JP2010047369A - ターゲット整列装置、搬送装置及び記録装置 - Google Patents

ターゲット整列装置、搬送装置及び記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】載置部上に積重されたターゲットの積重厚が薄くても、ガイド手段によってターゲットを湾曲させることなく挟圧できるターゲット整列装置、搬送装置及び記録装置を提供する。
【解決手段】電動モータ60の動力で回転する駆動シャフト65には、駆動歯車67とウォーム68が一体回転可能な状態に嵌着されている。駆動歯車67とラック部74との噛合によりスライダ71は上昇し、係合部83が駆動バー35に係合してこれを押し上げることで、紙押さえレバー31が下降してホッパー上の用紙を押圧する。また、歯車機構90には連結車93が約1回転空転してからピニオン部材92に回転が伝達される遅延機構が設けられ、一対のエッジガイド16,16は紙押さえレバー31が押圧する状態にある用紙を挟圧する。
【選択図】図13

Description

本発明は、載置部上に積重された用紙等のターゲットを幅方向に挟圧して幅方向両端を揃える整列を行うガイド手段を備えたターゲット整列装置、搬送装置及び記録装置に関する。
従来、記録装置としてのプリンタとして、記録ヘッドで印刷する対象である用紙(ターゲット)を給送する自動給紙装置(Auto Sheet Feeder)を備えたものがある。自動給紙装置には、複数枚の用紙を積重状態でセットできる給紙トレイと、積重状態の用紙群を給紙位置へ移動させるホッパーと、ホッパーにより給紙位置に配置された用紙群のうち最上位の一枚を給送する給紙ローラとを備えている。
また、自動給紙装置には、ホッパー上にセットされた用紙を給紙位置に位置きめするため紙幅方向に少なくとも一方が移動可能な一対のエッジガイド(ガイド部)を有するガイド装置(ガイド手段)が備えられている。従来は、ユーザが一対のエッジガイドのうち少なくとも一方を手操作でスライドさせることで一対のエッジガイドを用紙の紙幅に合わせた間隔に調整し、給紙すべき用紙の左右端を揃えつつ用紙を幅方向に位置決めするようになっている(例えば特許文献1、2)。
また、モータの動力でエッジガイドが移動してターゲット(シート)の幅寄せを行うエッジガイド装置も知られている(例えば特許文献2〜4)。例えば特許文献2には、給紙カセットタイプのシート積載装置が開示されている。この装置では、モータを回転駆動すると、ピニオン・ラック機構を介して一対の可動シート規制板が互いに接近してシートの幅寄せを行う。このとき一方の可動シート規制板に設けられた圧力検知手段がシートの幅方向端部に接触し、その検知圧がシートにループが生じる第一設定圧になるまで幅寄せし、次にモータを逆転させ、第二設定圧になるとモータの駆動を停止させる構成となっていた。
また、特許文献3にも同じく給紙カセットタイプのシート積載装置において、モータが正転駆動され、その動力により可動シート規制板と固定シート規制板間でシートを挟んで加圧して幅寄せすることで紙端を揃える構成が開示されている。幅寄せ時にはシートをループができる程度に加圧し、シートのループがループ検出手段により検知されると、モータが逆転駆動され、可動シート規制板が後退し、シートが平らとなってループが非検知になると、モータの逆転が停止される構成であった。
さらに特許文献4には、モータをポジションセンサがオンしたホームポジションから、把握した用紙の幅までの距離に相当するパルスステップ数だけ回転制御し、移動ガイドユニットを移動させることで用紙の幅寄せを行う用紙幅寄せガイド機構が開示されている。
特開2002−128286号公報(例えば図1、図4等) 特開平5−330669号公報(例えば段落[0019]、[0024]、図1〜図11等) 特開平6−24578号公報(例えば段落[0019]、図1〜図9等) 特開平10−139219号公報(例えば段落[0019]、図1、図2等)
ところで、特許文献2のように、圧力検知手段がシートの幅方向端部に接触したときの検知圧がシートにループが生じる第一設定圧になるまで幅寄せする構成の場合、例えば一枚や少数枚のシートの幅寄せであればループを形成できる。しかし、この装置を、給紙トレイに積重された用紙群を整列させる構成に適用した場合、給紙トレイに積重された多数枚の用紙を一対のエッジガイドでループを形成するように挟圧することは事実上困難であり、このような装置を給紙トレイにおけるエッジガイド装置に適用することはできない。
また、特許文献3のシート積載装置の場合も、給紙トレイ上に積重された多数枚の用紙群を整列させる場合、エッジガイドで用紙を挟圧した際に用紙にループが生じず、ループ検出手段が機能しなくなってしまうので、多数枚積載可能な装置では採用できない。
さらに特許文献4のように、パルスステップ数でモータを回転制御する構成では、エッジガイドが用紙を挟むように加圧したことが確認できないので、モータの回転量の誤差や、エッジガイドの移動誤差等が原因で、幅寄せに必要な加圧力を付与できなかったり、逆に過度に加圧して用紙が湾曲した状態で幅寄せされたりするなどの問題が発生する。
よって、給紙トレイ上の用紙を整列させる場合、用紙が湾曲しないことを前提に、電動モータの駆動停止タイミングを決めるための圧力検知手段の設定圧を設定しておく必要がある。しかしながら、用紙が比較的コシが弱くしかもセット枚数が少数枚の場合は、エッジガイドに挟圧された際に用紙が湾曲してしまい(ループを形成してしまい)、このとき検出手段で検出圧や検出負荷が相対的に小さくなってしまう。よって、エッジガイドが既に用紙の左右端に当接して挟圧しているにも拘わらず、検出圧や検出負荷が設定圧(閾値)に到達していないため、用紙が湾曲した状態でさらに幅寄せしてしまい、エッジガイドの位置決めを適切に行えない虞があった。
よって、給紙トレイ上に積重された用紙を、電動モータの動力でエッジガイドを移動させて幅寄せする場合、たとえセットされた用紙が比較的コシが弱かったり少数枚であったりしても、エッジガイドによる幅寄せ時に用紙が湾曲することを防止できるエッジガイド装置が要望される。
本発明は前記の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、載置部上に積重されたターゲットの積重厚が薄くても、ガイド手段によってターゲットを湾曲させることなく挟圧できるターゲット整列装置、搬送装置及び記録装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、本発明は、ターゲット整列装置であって、ターゲットを複数枚積重した状態で載置可能な載置部と、前記載置部上に積重されたターゲットの搬送方向と交差する幅方向に少なくとも一方が移動可能な一対のガイド部を有し、前記一対のガイド部で前記ターゲットを挟圧して幅方向両端を揃えつつ当該ターゲットを幅方向に位置決めする整列動作を行うガイド手段と、前記載置部上のターゲットを積重方向に押し付ける押圧動作を行う押圧手段と、前記押圧手段で押圧された状態にある前記ターゲットを前記一対のガイド部が挟圧する動作タイミングとなるように、前記押圧手段の押圧動作に対して前記ガイド手段の整列動作を遅延させる遅延手段とを備えたことを要旨とする。
この発明によれば、遅延手段により、押圧手段の押圧動作に対してガイド手段の整列動作が遅延する。このため、押圧手段が載置部上のターゲットを積重方向に押し付けた状態で、一対のガイド部がターゲットを幅方向に挟圧してその幅方向両端を揃えつつターゲットを幅方向に位置決めする整列動作が行われる。この結果、積重厚がたとえ薄い場合でも、ガイド手段による挟圧時においてターゲットが湾曲することを回避できる。例えば挟圧時の負荷(圧力を含む)を検出してその検出負荷に基づきガイド部を整列時の位置で停止させる構成を採用した場合でも、ガイド部を適切な位置に停止してターゲットを適切にガイドできる。例えばターゲットが湾曲してしまうと、ガイド部でターゲットを挟圧しているにも拘わらず検出負荷が小さいためにガイド部が停止されず、ガイド部を幅寄せし過ぎてしまい、ターゲットを湾曲したままガイドすることにもなるが、このような不具合を回避できる。
また、本発明のターゲット整列装置では、前記押圧手段と前記ガイド手段とを動作させる共通の動力源と、前記押圧手段及び前記ガイド手段に前記動力源の動力を伝達する動力伝達手段とを備え、前記遅延手段は、前記動力伝達手段に備えられ、前記動力源の動力が前記押圧手段に伝達されるタイミングよりも前記ガイド手段に伝達されるタイミングを遅延させる遅延機構であることが好ましい。
この発明によれば、共通の動力源から動力伝達手段を介して伝達される動力により、押圧手段の押圧動作とガイド手段の整列動作は行われる。このとき、遅延機構(遅延手段)により、動力源の動力が押圧手段に伝達されるタイミングよりもガイド手段に伝達されるタイミングが遅延される。動力源が共通なので、動力源を少ない数で済ませられ、しかも押圧手段の押圧動作に対してガイド手段の整列動作を比較的簡単な構成で遅延させることが可能となる。
本発明のターゲット整列装置では、前記動力伝達手段は、前記動力源の動力で回転する第1回転体と、前記第1回転体と同軸上で相対回転可能であるとともにその回転力が前記ガイド手段に整列動作のために伝達される第2回転体とを備え、前記遅延手段は、前記第1回転体と一体回転可能な係合部と、前記第2回転体と一体回転可能かつ前記係合部と係合可能な被係合部とを備え、前記係合部が前記被係合部に係合するまで前記第1回転体が前記第2回転体に対して空転することで、前記第1回転体から前記第2回転体への回転の伝達が遅延するように構成されていることが好ましい。
この発明によれば、動力源の動力で第1回転体が回転し、第1回転体の係合部が被係合部に係合するまでの間、第1回転体が第2回転体に対して空転する。この空転により、第1回転体から第2回転体への回転の伝達が遅延する。この遅延時間の後、第1回転体の回転が係合部と被係合部との係合を介して第2回転体に伝達され、第2回転体の回転が開始されることで、ガイド手段の整列動作が開始される。遅延機構は、同軸上に相対回転可能に設けられた第1回転体と第2回転体と、両回転体を一体回転可能に係合させる係合部と被係合部とを有する比較的簡単な構成で実現できる。
