに積重された用紙群を整列させる構成に適用した場合、給紙トレイに積重された多数枚の用紙を一対のエッジガイドでループを形成するように挟圧することは事実上困難であり、このような装置を給紙トレイにおけるエッジガイド装置に適用することはできない。
また、特許文献3のシート積載装置の場合も、給紙トレイ上に積重された多数枚の用紙群を整列させる場合、エッジガイドで用紙を挟圧した際に用紙にループが生じず、ループ検出手段が機能しなくなってしまうので、多数枚積載可能な装置では採用できない。
さらに特許文献4のように、パルスステップ数でモータを回転制御する構成では、エッジガイドが用紙を挟むように加圧したことが確認できないので、モータの回転量の誤差や、エッジガイドの移動誤差等が原因で、幅寄せに必要な加圧力を付与できなかったり、逆に過度に加圧して用紙が湾曲した状態で幅寄せされたりするなどの問題が発生する。
よって、給紙トレイ上の用紙を整列させる場合、用紙が湾曲しないことを前提に、電動モータの駆動停止タイミングを決めるための圧力検知手段の設定圧を設定しておく必要がある。しかしながら、用紙が比較的コシが弱くしかもセット枚数が少数枚の場合は、エッジガイドに挟圧された際に用紙が湾曲してしまい(ループを形成してしまい)、このとき検出手段で検出圧や検出負荷が相対的に小さくなってしまう。よって、エッジガイドが既に用紙の左右端に当接して挟圧しているにも拘わらず、検出圧や検出負荷が設定圧(閾値)に到達していないため、用紙が湾曲した状態でさらに幅寄せしてしまい、エッジガイドの位置決めを適切に行えない虞があった。
よって、給紙トレイ上に積重された用紙を、電動モータの動力でエッジガイドを移動させて幅寄せする場合、たとえセットされた用紙が比較的コシが弱かったり少数枚であったりしても、エッジガイドによる幅寄せ時に用紙が湾曲することを防止できるエッジガイド装置が要望される。
本発明は前記の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、載置部上のターゲットの積重厚が薄くても、ガイド手段によってターゲットを湾曲させることなく挟圧できるターゲット整列装置、搬送装置及び記録装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、本発明は、ターゲット整列装置であって、ターゲットを複数枚積重した状態で載置可能な載置部と、前記載置部上のターゲットから離間する退避位置と前記ターゲットを積重方向に押圧する作動位置とに移動可能に設けられた押圧部と該押圧部を付勢する付勢手段とを有する押圧手段と、前記載置部上に積重されたターゲットの搬送方向と交差する幅方向に少なくとも一方が移動可能な一対のガイド部を有し当該一対のガイド部で前記ターゲットを幅方向に挟圧して当該ターゲットを幅方向の両端を揃えつつ幅方向に位置決めする整列動作を行うガイド手段と、前記押圧手段と前記ガイド手段とを動作させる共通の動力源と、前記動力源の動力を前記押圧手段と前記ガイド手段に伝達する動力伝達手段とを備え、前記動力伝達手段は、前記押圧部と連動するカムフォロアと、前記カムフォロアと係合可能なカムと、前記動力源から前記カムへの動力伝達を許容して前記カムの有限可動範囲内での移動を許容するとともに前記動力源から前記カムへの動力伝達を切断して前記カムを前記有限可動範囲の端部に停止させる動力伝達選択手段とを有するカム手段と、前記動力源から前記ガイド手段への動力伝達開始時期を前記押圧手段への動力伝達開始時期より遅延させる遅延手段とを備えたことを要旨とする。
この発明によれば、動力源の動力がカム手段に伝達されてカムが有限可動範囲を移動して、カムがカムフォロアを移動させることにより、付勢手段に付勢された押圧部が退避位置から作動位置へ移動して、載置部上のターゲットを積重方向に押圧する。そして、動力伝達選択手段により動力源からカム手段への動力伝達が切断されることで、カムは有限可動範囲の端部(始端又は終端)で停止する。その結果、動力源の駆動がそのまま継続されても押圧部はターゲットを押圧する作動位置に保持される。一方、遅延手段により、押圧手段への動力源の動力伝達開始時期に遅延して、ガイド手段への動力の伝達が開始される。そのため、一対のガイド部がターゲットを幅方向に挟圧する整列動作は、押圧部がターゲットに積重方向の荷重を加えた状態で行われる。その結果、一対のガイド部による挟圧時にターゲットが湾曲することを回避できる。従って、共通の動力源で押圧手段とガイド手段を駆動させつつ、ターゲットを幅方向に位置決めする整列動作を適切に行うことができる。
また、本発明のターゲット整列装置では、前記動力伝達手段は、前記動力源の動力で回転する回転体を備え、前記カムは、前記回転体と同軸上に回転可能に設けられた回転カムであり、前記動力伝達選択手段は、前記回転体と前記回転カムとを一体回転可能に係合させる係合手段と、前記回転カムを前記有限可動範囲内で回転させるべく前記係合手段による前記回転体と前記回転カムとの係合を許容し、前記回転カムを前記有限可動範囲の端部で停止させるべく前記係合手段による前記回転体と前記回転カムとの係合を解除させる係合解除手段とを備えていることが好ましい。
この発明によれば、係合解除手段によって係合手段による回転体と回転カムとの係合が許容されることで、係合手段によって回転体と回転カムは係合される。そのため、回転カムは回転体の回転と共に有限可動範囲内で連れ回りする。そして、係合解除手段によって係合手段による回転体と回転カムとの係合が解除されると、回転カムは有限可動範囲の端部(始端又は終端)で停止する。従って、カム手段の動力伝達選択手段を比較的簡単な構造で構成することができる。
本発明のターゲット整列装置では、前記係合手段は、前記回転カムに対して前記回転体と係合可能な係合位置と前記回転体と係合しない非係合位置とに移動可能に設けられた係合部材と、前記係合部材を前記係合位置側へ付勢する付勢手段とを備え、前記係合解除手段は、前記回転カムを前記有限可動範囲の端部で停止させるべく前記係合部材を前記非係合位置へ移動させるように案内するガイド面を有するガイド部を有していることが好ましい。
この発明によれば、回転カムが有限可動範囲を回転する過程で係合部材がガイド部のガイド面に案内されることで、係合部材が非係合位置へ移動する。その結果、回転カムが有限可動範囲の端部(始端又は終端)で停止する。ガイド部を設ければ済むので、係合解除手段を比較的簡単に構成することができる。
さらに本発明のターゲット整列装置では、前記動力伝達手段は、前記回転体と前記回転カムとを一体回転可能に摩擦係合させる摩擦クラッチ手段を更に備えていることが好ましい。
この発明によれば、摩擦クラッチ手段により回転体と回転カムは一体回転可能に摩擦係合される。そのため、回転カムを有限可動範囲の一方の端部から他方の端部へ回転させるべく動力源の動力で回転体が回転を開始すると、回転体と摩擦係合された回転カムは連れ回りして回転を開始する。よって、回転カムが有限可動範囲の端部に位置するときは係合部材が非係合位置に配置されているものの、摩擦クラッチ手段の摩擦係合によって回転体から回転カムへ回転カムの初動の回転力を伝達し、回転カムを始動させることができる。そして、回転カムが始動することでガイド面に案内された係合部材は非係合位置から係合位置へ移動し、以後は、係合部材による係合を介して回転体の回転力が回転カムに確実に伝達され、たとえ摩擦クラッチ手段の接続(摩擦係合)が切断されるほどの負荷がかかっても、回転カムを確実に回転させることができる。従って、押圧部の退避位置から作動位置への移動、及び作動位置から退避位置への移動を確実に行うことができる。
また、本発明のターゲット整列装置では、前記ガイド部は、前記回転カムを前記有限可動範囲の始端と終端で停止させるべく前記係合部材が位置する範囲の両側に一対設けられ、前記動力源が正転駆動されるときには、前記回転カムが前記有限可動範囲の始端から終端へ正転する過程で前記押圧部を前記退避位置から前記作動位置へ移動させる押圧動作が行われるとともに前記遅延手段により当該押圧動作に遅延して前記一対のガイド部による整列動作が行われ、一方、前記動力源が逆転駆動されるときには、前記回転カムが前記有限可動範囲の終端から始端へ逆転する過程で前記押圧部を前記作動位置から前記退避位置へ移動させる退避動作が行われるように構成され、前記遅延手段は前記回転カムが前記終端又は前記始端に停止した以後のタイミングで前記ガイド手段への動力伝達が開始されるように設定されていることが好ましい。