本発明のターゲット整列装置においては、前記押圧手段は、ターゲットを積重方向に押圧する押圧部と、当該押圧部と連動する被駆動体とを備え、前記動力伝達手段は、前記押圧手段の動力系である第1動力伝達手段と、前記ガイド手段の動力系である第2動力伝達手段とを備え、前記第1動力伝達手段は、前記動力源の正逆の動力でスライド経路に沿って往復動可能に設けられるとともに往復動の途中で前記被駆動体と係合可能なスライダであって、往動の途中で前記被駆動体と係合して前記押圧部を前記ターゲットと当接する作動位置へ移動させ、復動の途中で前記被駆動体と係合して前記押圧部を前記ターゲットから離間する退避位置へ移動させるように構成された当該スライダと、前記スライダの往動過程で前記押圧部がターゲットに当接して前記被駆動体の移動が規制された場合に、前記スライダと前記被駆動体との係合を解除し、かつ前記スライダの復動過程で前記押圧部が前記退避位置に達して前記被駆動体の移動が規制された場合に、前記スライダと前記被駆動体との係合を解除する係合解除手段とを備えていることが好ましい。
この発明によれば、動力源の動力は押圧手段の動力系である第1動力伝達手段を介して押圧手段に伝達され、これにより押圧手段の押圧動作が行われる。このとき、まず動力源の正方向の動力で、スライダはスライド経路に沿って往動する。スライダは往動過程で被駆動体に係合して被駆動体を往動側へ変位させることで、被駆動体と連動する押圧部をターゲットに当接する作動位置へ移動させる。押圧部がターゲットに当接して被駆動体の往動側への移動が規制されると、係合解除手段によりスライダと被駆動体との係合が解除され、スライダはそのまま往動を継続し、例えば終端位置まで移動する。そして、遅延手段により、この押圧動作に遅延して開始されたガイド手段の整列動作が終わると、次に動力源は逆方向に駆動される。動力源が逆方向に駆動されると、スライダはスライド経路に沿って復動する。スライダは復動過程で被駆動体に係合してこれを復動側へ変位させることで、被駆動体と連動する押圧部を載置部上のターゲットから離間する退避位置へ移動させる。そして、押圧部が退避位置に戻ってそれ以上移動できなくなって、被駆動体の復動側への移動が規制されると、係合解除手段により、スライダと被駆動体との係合が解除され、スライダはそのまま復動を継続し、例えば始端位置に復帰する。そのため、次回、スライダが往動するときには、その往動過程で被駆動体と係合してこれを往動側へ変位させることが可能となる。よって、押圧動作、整列動作及び押圧部の退避動作を、遅延手段(遅延機構)により押圧動作に対して整列動作を遅延させつつ、共通の動力源の動力を用いて実施できる。
本発明のターゲット整列装置では、前記動力伝達手段は、前記動力源の動力で回転する同一の駆動軸又は異なる駆動軸に一体回転可能に設けられた第1歯車及び第2歯車とを備え、前記スライダは前記第1歯車と噛合するラック部を有し、前記第1歯車とラック部との噛合を介して前記第1歯車から伝達される動力でスライド移動するように構成され、前記第1回転体は、前記第2歯車と噛合する歯車あるいは当該歯車と同軸で一体回転可能に設けられた回転体であることが好ましい。
この発明によれば、動力源の動力で、同一の1本の駆動軸又は異なる2本の駆動軸が回転し、駆動軸と共に第1歯車と第2歯車が一体回転する。第1歯車とラック部との噛合を介して伝達される動力によりスライダはスライド経路に沿って往動し、この往動過程で被駆動体を移動させることで、押圧部が押圧方向へ移動し、押圧部によるターゲットの押圧動作が行われる。一方、第2歯車が回転することで、第2歯車と噛合する歯車又はこの歯車と一体回転可能な回転体である第1回転体が回転するが、第1回転体の係合部と第2回転体の被係合部とが係合するまで第1回転体は空転し、この空転期間だけガイド手段への動力の伝達タイミングが遅延する。よって、押圧手段とガイド手段を、ガイド手段の動作タイミングを遅延手段により遅延させつつ、共通の動力源の動力で動作させることができる。
本発明のターゲット整列装置では、前記スライダは、第1部材と、前記第1部材に対してスライド方向に有限範囲内で相対移動可能に設けられるとともに前記ラック部を有する第2部材と、前記ラック部が前記第1歯車と噛合する方向へ前記第2部材を付勢する付勢手段とを備えていることが好ましい。
この発明によれば、動力源の動力で第1歯車が回転すると、第1歯車とラック部との噛合により第2部材が移動を開始し、第2部材が有限範囲の一端に到達すると、第2部材と第1部材とが一体でスライドを開始し、これによりスライダの移動が開始される。このとき、第1歯車の噛合箇所がラック部から外れると第1歯車は空転しスライダの移動は停止する。スライダの移動開始時点から遅延時間だけ遅れて第1回転体と係合した第2回転体が回転し始め、ガイド手段の整列動作が開始される。このため、押圧部で押圧された状態にあるターゲットが一対のガイド部により挟圧されるので、ターゲットを湾曲させることなく挟圧できる。
本発明は、搬送装置であって、上記発明のうちいずれか一つのターゲット整列装置と、前記ターゲット整列装置により整列されたターゲットを1枚ずつ搬送する搬送手段とを備えたことを要旨とする。
この発明によれば、ターゲットを搬送手段により搬送する前に、載置部上の複数枚のターゲットの幅方向両端を揃える整列を行うことができる。よって、ターゲットを幅方向にずれのない適切な位置で搬送できる。
本発明は、記録装置であって、上記発明の搬送装置と、前記搬送装置により搬送されたターゲットに記録を施す記録手段とを備えたことを要旨とする。この発明によれば、搬送装置によりターゲットが幅方向にずれのない適切な位置に搬送されるため、記録手段によりターゲットに対して正確な位置に記録を行うことができる。
以下、本発明を記録装置の一種であるインクジェット式プリンタに具体化した一実施形態を図1〜図22を用いて説明する。
図2は、インクジェット式プリンタの模式斜視図である。図2に示すように、記録装置としてのインクジェット式プリンタ(以下、単に「プリンタ11」という)には、本体12の背面側にターゲット(記録媒体)としての用紙P(この例では単票紙)を給紙する自動給紙装置(Auto Sheet Feeder;以下、「給紙装置13」という)が装備されている。給紙装置13には、用紙Pがセットされる載置面14Aを有する給紙トレイ14、略逆T字形のホッパー15(但し、図2では一部のみ図示)、及び載置面14Aに沿って紙幅方向(図2における左右方向)に移動するガイド部としての一対のエッジガイド16が設けられている。また、給紙トレイ14には、紙サイズの大きな用紙Pがセットされた場合に、その用紙Pの上側部分(給送方向下流側部分)を支持可能な用紙サポート17が取着されている。そして、給紙装置13は、給紙トレイ14にセットされた用紙Pを本体12内に1枚ずつ給紙するように構成されている。
また、本体12内には主走査方向(図2におけるX方向(すなわち紙幅方向))に往復動するキャリッジ18が設けられ、キャリッジ18の下部に記録ヘッド19が備えられている。キャリッジ18を主走査方向Xに移動させながら記録ヘッド19の下面に開口した図示しないノズル(ノズル群)から用紙Pに向かってインク滴(液体)を噴射する印字動作と、用紙Pを副走査方向(図2におけるY方向)に所定の搬送量(次の印刷行までの搬送量)で搬送する紙送り動作とを交互に繰り返すことによって、用紙Pへの印刷が行われる。印刷された用紙Pは本体12の前側下部に開口する排紙口12Aから排出される。なお、本実施形態では、キャリッジ18及び記録ヘッド19により記録手段が構成される。また、ホッパー15により載置部が構成される。
図1は、給紙装置13の斜視図を示す。給紙装置13は、背板部20Aと左右一対の側板部20R,20Lとを有するハウジング20を備えている。ハウジング20の底部上面において給紙ローラ21の搬送方向上流側の位置には、給紙トレイ14にセットされた用紙Pの下端を支持する載置面22Aを有する支持台部22が設けられている。載置面22Aは、搬送方向下流側ほど高くなってホッパー15の載置面とほぼ直交する斜面に形成されている。また、給紙トレイ14は背板部20Aの一部としてハウジング20と一体に形成されている。
給紙装置13は、前述のホッパー15と、紙押さえ機構23と、エッジガイド機構24と、給送機構25とを備えている。なお、本実施形態では、ホッパー15と紙押さえ機構23とエッジガイド機構24と支持台部22等により、ターゲット整列装置が構成されている。
まず、ホッパー15は、左右の側板部20R,20Lの上端部に取着された支軸26を中心に回動可能に取り付けられた左右一対のアーム27と、一対のアーム27の下端部に横架状態に支持されて、セットした用紙Pの背面を支える逆T字形状を有する平板状の載置板部28とを備える。ホッパー15は背板部20A(給紙トレイ14)の前側(図1において手前側)に配置され、上部側ほど後側となる傾斜姿勢に配置された背板部20Aに対して、所定の回動角の範囲で往復回動可能に取り付けられている。
紙押さえ機構23は、ホッパー15にセットされた用紙Pをその厚み方向(積重方向)に押し付けるための機構であり、ホッパー15と共通の支軸26を中心に回動自在に取り付けられた紙押さえレバー31を備えている。紙押さえレバー31は、左右の支軸26を中心に回動自在に設けられた左右一対のアーム32(図1では一方のみ図示)と、一対のアーム32の下端部に横架状態に支持された所定長さを有する押圧部33とを有している。左右の側板部20R,20Lの外面側には、紙押さえレバー31を用紙押し付け方向へ付勢するための付勢手段としてのコイルバネ34(引っ張りバネ)が、その一端部が側板部20R,20Lの外面に突設された掛止部36に掛止され、その他端部がアーム32と連動して回動可能な後述する駆動バー35(図4〜図6等に示す)の両端面に突設された軸状の掛止部37(図1では一方のみ図示)に掛止された状態で張設されている。
紙押さえ機構23を構成する一対のアーム32と駆動バー35とは、後述するトグル機構38を介して連結されており、このトグル機構38によって、ホッパー15上に積重された用紙Pに押圧部33が積重方向に加える荷重が、用紙Pの積重厚(複数枚積重された用紙の全厚)に応じて変化するようになっている。なお、トグル機構38の詳細については後述する。
また、エッジガイド機構24は、ホッパー15にセットされた複数枚の用紙Pを左右両側から挟圧するようにガイドして、これら複数枚の用紙Pの左右端を揃えつつ、紙幅方向において用紙サイズに応じた給送位置に用紙Pを位置決めするために設けられた前述の左右一対のエッジガイド16,16を備えている。エッジガイド16は、用紙Pの側端と当接可能なガイド面41Aを有する四角板状のガイド部41と、背板部20Aに沿ってスライド可能な四角板状のベース部42とを有する断面L字形状の樹脂製部材よりなる。右側のエッジガイド16はガイド孔43A,43Bに沿って紙幅方向(左右方向)に移動可能な状態で背板部20A(給紙トレイ14)と係合され、左側のエッジガイド16はガイド孔43Cに沿って紙幅方向に移動可能な状態で背板部20Aと係合されている。
紙押さえレバー31を構成する一対のアーム32,32は、紙幅方向に一番広く間隔を離した状態における一対のエッジガイド16,16のさらに外側に位置している。また、紙押さえレバー31を作動位置へ下降させた状態において、押圧部33は、下側の載置面22Aとエッジガイド16との間に位置するようになっている。このように紙押さえレバー31は、ホッパー15上にセットされた用紙を、アーム27及びエッジガイド16と干渉することなく、その押圧部33を用紙Pの表面に押し付けることが可能となっている。
また、給送機構25は、側板部20R,20Lの給送方向下流側端部(図1において右端部)に回転自在に支持された回転軸45と、回転軸45の略中央部に一体回転可能に固定された給紙ローラ21とを有している。
給紙ローラ21は、軸線方向と直交する断面形状がD字形のローラであり、その外周面は円弧面と平坦面とからなる。ホッパー15が給送時に待機位置から給送位置に回動され、ホッパー15上の複数枚の用紙Pが、下側の載置面22Aに沿って前方へ押し出され、最上位の一枚の用紙が給紙ローラ21の円弧面に当接可能な位置まで押し出される。この状態で給紙ローラ21が回転駆動されると、給紙ローラ21の円弧面と図示しないリタードローラとの間に最上位の一枚の用紙Pが挟持されることで、最上位の一枚が他の用紙(下位層の用紙)と分離されつつ給送されるように構成されている。回転軸45の一端部の歯車46及びこの歯車46と噛合する図示しない輪列(歯車群)を介して伝達される動力により回転軸45及び給紙ローラ21は回転駆動するようになっている。
給紙ローラ21の下方には、給送された用紙Pを案内する搬送案内板部47が最大用紙幅より若干広い幅で給送方向下流側へ延出している。搬送案内板部47の上面には用紙Pの裏面を支持する複数本の凸条47Aが給送方向に沿って延びるように形成されている。
なお、給紙ローラ21の円弧面の周長は、給紙ローラ21の搬送方向下流側に位置する紙送りローラ(図示せず)に用紙Pの先端部がニップされる位置まで用紙を給送可能な長さに設定されている。
次にエッジガイド機構24の構成を図3に基づいて説明する。図3はエッジガイド機構を示す模式正面図である。図3に示すように、背板部20Aには、前述のとおり紙幅方向に延びるガイド孔43A〜43Cが開口形成されている。一対のエッジガイド16,16の各ベース部42には、ガイド孔43B,43Cを介して背板部20Aの裏面側に配置された一対のラック51,52の外側寄り端部がそれぞれ連結されている。一対のラック51,52には、互いに対向する部位にそれぞれ歯部51A,52Aが形成されている。背板部20Aの裏面略中央位置には、双方のラック51,52と噛合するピニオン53が設けられている。ピニオン53は後述する電動モータ60(紙送りモータ)の動力で駆動され、ピニオン53が正転・逆転されることで、一対のラック51,52は左右方向において互いに接近する第1方向と、互いに離間する第2方向とにそれぞれ同期して駆動されるように構成されている。
そのため、電動モータ60が正転駆動されてピニオン53が正転(図3において時計方向に回転)すると、ラック51,52が第1方向に移動して左右のエッジガイド16が互いに接近する方向(幅寄せ方向)に移動する。一方、電動モータ60が逆転駆動されてピニオン53が逆転(図3において反時計方向に回転)すると、ラック51,52が第2方向に移動して左右のエッジガイド16,16は互いに離れる方向(離間方向)に移動する。
次に紙押さえ機構について図4〜図12を用いて説明する。図4及び図5は、紙押さえ機構をホッパー及び給紙ローラ等と共に示す斜視図である。図4は紙押さえレバーが退避位置にある状態、図5は紙押さえレバーが作動位置にある状態をそれぞれ示す。
図4及び図5に示すように、支軸26を中心に所定角度範囲で回動可能に設けられたホッパー15の内側に、紙押さえレバー31が同じく支軸26を中心に回動可能に支持されている。
紙押さえレバー31を構成する一対のアーム32には、その先端寄りの部分にその長手方向に沿って延びる長孔32Aが形成されている。左右の側板部20R,20L(図1参照)の内側に垂直に突設された各支軸55を中心に一対のトグルレバー56が回動可能に支持されている。一対のトグルレバー56の一端部(後端部)は駆動バー35の両端部に連結されており、他端部はその他端部側の内側面に垂直に突設された円柱状の案内ピン57がアーム32の長孔32Aに係入した状態でアーム32と連結されている。駆動バー35は、一対のトグルレバー56の一端部とその両端部が連結されることで水平状態に支持されている。
前述のように、駆動バー35の両端面に突設された円柱状の掛止部37にコイルバネ34の一端部が掛止されており、その他端部が、側板部20Lの外面に突設された鈎形の掛止部36(いずれも図1参照)に掛止された状態でコイルバネ34は張設されている。このようにトグル機構38は構成されている。なお、駆動バー35は、後述する動力伝達機構39(図13等に示す)により上下方向に駆動されるようになっている。
図4に示すように、駆動バー35が下降位置に配置されると、紙押さえレバー31は押圧部33がホッパー15上の用紙から離間する図4に示す退避位置に配置されるようになっている。また、図5に示すように駆動バー35が上昇位置に配置されると、紙押さえレバー31は押圧部33がホッパー15上の用紙に当接する図5に示す作動位置(紙押さえ位置)に配置されるようになっている。
図6はトグル機構の原理を説明するための側面図である。図7はトグル機構が中立点にある状態における紙押さえ機構を示す側面図である。また、図8〜図12は、紙押さえ機構及びエッジガイド機構の動作を説明するための側面図である。詳しくは、図8は初期状態、図9は少数枚セット時、図10は多数枚セット時、図11は給紙開始前の紙押さえレバー退避時及び図12はホッパー上昇時の状態をそれぞれ示している。なお、これら図8〜図12においては、紙押さえ機構23については左側(同図における手前側)のコイルバネ34及びトグルレバー56等が見える面で切断し、紙押さえ機構23及び給紙ローラ21以外の部分については幅方向略中央部分における断面で示している。
図7に示すように、トグルレバー56は、途中で屈曲した「へ」の字形状を有している。ホッパー15上の用紙の積重厚が設定厚よりも薄い場合には、左右のエッジガイド16,16で挟圧した際に用紙が湾曲することがないように、トグル機構38は押圧部33で用紙を積重方向に押し付ける方向に紙押さえレバー31を付勢するように機能する。一方、ホッパー15上の用紙の積重厚が設定厚よりも厚い場合には、左右のエッジガイド16,16で挟圧した際に、加えた荷重に起因して増大した用紙間の摩擦が原因で比較的大きな負荷がかかってしまい、その負荷の検出値に基づき用紙が整列されたと誤検出されることがないように、トグル機構38は紙押さえレバー31を反押圧方向に付勢するように機能する。
つまり、設定厚のときに紙押さえレバー31が配置される位置においては、図7に示すように、トグルレバー56の他端部(つまりコイルバネ34の他端部が掛止部35に掛止されている掛止点)と支軸55とを結ぶ軸線方向と、コイルバネ34の軸線方向(付勢方向)とが一致する(平行となる)ように設定されている。そして、この図7に示すトグルレバー56の回動位置(姿勢角)を中立点と呼ぶことにする。なお、一対のエッジガイド16で挟圧した際に用紙が湾曲する虞のある積重厚に少しのマージンを加えて設定厚を規定し、この設定厚で積重された用紙に押圧部33が当接したときにトグルレバー56が中立点に配置されるように設定されている。
図6において実線で示す紙押さえレバー31の退避位置では、トグルレバー56の他端部に突設された案内ピン57が長孔32Aの上端側で係入されている。この状態では、図6の側面視において支軸55とトグルレバー56の一端部側の掛止点(掛止部37の中心点)とを結ぶ軸線方向と、コイルバネ34の軸線方向(付勢方向)とが一致せず、コイルバネ34の付勢力は、トグルレバー56を図6における反時計方向に回動させる方向に働くようになっている。
すなわち、トグルレバー56が中立点よりも反時計方向側(図6においてトグルレバー56の一端部が中立点よりも上側)に位置するときには、コイルバネ34の付勢力がトグルレバー56を反時計方向に回動させる方向に働くようになっている。一方、トグルレバー56が中立点よりも時計方向側(図6においてトグルレバー56の一端部が中立点よりも下側)に位置するときには、コイルバネ34の付勢力がトグルレバー56を時計方向に回動させる方向に働くようになっている。紙押さえレバー31が図6に実線で示す退避位置から、図6に二点鎖線で示す作動位置まで移動する途中で、押圧部33はホッパー15上の用紙の表面に当接し、この当接によって紙押さえレバー31はそれ以上移動できずに位置規制される。このときの紙押さえレバー31の規制位置によってトグルレバー56の姿勢角が決まる。つまり、ホッパー15上の用紙の積重厚に応じて押圧部33が用紙に当接したときのトグルレバー56の姿勢角が決まるようになっている。
押圧部33が用紙に当接して紙押さえレバー31が位置規制されたときに、トグルレバー56が中立点に到達する手前の回動姿勢にある状態では、コイルバネ34の付勢力がトグルレバー56を図6における反時計方向に回動させるように働く。つまり、コイルバネ34の付勢力は、押圧部33を用紙Pから離間させる方向、すなわち紙押さえレバー31を退避位置へ戻す方向へ働く。このため、コイルバネ34の付勢力による押圧部33の紙押さえ荷重は発生しない。例えば、用紙Pのセット枚数が多い図10の例では、押圧部33が用紙に当接した際に、トグルレバー56が中立点もしくは中立点に到達する手前の図10に示す姿勢角になるので、コイルバネ34の付勢力が押圧部33を用紙Pから離間させる方向に働き、用紙Pに紙押さえ荷重が付与されない。
一方、押圧部33が用紙に当接して紙押さえレバー31が位置規制されたときに、トグルレバー56が中立点を過ぎた姿勢角にある状態では、コイルバネ34の付勢力がトグルレバー56を図6における時計方向に回動させるように働く。つまり、コイルバネ34の付勢力は紙押さえレバー31を紙押さえ方向に付勢するように働き、この付勢力により用紙Pに荷重が加えられる。例えば、用紙Pのセット枚数が少ない図9の例では、押圧部33が用紙に当接して紙押さえレバー31が位置規制された際に、トグルレバー56が中立点を過ぎた図9に示す姿勢角になるので、押圧部33はコイルバネ34の付勢力に基づく荷重を用紙Pに加える。