この発明によれば、動力源が正転駆動されるときには、回転カムが有限可動範囲の始端から終端へ正転し、この正転過程において押圧部が退避位置から作動位置へ移動する押圧動作が行われる。押圧動作が終わると、回転体と回転カムとの係合が解除され、回転カムは終端の位置で停止する。その後も、動力源の正転駆動は継続されており、遅延手段により回転カムが終端に停止した以後、ガイド手段への動力伝達が開始される。すると、一対のガイド部による整列動作が行われる。整列動作が終了して次に動力源が正転駆動されるときには、回転カムが有限可動範囲の終端から始端へ逆転し、この逆転過程において押圧部が作動位置から退避位置へ移動する退避動作が行われる。退避動作が終わると、回転体と回転カムとの係合が解除され、回転カムは始端の位置で停止する。遅延手段は、回転カムが始端に停止した以後、ガイド手段への動力伝達を開始する設定のため、回転カムが始端に達した時点で動力源の逆転駆動を停止すれば、一対のガイド部を整列動作による位置決め位置に保持したまま、押圧部をターゲットから離間させることができる。例えば、その後、ターゲットを搬送する際に、押圧部が邪魔にならず、しかも一対のガイド部で適切な位置にガイドしたままターゲットを搬送することができる。
本発明のターゲット整列装置では、前記動力伝達手段は、前記動力源の動力で回転する第1回転体と、前記第1回転体と同軸上で相対回転可能であるとともにその回転力が前記ガイド手段に整列動作のために伝達される第2回転体とを備え、前記遅延手段は、前記第1回転体と一体回転可能な係合部と、前記第2回転体と一体回転可能かつ前記係合部と係合可能な被係合部とを備え、前記係合部が前記被係合部に係合するまで前記第1回転体が前記第2回転体に対して空転することで、前記第1回転体から前記第2回転体への回転の伝達が遅延するように構成された遅延機構であることが好ましい。
この発明によれば、動力源の動力で第1回転体が回転し、第1回転体の係合部が第2回転体の被係合部に係合するまでの間、第1回転体が第2回転体に対して空転する。この空転により、第1回転体から第2回転体への回転の伝達が遅延する。この遅延時間の後、第1回転体の回転力が係合部と被係合部との係合を介して第2回転体に伝達され、第2回転体の回転が開始されることで、ガイド手段の整列動作が開始される。遅延機構は、同軸上に相対回転可能に設けられた第1回転体と第2回転体と、両回転体を一体回転可能に係合させる係合部と被係合部とを有する比較的簡単な構成で実現できる。
本発明は、搬送装置であって、上記発明のうちいずれか一つのターゲット整列装置と、前記ターゲット整列装置により整列されたターゲットを1枚ずつ搬送する搬送手段とを備えたことを要旨とする。この発明によれば、ターゲットを搬送手段により搬送する前に、載置部上の複数枚のターゲットの幅方向両端を揃える整列を行うことができる。よって、ターゲットを幅方向にずれのない適切な位置で搬送できる。
本発明は、記録装置であって、上記発明の搬送装置と、前記搬送装置により搬送されたターゲットに記録を施す記録手段とを備えたことを要旨とする。この発明によれば、搬送装置によりターゲットが幅方向にずれのない適切な位置に搬送されるため、記録手段によりターゲットに対して正確な位置に記録を行うことができる。
以下、本発明を記録装置の一種であるインクジェット式プリンタに具体化した一実施形態を図1〜図15を用いて説明する。
図4は、インクジェット式プリンタの模式斜視図である。図4に示すように、記録装置としてのインクジェット式プリンタ(以下、単に「プリンタ11」という)には、本体12の背面側にターゲット(記録媒体)としての用紙P(この例では単票紙)を給紙する自動給紙装置(A uto Sheet Feeder;以下、「給紙装置13」という)が装備されている。給紙装置13には、用紙Pがセットされる載置面14Aを有する給紙トレイ14、略T字形のホッパー15(但し、図4では一部のみ図示)、及び載置面14Aに沿って紙幅方向(図2における左右方向)に移動するガイド部としての一対のエッジガイド16が設けられている。また、給紙トレイ14には、紙サイズの大きな用紙Pがセットされた場合に、その用紙Pの上側部分(給送方向下流側部分)を支持可能な用紙サポート17が取着されている。そして、給紙装置13は、給紙トレイ14にセットされた用紙Pを本体12内に1枚ずつ給紙するように構成されている。
また、本体12内には主走査方向(図4におけるX方向(すなわち紙幅方向))に往復移動するキャリッジ18が設けられ、キャリッジ18の下部に記録ヘッド19が備えられている。キャリッジ18を主走査方向Xに移動させながら記録ヘッド19の下面に開口した図示しないノズル(ノズル群)から用紙Pに向かってインク滴(液体)を噴射する印字動作と、用紙Pを副走査方向(図4におけるY方向)に所定の搬送量(次の印刷行までの搬送量)で搬送する紙送り動作とを交互に繰り返すことによって、用紙Pへの印刷が行われる。印刷された用紙Pは本体12の前側下部に開口する排紙口12Aから排出される。なお、本実施形態では、キャリッジ18及び記録ヘッド19により記録手段が構成される。また、ホッパー15により載置部が構成される。
図1は、給紙装置13の正面図を示す。給紙装置13は、背板部20Aと左右一対の側板部20R,20Lとを有するハウジング20を備えている。給紙トレイ14は背板部20Aにその一部として一体に形成されている。本実施形態の給紙装置13は、前述のホッパー15と、紙押さえ機構23と、エッジガイド機構24と、給送機構25とを備えている。なお、本実施形態では、ホッパー15と紙押さえ機構23とエッジガイド機構24等により、ターゲット整列装置が構成されている。
まず、ホッパー15は、左右の側板部20R,20Lの上端部に取着された支軸26を中心に回動可能に取り付けられた左右一対のアーム27と、一対のアーム27の下端部に横架状態に支持されて、セットした用紙Pの背面を支える略T字形状の平板よりなる載置板部28とを備える。ホッパー15は背板部20A(給紙トレイ14)の前側(図1において手前側)に配置され、背板部20Aに対して所定回動角範囲で往復回動可能(傾動可能)に取り付けられている。
紙押さえ機構23は、ホッパー15にセットされた用紙Pをその厚み方向(積重方向)に押し付けるための機構であり、側板部20R,20Lの外面に突出する支軸30を中心に回動自在に取り付けられた紙押さえレバー31を備えている。紙押さえレバー31は、左右の支軸30を中心に回動自在に設けられた左右一対のレバー32と、一対のレバー32の一端部(図1では上端部)に横架状態に支持された所定長さを有する押圧部33(押圧バー)と、レバー32の他端部間に横架された駆動バー34とを有している。左側のレバー32の支軸30には、紙押さえレバー31を用紙押し付け方向へ付勢するための付勢手段としての捩りバネ35が、その一端部が側板部20Lの外面に突設された軸状の掛止部36に掛止され、その他端部がレバー32の一端部に掛止された状態で設けられている。この捩りバネ35によって、紙押さえレバー31は、押圧部33が用紙Pを積重方向に押圧しうる方向(図1において押圧部33が下方向へ移動する回動方向)へ付勢されている。
また、エッジガイド機構24は、前述の左右一対のエッジガイド16,16を備え、エッジガイド16,16によって、ホッパー15にセットされた複数枚の用紙Pを左右両側から挟圧するようにガイドして、これら複数枚の用紙Pの左右端を揃えつつ、紙幅方向において用紙Pを用紙サイズに応じた給送位置に位置決めする。エッジガイド16は、用紙Pの側端と当接可能なガイド面37Aを有する四角板状のガイド部37と、背板部20Aに沿ってスライド可能な四角板状のベース部38とを有する断面L字形状の樹脂製部材よりなる。右側のエッジガイド16はガイド孔39A,39Bに沿って紙幅方向(左右方向)に移動可能な状態で背板部20A(給紙トレイ14)に取着され、左側のエッジガイド16はガイド孔39Cに沿って紙幅方向に移動可能な状態で背板部20Aに取着されている。