このため、左右のエッジガイド16,16で用紙Pを挟圧した際に用紙Pが湾曲する虞がある薄い積重厚(少セット枚数)においては、用紙に荷重が加えられる。また、左右のエッジガイド16,16で用紙Pを挟圧した際に用紙Pが湾曲する虞がない厚い積重厚(多セット枚数)の場合においては、紙押さえ荷重が付与されない。
次に、動力源及び動力伝達系について説明する。図13は、給紙装置の背面図を示す。
ハウジング20において図13の右下なる所定位置には電動モータ60が配設されている。電動モータ60の駆動軸に嵌着された歯車61(ピニオンギヤ)は、側板部20Lに回転自在に取着された大径の歯車62と噛合しており、この歯車62は、側板部20Lに回転自在に取着された段歯車63の大径歯車部63Aと噛合している。そして、その段歯車63の小径歯車部63Bが、駆動シャフト65の端部に嵌着された歯車64と噛合している。駆動シャフト65は、側板部20Lと、背板部20Aに突設された支持部66とに両端部が支持されることで水平状態で回転可能に設けられている。駆動シャフト65には、その軸方向略中央部に駆動歯車67(ピニオン)が嵌着されており、図13において駆動歯車67に対して少し左側に離れた位置にウォーム68が嵌着されている。なお、図13において駆動シャフト65の上方位置には、駆動バー35が左右一対のトグルレバーと連結された水平状態で横架されている。
図13に示すように、駆動歯車67と対応する位置には、駆動バー35の押し上げ・押し下げ操作を行うためのスライダ機構70が設けられている。スライダ機構70は、背板部20Aに形成されたレール部69と、レール部69に対しそのガイド溝69Aに沿って上下方向にスライド可能に取着されたスライダ71とを備えている。
図14は、スライダの正面図を示す。図13及び図14に示すように、スライダ71は、上下方向に細長い四角板形状のメイン部材72(第1部材)と、メイン部材72に対して僅かに相対移動可能に取着されるとともに駆動歯車67の歯部67Aと噛合する歯部74Aが所定高さ範囲に亘って形成されたラック部74を有するサブ部材73(第2部材)とを備えている。
図14に示すように、サブ部材73は、メイン部材72に凹設されたガイド溝75に沿って上下方向に相対移動可能となっている。メイン部材72にはガイド溝75の上端部にサブ部材73の上方への移動を規制する度当たり面76(ストッパ面)が形成されており、またメイン部材72の下端部には、サブ部材73の下方への移動を規制する規制部77が設けられている。このため、サブ部材73は、その上端面73Aが度当たり面76に当接する上死点(上限位置)と、その下端面73Bが規制部77に当接する下死点(下限位置)との間においてメイン部材72に対して上下方向に相対移動可能となっている。つまり、サブ部材73はメイン部材72に対して有限範囲内で上下方向に相対移動可能に取り付けられている。
図14に示すように、サブ部材73においてその下端右側位置に突設された軸部78には、捩りバネ79の中央の環状部が外挿支持されており、捩りバネ79の両端部は、メイン部材72の下端部左右両側に形成された一対の掛止部81,82にそれぞれ掛止されている。サブ部材73は、下死点と上死点との中間位置である中立位置よりも下側へ移動した場合に捩りバネ79により上側への付勢力を受け、中立位置よりも上側に移動した場合に捩りバネ79により下側への付勢力を受けるようになっている。つまり、サブ部材73が中立位置から変位すると、捩りバネ79の付勢力がサブ部材73に対しこれを中立位置へ戻そうとする方向に働くようになっている。
図13及び図14に示すように、メイン部材72の上端部には、駆動バー35と係合可能な係合部83が設けられている。係合部83は、メイン部材72の正面上端部(図14では正面上端部)から側面視(図20の視方向)で三角形状をなして後方へ突出している。図14に示すように、係合部83は、その上面をなす斜面よりなる第1係合面83Aと、その下面をなす斜面よりなる第2係合面83Bとを有している。また、メイン部材72の上端部右側には、図13に示す捩りバネ85の一端部を掛止するための掛止孔84Aを有する掛止部84が突設されている。図13に示すように、捩りバネ85は、掛止部84の掛止孔84Aと、背板部20Aに延出形成された支持部86の掛止孔86Aとに両端部が掛止されている。
図15は紙押さえレバー31が退避位置に配置されたときの駆動バー及びスライダの状態を示し、図16は紙押さえレバー31が作動位置に配置されたときの駆動バー及びスライダの状態を示している。また、図17は、紙押さえ機構及びエッジガイド機構の駆動系を示す斜視図である。図17に示すメイン部材72の背面側(プリンタ前側)にはレール用の凸部87が突設されており、この凸部87が図13に示すレール部69のガイド溝69Aに係合されることで、スライダ71は上下方向にスライド可能となっている。
図15〜図17に示すように、駆動バー35においてスライダ71と対応する部分を含む一部の領域には部分的に小径となった操作軸部35Aが形成されている。操作軸部35Aは、スライダ71が上昇・下降するときに係合部83と係合可能な位置に設定されている。
図15に示すように、紙押さえレバー31が退避位置にある状態では、駆動歯車67はサブ部材73のラック部74との噛合が上側に外れた状態にあり、このときサブ部材73は捩りバネ79によりラック部74が駆動歯車67と噛み合う方向へ付勢された状態にある。そのため、図15の退避状態から、電動モータ60が正転駆動されて歯車61〜64を介して伝達された回転力により駆動シャフト65が正転駆動し、駆動歯車67(ピニオン)が正転を開始すると、駆動歯車67とラック部74とがスムーズに噛み合い、まずサブ部材73が上昇を開始する。そして、サブ部材73が少量上昇すると、その上端面73Aが度当たり面76に当接し、この当接以後は、サブ部材73がメイン部材72と一体に上昇する。こうしてスライダ71が上昇する過程で、係合部83が第1係合面83Aにて操作軸部35Aと係合することで、スライダ71が駆動バー35を押し上げる構成となっている。
そして、駆動バー35が押し上げられることで、図9に示す退避位置にあった紙押さえレバー31が押圧部33を下降させる側へ回動する。このとき、紙押さえレバー31は、押圧部33が、ホッパー15の載置板部28上の用紙Pに当接するか、あるいはホッパー15の載置板部28に当接するまで回動する。そして、押圧部33が、ホッパー15上の用紙Pに当接するか、あるいは載置板部28に当接すると、操作軸部35Aはそれ以上押し上げ不能な状態に位置規制される。このように操作軸部35Aが位置規制された状態で、スライダ71が上昇しようとすると、係合部83の第1係合面83Aが斜面になっていることから、図16及び図17に示すように、係合部83が操作軸部35Aを潜り抜けて操作軸部35Aの上方へ移動できるようになっている。
このスライダ71の上昇過程のうち、捩りバネ85の両端部がそれぞれ掛止された掛止孔84Aにおける第1掛止点と、掛止孔86Aにおける第2掛止点との距離が短くなる過程では、スライダ71は捩りバネ85の付勢力に抗して所定高さまで上昇する。そして、その所定高さからスライダ71がさらに上昇する過程では、捩りバネ85の第1掛止点と第2掛止点との距離が長くなり、捩りバネ85の付勢力がスライダ71を上方へ押し上げる方向に働く。このため、係合部83が操作軸部35Aを潜り抜けた後(このとき所定高さを超えている)、スライダ71は図16及び図17に示す上死点まで上昇し、駆動歯車67とラック部74との噛合が外れても、捩りバネ85の付勢力でその上死点に保持されるようになっている。
一方、紙押さえレバー31が図16に示す作動位置にある状態から、電動モータ60が逆転駆動されると、歯車61〜64を介して伝達された回転力により駆動シャフト65が逆転することで駆動歯車67が逆転する。このとき、サブ部材73は捩りバネ79の付勢力により、ラック部74が駆動歯車67と噛合する方向へ付勢されているので、駆動歯車67は逆転を開始するとラック部74とスムーズに噛合し、サブ部材73の下降が開始される。サブ部材73が少量下降すると、その下端面73Bが規制部77に当接し、この当接以後、サブ部材73はメイン部材72と一体に下降する。こうしてスライダ71が下降を開始すると、その下降途中で係合部83が第2係合面83Bにて操作軸部35Aに係合して、操作軸部35Aを押し下げる。その結果、紙押さえレバー31は作動位置から、図15に示す元の退避位置へ移動する。そして、紙押さえレバー31が退避位置に達すると、操作軸部35Aのそれ以上の下降が規制される。このように操作軸部35Aが位置規制された状態で、スライダ71が下降しようとすると、係合部83の第2係合面83Bが斜面になっていることから、係合部83が操作軸部35Aをその下側へ潜り抜け、スライダ71は図15に示す元の下死点に復帰するようになっている。
次に、エッジガイド機構を駆動させるための駆動系の構造について図17〜図19に基づいて説明する。図18はエッジガイド駆動用の歯車機構の分解斜視図を示し、図19はエッジガイド駆動用の歯車機構の要部正断面図を示す。
図17に示すように、ウォーム68と対応する位置には、エッジガイド駆動用の歯車機構90が回転自在な状態に取り付けられている。この歯車機構90は、ウォーム68と噛合しているウォームホイール91と、エッジガイド駆動用のピニオン53を一部に有するピニオン部材92と、ウォームホイール91とピニオン部材92との間に介装された連結車93とを備え、これらピニオン部材92と連結車93とウォームホイール91とが、同軸上に回転可能に設けられることで構成される。
背板部20Aには、歯車機構90を回転可能に支持するための図18に示す軸状のボス部94(支軸部)が突出形成されている。ボス部94は基端側の大径軸部94Aと、先端側の小径軸部94Bとを有している。エッジガイド駆動用のピニオン部材92は、表面側に形成されたピニオン53と、裏面側に形成された円板状部92Aとを有し、その軸心部分には、ボス部94の大径軸部94Aが挿通可能な内径を有する軸孔92Bを有している。円板状部92Aの裏面には軸孔92Bと同心円状の所定の径を有する略円形の凹部92Cが凹設されている。凹部92Cの内周面上の1箇所には係合突起92Dが突設されている。
図18に示すウォームホイール91は、その外周面にウォーム68(図17に示す)と噛合可能なはす歯状の歯部91Aを有しており、その軸心部分にはボス部94の小径軸部94Bが挿通可能な内径の軸孔91Bが形成されている。ウォームホイール91の前端部(図18における右端部)には、周方向4箇所の位置に軸線方向と平行な方向に突出する4つの係合凸部91Cが形成されている。
連結車93は、ウォームホイール91よりも少し大径の略円筒の部材であり、その軸心部分には、ボス部94の小径軸部94Bが挿通可能な内径の軸孔93Aを有している。連結車93の裏面(図18における左端面)にはその中央部分に凹部93Bが凹設されており、凹部93Bの内周面上の4箇所には係合凸部91Cと係合可能な係合凹部93Cが形成されている。係合凸部91Cが係合凹部93Cと係合(嵌合)することで、ウォームホイール91と連結車93とが一体回転可能に連結されるようになっている。また、連結車93の表面(図18における右端面)には、ピニオン部材92の係合突起92Dと係合可能な位置に1つの係合突起93Dが突出形成されている。
ピニオン部材92は軸孔92Bにボス部94の大径軸部94Aが挿通された状態でボス部94に組み付けられる。次に連結車93とウォームホイール91はそれぞれの軸孔93A,91Bにボス部94の小径軸部94Bが挿通された状態でボス部94に組み付けられる。このとき連結車93の係合突起93Dはピニオン部材92の凹部92Cに挿入され、連結車93はピニオン部材92に対して約1回転(約350度)の有限範囲で相対回転可能な状態に連結される。ウォームホイール91の4つの係合凸部91Cは連結車93の4つの係合凹部93Cに嵌合され、ウォームホイール91と連結車93は一体回転可能に連結される。そして、ネジ95がワッシャ96を介してボス部94のネジ孔94Cに締結されること、主要の3部品からなる歯車機構90が図17に示すように回転可能な状態でボス部94に取着されている。こうしてウォームホイール91と連結車93は常に一体回転し、連結車93はピニオン部材92に対して約1回転の空転(相対回転)が許容される状態で連結されている。本実施形態では、連結車93とピニオン部材92との2つの係合突起92D,93Dを含む係合部分により、遅延機構97(遅延手段)が構成されている。
図19に示すように、連結車93とピニオン部材92の各係合突起92D,93Dは、紙押さえレバー31が退避位置にある状態で、図19の実線で示す状態に係合(当接)している(以下、「第1係合の状態」という)。この第1係合の状態から、連結車93が図19における反時計方向に正転すると、係合突起93Dが反時計方向へ回転して係合突起92Dから離間し、係合突起93Dが係合突起92Dに対して第1係合のときの面と反対側の面から係合する第2係合の状態になるまでの約1回転の間、連結車93は空転することになり、ピニオン部材92が回転し始めるまでに約1回転の遅延が発生する。つまり、係合突起92D,93Dが係合した状態で、駆動シャフト65の回転方向が正転から逆転、逆転から正転とそれまでの回転方向から逆方向へ切り換えられると、連結車93が約1回転空転し、その空転期間が、スライダ71への動力伝達開始タイミングに対するピニオン部材92への動力伝達開始タイミングの遅延期間となる。本実施形態では、この約1回転の空転時間(遅延時間)は、スライダ71が下死点と上死点との間を1回移動(上昇又は下降)する1ストローク分の所要時間に合わせて設定されている。そのため、この動力伝達開始タイミングの時間差によって、電動モータ60の正転過程においてスライダ71が上昇動作を終了するタイミングで、ピニオン部材92が回転を開始してエッジガイド機構24の幅寄せ動作が開始され、電動モータ60の逆転過程においてスライダ71の下降動作がエッジガイド機構24の退避動作に先行して単独で実施されるようになっている。
このため、電動モータ60が正転駆動を開始すると、駆動歯車67の正転によりスライダ71が下死点から上昇を開始することで紙押さえレバー31が退避位置から用紙に当接するまで、あるいはホッパー15に当接するまで下降する。この間、ウォームホイール91及び連結車93は空転し、この紙押さえ機構23の動作が完了したタイミングで、係合突起93Dが約1回転の空転を完了して係合突起92Dと係合し、このタイミングでピニオン部材92の正転が開始される。つまり、遅延機構97によって、紙押さえ機構23の動作完了のタイミングで、エッジガイド機構24の動作が開始されるようになっている。
そして、ピニオン部材92が正転し始めると、ピニオン53と噛合する一対のラック51,52は互いに接近する第1方向に移動し、一対のエッジガイド16,16が待機位置から互いに接近する方向へ移動する幅寄せ動作が行われる。
そして、エッジガイド16,16による用紙の整列が終了して電動モータ60の正転駆動が停止されると、次に電動モータ60が逆転駆動される。その結果、スライダ71が下降して操作軸部35Aを押し下げることで紙押さえレバー31が退避位置へ復帰する。この間、連結車93は約1回転の空転期間にあるので、紙押さえレバー31の退避動作のみ単独で行われ、エッジガイド16,16は用紙を幅方向にガイドした整列動作終了時の位置に保持される。
また、図13に示すように、ハウジング20の右側部(図13における左側部)には、サブモータ98が配設されている。サブモータ98は給紙モータ(ASFモータ)であって、図示しない動力伝達機構を介して回転軸45と動力伝達可能に連結されている。また、サブモータ98は動力伝達機構の一部であるカム機構(図示せず)を介してホッパー15と動力伝達可能に連結されている。ホッパー15はその載置板部28の下端部背面において図示しないバネにより給紙位置側へ付勢されている。そして、サブモータ98の動力がカム機構等を介して伝達されることで、ホッパー15は待機位置と給紙位置間を往復移動するようになっている。
図21は、プリンタの電気的構成を示すブロック図である。プリンタ11は、制御装置100を備えている。制御装置100はプリンタ11の各種制御を司る。制御装置100には、入力系として操作パネル101及び負荷検出センサ102等が接続されており、出力系として電動モータ60、サブモータ98及びキャリッジモータ103等が接続されている。ここで、負荷検出センサ102は、電動モータ60の駆動負荷を検出するためのセンサであり、電動モータ60の駆動負荷に応じた検出値を制御装置100に出力する。
制御装置100のメモリ(図示せず)には閾値Kが設定されており、負荷検出センサ102により検出された電動モータ60の駆動負荷が閾値Kを超えた場合に、制御装置100は電動モータ60の駆動を停止させるようになっている。本実施形態では、電動モータ60の駆動負荷を例えば電流値として検出する。なお、閾値Kとは、エッジガイド16,16がセットされた用紙Pを揃えながら移動可能な電流値よりも大きく、揃え終わった用紙Pを挟圧したときの電流値よりも小さな値である。詳しくは、例えば、1枚で整列する際の負荷が最も小さな用紙種を選択してその用紙種の1枚(最少枚数)の用紙を揃え終わった瞬間に負荷が急増して発生する電流ピーク又は電流立ち上がりの電流値範囲を測定する。次に最大積重厚で整列した際の負荷(摺動摩擦抵抗)が最も大きくなる用紙種を選択してその用紙種の最大積重厚(最大積重枚数)の用紙Pを揃えながら移動可能な電流値に、所定のマージンを加えた値であって、かつ前記電流値範囲内に収まる値を、閾値Kとして設定している。
もちろん、用紙種毎に閾値Kを設定しておき、用紙種の情報を予め取得してから整列動作を行い、そのときの用紙種に応じた閾値Kを選択する構成も採用できる。また、閾値Kよりも小さな閾値J(<K)を設定しておき、検出負荷が閾値Jを超えたら電動モータ60を減速させ、さらに検出負荷が閾値Kを超えたら電動モータ60の駆動を停止させる構成としてもよい。なお、本実施形態では、整列時に用紙Pが揃え終わってさらに挟圧されても湾曲しない構成であるため、用紙Pを揃え終わった瞬間に検出負荷が閾値Kを超え、その時点でエッジガイド16,16が用紙の幅に等しい間隔を隔てた適切な位置で停止するようになっている。
操作パネル101には、印刷開始ボタンあるいは用紙整列実行ボタンが、用紙の整列動作を指示するための操作ボタンとして設けられている。制御装置100は、操作パネル101上の用紙整列動作指示用の操作ボタンが操作された操作信号を入力すると、用紙整列動作を実行すべく負荷検出センサ102の検出結果を監視しつつ電動モータ60を駆動制御する。
また、キャリッジモータ103は、キャリッジ18を主走査方向Xに往復移動させるために駆動されるものである。本実施形態では、電動モータ60が紙送りモータ(PFモータ)であるため、制御装置100は、用紙Pを給送した後の印刷中においては、印字動作と紙送り動作とを略交互に行うため、電動モータ60とキャリッジモータ103とを略交互に駆動させるようになっている。なお、サブモータ98を廃止し、電動モータ60を、ホッパー15、給紙ローラ21、紙押さえ機構23及びエッジガイド機構24の共通の動力源とする構成も採用できる。
さて、上記のように構成されたプリンタ11における用紙整列動作を説明する。初期状態においては紙押さえレバー31は、ホッパー15の載置板部28から離間した退避位置に配置されており、ユーザによるホッパー15への用紙Pのセットが可能となっている。この紙押さえレバー31が退避位置にある状態では、スライダ71は下死点に位置している。また、左右一対のエッジガイド16,16は、最大幅の用紙をセット可能な間隔を隔てた待機位置に配置されている。このとき、前回、エッジガイド16,16が待機位置に戻ったときの動作によって、遅延機構97は、図19に実線で示す第1係合の状態にある。
まず、ユーザが複数枚の用紙Pを給紙トレイ14にセットする。セットされた用紙Pはその下端が載置面22A上に支持され、その裏面がホッパー15の載置板部28に支持される。そして、ユーザが操作パネル101上の印刷開始ボタンの操作、あるいは用紙整列実行ボタンの操作、またはホストコンピュータの入力装置(キーボードやマウス等)を操作して印刷実行を指示する操作、用紙整列動作を指示する操作を行うと、制御装置100はその操作に基づく信号を用紙整列指示信号として入力する。すると、制御装置100は、図22に示すように、電動モータ60の正転駆動を開始する。
以下、図20及び図22等も参照しつつ用紙整列動作を説明する。電動モータ60が正転駆動されると、歯車61〜64を介して伝達された動力により駆動シャフト65が正転する。駆動シャフト65が正転することにより、駆動歯車67とラック部74との噛合を介して伝達される動力によりサブ部材73が上方へ移動を開始する。この初期状態では駆動歯車67はラック部74の歯部74Aからその上側に外れて位置しているが、サブ部材73はラック部74を駆動歯車67と噛合させる方向(上方)へ捩りバネ79により付勢されているため、駆動歯車67は正転を開始すればラック部74とスムーズに噛み合い、サブ部材73の上方への移動が速やかに開始される。