図1に示すように、一対のエッジガイド16,16の各ベース部38には、ガイド孔39B,39Cを介して背板部20Aの裏面側に配置された一対のラック41,42の外側寄り端部がそれぞれ連結されている。一対のラック41,42には、互いに対向する部位にそれぞれ歯部41A,42Aが形成されている。背板部20Aの裏面略中央位置には、双方のラック41,42と噛合するピニオン43が設けられている。ハウジング20の背面側には電動モータ45(紙送りモータ)が設けられ、この電動モータ45が正転・逆転することで、歯車46〜49を介して電動モータ45と動力伝達可能に連結された駆動シャフト50が正転・逆転駆動することにより、ピニオン43は正転・逆転するようになっている。ピニオン43が図1における時計方向へ正転することで、一対のラック41,42は左右方向において互いに接近する第1方向に移動し、ピニオン43が図1における反時計方向へ逆転することで、一対のラック41,42は左右方向に互いに離間する第2方向に移動するように構成されている。
そのため、電動モータ45が正転駆動されてピニオン43が正転すると、ラック42,42が第1方向に移動して左右のエッジガイド16が互いに接近する幅寄せ方向に移動する。一方、電動モータ45が逆転駆動されてピニオン43が逆転すると、ラック41,42が第2方向に移動して左右のエッジガイド16,16は互いに離れる離間方向に移動する。
また、給送機構25は、側板部20R,20Lの給送方向下流側端部(図1では下端部)に回転自在に支持された回転軸51と、回転軸51の略中央部に一体回転可能に固定された給紙ローラ52とを有している。
図8は給紙装置13の一部破断した側面図である。但し、図8では、紙押さえ機構23については破断していない。図8に示すように、ハウジング20の底部上面において給紙ローラ52の搬送方向上流側の位置には、給紙トレイ14にセットされた用紙Pの下端を支持する載置面21Aを有する支持台部21が設けられている。載置面21Aは、搬送方向下流側(図8における右側)ほど高くなってホッパー15の載置板部28とほぼ直交する斜面に形成されている。また、図8に示すように、給紙ローラ52は、その軸線方向と直交する断面形状がD字形のローラであり、その外周面は円弧面と平坦面とからなる。
図1及び図8に示すように、給紙ローラ52の下方には、給送された用紙Pを案内する搬送案内板部57が最大用紙幅より若干広い幅で給送方向下流側へ延出している。図1に示すように、搬送案内板部57の上面には用紙Pの裏面を支持する複数本の凸条57Aが給送方向に沿って延びるように形成されている。搬送案内板部57において給紙ローラ52と対向するその下側位置には、図1及び図8に示すリタードローラ58が回転自在に設けられている。
図1に示すように、右側の側板部20Rの外側(図1では右側)となる位置には、動力伝達機構54及びサブモータ55(給紙モータ(ASFモータ))が配設されている。このサブモータ55は、ホッパー15及び給送機構25の動力源であり、サブモータ55から動力伝達機構54を介して伝達された動力により、ホッパー15の傾動動作及び給紙ローラ52の回転動作が行われるようになっている。
ホッパー15が給送時に待機位置から給送位置へ傾動され、ホッパー15上の複数枚の用紙Pが、下側の載置面21Aに沿って、最上位の一枚の用紙が給紙ローラ52の円弧面に当接可能な位置まで押し出される。このときホッパー15と同期して回転駆動される給紙ローラ52の円弧面とリタードローラ58との間に最上位の一枚の用紙Pが挟持されることで、最上位の一枚が他の用紙(下位層の用紙)と分離されつつ給送されるように構成されている。なお、給紙ローラ52の円弧面の周長は、給紙ローラ52の搬送方向下流側に位置する紙送りローラ(図示せず)に用紙Pの先端部がニップされる位置まで用紙を給送可能な長さに設定されている。
次に紙押さえ機構について図2、図3及び図8等を用いて説明する。図2は給紙装置の背面図、図3はエッジガイド機構を省略した給紙装置の背面側から見た斜視図を示している。
図3及び図8に示すように、左右の側板部20R,20Lには紙押さえレバー31の押圧部33の移動経路に沿って一対の円弧状のガイド溝22(但し図3、図8では一方のみ図示)が形成されている。紙押さえレバー31は、押圧部33がこのガイド溝22に挿通されることで、押圧部33がホッパー15の載置板部28上に当接可能な位置(作動位置)まで回動することが可能となっている。よって、紙押さえレバー31は、押圧部33がホッパー15上の用紙から離間する図2、図3及び図8に示す退避位置と、押圧部33がホッパー15上の用紙に積重方向の荷重を加える図8に2点鎖線で示す作動位置との間を往復回動可能となっている。なお、退避位置は、ホッパー15上に最大積重厚の用紙Pが積重されたとしても押圧部33が用紙Pから離間する位置に設定されている。また、作動位置はホッパー15上の用紙Pに荷重を加えられるように当接した位置であってその位置は用紙Pの積重厚に応じて変化する。押圧部33を退避位置と作動位置との間を回動させる紙押さえレバー31の駆動は、左右のレバー32の後端部間に横架された前述の駆動バー34が上下方向に駆動されることにより行われる。なお、一対のエッジガイド16,16にも、押圧部33との干渉を回避するための円弧状のガイド溝(図示省略)が形成されている。
図2に示すように、ハウジング20の背面側には、電動モータ45の動力を紙押さえレバー31及び一対のエッジガイド16,16に伝達する動力伝達機構60が設けられている。動力伝達機構60は次のように構成されている。図2に示すように、ハウジング20において図2の右下なる所定位置に配設された電動モータ45の駆動軸に嵌着された歯車46(ピニオンギヤ)は、側板部20Lに回転自在に取着された大径の歯車47と噛合しており、この歯車47は、側板部20Lに回転自在に取着された段歯車48の大径歯車部48Aと噛合している。そして、その段歯車48の小径歯車部48Bが、駆動シャフト50の端部に嵌着された歯車49と噛合している。駆動シャフト50は、側板部20Lと、背板部20Aに突設された支持部61とに両端部が支持された水平状態で回転可能に設けられている。駆動シャフト50の軸方向中央部よりやや左側の箇所には、ウォーム62が駆動シャフト50と一体で正転・逆転可能な状態で嵌着されている。
図2に示すように、背板部20Aにおいてウォーム62と対応する位置には、カム歯車機構65が回転自在な状態で取り付けられている。カム歯車機構65は、ウォーム62と噛合しているウォームホイール66と、ウォームホイール66と一体回転可能な連結車67と、連結車67と相対回転可能な略V字形状をなすカムレバー68と、連結車67と約1回転の有限範囲内で相対回転可能かつカムレバー68と相対回転可能なピニオン部材69とを備えている。これらピニオン部材69とカムレバー68と連結車67とウォームホイール66とが、ネジ70の締結で抜け止めされた状態で同軸上に回転可能に設けられている。なお、前述のピニオン43はピニオン部材69にその一部として形成されている。また、本実施形態では、連結車67が第1回転体に相当し、ピニオン部材69が第2回転体に相当する。また、カムレバー68がカム及び回転カムに相当する。
カム歯車機構65は、カムフォロアとしての駆動バー34をカムとの係合で上下動させるためにカムであるカムレバー68を回動させるカム機構と、このカム機構を介して行われる紙押さえ機構23の押圧動作開始タイミングに対して、エッジガイド駆動用のピニオン43の回転開始タイミングを遅延させる遅延機能を有する歯車機構とが同軸上に配置された構成となっている。カムレバー68はカム軸68Aを先端部に有し、カム軸68Aはカムフォロアとしての駆動バー34と係合可能となっている。
カムレバー68には、連結車67の外周面に係止可能なロックピン71と、ロックピン71を連結車67と係止しない退避位置と、連結車67に係止する係止位置との間を移動可能に案内する一対の案内部72とを有している。ロックピン71は一対の案内部72間のガイド溝72B(図6参照)に連結車67の径方向に移動可能な状態で挿着されている。
ロックピン71の上端部(連結車67側と反対側の端部)には円柱状の軸部73が突設されており、この軸部73には捩りバネ74がロックピン71を連結車67に接近させる方向へ付勢する状態で取着されている。