サブ部材73が若干上昇すると、その上端面73Aがメイン部材72の度当たり面76(ストッパ面)に当接し、その後は、サブ部材73と一体にメイン部材72が上昇する。スライダ71は、その上昇途中で、図20(a)に示すように、係合部83が操作軸部35Aに係合することで駆動バー35を押し上げる。その結果、紙押さえレバー31が、図8に示す退避位置から同図における時計方向に回動し、ホッパー15の載置板部28に接近する紙押さえ方向へ移動する。
ここで、用紙のセット枚数が多数枚(積重厚が厚い)の場合と、セット枚数が少数枚(積重厚が薄い)の場合とに分けて説明する。まず、セット枚数が少数の場合について説明する。
紙押さえレバー31が退避位置から紙押さえ方向へ移動し、図20(b)に示す位置まで操作軸部35Aを押し上げた時点で押圧部33がホッパー15上の用紙Pに当接した場合、操作軸部35Aはそれ以上押し上げることができない状態に位置規制される。操作軸部35Aが位置規制された状態でスライダ71はさらに上昇しようとするため、係合部83が操作軸部35Aを上方へ撓ませてこれを潜り抜けてその上側へ移動する(図20(c))。その結果、スライダ71と駆動バー35との係合が解除され、スライダ71は上死点まで上昇する。この間、スライダ71が所定高さまで上昇した時点で、捩りバネ85の付勢方向がそれまでの下方向から上方向へ転換し、スライダ71は上死点まで上昇すると、捩りバネ85の付勢力により上死点に保持される。
よって、図22に示すように、電動モータ60が正転駆動されると、スライダ71が上死点まで上昇する。このスライダ71の上昇過程で、係合部83と操作軸部35Aとの係合により紙押さえレバー31が退避位置から下降し、紙押さえレバー31が用紙Pに当接すると、係合部83と操作軸部35Aとの係合が外れ、その後、スライダ71のみが上死点まで上昇する。
こうして紙押さえ動作が完了する。このとき、押圧部33が用紙に当接するまでの紙押さえレバー31の退避位置からの回動量は、セットされた用紙Pの枚数や紙種(媒体種)などから決まる積重厚に応じて異なってくる。図9に示すように、用紙Pのセット枚数が少数枚で積重厚が薄い場合、紙押さえレバー31の退避位置からの回動量が比較的多く、このとき、トグルレバー56は中立点を過ぎた位置まで回動している。そのため、コイルバネ34の付勢力は、トグルレバー56を図9における時計方向に回動させる方向、つまり紙押さえレバー31を紙押さえ方向へ回動させる方向に働く。その結果、ホッパー15上の用紙Pにはコイルバネ34の付勢力によって押圧部33から積重方向(紙厚方向)の荷重が加えられる。
この紙押さえ動作完了までの間、ウォームホイール91及び連結車93は空転しており、スライダ71が上死点に到達したタイミングで、図19に示す遅延機構97において係合突起93Dが約1回転空転してピニオン部材92の係合突起92Dと係合し、ピニオン53が正転を開始する。その結果、図22に示すように、電動モータ60の正転駆動開始時点から遅延時間だけ遅れたタイミングで、一対のエッジガイド16,16が互いに接近する第1方向へ移動する幅寄せ動作が行われる。
この幅寄せ動作中、制御装置100は負荷検出センサ102の検出結果を監視する。このとき、エッジガイド16が用紙Pの左右端に当接して左右端を揃え終えるまでの整列中は検出負荷が閾値Kを超えることはなく、左右端を揃え終わって(整列完了時)検出負荷が閾値Kを超えると、制御装置100は、電動モータ60の正転駆動を停止する(図22参照)。このとき、用紙Pは押圧部33によりコイルバネ34の付勢力に基づく荷重が加えられ積重方向に押し付けられているので、たとえ少数枚の場合であってもエッジガイド16,16で挟圧された際に用紙Pが湾曲することはない。例えば用紙が湾曲すると、用紙の左右端を揃え終わっても検出負荷があまり上昇せず、エッジガイド16,16は用紙Pを湾曲させつつ幅寄せ動作を継続してしまう。しかし、本実施形態では、押圧部33で用紙Pを押さえ付けることで用紙Pの湾曲変形を強制的に抑えているので、用紙Pの左右端が揃え終わった時点でエッジガイド16,16は停止する。
また、コイルバネ34の付勢力によって押圧部33が用紙Pを押圧する荷重は、トグルレバー56が中立点を過ぎてからの回動量が多いほど大きくなる。つまり、用紙Pのセット枚数が少ないほど(つまり積重厚が薄いほど)、紙押さえレバー31が用紙Pを押圧する荷重が大きくなる。よって、セット枚数が極端に少なく(例えば1〜3枚)、非常に湾曲しやすいうえ用紙間の滑り摩擦抵抗をさほど考慮する必要がない積重厚条件では、用紙Pに大きな荷重を加えて幅寄せ動作時の用紙の湾曲を確実に防ぐ。一方、セット枚数が少し多め(例えば10〜20枚)の積重厚条件では、用紙Pに加える荷重がやや小さくなるため、荷重付加により用紙の湾曲を回避しつつ、加えた荷重に起因する用紙間の滑り摩擦抵抗の増大による負荷の増大を回避でき、この場合も用紙Pを確実に整列できる。このように、積重厚が薄くなるほど荷重が連続的に大きくなるように、用紙の積重厚(セット枚数)に応じて荷重が調整されるトグル機構38が採用されているので、用紙Pの積重厚(セット枚数)に応じた適切な荷重を用紙Pに加えることができる。
一方、セット枚数が多数枚の場合は、次のように用紙整列動作が行われる。
図20(e),(f)は、セット枚数が多く積重厚が厚い場合の紙押さえ動作を説明するものである。図20(a)の初期状態からスライダ71が上昇してその係合部83が操作軸部35Aに係合して駆動バー35を押し上げることで、紙押さえレバー31は下降して押圧部33が用紙Pに当接する。このとき、積重厚が厚い場合は、用紙Pに当接するまでの紙押さえレバー31の回動量が少ないため、操作軸部35Aは図20(e)に示す位置で上方への移動が規制される。その後、係合部83は駆動バー35を潜り抜け上死点まで上昇する(図20(f))。
図10に示すように、用紙の積重厚が厚いときには、押圧部33が用紙Pに当接するまでの紙押さえレバー31の回動量が少ないことから、トグルレバー56が中立点に達しない。このため、コイルバネ34の付勢力は、トグルレバー56を図10における反時計方向に回動させる方向に働く。その結果、スライダ71の係合部83と駆動バー35との係合が外れた後、紙押さえレバー31はコイルバネ34の付勢力で押圧部33が用紙から離間する方向へ移動する。つまり、用紙Pの積重厚が厚いためトグルレバー56が中立点を超えなかった場合は、幅寄せ動作時に用紙Pに荷重が加えられない。
この紙押さえ動作完了までの間、ウォームホイール91及び連結車93は空転しており、スライダ71が上死点に到達したタイミングで、図19に示す遅延機構97において約1回転の空転を終えた係合突起93Dが係合突起92Dと係合し、ピニオン53が正転駆動を開始する。その結果、図22に示すように、電動モータ60の正転駆動開始時点から遅延時間だけ遅れたタイミングで、一対のエッジガイド16,16が幅寄せ動作を開始する。
この幅寄せ動作中、制御装置100は負荷検出センサ102の検出結果を監視する。このとき、エッジガイド16が用紙Pの左右端に当接して左右端を揃え終えるまでの整列中は検出負荷が閾値Kを超えることはなく、左右端を揃え終わって(整列完了時)検出負荷が閾値Kを超えると、制御装置100は、電動モータ60の正転駆動を停止する(図22参照)。このとき、紙押さえレバー31が用紙Pに荷重を加えていないので、セット枚数が多数枚であっても、用紙の左右端を揃えるときの用紙間の滑り摩擦抵抗が増大することもなく、検出負荷が閾値Kを超えたときは左右端が揃え終わったときとなる。この結果、用紙Pの左右端を揃え終わった時点でエッジガイド16,16は停止する。例えば、セット枚数が多数枚であるにも拘わらず紙押さえレバーで用紙に荷重を加えた場合、用紙間の滑り摩擦抵抗が原因で用紙整列時の負荷が大きくなって左右端が揃え終わる前であるにも拘わらず検出負荷が閾値Kを超えてしまい、早期に幅寄せ動作を終了する整列ミスを招く虞がある。しかし、本実施形態では、セット枚数が多数枚であってエッジガイド16,16で挟圧した際に用紙が湾曲する心配がないときには、用紙に荷重を加えないので、用紙Pの左右端が揃え終わった時点でエッジガイド16,16を停止させることができる。なお、エッジガイド16,16の幅寄せ動作中においても駆動シャフト65が正転しているが、このとき駆動歯車67はラック部74の歯部形成領域を下側に外れて位置し、ラック部74との噛み合いが外れた位置で空転することになる。
こうして検出負荷が閾値Kを超えて電動モータ60の正転駆動を停止すると、次に制御装置100は、図20に示すように、電動モータ60を逆転駆動させる。その結果、図20(d)及び図22に示すように、スライダ71が下降を開始する。すなわち、スライダ71は、図16及び図17に示す上死点の位置から下降を開始する。このとき、サブ部材73は捩りバネ79の付勢力により下側に付勢されているので、駆動歯車67が逆転を開始すると、駆動歯車67はラック部74とスムーズに噛み合い、スライダ71の下降が速やかに開始される。
このとき、紙押さえレバー31が下降して用紙Pを押圧していた場合は、図20(d)に示すように、スライダ71の下降過程で係合部83が操作軸部35Aと係合してこれを押し下げるため、紙押さえレバー31が退避位置側へ回動(上昇)し、押圧部33が用紙Pから離間して退避位置まで移動する。そして、押圧部33が退避位置に達するとそれ以上の移動(上昇)が規制されるため、係合部83は操作軸部35Aを潜り抜けてその下側へ移動し、スライダ71は図20(a)の初期状態(下死点)に復帰する。スライダ71の下降途中で所定高さを過ぎた段階で、捩りバネ85の付勢方向が上方向から下方向へ反転するため、捩りバネ85の下方向への付勢力によりスライダ71は下死点に保持される。なお、スライダ71の下降過程において、トグルレバー56が図6に示す中立点より反時計方向側の位置まで回動復帰した時点で、コイルバネ34の付勢力がトグルレバー56を図6における反時計方向へ回動させる方向に働くため、紙押さえレバー31はそのコイルバネ34の付勢力により図11に示す退避位置まで戻る。
制御装置100は、電動モータ60を、スライダ71が下死点に到達するまでの回転量だけ逆転駆動させた後に停止する。このため、スライダ71へは動力が伝達されるものの、遅延機構97によってピニオン部材92へは動力が伝達されないので、紙押さえレバー31が退避位置に復帰するだけで、一対のエッジガイド16,16は整列時のガイド位置に保持される。こうして用紙を給紙する準備が完了する。