背板部20Aには、カムレバー68と共に回動する軸部73の移動経路の両端近傍に相当する二位置に、第1ガイド部75及び第2ガイド部76が設けられている。一対のガイド部75,76は、それぞれ先端部を対向させた向きに配置され、その対向させた先端部分の上面(外面)には、カム歯車機構65の軸心からの径方向の距離が先端側ほど短くなる向きに傾斜した斜面よりなるガイド面75A,76Aがそれぞれ形成されている。カムレバー68は正転方向(図2における反時計方向)と逆転方向(図2における時計方向)にそれぞれ回動する。この回動過程において、軸部73がガイド面75A,76Aに乗り上げてロックピン71が径方向外側へ引き上げられることで、ロックピン71は係止位置から退避位置へ移動する。また、ロックピン71がガイド面75A,76Aに軸部73が乗り上げた退避位置にある状態から、カムレバー68の回動が開始されて軸部73がガイド面75A,76Aに沿ってその先端側へ移動することで、ロックピン71は捩りバネ74の付勢力により係止位置へ移動するようになっている。
よって、カムレバー68は、軸部73がガイド面75Aに乗り上げてロックピン71の係止が外れる第1位置(図2、図3に示す位置)と、軸部73がガイド面76Aに乗り上げてロックピン71の係止が外れる第2位置(図9(c)に示す位置)との間の有限可動範囲を往復回動するようになっている。カムレバー68が図2及び図3に示す第1位置に配置された状態では、カム軸68Aが駆動バー34を、図2及び図3に示す最下降位置まで押し下げるようになっている。カム軸68Aが駆動バー34を最下降位置まで押し下げることで、紙押さえレバー31は、押圧部33がホッパー15上の用紙Pから離間する退避位置まで回動する。
一方、カムレバー68が、図9(c)に示す第2位置に配置された状態では、カム軸68Aが最上昇位置に配置され、捩りバネ35の付勢力により上方へ移動しようとする駆動バー34の上方への移動を規制していたカム軸68Aによる規制が解除される。このため、紙押さえレバー31は、捩りバネ35の付勢力により、押圧部33がホッパー15上の用紙Pに当接するまで、あるいは押圧部33がホッパー15に当接するまで、紙押さえ方向へ回動する。
カムレバー68が、第1位置と第2位置間の有限可動範囲にあるときには、ロックピン71が係止位置側へ移動して連結車67の外周面上に凹設された図3に示す係止凹部67Aに係入されるようになっている。ロックピン71が係止凹部67Aに係入することで、カムレバー68が連結車67に対して一体回転可能な状態に係止され、連結車67の回転と共にカムレバー68が連れ回りすることが可能となっている。なお、本実施形態では、カムフォロアとしての駆動バー34、カム及び回転カムとしてのカムレバー68、係合部材としてのロックピン71、捩りバネ74、ガイド部75,76等により、カム手段が構成される。このうちロックピン71及び捩りバネ74等により係合手段が構成され、軸部73及びガイド部75,76により係合解除手段が構成されている。そして、これらの係合手段と係合解除手段とにより、動力伝達選択手段が構成される。また、図2に示すように、背板部20Aには、ラック41,42を案内する2本のレール部78,79が設けられ、ラック41,42はそれぞれレール部78,79に沿って左右方向に移動可能となっている。
次にカム歯車機構の詳細な構成を説明する。図6は、カム歯車機構の分解斜視図である。図6に示すように、背板部20Aには、カム歯車機構65を回転可能に支持するための軸状のボス部80(支軸部)が突出形成されている。エッジガイド駆動用のピニオン部材69は、表面側(図6では右面側)に形成されたピニオン43と、裏面側に形成された円板状部69Aとを有し、その軸心部分には、ボス部80の外径より若干大きな内径を有する軸孔69Bが形成されている。円板状部69Aの裏面には軸孔69Bより大径でかつ軸孔69Bと同心円状の略円形の凹部69Cが凹設されている。凹部69Cの内周上の一箇所には1つの係合突起69Dが突設されている。
カムレバー68は、その回動中心部分から径方向外側へ延出する基部68Bと、基部68Bの先端部から図6において右側へ鋭角に屈曲して延びる延出部68Cとを有している。
基部68Bの基端部(図6の下端部)には円孔68Dが形成されている。基部68Bにおいて円孔68Dの図6における上側(径方向外側)となる箇所には、一対の案内部72が設けられている。一対の案内部72の上端部には一対の掛止部72Aが形成されている。
また、ロックピン71をカムレバー68の一対の案内部72間のガイド溝72Bに挿着した状態において、ロックピン71の軸部73に取着された捩りバネ74の両端部が一対の掛止部72Aにそれぞれ掛止されるようになっている。そのため、ロックピン71は捩りバネ74の付勢力により円孔68D側へ付勢される。
図6に示す連結車67は、ウォームホイール66よりも少し大径の略円筒の部材であり、その表面側には、カムレバー68の円孔68Dに内挿される筒部67B(図5(a)も参照)が軸心方向に突設されている。図5(a)は、ウォームホイール66と連結車67とが連結された状態の斜視図を示す。図5(a)に示すように、筒部67Bの前端部には、ピニオン部材69の係合突起69Dと係合可能な位置に1つの係合突起67Cが突設されている。
また、連結車67の外周面上には前述の係止凹部67Aが周方向に略等間隔に4つ形成されている。これらの係止凹部67Aには、ロックピン71の三角状に尖った先端部が係入可能となっている。また、連結車67の軸心部分には、ボス部80の外径より若干大きな内径を有する軸孔67Dが形成されている。連結車67の裏面側(図6における左面側)には、軸孔67Dより大径でかつ軸孔67Dと同心状の凹部67Eが凹設されている。凹部67Eはその周方向4箇所の位置に4つのキー溝部67Fが十字状に凹設されている。
図6に示すウォームホイール66は、その外周面にウォーム62(図2、図3等に示す)と噛合可能なはす歯状の歯部66Aを有しており、その軸心部分にはボス部80の外径よりも若干大きな内径を有する軸孔66Bが形成されている。また、ウォームホイール66の前端部(図6における右端部)には、連結車67の凹部67Eに内挿されるとともにキー溝部67Fに嵌挿可能なキー部66Dを有する筒状部66Cが突設されている。ウォームホイール66と連結車67はその間にコイルバネ81を圧縮状態に介装された状態で、筒状部66Cのキー部66Dが連結車67のキー溝部67Fに内挿されることで、連結車67はウォームホイール66に対して一体回転可能かつ軸心方向への移動が許容された状態で連結されるようになっている。
ボス部80の先端面には、ネジ70を螺着可能なネジ孔80Aが形成されている。ピニオン部材69、カムレバー68の円孔68Dに筒部67Bが内挿された連結車67、コイルバネ81及びウォームホイール66は、ボス部80がそれぞれの孔69B,68D,67D,66Bに挿入された状態で、ボス部80に組み付けられる。そして、ボス部80のネジ孔80Aにワッシャ82を介してネジ70を螺着することで、ピニオン部材69、カムレバー68、連結車67、コイルバネ81及びウォームホイール66は、抜け止めされた状態で、図3及び図8に示すように同軸状に組み付けられている。
ここで、コイルバネ81と、連結車67の端面67G(図8参照)と、カムレバー68の円孔68Dの周縁部分において端面67Gが当接する円環状の面部68Eとによって、摩擦クラッチ85が構成されている。すなわち、図8に示すように、連結車67の端面67Gは、カムレバー68の円環状の面部68Eに対して、コイルバネ81の付勢力により圧接されて摩擦係合されるようになっている。そのため、カムレバー68側の負荷が所定値以下と小さいうちは、連結車67とカムレバー68は摩擦クラッチ面(端面67Gと面部68E)を介して摩擦係合されて、カムレバー68が連結車67に対して連れ回りするようになっている。本実施形態では、ロックピン71がガイド面75A,76Aに軸部73が乗り上げた退避位置(非係止位置)にある状態で、カムレバー68を回転させる初動の回転力は、摩擦クラッチ85を介して連結車67からカムレバー68に伝達されるようになっている。また、カムレバー68の初動の回転を終えればロックピン71が連結車67に係止されるため、カムレバー68に摩擦クラッチ85の摩擦係合を切断させるほど大きな負荷がかかっても、カムレバー68を確実に回転させることが可能となっている。