例えば、印刷実行の指示が出されていた場合、あるいは用紙整列動作終了後に印刷実行の指示が出された場合は、制御装置100はサブモータ98を正転駆動する。すると、ホッパー15が図11の待機位置から図12に示す給紙位置へ傾動(上昇)し、ホッパー15上の用紙Pが給紙ローラ21の円弧面に当接し、給紙ローラ21の回転によって用紙Pのうち最上位の一枚が他の用紙と分離されつつ給紙される。
なお、制御装置100は、負荷検出センサ102の検出結果が閾値Kを上回る量が多かった場合には、電動モータ60の逆転駆動時に遅延時間が経過して係合突起92D,93Dが係合した後、さらに電動モータ60を、用紙Pとエッジガイド16の間に若干(0.1〜0.5mm程度)の隙間ができるように僅かな回転量だけ逆転駆動させてもよい。
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られる。
(1)遅延機構97を設けたので、共通の電動モータ60の動力で、紙押さえ機構23及びエッジガイド機構24を駆動させられるうえ、紙押さえ機構23の動作に対してエッジガイド機構24の動作を遅延させることができる。そのため、ホッパー15上の用紙Pを紙押さえレバー31の押圧部33で押し付けた状態を保持したまま、一対のエッジガイド16,16で用紙Pを挟圧することができる。その結果、エッジガイド16による挟圧時にも用紙Pが湾曲することがないので、負荷検出センサ102により検出された負荷が閾値Kを超えた時点で電動モータ60の駆動を停止すれば、一対のエッジガイド16を適切な位置に停止させることができる。例えば、従来のようにエッジガイドによる挟圧時に用紙を押さえていない構成では、挟圧時に用紙Pが湾曲してしまい検出負荷が閾値を超えないまま過度に幅寄せが行われてしまう不具合が心配されたが、このような不具合は回避できる。
(2)遅延機構97は、同軸上に相対回転可能に設けられた連結車93(第1回転体)とピニオン部材92(第2回転体)と、それぞれに設けられた係合突起93Dと係合突起92Dとにより構成され、係合突起93Dが係合突起92Dに当接するまで連結車93をピニオン部材92に対して空転させることで、エッジガイド機構24への動力伝達タイミングを遅延させている。よって、遅延手段を比較的簡単な機構により実現できる。また、エッジガイド機構24の整列動作終了後に、電動モータ60を逆転駆動したときにも、エッジガイド機構24への動力伝達タイミングが遅延時間だけ遅延するので、一対のエッジガイド16,16を位置決め位置に保持したまま、紙押さえレバー31を用紙Pから離間する退避位置へ戻すことができる。そのため、紙押さえレバー31が給紙の邪魔にならず、しかも一対のエッジガイド16,16で用紙を幅方向に適切な給紙位置にガイドすることができる。例えば押圧部33に押し付けられたまま用紙Pが給送されると、サブモータ98に負荷がかかるうえ、給紙ローラ21と用紙Pとの間に滑りが発生するなどして例えば用紙Pの頭出し位置のずれ等の原因ともなるが、そのような不具合も回避できる。
(3)電動モータ60の動力を紙押さえレバー31を駆動させる機構としてスライダ機構70を設けた。すなわち、スライダ71が上昇(往動)する過程で、係合部83が駆動バー35と係合してこれを押し上げることで、紙押さえレバー31を退避位置から作動位置へ下降させ、一方、スライダ71が下降(復動)する過程で、係合部83が駆動バー35と係合してこれを押し下げることで、紙押さえレバー31を作動位置から退避位置へ上昇させる構成とした。また、係合部83に斜面よりなる第1係合面83Aと第2係合面83Bとを設けた。このため、スライダ71の上昇過程で紙押さえレバー31が用紙Pあるいはホッパー15に当接してそれ以上駆動バー35を押し上げられなくなると、係合部83が駆動バー35を上側へ潜り抜け、一方、スライダ71の下降過程で紙押さえレバー31が退避位置に復帰してそれ以上駆動バー35を押し下げられなくなると、係合部83が駆動バー35を下側へ潜り抜ける構成とした。よって、駆動バー35がそれ以上移動できなくなっても、駆動歯車67がラック部74と噛合しなくなる位置までスライダ71の移動を完結することができ、押圧部33が用紙P又はホッパー15に当接した時点で電動モータ60の駆動を停止させる必要がなく、エッジガイド機構24を動作させるために電動モータ60の駆動を継続することができる。また、スライダ71の下降時には、係合部83が駆動バー35を下側へ潜り抜けることで、次回、スライダ71が上昇する際に係合部83が駆動バー35と下側から係合できるようになり、紙押さえレバー31の押圧方向への移動が可能となる。
(4)スライダ71を、メイン部材72と、メイン部材72に対して有限範囲内で上下方向に相対移動可能に取着されるサブ部材73とにより構成した。そして、駆動歯車67と噛合するラック部74をサブ部材73に形成し、さらに捩りバネ79により、ラック部74が駆動歯車67と噛合する方向へサブ部材73を付勢する構成を採用した。このため、スライダ71が下死点又は上死点で停止した状態において駆動歯車67の歯部67Aがラック部74の歯部74Aから外れて位置しても、駆動歯車67がそれまでの回転方向から逆転を開始すれば、駆動歯車67はラック部74とスムーズに噛合してスライダ71の移動を速やかに開始させることができる。例えば駆動歯車67がラック部74とスムーズに噛合できず、電動モータ60の駆動開始時点に対するスライダ71の始動時期が遅れた場合、紙押さえレバー31が作動位置に下降し終わる前に、遅延時間が経過して係合突起92D,93Dが当接してしまいエッジガイド機構24の動作が開始されてしまう。この場合、用紙が押圧部33によって押圧されないままエッジガイド16,16で用紙を挟圧する事態を招くことにもなるが、そのような事態も回避できる。
(5)スライダ71がそのストローク途中の所定高さよりも上側に位置するときにスライダ71を上方へ付勢し、所定高さよりも下側に位置するときにスライダ71を下方へ付勢する捩りバネ85を設けた。よって、捩りバネ85の付勢力によりスライダ71がほぼ上死点に保持されるため、例えば回転中の駆動歯車67がラック部74の最下端の歯部と衝突したときにスライダ71の自重が加わって歯部に比較的大きな負荷が加わることを回避できる。
(6)トグル機構38によって、ホッパー15上に載置された用紙Pの積重厚に応じて紙押さえ荷重を変化させる構成とした。すなわち、積重厚が設定厚以上と厚い場合に紙押さえ荷重を零とし、用紙Pの積重厚が設定厚より薄い場合に紙押さえ荷重で用紙Pを押さえ付ける構成とした。よって、用紙Pの積重厚が薄い場合にエッジガイド16の幅寄せ動作時における用紙Pの湾曲変形を回避しつつ、用紙の積重厚が厚い場合に、幅寄せ動作時における用紙間の摩擦によりエッジガイド16にかかる負荷を小さくすることができる。その結果、用紙Pの積重厚が薄い場合に、エッジガイド16による幅寄せ時に用紙Pが湾曲することを回避して用紙Pの左右端を揃える整列を巧く行えるうえ、用紙Pの積重厚が厚い場合に用紙間の摩擦抵抗で用紙Pの左右端を揃える整列が巧く行われなかったりすることを回避できる。
前記実施形態は上記に限定されず、以下の態様に変更することもできる。
(変形例1)遅延手段は、動力伝達タイミングを遅延させる遅延機構97に限定されない。紙押さえ機構23とエッジガイド機構24が別々の動力源により駆動される構成とし、第1動力源の駆動開始タイミングに対して第2動力源の駆動開始タイミングを遅延させる遅延手段でもよい。例えば、制御装置は、紙押さえレバー31の動作終了をセンサが検出すると、紙押さえ機構23の動力源を駆動停止させ、次にエッジガイド機構の動力源を駆動させる構成とする。この構成によれば、紙押さえ機構23の動作終了を検出するセンサと、紙押さえ機構用の第1動力源を駆動させるとともに、センサの検出値に基づきエッジガイド機構用の第2動力源の駆動開始タイミングを制御する制御装置とにより、遅延手段が構成される。また、センサを用いず、押圧手段用の電動モータ(第1動力源)の駆動開始時点からの回転量(例えばモータステップ数)を計数するカウンタを備え、カウンタが計数したステップ数が予めメモリに記憶した遅延ステップ数に達すると、ガイド手段用の電動モータ(第2動力源)を駆動させる構成としてもよい。この場合は、制御装置及びカウンタ等により遅延手段が構成される。
(変形例2)共通の動力源の動力で押圧手段とガイド手段を動作させる構成において、遅延手段として、クラッチ手段を採用することもできる。すなわち、動力源の動力で押圧手段の押圧動作を開始し、押圧手段の押圧動作のうち予め設定した設定動作まで終了したことをセンサ又はカウンタの計数値(例えばモータステップ数)に基づき検出すると、例えばキャリッジモータ103を駆動させてキャリッジ18をクラッチ操作位置まで移動させることでキャリッジ18にクラッチ手段を切り換え操作させ、このクラッチの切り換えにより動力源の動力がガイド手段に伝達され、ガイド手段の整列動作が開始される構成とする。この場合、クラッチ手段は、動力源の動力の伝達先を、押圧手段のみ、押圧手段とガイド手段の両方、ガイド手段のみの3位置に切り換えられる構成とするとよい。
(変形例3)遅延機構は、連結車93とピニオン部材92の間に1つ設けたが、ウォームホイール91と連結車93との間にも遅延機構を介在させるなどして、遅延機構を2段以上の多段に設けた構成とすることもできる。例えばN段の遅延機構を設けることで、約N回転分の動力伝達開始タイミングの遅延を確保できる。
(変形例4)係合解除手段として、係合部83に第1係合面83A及び第2係合面83Bを設けたが、これに限定されず、スライダ71と駆動バー35のうち少なくとも一方に斜面等の係合解除機能を有する係合面を形成すれば足りる。例え操作軸部35Aに、係合部が操作軸部35Aを潜り抜け可能な斜面(スライダの移動方向に対して傾斜する斜面)よりなる係合面を形成してもよい。
(変形例5)駆動歯車67(第1歯車)とウォーム68(第2歯車)は、共通の動力源の動力で回転する異なる駆動軸に別々に取着されてもよい。
(変形例6)前記実施形態では、用紙が挟圧時に湾曲しやすいセット枚数の少ないときに用紙Pを押圧し、用紙が湾曲する心配のない積重厚が厚いとき押圧しない構成としたが、積重厚に関わらず、紙押さえ荷重が略一定となる構成も採用できる。この場合、用紙セット枚数が所定枚数を超える場合は、紙押さえ動作が行われず、所定枚数未満の場合に略一定の押さえ荷重で紙押さえが行われる構成でもよいが、積重厚に関係なく常に紙押さえ荷重が付与される構成も採用できる。
(変形例7)センサでホッパー上の用紙の枚数又は積重厚を検出し、その検出値に基づいて電動モータ等の動力源を駆動させて、押圧部の紙押さえ荷重を調整する構成も採用できる。