図5(b)は、ピニオン部材と連結車との係合構造を示す模式断面を示す。図5(b)に示すように、本実施形態では、連結車67の係合突起67C(係合部)と、ピニオン部材69の係合突起69D(被係合部)とにより、遅延手段としての遅延機構87が構成されている。連結車67とピニオン部材69の各係合突起67C,69Dは、紙押さえレバー31が退避位置にある状態(つまりカムレバー68が第1位置にある状態)で、図5(b)に実線で示す状態(以下、「第1係合の状態」という)に係合(当接)している。この第1係合の状態から、連結車67が図5(b)における反時計方向に正転すると、係合突起67Cが反時計方向へ移動して係合突起69Dから離間し、係合突起67Cが係合突起69Dとその反対側の面で係合する第2係合の状態になるまで約1回転の間、連結車67は空転することになる。この連結車67の約1回転の空転によって、ピニオン部材69の回転開始時期が、カムレバー68の回転開始時期に比べ約1回転分遅延する。
つまり、係合突起67C,69Dが係合した状態で、駆動シャフト50の回転方向が正転から逆転、逆転から正転とそれまでの回転方向から逆方向へ切り換えられると、連結車67が約1回転空転し、カムレバー68への動力伝達開始タイミングに対するピニオン部材69への動力伝達開始タイミングが連結車67の約1回転分遅延する。本実施形態では、この約1回転の空転時間(遅延時間)は、カムレバー68が第1位置と第2位置との間を1回移動する1ストローク分の所要時間に合わせて設定されている。そのため、電動モータ45の正転過程においてカムレバー68が第1位置から第2位置まで回動し終わったタイミングで、ピニオン部材69の回転(正転)が開始され、エッジガイド機構24による幅寄せ動作が開始されるようになっている。また、電動モータ45の逆転過程においてカムレバー68が第2位置から第1位置へ回動することで実施される紙押さえレバー31の押圧動作が、エッジガイド16,16を整列位置から待機位置へ戻す復帰動作に先行して単独で実施されるようになっている。
このため、電動モータ45が正転駆動を開始すると、ウォーム62の正転によりカムレバー68は第1位置から正転を開始することで紙押さえレバー31が退避位置から用紙に当接するまで、あるいはホッパー15に当接するまで下降する。この間、ウォームホイール66及び連結車67は空転し、この紙押さえ機構23の動作が完了したタイミングで、係合突起67Cが約1回転の空転を終えて係合突起69Dと係合し、このタイミングでピニオン部材69の正転が開始される。つまり、遅延機構87によって、紙押さえ機構23の動作完了タイミングで、エッジガイド機構24の動作が開始されるようになっている。
そして、ピニオン部材69が正転し始めると、ピニオン43と噛合する一対のラック41,42は互いに接近する第1方向に移動し、一対のエッジガイド16,16が待機位置から互いに接近する方向へ移動する幅寄せ動作が行われる。そして、エッジガイド16,16による用紙の整列が終了して電動モータ45の正転駆動が停止され、次に電動モータ45が逆転駆動されると、カムレバー68が第2位置から図2における時計方向へ回動し、カム軸68Aが駆動バー34を押し下げることで、紙押さえレバー31が退避位置へ復帰する。この間、連結車67は約1回転の空転期間にあるので、紙押さえレバー31の退避動作のみ単独で行われ、エッジガイド16,16は用紙を幅方向に位置決めした整列動作終了時の位置に保持される。
図14は、プリンタの電気的構成を示すブロック図である。プリンタ11は、制御装置100を備えている。制御装置100はプリンタ11の各種制御を司る。制御装置100には、入力系として操作パネル101及び負荷検出センサ102等が接続されており、出力系として電動モータ45、サブモータ55及びキャリッジモータ103等が接続されている。ここで、負荷検出センサ102は、電動モータ45の駆動負荷を検出するためのセンサであり、電動モータ45の駆動負荷に応じた検出値を制御装置100に出力する。
制御装置100のメモリ(図示せず)には閾値Kが設定されており、制御装置100は、負荷検出センサ102により検出された電動モータ45の駆動負荷が閾値Kを超えた場合に、電動モータ45の駆動を停止させるようになっている。本実施形態では、電動モータ45の駆動負荷を例えば電流値として検出する。なお、閾値Kとは、エッジガイド16,16が、セットされた用紙Pを揃えながら移動可能な電流値よりも大きく、揃え終わった用紙Pを挟圧したときの電流値よりも小さな値である。詳しくは、例えば、1枚で整列する際の負荷が最も小さな用紙種を選択してその用紙種の1枚(最少枚数)の用紙を揃え終わった瞬間に負荷が急増して発生する電流ピーク又は電流立ち上がりの電流値範囲を測定する。次に最大積重厚で整列した際の負荷(摺動摩擦抵抗)が最も大きくなる用紙種を選択してその用紙種の最大積重厚(最大積重枚数)の用紙Pを揃えながら移動可能な電流値に、所定のマージンを加えた値であって、かつ前記電流値範囲内に収まる値を、閾値Kとして設定している。
もちろん、用紙種毎に閾値Kを設定しておき、用紙種の情報を予め取得してから整列動作を行い、そのときの用紙種に応じた閾値Kを選択する構成も採用できる。また、閾値Kよりも小さな閾値J(<K)を設定しておき、検出負荷が閾値Jを超えたら電動モータ45を減速させ、さらに検出負荷が閾値Kを超えたら電動モータ45を駆動停止させる構成も採用できる。なお、本実施形態では、整列時に用紙Pが揃え終わって挟圧されても湾曲しない構成であるため、用紙Pを揃え終わった瞬間に検出負荷が閾値Kを超え、その時点で電動モータ45を駆動停止すると、エッジガイド16,16が用紙の幅に等しい間隔を隔てた適切な位置で停止するようになっている。
操作パネル101には、印刷開始ボタンあるいは用紙整列実行ボタンが、用紙の整列動作を指示するための操作ボタンとして設けられている。制御装置100は、操作パネル101上の用紙整列動作指示用の操作ボタンが操作された操作信号を入力すると、用紙整列動作を実行すべく負荷検出センサ102の検出結果を監視しつつ電動モータ45を駆動制御する。
また、キャリッジモータ103は、キャリッジ18を主走査方向Xに往復移動させるために駆動されるものである。本実施形態では、電動モータ45が紙送りモータ(PFモータ)であるため、制御装置100は、用紙Pを給送した後の印刷中においては、印字動作と紙送り動作とを略交互に行うため、電動モータ45とキャリッジモータ103とを略交互に駆動させるようになっている。
本実施形態では、電動モータ45と駆動シャフト50との間で動力伝達経路を切り換える図示しないクラッチ機構が設けられている。そして、紙押さえ機構23及びエッジガイド機構24の動作時には、クラッチ機構により駆動シャフト50側への第1動力伝達経路が選択され、給紙動作及び紙送り動作が行われるときは、紙送り機構への第2動力伝達経路が選択されるようにクラッチ機構の切り換えが行われる。クラッチ機構の切り換え操作は、例えばキャリッジ18を所定の切り換え位置に移動させて切り換え操作レバーを操作させることで、第2動力伝達経路から第1動力伝達経路へ切り換えることで行われる。なお、サブモータ55を廃止し、電動モータ45を、ホッパー15、給紙ローラ52、紙押さえ機構23及びエッジガイド機構24の共通の動力源とする構成も採用できる。
さて、上記のように構成されたプリンタ11における用紙整列動作を説明する。初期状態においては紙押さえレバー31は、ホッパー15の載置板部28から離間した退避位置に配置されており、ユーザによるホッパー15への用紙Pのセットが可能となっている。また、左右一対のエッジガイド16,16は、最大幅の用紙をセット可能な間隔を隔てた待機位置に配置されている。このとき、前回、エッジガイド16,16が待機位置に戻ったときの動作によって、遅延機構87は、図5(b)に実線で示す第1係合の状態にある。
まず、ユーザが複数枚の用紙Pを給紙トレイ14にセットする。セットされた用紙Pはその下端が載置面21A上に支持され、その裏面がホッパー15の載置板部28に支持される。そして、ユーザが操作パネル101上の印刷開始ボタンの操作、あるいは用紙整列実行ボタンの操作、またはホストコンピュータの入力装置(キーボードやマウス等)を操作して印刷実行を指示する操作、あるいは用紙整列動作を指示する操作を行うと、制御装置100はその操作に基づく信号を用紙整列指示信号として入力する。すると、制御装置100は、図15に示すように、電動モータ45の正転駆動を開始する。なお、用紙整列指示信号入力時には、制御装置100はキャリッジモータ103を制御してキャリッジ18を所定の切り換え位置へ移動させることで、電動モータ45の動力伝達経路を、紙送り駆動系の第2動力伝達経路から、駆動シャフト50への動力伝達が可能な第1動力伝達経路へ切り換える。
以下、図2、図8〜図13及び図15等を参照しつつ用紙整列動作を説明する。電動モータ45が正転駆動されると、歯車61〜64を介して伝達された動力により駆動シャフト50が正転し、これと共にウォーム62が正転する。そして、ウォーム62と噛合するウォームホイール66が正転し、ウォームホイール66と共に連結車67が正転する。この連結車67の正転開始時において、摩擦クラッチ85により、連結車67と摩擦係合されたカムレバー68が図2及び図9(a)に示す第1位置から同図における反時計方向へ連れ回りし、軸部73が第1ガイド部75のガイド面75Aに沿って下降することでロックピン71が係止凹部67Aに係入される。こうしてロックピン71が連結車67に係止されると、その後、カムレバー68は連結車67と共に図9における反時計方向へ一体回転する(図9(b))。
図9(b)に示すように、カムレバー68が反時計方向に回動することで、カム軸68Aが上昇し、カム軸68Aに当接して位置規制されていた駆動バー34(図2、図3を参照)が捩りバネ35の付勢力によりカム軸68Aに当接した状態を保ちつつ上方へ移動する。その結果、紙押さえレバー31が、図8に実線で示す退避位置から、ホッパー15の載置板部28に接近する紙押さえ方向(図8における時計方向)へ回動する。紙押さえレバー31が紙押さえ方向へ回動する途中で、押圧部33がホッパー15上の用紙Pに当接すると、紙押さえレバー31はそれ以上回動できず、駆動バー34のそれ以上の上方への移動が規制される。その結果、押圧部33が用紙Pに当接した時点の高さで駆動バー34は停止し、その後も、カムレバー68は反時計方向への回転を継続する。
そして、カムレバー68が第1位置から反時計方向へ所定量回転すると、軸部73が第2ガイド部76のガイド面76Aに乗り上げてロックピン71が径方向外側へ引き上げられることで、カムレバー68と連結車67との係止が解除される。その結果、カムレバー68は図9(c)に示す第2位置で停止する。その後も、電動モータ45の正転駆動はそのまま継続され、ウォームホイール66及び連結車67は正転を継続する。
この紙押さえ動作完了までの間、ウォームホイール66及び連結車67はピニオン部材69に対しては空転している。そして、カムレバー68が第2位置に到達して紙押さえ動作が完了したタイミングで、図5(b)に示す遅延機構87において連結車67の係合突起67Cが約1回転の空転を終えてピニオン部材69の係合突起69Dと係合し、ピニオン43の正転が開始される。その結果、図15に示すように、電動モータ45の正転駆動開始時点から遅延時間(紙押さえ動作の動作時間)だけ遅れたタイミングで、一対のエッジガイド16,16が互いに接近する第1方向へ移動する幅寄せ動作が行われる。すなわち、紙押さえ動作が完了した図11に示す状態から、カムレバー68が図9(d)に示す第2位置に保持されたまま(つまり紙押さえレバー31が作動位置に保持されたまま)、図12に示すようにラック41,42が第1方向に移動して一対のエッジガイドの幅寄せが行われる。
この幅寄せ動作中、制御装置100は負荷検出センサ102の検出結果を監視する。このとき、エッジガイド16が用紙Pの左右端に当接して左右端を揃え終えるまでの整列中は検出負荷が閾値Kを超えることはなく、左右端を揃え終わって(整列完了時)検出負荷が閾値Kを超えると、制御装置100は、電動モータ45の正転駆動を停止する(図15参照)。このとき、用紙Pには押圧部33により捩りバネ35の付勢力に基づく荷重が積重方向に加えられているので、たとえ少数枚であってもエッジガイド16,16で挟圧された際に用紙Pが湾曲することはない。例えば用紙が湾曲すると、用紙の左右端を揃え終わっても検出負荷が閾値Kを超えることがなく、エッジガイドは用紙を湾曲させつつ幅寄せ動作をし過ぎてしまう。しかし、本実施形態では、押圧部33で用紙Pを押さえ付けることで用紙Pの湾曲変形が強制的に抑えられ、用紙Pの左右端が揃え終わった時点で検出負荷が閾値Kを超えるため、エッジガイド16,16は用紙Pの左右端が揃え終わった時点で停止する。
こうして検出負荷が閾値Kを超えて電動モータ45の正転駆動を停止すると、次に制御装置100は、図15に示すように、電動モータ45を逆転駆動させる。電動モータ45が逆転駆動されると、歯車61〜64を介して伝達された動力により駆動シャフト50が逆転し、これと共にウォーム62が逆転する。そして、ウォーム62と噛合するウォームホイール66が逆転し、ウォームホイール66と共に連結車67が逆転する。この連結車67の逆転開始時において、摩擦クラッチ85により、連結車67と摩擦係合されたカムレバー68が図9(d)に示す第2位置から同図における時計方向へ連れ回りし、軸部73がガイド面76Aに沿って径方向内側へ移動することでロックピン71が係止凹部67Aに係入される。こうしてロックピン71が連結車67に係止されると、その後は、図10(a)に示すように、カムレバー68は連結車67と共に時計方向へ一体回転する。
図10(a)に示すように、カムレバー68が時計方向に回動することでカム軸68Aが下降し、図13に示すようにカム軸68Aが駆動バー34を捩りバネ35の付勢力に抗して下方へ押し下げる。その結果、紙押さえレバー31が、図8に実線で示す退避位置へ復帰する。
このとき、カムレバー68が第2位置から時計方向へ所定量回転すると、軸部73が第1ガイド部75のガイド面75Aに乗り上げてロックピン71が径方向外側へ引き上げられることで、カムレバー68と連結車67との係止が解除される。その結果、カムレバー68は図10(b)に示す第1位置で停止する。
制御装置100は、電動モータ45を、カムレバー68が第2位置から第1位置に復帰するために必要な回転量だけ逆転駆動させる。このため、カムレバー68が第1位置に到達したタイミング、つまり遅延機構87によるピニオン部材69への動力伝達が開始される前のタイミングで電動モータ45の逆転駆動が停止される。その結果、一対のエッジガイド16,16が整列時のガイド位置に保持されたまま、紙押さえレバー31が退避位置に復帰する。こうして用紙を給紙する準備が完了する。
例えば、印刷実行の指示が出されていた場合、あるいは用紙整列動作終了後に印刷実行の指示が出された場合、制御装置100はサブモータ55を正転駆動する。すると、給紙ローラ52の回転が開始されるとともに、ホッパー15が図8の待機位置から同図における反時計方向へ所定角度だけ傾動し、ホッパー15上の用紙Pが給紙ローラ52の円弧面に当接する。そして、給紙ローラ52の回転によってホッパー15上の用紙Pのうち最上位の一枚が、給紙ローラ52とリタードローラ58とに挟持されることで他の用紙(下層の用紙)と分離されつつ給紙される。
なお、制御装置100は、負荷検出センサ102の検出結果が閾値Kを上回る量が多かった場合には、電動モータ45の逆転駆動時に遅延時間が経過して係合突起67C,69Dが係合した後、さらに電動モータ45を、用紙Pとエッジガイド16の間に若干(0.1〜0.5mm程度)の隙間ができるように僅かな回転量だけ逆転駆動させてもよい。
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られる。