(変形例8)遅延手段として機械的な遅延機構97を採用したが、センサでホッパー上に積重された用紙の枚数等の積重厚を検出し、その検出された積重厚が閾値を下回ったら、電動モータ等の動力源を駆動させて、動力源からの動力を、動力伝達機構を介して紙押さえレバーに伝達することで、紙押さえレバーを荷重付与方向へ移動させる構成も採用できる。
(変形例9)エッジガイド機構は、一対のエッジガイドが共にスライド可能な可動式としたが、一対のエッジガイドのうち一方が可動式で他方が固定式のエッジガイド機構を採用することもできる。
(変形例10)記録装置はシリアルプリンタに限定されず、ラインプリンタあるいはページプリンタに適用してもよい。また、記録方式についても、インクジェット方式に限定されず、ドットインパクト方式や感熱方式、レーザー方式なども採用できる。
(変形例11)ターゲット(記録媒体)は用紙に限定されず、樹脂製フィルム、金属製フィルム、布、CD、DVD、フィルム基板、樹脂基板などでもよい。そして、これらのうち1種のターゲットを整列させるために本発明を適用してもよい。
前記実施形態及び変形例から把握される技術的思想を以下に記載する。
(1)前記動力源を駆動制御する制御手段(100)と、前記一対のガイド部がターゲットを挟圧する際の負荷を検出する検出手段とを備え、前記制御手段は、前記検出手段が検出した負荷に基づき前記動力源を駆動停止させることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一項に記載のターゲット整列装置。この構成によれば、一対のガイド部がターゲットを挟圧する際にガイド部が受ける負荷が検出手段により検出され、その検出値に基づいて、制御手段は動力源を駆動停止させる。このため、ターゲットの積重厚が薄くても、挟圧時にターゲットが湾曲することがないので、ガイド部を適切な位置に位置決めできる。
(2)前記係合解除手段は、前記係合部と前記被駆動体のうち少なくとも一方に、前記係合部が前記被駆動体を潜り抜け可能に設けられた案内面(83A,83B)であることを特徴とする請求項4に記載のターゲット整列装置。
(3)前記押圧手段は、前記載置部上のターゲットの積重厚に応じて前記ターゲットを押圧する際の荷重を変化させる荷重可変手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一項に記載のターゲット整列装置。
一実施形態における給紙装置を示す斜視図。 プリンタの斜視図。 給紙装置の模式正面図。 紙押さえレバーが退避位置に配置された状態の給紙装置を示す要部斜視図。 紙押さえレバーが作動位置に配置された状態の給紙装置を示す要部斜視図。 トグル機構を説明するための紙押さえ機構の模式側断面図。 トグルレバーが中立点に配置された状態の紙押さえ機構の模式側断面図。 紙押さえレバーが退避位置に配置された給紙装置を示す模式側断面図。 セット枚数が少ない場合の紙押さえ状態を示す給紙装置の模式側断面図。 セット枚数が多い場合の紙押さえ状態を示す給紙装置の模式側断面図。 紙押さえレバーが退避位置へ復帰したときの給紙装置の模式側断面図。 ホッパー上昇時の給紙装置を示す模式側断面図。 プリンタの模式背面図。 スライダ機構の正面図。 スライダが下死点に配置された状態の駆動系を示す背面図。 スライダが上死点に配置された状態の駆動系を示す背面図。 スライダが上死点に配置された状態の駆動系を示す斜視図。 歯車機構の分解斜視図。 遅延機構を説明するための模式正断面図。 (a)〜(f)スライダ機構の動作を説明する模式側面図。 プリンタの電気的構成を示すブロック図。 紙押さえ動作及び幅寄せ動作を説明するタイミングチャート。
符号の説明
11…記録装置としてのプリンタ、13…搬送装置としての給紙装置、14…載置部を構成する給紙トレイ、15…ターゲット整列装置及び載置部を構成するホッパー、16…ガイド手段を構成するとともにガイド部としてのエッジガイド、18…キャリッジ、19…記録手段を構成する記録ヘッド、20…ハウジング、21…給紙ローラ、22…ターゲット整列装置を構成する支持台部、22A…載置面、23…ターゲット整列装置を構成するとともに押圧手段としての紙押さえ機構、24…ターゲット整列装置を構成するとともにガイド手段としてのエッジガイド機構、25…搬送手段としての給送機構、28…載置部を構成する載置板部、31…押圧手段を構成する紙押さえレバー、32…押圧手段を構成するアーム、33…押圧手段を構成する押圧部、34…コイルバネ、35…被駆動体としての駆動バー、35A…操作軸部、38…トグル機構、51,52…ガイド手段を構成するラック、53…ガイド手段を構成するピニオン、56…回動体としてトグルレバー、60…動力源としての電動モータ、65…動力伝達手段を構成するとともに駆動軸としての駆動シャフト、61〜64…動力伝達手段を構成する歯車、67…第1動力伝達手段を構成する第1歯車としての駆動歯車、68…第2歯車としてのウォーム、70…第1動力伝達手段を構成するスライダ機構、71…スライダ、72…第1部材としてのメイン部材、73…第2部材としてのサブ部材、74…ラック部、79…付勢手段としての捩りバネ、83…係合部、83A…係合解除手段を構成する第1係合面、83B…係合解除手段を構成する第2係合面、90…第2動力伝達手段を構成する歯車機構、91…歯車としてのウォームホイール、92…第2回転体としてのピニオン部材、92D…被係合部としての係合突起、93…第1回転体及び回転体としての連結車、93D…係合部としての係合突起、97…遅延機構、98…サブモータ、102…検出手段としての負荷検出センサ、103…記録手段を構成するキャリッジモータ、P…ターゲットとしての用紙。

Claims (8)

  1. ターゲットを複数枚積重した状態で載置可能な載置部と、
    前記載置部上に積重されたターゲットの搬送方向と交差する幅方向に少なくとも一方が移動可能な一対のガイド部を有し、前記一対のガイド部で前記ターゲットを挟圧して幅方向両端を揃えつつ当該ターゲットを幅方向に位置決めする整列動作を行うガイド手段と、
    前記載置部上のターゲットを積重方向に押し付ける押圧動作を行う押圧手段と、
    前記押圧手段で押圧された状態にある前記ターゲットを前記一対のガイド部が挟圧する動作タイミングとなるように、前記押圧手段の押圧動作に対して前記ガイド手段の整列動作を遅延させる遅延手段と
    を備えたことを特徴とするターゲット整列装置。
  2. 前記押圧手段と前記ガイド手段とを動作させる共通の動力源と、
    前記押圧手段及び前記ガイド手段に前記動力源の動力を伝達する動力伝達手段とを備え、
    前記遅延手段は、前記動力伝達手段に備えられ、前記動力源の動力が前記押圧手段に伝達されるタイミングよりも前記ガイド手段に伝達されるタイミングを遅延させる遅延機構であることを特徴とする請求項1に記載のターゲット整列装置。
  3. 前記動力伝達手段は、前記動力源の動力で回転する第1回転体と、前記第1回転体と同軸上で相対回転可能であるとともにその回転力が前記ガイド手段に整列動作のために伝達される第2回転体とを備え、
    前記遅延手段は、前記第1回転体と一体回転可能な係合部と、前記第2回転体と一体回転可能かつ前記係合部と係合可能な被係合部とを備え、前記係合部が前記被係合部に係合するまで前記第1回転体が前記第2回転体に対して空転することで、前記第1回転体から前記第2回転体への回転の伝達が遅延するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のターゲット整列装置。
  4. 前記押圧手段は、ターゲットを積重方向に押圧する押圧部と、当該押圧部と連動する被駆動体とを備え、
    前記動力伝達手段は、前記押圧手段の動力系である第1動力伝達手段と、前記ガイド手段の動力系である第2動力伝達手段とを備え、
    前記第1動力伝達手段は、前記動力源の正逆の動力でスライド経路に沿って往復動可能に設けられるとともに往復動の途中で前記被駆動体と係合可能なスライダであって、往動の途中で前記被駆動体と係合して前記押圧部を前記ターゲットと当接する作動位置へ移動させ、復動の途中で前記被駆動体と係合して前記押圧部を前記ターゲットから離間する退避位置へ移動させるように構成された当該スライダと、
    前記スライダの往動過程で前記押圧部がターゲットに当接して前記被駆動体の移動が規制された場合に、前記スライダと前記被駆動体との係合を解除し、かつ前記スライダの復動過程で前記押圧部が前記退避位置に達して前記被駆動体の移動が規制された場合に、前記スライダと前記被駆動体との係合を解除する係合解除手段とを備えたことを特徴とする請求項2又は3に記載のターゲット整列装置。
  5. 前記動力伝達手段は、前記動力源の動力で回転する同一の駆動軸又は異なる駆動軸に一体回転可能に設けられた第1歯車及び第2歯車とを備え、
    前記スライダは前記第1歯車と噛合するラック部を有し、前記第1歯車とラック部との噛合を介して前記第1歯車から伝達される動力でスライド移動するように構成され、
    前記第1回転体は、前記第2歯車と噛合する歯車あるいは当該歯車と同軸で一体回転可能に設けられた回転体であることを特徴とする請求項4に記載のターゲット整列装置。
  6. 前記スライダは、第1部材と、前記第1部材に対してスライド方向に有限範囲内で相対移動可能に設けられるとともに前記ラック部を有する第2部材と、前記第2部材を前記ラック部が前記第1歯車と噛合する方向へ付勢する付勢手段と、を備えていることを特徴とする請求項5に記載のターゲット整列装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載されたターゲット整列装置と、前記ターゲット整列装置により整列されたターゲットを1枚ずつ搬送する搬送手段とを備えたことを特徴とする搬送装置。
  8. 請求項7に記載の搬送装置と、前記搬送装置により搬送されたターゲットに記録を施す記録手段とを備えたことを特徴とする記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109046844A (zh) * 2018-09-18 2018-12-21 天津市久跃科技有限公司 一种高粘度涂料喷涂装置
WO2022256037A1 (en) * 2021-06-04 2022-12-08 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Medium supplier with deviation prevention structure for side guide

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