(1)遅延機構87を設けたので、共通の電動モータ45の動力で、紙押さえ機構23及びエッジガイド機構24を駆動させられるうえ、紙押さえ機構23の動作に対してエッジガイド機構24の動作を遅延させることができる。そのため、押圧部33によってホッパー15上の用紙Pに荷重を加えた状態を保持したまま、一対のエッジガイド16,16で用紙Pを挟圧することができる。その結果、エッジガイド16で用紙Pを挟圧したときに用紙Pが湾曲することがないので、負荷検出センサ102の検出負荷が閾値Kを超えた時点で電動モータ45の駆動を停止すれば、一対のエッジガイド16,16を適切な位置に停止させることができる。例えば、従来のようにエッジガイドによる挟圧時に用紙に荷重を加えない構成では、エッジガイドによる挟圧時に用紙Pが湾曲してしまい検出負荷が閾値を超えないまま過度な幅寄せが行われてしまう不具合が心配されたが、本実施形態の給紙装置13によれば、このような不具合を回避できる。
(2)遅延機構87は、同軸上に相対回転可能に設けられた連結車67(第1回転体)とピニオン部材69(第2回転体)と、それぞれに設けられた係合突起67Cと係合突起69Dとにより構成され、係合突起67Cが係合突起69Dに当接するまで連結車67をピニオン部材69に対して空転させることで、エッジガイド機構24への動力伝達タイミングを遅延させている。よって、遅延手段を比較的簡単な機構により実現できる。また、エッジガイド機構24の整列動作終了後に、電動モータ45を逆転駆動したときにも、エッジガイド機構24への動力伝達タイミングが遅延時間だけ遅延するので、一対のエッジガイド16,16を位置決め位置に保持したまま、紙押さえレバー31を用紙Pから離間する退避位置へ復帰させることができる。そのため、紙押さえレバー31が給紙の邪魔にならず、しかも一対のエッジガイド16,16で用紙を適切な給紙位置にガイドした状態で給紙を行うことができる。例えば押圧部33が押し付けられたまま用紙Pが給送されると、用紙Pにかかる負荷が大きくサブモータ55に負荷がかかるうえ、給紙ローラ52と用紙Pとの間に滑りが発生するなどして例えば用紙Pの頭出し位置がずれる等の原因ともなるが、給送時に用紙Pに荷重が加えられない本例によれば、そのような不具合も回避できる。
(3)電動モータ45の動力で紙押さえレバー31を駆動させる機構としてカム歯車機構65を設けた。すなわち、第1位置と第2位置間の有限可動範囲では、ロックピン71が連結車67に係止してカムレバー68が連結車67と共に一体回転し、有限可動範囲を外れると、ロックピン71による連結車67との係止が外れてカムレバー68が第2位置に保持される構成とした。よって、カムレバー68が第2位置に到達して紙押さえ機構23の紙押さえ動作が終了しても、その後、遅延したタイミングで開始されるエッジガイド機構24の整列動作のために電動モータ45の正転駆動を、カムレバー68を第2位置に保持したまま継続することができる。よって、1つの共通の動力源を用いて、紙押さえ機構23とエッジガイド機構24とを駆動でき、しかも、エッジガイド機構24による幅寄せ動作を、押圧部33により用紙Pに加重を加えたまま行うことができる。
(4)カムレバー68が有限可動範囲を回動する際の軸部73の移動経路上の両端位置に一対のガイド部75,76を配置し、軸部73がガイド面に案内されてロックピン71が径方向内側へ移動することでロックピン71を連結車67に係止させ、軸部73がガイド面75A,76Aに乗り上がることでロックピン71の係止を外す構成とした。よって、カムレバー68が有限可動範囲から外れた際に連結車67との係止を解除する係止解除手段を、比較的簡単な構成で実現できる。
(5)連結車67とカムレバー68とを摩擦クラッチ85で接続する構成としたので、カムレバー68を、ロックピン71が退避位置(非係止位置)にある第1位置又は第2位置から回転させる際の初動の回転力を、摩擦クラッチ85による摩擦係合を介して連結車67からカムレバー68に伝達することができる。よって、カムレバー68の第1位置又は第2位置からの回転を可能にすることができる。
(6)カムレバー68の初動以外のときの回転時は、ロックピン71により連結車67と係止される。このため、例えばカムレバー68を第2位置から第1位置へ回動させる過程で、捩りバネ35の付勢力に抗して回転させるときのようにカムレバー68に大きな負荷がかかる場合にも、連結車67との間で滑りが発生することもなく、カムレバー68を確実に回転させることができる。このため、例えば電動モータ45の逆転駆動を停止した際に、押圧部33が用紙Pから完全に離間していない状況を確実に回避できる。
前記実施形態は上記に限定されず、以下の態様に変更することもできる。
(変形例1)カムは回転カムに限定されない。また、回転体と回転カムとの動力伝達の手段は、係止に限定されない。例えば駆動シャフトに嵌着されたピニオンと噛合するラック部を有し、ピニオンとラック部との噛合により上下方向にスライドするスライダを設け、スライダに設けられたカムを、押圧部33と連動する駆動バー34等のカムフォロアに係合させた構成も採用できる。この場合、ピニオンの噛合箇所がスライダのラック部から外れると、ピニオンが空転してスライダへの動力伝達が切断されるので、紙押さえ機構の紙押さえ動作終了後も、スライダを最上昇位置に保持したまま(つまり紙押さえレバー31を作動位置に保持したまま)、その後、遅延して開始されるエッジガイド機構の整列動作のために電動モータ45の正転駆動を継続できる。
(変形例2)遅延機構87は、連結車67とピニオン部材69の間に1つ設けたが、ウォームホイール66と連結車67との間にも遅延機構を介在させるなどして、遅延機構を2段以上の多段に設けた構成も採用できる。例えばN段の遅延機構を設けることで、約N回転分の動力伝達開始タイミングの遅延を確保できる。
(変形例3)遅延手段により遅延されたガイド手段への動力伝達開始タイミングは、押圧手段の押圧動作が終了したタイミングに限定されない。一対のガイド部によるターゲットの挟圧が、ターゲットを押圧部で押圧した状態で行うことができるタイミングであれば、ガイド手段への動力伝達開始タイミングは、例えば押圧手段の押圧動作が終了する前のタイミングでもよい。
(変形例4)エッジガイド機構は、一対のエッジガイドが共にスライド可能な可動式としたが、一対のエッジガイドのうち一方が可動式で他方が固定式のエッジガイド機構を採用することもできる。
(変形例5)記録装置はシリアルプリンタに限定されず、ラインプリンタあるいはページプリンタに適用してもよい。また、記録方式についても、インクジェット方式に限定されず、ドットインパクト方式や感熱方式、レーザー方式なども採用できる。
(変形例6)ターゲット(記録媒体)は用紙に限定されず、樹脂製フィルム、金属製フィルム、布、CD、DVD、フィルム基板、樹脂基板などでもよい。そして、これらのうち1種のターゲットを整列させるために本発明を適用してもよい。
前記実施形態及び変形例から把握される技術的思想を以下に記載する。
(1)前記動力源を駆動制御する制御手段(100)と、前記一対のガイド部がターゲットを挟圧する際の負荷を検出する検出手段とを備え、前記制御手段は、前記検出手段が検出した負荷に基づき前記動力源を駆動停止させることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一項に記載のターゲット整列装置。この構成によれば、一対のガイド部がターゲットを挟圧する際にガイド部が受ける負荷が検出手段により検出され、その検出値に基づいて、制御手段は動力源を駆動停止させる。このため、ターゲットの積重厚が薄くても、一対のガイド部による挟圧時にターゲットが湾曲することがないので、ガイド部を適切な位置に位置決めできる。
(2)ターゲットを複数枚積重した状態で載置可能な載置部と、前記載置部上に積重されたターゲットの搬送方向と交差する幅方向に少なくとも一方が移動可能な一対のガイド部を有し、前記一対のガイド部で前記ターゲットを挟圧して幅方向両端を揃えつつ当該ターゲットを幅方向に位置決めする整列動作を行うガイド手段と、前記載置部上のターゲットを積重方向に押し付ける押圧動作を行う押圧手段と、前記押圧手段で押圧された状態にある前記ターゲットを前記一対のガイド部が挟圧する動作タイミングとなるように、前記押圧手段の押圧動作に対して前記ガイド手段の整列動作を遅延させる遅延手段とを備えたことを特徴とするターゲット整列装置。
(3)前記押圧手段と前記ガイド手段とを動作させる共通の動力源と、前記押圧手段及び前記ガイド手段に前記動力源の動力を伝達する動力伝達手段とを備え、前記遅延手段は、前記動力伝達手段に備えられ、前記動力源の動力が前記押圧手段に伝達されるタイミングよりも前記ガイド手段に伝達されるタイミングを遅延させる遅延機構であることを特徴とする前記技術的思想(2)に記載のターゲット整列装置。
一実施形態における給紙装置を示す正面図。 給紙装置の背面図。 給紙装置の背面から見た斜視図。 プリンタの斜視図。 (a)ウォームホイールと連結車の斜視図、(b)遅延機構の断面図。 カム歯車機構の分解斜視図。 カム歯車機構を示す側断面図。 給紙装置の一部破断した側面図。 (a)〜(d)モータ正転駆動時におけるカム歯車機構の動作を示す背面図。 (a)(b)モータ逆転駆動時におけるカム歯車機構の動作を示す背面図。 カムレバーが第2位置に配置された状態にある給紙装置の要部背面図。 幅寄せ動作時における給紙装置の要部背面図。 モータ逆転駆動時における給紙装置の要部背面図。 プリンタの電気的構成を示すブロック図。 紙押さえ動作及び幅寄せ動作を説明するタイミングチャート。
符号の説明
11…記録装置としてのプリンタ、13…搬送装置としての給紙装置、14…載置部を構成する給紙トレイ、15…載置部を構成するホッパー、16…ガイド手段を構成するとともにガイド部としてのエッジガイド、18…キャリッジ、19…記録手段を構成する記録ヘッド、20…ハウジング、52…給紙ローラ、21…支持台部、21A…載置面、23…押圧手段としての紙押さえ機構、24…ガイド手段としてのエッジガイド機構、25…搬送手段としての給送機構、28…載置部を構成する載置板部、31…押圧手段を構成する紙押さえレバー、32…押圧手段を構成するレバー、33…押圧手段を構成する押圧部、34…カム手段を構成するとともにカムフォロアとしての駆動バー、35…付勢手段としての捩りバネ、41,42…ガイド手段を構成するラック、43…ガイド手段を構成するピニオン、45…動力源としての電動モータ、46〜49…動力伝達手段を構成する歯車、50…動力伝達手段を構成する駆動シャフト、55…サブモータ、60…動力伝達手段としての動力伝達機構、62…ウォーム、66…ウォームホイール、67…動力伝達手段を構成するとともに回転体及び第1回転体としての連結車、67A…係合手段を構成する係止凹部、67C…遅延手段及び遅延機構を構成するとともに係合部としての係合突起、67G…摩擦クラッチ手段を構成する端面、68…カム手段を構成するとともに回転カムとしてのカムレバー、68A…カムとしてのカム軸、68E…摩擦クラッチ手段を構成する面部、69…動力伝達手段を構成する第2回転体としてのピニオン部材、69D…遅延手段及び遅延機構を構成するとともに被係合部としての係合突起、71…動力伝達選択手段及び係合手段を構成するとともに係合部材としてのロックピン、72…案内部、73…動力伝達選択手段を構成する軸部、74…動力伝達選択手段及び係合手段を構成する捩りバネ、75,76…カム手段及び動力伝達選択手段を構成するとともに係合解除手段としてのガイド部、75A,76A…ガイド面、81…摩擦クラッチ手段を構成するコイルバネ、85…摩擦クラッチ手段としての摩擦クラッチ、87…遅延手段としての遅延機構、100…制御装置(制御手段)、102…負荷検出センサ(検出手段)、103…記録手段を構成するキャリッジモータ、P…ターゲットとしての用紙。

Claims (8)

  1. ターゲットを複数枚積重した状態で載置可能な載置部と、
    前記載置部上のターゲットから離間する退避位置と前記ターゲットを積重方向に押圧する作動位置とに移動可能に設けられた押圧部と該押圧部を付勢する付勢手段とを有する押圧手段と、
    前記載置部上に積重されたターゲットの搬送方向と交差する幅方向に少なくとも一方が移動可能な一対のガイド部を有し当該一対のガイド部で前記ターゲットを幅方向に挟圧して当該ターゲットを幅方向の両端を揃えつつ幅方向に位置決めする整列動作を行うガイド手段と、
    前記押圧手段と前記ガイド手段とを動作させる共通の動力源と、
    前記動力源の動力を前記押圧手段と前記ガイド手段に伝達する動力伝達手段とを備え、
    前記動力伝達手段は、前記押圧部と連動するカムフォロアと、前記カムフォロアと係合可能なカムと、前記動力源から前記カムへの動力伝達を許容して前記カムの有限可動範囲内での移動を許容するとともに前記動力源から前記カムへの動力伝達を切断して前記カムを前記有限可動範囲の端部に停止させる動力伝達選択手段とを有するカム手段と、
    前記動力源から前記ガイド手段への動力伝達開始時期を前記押圧手段への動力伝達開始時期より遅延させる遅延手段とを備えたことを特徴とするターゲット整列装置。
  2. 前記動力伝達手段は、前記動力源の動力で回転する回転体を備え、
    前記カムは、前記回転体と同軸上に回転可能に設けられた回転カムであり、
    前記動力伝達選択手段は、前記回転体と前記回転カムとを一体回転可能に係合させる係合手段と、前記回転カムを前記有限可動範囲内で回転させるべく前記係合手段による前記回転体と前記回転カムとの係合を許容し、前記回転カムを前記有限可動範囲の端部で停止させるべく前記係合手段による前記回転体と前記回転カムとの係合を解除させる係合解除手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のターゲット整列装置。
  3. 前記係合手段は、前記回転カムに対して前記回転体と係合可能な係合位置と前記回転体と係合しない非係合位置とに移動可能に設けられた係合部材と、前記係合部材を前記係合位置側へ付勢する付勢手段とを備え、
    前記係合解除手段は、前記回転カムを前記有限可動範囲の端部で停止させるべく前記係合部材を前記非係合位置へ移動させるように案内するガイド面を有するガイド部を有していることを特徴とする請求項2に記載のターゲット整列装置。
  4. 前記動力伝達手段は、前記回転体と前記回転カムとを一体回転可能に摩擦係合させる摩擦クラッチ手段を更に備えていることを特徴とする請求項2又は3に記載のターゲット整列装置。
  5. 前記ガイド部は、前記回転カムを前記有限可動範囲の始端と終端で停止させるべく前記係合部材が位置する範囲の両側に一対設けられ、
    前記動力源が正転駆動されるときには、前記回転カムが前記有限可動範囲の始端から終端へ正転する過程で前記押圧部を前記退避位置から前記作動位置へ移動させる押圧動作が行われるとともに前記遅延手段により当該押圧動作に遅延して前記一対のガイド部による整列動作が行われ、一方、前記動力源が逆転駆動されるときには、前記回転カムが前記有限可動範囲の終端から始端へ逆転する過程で前記押圧部を前記作動位置から前記退避位置へ移動させる退避動作が行われるように構成され、
    前記遅延手段は前記回転カムが前記終端又は前記始端に停止した以後のタイミングで前記ガイド手段への動力伝達が開始されるように設定されていることを特徴とする請求項3又は4に記載のターゲット整列装置。
  6. 前記動力伝達手段は、前記動力源の動力で回転する第1回転体と、前記第1回転体と同軸上で相対回転可能であるとともにその回転力が前記ガイド手段に整列動作のために伝達される第2回転体とを備え、
    前記遅延手段は、前記第1回転体と一体回転可能な係合部と、前記第2回転体と一体回転可能かつ前記係合部と係合可能な被係合部とを備え、前記係合部が前記被係合部に係合するまで前記第1回転体が前記第2回転体に対して空転することで、前記第1回転体から前記第2回転体への回転の伝達が遅延するように構成された遅延機構であることを特徴とする請求項2乃至5のうちいずれか一項に記載のターゲット整列装置。
  7. 請求項1乃至6のうちいずれか一項に記載されたターゲット整列装置と、前記ターゲット整列装置により整列されたターゲットを1枚ずつ搬送する搬送手段とを備えたことを特徴とする搬送装置。
  8. 請求項7に記載の搬送装置と、前記搬送装置により搬送されたターゲットに記録を施す記録手段とを備えたことを特徴とする記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014055054A (ja) * 2012-09-13 2014-03-27 Ricoh Co Ltd 給紙装置、及び、画像形成装置

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